特許第6373820号(P6373820)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6373820
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】障害物警告システム及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20180806BHJP
【FI】
   G08G1/16 C
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-228406(P2015-228406)
(22)【出願日】2015年11月24日
(65)【公開番号】特開2016-100019(P2016-100019A)
(43)【公開日】2016年5月30日
【審査請求日】2015年11月24日
(31)【優先権主張番号】103140954
(32)【優先日】2014年11月26日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】511007967
【氏名又は名称】財團法人金屬工業研究發展中心
【氏名又は名称原語表記】METAL INDUSTRIES RESEARCH & DEVELOPMENT CENTRE
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】江 進豐
(72)【発明者】
【氏名】徐 世鈞
(72)【発明者】
【氏名】魏 宏源
(72)【発明者】
【氏名】李 宗翰
(72)【発明者】
【氏名】林 其禹
(72)【発明者】
【氏名】唐 培文
【審査官】 岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−284473(JP,A)
【文献】 特表2007−508624(JP,A)
【文献】 特開2011−204054(JP,A)
【文献】 特開2005−112187(JP,A)
【文献】 特開2009−009320(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動乗物に設置される障害物警告システムであって、
前記移動乗物内またはその少なくとも一側に設置される障害物検知ユニットと、前記移動乗物内に設置される視線検知ユニットとを有し、前記視線検知ユニットは前記移動乗物の運転者の視線方向情報を検知し、前記視線方向情報は運転者の視線範囲の死角を含む検知モジュールと、
前記検知モジュールに連結され、当該障害物検知ユニット及び前記視線検知ユニットを用いることにより生成される複数個の検知データを受信して、演算を経て警告データを生成する演算モジュールと、
前記演算モジュールに連結され、前記警告データを受信して警告メッセージを前記移動乗物内に送信する警告モジュールとを備えることを特徴とする、障害物警告システム。
【請求項2】
当該障害物検知ユニットは、深度検出器と、2次元カメラとを備えることを特徴とする、請求項1に記載の障害物警告システム。
【請求項3】
前記視線検知ユニットは、前記移動乗物の運転者の視線方向を検知するために用いられる瞳孔検知部品を備えることを特徴とする、請求項1に記載の障害物警告システム。
【請求項4】
前記警告モジュールは、少なくとも1つの音響効果ユニットを備えることを特徴とする、請求項1に記載の障害物警告システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの音響効果ユニットは、前記移動乗物内の複数個の片隅に設置され、かつ前記警告メッセージは、一部の前記少なくとも1つの音響効果ユニットから発することを特徴とする、請求項4に記載の障害物警告システム。
【請求項6】
さらに前記演算モジュールに連結され、当該障害物の映像を板面に投影するために用いられる投影モジュールを備えることを特徴とする、請求項1に記載の障害物警告システム。
【請求項7】
移動乗物に設置される障害物警告システムの動作方法であって、
障害物検知ユニットを使用して、前記移動乗物外の少なくとも1つの障害物の位置情報及び移動方向情報を検知するステップと、
視線検知ユニットを使用して、前記移動乗物の運転者の視線方向情報を検知し、前記視線方向情報は運転者の視線範囲の死角を含むステップと、
演算モジュールを使用して、当該障害物の前記位置情報及び前記移動方向情報を利用して当該障害物と前記移動乗物との衝突の可能性を算出し、及び前記視線方向情報を利用して当該障害物が前記運転者の視線範囲内に位置するかどうかを判断するステップと、
もし当該障害物と前記移動乗物との衝突の可能性があり、及び当該障害物が前記運転者の視線範囲内に位置しない場合、前記演算モジュールにより警告データを警告モジュールに送信し、そして前記警告モジュールを利用して警告メッセージを前記運転者に送信して通知するステップとを含むことを特徴とする、障害物警告システムの動作方法。
【請求項8】
