特許第6373617号(P6373617)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6373617スパウト付きパウチ容器の製造装置および製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6373617
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】スパウト付きパウチ容器の製造装置および製造方法
(51)【国際特許分類】
   B31B 70/81 20170101AFI20180806BHJP
【FI】
   B31B70/81
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-70892(P2014-70892)
(22)【出願日】2014年3月31日
(65)【公開番号】特開2015-189230(P2015-189230A)
(43)【公開日】2015年11月2日
【審査請求日】2017年3月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000238005
【氏名又は名称】株式会社フジシールインターナショナル
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 將仁
(72)【発明者】
【氏名】大出 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】大澤 守
(72)【発明者】
【氏名】竹延 圭一郎
【審査官】 田中 佑果
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−046082(JP,A)
【文献】 特表平10−510790(JP,A)
【文献】 特開2001−240083(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/017938(WO,A1)
【文献】 特開2010−076788(JP,A)
【文献】 特開平06−297609(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第0741087(EP,A1)
【文献】 特開平9−142533(JP,A)
【文献】 国際公開第93/16928(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 70/00−70/99
B65D 30/00−30/38
B29C 63/00−63/48
B29C 65/00−65/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、貫通孔が形成された天ガセットと、両側縁が互いにヒートシールされるとともに各々の上縁が前記天ガセットの周縁にそれぞれヒートシールされる胴部一方面および胴部他方面と、筒部とフランジ部とを有して前記天ガセットの貫通孔に容器内側から筒部が挿入された状態でフランジ部の上面に前記天ガセットがヒートシールされるスパウトと、を備えるスパウト付きパウチ容器の製造装置であって、
1枚以上のシート材を送出しつつ折り畳むことで、前記天ガセット、前記胴部一方面および前記胴部他方面を構成する天シート部、一方側面シート部および他方側面シート部を有するパウチ容器中間体を形成する中間体形成手段と、
前記天シート部にスパウト装着用の貫通孔を形成する貫通孔形成ユニットと、
前記天シート部の貫通孔形成予定領域または前記貫通孔の周縁に凹み部を形成する凹み形成ユニットと、
前記スパウトを前記天シート部の貫通孔に装着するスパウト装着ユニットと、
前記一方側面シート部および前記他方側面シート部の両側縁同士、ならびに、前記天シート部の周縁と前記一方側面シート部および前記他方側面シート部の各上縁とをヒートシールするとともに、前記天シート部の貫通孔の周縁に形成されている前記凹み部に前記スパウトのフランジ部ヒートシールするシールユニットと、
を備える、スパウト付き容器の製造装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスパウト付き容器の製造装置において、
前記中間体形成手段は、シート材を送出する送出機構と、前記シート材に折り畳み線となる罫線を形成する罫線形成ユニットと、前記罫線に沿って前記シート材を折り畳んでパウチ容器中間体とする折り畳みユニットとを含み、
前記凹み形成ユニットおよび前記貫通孔形成ユニットは、前記罫線形成ユニットと前記折り畳みユニットとの間に設置されることを特徴とする、スパウト付き容器の製造装置。
【請求項3】
請求項2に記載のスパウト付き容器の製造装置において、
前記凹み形成ユニットは、前記シートの送出方向に関し、前記貫通孔形成ユニットの上流側に設置されていることを特徴とする、スパウト付き容器の製造装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のスパウト付き容器の製造装置において、
