(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のキャビティが封止される前に、又は前記封止する工程中に、前記第1のキャビティを少なくとも第1の液体で少なくとも部分的に充填する工程を更に含む、請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の方法。
前記第1のキャビティが封止された後に、前記第1のキャビティを少なくとも第1の液体で少なくとも部分的に充填する工程を更に含む、請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の方法。
前記結合時に、前記セルフロック封止構造が、前記第1のインサートの後方湾曲ピースを、前記第1のインサートの前方湾曲ピースに対し相対的な位置に固定保持する、請求項8に記載の方法。
前記電子コンポーネントの取り付けが前記導電性材料に対して行われた後に、前記電子コンポーネントの少なくとも一部分に封止剤を適用する工程を更に含む、請求項1から請求項9のいずれか1つに記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、マルチピース型インサートを備える眼科用レンズの製造方法及び装置を含み、インサートの部分及びインサートを構成するコンポーネントは、封止及び封入の態様を含み得る。更に本発明は、封止及び封入の態様を含む眼科用レンズに組み込まれた、マルチピース型インサートを備える眼科用レンズを含む。
【0017】
本発明によると、付勢された眼科用レンズは、埋め込まれたインサート及びエネルギー源(例えば、エネルギーの蓄積手段としての電気化学セル又は電池など)を備えて形成される。いくつかの実施形態では、エネルギー源を備える材料は封入されて、眼科用レンズが内部に配置される環境からは単離される。
【0018】
いくつかの実施形態では、マルチピース型インサートは、回路、コンポーネント、及びエネルギー源のパターンも含む。様々な実施形態は、光学ゾーン(この光学ゾーンを通じて眼科用レンズの着用者は見る)の外縁周囲に回路、コンポーネント、及びエネルギー源のパターンを配置する、マルチピース型インサートを含んでもよい。他の実施形態は、回路、コンポーネント、及びエネルギー源のパターンを含んでもよく、これはコンタクトレンズの着用者の視野に悪影響を与えない程に十分小さく、したがってマルチピース型インサートはそれらを光学ゾーンの内部、又は外側に配置することができる。
【0019】
概して、本発明のいくつかの実施形態によると、マルチピース型インサートは、眼科用レンズを作るために使用される成形型部分に対して、所望の位置にエネルギー源を配置するオートメーションを介して眼科用レンズ内に一体化される。様々なコンポーネントを眼科用レンズ内に配置する実施形態は、コンポーネントを定位置に封止し接着する、又はコンポーネントを封入する1つ又は2つ以上の工程を使用し得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、エネルギー源は、コマンドにより起動することができ、眼科用レンズ内に含まれるエネルギー源から電流を引くことができるコンポーネントと電気的に導通するように配置される。コンポーネントは、これらに限定されないが半導体デバイス、能動若しくは受動電気デバイス、又は電気的に起動される機器(例えば微小電気機械システム(MEMS)、ナノ電気機械システム(NEMS)、又は微小機械を含む)を含み得る。エネルギー源及びコンポーネントの配置後、成形型部分は反応性混合物を成形し、重合して、眼科用レンズを形成することができる。
【0021】
以下のセクションでは、本発明の実施形態の「発明を実施するための形態」が記載される。好ましい実施形態及び代替の実施形態の両方の説明は、代表的な実施形態に過ぎず、変形、修正、及び代替が当業者にとって明白であり得ることが理解される。したがって、これらの代表的な実施形態は基礎をなす発明の範囲を制限しない点は理解されなければならない。
【0022】
用語集
本発明を対象としたこの説明及び特許請求の範囲においては、以下の定義が適用される様々な用語が用いられ得る。
後方湾曲ピース:本明細書で使用される場合、前述のインサート内に組み立てられたとき、後方上にある眼科用レンズの面上の位置を占有するマルチピース型インサートの固体要素を指す。眼科用レンズでは、そのようなピースは、着用者の目の表面により近いインサートの面上に配置される。いくつかの実施形態では、後方湾曲ピースは、眼科用デバイスの中心部における領域を収容し、かつこれを含んでもよく、この領域を通じて光が着用者の目の内部に進む。この領域は光学ゾーンと呼ばれ得る。他の実施形態では、このピースは、光学ゾーンにおける領域の一部又は全てを収容しない、又は含まない環状の形状をとり得る。眼科用インサートのいくつかの実施形態では、複数の後方湾曲ピースが存在してもよく、それらのうちの1つは、光学ゾーンを含んでもよく、一方で、他のものは環状又は環の部分であってもよい。
【0023】
コンポーネント:本明細書で使用する場合、論理的状態、又は物理的状態の1つ又は2つ以上の変化を生じるためにエネルギー源から電流を引くことができるデバイスを指す。
【0024】
付勢された:本明細書で使用するとき、電流を供給することができるか、又は内部に蓄積された電気的エネルギーを有することができる状態であることを指す。
【0025】
エネルギー:本明細書で使用するとき、ある物理系が仕事をする能力のことを指す。本発明で使用される場合の多くは、動作する際に電気的作用を行うことが可能なこの容量に関連し得る。
【0026】
エネルギー源:本明細書で使用するとき、エネルギーを供給することができるか、又は生体医学的デバイスを付勢された状態に置くことができるデバイスを指す。
【0027】
エネルギーハーベスター:本明細書で使用するとき、環境からエネルギーを抽出し、これを電気エネルギーに変換することができるデバイスを指す。
【0028】
前方湾曲ピース:本明細書で使用されるとき、前述のインサートが組み立てられた際に、前方上にある眼科用レンズ面上の位置を占有する、マルチピース型インサートの中実要素を指す。眼科用レンズでは、そのようなピースは、着用者の目の表面からより遠い面のインサート上に配置される。いくつかの実施形態では、ピースは、眼科用レンズの中心部における領域を収容し、かつこれを含んでもよく、この領域を通じて光が着用者の目の内部に進む。この領域は光学ゾーンと呼ばれることがある。他の実施形態では、ピースは、光学ゾーンにおける領域の一部又は全てを収容しない、又は含まない環状の形状をとってもよい。眼科用インサートのいくつかの実施形態では、複数の前方湾曲ピースが存在してもよく、それらのうちの1つは、光学ゾーンを含んでもよく、一方で、他のものは環状又は環の部分であってもよい。
【0029】
レンズ形成用混合物、又は反応性混合物若しくは反応性モノマー混合物(RMM):本明細書で使用されるとき、硬化及び架橋することができるか、又は架橋して眼科用レンズを形成することができるモノマー材料又はプレポリマー材料を指す。様々な実施形態は、例えばUV遮断剤、染料、光開始剤、又は触媒、及びコンタクト若しくは眼内レンズ等の眼科用レンズに有用な他の添加剤等の、1つ又は2つ以上の添加剤を有するレンズ形成用混合物を含むことができる。
【0030】
レンズ形成表面:本明細書で使用するとき、眼科用レンズの成型に使用される表面を指す。いくつかの実施形態では、任意のこのような表面は、光学品質表面仕上げを有することができ、これは、表面が十分に滑らかで、成形型表面に接触しているレンズ形成用混合物の重合によって作られる眼科用レンズ表面が光学的に許容可能であるように形成されていることを示す。更に、いくつかの実施形態では、レンズ形成表面は、眼科用レンズ表面に所望の光学特性を付与するのに必要な幾何学形状を有することができ、所望の光学特性としては、限定することなく、球面、非球面、及び円筒屈折力、波面収差補正、角膜トポグラフィ補正、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0031】
