(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面に基づき、本発明の実施形態による液晶表示装置について本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかしながら、本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0024】
図中、明確に表現するために、層、膜、板、領域等の厚さを拡大して示す。明細書全般に亘って同じ参照番号が付されている部分は、同じ構成要素であることを意味する。層、膜、領域、基板などの要素が他の要素の「上に」あるとしたとき、これは、他の部分の「直上に」ある場合だけではなく、これらの間に他の要素がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分の「真上に」あるとしたときには、これらの間に他の要素がないことを意味する。
【0025】
まず、
図1および
図2に基づき、本発明の一実施形態による液晶表示装置について説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の配置図であり、
図2は、
図1の液晶表示装置をII−II線に沿って切り取って示す断面図である。
【0027】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による液晶表示装置は、略行列状に配列されている複数の画素PXを備える。行方向はx方向とし、列方向はy方向とする。
図2を参照すると、断面構造からみたとき、相対向する下部表示板100と上部表示板200およびこれらの二枚の表示板100、200の間に挟持される液晶層3を備える。
【0028】
まず、下部表示板100について説明すると、絶縁基板110の上に複数本の信号線が配設される。複数本の信号線は、x方向に交互に配列されている第1信号線SL1と第2信号線SL2を備えていてもよい。第1信号線SL1と第2信号線SL2は、略y方向に伸びる。第1信号線SL1と第2信号線SL2は、
図1に示すように、y方向に沿って周期的に折り曲げられていてもよく、これとは異なり、直線状に伸びていてもよい。
【0029】
第1信号線SL1と第2信号線SL2は、異なる種類の信号を伝達することもでき、互いに同じ種類の信号を伝達することもできる。例えば、第1信号線SL1と第2信号線SL2は同じ種類の信号線であり、各画素PXにデータ信号を伝達するデータ線であってもよい。また、他の例を挙げると、第1信号線SL1は、各画素PXにゲートオン電圧Vonとゲートオフ電圧Voffの組み合わせからなるゲート信号を伝達するゲート線であってもよく、この場合、第2信号線SL2は、共通電圧Vcomを伝達する共通電圧線であってもよく、ゲート線であってもよい。
【0030】
第1信号線SL1と第2信号線SL2は、
図1に示すように、x方向に画素列ごとに配置されてもよいが、これに限定されることはなく、2以上の画素列ごとに配置されてもよい。
【0031】
第1信号線SL1と第2信号線SL2の上には、ゲート絶縁膜140が配設される。ゲート絶縁膜140は、窒化ケイ素(SiNx)または酸化ケイ素(SiOx)などの無機絶縁物などから形成されてもよい。
【0032】
ゲート絶縁膜140の上には、第1保護膜180aが配設されてもよい。第1保護膜180aは、有機絶縁物質または無機絶縁物質などから形成されてもよい。しかしながら、第1保護膜180aは省略されてもよい。
【0033】
第1保護膜180aの上には、複数の画素電極191が配設されてもよい。各画素PXに配設される画素電極191は略面状であり、第1信号線SL1または第2信号線SL2に平行な辺を有する多角形であってもよい。画素電極191のy方向の長さは、x方向の長さよりも長くてもよい。すなわち、1画素PXのy方向の長さは、x方向の長さよりも長くてもよい。
【0034】
各画素電極191は、第1信号線SL1と第2信号線SL2との間に配設されてもよいが、これに限定されない。画素電極191は、第1信号線SL1または第2信号線SL2と重なり合っていなくてもよい。画素電極191は、ITOまたはIZOなどの透明な導電物質から形成されてもよい。
【0035】
画素電極191には、薄膜トランジスタなどのスイッチング素子(図示せず)を介してデータ信号が印加される。スイッチング素子は、第1信号線SL1または第2信号線SL2と接続されている端子を備える。このとき、第1信号線SL1または第2信号線SL2は、スイッチング素子の種々の端子が配設されている層のうち絶縁基板110と最も近い層に配設されてもよい。
【0036】
画素電極191の上には、絶縁物質からなる第2保護膜180bが配設される。
【0037】
第2保護膜180bの上には、共通電極131が配設される。共通電極131は、各画素PXの画素電極191と重なり合い、互いに略平行に伸びるとともに互いに離れている複数の枝電極133および第1信号線SL1および第2信号線SL2と重なり合う境界部135を備える。
【0038】
1画素PXに配設される複数の枝電極133は、上端および下端において互いに接続されていてもよい。枝電極133同士の間領域はスリットと呼ぶ。
【0039】
境界部135は、x方向に隣り合う画素PXの境界近くに配設されてもよい。境界部135は、
図1および
図2に示すように、第1信号線SL1および第2信号線SL2を覆っていてもよい。ここで、覆うとは、第1信号線SL1または第2信号線SL2の並ぶように伸びる両側周縁辺を覆うことを意味する。
【0040】
枝電極133と境界部135は、第1信号線SL1および第2信号線SL2に略平行に伸びていてもよい。
【0041】