前記凹み部は前記一方側面シート部および前記他方側面シート部の両側縁同士のヒートシール部の端部よりも容器外側へ突出している、スパウト付きパウチ容器の製造装置。
【請求項5】
少なくとも、貫通孔が形成された天ガセットと、両側縁が互いにヒートシールされるとともに各々の上縁が前記天ガセットの周縁にそれぞれヒートシールされる胴部一方面および胴部他方面と、筒部とフランジ部とを有して前記天ガセットの貫通孔に容器内側から筒部が挿入された状態でフランジ部の上面に前記天ガセットがヒートシールされるスパウトと、を備えるスパウト付きパウチ容器の製造方法であって、
1枚以上のシート材を送出しつつ折り畳むことで、前記天ガセット、前記胴部一方面および前記胴部他方面を構成する天シート部、一方側面シート部および他方側面シート部を有するパウチ容器中間体を形成する中間体形成工程、
前記パウチ容器中間体とする前に、前記シート材の天シート部にスパウト装着用の貫通孔を形成するとともに前記貫通孔の周縁に凹み部を形成する凹み形成工程、
前記天シート部の貫通孔にスパウトを装着するスパウト装着工程、
前記一方側面シート部および前記他方側面シート部の両側縁同士、ならびに、前記天シート部の周縁と前記一方側面シート部および前記他方側面シート部の各上縁とをヒートシールするとともに、前記天シート部の貫通孔の周縁に形成されている前記凹み部に前記スパウトのフランジ部ヒートシールするシール工程、および、
前記各側面シート部の側縁ヒートシール部で切断して個々のスパウト付き容器に形成する切断工程、
を含む、スパウト付き容器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スパウト付きパウチ容器の製造装置および製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1にスパウト付きパウチ容器の製造装置が記載されている。この製造装置では、連続的に送出される1枚のシート材を折り畳んでパウチ容器中間体とし、このパウチ容器中間体の天シート部(パウチ容器の天ガセットになる部分)に形成された貫通孔にスパウトを装着し、その後、パウチ容器中間体に所定形状のヒータ又はシールバーを押し当ててヒートシール部を形成し、そして、シート材をヒートシール部において所定間隔で切断することによりスパウト付きパウチ容器が製造されることが記載されている。
【0003】
上記スパウト付きパウチ容器の天ガセットには、筒部とフランジ部とを有するスパウトが装着され、容器内側に位置するスパウトのフランジ部に天ガセットの内面がヒートシールされた構成となっている。この状態で、スパウトの筒部から容器に内容物が充填されたのち、例えばねじ式の有底筒状のキャップがスパウトの筒部外周に取り付けられることでパウチ容器が密封される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−46082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなスパウト付きパウチ容器を構成するシール材には、可撓性を有する複層の樹脂フィルム材が用いられることが多い。しかしながら、安定して内容物を充填し、或いは注出するためには、スパウトが装着された天シート部、特にスパウト装着部近傍の剛性を高める必要が生じ得る。
【0006】
これに対処するためには、天シート部にヒートシールされているスパウトのフランジ部の剛性を高くし、フランジ部の高い剛性によって天シート部全体の剛性を担保することが考えられる。
【0007】
スパウトのフランジ部の剛性を高めるための一手法として、フランジ部をより厚く形成するのが簡易である。しかしながら、そうした場合、上記特許文献1に記載されるように1枚のシート材から天ガセットを構成する天シート部と容器胴部の一方側面シート部とがつながっているため、シールユニットにおいて天シート部の周縁と容器胴部の他方側面シート部の上縁とをヒートシールするとき、スパウトのフランジ部の厚みが増したことで天シート部が引っ張られた状態で容器胴部の他方側面シート部にヒートシールされることがある。また、個々のパウチ容器に切断されるまで各パウチ容器の天シート部はシート材の長手方向に連なっているため、天シート部周縁をヒートシールするときにはシート材の長手方向にも引っ張り力が作用することになる。そのため、天シート部に引張応力が残留することによってヒートシール部が波打った状態となり、パウチ容器の外観が見映えの良くないものになるという新たな課題が生じる。
【0008】
