【実施例】
【0168】
5.実施例
特許を請求する主題に関するいくつかの実施形態を、以下の非制限的実施例により説明
する。
実施例1
2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イル)−4−(2−メトキシ−フェノキシ)
−イソインドール−1,3−ジオン
【0169】
【化8】
ステップ1
ヨウ化メチル(30.2g、213ミリモル)を、DMF(150mL)中の3−ニト
ロフタル酸(15.0g、71.0ミリモル)と重炭酸ナトリウム(23.9g、284
ミリモル)との混合物に撹拌しながら室温で添加し、次いで、混合物を、60℃に設定し
た油浴中で4時間加熱した。次いで、混合物を700mLの氷水に注いだ。氷が溶けた後
に、混合物を酢酸エチル(3×150mL)で抽出し、有機相を、水(7×500mL)
で洗浄し、乾燥(MgSO
4)させ、蒸発させて、95%の収率で淡黄色固体として16
.2gの3−ニトロフタル酸ジメチルエステルを得た。
1H NMR (CDCl
3) δ 3.95 (s, 3H)
, 4.02 (s, 3H), 7.69 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 8.36 (m, 2H).
【0170】
ステップ2
3:1のエタノール−濃HCl混合物(200mL)を0℃まで冷却し、次いで、3−
ニトロフタル酸ジメチルエステル(15.0g、62.8ミリモル)を添加した。冷却を
維持しながら、塩化錫(II)(70.8g、314ミリモル)を、15分にわたって分
割添加した。添加完了に続き、冷却浴を取り外し、室温で撹拌を続けた。2時間後、混合
物を固体の重炭酸ナトリウムを添加して中和し、生じた混合物を酢酸エチル(3×150
mL)で抽出し、合わせた抽出液を、水(5×250mL)で洗浄し、乾燥(MgSO
4
)させ、蒸発させて、86%の収率で黄色オイルとして11.3gの3−アミノフタル酸
ジメチルエステルを得た。
1H NMR (CDCl
3) δ 3.84 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 5.20 (br,
2H), 6.78 (dd, J = 8.5 Hz, J = 1.0 Hz, 1H), 6.90 (dd, 1H, J = 7.3 Hz, J = 1.0 Hz
, 1H), 7.24 (t, J = 7.8 Hz, 1H).
【0171】
ステップ3
3−アミノフタル酸ジメチルエステル(9.5g、45.4ミリモル)の水−濃HCl
(1:1)(300mL)溶液を0℃まで冷却すると、冷却中に沈殿が生成した。次いで
、NaNO
2(3.5g、50.0ミリモル)の水(10mL)溶液を、添加中の温度を
0〜5℃に維持しながら徐々に添加した。添加完了に続いて、混合物をこの温度で10分
間撹拌した後、KI(11.3g、68.3ミリモル)の水−濃HCl(1:1)(30
mL)溶液を一度に添加し、次いで、反応フラスコを、65℃まで予熱した油浴に直ちに
移動した。この混合物を加熱しながら10分間撹拌し、次いで、氷浴中で冷却した。混合
物をCH
2Cl
2(3×150mL)で抽出し、合わせた有機抽出液を、水(3×150
mL)で洗浄し、乾燥(MgSO
4)させ、蒸発させ、残留物を、ヘキサン−酢酸エチル
のグラジエントを使用するクロマトグラフィーにかけた。17:3のヘキサン−酢酸エチ
ルで溶離される生成物は、淡紫色の固体であり、次いで、該生成物をヘキサンで粉砕し、
濾過し、乾燥させて、無色の固体として9.7g(67%)の3−ヨードフタル酸ジメチ
ルエステルを得た。
1H NMR (CDCl
3) δ 3.90 (s, 3H), 3.99 (s, 3H), 7.19 (t, J = 7.9
Hz, 1H), 8.02 (d, J = 7.9 Hz, 2H).
【0172】
ステップ4
グアイアコール(0.77g、6.2ミリモル)、臭化銅(I)(0.89g、6.2
ミリモル)および水素化ナトリウム(60%分散液0.3g、7.5ミリモル)の混合物
を、ピリジン(100mL)中、窒素下で撹拌しながら15分間加熱還流した。3−ヨー
ドフタル酸ジメチルエステル(2.0g、6.2ミリモル)を添加し、生じた混合物を還
流下に20時間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、飽和NH
4Cl(15mL)を添加
して反応を止めた。揮発物を減圧下で除去した。残留物を希HCl水(100mL)と酢
酸エチル(100mL)との間に分配し、水相を酢酸エチル(100mL)で抽出した。
合わせた有機抽出液を、希HCl水(2×100mL)、飽和Na
2CO
3水(2×10
0mL)で、再び希HCl水(2×100mL)で、最後に水(100mL)で洗浄し、
蒸発させた。ヘキサン−酢酸エチルのグラジエントによるクロマトグラフィーで、25〜
30%酢酸エチルで溶離して、38%の収率で0.75gの3−(2−メトキシ−フェノ
キシ)−フタル酸ジメチルエステルを得た。
1H NMR (CDCl
3) δ 3.79 (s, 3H), 3.91 (s,
3H), 3.95 (s, 3H), 6.86-6.91 (m, 1H), 6.93-7.01 (m, 2H), 7.05 (dd, J = 7.9 Hz,
J = 1.6 Hz, 1H), 7.13-7.20 (m, 1H), 7.30 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.66-7.69 (m, 1H).
【0173】
ステップ5
3−(2−メトキシ−フェノキシ)−フタル酸ジメチルエステル(0.75g、2.4
ミリモル)と3N NaOH(50mL)との混合物を、エタノール(100mL)中で
2時間加熱還流した。混合物を冷却し、溶媒を真空下で除去した。残留物を、水(100
mL)に溶解し、CH
2Cl
2(2×100mL)で洗浄し、酸性化(HCl)し、酢酸
エチル(3×75mL)で抽出した。合わせた有機抽出液を、水(3×75mL)で洗浄
し、乾燥(MgSO
4)させ、蒸発させて、78%の収率で0.53gの3−(2−メト
キシ−フェノキシ)−フタル酸を得た。
1H NMR (DMSO-d
6) δ 3.76 (s, 3H), 6.82 (dd,
J = 8.4 Hz, J = 0.9 Hz, 1H), 6.95-6.98 (m, 2H), 7.16-7.23 (m, 2H), 7.39 (t, J =
8.0 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 8.2 Hz, 1H).
【0174】
ステップ6
3−(2−メトキシ−フェノキシ)−フタル酸(0.51g、1.8ミリモル)とra
c−α−アミノグルタルイミド塩酸塩(0.29g、1.8ミリモル)との混合物を、ピ
リジン(10mL)中で16時間加熱還流した。混合物を冷却し、真空下で蒸発させた。
残留物を、酢酸エチル(100mL)に溶解し、希HCl水(2×100mL)および水
(100mL)で洗浄し、蒸発させた。残留物を、CH
2Cl
2−メタノールのグラジエ
ントを使用したクロマトグラフィーにかけ、標題化合物を95:5のCH
2Cl
2−メタ
ノールで溶離すると、88%の収率で0.59gの標題化合物を得た。mp 223〜2
25℃。HPLC:Waters Symmetry C−18、3.9×150mm、
5μm、1mL/分、240nm、40/60CH
3CN/0.1%H
3PO
4、6.0
6(99.46%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ 2.06-2.11 (m, 1H), 2.53-2.64 (m, 2H), 2.
83-2.90 (m, 1H), 3.75 (s, 1H), 5.15 (dd, J = 12.4 Hz, J = 5.3 Hz, 1H), 6.85 (d,
J = 8.5 Hz, 1H), 7.06 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.21-7.37 (m, 3H), 7.54 (d, J = 7.2 H
z, 1H), 7.72 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 11.13 (s, 1H);
13C NMR (DMSO-d
6) δ 21.9, 31.0
, 48.9, 55.7, 113.7, 116.5, 116.7, 120.7, 121.5, 122.3, 127.2, 133.3, 137.0, 141
.3, 151.2, 154.7, 165.0, 166.6, 170.0, 172.8; 元素分析: C
20H
16N
2O
6の計算値: C, 6
3.16; H, 4.24; N, 7.37. 実測値: C, 63.00; H, 4.24; N, 7.29.
【0175】
実施例2
3−(4−ヒドロキシ−1−オキソイソインドリン−2−イル)ピペリジン−2,6−ジ
オン
【0176】
【化9】
250mLの三又丸底フラスコ(3N−RBF)に3−(4−アミノ−1−オキソイソ
インドリン−2−イル)ピペリジン−2,6−ジオンおよびH
2O(10倍量)を添加し
、0〜5℃まで冷却した。NaNO
2(1.1当量)およびHCl(1.1当量)を添加
し、混合物を30分間撹拌した。次いで、混合物を75〜80℃に2時間加熱した。混合
物を、室温まで冷却し、濾過し、真空で乾燥(18時間、35〜40℃)させた。粗生成
物を、分取HPLC(条件:C18 Symmetry Column、H
2O:MeC
N(90:10)のイソクラティック、流速60mL/分、生成物の保持時間約30分)
で精製して、灰白色の固体を得た(240mg、2.4%、HPLC99.5面積%)。
mp 296.39℃。HPLC:Hypersil DBS C8 5mカラム、25
0×4.6mm、35℃、CH
3CN/10mM KH
2PO
4水が99:1〜85:1
5のグラジエント、20分間にわたって1.0mL/分、7.60分、210/240n
mで99.5面積%。
1H-NMR (DMSO-d
6): 10.97 (1H, br s), 10.11 (1H, br s), 7.34 (
1H, t), 7.17 (1H, d), 7.03 (1H, d), 5.09 (1H, dd), 4.25 (2H, dd), 2.97-2.85 (1H,
m), 2.62-2.36 (2H, m), 2.03-1.96 (1H, m) ppm;
13C-NMR (DMSO-d
6): 172.85, 171.04
, 168.27, 152.55, 133.41, 129.44, 127.94, 117.97, 113.71, 51.59, 45.09, 31.22, 2
2.42 ppm; LC-MS ES
+ (M+1) 261; CHN-分析, C
13H
12N
2O
4の計算値: C, 60.00%; H, 4.65%
; N, 10.76%. 実測値: C, 59.54%; H, 4.88%; N, 10.48%.
【0177】
実施例3
4−ベンジルオキシ−2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イル)−イソインドー
ル−1,3−ジオン
【0178】
【化10】
ステップ1
3−ヒドロキシフタル酸無水物(4.96g、30.2ミリモル)とメタノール(60
mL)の混合物を、3時間還流し、室温まで冷却し、溶媒を真空下で蒸発させた。残留物
および重炭酸ナトリウム(7.11g、84.6ミリモル)をDMF(40mL)に懸濁
した。ヨードメタン(4.53mL、72.5ミリモル)を添加し、反応混合物を50℃
で2時間加熱した。溶媒を真空下で除去し、残留物を酢酸エチル(120mL)と水(1
00mL)との間に分配した。有機相を、水(2×100mL)で洗浄し、蒸発させた。
残留物を、ヘキサン−酢酸エチルのグラジエントを使用するクロマトグラフィーにかけ、
6:4のヘキサン−酢酸エチルで生成物を溶離すると、76%の収率で4.83gの3−
ヒドロキシ−フタル酸ジメチルエステルを得た。
1H NMR (CDCl
3) δ 3.89 (s, 3H), 3.92
(s, 3H), 6.97 (dd, J = 7.9 Hz, J = 0.9 Hz, 1H), 7.09 (dd, J = 8.6 Hz, J = 1.0 H
z, 1H), 7.46 (t, J = 8.3 Hz, 1H), 10.58 (s, 1H).
【0179】
ステップ2
3−ヒドロキシ−フタル酸ジメチルエステル(1.35g、6.40ミリモル)のDM
F(15mL)溶液に、撹拌しながら、炭酸カリウム(1.78g、12.9ミリモル)
および臭化ベンジル(0.92mL、7.7ミリモル)を添加した。反応混合物を、室温
で一夜撹拌し、次いで冷水(60mL)で反応を止めた。水層を酢酸エチル(3×40m
L)で抽出した。合わせた有機層を、水(4×50mL)および食塩水(50mL)で洗
浄し、乾燥(MgSO
4)させ、溶媒を真空下で蒸発させた。残留物を、ヘキサン−酢酸
エチルのグラジエントを使用するクロマトグラフィーにかけて、7:3のヘキサン−酢酸
エチルで生成物を溶離すると、86%の収率で1.66gの3−ベンジルオキシ−フタル
酸ジメチルエステルを得た。
1H NMR (CDCl
3) δ 3.89 (s, 3H), 3.95 (s, 3H), 5.16 (s,
2H), 7.15 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.28-7.41 (m, 6H), 7.62 (d, J = 7.9 Hz, 1H).