共通電極131には共通電圧が印加され、複数の画素PXに配設される共通電極131は互いに接続されている。第2信号線SL2が共通電圧線である場合、共通電極131は第2信号線SL2と電気的に接続されていてもよい。共通電極131は、ITOまたはIZOなどの透明な導電物質から形成されてもよい。
【0042】
次いで、上部表示板200について説明すると、絶縁基板210の上に遮光部材220およびカラーフィルタ230が配設されていてもよい。遮光部材220は、第1信号線SL1および第2信号線SL2を覆う部分を有していてもよい。遮光部材220は、隣り合う画素PX間の光漏れを防ぎ、画素PXを限定する開口部を備える。カラーフィルタ230は、赤色、緑色および青色の三原色など基本色のうちの一つを表示することができる。
【0043】
図2とは異なり、遮光部材220およびカラーフィルタ230のうちの少なくとも一方は、下部表示板100に配設されてもよい。
【0044】
液晶層3は、液晶分子(図示せず)を含む。液晶分子は、電場がない状態でその長軸が二枚の表示板100、200の表面に対して水平に配向されていてもよい。
【0045】
データ電圧の印加された画素電極191は、共通電圧が印加された共通電極131と共に液晶層3に電場を生成することにより、液晶層3の液晶分子の方向を決定して当該映像を表示する。このため、画素電極191と共通電極131をそれぞれ電場生成電極と呼ぶ。
【0046】
本発明の一実施形態によれば、各画素PXのx方向の長さよりもy方向の長さの方がさらに大きい場合、共通電極131の枝電極133が略y方向に伸びる。このため、枝電極133がx方向に伸びる場合に比べて、枝電極133間のスリットの端部において発生し得るディスクリネーション(disclination)領域が小さくなって液晶表示装置の透過率を高めることができる。
【0047】
枝電極(133)の間のスリットの端部では液晶分子の方向が制御されずディスクリネーション領域が発生し得る。しかし、もし画素(PX)のy方向の長さがさらに長い場合に枝電極(133)がx方向に主にのびると、x方向に延びるスリットの端部、つまり画素(PX)の左右縁のディスクリネーション領域がy方向に延長されて非常に広いディスクリネーション領域が生じる。しかし、本発明の一実施例によれば、枝電極(133)が主にy方向にのびるのでスリットの端部が画素(PX)の上下縁部に位置し、ディスクリネーション領域も相対的に小さくなる。
【0048】
また、共通電極131の境界部135と重なり合う第1信号線SL1または第2信号線SL2は、画素電極191と接続されたスイッチング素子の種々の端子が配設される層のうち絶縁基板110と最も近い層に配設される。より具体的に、本発明の一実施形態によれば、第1信号線SL1または第2信号線SL2はゲート絶縁膜140よりも下に配設され、さらに具体的に、絶縁基板110の真上に配設されてもよい。すると、第1信号線SL1または第2信号線SL2と共通電極131との境界部135または画素電極191間の距離が最大限に遠くなり得る。このため、第1信号線SL1または第2信号線SL2と共通電極131との境界部135または画素電極191間の寄生容量を低減して第1信号線SL1または第2信号線SL2の信号遅延を極力抑えることができる。なお、第1信号線SL1または第2信号線SL2と共通電極131との境界部135または画素電極191間のクロストークを低減して電場歪みによる光漏れを低減することができる。
【0049】
このように第1信号線SL1または第2信号線SL2と共通電極131との境界部135または画素電極191間の寄生容量を低減することができるので、第1信号線SL1または第2信号線SL2と共通電極131または画素電極191との間に有機絶縁物質からなる絶縁層を形成する必要がない。このため、第1保護膜180aも有機絶縁物質を含んでいなくてもよい。このように、第1保護膜180aなどの絶縁層を無機絶縁物質から形成する場合、有機絶縁物質を用いる場合に比べて材料費を削減することができ、積層およびフォト工程などの工数および工程時間を減らすことができる。なお、有機絶縁物質による光の吸収が発生しないので液晶表示装置の透過率をより一層高めることができ、厚い有機絶縁物質層の接触孔を形成する必要がないので開口率の減少が発生しない。
【0050】
次いで、
図3および
図4に基づき、本発明の一実施形態による液晶表示装置について説明する。
【0051】
図3は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の配置図であり、
図4は、
図3の液晶表示装置をIV−IV線に沿って切り取って示す断面図である。
【0052】
図3および
図4を参照すると、本実施形態による液晶表示装置は、上述した
図1および
図2に示す実施形態による液晶表示装置とほとんど同様であるが、共通電極131の境界部135が異なる。
【0053】
共通電極131の境界部135は、
図3および
図4に示すように、y方向に沿って長く形成された開口部35を備えていてもよい。
図3には、第1信号線SL1の上に配設される境界部135のみが開口部35を有すると示されているが、これに限定されることなく、第2信号線SL2の上に配設される境界部135も開口部35を有していてもよい。
【0054】
開口部35のx方向の幅は、第1信号線SL1または第2信号線SL2のx方向の幅よりも大きくても小さくてもよく、第1信号線SL1または第2信号線SL2のx方向の幅に等しくてもよい。開口部35は、重なり合う第1信号線SL1または第2信号線SL2の周縁辺を露出させてもよく、少なくとも一つの周縁辺を覆ってもよい。
【0055】
加えて、上述した
図1および
図2に示す実施形態の種々の特徴および効果が本実施形態にも同様に適用される。
【0056】
次いで、
図5および