本発明の目的は、少なくとも天ガセットが胴部両側面のうち一方と連続したシート材で構成されるスパウト付きパウチ容器において、スパウトのフランジ部が厚くなった場合でも天ガセット周縁のヒートシール部を美麗に形成できる製造装置および製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るスパウト付きパウチ容器の製造装置は、少なくとも、貫通孔が形成された天ガセットと、両側縁が互いにヒートシールされるとともに各々の上縁が前記天ガセットの周縁にそれぞれヒートシールされる胴部一方面および胴部他方面と、筒部とフランジ部とを有して前記天ガセットの貫通孔に容器内側から筒部が挿入された状態でフランジ部の上面に前記天ガセットがヒートシールされるスパウトと、を備えるスパウト付きパウチ容器の製造装置であって、1枚以上のシート材を送出しつつ折り畳むことで、前記天ガセット、前記胴部一方面および前記胴部他方面を構成する天シート部、一方側面シート部および他方側面シート部を有するパウチ容器中間体を形成する中間体形成手段と、前記天シート部にスパウト装着用の貫通孔を形成する貫通孔形成ユニットと、前記天シート部の貫通孔形成予定領域または前記貫通孔の周縁に凹み部を形成する凹み形成ユニットと、前記スパウトを前記天シート部の貫通孔に装着するスパウト装着ユニットと、前記一方側面シート部および前記他方側面シート部の両側縁同士、ならびに、前記天シート部の周縁と前記一方側面シート部および前記他方側面シート部の各上縁とをヒートシールするとともに、前記天シート部の貫通孔の周縁に形成されている前記凹み部に前記スパウトのフランジ部ヒートシールするシールユニットと、を備える。
【0010】
本発明に係るスパウト付きパウチ容器の製造装置おいて、前記中間体形成手段は、シート材を送出する送出機構と、前記シート材に折り畳み線となる罫線を形成する罫線形成ユニットと、前記罫線に沿って前記シート材を折り畳んでパウチ容器中間体とする折り畳みユニットとを含み、前記凹み形成ユニットおよび前記貫通孔形成ユニットは、前記罫線形成ユニットと前記折り畳みユニットとの間に設置されてもよい。
【0011】
また、本発明に係るスパウト付きパウチ容器の製造装置において、前記凹み形成ユニットは、前記シートの送出方向に関し、前記貫通孔形成ユニットの上流側に設置されてもよい。また、前記凹み部は前記一方側面シート部および前記他方側面シート部の両側縁同士のヒートシール部の端部よりも容器外側へ突出していてもよい。
【0012】
本発明に係るスパウト付きパウチ容器の製造方法は、少なくとも、貫通孔が形成された天ガセットと、両側縁が互いにヒートシールされるとともに各々の上縁が前記天ガセットの周縁にそれぞれヒートシールされる胴部一方面および胴部他方面と、筒部とフランジ部とを有して前記天ガセットの貫通孔に容器内側から筒部が挿入された状態でフランジ部の上面に前記天ガセットがヒートシールされるスパウトと、を備えるスパウト付きパウチ容器の製造方法であって、1枚以上のシート材を送出しつつ折り畳むことで、前記天ガセット、前記胴部一方面および前記胴部他方面を構成する天シート部、一方側面シート部および他方側面シート部を有するパウチ容器中間体を形成する中間体形成工程、前記パウチ容器中間体とする前に、前記シート材の天シート部にスパウト装着用の貫通孔を形成するとともに前記貫通孔の周縁に凹み部を形成する凹み形成工程、前記天シート部の貫通孔にスパウトを装着するスパウト装着工程、前記一方側面シート部および前記他方側面シート部の両側縁同士、ならびに、前記天シート部の周縁と前記一方側面シート部および前記他方側面シート部の各上縁とをヒートシールするとともに、前記天シート部の貫通孔の周縁に形成されている前記凹み部に前記スパウトのフランジ部ヒートシールするシール工程、および、前記各側面シート部の側縁ヒートシール部で切断して個々のスパウト付き容器に形成する切断工程を含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るスパウト付きパウチ容器の製造装置および製造方法によれば、天ガセットを構成する天シート部に形成されたスパウト挿通用の貫通孔の周縁に凹み部が形成され、この凹み部によってスパウトのフランジ部の厚みの少なくとも一部を吸収することができる。したがって、天シート部の周縁が胴部他方面の上縁にヒートシールされるときに天シート部に作用する引っ張り力を緩和でき、その結果、天ガセット周縁のヒートシール部を美麗に仕上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態であるスパウト付きパウチ容器の製造装置の全体構成を示す正面図である。
図2図1の製造装置で製造されるスパウト付きパウチ容器の斜視図である。
図3図2のスパウト付きパウチ容器の(a)上面図、(b)正面図、および(c)X−X断面図である。
図4】罫線形成ユニット、凹み形成ユニット、および、パンチングユニットの処理内容を示す、シート材の平面図である。
図5】凹み形成ユニットにおける処理内容を示す図である。
図6】パンチングユニットの処理内容を示す図である。
図7】折り畳みユニットおよびスパウト装着ユニットの処理内容を示す図である。
図8】解除機構の一例を示す図である。
図9】第1シールユニットに設けられた加熱機構の正面図である。
図10】第1シールユニットを通過したシート材の上面図および側面図である。
図11】スパウトのフランジ部の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。