リチウムイオンセル:本明細書で使用するとき、リチウムイオンセルは、セル内を移動するリチウムイオンが電気的エネルギーを生成する、電気化学セルを指す。典型的には電池と呼ばれるこの電気化学セルは、その通常の状態に再付勢又は再充電され得る。
【0032】
マルチピース型インサート:本明細書で使用するとき、眼科用レンズ内部のエネルギー源を支持することができる、形成可能又は剛性の基板を指す。いくつかの実施形態では、マルチピース型インサートは、1つ又は2つ以上のコンポーネントも支持する。
【0033】
成形型:本明細書で使用されるとき、未硬化配合物から眼科用レンズを形成するために使用され得る、剛性又は半剛性の物体を指す。いくつかの好ましい成形型は、前方湾曲成形型部分及び後方湾曲成形型部分を形成する2つの成形型部分を含む。
【0034】
眼科用レンズ又はレンズ:本明細書で使用されるとき、眼内又は眼上に存在する、いずれかの眼科用デバイスを指す。これらのデバイスは、光学的補正を提供するものであってもよく、あるいは美容的なものであってもよい。例えば、用語「眼科用レンズ」は、コンタクトレンズ、眼内レンズ、オーバーレイ眼科用レンズ、眼用インサート、光学インサート、又は他の同様の、視力が補正若しくは変更されるデバイス、又は視力を妨げることなく眼の生理機能が美容的に向上される(例えば、虹彩色の外観を変更する)デバイスを指す場合がある。いくつかの実施形態では、本発明の好ましい眼科用レンズは、ソフトコンタクトレンズであり、シリコーンエラストマー又はヒドロゲルから作製される。
【0035】
光学ゾーン:本明細書で使用するとき、眼科用レンズの装用者がそこを通して見ることになる、眼科用レンズの領域を指す。
【0036】
電力:本明細書で使用するとき、単位時間当たりに行われる仕事又は移動するエネルギーを指す。
【0037】
再充電可能又は再付勢可能:本明細書で使用するとき、仕事を行うためのより高い能力を有する状態へと回復するための能力を指す。本発明内の多くの用途は、特定の速度で、特定の再度回復された時間の間、電流を流す能力を備える所与の状態まで回復するための能力に関連し得る。
【0038】
再充電又は再付勢:本明細書で使用するとき、仕事をするためのより高い能力を有する状態まで回復する活動を指す。本発明の多くの用途は、再確定された時間において、一定の速度で電流を流す能力を備える所定の状態までデバイスを回復させることに関連し得る。
【0039】
成形型から取り外れた:本明細書に使用されるとき、眼科用レンズが、成形型から完全に分離される、又は穏やかな振動によって取り外す、若しくは綿棒を用いて押し外すことができるように、ほんの軽く付着しているか、のいずれかである行為を指す。
【0040】
スタック一体型コンポーネントデバイス(SIC−デバイス):本明細書で使用するとき、電気的及び電気機械的デバイスを含み得る基材の薄層を、各層の少なくとも一部分を互いの上に積み重ねる手段により、動作可能な一体型デバイスへと組み立て得るパッケージング技術製品を指す。層は、様々な型式、材料、形状及びサイズのコンポーネントデバイスを含んでもよい。更に、層は、様々な輪郭に適合しかつこの輪郭に接するために、様々なデバイス製造技術により作製され得る。
【0041】
眼科用レンズ
図1に進むと、封止されかつ封入されたインサートを収容する眼科用レンズを形成するための装置100が示されている。この装置は、例示の前方湾曲成形型102及び適合する後方湾曲成形型101を含む。眼科用デバイスのインサート104及び本体103は、前方湾曲成形型102及び後方湾曲成形型101の内部に配置され得る。いくつかの実施形態では、本体103の材料はヒドロゲル材料であってもよく、インサート104はこの材料によって全ての表面において包囲されてもよい。
【0042】
インサート104は、多くの様々な種類のインサートのうちの1つであってもよい。
図1において、インサート104には少なくとも1つの封止された表面105が存在してもよい。他の実施形態は、様々な種類の封止部及び封入部を含んでもよく、それらの一部は後節で説明される。装置100の使用は、多くの封止された領域を備えるコンポーネントの組合せからなる新規の眼科用デバイスを作り出すことができる。
【0043】
図2に進むと、前述の新規の眼科用デバイスの例示の実施形態200が断面で示されている。眼科用デバイスのシェル230は、実施形態200を包囲することができる。シェル230は、
図1に示されている成形型の実施形態100によって形成されてもよく、並びに、例えばヒドロゲル化合物を含む多くの材料から構成されてもよい。
【0044】
この実施形態200はまた、インサート240を含んでもよい。いくつかの実施形態では、インサート240は複数のピースから構成されてもよく、それは様々な種類の封止部を利用してインサート240を組み立ててもよい。
【0045】
この実施形態200は、例えば活性要素、プロセス要素、付勢要素、及び検出要素を含むことができる、コンポーネントデバイス層210を含んでもよい。多くの封入スキームは、コンポーネントデバイス層210の包含に関係している。いくつかの実施形態において、
図1に示されるように、得られるインサートが眼科用デバイス内に固定される前に、層210は他のコンポーネント、例えば活性光学デバイス220に接着されてもよい。活性光学デバイス220は、2つの異なる不混和性の流体で充填され、次いで封止される、液体メニスカスタイプ光学レンズであってもよい。
【0046】
封止及び封入構造−接着溝部
図3に進むと、例示の光学デバイス220の端部300の拡大断面が示されている。例えば、水性相360及び非水性相350はメニスカスタイプの眼科用レンズ内の2つの不混和性の流体を示し得る。活性デバイスの前面310は、成形された別個のピースであってもよく、その上には様々な電極金属層が堆積されていてもよい。成形された前方ピース310は、接着溝部、凹部、又はスロット320を有してもよく、これは次いで、成形されているが別個の後方湾曲ピース340と交差する。この接着溝部320は、例えば接着剤(adhesive)、シーラント、又は接着剤(glue)のためのレセプタクルとして機能することができる。前方湾曲ピース310及び後方湾曲ピース340を互いに近接させた後、この2つのピース310及び340によって形成されたキャビティを流体350及び360で充填する前若しくは充填した後のいずれかにおいて、後方湾曲ピース340を前進させ、接着溝部320内にしっかりと位置合わせさせてもよい。その後、接着剤330は接着溝部320の残りの空間内に堆積されて、封止領域330を形成してもよい。いくつかの実施形態において、この接着溝部320は、眼科用レンズデバイス自体の周囲全体の周辺において配置されてもよい。
【0047】
多くの方法により、接着剤を接着溝部320内に適用することができる。いくつかの実施形態は、例えば印刷機で用いられるようなスプレーノズルによる適用を含む場合があり、他の実施形態は、接着溝部320内に事前に形成された接着剤内に堆積させてもよく、これは次いで熱、光、圧力、又は封止部及び結合部を形成する他の標準的な手段によって流され、接合される。多くの種類の接着剤により、封止領域330を形成することができる。表1は、この封止の適用、及び潜在的な対応する実施形態に使用され得る材料の種類の一部の例を列挙している。表1はまた各分類における一部の材料の、いくつかの代表的な特性を説明する。当業者は、説明される材料以外の材料もまた、本請求項の範囲内に含まれ得るということを理解するであろう。
【0049】
図4A及び4Bは、接着溝部495を備える別の実施形態400を示す。この実施形態は、前方湾曲ピース410及び後方湾曲ピース492を備える2ピース型アセンブリから構成されてもよく、2つのピース410と492との間に、例えばメニスカスタイプの眼科用レンズなどの活性光学デバイスを収容するのに使用されるキャビティを備える。前方湾曲ピース410は、活性光学要素の寸法よりも大きく成形されてもよく、ここで追加の寸法は支持領域415を形成し、この領域はコンポーネント、相互接続部、及び最終的には様々な種類の封止態様のための実装面を提供する。