図6に基づき、本発明の一実施形態による液晶表示装置について説明する。
【0057】
図5は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の配置図であり、
図6は、
図5の液晶表示装置をVI−VI線に沿って切り取って示す断面図である。
【0058】
図5および
図6を参照すると、本実施形態による液晶表示装置は、上述した
図1および
図2に示す実施形態による液晶表示装置とほとんど同様であるが、電場生成電極の共通電極131と画素電極191の積層位置が異なる。
【0059】
より具体的に、第1保護膜180aの上に共通電極131が配設され、その上に第2保護膜180bおよび複数の画素電極191がこの順に配設されていてもよい。
【0060】
共通電極131は絶縁基板110上の全面に形成されており、少なくとも一つの開口部を有していてもよい。各画素PXに配設される共通電極131は、面状であってもよい。なお、共通電極131は、第1信号線SL1および第2信号線SL2と重なり合う。共通電極131は、
図5および
図6に示すように、第1信号線SL1および第2信号線SL2を覆っていてもよい。
【0061】
各画素電極191は各画素PXの共通電極131と重なり合い、互いに略平行に伸びるとともに互いに離れている複数の枝電極193を備える。1画素電極191の複数の枝電極133は上端および下端において互いに接続されていてもよい。枝電極193同士の間領域はスリットと呼ぶ。
【0062】
加えて、上述した
図1および
図2に示す実施形態の種々の特徴および効果が本実施形態にも同様に適用される。
【0063】
次いで、
図7および
図8に基づき、本発明の一実施形態による液晶表示装置について説明する。
【0064】
図7は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の配置図であり、
図8は、
図7の液晶表示装置をVIII−VIII線に沿って切り取って示す断面図である。
【0065】
図7および
図8を参照すると、本実施形態による液晶表示装置は、上述した
図5および
図6に示す実施形態による液晶表示装置とほとんど同様であるが、共通電極131の構造が異なる。
【0066】
共通電極131は、y方向に沿って長く形成された複数の開口部35を有していてもよい。
図7には、第1信号線SL1の上にのみ開口部35が配設されると示されているが、これに限定されることなく、第2信号線SL2の上に配設される共通電極131も開口部35を有していてもよい。
【0067】
開口部35のx方向の幅は、第1信号線SL1または第2信号線SL2のx方向の幅より大きくても小さくてもよく、第1信号線SL1または第2信号線SL2のx方向の幅に等しくても良い。開口部35は、重なり合う第1信号線SL1または第2信号線SL2の周縁辺を露出させてもよく、少なくとも一つの周縁辺を覆っていてもよい。
【0068】
加えて、上述した
図1および
図2に示す実施形態の種々の特徴および効果が本実施形態にも同様に適用される。
【0069】
次いで、
図9から
図12に基づき、本発明の一実施形態による液晶表示装置の具体的な構造について説明する。上述した実施形態と同じ構成要素に対しては同じ図面符号を附し、重複する説明は省略する。
【0070】
図9は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の配置図であり、
図10は、
図9の液晶表示装置をX−X線に沿って切り取って示す断面図であり、
図11は、
図9の液晶表示装置をXI−XI線に沿って切り取って示す断面図であり、
図12は、
図9の液晶表示装置をXII−XII線に沿って切り取って示す断面図である。
【0071】
本発明の一実施形態による液晶表示装置は、相対向する下部表示板100および上部表示板200と、これらの間に挟持されている液晶層3と、を備える。上部表示板200と液晶層3は、上述した実施形態とほとんど同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0072】
下部表示板100について説明すると、絶縁基板110の上に複数本のゲート線121および複数本の共通電圧線129を有する複数のゲート導電体が配設される。
【0073】
ゲート線121はゲート信号を伝達し、主としてy方向に伸びる。各ゲート線121は、複数のゲート電極124を備える。
【0074】
共通電圧線129は共通電圧を伝達し、略y方向に伸び、ゲート線121に実質的に平行であってもよい。各共通電圧線129は、複数の拡張部128を備えていてもよい。
【0075】
ゲート線121と共通電圧線129は、x方向に交互に配列されていてもよく、x方向に画素列ごとに配置されてもよいが、これに限定されない。
図9は、ゲート線121が二つの画素列ごとに一つずつ配置された構造の例を示している。なお、ゲート線121と共通電圧線129は、
図9に示すように、y方向に沿って周期的に折り曲げられていてもよく、これとは異なり、直線状に伸びていてもよい。
【0076】
ゲート導電体の上にはゲート絶縁膜140が配設され、その上には半導体154が配設される。半導体154は、非晶質シリコン、結晶質ケイ素または酸化物半導体などから形成されてもよい。
【0077】
各半導体154の上には、一対のオーミックコンタクト部材163、165が配設されていてもよい。オーミックコンタクト部材163、165は、リンなどのn型不純物が高濃度でドーピングされているn+水素化非晶質シリコンなどの物質から形成されてもよく、シリサイドなどから形成されてもよい。しかしながら、オーミックコンタクト部材163、165は省略されてもよい。
【0078】