【0016】
以下においては、本実施形態の製造装置によって製造されるスパウト付きパウチ容器が胴部前面と胴部後面との間の下部に底ガセットが設けられた自立型のパウチ容器である例について説明するが、これに限定されるものではなく、本発明は底ガセットを有しない非自立型のスパウト付きパウチ容器に適用されてもよい。
【0017】
図1は、本実施形態であるスパウト付きパウチ容器(以下、適宜に「パウチ容器」とだけいう。)SPの製造装置1の概略構成図である。この製造装置1は、シート材を適宜、折り曲げて接合することにより自立型のパウチ容器SP(スタンディングパウチ)を製造する装置である。
【0018】
この製造装置1の詳説に先立って、まず、当該製造装置1で製造されるパウチ容器SPについて説明する。図2は、この製造装置1で製造するパウチ容器SPの斜視図、図3は、当該パウチ容器SPの上面図、正面図、X−X断面図である。なお、この図2,3において、ハッチングを施した箇所は、シート材同士が熱により接合されたヒートシール部である。
【0019】
周知のとおり、パウチ容器SPは、シート材を袋状に貼り合わせて形成される容器で、液体や粉体など様々な内容物の収容に用いられる。このパウチ容器SPに用いられるシート材としては、片面にヒートシール性を備え、適度な可撓性を備えているのであれば、その材質や肉厚は特に限定されない。したがって、例えば、ヒートシール性に富むポリエチレンやエチレン−プロピレン共重合体などからなる内層と、印刷性やガス遮蔽性に富むポリアミドやポリエステルなどからなる外層と、を積層した複合フィルムなどを用いることができる。なお、この材質は、あくまで一例であり、パウチ容器SPとして要求される強度や、パウチ容器SP内に収容する内容物の性質などに応じて、適宜、異なる材質、肉厚のシート材が選択されてもよい。
【0020】
本実施形態が製造対象としているパウチ容器SPは、互いに対向する胴部前面(胴部一方面)P1および胴部後面(胴部他方面)P2と、胴部前面P1および胴部後面P2の上縁に接合された天ガセットP4、胴部前面P1および胴部後面P2の下縁に接合された底ガセットP3、および、天ガセットP4の略中央に接合されたスパウトQを備えている。
【0021】
スパウトQは筒部Q1およびフランジ部Q2を備える。筒部Q1およびフランジ部Q2は、樹脂一体成形によって形成されている。筒部Q1は、内容物の充填および取り出し口となる部分である。パウチ容器SPに内容物が充填された後に、例えばねじ式のキャップによって閉じられる。フランジ部Q2は、スパウトQをパウチ容器SPに固定する部分である。筒部Q1が天ガセットP4の貫通孔に挿入された状態で、フランジ部Q2の上面に天ガセットP4の内面がヒートシールされている。なお、このスパウトQのフランジ部Q2と天ガセットP4とのヒートシール部を、以下では、「スパウトシール部Sa」と呼ぶ。
【0022】
本実施形態のパウチ容器SPでは、図3(c)に示されるスパウトQのフランジ部Q2の厚みtが例えば2〜5mm程度と、従来比で厚く形成されている。これにより、フランジ部Q2の剛性が高くなり、天ガセットP4の剛性も高くなる。よって、例えば内容物を注出するときに内容物の重量が天ガセットP4にかかったとしても天ガセットP4の形状が歪みにくくなり、安定して注出することが可能になる。
【0023】
胴部前面P1および胴部後面P2は、その両側縁が互いに接合され、サイドシール部Ssが形成されている。天ガセットP4は、上面視略八角形をしており、その中央にはスパウトQの挿通を許容する貫通孔が形成されている。この天ガセットP4の周縁は、胴部前面P1および胴部後面P2の上縁に接合され、トップシール部Stを形成している。
【0024】
底ガセットP3は、内側に二つ折りにされた状態で、胴部前面P1および胴部後面P2の下部に挟持される部位である。この底ガセットP3の周縁は、胴部前面P1および胴部後面P2の下縁に接合され、略舟形のボトムシール部Sbを形成する。また、この底ガセットP3には、二つ折りにした状態で相互に一致する略半円状の切欠部cが形成されている。かかる切欠部cが形成されることにより、当該箇所において、胴部前面P1および胴部後面P2が、直接、接触することが可能となる。そして、この切欠部c、換言すれば、胴部前面P1および胴部後面P2の接触部を介して、胴部前面P1および胴部後面P2の下部の両側縁が接合される。
【0025】
図2および図3に示すように、天ガセットP4においてスパウト装着用の貫通孔の周縁には、パウチ容器SPの外側(図2中では上側)に凸状をなす凹み部Rが形成されている。凹み部Rは、フランジ部Q2の外周を取り囲むように形成されている。本実施形態では、円形のフランジ部Q2を取り囲む略楕円状の外形輪郭を有して形成されている。また、凹み部Rの凹み深さ(すなわち、容器外側への突出高さにほぼ等しい)は、フランジ部Q2の厚みtの少なくとも一部を吸収できる程度に形成されており、前記厚みtと同等程度に形成されるのが好ましい。