図4Aは、平面の、拡大された前方湾曲ピース410を示す。
【0050】
様々な電気相互接続部及び相互接続構造430及び440は、この拡大された前方湾曲ピース410上に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、これらの相互接続構造430及び440は、例えば電池などの付勢要素に接続してもよい。他の実施形態では、付勢要素は、相互接続線430、440、470及び480に沿った電気接続部上に堆積されてもよく、又はこれに取り付けられてもよい。一部の具体的な実施形態では、第1の相互接続部は、交差部420を介して第2の相互接続部480に取り付けられてもよい。接続点450及び460は、付勢要素を他の要素に相互接続するために使用されてもよい。
【0051】
要素は、眼科用デバイスが占有する環境(例えば要素と接触する眼球表面の涙の流体を含む)において安定であっても、又は安定でなくてもよい材料から形成されてもよい。この使用は、例えばパリレンC、N及びD族の成分に限定されないが、これらを含むパリレン族を含むコーティングから封入層を形成することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、封入コーティングは、他の接着剤又はシーラント層の適用前又は適用後に生じてもよい。
【0052】
図4Bは、図中の下方の断面像を形成する断面方向を示す。上記の通り、いくつかの実施形態は、例えば接続点などの相互接続構造を含み、ここでコンポーネント491が取り付けられる。例示のコンポーネント491は、例えば導電性材料として導電性エポキシによって接続点460に取り付けられた、例えば集積回路を含んでもよい。いくつかの実施形態では、取り付けられたコンポーネント491は典型的に、コンポーネント本体と取り付け面の下層の、又はコンポーネント本体と取付面との間のアンダーフィル接着剤によって、前方湾曲ピース410の支持領域415に取り付けることができる。コーティング又は接着剤は続いて、集積回路又は他のコンポーネント491に適用されて、集積回路又は他のコンポーネント491を封入し、集積回路又は他のコンポーネント491を前方湾曲ピース410に接続してもよい。断面像で示されているように、後方湾曲構造493が存在してもよい。この後方湾曲構造493を備える実施形態490から生じる封止設計の性質は、以下の項において多少詳しく説明されるであろう。
【0053】
図5に進むと、この実施形態500は、
図4A及び4Bにおける2ピース型インサートの実施形態の例示の封止構造を含む。マルチピース型インサートの前方湾曲540は、一部の実施形態において、示されているもののように、接着封止領域520の一方の面を画定すること、及び、様々な目的のために電極が上に堆積され得る表面を提供すること、という2つの目的を果たすことができる、成形された若しくは形成された構造525を収容してもよい。一部の実施形態では、示されているもののように、前方湾曲ピース540は、接着封止領域520の対向する面として機能する突起部515を含んでもよい。マルチピース型インサートの後方湾曲ピース510は、接着封止領域515の嵌合面を形成する、成形された構造を有してもよい。この実施形態では、後方湾曲ピース510は2つの構造が嵌合する面を有し、この面は次いで、得られる接着封止の内部のキャビティ領域530及び外側領域520を画定する。
【0054】
いくつかの実施形態では、接着封止領域525及び515は、後方湾曲ピース510が定位置に配置される前に接着剤で充填されて、接着剤が2つの封止領域520及び530の周囲に流れるようにしてもよい。別の方法としては、接着封止領域530は、後方湾曲ピース510が、前方湾曲ピース540に対して定位置に移動される前に充填されて、接着剤がキャビティの周囲に流れて、封止部及び接合物の両方を形成できるようにしてもよい。いくつかの実施形態では、接着剤封止領域520は、別個の工程において、接着剤で充填されてもよく、この工程は、第1のキャビティを充填する工程と同じ材料又は異なる材料を含み得る。表1の様々な材料が前述の実施形態500において使用されてもよい。これには、水中条件で機能する接着剤の使用、又は接着封止領域530を充填するのに、比較的固体である予備形成されたシーラントの使用を含むがこれらに限定されないものが挙げられる。
【0055】
他の実施形態では、封止系515、520、530、525、510は前方湾曲ピース540の外側端部560により近接して配置されてもよい。接着封止領域515と外側端部560との間の最小距離は、例えば集積回路などのコンポーネント491の収容及び支持を更に可能にする。
【0056】
他の代替の実施形態は、後方湾曲ピース510を、前方湾曲ピース540の外側端部560まで遠くに延在するフラップ、拡張部、又は突起部550を含んでもよい。この突起部550は、接着封止領域520の強化と、コンポーネント491の更なる保護という2つの目的を果たすことができる。
【0057】
図6では、他の例示の実施形態600は、マルチピース型インサートの前方湾曲ピース及640及び後方湾曲ピース650を含む。この実施形態では、接着封止領域は、形成された構造625から外側端部615まで後方湾曲ピース650と前方湾曲ピース640との間で内部キャビティ620に拡がってもよく、並びに、例えば相互接続部及び集積回路などのコンポーネント491を含むように修正されてもよい。形成された構造625は、625から615まで接着剤封止領域620を画定すること、及び形成された電極の実装面を提供することの2つの目的を有してもよい。
【0058】
他の代替の実施形態では、接着封止領域620において625から615まで存在する後方湾曲ピース650の構造610の設計は、単一構造610であってもよい。この例示の実施形態では、内側キャビティ620は、フラップ構造660及び封止構造610によって、接着封止領域620内へ625から615まで形成される。表1の材料は、インサートデバイスの封止及び封入において有効であり得る材料の例を提供している。一般的見地から、接着封止領域並びに前方湾曲ピース及び後方湾曲ピースの多くの実施形態が実用化することができ、かかるデバイスは、本請求項の十分に範囲内であるということは当業者にとって明らかであり得る。
【0059】
封止及び封入構造−圧縮封止
図7は、マルチピース型インサートデバイス700を封止することができる、異なる種類のシール系745及び720を含む代替の実施形態を示す。いくつかの実施形態では、封止部の少なくとも1つの性質は、2つの表面間の圧縮封止部を含み得る。この実施形態700は、もう一方の封止構造720を圧縮する表面745を備える、例示の後方湾曲ピース740を含み、これは、例えば表1に列挙された材料を含む様々な接着材料で堆積された封止部として形成され得る。具体的な実施形態では、封止構造720は、前方湾曲ピース310において溝部750内に配置されるエラストマーのOリングであってもよく、これは封止構造720と745のための圧縮された箇所を形成する。前方湾曲ピース310及び後方湾曲ピース740に圧力がかけられるとき、圧縮封止部は、後方湾曲ピース740上の封止構造745と、溝部750における封止構造720との間に形成し得る。いくつかの実施形態では、接着剤は、封止溝部730の残りの中に配置されて前方湾曲ピース310及び後方湾曲ピース740を溝部750内に固定してもよい。この実施形態では、眼科用デバイスにおける圧縮型の封止部は、流体系の液体メニスカス実施形態を収容し、他の実施形態では、この種類の封止部は、例えば
図6に実証されている封止システムなど、眼科用レンズの環境における封止の必要性のために使用されてもよい。
【0060】
封止構造及び封入構造−ナイフ・エッジ封止部