オーミックコンタクト部材163、165の上には、複数対の第1および第2データ線171a、171bと複数のドレイン電極175を有するデータ導電体が配設される。
【0079】
第1および第2データ線171a、171bはデータ信号を伝達し、主としてx方向に伸びてゲート線121および共通電圧線129と交差する。第1および第2データ線171a、171bのそれぞれはゲート電極124に向かって伸びた複数のソース電極173を備える。
【0080】
1画素行ごとに一対の第1および第2データ線171aが配置されてもよい。第1データ線171aと第2データ線171bはy方向に沿って交互に配置されてもよい。1画素行の画素PXは一対の第1および第2データ線171a、171bの間に配設されてもよい。
図9は、平面視において、1画素行の上方に第1データ線171aが配設され、下方に第2データ線171bが配設される例を示している。y方向に隣り合う画素行の間に配設される第1および第2データ線171a、171bは、隣設して配置されていてもよい。
【0081】
ドレイン電極175は、ゲート電極124を中心にソース電極173と対向する棒状端部と、大面積の他の端部とを備える。
【0082】
ゲート電極124と、ソース電極173およびドレイン電極175は、半導体154とともにスイッチング素子である薄膜トランジスタQを形成する。ソース電極173およびドレイン電極175に覆われずに露出された半導体154部分は、チャンネル領域を形成する。1画素行の画素PXの薄膜トランジスタQは、
図9に示すように、上および下にそれぞれ配設される第1および第2データ線171a、171bに交互に接続されてもよいが、これに限定されない。
【0083】
ドレイン電極175の上には、複数の画素電極191が配設される。各画素PXに配設される画素電極191は略面状であり、ゲート線121と共通電圧線129に平行な辺を有する多角形であってもよい。画素電極191のy方向の長さは、x方向の長さよりも大きくても良い。すなわち、1画素PXのy方向の長さは、x方向の長さよりも大きくても良い。
【0084】
各画素電極191は、ゲート線121と共通電圧線129との間に配設されてもよいが、これに限定されない。画素電極191は、ゲート線121または共通電圧線129と重なり合っていなくてもよい。画素電極191はドレイン電極175と直接的に接触され、ドレイン電極175からデータ電圧が伝達され得る。加えて、画素電極191についての説明は、上述した
図1および
図2に示す実施形態とほとんど同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0085】
本発明の他の実施形態によれば、画素電極191とドレイン電極175との間に第1保護膜180aがさらに配設されていてもよい。この場合、画素電極191は、第1保護膜180aの接触孔を介してドレイン電極175と電気的に接続されていてもよい。
【0086】
画素電極191の上には、第2保護膜180bが配設される。第2保護膜180bとゲート絶縁膜140は、共通電圧線129の拡張部128を露出させる接触孔183を備える。
【0087】
第2保護膜180bの上には、共通電極131が配設される。共通電極131は各画素PXの画素電極191と重なり合い、互いに略平行に伸びるとともに互いに離れている複数の枝電極133およびゲート線121または共通電圧線129と重なり合う境界部135を備える。境界部135は、略x方向に隣り合う画素PXの境界近くに配設されてもよい。境界部135は、ゲート線121および共通電圧線129を覆っていてもよい。共通電極131の枝電極133と境界部135は、略ゲート線121および共通電圧線129に平行に伸びていてもよい。
【0088】
共通電極131は、接触孔183において共通電圧線129の拡張部128と接触して電気的に接続されてもよい。したがって、共通電極131の抵抗による共通電圧のばらつきを低減することができる。加えて、共通電極131は上述した様々な実施形態とほとんど同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0089】
本発明の一実施形態によれば、各画素PXのx方向の長さよりもy方向の長さの方がさらに大きい場合、共通電極131の枝電極133が略y方向に伸びる。したがって、枝電極133がx方向に伸びる場合に比べて、枝電極133間のスリットの端部において発生し得るディスクリネーション領域が狭くなって液晶表示装置の透過率を高めることができる。
【0090】
枝電極(133)の間のスリットの端部では液晶分子の方向が制御されずディスクリネーション領域が発生し得る。しかし、もし画素(PX)のy方向の長さがさらに長い場合に枝電極(133)がx方向に主にのびると、x方向に延びるスリットの端部、つまり画素(PX)の左右縁のディスクリネーション領域がy方向に延長されて非常に広いディスクリネーション領域が生じる。しかし、本発明の一実施例によれば、枝電極(133)が主にy方向にのびるのでスリットの端部が画素(PX)の上下縁部に位置し、ディスクリネーション領域も相対的に小さくなる。
【0091】
また、共通電極131の境界部135と重なり合うゲート線121は、薄膜トランジスタQの種々の端子が配設される層のうち絶縁基板110と最も近い層に配設される。より具体的に、ゲート線121はゲート絶縁膜140よりも下に配設され、さらに具体的に、絶縁基板110の真上に配設される。すると、ゲート線121と共通電極131との境界部135または画素電極191間の距離が最大限に遠くなり得る。このため、ゲート線121と共通電極131との境界部135または画素電極191間の寄生容量を低減してゲート線121の信号遅延を極力抑えることができる。なお、ゲート線121と共通電極131との境界部135または画素電極191間のクロストークを低減して電場歪みによる光漏れを低減することができる。