【0180】
ステップ3
3−ベンジルオキシ−フタル酸ジメチルエステル(1.64g、5.50ミリモル)と
3N NaOH(50mL)との混合物を、エタノール(100mL)中で1時間加熱還
流し、室温まで冷却した。溶媒を真空下で除去し、残留物を、水(100mL)に溶解し
、CH
2Cl
2(2×100mL)で洗浄し、6N HClでpH1〜2まで酸性化した
。沈殿物を、濾過し、水(100mL)で洗浄して、白色固体として3−ベンジルオキシ
−フタル酸を得た(1.10g、収率74%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ 5.20 (s, 2H), 7.
29-7.51 (m, 8H), 13.02 (br, 2H).
【0181】
ステップ4
3−ベンジルオキシ−フタル酸(1.08g、4.00ミリモル)とrac−α−アミ
ノグルタルイミド塩酸塩(0.65g、4.0ミリモル)との混合物を、ピリジン(10
mL)中で4時間加熱還流した。反応混合物を冷却し、溶媒を真空下で蒸発させた。残留
物を、酢酸エチル(200mL)に懸濁し、希HCl水(100mL)で洗浄した。有機
相を、不溶性沈殿物と合わせ、蒸発乾固した。生じた固体を、酢酸エチル(100mL)
で粉砕し、濾過し、さらなる酢酸エチル(50mL)で洗浄し、乾燥させて、標題化合物
を得た(1.66g、収率86%)。mp 238〜240℃。HPLC:Waters
Symmetry C−18、3.9×150mm、5μm、1mL/分、240nm
、40/60のCH
3CN/0.1%H
3PO
4、7.23(96.71%)。
1H NMR (
DMSO-d
6) δ 1.99-2.08 (m, 1H), 2.45-2.62 (m, 2H), 2.81-2.94 (m, 1H), 5.10 (dd, J
= 12.6 Hz, J = 5.3 Hz, 1H), 5.38 (s, 2H), 7.32-7.53 (m, 6H), 7.60 (d, J = 8.5 H
z, 1H), 7.83 (t, J = 8.2 Hz, 1H), 11.12 (s, 1H);
13C NMR (DMSO-d
6) δ 22.0, 30.9
, 48.8, 70.0, 115.6, 116.6, 120.2, 127.3, 128.0, 128.5, 133.3, 136.2, 137.0, 155
.5, 165.3, 166.8, 169.9, 172.8; 元素分析: C
20H
16N
2O
5の計算値: C, 65.93; H, 4.43;
N, 7.69. 実測値: C, 65.54; H, 4.35; N, 7.63.
【0182】
実施例4
4−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イル
)−イソインドール−1,3−ジオン
【0183】
【化11】
ステップ1
3−ヒドロキシフタル酸ジメチルエステル(1.3g、6.3ミリモル)と炭酸カリウ
ム(2.1g、15.2ミリモル)とのアセトン(20mL)懸濁液に、撹拌しながら3
−クロロベンジルブロミド(1.0mL、7.6ミリモル)を添加し、一夜還流した。溶
媒を蒸発させ、残留物を、水(100mL)と酢酸エチル(150mL)との間に分配し
、水(2×100mL)で洗浄した。合わせた有機相を、乾燥させ、濃縮し、フラッシュ
カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して、3−(3−クロロ−ベ
ンジルオキシ)−フタル酸ジメチルエステルを得た(1.9g、収率92%)。生成物は
、さらなる精製なしで次のステップで使用した。
【0184】
ステップ2
3−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−フタル酸ジメチルエステル(1.9g、5.8
ミリモル)と3N水酸化ナトリウム(60mL)との試薬級アルコール(100mL)溶
液を2時間還流した。溶液を蒸発させ、残留物を、水(100mL)に溶解し、塩化メチ
レン(3×100mL)で洗浄し、次いで、pHを約4まで酸性化した。生じた混合物を
酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、合わせた有機層を、水(2×100mL)で洗
浄し、乾燥させ、濃縮して、灰白色固体として3−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−フ
タル酸を得た(1.6g、収率87%)。生成物は、さらなる精製なしで次のステップで
使用した。
【0185】
ステップ3
3−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−フタル酸(1.6g、5.1ミリモル)とα−
アミノ−グルタルイミド塩酸塩(0.87g、5.3ミリモル)との混合物を、ピリジン
中で一夜還流した。混合物を蒸発させ、残留物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー
(メタノール/塩化メチレン)で精製して、白色固体として4−(3−クロロ−ベンジル
オキシ)−2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イル)−イソインドール−1,3
−ジオンを得た(0.74g、収率37%)。HPLC:Waters Symmetr
y C
18、5μm、3.9×150mm、1mL/分、240nm、50/50のCH
3CN/0.1%H
3PO
4、6.44分(99.8%)。mp 249〜251℃。
1H
NMR (DMSO-d
6) δ 2.02-2.07 (m, 1H, CHH), 2.54-2.62 (m, 2H, CH
2), 2.83-2.91 (m,
1H, CHH), 5.12 (dd, J = 6, 12 Hz, 1H, CH), 5.39 (s, 2H, CH
2), 7.40-7.87 (m, 7H,
Ar), 11.12 (s, 1H, NH);
13C NMR (DMSO-d
6) δ 21.96, 30.92, 48.77, 69.05, 115.72,
116.69, 120.10, 125.65, 126.85, 127.84, 130.42, 133.18, 133.26, 137.07, 138.76,
155.19, 165.32, 166.74, 169.89, 172.75. 元素分析: C
20H
15N
2O
5Cl +0.1 H
2Oの計算値
: C, 59.96; H, 3.82; N, 6.99; Cl, 8.85. 実測値: C, 59.93; H, 3.54; N, 6.91; Cl,
9.00.
【0186】
実施例5
4−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イル
)−イソインドール−1,3−ジオン
【0187】
【化12】
ステップ1
3−ヒドロキシフタル酸ジメチルエステル(1.3g、6.3ミリモル)と炭酸カリウ
ム(2.6g、19ミリモル)とのアセトン(20mL)懸濁液に、撹拌しながら4−ク
ロロベンジルクロリド(1.1g、6.6ミリモル)を添加し、一夜還流した。溶媒を蒸
発させ、残留物を、水(100mL)と酢酸エチル(150mL)との間に分配し、水(
2×100mL)で洗浄した。合わせた有機相を、乾燥させ、濃縮し、フラッシュカラム
クロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して、3−(4−クロロ−ベンジル
オキシ)−フタル酸ジメチルエステルを得た(2.3g、粗収率110%)。生成物は、
さらなる精製なしで次のステップで使用した。
【0188】
ステップ2
3−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−フタル酸ジメチルエステル(2.2g、6.3
ミリモル)と3N水酸化ナトリウム(60mL)との試薬級アルコール(100mL)溶
液を2時間還流した。溶液を蒸発させ、残留物を、水(100mL)に溶解し、塩化メチ
レン(3×100mL)で洗浄し、次いで、pHを約4まで酸性化した。生じた混合物を
酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、合わせた有機層を、水(2×100mL)で洗
浄し、乾燥させ、濃縮して、灰白色固体として3−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−フ
タル酸を得た(1.9g、収率98%)。生成物は、さらなる精製なしで次のステップで
使用した。
【0189】
ステップ3
3−(4−クロロ−ベンジルオキシ)−フタル酸(1.9g、6.2ミリモル)とα−
アミノ−グルタルイミド塩酸塩(1.1g、6.5ミリモル)との混合物を、ピリジン中
で一夜還流した。混合物を蒸発させ、残留物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(
メタノール/塩化メチレン)で精製して、白色固体として4−(4−クロロ−ベンジルオ
キシ)−2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イル)−イソインドール−1,3−
ジオンを得た(1.2g、収率49%)。HPLC:Waters Symmetry
C
18、5μm、3.9×150mm、1mL/分、240nm、50/50のCH
3C
N/0.1%H
3PO
4、6.64分(99.9%)。mp 239〜241℃。
1H NMR
(DMSO-d
6) δ 2.00-2.07 (m, 1H, CHH), 2.54-2.62 (m, 2H, CH
2), 2.83-2.95 (m, 1H,
CHH), 5.12 (dd, J = 6, 12 Hz, 1H, CH), 5.38 (s, 2H, CH
2), 7.48-7.86 (m, 7H, Ar),
11.12 (s, 1H, NH);
13C NMR (DMSO-d
6) δ 21.96, 30.91, 48.75, 69.18, 115.66, 116
.65, 120.16, 128.50, 129.02, 132.52, 133.25, 135.22, 137.03, 155.27, 165.30, 166
.74, 169.89, 172.75. 元素分析: C
20H
15N
2O
5Clの計算値: C, 60.24; H, 3.79; N, 7.02;
Cl, 8.89. 実測値: C, 60.41; H, 3.63; N, 7.02; Cl, 8.72.
【0190】
実施例6
4−(3,4−ジクロロ−ベンジルオキシ)−2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3
−イル)−イソインドール−1,3−ジオン
【0191】
【化13】
ステップ1
DMF(60mL)中の3−ヒドロキシフタル酸無水物(3.00g、18.3ミリモ
ル)とrac−α−アミノグルタルイミド塩酸塩(3.01g、18.3ミリモル)との
混合物に、トリエチルアミン(2.70mL、19.4ミリモル)を添加した。反応混合
物を、90℃に一夜加熱し、室温まで冷却し、溶媒を真空下で蒸発させた。残留物をCH
2Cl
2(100mL)中で30分間撹拌し、溶媒を真空下で除去した。残留物を水(1
20mL)中で2時間撹拌し、生じた固体を、濾過し、水(50mL)で洗浄し、乾燥さ
せた。1,4−ジオキサン(200mL)を添加し、生じた懸濁液を、16時間撹拌し、
濾過し、不溶性材料は保存しておいた。濾液を、脱色炭(2g)で処理し、1時間加熱還
流した。50℃まで冷却した後、セライトを通して反応混合物を濾過し、フィルターをさ
らなる1,4−ジオキサン(50mL)で洗浄した。濾液を不溶性沈殿物と合わせ、蒸発
乾固した。得られた固体を、酢酸エチル(100mL)で粉砕し、濾過、乾燥させて、5
6%の収率で4.18gの2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イル)−4−ヒド
ロキシ−イソインドール−1,3−ジオンを得た。
1H NMR (DMSO-d
6) δ 1.99-2.06 (m,
1H), 2.45-2.61 (m, 2H), 2.82-2.96 (m, 1H), 5.08 (dd, J = 12.6 Hz, J = 5.3 Hz, 1H
), 7.23-7.33 (m, 2H), 7.66 (dd, J = 8.2 Hz, J = 7.2 Hz, 1H), 11.10 (s, 1H), 11.1
9 (s, 1H).
【0192】
ステップ2
ポリマー担持トリフェニルホスフィン(1.46g、約4.4ミリモル)と3,4−ジ
クロロベンジルアルコール(0.65g、3.6ミリモル)との混合物を、THF(10
mL)中、0℃で撹拌した。反応混合物を0℃に保持しながら、アゾジカルボン酸ジイソ
プロピル(0.87mL、4.4ミリモル)のTHF(2.1mL)溶液を滴加した。次
いで、2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イル)−4−ヒドロキシ−イソインド
ール−1,3−ジオン(1.00g、3.60ミリモル)を固体で添加し、反応混合物を
、0℃で1時間、次いで室温で一夜撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、残留物を、メタ
ノール−CH
2Cl
2のグラジエントを使用するクロマトグラフィーにかけ、95:5の
CH
2Cl
2−メタノールで生成物を溶離した。この材料を酢酸エチル(150mL)に
溶解し、水(100mL)を添加した。次いで、有機相を10%希炭酸ナトリウム水(2
×50mL)および水(3×50mL)で洗浄した。溶媒を真空下で除去し、生じた固体
を、エーテルで粉砕し、濾過、乾燥させて、白色固体として標題化合物を得た(0.41
g、収率26%)。mp 245〜247℃。HPLC:Waters Symmetr
y C−18、3.9×150mm、5μm、1mL/分、240nm、60/40のC
H
3CN/0.1%H
3PO
4、3.50(99.78%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ 2.02
-2.07 (m, 1H), 2.45-2.62 (m, 2H), 2.82-2.96 (m, 1H), 5.12 (dd, J = 12.6 Hz, J =
5.4 Hz, 1H), 5.38 (s, 2H), 7.49-7.51 (m, 2H), 7.57 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.71 (d,
J = 8.2 Hz, 1H), 7.81-7.88 (m, 2H), 11.12 (s, 1H);
13C NMR (DMSO-d
6) δ 22.0, 3
0.9, 48.8, 68.5, 115.9, 116.8, 120.1, 127.3, 129.0, 130.5, 130.8, 131.2, 133.3,
137.1, 137.5, 155.1, 165.3, 166.8, 169.9, 172.8; 元素分析: C
20H
14N
2O
5Cl
2+ 0.3 H
2
Oの計算値: C, 54.76; H, 3.35; N, 6.39. 実測値: C, 54.48; H, 3.07; N, 6.29.