図8は、マルチピース型インサートデバイス800を封止するように形成され得る封止部の代替実施形態を含む。前述の実施形態では、少なくとも1つの封止部の性質は、後方湾曲ピース840と前方湾曲ピース310との間にナイフ・エッジ封止部845を含み得る。例示の後方湾曲ピース840は、他方の封止構造820内に固定することができる先鋭化面845を有してもよい。いくつかの実施形態では、封止構造820は、例えば表1の接着材料を使用して、堆積された封止部として形成されてもよい。他の実施形態は、溝部850内に配置され得るOリング型の予備成形された構造820を含んでもよく、ここではナイフ・エッジ構造845は封止構造820内に圧縮されてもよい。あるいは、未硬化又は硬化された接着材料が溝部850に適用されて、内部にナイフ・エッジ構造845が押し込まれ得る封止構造820を形成してもよい。封止構造820が未硬化接着剤である実施形態では、前方湾曲ピース310及び後方湾曲ピース840は封止され、ナイフ・エッジ表面845によって形成された表面によって、封止構造820内へ封止され、これに接着して取り付けられてもよい。
【0061】
他の実施形態では、封止構造820を備えて形成された封止部の性質にかかわらず、後に続く例示の工程は、封止溝部830の残りの内部に接着剤を配置して、前方ピース310及び後方湾曲ピース840を定位置に固定することを含んでもよい。この具体的な実施形態では、眼科用デバイス800におけるナイフ・エッジ封止システム845、820、及び850は、流体系の液体メニスカス実施形態を基本としている。この種類の封止系845、820、及び850は、眼科用レンズの環境における他の種類の封止の必要性に対して、例えば
図6において実証された封止の種類において有効であり得る。
【0062】
図9は、眼科用インサートデバイス900におけるナイフ・エッジ型封止部の別の実施形態を示す。液体系の液体メニスカス実施形態の周囲に置かれたこの実施形態では、マルチピース型インサートの前方ピース310及び後方湾曲ピース940は、セルフロック機構を使用して一緒に固定され、前述のマルチピースデバイス900を封止及び封入する。セルフロック機構960は、後方湾曲ピース940上のナイフ・エッジ構造945から延びる輪郭リップ970、及び前方ピース310上のスロット溝部960を使用する。前方ピース310及び後方湾曲ピース960が一緒に押されたとき、輪郭リップ970及びスロット溝部960は、凸に固定された接合部を生じる。例示の実施形態では、溝部950は圧縮位置を形成し、ナイフ・エッジ構造945を封止構造920内へ更に固定してもよい。ナイフ・エッジ以外の関連する封止実施形態のいずれも、本明細書に記載の発明の範囲内の技術を構成することは明らかであり得る。
【0063】
この実施形態のもう1つ任意の特徴部は、セルフロック封止メカニズム920、945、970、960、及び950の全体の周辺部に沿って凹部930を含み得る。前述の凹部930は、例えば表1に列挙された材料など、接着剤又はシーラントを受け入れることができる。この実施形態900は、単一の封止箇所を示しているが、他の実施形態は複数の封止箇所を必要とする場合がある。例えば、
図4Aのデバイス400では、セルフロック封止機構920、945、970、960、及び950は、請求項に包含される構想のための使用に関する更なる多様性を提供することができる。第1の封止表面は、眼科用レンズの中心部の流体を含む領域を封止するのに有用であってもよく、一方で、第2の環状の輪のピースはその後、内側の環状封止部及び外側環状封止部と共に配置されて、相互接続コンポーネント、付勢コンポーネント、及び電子コンポーネントを包囲してもよい。後方湾曲ピースは、全ての領域にわたって1つのピースとして延在するような方式で形成されてもよい。異なる領域に対して複数の封止表面を用いて、様々な封止の実施形態が、複数の箇所において組み合わされてもよく、又は使用されてもよい。
【0064】
インサート系の眼科用レンズのための方法及び材料
図1に戻って参照すると、眼科用レンズのための代表的な成形型デバイス100の図がマルチピース型インサート104を備えて例示されている。本明細書で使用するとき、成形型デバイス100は、レンズ形成用混合物の反応又は硬化の際に所望の形状の眼科用レンズが製造されるように、レンズ形成用混合物をその中に分配することができる、キャビティ106の形状に形成されたプラスチックを含む。本発明の成形型及び成形型アセンブリ100は、2つ以上の成形型部分又は成形型ピース101及び102から構成される。内部に眼科用レンズを形成できるキャビティ106を、成形型部分101と102との間で形成するような方式で、成形型部分101及び102を一緒にすることができる。成形型部分101及び102のこの結合は、一時的であることが好ましい。眼科用レンズが形成されたら、眼科用レンズを取り出すために成形型部分101及び102は再び分離させることができる。
【0065】
少なくとも1つの成形部分101及び102は、その表面の少なくとも一部分がレンズ形成用混合物と接触しており、これによりレンズ形成用混合物の反応又は硬化時に、この表面は、所望の形状及び形態を、表面が接触している眼科用レンズの部分にもたらす。少なくとも1つの他の成形型部分101及び102についても同じである。
【0066】
したがって、例えば、例示の実施形態においては、成形型デバイス100は、2つの部分101及び102、すなわち雌型の凹型ピース(前方湾曲成形型)102と雄型の凸型ピース(後方湾曲成形型)101から形成され、それらの間にキャビティ106が形成される。レンズ形成用混合物と接触する、凹型表面の部分は、成形型デバイス100内で製造される眼科用レンズの前方湾曲部の曲率を有する。前述の部分は十分に平滑であり、凹型表面と接触する、レンズ形成用混合物の重合によって形成される眼科用レンズの表面が、光学的に認められるものであるように形成される。
【0067】
いくつかの実施形態においては、前方湾曲成形型102はまた、円形の周辺縁部と一体で、かつこれを囲む環状フランジを有することができ、この円形の周辺縁部は、軸線に垂直でかつフランジ(図示せず)から延びる平面内に延びている前方湾曲成形型120から延びている。
【0068】
レンズ形成表面は、光学品質表面仕上げを備える表面を含むことができ、これは、表面が十分に滑らかで、成形型表面に接触しているレンズ形成用混合物の重合によって作られた眼科用レンズ表面が、光学的に許容可能であるように形成されることを示す。更に、いくつかの実施形態では、成形型ピース101及び102のレンズ形成表面101及び102は、眼科用レンズ表面に所望の光学特性を付与するのに必要な幾何学形状を有することができ、所望の光学特性としては、限定することなく、球面、非球面、及び円筒屈折力、波面収差補正、角膜トポグラフィ補正などに加えて、これらの任意の組み合わせが挙げられる。当業者は、説明される特性以外の特性もまた、本発明の範囲内に含まれ得るということを理解するであろう。
【0069】
エネルギー源及びコンポーネントは、マルチピース型インサート104上に実装され、これは、エネルギー源が上に配置され得るいずれかの受容材料から構成され得る。いくつかの実施形態では、マルチピース型インサート104は、例えば回路経路、コンポーネント、及びエネルギー源をコンポーネントと電気的に導通して配置させ、コンポーネントがエネルギー源から電流を引くことを可能にするために有用な他の態様を含み得る。本明細書に記載の新規の封止及び封入の発明、例えば封止された表面105などは、機能的インサートがマルチピースで製造され、次いで信頼性高く組み立てられ、眼科用デバイス内に最終的に含まれるように封止されるのを可能にし、眼科用デバイスの周囲の材料及びインサートデバイス内部の材料は、インサート材料又は前述の封止部105を通じて拡散することができない。
【0070】