【0092】
このように、ゲート線121と共通電極131との境界部135または画素電極191間の寄生容量を低減することができるので、ゲート線121と共通電極131または画素電極191との間に有機絶縁物質からなる絶縁層を形成する必要がない。したがって、第1保護膜180aを形成する場合でも、第1保護膜180aは有機絶縁物質を含んでいなくてもよい。このように第1保護膜180aなどの絶縁層を無機絶縁物質から形成する場合、有機絶縁物質を用いる場合に比べて材料費を削減することができ、積層およびフォト工程などの工数および工程時間を減らすことができる。なお、有機絶縁物質による光の吸収が発生しないので液晶表示装置の透過率をより一層高めることができ、厚い有機絶縁物質層の接触孔を形成する必要がないので開口率の減少が発生しない。特に、本実施形態においては、第1保護膜180aを形成しないので、製造コストおよび製造時間をさらに減らすことができる。
【0093】
以下、
図9に基づき、本発明の一実施形態による液晶表示装置の動作について説明する。
【0094】
ゲート線121が伝達するゲート信号がゲートオン電圧になると、ゲート線121に接続されている薄膜トランジスタQがターンオンされる。すると、第1および第2データ線171a、171bに印加されたデータ電圧がターンオンされた薄膜トランジスタQを介して当該画素電極191に印加される。画素電極191に印加されたデータ電圧と共通電極131の共通電圧との差分は画素電圧として現れる。液晶分子は画素電圧の大きさによってその配列を異にし、これにより、液晶層3を通過する光の偏光が変化する。このような偏光の変化は偏光子(図示せず)によって光の透過率の変化として現れ、これにより画素PXは映像を表示する。
【0095】
1水平周期を単位として全てのゲート線121に順次にゲートオン電圧を印加し、全ての画素PXにデータ電圧を印加して1フレームの映像を表示する。1フレームが終わると次のフレームが始まり、各画素PXに印加されるデータ電圧の共通電圧に対する極性(簡単に、データ電圧の極性という)が以前フレームにおける極性と反対になるようにできる。
【0096】
このとき、1フレーム中に第1および第2データ線171a、171bのそれぞれが伝達するデータ電圧の極性が一定であってもよい。また、1フレーム中に複数本の第1および第2データ線171a、171bのうちの少なくとも二つは異なる極性のデータ電圧を伝達してもよい。
図9は、1画素行を中心に相対向する一対の第1および第2データ線171a、171bが1フレーム中に異なる極性のデータ電圧を伝達する例を示す。このとき、隣り合う第1および第2データ線171a、171bは、1フレーム中に互いに同じ極性のデータ電圧を伝達することができる。
図9に示すように、1画素行の画素PXの薄膜トランジスタQは第1および第2データ線171a、171bに交互に接続されており、隣り合う第1および第2データ線171a、171bに接続された画素PXは対角線方向に隣り合うので、x方向またはy方向に隣り合う画素PXに印加されるデータ電圧の極性が互いに反対である1x1点反転極性反転を実現することができ、これにより、画質劣化を低減することができる。
【0097】
特に、本発明の一実施形態によれば、1フレーム中に第1および第2データ線171a、171bそれぞれが伝達するデータ電圧の極性を一定にしながら第1および第2データ線171a、171bの位置に応じて異なる極性のデータ電圧を印加して様々な極性反転を実現することができてデータ駆動に要される消費電力を低減することができる。
【0098】
次いで、
図13および
図14にそれぞれ基づいて、本発明の一実施形態による液晶表示装置の動作の他の例について説明する。
【0099】
図13および
図14は、それぞれ本発明の一実施形態による液晶表示装置の配置図であり、データ電圧の極性を示す図である。
【0100】
まず、
図13を参照すると、本実施形態による液晶表示装置の動作は、上述した
図9に示す実施形態とほとんど同様であるため、相違点を中心に説明する。なお、上述した
図9等に示す実施形態の種々の効果が本実施形態にも同様に適用される。
【0101】
1フレーム中に第1および第2データ線171a、171bそれぞれが伝達するデータ電圧の極性は一定であるが、隣り合う第1および第2データ線171a、171bが伝達するデータ電圧の極性は互いに反対であってもよい。このため、1画素行を中心に相対向する一対の第1および第2データ線171a、171bが1フレーム中に伝達するデータ電圧の極性は異なり、隣り合う第1および第2データ線171a、171bが伝達するデータ電圧の極性も異なり得る。
図13に示すように、1画素行の画素PXの薄膜トランジスタQは第1および第2データ線171a、171bに交互に接続されており、隣り合う第1および第2データ線171a、171bに接続されている画素PXはy方向に隣り合うため、x方向またはy方向に隣り合う画素PXに印加されるデータ電圧の極性が互いに反対である1x1点反転極性反転を実現することができ、これにより、画質劣化を低減することができる。
【0102】
次いで、
図14を参照すると、本実施形態による液晶表示装置の動作は、上述した
図9に示す実施形態とほとんど同様であるため、相違点を中心に説明する。
【0103】
本実施形態において第1および第2データ線171a、171bが伝達するデータ電圧の極性は、
図9に示す実施形態と同様であるが、1画素行の画素PXの薄膜トランジスタQは二つを単位として第1および第2データ線171a、171bに交互に接続されており、隣り合う第1および第2データ線171a、171bに接続されている画素PXは対角線方向に隣り合うため、y方向に隣り合う画素PXに印加されるデータ電圧の極性が互いに反対でありながら、x方向には画素PX二つを単位としてデータ電圧の極性が変わる1x2点反転極性反転を実現することができ、これにより、画質劣化を低減することができる。