【0193】
実施例7
4−(3,5−ジクロロ−ベンジルオキシ)−2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3
−イル)−イソインドール−1,3−ジオン
【0194】
【化14】
ステップ1
3−ヒドロキシフタル酸ジメチルエステル(0.5g、2.4ミリモル)と(3,5−
ジクロロ−フェニル)−メタノール(0.84g、4.8ミリモル)とポリマー担持トリ
フェニルホスフィン(1.5g、4.8ミリモル)とのTHF(30mL)懸濁液に、氷
浴中、撹拌しながら、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.0mL、4.8ミリモル)
を徐々に添加し、室温で一夜撹拌した。混合物を濾過し、固体を酢酸エチル(10mL)
で洗浄した。濾液を蒸発させ、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOA
c/ヘキサン)で精製して、3−(3,5−ジクロロ−ベンジルオキシ)−フタル酸ジメ
チルエステルを得た(0.42g、収率48%)。生成物は、さらなる精製なしで次のス
テップで使用した。
【0195】
ステップ2
3−(3,5−ジクロロ−ベンジルオキシ)−フタル酸ジメチルエステル(0.42g
、1.2ミリモル)と3N水酸化ナトリウム(10mL)との試薬級アルコール(10m
L)溶液を2時間還流した。溶液を蒸発させ、残留物を、水(10mL)に溶解し、塩化
メチレン(2×10mL)で洗浄し、次いで、pHを約4まで酸性化した。生じた混合物
を酢酸エチル(2×10mL)で抽出し、合わせた有機層を、水(2×10mL)で洗浄
し、乾燥させ、濃縮して、灰白色固体として3−(3,5−ジクロロ−ベンジルオキシ)
−フタル酸を得た(0.34g、収率88%)。生成物は、さらなる精製なしで次のステ
ップで使用した。
【0196】
ステップ3
3−(3,5−ジクロロ−ベンジルオキシ)−フタル酸(0.3g、0.9ミリモル)
とα−アミノ−グルタルイミド塩酸塩(0.15g、0.92ミリモル)との混合物を、
ピリジン(10mL)中で一夜還流した。混合物を蒸発させ、残留物を、フラッシュカラ
ムクロマトグラフィー(メタノール/塩化メチレン)で精製して、白色固体として4−(
3,5−ジクロロ−ベンジルオキシ)−2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イル
)−イソインドール−1,3−ジオンを得た(0.30g、収率84%)。HPLC:W
aters Symmetry C
18、5μm、3.9×150mm、1mL/分、2
40nm、70/30のCH
3CN/0.1%H
3PO
4、3.6分(98.0%)。m
p 278〜280℃。
1HNMR (DMSO-d
6) δ 2.01-2.08 (m, 1H, CHH), 2.54-2.63 (m, 2
H, CH
2), 2.84-2.96 (m, 1H, CHH), 5.13 (dd, J = 6, 12 Hz, 1H, CH), 5.40 (s, 2H, C
H
2), 7.50-7.89 (m, 6H, Ar), 11.12 (s, 1H, NH);
13C NMR (DMSO-d
6) δ 21.95, 30.92
, 48.79, 68.37, 115.90, 116.79, 120.02, 125.58, 127.45, 133.25, 134.18, 137.14,
140.61, 154.93, 165.34, 166.73, 169.88, 172.73. 元素分析: C
20H
14N
2O
5Cl
2の計算値:
C, 55.45; H, 3.26; N, 6.47; Cl, 16.37. 実測値: C, 55.20; H, 3.13; N, 6.38; Cl,
16.63.
【0197】
実施例8
4−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イ
ル)−イソインドール−1,3−ジオン
【0198】
【化15】
ステップ1
3−ヒドロキシフタル酸ジメチルエステル(1.4g、6.7ミリモル)と炭酸カリウ
ム(2.8g、20ミリモル)とのアセトン(30mL)懸濁液に、撹拌しながら3−フ
ルオロベンジルブロミド(0.89mL、7.0ミリモル)を添加し、一夜還流した。溶
媒を蒸発させ、残留物を、水(100mL)と酢酸エチル(150mL)との間に分配し
、水(2×100mL)で洗浄した。合わせた有機相を、乾燥させ、濃縮し、フラッシュ
カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して、3−(3−フルオロ−
ベンジルオキシ)−フタル酸ジメチルエステルを得た(2.4g、粗収率113%)。生
成物は、さらなる精製なしで次のステップで使用した。
【0199】
ステップ2
3−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−フタル酸ジメチルエステル(粗精製物2.4
g、6.7ミリモル)と3N水酸化ナトリウム(60mL)との試薬級アルコール(10
0mL)溶液を2時間還流した。溶液を蒸発させ、残留物を、水(100mL)に溶解し
、塩化メチレン(3×100mL)で洗浄し、次いで、pHを約4まで酸性化した。生じ
た混合物を酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、合わせた有機層を、水(2×100
mL)で洗浄し、乾燥させ、濃縮して、灰白色固体として3−(3−フルオロ−ベンジル
オキシ)−フタル酸を得た(1.9g、粗収率101%)。生成物は、さらなる精製なし
で次のステップで使用した。
【0200】
ステップ3
3−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−フタル酸(1.9g、6.7ミリモル)とα
−アミノ−グルタルイミド塩酸塩(1.2g、7.0ミリモル)との混合物を、ピリジン
中で一夜還流した。混合物を蒸発させ、残留物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー
(メタノール/塩化メチレン)で精製して、白色固体として4−(3−フルオロ−ベンジ
ルオキシ)−2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イル)−イソインドール−1,
3−ジオンを得た(2.3g、収率89%)。HPLC:Waters Symmetr
y C
18、5μm、3.9×150mm、1mL/分、240nm、60/40のCH
3CN/0.1%H
3PO
4、2.22分(99.9%)。mp 241〜243℃。
1H
NMR (DMSO-d
6) δ 2.01-2.08 (m, 1H, CHH), 2.55-2.62 (m, 2H, CH
2), 2.83-2.95 (m,
1H, CHH), 5.11 (dd, J = 6, 12 Hz, 1H, CH), 5.40 (s, 2H, CH
2), 7.15-7.87 (m, 7H,
Ar), 11.12 (s, 1H, NH);
13C NMR (DMSO-d
6) δ 21.96, 30.92, 48.77, 69.11, 113.61,
113.90, 114.52, 114.80, 115.71, 116.70, 120.13, 122.96, 122.99, 130.49, 130.60,
133.25, 137.05, 139.08, 139.18, 155.21, 160.59, 163.81, 165.33, 166.74, 169.89,
172.73. 元素分析: C
20H
15N
2O
5Fの計算値: C, 62.83; H, 3.95; N, 7.33; F 4.97. 実測
値: C, 62.72; H, 3.75; N, 7.27; F, 5.02.
【0201】
実施例9
4−(3−ブロモ−ベンジルオキシ)−2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イル
)−イソインドール−1,3−ジオン
【0202】
【化16】
ステップ1
3−ヒドロキシフタル酸ジメチルエステル(1.3g、6.2ミリモル)と炭酸カリウ
ム(2.5g、18.4ミリモル)とのアセトン(30mL)懸濁液に、撹拌しながら3
−ブロモベンジルブロミド(1.6g、6.4ミリモル)を添加し、一夜還流した。溶媒
を蒸発させ、残留物を、水(100mL)と酢酸エチル(150mL)との間に分配し、
水(2×100mL)で洗浄した。合わせた有機相を、乾燥させ、濃縮し、フラッシュカ
ラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して、3−(3−ブロモ−ベン
ジルオキシ)−フタル酸ジメチルエステルを得た(2.5g、粗収率109%)。生成物
は、さらなる精製なしで次のステップで使用した。
【0203】
ステップ2
3−(3−ブロモ−ベンジルオキシ)−フタル酸ジメチルエステル(1.9g、5.8
ミリモル)と3N水酸化ナトリウム(60mL)との試薬級アルコール(100mL)溶
液を2時間還流した。溶液を蒸発させ、残留物を、水(100mL)に溶解し、塩化メチ
レン(3×100mL)で洗浄し、次いで、pHを約4まで酸性化した。生じた混合物を
酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、合わせた抽出液を、水(2×100mL)で洗
浄し、乾燥させ、濃縮して、灰白色固体として3−(3−ブロモ−ベンジルオキシ)−フ
タル酸を得た(2.5g、粗収率109%)。生成物は、さらなる精製なしで次のステッ
プで使用した。
【0204】
ステップ3
3−(3−ブロモ−ベンジルオキシ)−フタル酸(2.4g、6.7ミリモル)とα−
アミノ−グルタルイミド塩酸塩(1.2g、7.1ミリモル)との混合物を、ピリジン中
で一夜還流した。混合物を蒸発させ、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(メ
タノール/塩化メチレン)で精製して、白色固体として4−(3−ブロモ−ベンジルオキ
シ)−2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イル)−イソインドール−1,3−ジ
オンを得た(1.8g、収率62%)。HPLC:Waters Symmetry C
18、5μm、3.9×150mm、1mL/分、240nm、60/40のCH
3CN
/0.1%H
3PO
4、3.55分(99.9%)。mp 246〜248℃。
1H NMR (
DMSO-d
6) δ 2.03-2.08 (m, 1H, CHH), 2.54-2.62 (m, 2H, CH
2), 2.83-2.95 (m, 1H, CH
H), 5.12 (dd, J = 6, 12 Hz, 1H, CH), 5.39 (s, 2H, CH
2), 7.37-7.88 (m, 7H, Ar), 1
1.12 (s, 1H, NH);
13C NMR (DMSO-d
6) δ 21.96, 30.92, 48.77, 69.00, 115.72, 116.6
9, 120.10, 121.76, 126.05, 129.75, 130.69, 130.74, 133.26, 137.07, 138.99, 155.1
9, 165.31, 166.74, 169.89, 172.74. 元素分析: C
20H
15N
2O
5Brの計算値: C, 54.19; H,
3.41; N, 6.32; Br 18.03. 実測値: C, 54.02; H, 3.22; N, 6.27; Br, 17.81.