様々な実施形態はまた、眼科用レンズを形成するために使用される成形型部分内にマルチピース型インサート104を配置する前に、エネルギー源をマルチピース型インサート104内に配置することを含む。マルチピース型インサート104はまた、エネルギー源により電荷を受け取る、1つ又は2つ以上のコンポーネントを含み得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、マルチピース型インサート104を備える眼科用レンズは、剛性の中心部を有する柔軟性のスカート設計を有し、ここでは中央の剛性光学要素が、大気と、対応する前方表面及び後方表面上の角膜表面とに直接接触する。眼科用レンズ材料(一般的にヒドロゲル材料)の柔軟なスカートは、剛性の光学要素の周辺部に取り付けられ、これは、得られる眼科用レンズにエネルギー及び機能性を提供するマルチピース型インサートとしても機能する。これらの実施形態では、封入部及び封止部105の機能は重要である。
【0072】
いくつかの更なる実施形態は、剛性の眼科用レンズインサートであり、かつヒドロゲルマトリックス内に十分に封入されているマルチピース型インサート104を含む。剛性眼科用レンズインサートであるマルチピース型インサート104は、例えば、マイクロインジェクション成形法を使用して製造され得る。実施形態は、例えば、直径が約6mm〜10mm、前方表面半径が約6mm〜10mm、後方表面半径が約6mm〜10mm、並びに中心厚さが約0.050mm〜0.5mmのポリ(4−メチルペンテン−1)コポリマー樹脂を含み得る。いくつかの代表的な実施形態は、約8.9mmの直径、約7.9mmの前側表面半径、約7.8mmの後側表面半径、及び約0.100mmの中心厚さ、及び約0.050半径の縁部輪郭のインサートを含む。1つの代表的なマイクロ成形装置には、Battenfield Inc.によって提供されるMicrosystem 50の5トンシステムが挙げられる。封止構造の一部又は全ては、成形プロセス中に形成され得るか、又は成形プロセスの結果の後に続くプロセスによって、後で形成される溝、スロット、リップ、及びナイフ・エッジが含まれるがこれらに限定されない。
【0073】
マルチピース型インサートは、眼科用レンズを形成するために使用される成形型部分101及び102内に配置され得る。成形型部分101及び102の材料には、例えばポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、及び変性ポリオレフィン、のうちの1つ又は2つ以上のポリオレフィンを挙げることができる。他の成形型には、セラミック又は金属材料を含むことも可能である。
【0074】
眼科用レンズの成形型を形成するために、1つ又は2つ以上の添加剤と組み合わせることができる他の成形材料としては、例えばZieglar−Nattaポリプロピレン樹脂(znPPと称されることがある)、FDA規則21 CFR(c)3.2による清浄な成形品のための精製ランダムコポリマー、エチレン基を有するランダムコポリマー(znPP)が挙げられる。
【0075】
また更には、いくつかの実施形態では、本発明の成形型には、ポリプロピレン等のポリマー、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、主鎖に脂環式部分を含む変性ポリオレフィン、及び環状ポリオレフィンが含まれ得る。このブレンドを、成形型の半分の一方又は両方に対して用いることができる。このブレンドを後方湾曲部上で用いて、前方湾曲部は脂環式コポリマーからなることが好ましい。
【0076】
本発明に係る成形型100のいくつかの好ましい作製方法では、射出成形は既知の技法によって使用される。実施形態はまた、例えば旋盤法、ダイヤモンド切削、又はレーザー切断を含む、他の方法によって作られる成形型を含んでもよい。
【0077】
典型的に、眼科用レンズは、両方の成形型部分101及び102のうちの少なくとも1つの表面上に形成される。しかしながら、いくつかの実施形態では、眼科用レンズの1つの表面は、成形型部分101及び102から形成されてもよく、レンズの他方の表面は、例えば旋盤方法を使用して形成されてもよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、マルチピース型インサート400は、マルチピース型インサート400に配置されるエネルギー源420、430、440、470、及び480により電力が供給される可変光学部品を含む、光学ゾーンを備える前方湾曲表面410を有し得る。マルチピース型インサート400はまた、例えば光学ゾーン内に含まれる可変光学部品を制御するための集積回路などのコンポーネント491を含んでもよい。この説明においては、可変光学部品は、コンポーネントとして認識され得る。
【0079】
エネルギー源は、コンポーネント491と電気的に導通し得る。コンポーネント491は、状態変化で電荷に応答する任意の装置を含むことができ、例えば半導体タイプのチップ、受動的電気デバイス、又はクリスタル眼科用レンズ等の光学デバイスが挙げられる。
【0080】
いくつかの具体的な実施形態では、エネルギー源420、430、440、470、及び480は例えば、電池、又は他の電気化学セル、コンデンサ、ウルトラコンデンサ、スーパーコンデンサ、又は他のストレージコンポーネントを含む。いくつかの具体的な実施形態は、光学ゾーン外側の眼科用レンズ周辺部上のマルチピース型インサート400上に位置する電池を含み得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、眼科用レンズの種類は、シリコーン含有成分を含む、眼科用レンズを含むことができる。シリコーン含有成分は、モノマー、マクロマー又はプレポリマー中に少なくとも1個の[−Si−O−]単位を含有する成分である。好ましくは、合計シリコーン及び結合した酸素は、シリコーン含有成分中に、当該シリコーン含有成分の総分子量の約20重量%より大きい、更に好ましくは30重量%より大きい量で存在する。有用なシリコーン含有成分は、好ましくは、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニル、N−ビニルラクタム、N−ビニルアミド及びスチリル官能基などの重合性官能基が含まれる。
【0082】
いくつかの実施形態では、インサートを包囲するインサート封入層とも呼ばれる、眼科用レンズのスカートは、標準的なヒドロゲルの眼科用レンズ配合物から構成され得る。多くのインサート材料と許容可能な調和を呈する特性を備える代表的な材料には、ナラフィルコン系(ナラフィルコンA及びナラフィルコンB)、及びエタフィルコン系(エタフィルコンAを含む)が挙げられるがこれらに限定されない。本明細書の技術と一致する材料の性質に関して、より技術的に包括的な説明は以下に続く。当業者は、説明された以外の他の材料もまた、封止され、封入されたインサートの許容可能なエンクロージャ又は部分的なエンクロージャを形成することができ、本請求項と一致しており、これに含まれると見なされるべきであるということを理解するであろう。
【0083】
好適なシリコーン含有成分は、式Iの化合物を含む。
【化1】
式中、R
1は、独立して、一価反応基、一価アルキル基、又は一価アリール基から選択され、前述のいずれかは、ヒドロキシ、アミノ、オキサ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、アルコキシ、アミド、カルバメート、カーボネート、ハロゲン、又はこれらの組み合わせから選択される官能基を更に含み得、1〜100のSi−Oの繰り返し単位を含む一価シロキサン鎖は、アルキル、ヒドロキシ、アミノ、オキサ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、アルコキシ、アミド、カルバメート、ハロゲン、又はこれらの組み合わせから選択される官能基を更に含むこともあり、
式中、bは0〜500であり、bが0以外のときに、bは、表示値と同等のモードを有する分配であると理解され、
式中、少なくとも1個のR
1が一価の反応基を含み、いくつかの実施形態では、1〜3個のR
1が一価の反応基を含む。
【0084】
本明細書に使用されるとき、一価反応基は、フリーラジカル及び/又はカチオン重合を受けることができる基である。フリーラジカル反応性基の非限定的な例としては、(メタ)アクリレート、スチリル、ビニル、ビニルエーテル、C