【0104】
加えて、薄膜トランジスタQの配置と第1および第2データ線171a、171bが伝達するデータ電圧の極性の配置を適切に調節して様々な極性反転を実現することができる。
【0105】
以下、上述した
図9から
図12と結び付けて、
図15から
図18に基づいて、本発明の一実施形態による液晶表示装置の下部表示板の製造方法について説明する。
【0106】
図15から
図18は、
図9に示す液晶表示装置を製造する方法の段階を順番に示す配置図である。
【0107】
まず、
図15を参照すると、絶縁基板110の上に金属などの導電物質を積層し且つパターニングして、ゲート電極124を有する複数本のゲート線121および拡張部128を有する複数本の共通電圧線129を形成する。
【0108】
次いで、
図16を参照すると、ゲート線121と共通電圧線129の上に無機絶縁物質などからなるゲート絶縁膜140を積層する。次いで、ゲート絶縁膜140の上に半導体154を形成する。次いで、島状オーミックコンタクト部材163、165をさらに形成してもよい。次いで、半導体154の上に金属などの導電物質を積層し且つパターニングしてそれぞれソース電極173を有する複数対の第1および第2データ線171a、171bおよび複数のドレイン電極175を形成する。
【0109】
次いで、
図17を参照すると、ドレイン電極175の上にITO、IZOなどの透明な導電物質を積層し且つパターニングしてドレイン電極175とそれぞれ接触する複数の画素電極191を形成する。
【0110】
次いで、
図18を参照すると、画素電極191の上に無機絶縁物質などを積層し且つパターニングして接触孔183を有する第2保護膜180bを形成する。
【0111】
次いで、上述した
図9を参照すると、第2保護膜180bの上にITO、IZOなどの透明な導電物質を積層し且つパターニングして画素電極191と重なり合う共通電極131を形成する。
【0112】
以下に、
図19および
図20に基づき、本発明の一実施形態による液晶表示装置について説明する。なお、上述した
図9等に示す実施形態の種々の効果が本実施形態にも同様に適用される。
【0113】
図19は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の配置図であり、
図20は、
図19の液晶表示装置をXX−XX線に沿って切り取って示す断面図である。
【0114】
図19および
図20を参照すると、本実施形態による液晶表示装置は、上述した
図9から
図12に示す実施形態による液晶表示装置とほとんど同様であるが、共通電極131の境界部135が異なる。
【0115】
共通電極131の境界部135は、y方向に沿って長く形成された開口部35を有していてもよい。
図19には、ゲート線121の上に配設される境界部135のみが開口部35を有すると示されているが、これに限定されることなく、共通電圧線129の上に配設される境界部135も開口部35を有していてもよい。
【0116】
開口部35のx方向の幅は、ゲート線121または共通電圧線129のx方向の幅よりも大きくても小さくても良く、ゲート線121または共通電圧線129のx方向の幅に等しくても良い。開口部35は、重なり合うゲート線121または共通電圧線129の周縁辺を露出させてもよく、少なくとも一つの周縁辺を覆っていてもよい。
【0117】
次いで、
図21および
図22に基づき、本発明の一実施形態による液晶表示装置について説明する。なお、上述した
図9等に示す実施形態の種々の効果が本実施形態にも同様に適用される。
【0118】
図21は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の配置図であり、
図22は、
図21の液晶表示装置をXXII−XXII線に沿って切り取って示す断面図である。
【0119】
図21および
図22を参照すると、本実施形態による液晶表示装置は、上述した
図9から
図12に示す実施形態による液晶表示装置とほとんど同様であるが、電場生成電極の共通電極131と画素電極191の積層位置が異なる。
【0120】
より具体的に、
図9から
図12に示す実施形態とは異なり、薄膜トランジスタQの上に第1保護膜180aが配設され、その上に共通電極131が配設される。共通電極131の上に第2保護膜180bおよび複数の画素電極191がこの順に配設されてもよい。
【0121】
共通電極131は絶縁基板110上の全面に形成されており、各画素PXに配設される共通電極131は面状であってもよい。また、共通電極131はゲート線121と重なり合い、共通電圧線129とも重なり合ってもよい。共通電極131は、
図21および
図22に示すように、ゲート線121を覆っていてもよい。
【0122】
各画素電極191は各画素PXの共通電極131と重なり合い、互いに略平行に伸びるとともに互いに離れている複数の枝電極193を備える。画素電極191は、第1保護膜180aと第2保護膜180bに形成されている接触孔185を介してドレイン電極175と接続されてもよい。
【0123】
次いで、
図23および
図24に基づき、本発明の一実施形態による液晶表示装置について説明する。なお、上述した
図9等に示す実施形態の種々の効果が本実施形態にも同様に適用される。
【0124】
図23は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の配置図であり、
図24は、
図23の液晶表示装置をXXIV−XXIV線に沿って切り取って示す断面図である。
【0125】