【0205】
実施例10
2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イル)−4−(3−メチル−ベンジルオキシ
)−イソインドール−1,3−ジオン
【0206】
【化17】
ステップ1
3−ヒドロキシフタル酸ジメチルエステル(1.4g、6.4ミリモル)と炭酸カリウ
ム(2.7g、19.3ミリモル)とのアセトン(30mL)懸濁液に、撹拌しながら1
−ブロモメチル−3−メチル−ベンゼン(0.91mL、6.7ミリモル)を添加し、一
夜還流した。溶媒を蒸発させ、残留物を、水(100mL)と酢酸エチル(150mL)
との間に分配し、水(2×100mL)で洗浄した。合わせた有機相を、乾燥させ、濃縮
し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して、3−(
3−メチル−ベンジルオキシ)−フタル酸ジメチルエステルを得た(2.3g、粗収率1
15%)。生成物は、さらなる精製なしで次のステップで使用した。
【0207】
ステップ2
3−(3−メチル−ベンジルオキシ)−フタル酸ジメチルエステル(粗精製物2.0g
、6.4ミリモル)と3N水酸化ナトリウム(60mL)との試薬級アルコール(100
mL)溶液を2時間還流した。溶液を蒸発させ、残留物を、水(100mL)に溶解し、
塩化メチレン(3×100mL)で洗浄し、次いで、pHを約4まで酸性化した。生じた
混合物を酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、合わせた有機層を、水(2×100m
L)で洗浄し、乾燥させ、濃縮して、灰白色固体として3−(3−メチル−ベンジルオキ
シ)−フタル酸を得た(3.0g、粗収率130%)。生成物は、さらなる精製なしで次
のステップで使用した。
【0208】
ステップ3
3−(3−メチル−ベンジルオキシ)−フタル酸(1.8g、6.4ミリモル)とα−
アミノ−グルタルイミド塩酸塩(1.1g、6.8ミリモル)との混合物を、ピリジン中
で一夜還流した。混合物を蒸発させ、残留物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(
メタノール/塩化メチレン)で精製して、白色固体として2−(2,6−ジオキソ−ピペ
リジン−3−イル)−4−(3−メチル−ベンジルオキシ)−イソインドール−1,3−
ジオンを得た(1.2g、収率48%)。HPLC:Waters Symmetry
C
18、5μm、3.9×150mm、1mL/分、240nm、60/40のCH
3C
N/0.1%H
3PO
4、3.16分(99.9%)。mp 195〜197℃。
1H NMR
(DMSO-d
6) δ 2.00-2.07 (m, 1H, CHH), 2.33 (s, 3H, CH
3), 2.54-2.62 (m, 2H, CH
2),
2.83-2.95 (m, 1H, CHH), 5.10 (dd, J = 6, 12 Hz, 1H, CH), 5.33 (s, 2H, CH
2), 7.1
5-7.85 (m, 7H, Ar), 11.12 (s, 1H, NH);
13C NMR (DMSO-d
6) δ 21.00, 21.96, 30.92,
48.74, 70.08, 115.49, 116.58, 120.19, 124.40, 127.85, 128.40, 128.60, 133.26, 1
36.03, 136.98, 137.64, 155.53, 165.30, 166.77, 169.91, 172.75. 元素分析: C
21H
18N
2O
5の計算値: C, 66.66; H, 4.79; N, 7.40. 実測値: C, 66.50; H, 4.79; N, 7.34.
【0209】
実施例11
2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イル)−4−(4−メタンスルホニル−ベン
ジルオキシ)−イソインドール−1,3−ジオン
【0210】
【化18】
ステップ1
3−ヒドロキシフタル酸ジメチルエステル(1.3g、6.1ミリモル)と炭酸カリウ
ム(2.5g、18ミリモル)とのアセトン(25mL)懸濁液に、撹拌しながら1−ブ
ロモメチル−4−メタンスルホニル−ベンゼン(1.6g、6.4ミリモル)を添加し、
一夜還流した。溶媒を蒸発させ、残留物を、水(100mL)と酢酸エチル(150mL
)との間に分配し、水(2×100mL)で洗浄した。合わせた有機相を、乾燥させ、濃
縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して、3−
(4−メタンスルホニル−ベンジルオキシ)−フタル酸ジメチルエステルを得た(2.4
g、粗収率104%)。生成物は、さらなる精製なしで次のステップで使用した。
【0211】
ステップ2
3−(4−メタンスルホニル−ベンジルオキシ)−フタル酸ジメチルエステル(2.3
g、6.1ミリモル)と3N水酸化ナトリウム(70mL)との試薬級アルコール(14
0mL)溶液を2時間還流した。溶液を蒸発させ、残留物を、水(100mL)に溶解し
、塩化メチレン(3×100mL)で洗浄し、次いで、pHを約4まで酸性化した。生じ
た混合物を酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、合わせた有機層を、水(2×100
mL)で洗浄し、乾燥させ、濃縮して、灰白色固体として3−(4−メタンスルホニル−
ベンジルオキシ)−フタル酸を得た(2.15g、粗収率101%)。生成物は、さらな
る精製なしで次のステップで使用した。
【0212】
ステップ3
3−(4−メタンスルホニル−ベンジルオキシ)−フタル酸(2.1g、6.1ミリモ
ル)とα−アミノ−グルタルイミド塩酸塩(1.1g、6.4ミリモル)との混合物を、
ピリジン中で一夜還流した。混合物を蒸発させ、残留物を、フラッシュカラムクロマトグ
ラフィー(メタノール/塩化メチレン)で精製して、白色固体として2−(2,6−ジオ
キソ−ピペリジン−3−イル)−4−(4−メタンスルホニル−ベンジルオキシ)−イソ
インドール−1,3−ジオンを得た(1.3g、収率47%)。HPLC:Waters
Symmetry C
18、5μm、3.9×150mm、1mL/分、240nm、
35/65のCH
3CN/0.1%H
3PO
4、2.09分(99.9%)。mp 29
3〜295℃。
1H NMR (DMSO-d
6) δ 2.03-2.07 (m, 1H, CHH), 2.54-2.63 (m, 2H, CH
2)
, 2.85-2.90 (m, 1H, CHH), 3.23 (s, 3H, CH
3SO
2), 5.11 (dd, J = 6, 12 Hz, 1H, CH),
5.52 (s, 2H, CH
2), 7.49-8.00 (m, 7H, Ar), 11.13 (s, 1H, NH);
13C NMR (DMSO-d
6)
δ21.97, 30.91, 43.46, 48.78, 69.09, 115.82, 116.73, 120.11, 127.21, 127.62, 133
.28, 137.10, 140.26, 142.17, 155.12, 165.30, 166.73, 169.89, 172.75. 元素分析: C
21H
18N
2O
7S + 0.2 H
2Oの計算値: C, 56.55; H, 4.16; N, 6.28; S, 7.19. 実測値: C, 56
.32; H, 3.80; N, 6.16; S, 7.20.
【0213】
実施例12
2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イル)−4−(3−メトキシ−ベンジルオキ
シ)−イソインドール−1,3−ジオン
【0214】
【化19】
ステップ1
3−ヒドロキシフタル酸ジメチルエステル(1.1g、5.2ミリモル)と炭酸カリウ
ム(2.2g、15.7ミリモル)とのアセトン(45mL)懸濁液に、撹拌しながら1
−ブロモメチル−3−メトキシ−ベンゼン(0.77mL、5.5ミリモル)を添加し、
3時間還流した。溶媒を蒸発させ、残留物を、水(50mL)と酢酸エチル(80mL)
との間に分配し、水(2×50mL)で洗浄した。合わせた有機相を、乾燥させ、濃縮し
、フラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して、3−(3
−メトキシ−ベンジルオキシ)−フタル酸ジメチルエステルを得た(2.1g、粗収率1
18%)。生成物は、さらなる精製なしで次のステップで使用した。
【0215】
ステップ2
3−(3−メトキシ−ベンジルオキシ)−フタル酸ジメチルエステル(粗精製物2.0
g、5.5ミリモル)と3N水酸化ナトリウム(35mL)との試薬級アルコール(10
0mL)溶液を2時間還流した。溶液を蒸発させ、残留物を、水(80mL)に溶解し、
塩化メチレン(3×70mL)で洗浄し、次いで、pHを約4まで酸性化した。生じた混
合物を酢酸エチル(2×60mL)で抽出し、合わせた有機層を、水(2×70mL)で
洗浄し、乾燥させ、濃縮して、灰白色固体として3−(3−メトキシ−ベンジルオキシ)
−フタル酸を得た(1.6g、粗収率98%)。生成物は、さらなる精製なしで次のステ
ップで使用した。
【0216】
ステップ3
3−(3−メトキシ−ベンジルオキシ)−フタル酸(1.5g、5.2ミリモル)とα
−アミノ−グルタルイミド塩酸塩(0.89g、5.4ミリモル)との混合物を、ピリジ
ン中で一夜還流した。混合物を蒸発させ、残留物を、フラッシュカラムクロマトグラフィ
ー(メタノール/塩化メチレン)で精製して、白色固体として2−(2,6−ジオキソ−
ピペリジン−3−イル)−4−(3−メトキシ−ベンジルオキシ)−イソインドール−1
,3−ジオンを得た(0.25g、収率12%)。HPLC:Waters Symme
try C
18、5μm、3.9×150mm、1mL/分、240nm、60/40の
CH
3CN/0.1%H
3PO
4、2.41分(99.1%)。mp 197〜201℃
。
1H NMR (DMSO-d
6) δ 2.02-2.06 (m, 1H, CHH), 2.59-2.62 (m, 2H, CH
2), 2.83-2.90
(m, 1H, CHH), 3.77 (s, 3H, CH
3), 5.10 (dd, J = 6, 12 Hz, 1H, CH), 5.35 (s, 2H, C
H
2), 6.89-7.85 (m, 7H, Ar), 11.11 (s, 1H, NH);
13C NMR (DMSO-d
6) δ 21.95, 30.92
, 48.75, 55.01, 69.80, 112.72, 113.27, 115.55, 116.66, 119.17, 120.21, 129.61, 1
33.25, 136.98, 137.74, 155.42, 159.35, 165.32, 166.77, 169.90, 172.74. 元素分析:
C
21H
18N
2O
6+ 0.1 H
2Oの計算値: C, 63.67; H, 4.63; N, 7.07. 実測値: C, 63.49; H, 4
.40; N, 7.00.
【0217】
実施例13
4−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメトキシ)−2−(2,6−ジオキソ−
ピペリジン−3−イル)−イソインドール−1,3−ジオン
【0218】
【化20】
ステップ1
3−ヒドロキシフタル酸ジメチルエステル(1.0g、4.8ミリモル)とベンゾ[1
,3]ジオキソール−5−イル−メタノール(1.4g、9.5ミリモル)とポリマー担
持トリフェニルホスフィン(3.0g、9.5ミリモル)とのTHF(30mL)懸濁液
に、氷浴中、撹拌しながらアゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.9mL、9.5ミリモ
ル)を徐々に添加し、室温で一夜撹拌した。混合物を濾過し、濾液を酢酸エチル(10m
L)で洗浄した。濾液を蒸発させ、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(Et
OAc/ヘキサン)で精製して、3−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメトキ
シ)−フタル酸ジメチルエステルを得た(1.7g、粗収率102%)。生成物は、さら
なる精製なしで次のステップで使用した。
【0219】
ステップ2
3−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメトキシ)−フタル酸ジメチルエステ
ル(粗精製物1.6g、4.8ミリモル)と3N水酸化ナトリウム(35mL)との試薬
級アルコール(100mL)溶液を2時間還流した。溶液を蒸発させ、残留物を、水(8
0mL)に溶解し、塩化メチレン(3×70mL)で洗浄し、次いで、pHを約4まで酸
性化した。生じた混合物を酢酸エチル(2×60mL)で抽出し、合わせた有機層を、水
(2×70mL)で洗浄し、乾燥させ、濃縮して、灰白色固体として3−(ベンゾ[1,
3]ジオキソール−5−イルメトキシ)−フタル酸を得た(1.2g、粗収率80%)。
生成物は、さらなる精製なしで次のステップで使用した。
【0220】
ステップ3
3−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメトキシ)−フタル酸(1.2g、3
.8ミリモル)とα−アミノ−グルタルイミド塩酸塩(0.66g、4.0ミリモル)と
の混合物を、ピリジン中で一夜還流した。混合物を蒸発させ、残留物を、フラッシュカラ
ムクロマトグラフィー(メタノール/塩化メチレン)で精製して、白色固体として4−(
ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメトキシ)−2−(2,6−ジオキソ−ピペリ
ジン−3−イル)−イソインドール−1,3−ジオンを得た(0.45g、収率29%)
。HPLC:Waters Symmetry C
18、5μm、3.9×150mm、
1mL/分、240nm、50/50のCH
3CN/0.1%H
3PO
4、4.06分(
98.6%)。mp 229〜231℃。
1H NMR (DMSO-d
6) δ 2.02-2.05 (m, 1H, CHH)
, 2.55-2.62 (m, 2H, CH
2), 2.82-2.94 (m, 1H, CHH), 5.10 (dd, J = 6, 12 Hz, 1H, CH
), 5.26 (s, 2H, CH
2), 6.03 (s, 2H, CH
2), 6.93-7.85 (m, 6H, Ar), 11.11 (s, 1H, NH
);
13C NMR (DMSO-d
6) δ 21.95, 30.91, 48.74, 70.00, 101.05, 108.10, 108.18, 115.
49, 116.61, 120.28, 121.25, 129.78, 133.24, 136.95, 147.04, 147.38, 155.44, 165.
30, 166.76, 169.89, 172.74. 元素分析: C
21H
16N
2O
7の計算値: C, 61.77; H, 3.95; N,
6.86. 実測値: C, 61.44; H, 3.72; N, 6.79.