前記警告モジュールを利用して前記警告メッセージを前記運転者に送信して通知するステップにおいて、前記警告モジュールの少なくとも1つの音響効果ユニットを使用して前記警告メッセージを発することを特徴とする、請求項7に記載の障害物警告システムの動作方法。
【請求項9】
移動乗物に設置される障害物警告システムの動作方法であって、
障害物検知ユニットを使用して、前記移動乗物外の少なくとも1つの障害物の位置情報及び移動方向情報を検知するステップと、
投射ユニットを使用して、当該障害物の映像を板面に投射するステップと、
視線検知ユニットを使用して、前記移動乗物の運転者の視線方向情報を検知し、前記視線方向情報は運転者の視線範囲の死角を含むステップと、
演算モジュールを使用して、当該障害物の前記位置情報及び前記移動方向情報を利用して当該障害物と前記移動乗物との衝突の可能性を算出し、及び前記視線方向情報を利用して前記板面が前記運転者の視線範囲内に位置するかどうかを判断するステップと、
もし当該障害物と前記移動乗物との衝突の可能性があり、及び前記板面が前記運転者の視線範囲内に位置しない場合、前記演算モジュールにより警告データを警告モジュールに送信し、そして前記警告モジュールを利用して警告メッセージを前記運転者に送信して通知するステップとを含むことを特徴とする、障害物警告システムの動作方法。
【請求項10】
前記視線検知ユニットは、前記運転者の視線方向が前記板面の位置と一致すると検知される場合、前記警告モジュールは、前記警告メッセージの送信を停止することを特徴とする、請求項9に記載の障害物警告システムの動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警告システム及びその動作方法に係り、特に、車両に運用され、障害物と車両との衝突が発生するかもしれないことを運転者が注意しない場合、運転者に即時に警告メッセージを発して通知することで、運転者が障害物の存在に注意を払って対応するように確保することが可能になるものに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車は、運転者が望む快適性に基づくもので、民衆が広汎に応用する交通手段の一つでもある。しかしながら、車両の道路走行時、運転者は、視覚の死角の存在、精神疲労またはその他の道路使用者の違法行為などの原因のため、運転者及び歩行者両者の生命安全に共に脅威をもたらす。安全性を向上させるために、かなりの被動安全装備は、既に自動車の出荷時の標準装備であり、そして主動安全装備も各大手自動車メーカーの努力のもとに継続的に開発されている。
【0003】
既存の主動安全装備技術において、既にいくつかが使用者に即時に警告する安全警告機能装置があり、例えばパーキングセンサーとして設置される信号発射器及び信号受信器、またはその他の物体が車体に近付こうとする時、効果音で運転者に注意を促すために取付けられる設備がある。しかしながら、これらの主動安全装備は、運転者にさらに早期に車両の衝突が発生するかもしれない危機を予知するには不足しており、例えば特に、車両との衝突が発生するかもしれない物体自身も移動しているから、早期警告時間を回避するために十分な時間である数秒までに短縮する必要がある。
【0004】
さらに、運転者が効果音の警告を受信する場合、まもなく衝突を受ける物体がどこに位置するか、外観がどんな形状であるか、どの方向に向かって移動しているか、または移動速度がどのくらい速いかなどを確定できずに、運転者が危険を避けるための適切な対応をできなくなってしまう。一方、既存技術は、物体と車体との距離を判断するだけなので、物体を区別できないため、車両周辺が雑草などの無害な物体である場合でも、警告効果音を発したり、若しくは自動ブレ−キをトリガしたりすることなどの不要な手間が生じてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主要目的は、車外の障害物及び車内の運転者の視角を検知する技術を結合するので、車両走行安全に妨害する障害物を検知する場合、もし運転者が障害物の存在に気付かない場合、この時、音声方式を用いて警告を運転者が障害物の存在に気付くまでに行うことができる、障害物警告システムを提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、運転者の瞳孔方向を検知標的とし、運転者の視角が安全状態にあるかどうかを精確に把握することができる、障害物警告システムを提供することである。
【0007】
本発明のさらに別の目的は、障害物を検知する場合、障害物の位置、移動方向及び移動速度を区別することができ、その経路が運転者の所在車両と重ねて衝突が発生するかどうかを算出するので、本発明は、実際の衝突リスクを有する障害物について警告を行い、意味のない警告音が不快な騒音になるのを避けることができる、障害物警告システムを提供することである。
【0008】