1〜6アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、C
1〜6アルキル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルラクタム、N−ビニルアミド、C
2〜12アルケニル、C
2〜12アルケニルフェニル、C
2〜12アルケニルナフチル、C
2〜6アルケニルフェニルC
1〜6アルキル、O−ビニルカルバメート及びO−ビニルカーボネートが挙げられる。カチオン反応性基の非限定例としては、ビニルエーテル又はエポキシド基及びこれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、フリーラジカル反応基は、(メタ)アクリレート、アクリルオキシ、(メタ)アクリルアミド、及びこれらの混合物を含む。
【0085】
好適な一価のアルキル基及びアリール基には、置換及び非置換のメチル、エチル、プロピル、ブチル、2−ヒドロキシプロピル、プロポキシプロピル、ポリエチレンオキシプロピル、これらの組み合わせなどの、非置換の一価のC
1〜16アルキル基、C
6〜14アリール基が挙げられる。
【0086】
一実施形態では、bは、ゼロであり、1個のR
1は、一価反応基であり、少なくとも3個のR
1は、1〜16個の炭素原子を有する一価アルキル基から選択され、別の実施形態では、1〜6個の炭素原子を有する一価アルキル基から選択される。本実施形態のシリコーン成分の制限されない例には、2−メチル−、2−ヒドロキシ−3−[3−[1,3,3,3−テトラメチル−1−[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキザニル]プロポキシ]プロピルエステル(「SiGMA」)、
2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルオキシプロピル−トリ(トリメチルシロキシ)シラン、
3−メタクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(「TRIS」)、
3−メタクリルオキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、及び
3−メタクリルオキシプロピルペンタメチルジシロキサンが含まれる。
【0087】
別の実施形態では、bは、2〜20、3〜15、又はいくつかの実施形態では、3〜10であり、少なくとも1つの末端R
1は、一価反応基を含み、残りのR
1は、1〜16個の炭素原子を有する一価アルキル基から選択され、別の実施形態では、1〜6個の炭素原子を有する一価アルキル基から選択される。更に他の一実施形態では、bが3〜15であり、1つの末端R
1が一価の反応性基を含み、その他の末端R
1が1〜6の炭素原子を有する一価のアルキル基を含み、残余のR
1が1〜3の炭素原子を有する一価のアルキル基を含む。本発明のシリコーン成分の制限されない例には、(モノ−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピル)−プロピルエーテル末端のポリジメチルシロキサン(400〜1000MW))(「OH−mPDMS」)、モノメタクリルオキシプロピル末端のモノ−n−ブチル末端のポリジメチルシロキサン(800〜1000MW)、(mPDMS)が含まれる。
【0088】
別の実施形態では、bは、5〜400、又は10〜300であり、両方の末端R
1は、一価反応基を含み、残りのR
1は、独立して、炭素原子間のエーテル結合を有することもあり、ハロゲンを更に含むこともある、1〜18個の炭素原子を有する一価アルキル基から選択される。
【0089】
シリコーンヒドロゲルの眼科用レンズが望ましい一実施形態では、本発明の眼科用レンズは、ポリマーを作製する反応性モノマー成分の総重量に基づき、少なくとも約20、好ましくは、約20重量%〜70重量%のシリコーン含有成分を含む反応性混合物から作製される。
【0090】
別の実施形態では、1〜4のR
1は、以下の式IIのビニルカーボネート又はカルバメートを含み、
【化2】
式中、Yは、O−、S−、又はNH−を示し、Rは、ヒドロゲン又はメチルを示し、dは、1、2、3、又は4であり、qは、0又は1である。
【0091】
シリコーン含有ビニルカーボネート又はビニルカルバメートモノマーは、具体的には、1,3−ビス[4−(ビニルオキシカルボニルオキシ)ブト−1−イル]テトラメチル−ジシロキサン、3−(ビニルオキシカルボニルチオ)プロピル−[トリス(トリメチルシロキシ)シラン]、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカルバメート、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルバメート、トリメチルシリルエチルビニルカーボネート、トリメチルシリルメチルビニルカーボネート、及び以下を含む。
【化3】
【0092】
約200以下の弾性率を有する生物医学的装置が所望される場合、1個のR
1のみが一価反応基を含むものとし、残りのR
1基のうちの2個以下は、一価シロキサン基を含む。
【0093】
別のクラスのシリコーン含有成分としては、次の式のポリウレタンマクロマーが挙げられる。
式IV〜VI
(
*D
*A
*D
*G)
a*D
*D
*E
1;
E(
*D
*G
*D
*A)
a*D
*G
*D
*E
1又は
E(
*D
*A
*D
*G)
a*D
*A
*D
*E
1
式中、Dは、炭素原子6〜30個を有するアルキルジラジカル、アルキルシクロアルキルジラジカル、シクロアルキルジラジカル、アリールジラジカル又はアルキルアリールジラジカルを示し、
式中、Gは、炭素原子1〜40個を有するアルキルジラジカル、シクロアルキルジラジカル、アルキルシクロアルキルジラジカル、アリールジラジカル又はアルキルアリールジラジカルを示し、これは、主鎖中にエーテル、チオ又はアミン結合を含有でき、
*はウレタン又はウレイド結合を意味し、
aは、少なくとも1であり、
Aは次の式の二価重合ラジカルを意味する。
【化4-1】
式中、R
11は独立してアルキル又は1〜10個の炭素原子を有するフルオロ置換アルキル基を意味し、これは炭素原子間にエーテル結合を含んでよく、yは少なくとも1であり、pは400〜10,000の部分重量を提供し、E及びE
1はそれぞれ独立して式VIIIに示される重合性不飽和有機ラジカルを意味し、
【化5-2】
式中、R
12は水素又はメチルであり、R
13は水素、1〜6個の炭素原子を有するアルキルラジカル又は−CO−Y−R
15ラジカルで、Yは−O−、Y−S−又は−NH−であり、R
14は1〜12個の炭素原子を有する二価ラジカルであり、Xは−CO−又は−OCO−を意味し、Zは−O−又は−NH−を意味し、Arは6〜30個の炭素原子を有する芳香族ラジカルを意味し、wは0〜6であり、xは0又は1であり、yは0又は1であり、zは0又は1である。
【0094】
1つの好ましいシリコーン含有成分は、式IXで示されるポリウレタンマクロマーである。
【化6】
式中、R
16は、イソホロンジイソシアネートのジラジカルなどのイソシアネート基除去後のジイソシアネートのジラジカルである。別の好適なシリコーン含有マクロマーは、フルオロエーテル、ヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサン、イソホロンジイソシアネート及びイソシアネートエチルメタクリレートの反応によって形成される式X(式中、x+yは10〜30の範囲の数である)の化合物である。
【化7】
【0095】
本発明の使用に好適な他のシリコーン含有成分には、ポリシロキサン、ポリアルキレンエーテル、ジイソシアネート、ポリフッ素化炭化水素、ポリフッ素化エーテル、及び多糖類基を含有するマクロマー;末端のジフルオロで置換された炭素原子に結合する水素原子を有する、極性のフッ素化グラフト又は側基を有するポリシロキサン;エーテルを含有する親水性シロキサニルメタクリレート、並びにポリエーテル及びポリシロキサニル基を含有するシロキサニル結合及び架橋性モノマーが含まれる。前述のポリシロキサンのいずれもまた、本発明のシリコーン含有成分として使用することができる。