図23および
図24を参照すると、本実施形態による液晶表示装置は、上述した
図21および
図22に示す実施形態による液晶表示装置とほとんど同様であるが、共通電極131の構造が異なる。
【0126】
共通電極131は、y方向に沿って長く形成された複数の開口部35を有していてもよい。
図23には、開口部35がゲート線121の上にのみ配設されると示されているが、これに限定されることなく、共通電圧線129の上に配設される共通電極131も開口部35を有していてもよい。
【0127】
開口部35のx方向の幅は、ゲート線121または共通電圧線129のx方向の幅よりも大きくても小さくてもよく、ゲート線121または共通電圧線129のx方向の幅に等しくても良い。開口部35は、重なり合うゲート線121または共通電圧線129の周縁辺を露出させてもよく、少なくとも一つの周縁辺を覆っていてもよい。
【0128】
以下に、上述した図面と結び付けて、
図25に基づき、本発明の一実施形態による液晶表示装置について説明する。
【0129】
図25は、本発明の一実施形態による液晶表示装置のブロック図である。
【0130】
図25を参照すると、本発明の一実施形態による液晶表示装置の下部表示板100は、ゲート駆動部400a、400bと接続されてゲート信号が伝達される。
図25は、下部表示板100の上部および下部のそれぞれに配設されるゲート駆動部400a、400bを示しているが、これに限定されることなく、どちらか一方にのみゲート駆動部400a、400bが配設されてもよい。
【0131】
本発明の種々の実施形態において、下部表示板100のx方向の長さは、
図25に示すように、y方向の長さよりも大きくても良い。この場合、ゲート線121が略y方向に沿って伸びるのでx方向に沿って伸びる場合に比べてゲート線121の長さが短くなり、各ゲート線121に接続された薄膜トランジスタQの数も少なくなるのでゲート信号の遅延を低減することができる。
【0132】
また、ゲート線にゲート信号を印加するゲート駆動部400a、400bが絶縁基板110の上に集積される場合、各ゲート駆動部400a、400bを形成可能な面積がゲート線121がx方向に沿って伸びる場合に比べて大きくなるので、ゲート駆動部400a、400bの集積領域の設計自由度が大きくなる。このため、下部表示板100の上下周縁領域の幅を低減する余地も大きくなる。なお、データ線171がx方向に沿って伸びるので、データ線171がy方向によって伸びる場合に比べてデータ線171の数およびデータ線171にデータ信号を印加するデータ駆動回路チップの数を低減することができてコストを節減することができる。
【0133】
次いで、
図26から
図28に基づき、本発明の一実施形態による液晶表示装置について説明する。上述した実施形態と同じ構成要素に対しては同じ図面符号を附し、重複する説明は省略する。
【0134】
図26は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の配置図であり、
図27は、
図26の液晶表示装置をXXVII−XXVII線に沿って切り取って示す断面図であり、
図28は、
図26の液晶表示装置をXXVIII−XXVIII線に沿って切り取って示す断面図である。
【0135】
本実施形態は、上述した
図9から
図25に示す種々の実施形態とほとんど同様であるが、ゲート線121が伸びる方向に相違点がある。
【0136】
まず、下部表示板100について説明すれば、絶縁基板110の上に複数本のデータ線171と複数のドレイン電極175が配設される。データ線171は、主にy方向に伸びる。各データ線171は、複数のソース電極173を備える。データ線171はy方向に沿って周期的に折れていてもよいが、これに限定されるものではなく、直線状に伸びてもよい。ドレイン電極175は、ソース電極173と対向する部分を有する。
【0137】
データ線171とドレイン電極175の上には複数の半導体154が配設される。半導体154は、ソース電極173およびドレイン電極175と同時に重なり合う。半導体154は、非晶質シリコン、結晶質ケイ素または酸化物半導体などから形成されてもよい。酸化物半導体は、金属酸化物半導体であり、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、錫(Sn)、チタン(Ti)などの金属の酸化物または亜鉛(Zn)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、錫(Sn)、チタン(Ti)などの金属とこれらの酸化物との組み合わせから形成されてもよい。ソース電極173およびドレイン電極175と半導体154との間にはオーミックコンタクト部材(図示せず)がさらに配設されてもよい。
【0138】
半導体154の上にはゲート絶縁膜140が配設される。
【0139】
ゲート絶縁膜140の上には複数のゲート電極124を有する複数本のゲート線121が配設される。ゲート線121は主にx方向に伸びる。ゲート電極124は半導体154、特に、ソース電極173とドレイン電極175との間の離隔空間と対向する部分の半導体154の上に配設される。
【0140】
ゲート電極124と、ソース電極173およびドレイン電極175は、半導体154とともに薄膜トランジスタQを構成する。
【0141】
薄膜トランジスタQの上には第1保護膜180aが配設され、その上には共通電極131が配設される。共通電極131は面状であり、絶縁基板110の全面の上にプレート状に形成されていてもよく、ドレイン電極175に対応する領域に開口部38が形成されていてもよい。
【0142】
共通電極131の上には第2保護膜180bが配設され、その上には枝電極193と接続部195を有する複数の画素電極191が配設される。接続部195は、複数の枝電極193の上および下の端部を繋ぎ合わせる。