【0026】
続いて、図1を参照して、製造装置1の全体的な構成を説明する。製造装置1には、パウチ容器SPの材料となるシート材Mをロール状に巻回したシートロールSRがセットされており、図示しない送出機構により、シート材Mが連続的に送出される。
【0027】
送出されたシート材Mには、罫線形成ユニット10、凹み形成ユニット12、パンチングユニット14、折り畳みユニット16、スパウト装着ユニット18、第1シールユニット20、切除ユニット22、第2シールユニット24により、順次、所定の処理が施される。そして、複数の処理が施されたシート材Mは、最終的には、切断ユニット26により所定幅間隔で切断され、分離した個々のパウチ容器SPとして出力される。
【0028】
次に、各ユニットでの処理内容について説明する。図4は、罫線形成ユニット10、凹み形成ユニット12およびパンチングユニット14の処理内容を示す図である。罫線形成ユニット10は、送出されてきたシート材Mに、複数本の罫線L1〜L8を連続的に形成するユニットである。この罫線は、下流での折り畳み作業を容易にするために形成されるもので、例えば、シート材Mに細幅のローラを当接させることで形成できる。
【0029】
本実施形態では、シート材Mの幅方向に間隔を空けて、8本の罫線L1〜L8を形成している。後述する折り畳みユニット16等では、この罫線L1〜L8に沿って、シート材Mが折り曲げられる。なお、シート材Mのうち、一端から第1罫線L1までの範囲が、最終的に天ガセットP4を構成する。以下では、この天ガセットP4を構成する部分を、「天シート部p4」と呼ぶ。同様に、最終的に胴部前面P1を構成する第1罫線L1から第四罫線L4までの範囲を「前シート部p1」、最終的に底ガセットP3を構成する第四罫線L4から第六罫線L6までの範囲を「底シート部p3」、最終的に胴部後面P2を構成する第六罫線L6からシート材Mの他端までの範囲を「後シート部p2」と呼ぶ。
【0030】
なお、本実施形態ではシート材の折り畳み処理を容易にするためにシート材に罫線を形成する例を示したが、折り畳み処理が容易にできる場合は罫線の形成を全て又は部分的に省略しても良い。具体的には、例えば、本実施形態における罫線L3、L7の形成を省略することができ、それにより、パウチ容器の胴部の美観を向上させることができる。
【0031】
凹み形成ユニット12は、天ガセットP4を構成することとなる天シート部p4のスパウト孔形成予定位置を含む領域に凹み部Rを形成するユニットである。凹み形成ユニット12は、図5に示すように、上方に配置された凸状の雄型K1と凹状の雌型K2とでシート材Mを挟持することで、シート材Mが局部的に引き伸ばされて図4の紙面奥側へ凹んだ(すなわちパウチ容器となったときに容器外側へ突出する)凹み部Rを形成することができる。
【0032】
パンチングユニット14は、天シート部p4にスパウト孔Hを形成するとともに、底シート部p3に一対の接合孔hを形成するユニットである。パンチングユニット14は、図6に示すように、シート材Mにおいて既に形成された凹み部Rの略中央に例えば円柱状のパンチK3を打ち込むことによって、スパウト孔Hを形成する。このスパウト孔Hは、天シート部p4にパウチ容器幅W相当の間隔を空けて順次形成される。一対の接合孔hは、最終的に切欠部cを形成する孔である。この一対の接合孔hは、底シート部p3のうち第五罫線(底シートを二つ折りする際の折目線)を挟んで対称な位置であって、スパウト孔Hに対して、搬送方向にパウチ容器幅Wの半分程度の距離(1/2W)ずれた位置に形成される。
【0033】
図7は、折り畳みユニット16およびスパウト装着ユニット18の処理内容を示す図である。折り畳みユニット16は、上流側から送られてきたシート材Mを、罫線L1〜L8に沿って、シート材Mの幅方向に折り曲げる。具体的には、第五罫線L5に沿って内側に二つ折りにされた底シート部p3が、互いに対向する前シート部p1および後シート部p2の下部に挟持されるように折り曲げる。また、第1罫線L1、第2罫線L2、第八罫線L8に沿っても折り曲げ、前後シート部p1,p2の上部と、天シート部p4と、が重なるように折り曲げる。ここで、図7は、前後シート部p1,p2の上部に天シート部p4を重ねた後、当該天シート部p4が略水平となるように展開した状態を図示している。また、天シート部p4に形成された凹み部Rは、前後シート部p1,p2の上部に重なるように折り曲げられると、上方(すなわち容器外側)へ膨出した隆起部として現れる。
【0034】
なお、本実施形態では、シート材Mを送出する送出機構と、罫線形成ユニット10と、折り畳みユニット16とが、シート材Mを送出しつつ折り畳んで重ねることで、胴部前面P1、胴部後面P2、底ガセットP3および天ガセットP4を構成する前シート部p1、後シート部p2、底シート部p3および天シート部p4を含むパウチ容器中間体を形成する手段として機能する。
【0035】