【0221】
実施例14
2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イル)−4−(ナフタレン−2−イルメトキ
シ)−イソインドール−1,3−ジオン
【0222】
【化21】
トリフェニルホスフィン(1.15g、4.40ミリモル)と2−ナフタレンメタノー
ル(0.58g、3.6ミリモル)との混合物を、THF(10mL)中、0℃で撹拌し
た。反応混合物を0℃に保持しながら、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.87mL
、4.4ミリモル)のTHF(2.1mL)溶液を滴加した。次いで、2−(2,6−ジ
オキソ−ピペリジン−3−イル)−4−ヒドロキシ−イソインドール−1,3−ジオン(
1.00g、3.60ミリモル)を固体で添加し、反応混合物を、0℃で1時間、次いで
室温で一夜撹拌した。沈殿物を、濾過し、さらなるTHF(10mL)で洗浄し、乾燥さ
せた。得られた固体を、ヘキサン(50mL)中で2時間撹拌し、濾過、乾燥させた。得
られた固体を、メタノール(50mL)中で1時間加熱還流し、濾過、乾燥させて、白色
固体として生成物を得た(0.46g、収率30%)。mp>260℃。HPLC:Wa
ters Symmetry C−18、3.9×150mm、5μm、1mL/分、2
40nm、50/50のCH
3CN/0.1%H
3PO
4、6.20(99.48%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ 2.02-2.07 (m, 1H), 2.44-2.62 (m, 2H), 2.82-2.97 (m, 1H), 5.1
2 (dd, J = 12.5 Hz, J = 5.3 Hz, 1H), 5.54 (s, 2H), 7.46-8.05 (m, 10H), 11.13 (s,
1H);
13C NMR (DMSO-d
6) δ 22.0, 31.0, 48.8, 70.3, 115.6, 116.7, 120.4, 125.3, 1
26.1, 126.3, 126.4, 127.7, 127.8, 128.2, 132.6, 132.7, 133.3, 133.8, 137.0, 155.
6, 165.4, 166.8, 169.9, 172.8; 元素分析: C
24H
18N
2O
5の計算値: C, 69.39; H, 4.02;
N, 6.61. 実測値: C, 69.56; H, 4.38; N, 6.76.
【0223】
実施例15
2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イル)−4−(キノリン−3−イルメトキシ
)−イソインドール−1,3−ジオン
【0224】
【化22】
ステップ1
3−キノリンカルバルデヒド(2.00g、12.7ミリモル)を25mLのメタノー
ルに溶解した。この溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(0.24g、6.4ミリモル)を
20分にわたって少量に分割して添加した。次いで、2mLの水を添加し、混合物を蒸発
させた。残留物を、酢酸エチル(75mL)に溶解し、水(3×75mL)で洗浄し、乾
燥(MgSO
4)させ、蒸発させて、90%の収率で1.8gのキノリン−3−イル−メ
タノールを得た。
1H NMR (DMSO-d
6) δ 4.89 (s, 2H), 7.53 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 7.64
-7.71 (m, 1H), 7.77 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 8.04-8.12 (m, 2H), 8.83 (d, J = 2.0 Hz,
1H).
【0225】
ステップ2
ポリマー担持PPh
3(3.1g、約9.5ミリモル)とキノリン−3−イル−メタノ
ール(0.76g、4.8ミリモル)との混合物を、20mLのTHF中でN
2下に0℃
まで冷却した。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.9g、9.5ミリモル)を滴加し
、続いて、3−ヒドロキシ−フタル酸ジメチルエステル(1.0g、4.8ミリモル)を
固体で添加した。混合物を0℃でさらに1時間撹拌し、次いで室温に戻した。16時間撹
拌した後、混合物を濾過した。フィルターを酢酸エチル(25mL)で洗浄し、合わせた
濾液を蒸発させた。
【0226】
ステップ3
ステップ2からの粗生成物を、3N NaOH(50mL)とエタノール(100mL
)との混合物中に溶解し、得られた溶液を、2時間加熱還流した。混合物を冷却し、溶媒
を真空下で除去した。残留物を、水(100mL)に溶解し、CH
2Cl
2(3×100
mL)で洗浄し、pH2〜3まで酸性化(HCl)した。生じた沈殿を、濾過し、さらな
る水で、次いで酢酸エチルで洗浄し、真空下で乾燥させた。
【0227】
ステップ4
ステップ3からの粗生成物およびrac−α−アミノグルタルイミド塩酸塩(0.78
g、4.8ミリモル)を、ピリジン(10mL)中で16時間加熱還流した。混合物を、
冷却し、真空下で蒸発させた。残留物を、CH
2Cl
2−メタノールのグラジエントを使
用したクロマトグラフィーにかけ、、95:5のCH
2Cl
2−メタノールで標題化合物
を溶離すると、20%の3ステップ総括収率で0.37gの標題化合物を得た。mp 2
63〜265℃。HPLC:Waters Symmetry C−18、3.9×15
0mm、5μm、1mL/分、240nm、40/60のCH
3CN/水、3.75(9
7.84%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ 2.02-2.06 (m, 1H), 2.55-2.62 (m, 2H), 2.81-2.9
0 (m, 1H), 5.11 (dd, J = 12.3 Hz, J = 5.3 Hz, 1H), 5:61 (s, 2H), 7.51 (d, J = 7.
2 Hz, 1H), 7.62-7.71 (m, 2H), 7.77-7.90 (m, 2H), 8.00-8.08 (m, 2H), 8.48 (s, 1H)
, 9.04 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 11.12 (s, 1H);
13C NMR (DMSO-d
6) δ 22.0, 30.9, 48.8
, 68.3, 115.9, 116.8, 120.4, 127.1, 127.2, 128.1, 128.8, 129.3, 129.8, 133.3, 13
4.5, 137.1, 147.3, 150.3, 155.3, 165.3, 166.8, 169.9, 172.8; 元素分析: C
23H
17N
3O
5・0.4H
2Oの計算値: C, 65.37; H, 4.25; N, 9.94. 実測値: C; 65.35; H, 4.06; N, 9.9
2.
【0228】
実施例16
2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イル)−4−(キノリン−2−イルメトキシ
)−イソインドール−1,3−ジオン
【0229】
【化23】
ステップ1
2−キノリンカルバルデヒド(2.00g、12.7ミリモル)を25mLのメタノー
ルに溶解した。この溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(0.24g、6.4ミリモル)を
20分にわたって少量に分割して添加した。次いで、2mLの水を添加し、混合物を蒸発
させた。残留物を、酢酸エチル(75mL)に溶解し、水(3×75mL)で洗浄し、蒸
発させた。残留物を、CH
2Cl
2−メタノールのグラジエントを使用するクロマトグラ
フィーにかけ、97:3のCH
2Cl
2−メタノールで生成物を溶離すると、85%の収
率で1.7gのキノリン−2−イル−メタノールを得た。
1H NMR (CDCl
3) δ 4.92 (s, 2
H), 7.26 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.30-7.57 (m, 1H), 7.68-7.75 (m, 1H), 7.82 (dd, J
= 8.0 Hz, J = 0.9 Hz, 1H), 8.07 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.13 (d, J = 8.5 Hz, 1H).
【0230】
ステップ2
ポリマー担持PPh
3(3.1g、約9.5ミリモル)とキノリン−2−イル−メタノ
ール(0.76g、4.8ミリモル)との混合物を、20mLのTHF中でN
2下に0℃
まで冷却した。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.9g、9.5ミリモル)を滴加し
、続いて、3−ヒドロキシ−フタル酸ジメチルエステル(1.0g、4.8ミリモル)を
固体で添加した。混合物を0℃でさらに1時間撹拌し、次いで室温に戻した。16時間撹
拌した後、混合物を濾過した。フィルターを酢酸エチル(25mL)で洗浄し、合わせた
濾液を蒸発させた。
【0231】
ステップ3
ステップ2からの粗生成物を、3N NaOH(50mL)とエタノール(100mL
)との混合物中に溶解し、得られた溶液を、2時間加熱還流した。混合物を冷却し、溶媒
を真空下で除去した。残留物を、水(100mL)に溶解し、CH
2Cl
2(3×100
mL)で洗浄し、pH2〜3まで酸性化(HCl)した。生じた沈殿を、濾過し、さらな
る水で、次いで酢酸エチルで洗浄し、真空下で乾燥させた。
【0232】
ステップ4
ステップ3からの生成物およびrac−α−アミノグルタルイミド塩酸塩(0.78g
、4.8ミリモル)を、ピリジン(10mL)中で16時間加熱還流した。混合物を、冷
却し、真空下で蒸発させた。残留物を、CH
2Cl
2−メタノールのグラジエントを使用
するクロマトグラフィーにかけ、95:5のCH
2Cl
2−メタノールで生成物を溶離し
た。この材料を、DMF(5mL)中で磨り潰し、濾過し、さらなる2mLのDMFで洗
浄し、真空下で乾燥させた。次いで、この材料を、アセトニトリル−水(35/65)の
移動相を使用する分取HPLCで精製して、4%の3ステップ総括収率で75mgの標題
化合物を得た。mp 254〜256℃。HPLC:Waters Symmetry
C−18、3.9×150mm、5μm、1mL/分、240nm、30/70のCH
3
CN/0.1%H
3PO
4、7.02(94.00%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ 2.03-2.0
8 (m, 1H), 2.57-2.64 (m, 2H), 2.85-2.96 (m, 1H), 5.13 (dd, J = 12.2 Hz, J = 4.9
Hz, 1H), 5.62 (s, 2H), 7.50 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.62-7.66 (m, 2H), 7.77-7.87 (m
, 3H), 8.00-8.03 (m, 2H), 8.48 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 11.13 (s, 1H);
13C NMR (DMSO
-d
6) δ22.0, 31.0, 48.8, 71.4, 115.8, 116.8, 119.1, 120.3, 126.7, 127.2, 128.0,
128.5, 130.0, 133.3, 137.1, 137.2, 146.9, 155.3, 156.7, 165.4, 166.8, 169.9, 172
.8; 元素分析: C
23H
17N
3O
5・1.6H
2Oの計算値: C, 62.19; H, 4.58; N, 9.46. 実測値: C,
62.20; H, 3.97; N, 9.15.
【0233】
実施例17
4−(ベンゾフラン−2−イルメトキシ)−2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−
イル)−イソインドール−1,3−ジオン
【0234】
【化24】
ステップ1
2−ベンゾフランカルバルデヒド(2.2g、15ミリモル)を25mLのメタノール
に溶解した。この溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(0.28g、7.5ミリモル)を2
0分にわたって少量に分割して添加した。次いで、2mLの水を添加し、混合物を蒸発さ
せた。残留物を、酢酸エチル(75mL)に溶解し、水(3×75mL)で洗浄し、乾燥
(MgSO
4)させ、蒸発させて、95%の収率で2.1gのベンゾフラン−2−イル−
メタノールを得た。
1H NMR (CDCl
3) δ 2.03 (t, J = 6.1 Hz, 1H), 4.77 (d, J = 6.1 H
z, 2H), 6.66 (s, 1H), 7.19-7.32 (m, 2H), 7.45-7.50 (m, 1H), 7.53-7.57 (m, 1H).
【0235】
ステップ2
ポリマー担持PPh
3(3.1g、約9.5ミリモル)とベンゾフラン−2−イル−メ
タノール(0.70g、4.8ミリモル)との混合物を、20mLのTHF中でN
2下に
0℃まで冷却した。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.9g、9.5ミリモル)を滴
加し、続いて、3−ヒドロキシ−フタル酸ジメチルエステル(1.0g、4.8ミリモル
)を固体で添加した。混合物を0℃でさらに1時間撹拌し、次いで室温に戻した。16時
間撹拌した後、混合物を濾過した。フィルターを酢酸エチル(25mL)で洗浄し、合わ
せた濾液を蒸発させた。残留物を、75mLの酢酸エチルに溶解し、Na
2CO
3水(2
×75mL)および水(2×75mL)で洗浄し、乾燥(MgSO
4)させ、蒸発させた
。
【0236】
ステップ3
ステップ2からの粗生成物を、3N NaOH(50mL)とエタノール(100mL
)との混合物中に溶解し、得られた溶液を、2時間加熱還流した。混合物を冷却し、溶媒
を真空下で除去した。残留物を、水(100mL)に溶解し、CH
2Cl
2(3×100
mL)で洗浄し、酸性化(HCl)し、酢酸エチル(3×75mL)で抽出した。合わせ
た有機抽出液を、水(3×75mL)で洗浄し、乾燥(MgSO
4)させ、蒸発させて、
57%の2ステップ総括収率で0.86gの3−(ベンゾフラン−2−イルメトキシ)−
フタル酸を得た。
1H NMR (DMSO-d
6) δ 5.35 (s, 2H), 7.04 (s, 1H), 7.22-7.37 (m, 2H
), 7.45-7.67 (m, 5H).