【0096】
プロセス
以下の方法の工程は、本発明のいくつかの態様により実施しても良いプロセスの例として与えられる。本方法のステップが示される順番は限定を意図するものではなく、他の順番を用いて本発明を実施しても良いことを理解されるべきである。加えて、本発明を実施するために全てのステップを必要とするわけではなく、また本発明の種々の実施形態には付加的なステップを含んでも良い。更なる実施形態が実用的であり得、かかる方法は、当該請求項の十分に範囲内であるということは、当業者には明白であり得る。
【0097】
ここで
図10を参照すると、フローチャートによって、本発明を実施するために用い得る代表的なステップを示している。1001において、前方湾曲ピース(例えば
図3に示されているピース310)が形成され、1002において、後方湾曲ピース(例えば
図3に示されているピース340など)が形成される。1001及び1002において、これらの形成工程は順番に、又は同時に実施されてもよい。
【0098】
1003において、導電性材料はインサートの前方湾曲ピース若しくはインサートの後方湾曲ピースの一方又は両方に適用されてもよい。1004において、封止剤は、電子コンポーネント及び導電性材料の一方又は両方の少なくとも一部に適用されてもよい。1004における、導電性材料に対する封止剤のこの適用は、封止プロセスにわたって生じてもよい一方で、1004における、電子機器への適用は、1003においてコンポーネントが導電性材料に取り付けられた時点で生じ得る。
【0099】
1005において、接着材料又は封止材料は、前方湾曲ピース及び後方湾曲ピースの一方又は両方に適用されてもよい。いくつかの実施形態では、この材料の適用は、予備成形されたピースをインサートピースの一方又は両方の上に配置することを伴う場合がある。いくつかの実施形態では、2つ以上の前方湾曲ピース、又は2つ以上の後方湾曲ピース、又は両方のピースの2つ以上が存在し得る。これらの実施形態では、1005における工程は、眼科用インサートの全ての適用可能なピースがインサート内に結合するまで繰り返されるであろう。
【0100】
1005における、後方湾曲ピースに対する前方湾曲ピースの結合は本質的に、例えば
図2に示されているように活性光学デバイス220を収容することができるキャビティを形成する。1006において、前述のキャビティは流体で少なくとも部分的に充填されていてもよい。いくつかの実施形態では、流体は多数の機能を果たしてもよく、複数の流体は1006における工程を繰り返すことによって添加されてもよい。例えば、
図3に示されるように、2つの不混和性の流体350及び360は、メニスカス型の眼科用レンズを形成することができる。
【0101】
1007において、反応性モノマー混合物が第1の成形型部分と第2の成形型部分との間に堆積され、又は後続のプロセス工程の結果、2つの部分となる、第1の成形型部分若しくは第2の成形型部分のいずれかの表面上に堆積され得る。1008において、結合されたインサートは、第1の成形型部分及び第2の成形型部分によって形成されるキャビティ内に配置されるか、後に第1の成形型部分及び第2の成形型部分によって形成されるキャビティ内となる表面上に配置される。いくつかの好ましい実施形態では、
図1の結合されたインサート104は、機械的な配置を介して
図1の成形型部分101及び102に配置される。機械的配置には、例えば、表面実装コンポーネントを配置する業界で知られているもののような、ロボット又はその他のオートメーションが挙げられる。人間によるインサート104の配置も、本発明の範囲内である。したがって、成形型部分に包含される反応性混合物の重合化によって、得られる眼科用レンズ内にインサートが含まれるように、鋳型成形型部分内にインサート104を配置する限り、任意の機械的配置が有効である。いくつかの実施形態では、プロセッサデバイス、MEMS、NEMS、又は他のコンポーネントがまた、インサート内若しくはインサート上に実装されてもよく、エネルギー源と電気的に導通してもよい。
【0102】
1009において、第1の成形型部分は、第2の成形型部分と近接して配置されて、眼科用レンズを形成するキャビティを形成することができ、反応性モノマー混合物の少なくとも一部及びエネルギー源をそのキャビティ内に備える。1010において、キャビティ内の反応性モノマー混合物を重合化させることができる。重合化は、例えば、化学線及び熱の一方又は両方に曝露させることによって達成することができる。1011において、眼科用レンズは成形型部分から取り外される。
【0103】
本発明を使用して、任意の既知の眼科用レンズ材料、又はそのような眼科用レンズの製造に好適な材料から製造されるハード若しくはソフトコンタクトレンズを提供することができるが、好ましくは、本発明の眼科用レンズは、約0〜約90パーセントの含水量を有するソフトコンタクトレンズである。更に好ましくは、眼科用レンズは、モノマー含有のヒドロキシ基及びカルボキシル基の一方又は両方から製造され、あるいはシロキサン、ヒドロゲル、シリコーンヒドロゲル、及びこれらの組み合わせ等のシリコーン含有ポリマーから製造される。本発明の眼科用レンズを形成するのに有用な材料は、マクロマー、モノマー、ポリマー、及びこれらの組み合わせの混合物を、重合開始剤等の添加剤と共に反応させることによって製造され得る。好適な材料は、シリコーンマクロマー及び親水性モノマーから製造されるシリコーンヒドロゲルを含むが、これらに限定されない。
【0104】
装置
ここで
図11を参照すると、自動装置1110の実施形態1100が、1つ又は2つ以上のインサート1114の移送インターフェース1111を有するものとして例示されている。例示されるように、それぞれがインサート1114と結合している多数の成形型部分が、パレット1112上に収容され、媒体移送インターフェース1111に置かれている。実施形態は、マルチピース型インサート1114を個別に配置する単一のインターフェース、又はマルチピース型インサート1114を複数の成形型部分に同時に(いくつかの実施形態では各成形型に)配置する多数のインターフェース(図示されない)を含み得る。
【0105】
いくつかの実施形態の別の態様は、眼科用レンズの本体をこれらのコンポーネントの周囲に成形する間、マルチピース型インサート1114を支持する装置を含む。保持点は、眼科用レンズ本体を形成するものと同種の重合材料によって固定してよい。
【0106】
ここで
図12を参照すると、本発明のいくつかの実施形態で使用され得るコントローラ1200が図示されている。コントローラ1200は、通信デバイス1220に結合される1つ又は2つ以上のプロセッサコンポーネントを含み得る、1つ又は2つ以上のプロセッサ1210を含む。いくつかの実施形態において、コントローラ1200を用いて、眼科用レンズ内に配置されたエネルギー源にエネルギーを伝送することができる。いくつかの実施形態では、前述のコンポーネントの全ては、マルチピース型インサート内に配置されてもよく、ここでマルチピースは、封止されて、インサートの内側領域及び外側領域を画定する。
【0107】
プロセッサ1210は、通信チャネルを介してエネルギーを伝達するように構成された通信デバイス1220と連結される。通信デバイス1220は、眼科用レンズ成形型部分内にインサートを配置するために使用されるオートメーション、インサート媒体上若しくはインサート媒体内に実装されたコンポーネントに、又はこのコンポーネントからのデジタルデータの伝送、あるいは眼科用レンズ内に組み込まれたコンポーネントの1つ又は2つ以上を電気的に制御するために使用され得る。通信装置1220を使用することによってまた、例えば、1つ又は2つ以上のコントローラ装置又は製造機器コンポーネントと通信してもよい。
【0108】