スパウト装着ユニット18は、天シート部p4に形成されたスパウト孔Hに、スパウトQの筒部Q1を挿入するとともに、当該筒部Q1の端部から外側に張り出したフランジ部Q2を天シート部p4にヒートシールする。すなわち、スパウト装着ユニット18は、スパウト孔Hが形成された天シート部p4を略水平姿勢にした後、筒部Q1が外側に突出し、かつ、フランジ部Q2が天シート部p4の凹み部Rの内面に当たるように、スパウトQをスパウト孔Hに挿入する。そして、図7に示すように展開した天シート部p4を前後シート部p1,p2の上部と重なるように折り曲げた後、フランジ部Q2を天シート部p4におけるスパウト孔Hの周縁にヒートシールし、スパウトQをシート材Mに装着する。
【0036】
スパウトQが装着されたシート材Mは、その後、第1シールユニット20に送出される。第1シールユニット20は、送出されてきたシート材Mに対して、ヒートシール処理を施し、ボトムシール部Sb、サイドシール部Ss、トップシール部Stを形成する部位である。この第1シールユニット20は、折り畳み解除機構や、接着機構、冷却機構などを備えている。
【0037】
折り畳み解除機構は、シート材Mを、底シート部p3の折り畳みを解除して広げた折り畳み解除状態にする機構で、実際にヒートシール作業を行う接着機構より上流位置に設けられる。この折り畳み解除機構は、底シート部p3の折り畳みを解除するべく、第三罫線L3、第七罫線L7に沿ってシート材Mを折り曲げられるのであれば、その機構は特に限定されない。したがって、例えば、前シート部p1の下端および後シート部p2の下端を吸引保持しつつ離間方向に移動する一対の吸引部材などで構成されてもよい。また、より単純な構成としては、例えば、図に示すように、折り畳み解除した底シート部p3の底面に接触する上面を備えた板材28などであってもよい。この場合、シート材Mの先端が、底シート部p3が当該板材の上面に接するように底シート部p3を広げた状態でシート材Mをセットしておけば、後続するシート材Mも自然と、当該板材28付近で折り畳み解除される。かかる折り畳み解除機構により、シート材Mは、正面視において、略I字状形状となる。
【0038】
折り畳み解除されたシート材Mは、その状態で加熱機構へと送出される。加熱機構は、シート材Mの各部を挟持加圧しつつ、加熱することでシート材Mをヒートシールする機構である。図は、この加熱機構の正面図である。

【0039】
加熱機構は、上下に対向配置されたトップブロック30およびボトムブロック34と、当該トップブロック30およびボトムブロック34の間において左右に対向配置された一対のサイドブロック32と、これら複数のブロックを移動させる移動機構と、を備えている。
【0040】
トップブロック30は、サイドブロック32の上面と協働して、天シート部p4と当該天シート部p4と重ねられた前シート部p1および後シート部p2の上縁とを挟持加圧しつつ加熱するブロックである。このトップブロック30の底面には、トップシール部Stに対応した形状(本実施形態では略八角形)の突起が、シート材搬送方向に例えば三つ並んでいる。この突起40には、ヒータが内蔵されており、当該突起に接触するシート部分をヒートシールすることができるようになっている。また、各八角形の中央部分には、スパウトQと当該トップブロック30との干渉を避けるための逃がし孔42が形成されている。
【0041】
サイドブロック32は、トップブロック30と対向する上面、対をなすサイドブロック32と対向する対向面、および、ボトムブロック34と対向する底面を、備えている。上面には、トップシール部Stを前後に二分割した形状の突起50が、シート材搬送方向に例えば三つ並んでいる。換言すれば、対向する二つのサイドブロック32が近接することで、当該二つのサイドブロック32の上面に、トップシール部Stに対応した形状、換言すれば、トップブロック30に形成された突起40と同様の形状の突起50が構成されるようになっている。トップシール部Stを形成する際には、このサイドブロック32上面の突起50と、トップブロック30底面の突起40とで、天シート部p4および前後シート部p1,p2を挟持しつつ加熱する。
【0042】
サイドブロック32の対向面には、当該サイドブロック32を上下に延伸する突起48が、シート材搬送方向に四つ形成されている。この四つの突起48は、サイドシール部Ssに対応する位置、大きさに形成されており、各突起48の配置間隔は、パウチ容器SPの幅にほぼ等しい。また、四つの突起48のうち、最も上流側および下流側に設けられた突起48の幅は、サイドシール部Ss一つ分の幅に等しく、間に設けられた二つの突起48の幅は、サイドシール部Ss二つ分の幅に等しい。この突起48の内部にもヒータが内蔵されており、当該突起48に接触するシート部分をヒートシールすることができるようになっている。サイドシール部Ssを形成する場合には、この対向する一対のサイドブロック32の突起48で、前シート部p1および後シート部p2を挟持しつつ加熱する。
【0043】