【0237】
ステップ4
3−(ベンゾフラン−2−イルメトキシ)−フタル酸(0.55g、1.8ミリモル)
とrac−α−アミノグルタルイミド塩酸塩(0.30g、1.8ミリモル)との混合物
を、ピリジン(10mL)中で16時間加熱還流した。混合物を、冷却し、真空下で蒸発
させた。残留物を、CH
2Cl
2(100mL)に溶解し、希HCl水(2×100mL
)および水(2×100mL)で洗浄し、蒸発させた。残留物を、CH
2Cl
2−メタノ
ールのグラジエントを使用するクロマトグラフィーにかけ、95:5のCH
2Cl
2−メ
タノールで標題化合物を溶離すると、65%の収率で0.46gの標題化合物を得た。m
p 234〜236℃。HPLC:Waters Symmetry C−18、3.9
×150mm、5μm、1mL/分、240nm、50/50のCH
3CN/0.1%H
3PO
4、4.16(98.58%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ 1.99-2.04 (m, 1H), 2.43-
2.61 (m, 2H), 2.81-2.95 (m, 1H), 5.08 (dd, J = 12.7 Hz, J = 5.3 Hz, 1H), 5.55 (s
, 2H), 7.14 (s, 1H), 7.23-7.37 (m, 2H), 7.50 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 8
.1 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.86 (t, J = 7.8
Hz, 1H), 11.11 (s, 1H);
13C NMR (DMSO-d
6) δ 23.9, 30.9, 48.8, 63.1, 107.4, 111
.3, 115.9, 116.7, 120.2, 121.6, 123.1, 125.0, 127.5, 133.3, 137.0, 152.0, 154.6,
155.0, 165.2, 166.7, 169.9, 172.7; 元素分析: C
22H
16N
2O
6・0.15H
2Oの計算値: C, 64
.91; H, 4.04; N, 6.88. 実測値: C, 64.89; H, 3.99; N, 6.84.
【0238】
実施例18
4−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イルメトキシ)−2−(2,6−ジオキソ−ピペリ
ジン−3−イル)−イソインドール−1,3−ジオン
【0239】
【化25】
ステップ1
ポリマー担持PPh
3(3.1g、約9.5ミリモル)と1−ベンゾチオフェン−2−
イル−メタノール(1.0g、6.1ミリモル)との混合物を、20mLのTHF中でN
2下に0℃まで冷却した。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.9g、9.5ミリモル
)を滴加し、続いて、3−ヒドロキシ−フタル酸ジメチルエステル(1.0g、4.8ミ
リモル)を固体で添加した。混合物を0℃でさらに1時間撹拌し、次いで室温に戻した。
16時間撹拌した後、混合物を濾過した。フィルターを酢酸エチル(25mL)で洗浄し
、合わせた濾液を蒸発させた。
【0240】
ステップ2
ステップ1からの粗生成物を、3N NaOH(50mL)とエタノール(100mL
)との混合物中に溶解し、得られた溶液を、2時間加熱還流した。混合物を冷却し、溶媒
を真空下で除去した。残留物を、水(100mL)に溶解し、CH
2Cl
2(3×100
mL)で洗浄し、酸性化(HCl)し、酢酸エチル(3×75mL)中に抽出した。合わ
せた有機抽出液を、水(3×75mL)で洗浄し、乾燥(MgSO
4)させ、蒸発させた
。
【0241】
ステップ3
ステップ2からの粗生成物およびrac−α−アミノグルタルイミド塩酸塩(0.40
g、2.5ミリモル)を、ピリジン(10mL)中で16時間加熱還流した。混合物を、
冷却し、真空下で蒸発させた。残留物を、CH
2Cl
2−メタノールのグラジエントを使
用するクロマトグラフィーにかけ、95:5のCH
2Cl
2−メタノールで生成物を溶離
すると、30%の3ステップ総括収率で0.40gの生成物を得た。mp 247〜24
9℃。HPLC:Waters Symmetry C−18、3.9×150mm、5
μm、1mL/分、240nm、50/50のCH
3CN/0.1%H
3PO
4、5.6
8(100.00%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ 2.01-2.06 (m, 1H), 2.44-2.61 (m, 2H),
2.82-2.96 (m, 1H), 5.10 (dd, J = 12.6 Hz, J = 5.3 Hz, 1H), 5.71 (s, 2H), 7.32-7.
42 (m, 2H), 7.49 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.68 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.
80-7.87 (m, 2H), 7.96 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 11.11 (s, 1H);
13C NMR (DMSO-d
6) δ 2
2.0, 30.9, 48.8, 66.1, 115.9, 116.9, 120.4, 122.6, 123.8, 123.9, 124.5, 124.7, 1
33.3, 136.9, 138.9, 139.5, 154.9, 165.2, 166.7, 169.9, 172.8; 元素分析: C
22H
16N
2
O
5Sの計算値: C, 62.85; H, 3.84; N, 6.66. 実測値: C, 62.88; H, 3.46; N, 6.57.
【0242】
実施例19
2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イル)−4−(フラン−2−イルメトキシ)
−イソインドール−1,3−ジオン
【0243】
【化26】
トリフェニルホスフィン(630mg、2.4ミリモル)とフラン−2−イル−メタノ
ール(0.17mL、2.0ミリモル)とのTHF(10mL)溶液に、DEAD(0.
38mL、2.4ミリモル)のTHF(0.6mL)溶液を0℃で添加した。5分後、混
合物に4−ヒドロキシ−2−(2,6−ジオキソ(3−ピペリジル))イソインドリン−
1,3−ジオン(550mg、2.0ミリモル)を添加した。混合物を室温に戻し、4時
間保持した。溶媒を真空で除去し、残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)で
精製してオイルを得た。オイルをメタノール(10mL)中で3時間スラリー化して懸濁
液を得た。懸濁液を、濾過し、メタノール(20mL)で洗浄して、黄色固体として2−
(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イル)−4−(フラン−2−イルメトキシ)−イ
ソインドール−1,3−ジオンを得た(310mg、収率44%)。mp 184〜18
6℃。
1H NMR (DMSO-d
6) δ 1.99-2.04 (m, 1H, CHH), 2.42-2.61 (m, 2H, CH
2), 2.80-2
.95 (m, 1H, CHH), 5.07 (dd, J = 5, 13 Hz, 1H, NCH), 5.35 (s, 2H, CH
2), 6.49 (dd,
J = 2, 3 Hz, 1H, Ar), 6.68 (d, J = 8 Hz, 1H, Ar), 7.47 (d, J = 7 Hz, 1H, Ar), 7
.68-7.71 (m, 2H, Ar), 7.83 (t, J = 8 Hz, 1H, Ar), 11.10 (s, 1H, NH);
13C NMR (DM
SO-d
6) δ 21.96, 30.93, 48.77, 62.55, 110.72, 111.38, 115.72, 116.64, 120.35, 13
3.35, 136.89, 143.99, 149.15, 155.12, 165.21, 166.73, 169.88, 172.76; 元素分析:
C
18H
14N
2O
6+ 0.1 H
2Oの計算値: C, 60.71; H, 4.02; N, 7.87; H
2O, 0.51. 実測値: C, 6
0.47; H, 3.97; N, 7.73; H
2O, 0.38.
【0244】
実施例20
4−(3−クロロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イルメトキシ)−2−(2,6−ジオ
キソ−ピペリジン−3−イル)−イソインドール−1,3−ジオン
【0245】
【化27】
ステップ1
3−クロロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(3.5g、16.6ミリモル
)のTHF(40mL)溶液に、滴下漏斗を介して1Mボラン/THF(33mL、33
.2ミリモル)を0℃で滴加した。混合物を室温で一夜撹拌した。水(6mL)を滴加し
て反応を止めた。溶媒を真空で蒸発させ、残留物を飽和炭酸ナトリウム水と酢酸エチルと
の間に分配した。水相を酢酸エチル(100mL)で抽出し、合わせた有機相を、水(3
×100mL)で洗浄し、乾燥させ、濃縮して、淡黄色固体として(3−クロロ−ベンゾ
[b]チオフェン−2−イル)−メタノールを得た(3.4g、粗収率103%)。
1H N
MR (DMSO-d
6) δ 4.8 (d, J = 5.8 Hz, 2H, CH
2OH), 5.87 (t, J = 5.8 Hz, 1H, CH
2OH),
7.42-8.04 (m, 4H, Ar).
生成物は、さらなる精製なしで次のステップで使用した。
【0246】
ステップ2
3−ヒドロキシフタル酸ジメチルエステル(1.0g、4.8ミリモル)と(3−クロ
ロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−メタノール(1.9g、9.5ミリモル)と
ポリマー担持トリフェニルホスフィン(3.0g、9.5ミリモル)とのTHF(30m
L)懸濁液に、氷浴中、撹拌しながらアゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.9mL、9
.5ミリモル)を徐々に添加し、室温で一夜撹拌した。混合物を濾過し、固体を酢酸エチ
ル(10mL)で洗浄した。濾液を蒸発させ、残留物を、フラッシュカラムクロマトグラ
フィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して、3−(3−クロロ−ベンゾ[b]チオフェ
ン−2−イルメトキシ)−フタル酸ジメチルエステルを得た(2.1g、粗収率109%
)。生成物は、さらなる精製なしで次のステップで使用した。
【0247】
ステップ3
3−(3−クロロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イルメトキシ)−フタル酸ジメチル
エステル(1.9g、4.8ミリモル)と3N水酸化ナトリウム(60mL)との試薬級
アルコール(120mL)溶液を2時間還流した。溶液を蒸発させ、残留物を、水(10
0mL)に溶解し、塩化メチレン(3×100mL)で洗浄し、次いで、pHを約4まで
酸性化した。生じた混合物を酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、合わせた有機層を
、水(2×100mL)で洗浄し、乾燥させ、濃縮して、灰白色固体として3−(3−ク
ロロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イルメトキシ)−フタル酸を得た(1.6g、収率
92%)。生成物は、さらなる精製なしで次のステップで使用した。
【0248】
ステップ4
3−(3−クロロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イルメトキシ)−フタル酸(1.6
g、4.4ミリモル)とα−アミノ−グルタルイミド塩酸塩(0.76g、4.6ミリモ
ル)との混合物を、ピリジン中で一夜還流した。混合物を蒸発させ、残留物を、フラッシ
ュカラムクロマトグラフィー(メタノール/塩化メチレン)で精製して、白色固体として
4−(3−クロロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イルメトキシ)−2−(2,6−ジオ
キソ−ピペリジン−3−イル)−イソインドール−1,3−ジオンを得た(0.76g、
収率38%)。HPLC:Waters Symmetry C
18、5μm、3.9×
150mm、1mL/分、240nm、60/40のCH
3CN/0.1%H
3PO
4、
5.26分(98.7%)。mp 240〜242℃。
1H NMR (DMSO-d
6) δ 2.02-2.06
(m, 1H, CHH), 2.54-2.62 (m, 2H, CH
2), 2.83-2.95 (m, 1H, CHH), 5.10 (dd, J = 6, 1
2 Hz, 1H, CH), 5.74 (s, 2H, CH
2), 7.49-8.10 (m, 7H, Ar), 11.12 (s, 1H, NH);
13C
NMR (DMSO-d
6) δ 21.94, 30.90, 48.79, 63.99, 116.26, 116.98, 118.36, 120.46, 121
.39, 123.36, 125.57, 126.19, 132.93, 133.34, 135.42, 136.91, 137.04, 154.62, 165
.05, 166.64, 169.85, 172.73. 元素分析: C
22H
15N
2O
5SCl + 0.1 H
2Oの計算値: C, 58.09
; H, 3.32; N, 6.16; S, 7.05; Cl, 7.79. 実測値: C, 57.77; H, 3.06; N, 6.08; S, 6.
87; Cl, 8.05.