本発明のまたさらに別の目的は、障害物の映像を風防ガラス上に投影することができ、特に、車両の側後方または側下方に位置し、運転者がバックミラーのみの確認では気付くことが困難な一部の障害物の映像を風防ガラス上に投影することができる、障害物警告システムの動作方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために、本発明に開示される障害物警告システムは、移動乗物に設置され、前記障害物警告システムは、構造構成上、前記移動乗物内またはその少なくとも一側に設置される障害物検知ユニットと、前記移動乗物内に設置される視線検知ユニットとを有する検知モジュールと、前記検知モジュールに連結され、当該障害物検知ユニット及び前記視線検知ユニットを用いることにより生成される複数個の検知データを受信して、演算を経て警告データを生成する演算モジュールと、前記演算モジュールに連結され、前記警告データを受信して警告メッセージを前記移動乗物内に送信する警告モジュールとを備える。而して、その操作ステップは、障害物検知ユニットを使用して、前記移動乗物外の少なくとも1つの障害物の位置情報及び移動方向情報を検知するステップと、投射ユニットを使用して、当該障害物の映像を板面に投射するステップと、視線検知ユニットを使用して、前記移動乗物の運転者の視線方向情報を検知するステップと、演算モジュールを使用して、当該障害物の前記位置情報及び前記移動方向情報を利用して当該障害物と前記移動乗物との衝突の可能性を算出し、及び前記視線方向情報を利用して前記板面が前記運転者の視線範囲内に位置するかどうかを判断するステップと、もし当該障害物と前記移動乗物との衝突の可能性があり、及び前記板面が前記運転者の視線範囲内に位置しない場合、前記演算モジュールにより警告データを警告モジュールに送信し、そして前記警告モジュールを利用して警告メッセージを前記運転者に送信して通知するステップとを含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、障害物警告システム及びその動作方法が詳細に開示され、それは検知設備を用い、及び運転者の瞳孔の観察と結合して視角の試算を行うことで、現段階の運転者の警告システムを、車両周辺の約数十メートル範囲内の移動物体または固定物品を検知することができるように強化させることから、障害物が車両走行安全に影響を与えるかどうかを判断するのみならず、運転者がこれらのリスクに注意を払うように確保することも可能になる。
さらに、低コストだが確度の高い本発明は、環境による影響を受けにくなり、取付け上では車体構造を変更する必要もなく、一般車両に直接に適用される。大衆は車両走行安全が益々重要視されている今日において、本発明の障害物警告システム及びその動作方法は、疑いなく開発潜在力と応用価値を有するに違いない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の好適な実施例の部分的な部品の設置位置を示す模式図であり、それが移動乗物に相対する位置を示している。
図2】本発明の好適な実施例の構造構成を示す模式図である。
図3】本発明の好適な実施例のステップを示すフローチャートである。
図4】本発明の別の好適な実施例のステップを示すフローチャートであり、投影モジュールの使用を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の技術内容、構造特徴、達成する目的及び作用効果について、以下に例を挙げ並びに図面を組み合わせて詳細に説明する。
【0013】
まず、図1及び図2を併せて参照し、本発明の一実施例に開示される障害物警告システムは、例えば自動車などの移動乗物1に設置され、そしてこの障害物警告システムは、検知モジュール2と、演算モジュール3と、警告モジュール4とを備える。その中の検知モジュール2は、少なくとも1つの障害物検知ユニット21と、視線検知ユニット22とを有し、これらの障害物検知ユニット21は、移動乗物1の内部または移動乗物1の少なくとも一側に設置され、そして視線検知ユニット22は、移動乗物1内に設置される。演算モジュール3は、検知モジュール2に連結され、警告モジュール4に至っては、演算モジュール3に連結される。
【0014】
検知モジュール2に備える障害物検知ユニット21は、移動乗物1の周辺空間に車両走行安全に影響を与えるかもしれない物体の存在有無を検知するために用いられ、例えば歩行者、動物、その他の移動乗物、または固定した欄干、灌木の茂みなどの存在有無を検知するために用いられる。運転者の視角範囲が有限なので、各種の死角が存在するのは必然で、特に、移動乗物1の側面、後方、または移動乗物1周辺の低縁箇所などの死角が存在する。これらの死角は、本発明に係る一実施例において設置される障害物検知ユニット21の優先選択位置となるが、移動乗物1内に設置され、そしてそれを中心として周囲に対して全方位検知を行うようにしてもよい。障害物検知ユニット21は、深度検出器と、2次元カメラとを備え、それは映像を取得すると同時に、深度情報を得ることができ、移動乗物1の空間中のその他の物体と位置関係を知るために用いられる。つまり、完全な空間情報を取得することができ、後続の分析、算出と再構成を行うことができる。例えば障害物が車両に相対する移動方向及び移動速度を参照しながら、障害物が移動乗物1との衝突が発生するかどうかを判断し、それとも両者が密接近するが、実際に接触事故につながるおそれがない。障害物検知ユニット21は、別途に組込み式チップを含んでもよく、それをパラメーター調節またはデータアクセスを単独に検知することができるサブシステムとする。