サイドブロック32の底面には、ボトムシール部Sbを前後に二分割した形状の突起52が、シート材搬送方向に例えば三つ並んでいる。換言すれば、対向する二つのサイドブロック32が近接することで、当該二つのサイドブロック32の底面に、ボトムシール部Sbに対応した形状の突起48が構成されるようになっている。ボトムシール部Sbを形成する際には、このサイドブロック32底面の突起52と、ボトムブロック34上面の突起56と、で底シート部p3および前後シート部p1,p2を挟持しつつ加熱する。
【0044】
ボトムブロック34は、サイドブロック32の底面と協働して、底シート部p3と当該底シート部p3の周縁と重ねられた前後シート部p1,p2の下縁とを挟持加圧しつつ加熱するブロックである。このボトムブロック34の上面には、ボトムシール部Sbに対応した形状の突起56が形成されている。より具体的には、この突起56は、搬送方向に長尺な二本の直線の間に略六角形が例えば三つ配置されたような形状となっている。この突起56には、ヒータが内蔵されており、当該突起56に接触するシート部分をヒートシールすることができるようになっている。なお、略六角形の突起56の両側であって切欠部cに対応する位置には、図示しない三角形状の窪みが形成されている。かかる窪みが形成されることにより、切欠部c周辺が当該突起56に接触すること(ヒートシールされること)が防止される。
【0045】
移動機構は、これら三種類のブロックを移動させるための機構である。より具体的には、移動機構は、トップブロック30およびボトムブロック34を昇降させる。また、移動機構は、一対のサイドブロック32を互いに近接または離間する方向に移動させることができる。こうした移動機構は、公知の周知技術を用いて構成することができるため、ここでの詳説は省略する。
【0046】
かかる構成の第1シールユニット20でのシール作業の流れについて説明する。折り畳み解除された状態で送出されてきたシート材Mは、図9に示すように、正面視略I字状となっている。このとき、トップブロック30およびボトムブロック34は、いずれも、このシート材Mから離間した位置で待機している。また、サイドブロック32は、前シート部p1および後シート部p2から離間しつつも、その対向距離が底シート部p3や天シート部p4の幅以下となる位置で待機している。したがって、この状態において、底シート部p3および天シート部p4の先端は、僅かに、サイドブロック32の底面および上面に重なっている。
【0047】
続いて、トップブロック30を下降させ、天シート部p4および前後シート部p1,p2の上縁を、サイドブロック32の上面に押し当てる。この押し当てにより、シート材Mの高さ位置が規定位置に調整される。
【0048】
続いて、一対のサイドブロック32を、互いに近接する方向に移動させ、当該一対のサイドブロック32で前後シート部p1,p2を挟持加圧する。そして、その状態で、側面に設けられた突起48の加熱を開始する。この加熱により、シート材Mのうち、当該突起48に接触する部分、すなわち、サイドシール部Ssに相当する部分がヒートシールされる。
【0049】
さらに、その後、ボトムブロック34を上昇させ、サイドブロック32の底面と協働して、底シート部p3の周縁および前後シート部p1,p2の下縁を挟持加圧させる。また、トップブロック30も、さらに、下降させ、サイドブロック32の上面と協働して天シート部p4の周縁および前後シート部p1,p2の上縁を挟持加圧させる。そして、その状態になれば、ボトムブロック34およびトップブロック30の突起40,56の加熱も開始する。この加熱により、シート材Mのうち、これら突起40,56に接触する部分、すなわち、トップシール部Stに相当する部分およびボトムシール部Sbに相当する部分がヒートシールされる。
【0050】
そして、一定時間の加熱ができれば、図9に示すように、全てのブロックをシート材Mから離間させ、当該シート材Mを第1シールユニット20から冷却装置へ送出する。冷却装置で冷却された後、シート材Mの底シート部p3は、再び、二つに折り畳まれる。
【0051】
図10は、第1シールユニット20を通過したシート材Mの上面図および側面図である。この図10に示すように、第1シールユニット20を通過したシート材Mは、トップシール部St、サイドシール部Ss、ボトムシール部Sbが形成された状態となる。
【0052】
上記のように第1シールユニット20においてトップシール部Stが形成されるとき、パウチ容器SPの天ガセットP4(図2参照)となる天シート部p4は前シート部p1とつながった状態にあり、かつ、シート材Mは個々のパウチ容器SPに切断されるまでは天シート部p4がシート材Mの長手方向につながった状態になっている。そのため、天シート部p4に凹み部Rが形成されていない場合、スパウトQのフランジ部Q2に厚みtがある分、天シート部p4がトップシール部Stの位置からスパウトQの装着位置へ向かう方向に引っ張り力が作用する。その結果、パウチ容器SPとして切断形成されたときに、天ガセットP4に引張応力が残留することによってトップシール部Stが波打った状態となり、パウチ容器SPの外観が悪くなることがある。
【0053】