【0249】
実施例21
2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イル)−4−(4−フルオロ−ベンゾ[b]
チオフェン−2−イルメトキシ)−イソインドール−1,3−ジオン
【0250】
【化28】
ステップ1
3−ヒドロキシフタル酸ジメチルエステル(1.1g、5.2ミリモル)と(4−フル
オロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−メタノール(0.96g、10.5ミリモ
ル)とポリマー担持トリフェニルホスフィン(3.0g、10.5ミリモル)とのTHF
(35mL)懸濁液に、氷浴中、撹拌しながらアゾジカルボン酸ジイソプロピル(2.1
mL、10.5ミリモル)を徐々に添加し、室温で一夜撹拌した。混合物を濾過し、固体
を酢酸エチル(10mL)で洗浄した。濾液を蒸発させ、残留物を、フラッシュカラムク
ロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して、3−(4−フルオロ−ベンゾ[
b]チオフェン−2−イルメトキシ)−フタル酸ジメチルエステルを得た(1.5g、収
率76%)。生成物は、さらなる精製なしで次のステップで使用した。
【0251】
ステップ2
3−(4−フルオロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イルメトキシ)−フタル酸ジメチ
ルエステル(1.5g、4.0ミリモル)と3N水酸化ナトリウム(60mL)との試薬
級アルコール(120mL)溶液を2時間還流した。溶液を蒸発させ、残留物を、水(1
00mL)に溶解し、塩化メチレン(3×100mL)で洗浄し、次いで、pHを約4ま
で酸性化した。生じた混合物を酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、合わせた有機層
を、水(2×100mL)で洗浄し、乾燥させ、濃縮して、灰白色固体として3−(4−
フルオロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イルメトキシ)−フタル酸を得た(1.2g、
収率84%)。生成物は、さらなる精製なしで次のステップで使用した。
【0252】
ステップ3
3−(4−フルオロ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イルメトキシ)−フタル酸(1.
2g、3.4ミリモル)とα−アミノ−グルタルイミド塩酸塩(0.58g、3.6ミリ
モル)との混合物を、ピリジン中で一夜還流した。混合物を蒸発させ、残留物を、フラッ
シュカラムクロマトグラフィー(メタノール/塩化メチレン)で精製して、白色固体とし
て2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イル)−4−(4−フルオロ−ベンゾ[b
]チオフェン−2−イルメトキシ)−イソインドール−1,3−ジオンを得た(0.66
g、収率44%)。HPLC:Waters Symmetry C
18、5μm、3.
9×150mm、1mL/分、240nm、60/40のCH
3CN/0.1%H
3PO
4、3.08分(97.5%)。mp 264〜266℃。
1H NMR (DMSO-d
6) δ 2.01-2
.08 (m, 1H, CHH), 2.54-2.95 (m, 2H, CHHCH
2), 5.11 (dd, J = 6, 12 Hz, 1H, CH), 5.
73 (s, 2H, CH
2), 7.18-7.88 (m, 7H, Ar), 11.12 (s, 1H, NH);
13C NMR (DMSO-d
6) δ
21.98, 30.95, 48.82, 65.85, 109.57, 109.81, 116.04, 116.91, 118.02, 119.02, 119.
07, 120.37, 125.98, 126.08, 127.39, 127.65, 133.38, 137.02, 140.81, 141.98, 142.
06, 154.81, 155.10, 158.41, 165.17, 166.71, 169.91, 172.78. 元素分析: C
22H
15N
2O
5
SFの計算値: C, 60.27; H, 3.45; N, 6.39; S, 7.31; F, 4.33. 実測値: C, 60.40; H, 3
.26; N, 6.29; S, 7.24; F, 4.32.
【0253】
実施例22
4−(5−クロロ−チオフェン−2−イルメトキシ)−2−(2,6−ジオキソ−ピペリ
ジン−3−イル)−イソインドール−1,3−ジオン
【0254】
【化29】
ステップ1
3−ヒドロキシフタル酸ジメチルエステル(1.4g、6.8ミリモル)と炭酸カリウ
ム(2.8g、20ミリモル)とのアセトン(70mL)懸濁液に、撹拌しながら2−ク
ロロ−5−クロロメチル−チオフェン(0.83mL、7.1ミリモル)を添加し、2時
間還流した。溶媒を蒸発させ、残留物を、水(100mL)と酢酸エチル(150mL)
との間に分配し、水(2×100mL)で洗浄した。合わせた有機相を、乾燥させ、濃縮
し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して、3−(
5−クロロ−チオフェン−2−イルメトキシ)−フタル酸ジメチルエステルを得た(2.
3g、粗収率100%)。生成物は、さらなる精製なしで次のステップで使用した。
【0255】
ステップ2
3−(5−クロロ−チオフェン−2−イルメトキシ)−フタル酸ジメチルエステル(2
.3g、6.7ミリモル)と3N水酸化ナトリウム(60mL)との試薬級アルコール(
100mL)溶液を2時間還流した。溶液を蒸発させ、残留物を、水(100mL)に溶
解し、塩化メチレン(3×100mL)で洗浄し、次いで、pHを約4まで酸性化した。
生じた混合物を酢酸エチル(2×100mL)で抽出し、合わせた有機層を、水(2×1
00mL)で洗浄し、乾燥させ、濃縮して、灰白色固体として3−(5−クロロ−チオフ
ェン−2−イルメトキシ)−フタル酸を得た(1.6g、収率76%)。生成物は、さら
なる精製なしで次のステップで使用した。
【0256】
ステップ3
3−(5−クロロ−チオフェン−2−イルメトキシ)−フタル酸(1.6g、5.1ミ
リモル)とα−アミノ−グルタルイミド塩酸塩(0.88g、5.4ミリモル)との混合
物を、ピリジン中で一夜還流した。混合物を蒸発させ、残留物を、フラッシュカラムクロ
マトグラフィー(メタノール/塩化メチレン)で精製して、白色固体として4−(5−ク
ロロ−チオフェン−2−イルメトキシ)−2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イ
ル)−イソインドール−1,3−ジオンを得た(0.76g、収率36%)。HPLC:
Waters Symmetry C
18、5μm、3.9×150mm、1mL/分、
240nm、60/40のCH
3CN/0.1%H
3PO
4、2.63分(99.3%)
。mp 217〜219℃。
1H NMR (DMSO-d
6) δ 2.01-2.07 (m, 1H, CHH), 2.54-2.57
(m, 2H, CH
2), 2.62-2.95 (m, 1H, CHH), 5.10 (dd, J = 6, 12 Hz, 1H, CH), 5.50 (s,
2H, CH
2), 7.07-7.87 (m, 5H, Ar), 11.11 (s, 1 H, NH);
13C NMR (DMSO-d
6) δ 21.93,
30.90, 48.75, 65.38, 115.94, 116.80, 120.44, 126.55, 127.83, 129.09, 133.31, 13
6.93, 137.54, 154.76, 165.14, 166.68, 169.77, 169.86, 172.73. 元素分析: C
18H
13N
2
O
5SClの計算値: C, 53.41; H, 3.24; N, 6.92; S, 7.92%; Cl, 8.76. 実測値: C, 53.39;
H, 2.95; N, 6.80; S, 7.62%; Cl, 9.01.
【0257】
実施例23
2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イル)−4−(1−ナフタレン−2−イル−
エトキシ)−イソインドール−1,3−ジオン
【0258】
【化30】
ステップ1
ポリマー担持PPh
3(3.1g、約9.5ミリモル)とα−メチル−2−ナフタレン
メタノール(0.82g、4.8ミリモル)との混合物を、20mLのTHF中でN
2下
に0℃まで冷却した。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.9g、9.5ミリモル)を
滴加し、続いて3−ヒドロキシ−フタル酸ジメチルエステル(1.0g、4.8ミリモル
)を固体で添加した。混合物を、0℃でさらに1時間撹拌し、次いで室温に戻した。16
時間撹拌した後、混合物を濾過した。フィルターを酢酸エチル(20mL)で洗浄し、合
わせた濾液を蒸発させた。残留物を、ヘキサン−酢酸エチルのグラジエントでのクロマト
グラフィーにかけ、20〜30%酢酸エチルで溶離して、66%の収率で1.2gの3−
(1−ナフタレン−2−イル−エトキシ)−フタル酸ジメチルエステルを得た。
1H NMR (
DMSO-d
6) δ 1.70 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 3.88 (s, 3H), 4.03 (s, 3H), 5.49 (q, J = 6
.5 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.18 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.42-7.53 (m, 4H
), 7.76-7.84 (m, 4H).
【0259】
ステップ2
3−(1−ナフタレン−2−イル−エトキシ)−フタル酸ジメチルエステル(0.9g
、2.5ミリモル)と3N NaOH(50mL)との混合物を、エタノール(100m
L)中で2時間加熱還流した。混合物を冷却し、溶媒を真空下で除去した。残留物を、水
(100mL)に溶解し、CH
2Cl
2(3×100mL)で洗浄し、酸性化(HCl)
し、酢酸エチル(3×75mL)で抽出した。合わせた有機抽出液を、水(3×75mL
)で洗浄し、乾燥(MgSO
4)させ、蒸発させ、収率60%で0.50gの3−(1−
ナフタレン−2−イル−エトキシ)−フタル酸を得た。
1H NMR (DMSO-d
6) δ 1.60 (d, J
= 6.2 Hz, 3H), 5.79 (q, J = 6.2 Hz, 1H), 7.21-7.31 (m, 2H), 7.38 (dd, J = 7.1 H
z, J = 1.3 Hz, 1H), 7.46-7.57 (m, 3H), 7.83-7.93 (m, 4H).
【0260】
ステップ3
3−(1−ナフタレン−2−イル−エトキシ)−フタル酸(0.36g、1.0ミリモ
ル)とrac−α−アミノグルタルイミド塩酸塩(0.16g、1.0ミリモル)との混
合物を、ピリジン(10mL)中で16時間加熱還流した。混合物を、冷却し、真空下で
蒸発させた。残留物を、酢酸エチル(100mL)に溶解し、希HCl水(2×100m
L)および水(100mL)で洗浄し、蒸発させた。残留物を、CH
2Cl
2−メタノー
ルのグラジエントを使用するクロマトグラフィーにかけ、95:5のCH
2Cl
2−メタ
ノールで生成物を溶離すると、64%の収率で0.27gの生成物を得た。mp 174
〜176℃。HPLC:Waters Symmetry C−18、3.9×150m
m、5μm、1mL/分、240nm、60/40のCH
3CN/0.1%H
3PO
4、
3.69(99.65%)。
1H NMR (DMSO-d
6) δ 1.71 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 1.99-2:0
9 (m, 1H), 2.51-2.65 (m, 2H), 2.84-2.97 (m, 1H), 5.13 (dd, J = 12.5 Hz, J = 5.3
Hz, 1H), 6.00 (q, J = 6.0 Hz, 1H), 7.39 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.44-7.53 (m, 3H),
7.62 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.69 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 7.87-7.96 (m, 3H), 8.00 (s,
1H), 11.15 (s, 1H);
13C NMR (DMSO-d
6) δ 22.0, 23.7, 31.0, 48.8, 76.5, 115.5, 11
7.2, 121.5, 123.6, 124.5, 126.2, 126.4, 127.6, 127.8, 128.5, 132.5, 132.7, 133.4
, 136.7, 139.4, 154.8, 165.3, 166.7, 170.0, 172.8; 元素分析: C
25H
20N
2O
5の計算値:
C, 70.08; H, 4.71; N, 6.54. 実測値: C, 69.71; H, 4.51; N, 6.28.