プロセッサ1210は、ストレージデバイス1230とも通信する。ストレージデバイス1230は、磁気ストレージデバイス(例えば、磁気テープ及びハードディスクドライブ)、光学式ストレージデバイス、並びに/又は(ランダムアクセスメモリ(RAM)デバイス及びリードオンリーメモリ(ROM)デバイス等の)半導体メモリデバイスの組合せを含むがこれらに限定されない、任意の適切な情報ストレージデバイスを備え得る。
【0109】
ストレージデバイス1230は、プロセッサ1210を制御するためのプログラム1240を記憶することができる。プロセッサ1210は、ソフトウェアプログラム1240の指示を実行し、それによって、本発明に従って動作する。例えば、プロセッサ1210は、インサートの配置、コンポーネントの配置を記述する情報を受信することができる。ストレージデバイス1230はまた、1つ又は2つ以上のデータベース1250及び1260内の眼科関連データを記憶することもできる。データベースは、カスタマイズされたインサートの設計、計測学上のデータ、及びインサートに出入りするエネルギーを制御するための具体的な制御シーケンスを含み得る。
【0110】
結論
本発明は、上述の通り、及び更に「特許請求の範囲」によって以下に定義される通り、マルチピース型インサート内及びこのインサート上にコンポーネントを封止し、封入する方法、並びにそのような方法を実施するための装置、並びにマルチピース型インサートで形成される眼科用レンズを提供する。
【0111】
〔実施の態様〕
(1) 眼科用レンズ用のマルチピース型インサートを形成する方法であって、
少なくとも第1のインサートの後方湾曲ピースを形成する工程と、
少なくとも第1のインサートの前方湾曲ピースを形成する工程と、
前記第1のインサートの前方湾曲ピース及び前記第1のインサートの後方湾曲ピースのうちの一方又は両方の上に導電性材料を堆積する工程と、
前記第1のインサートの前方湾曲ピース及び前記第1のインサートの後方湾曲ピースのうちの一方又は両方に、電子コンポーネントを取り付ける工程であって、前記取り付けが前記導電性材料に対して行われる、工程と、
第1の材料を配置して、前記第1のインサートの前方湾曲ピース及び前記第1のインサートの後方湾曲ピースのうちの一方又は両方の表面に第1の封止部を形成する工程と、
前記第1のインサートの後方湾曲ピースと前記第1のインサートの前方湾曲ピースとを結合させて、第1の眼科用インサートピースを形成する工程であって、前記結合させる工程によって、前記第1の材料が前記第1の後方湾曲ピースと前記第1の前方湾曲ピースとの前記結合の内側の第1のキャビティを封止する、工程と、を含む、方法。
(2) 少なくとも第2のインサートの後方湾曲ピースを形成する工程と、
第2の材料を配置して、前記第1のインサートの前方湾曲ピース及び前記第2のインサートの後方湾曲ピースのうちの一方又は両方の上に第2の封止部を形成する工程と、
前記第1の眼科用インサートピースと前記第2のインサートの後方湾曲ピースとを結合させて、第2の眼科用インサートピースを形成する工程であって、前記結合させる工程によって、前記第1の材料が前記第1の眼科用インサートピースと前記第2のインサートの後方湾曲ピースとの前記結合の内側の第2のキャビティを封止する、工程と、を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記第1のキャビティが前記電子コンポーネントを含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記電子コンポーネントが、前記封止された第1のキャビティの外側にある、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記第1のキャビティが封止される前に、又は前記封止する工程中に、前記第1のキャビティを少なくとも第1の液体で少なくとも部分的に充填する工程を更に含む、実施態様1に記載の方法。
【0112】
(6) 前記第1のキャビティが封止された後に、前記第1のキャビティを少なくとも第1の液体で少なくとも部分的に充填する工程を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記第1の材料がエポキシ接着剤である、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記封止部を形成するために、前記第1の材料が所与の形状に予備成形される、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記第1の封止部が、前記第1のインサートの後方湾曲ピース及び前記第1のインサートの前方湾曲ピースのうちの一方又は両方の少なくとも一部分を、前記第1の材料に対して物理的に接触させることによって形成される、実施態様1に記載の方法。
(10) 第2の材料が、前記第1のインサートの前方湾曲ピース及び前記第1のインサートの後方湾曲ピースの両方の少なくとも一部分の間で、第2の材料の接着封止部を形成し、前記第2の材料の接着封止部は、前記第1のインサートの後方湾曲ピース及び前記第1のインサートの前方湾曲ピースのうちの一方又は両方の少なくとも一部分の、前記第1の材料に対する前記物理的接触を維持する、実施態様9に記載の方法。
【0113】
(11) 第1のセルフロック構造が、前記第1のインサートの後方湾曲ピース及び前記第1のインサートの前方湾曲ピースのうちの一方又は両方の少なくとも一部分の、前記第1の材料に対する前記物理的接触を維持する、実施態様9に記載の方法。
(12) 前記結合時に、セルフロック構造が、前記第1のインサートの後方湾曲ピースを、前記第1のインサートの前方湾曲ピースに対し相対的な位置に固定保持する、実施態様1に記載の方法。
(13) 前記電子コンポーネントの取り付けが前記導電性材料に対して行われた後に、前記電子コンポーネントの少なくとも一部分に封止剤を適用する工程を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(14) 前記導電性材料の少なくとも一部分に封止剤を適用する工程を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(15) 前記導電性材料の少なくとも一部分に封止剤を適用する工程を更に含む、実施態様2に記載の方法。
【0114】
(16) 第1の眼科用レンズ成形型部分内に含まれる凹面上に反応性混合物を堆積させる工程と、
前記第1の眼科用インサートピースを前記反応性混合物と接触させて位置付ける工程と、
第2の眼科用レンズ成形型部分を前記第1の眼科用レンズ成形型部分に近接して位置付け、眼科用レンズキャビティを形成する工程であって、前記反応性混合物及び前記第1の眼科用インサートが、前記キャビティ内に配置される、工程と、
前記反応性混合物を重合して眼科用レンズを形成する工程と、
前記眼科用レンズを取り外す工程と、を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(17) 眼科用レンズを形成する方法であって、実施態様2に記載の方法が、
第1の眼科用レンズ成形型部分上にある表面上に反応性混合物を堆積させる工程と、
実施態様2に記載の第2の眼科用インサートを前記反応性混合物と接触させて位置付ける工程と、
第2の眼科用レンズ成形型部分を前記第1の眼科用レンズ成形型部分に近接して位置付け、眼科用レンズキャビティを形成する工程であって、前記反応性混合物及び前記第2の眼科用インサートピースが、前記キャビティ内に配置される、工程と、
前記反応性混合物を重合して眼科用レンズを形成する工程と、
前記眼科用レンズを取り外す工程と、を更に含む、方法。
(18) 前記反応性混合物が、ヒドロゲルを含むか、又はヒドロゲルを形成する、実施態様16に記載の方法。
(19) 前記第2の眼科用インサートが、付勢コンポーネント(energization Component)を含む、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記第2の眼科用インサートが、液体のメニスカスの眼科用レンズを含む、実施態様19に記載の方法。