これに対し、本実施形態では、天シート部p4に形成された凹み部RにスパウトQのフランジ部Q2が厚み方向の全て又は一部が収容される。そのため、天シート部p4に上記のような引っ張り力が作用するのを緩和または解消できる。その結果、スパウトQのフランジ部Q2が厚くなった場合でも天ガセットP4の周縁のトップシール部Stを美麗に仕上げることができる。
【0054】
第1シールユニット20から送出されて冷却されたシート材Mは、続いて、切除ユニット22(図1参照)に送られる。切除ユニット22では、天ガセットP4に相当する部分が略八角形になるように、不要部分が切除される。具体的には、図10において、太線で囲まれた略三角形部分nが切除される。その後、このシート材Mは、底シート部p3が折り畳まれた状態で、第2シールユニット24(図1参照)に送られる。
【0055】
第2シールユニット24では、接合孔h付近が、ヒータを内蔵したブロック体で挟持されつつ加熱される。そして、これにより、当該接合孔hを介して前シート部p1と後シート部p2とがヒートシールされる。第2シールユニット24を通過すれば、最後に、シート材Mは、切断ユニット26(図1参照)に送られる。切断ユニット26では、連続したシート材Mを、パウチ容器SPのおける胴部の側縁に相当する位置、より具体的には、サイドシール部Ssの中央位置(図13において一点鎖線で示した位置)において切断する。この切断により、互いに分離した個別のパウチ容器SPが形成される。
【0056】
以上のようにして本実施形態の製造装置1によってパウチ容器SPが製造される。
【0057】
上述したように、本実施形態のスパウト付きパウチ容器SPの製造装置1および製造方法によれば、スパウトQのフランジ部Q2が厚くなった場合でも天ガセットP4の周縁のトップシール部Stが波打つことなく美麗に仕上げられたパウチ容器SPを製造することができる。
【0058】
なお、本発明は、上述した実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等な範囲において種々の変更や改良が可能である。
【0059】
例えば、上記においては図11(a)に示すように、スパウトQのフランジ部Q2を円環状の板部として形成した例について説明したが、これに限定されるものではなく、フランジ部Q2の剛性を高めるために他の形状としてよい。例えば、図11(b)に示すようにフランジ部Q2の外周縁から突出する円環状の壁部を有する形状としてもよい。
【0060】
また、上記の製造装置1においては、シート材Mの天シート部p4に先に凹み部Rを形成した後にスパウト孔Hを穿設する例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、スパウト孔Hを先に形成してからその周縁部に凹み部Rを形成するように、凹み形成ユニット12とパンチングユニット14とを入れ替えてもよい。あるいは、1つのユニットで凹み部Rおよびスパウト孔Hの形成を一工程で同時に行ってもよい。これにより、製造装置および製造方法を簡素化することができ、装置を小型化できるとともにコスト低減を図ることができる。
【0061】
さらに、上記実施形態では、パウチ容器SPの天ガセットP4と胴部前面P1とが1枚の連続したシート材で形成される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、天ガセットP4が胴部前面P1および胴部後面P2の何れからも分離した別のシート材によって形成される場合にも本発明を適用することができる。この場合、天ガセットは容器分離前までは長手方向に連なっているため、天ガセットの周縁にヒートシールするときに作用する長手方向の引っ張り力が少なくとも発生することから、この場合にも天シート部に凹み部が形成されることで、この長手方向の引っ張り力を緩和して、天ガセット周縁のヒートシール部を美麗に仕上げる効果が見込める。
【符号の説明】
【0062】
1 スパウト付きパウチ容器の製造装置、10 罫線形成ユニット(中間体形成手段)、12 凹み形成ユニット、14 パンチングユニット、16 折り畳みユニット、18 スパウト装着ユニット、20 第1シールユニット、22 切除ユニット、24 第2シールユニット、26 切断ユニット、28 板材、30 トップブロック、32 サイドブロック、34 ボトムブロック、40,48,50,52,56 突起、42 逃がし孔、c 切欠部、H スパウト孔、h 接合孔、K1 雄型、K2 雌型、K3 パンチ、L1〜L8 罫線、M シート材、n 略三角形部分、p1 前シート部、P1 胴部前面(胴部一方面)、p2 後シート部、P2 胴部後面、P3 底ガセット、p3 底シート部、P4 天ガセット、p4 天シート部、Q スパウト、Q1 筒部、Q2 フランジ部、R 凹み部、Sa スパウトシール部、Sb ボトムシール部、SP スパウト付きパウチ容器、SR シートロール、Ss サイドシール部、St トップシール部、W パウチ容器幅。
図1
図2
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図11