【0261】
実施例24
2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−イル)−4−(4−メトキシ−ベンジルオキ
シ)−イソインドール−1,3−ジオン
【0262】
【化31】
ステップ1
3−ヒドロキシフタル酸無水物(20.5g、125ミリモル)とメタノール(100
mL)との混合物を、撹拌しながら3時間加熱還流した。溶媒を真空で蒸発させ、残留物
を、重炭酸ナトリウム(29.4g、350ミリモル)を含むDMF(250mL)中に
懸濁し、続いてヨードメタン(19mL、300ミリモル)を添加し、55℃で4時間加
熱した。混合物を室温まで冷却し、溶媒を真空で蒸発させ、残留物を水(200mL)と
酢酸エチル(200mL)との間に分配した。有機層を、水(2×200mL)で洗浄し
、乾燥させ、真空で濃縮し、次いでフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、
EtOAc/ヘキサン、0%〜100%までのグラジエント30分)で精製して、3−ヒ
ドロキシフタル酸ジメチルエステルを得た(20.2g、収率77%)。生成物は、さら
なる精製なしで次のステップで使用した。
【0263】
ステップ2
3−ヒドロキシフタル酸ジメチルエステル(1.1g、5.2ミリモル)と炭酸カリウ
ム(2.2g、15.7ミリモル)とのアセトン(45mL)懸濁液に、撹拌しながら、
1−ブロモメチル−4−メトキシ−ベンゼン(0.79mL、5.5ミリモル)を添加し
た。混合物を6時間還流した。溶媒を真空で蒸発させ、残留物を水(50mL)と酢酸エ
チル(80mL)との間に分配した。有機層を、水(2×50mL)で洗浄し、乾燥させ
、真空で濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキ
サン、0%〜100%のグラジエント30分)で精製して、3−(4−メトキシ−ベンジ
ルオキシ)−フタル酸ジメチルエステルを得た(2.0g、粗収率115%)。生成物は
、さらなる精製なしで次のステップで使用した。
【0264】
ステップ3
3−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−フタル酸ジメチルエステル(粗精製物2.0
g、5.5ミリモル)と3N水酸化ナトリウム(35mL)との試薬級アルコール(10
0mL)溶液を、撹拌しながら2時間還流した。溶液を真空で蒸発させ、残留物を、水(
80mL)に溶解し、塩化メチレン(3×70mL)で洗浄し、次いで、HClでpHを
約4まで酸性化した。生じた混合物を酢酸エチル(2×60mL)で抽出し、合わせた有
機層を、水(2×70mL)で洗浄し、乾燥させ、真空で濃縮して、灰白色固体として3
−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−フタル酸を得た(1.6g、粗収率100%)。
生成物は、さらなる精製なしで次のステップで使用した。
【0265】
ステップ4
3−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−フタル酸(1.5g、5.2ミリモル)とα
−アミノ−グルタルイミド塩酸塩(0.90g、5.4ミリモル)との混合物を、ピリジ
ン中で撹拌しながら一夜還流した。混合物を真空で蒸発させ、残留物を、フラッシュカラ
ムクロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール/塩化メチレン、0%〜10%のグラジ
エント30分)で精製して、白色固体として2−(2,6−ジオキソ−ピペリジン−3−
イル)−4−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−イソインドール−1,3−ジオンを得
た(0.83g、収率40%)。HPLC:Waters Symmetry C
18、
5μm、3.9×150mm、1mL/分、240nm、50/50のCH
3CN/0.
1%H
3PO
4、RT=4.17分(98.6%)。mp 178〜180℃。
1HNMR (D
MSO-d
6) δ 1.99-2.06 (m, 1H, CHH), 2.51-2.82 (m, 2H, CHHCH
2), 3.76 (s, 3H, CH
3),
5.08 (dd, J = 6, 12 Hz, 1H, CH), 5.29 (s, 2H, CH
2), 6.95-7.84 (m, 7H, Ar), 11.1
1 (s, 1H, NH);
13C NMR (DMSO-d
6) δ 21.96, 30.91, 48.72, 55.08, 69.92, 113.88, 1
15.41, 116.55, 120.29, 127.93, 129.21, 133.25, 136.92, 155.57, 159.10, 165.28, 1
66.77, 169.90, 172.75. 元素分析: C
21H
18N
2O
6の計算値: C, 63.96; H, 4.60; N, 7.10.
実測値: C, 63.86; H, 4.30; N, 6.92.
【0266】
5.1 アッセイ
5.1.1 PMBC中でのTNFα阻害アッセイ
正常ドナー由来の末梢血単核細胞(PBMC)を、Ficoll Hypaque(P
harmacia、Piscataway、ニュージャージー州、米国)密度遠心分離法
により得る。細胞を、10%AB+ヒト血清(Gemini Bio−products
、Woodland、カリフォルニア州、米国)、2mM L−グルタミン、100U/
mLペニシリン、および100μg/mLストレプトマイシン(Life Techno
logies)が補充されたRPMI 1640(Life Technologies
、Grand Island、ニューヨーク州、米国)中で培養する。
【0267】
PBMC(2×10
5細胞)を96穴平底Costar組織培養プレート(Corni
ng、ニューヨーク州、米国)中に3ウェルづつ播種する。細胞を、化合物の非存在下ま
たは存在下で、最終濃度が1ng/mLのLPS(ウマ・サルモネラ・アボルタス由来、
Sigmaカタログ番号L−1887、St.Louis、ミズーリ州、米国)で刺激す
る。本明細書中で提供される化合物をDMSO(Sigma)に溶解し、使用直前に培養
培地中でさらに希釈する。最終DMSO濃度は、すべてのアッセイにおいて約0.25%
でよい。LPS刺激の1時間前に、化合物を細胞に添加する。次いで、細胞を、5%CO
2中、37℃で18〜20時間インキュベートし、次いで、上清を、回収し、培養培地で
希釈し、ELISA(Endogen、Boston、マサチューセッツ州、米国)を用
いてTNFα濃度についてアッセイする。IC
50は、非線形回帰、S字状用量−反応を
使用し、上端を100%、下端を0%に定め、可変勾配を可能にして計算する(Grap
hPad Prism v3.02)。
【0268】
5.1.2 T細胞によるIL−2およびMIP−3αの産生
10cmの組織培養ディッシュ毎に10mLの完全培地(10%熱非動化ウシ胎児血清
、2mM L−グルタミン、100U/mLペニシリン、および100μg/mLストレ
プトマイシンが補充されたRPMI 1640)中に1×10
8のPBMCを播種するこ
とによって、37℃、5%CO
2のインキュベーター中で30〜60分間かけて、PBM
Cから接着性単球を涸渇させる。ディッシュを培地ですすいで、非接着性PBMCをすべ
て取り出す。1×10
8個の非接着PBMCごとに対して次の抗体(Pharminge
n)とDynabead(Dynal)との混合物を使用するネガティブ選択によってT
細胞を精製する:0.3mLヒツジ抗マウスIgGビーズ、15μL抗CD16、15μ
L抗CD33、15μL抗CD56、0.23mL抗CD19ビーズ、0.23mL抗H
LAクラスIIビーズ、および56μL抗CD14ビーズ。細胞およびビーズ/抗体混合
物を、4℃で30〜60分間、転倒方式で回転させる。精製されたT細胞を、Dynal
マグネットを使用してビーズから取り出す。典型的な収率は、フローサイトメトリーによ
れば、T細胞が約50%、CD3
+が87〜95%である。
【0269】
組織培養用96穴平底プレートを、ウェル当たり、100μLのPBS中5μg/mL
の抗CD3抗体OKT3で被覆し、37℃で3〜6時間インキュベートし、次いで、T細
胞を添加する直前に、ウェル当たり完全培地100μLで4回洗浄する。化合物を、丸底
組織培養用96穴プレート中で最終濃度から20回希釈する。最終濃度は、約10μM〜
約0.00064μMである。本明細書中で提供される化合物の10mMストックを2%
DMSOで、20回希釈の第1回目として1:50で200μMに希釈して、そして2%
DMSOで連続的に1:5に希釈する。化合物を、200μLの培養物につき10μL添
加し、0.1%の最終DMSO濃度を得る。培養物を、5%CO
2中、37℃で2〜3日
間インキュベートし、上清を、ELISA(R&D Systems)でIL−2および
MIP−3αについて分析する。IL−2およびMIP−3α濃度を、本明細書中で提供
されるある化合物のある量の存在下で産生される量に対して補正し、EC
50は、非線形
回帰、S字状用量−反応を使用し、上端を100%、下端を0%に定め、可変勾配を可能
にして計算する(GraphPad Prism v3.02)。
【0270】
5.1.3 細胞増殖アッセイ
細胞系、Namalwa、MUTZ−5、およびUT−7は、ドイツ微生物細胞培養コ
レクション(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH)(Br
aunschweig、ドイツ)から入手する。細胞系、KG−1は、米国タイプカルチ
ャーコレクション(American Type Culture Collection)(Manassas、ヴァージ
ニア州、米国)から入手する。
3H−チミジン組み込みによって示される細胞増殖は、す
べての細胞系において次のように測定する。
【0271】
細胞を、96穴プレートの培地にウェル当たり6000個の細胞数で播種する。3つの
重複する系の細胞を、最終濃度約0.25%のDMSOに含まれる約100、10、1、
0.1、0.01、0.001、0.0001および0μMの化合物で、5%CO
2の加
湿インキュベーター中、37℃で72時間かけて前処理する。次いで、1マイクロキュー
リーの
3H−チミジン(Amersham)を各ウェルに添加し、細胞を、5%CO
2の
加湿インキュベーター中で再び37℃で6時間インキュベートする。細胞ハーベスター(
Tomtec)を使用して細胞をUniFilter GF/Cフィルタープレート(P
erkin Elmer)上に回収し、プレートを一夜放置して乾かす。Microsc
int20(Packard)(25μL/ウェル)を添加し、プレートをTopCou
nt NXT(Packard)中で分析する。各ウェルを1分間計数する。細胞増殖の
パーセント阻害を、すべての3つの系の平均値を求め、およびDMSO対照(0%阻害)
に対して補正することによって計算する。各化合物は、3つの個別の実験で各細胞系中で
試験される。最終IC
50は、非線形回帰、S字状用量−反応を使用し、上端を100%
、下端を0%に定め、可変勾配を可能にして計算する(GraphPad Prism
v3.02)。
【0272】
5.1.4 免疫沈降および免疫ブロット
Namalwa細胞をDMSOまたはある量の本明細書中で提供される化合物と共に1
時間処理し、次いで、10U/mLのEpo(R&D Systems)で30分間刺激
する。細胞溶解液を、調製し、Epo受容体Abで免疫沈降させるか、あるいはSDS−
PAGEで直ちに分離する。免疫ブロットは、Akt、ホスホ−Akt(Ser473ま
たはThr308)、ホスホ−Gab1(Y627)、Gab1、IRS2、アクチンお
よびIRF−1Absでプローブし、ImageQuantソフトウェアを用いたSto
rm860イメージャー(Molecular Dynamics)で分析する。
【0273】
5.1.5 細胞周期解析
細胞を、DMSOまたはある量の本明細書中で提供される化合物で一夜処理する。細胞
周期のためのヨウ化プロピジウム染色は、CycleTEST PLUS(Becton
Dickinson)を製造業者のプロトコールに従って使用して行う。染色に続いて
、細胞を、ModFit LTソフトウェアを用いたFACSCaliburフローサイ
トメーター(Becton Dickinson)で分析する。
【0274】
5.1.6 アポトーシス解析
細胞を、様々な時点でDMSOまたはある量の本明細書中で提供される化合物で処理し
、次いで、アネキシン−V洗浄緩衝液(BD Biosciences)で洗浄する。細
胞を、アネキシン−V結合タンパク質およびヨウ化プロピジウム(BD Bioscie
nces)と共に10分間インキュベートする。サンプルを、フローサイトメトリーを使
用して解析する。
【0275】
5.1.7 ルシフェラーゼアッセイ
Namalwa細胞を、1×10
6個の細胞につき4μgのAP1−ルシフェラーゼ(
Stratagene)および3μLのリポフェクタミン2000(Invitroge
n)試薬を用いて、製造業者の説明書に従ってトランスフェクトする。トランスフェクシ
ョンの6時間後、細胞をDMSOまたはある量の本明細書中で提供される化合物で処理す
る。ルシフェラーゼ活性は、ルシフェラーゼ溶解緩衝液および基質(Promega)を
使用してアッセイし、ルミノメーター(Turner Designs)を使用して測定
する。
【0276】
5.1.8 TNFα阻害およびIL−2産生
前記5.1.1節で提供した方法と実質的に同様の方法を使用して、本明細書中で提供
される化合物のいくつかについてTNFα阻害のIC
50値を測定した。測定されたIC
50値は、0.2nM未満から約10〜100μMの範囲に及んだ。これらの結果は、本
明細書中で提供される化合物がTNFαの阻害薬として有用であることを示している。
【0277】
また、前記5.1.2節に記載した方法と実質的に同様の方法を使用して、本明細書中
で提供されるいくつかの化合物についてIL−2産生のEC
50値を測定した。測定され
たEC
50値は、1nM超から1μM未満の範囲に及んだ。これらの結果は、本明細書中
で提供される化合物がIL−2産生の刺激薬として有用であることを示している。
【0278】
前記の実施形態は、単なる説明であると解釈され、当業者は、ルーチンレベル以下の実
験により、特定の化合物、材料、および方法の多くの同等物を認識し、あるいはそれらを
得ることができるであろう。このような同等物のすべては、特許を請求する主題の範囲内
に存在すると考えられ、添付の特許請求の範囲に包含される。
【0279】
本明細書中で言及された特許、特許出願および刊行物のすべては、その全体が本明細書
に組み込まれる。本出願中における任意の参照文献の引用または確認は、このような参照
文献を、請求項に記載される主題に対する先行技術であるものとして容認するものではな
い。本発明の完全な範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによって、よりよく理
解される。