【0143】
ゲート絶縁膜140と、第1保護膜180aおよび第2保護膜180bは、ドレイン電極175を露出させる接触孔185を有していてもよい。画素電極191は、接触孔185を介してドレイン電極175と電気的に接続されてそこにデータ電圧が伝達される。
【0144】
下部表示板100の内側面には第1配向膜11が塗布されている。
【0145】
次いで、上部表示板200について説明すると、絶縁基板210の上に遮光部材220およびカラーフィルタ230が配設されていてもよい。しかしながら、遮光部材220およびカラーフィルタ230のうちの少なくとも一方は下部表示板100に配設されていてもよい。
【0146】
カラーフィルタ230および遮光部材220の上には第2配向膜21が塗布されている。
【0147】
第1配向膜11および第2配向膜21は、水平配向膜であってもよい。
【0148】
本発明の他の実施形態によれば、共通電極131は、上述した
図7および
図8に示す実施形態または
図23および
図24に示す実施形態のようにデータ線171に沿って形成された複数の開口部(図示せず)を有していてもよい。
【0149】
最後に、
図29から
図31に基づき、本発明の一実施形態による液晶表示装置の構造の他の例について説明する。上述した実施形態と同じ構成要素に対しては同じ図面符号を附し、重複する説明は省略する。
【0150】
図29は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の配置図であり、
図30は、
図29の液晶表示装置をXXX−XXX線に沿って切り取って示す断面図であり、
図31は、
図29の液晶表示装置をXXXI−XXXI線に沿って切り取って示す断面図である。
【0151】
本実施形態による液晶表示装置は、上述した
図26から
図28に示す実施形態とほとんど同様であるが、電場生成電極の画素電極191と共通電極131の積層位置が変わり得る。
【0152】
より具体的に、
図26から
図28に示す実施形態とは異なり、薄膜トランジスタQの上に第1保護膜180aが配設され、その上に複数の画素電極191が配設される。画素電極191の上には第2保護膜180bおよび共通電極131がこの順に配設されていてもよい。
【0153】
画素電極191は、ゲート線121およびデータ線171に囲まれた領域をほとんど満たす面状であってもよい。画素電極191の全体的な形状は、実質的にゲート線121およびデータ線171に略平行な辺を有する多角形であってもよい。画素電極191は、ゲート絶縁膜140および第1保護膜180aに形成された接触孔185を介してドレイン電極175と電気的に接続されてそこにデータ電圧が伝達される。
【0154】
共通電極131は、各画素電極191と重なり合う複数の枝電極133およびデータ線171と重なり合う境界部135を備える。境界部135は、x方向に隣り合う画素PXの境界近くに配設されてもよい。境界部135はデータ線171を覆い、データ線171に略平行に伸びてもよい。
【0155】
本発明の他の実施形態によれば、共通電極131の境界部135は、上述した
図3および
図4に示す実施形態または
図19および
図20に示す実施形態のようにデータ線171に沿って形成された複数の開口部(図示せず)を有していてもよい。
【0156】
加えて、上述した種々の実施形態の特徴および効果が本実施形態にも同様に適用される。
【0157】
図26から
図28または
図29から
図31に示す実施形態によれば、画素列の間にデータ線171が配設され、画素電極191の枝電極193は略y方向に伸びる。また、共通電極131はデータ線171と重なり合う。本実施形態においては、データ線171が画素電極191と接続された薄膜トランジスタの種々の端子が配設される層のうち絶縁基板110と最も近い層に配設される。より具体的に、データ線171はゲート絶縁膜140よりも下に配設され、さらに具体的に、絶縁基板110の真上に配設される。このため、データ線171と共通電極131または画素電極191との間の距離が最大限に遠くなり得る。したがって、データ線171と共通電極131または画素電極191との間の寄生容量を低減してデータ線171の信号遅延を極力抑えることができる。なお、データ線171と共通電極131または画素電極191との間のクロストークを低減して電場歪みによる光漏れを低減することができる。
【0158】
さらに、データ線171と共通電極131または画素電極191との間に有機絶縁物質からなる絶縁層を形成する必要がない。このため、データ線171と共通電極131または画素電極191との間に有機絶縁物質からなる絶縁層を形成する場合に比べて材料費を節減することができ、積層およびフォト工程などの工数および工程時間を低減することができる。また、有機絶縁物質による光の吸収が発生しないので液晶表示装置の透過率をより一層高めることができ、厚い有機絶縁物質層の接触孔を形成する必要がないので開口率の減少が発生しない。
【0159】
上記実施形態によれば、画素が長い方向に主にのびるようにスリットを形成して透過率を向上し、かつスリットが延長される方向に延長される信号線をVcom電極が覆って信号線と画素電極との間のクロストークを減らし、寄生容量による光漏れを減らすことができる。また、重畳する信号線とVcom電極の間の静電容量による信号遅延を減らすためにVcom電極と重畳する信号線をゲート絶縁膜の下に配置する。
【0160】
以上、本発明の好適な実施形態について詳述したが、本発明の権利範囲はこれに何ら限定されるものではなく、下記の請求範囲において定義している本発明の基本概念を用いた当業者の種々の変形および改良形態もまた本発明の権利範囲に属するものである。