【0015】
移動乗物1内に設置される視線検知ユニット22は、運転者の視線方向を検知するために用いられ、それは移動乗物1内に設置される障害物検知ユニット21と一体的に整合されてもよい。視線検知ユニット22のいくつかの実施可能な方法として、運転者の頭部の方向を検知してその視線の及ぶ方向を判断すること、または運転者の顔を識別することが挙げられる。しかし、本発明に係る好適な実施例においては、視線検知ユニット22の実現のために、RGB−Dカメラを瞳孔検知部品として使用する。瞳孔検知部品は、映像撮影により眼球位置を取得と追跡することで、運転者の目の注視点から衝突リスク情報の存在を観察できるかどうかを識別することができる。この実施例において、視線検知ユニット22の部品構造は、組込み式チップを含んでもよい。
【0016】
上述した衝突リスク情報は、1種が実際データで、別の1種が模擬データである2種類のタイプに区分される。実際データは、運転者が移動乗物1の進行方向上に衝突リスクを簡単に観察できるものを意味し、例えば前方車両、または車の前部を通行する歩行者などが挙げられ、頭部を回転させない条件下、直接に運転者に対して衝突リスクを認知させるようにしてもよい。一方、模擬データは、運転者の視線範囲に制限があることに基づいて、例えば移動乗物1の側面、後方、低縁箇所などの位置について、運転者は、頭部を回転させて、またはバックミラーの反射を介してやっと観察できるが、場合によっては、衝突リスクを観察できない場面も多々あると考えられ、そこで、本実施例では、前述した障害物検知ユニット21の設置を利用して関連映像を取得し、それから投影方式を利用して取得した映像を運転者が簡単に観察できる位置に表示させ、例えば前方の風防ガラス上に表示させる。
【0017】
模擬データの投影は、演算モジュール3に連結される投影モジュール5を利用することが必要であり、この投影モジュール5は、障害物検知ユニット21が取得される障害物の映像を障害物検知ユニット21自身の組込み式チップによる処理、または演算モジュール3による処理を経て、板面上に投影することができる。障害物検知ユニット21は、映像の深度情報を取得することができるので、投影モジュール5によりと投影される映像も立体空間映像に再構成すれば、運転者は、さらに障害物の形態がはっきり識別することができる。色彩変化に基づいて障害物と移動乗物1との距離を強調する方式も好ましい投影方式の一つである。而して、映像を風防ガラスに投影しないで、別途に移動乗物1の車用表示画面に投影結果を表示させることも実施可能な方式の一つである。
【0018】
しかしながら、障害物が移動乗物1の前方に存在しても、または前述した投影技術により風防ガラス上に表示させても、運転者は、依然として集中力の欠如、またはその他の目標物に注意を引くことによってこれらの衝突リスクの存在を見落す場合があるため、この実施例では、前述した視線検知ユニット22を利用して運転者がこれらの衝突リスクを観察したかどうかを判断する。例えば、移動乗物1の前方に歩行者が走り去る時、または投影モジュール5が提供される映像で移動乗物1の側辺の数メートル離れるところにオートバイがあり、かつその移動方向及び速度を参照して移動乗物1との衝突が発生するかもしれないことを運転者に告知する時、視線検知ユニット22は、移動乗物1の前方または投影モジュール5が提供される映像を見えるところに運転者の目が向けられるかどうかを判断することができる。
【0019】
たとえ視線検知ユニット22の検知結果が運転者がこれらの情報に注意していないと示し、特に、所定の時間(例えば1〜2秒、または移動乗物1の速度及び障害物の移動速度を利用して演算を行うことで、取得された衝突発生前の予め計算された特定の秒数)を経ても、依然としてこれらの情報に注意していない場合、演算モジュール3は、それに連結される警告モジュール4を利用して運転者に対して注意を促すようにすることができる。演算モジュール3は、障害物検知ユニット21及び視線検知ユニット22の検知結果を参照してから、警告データを生成すると共に、警告モジュール4に送信する。そして、警告モジュール4は、警告データを受信して警告メッセージを前記移動乗物1内に送信する。警告メッセージの好ましいフォーマットが音声または光であるが、この限りではない。一実施例において、警告モジュール4は、少なくとも1つの音響効果ユニットを備え、それによりプリ記録された可聴周波数の音で運転者に注意を促すように持続的に再生し、運転者が障害物の存在に注意しなければ、解除されない。例えば視線検知ユニット22は、運転者の視線方向が前述した板面の位置と一致すると検知されなければ、警告モジュール4は、警告メッセージの送信を停止しない。
【0020】
音響効果ユニットは、移動乗物1内に空間配置を利用して異なる方位から音声を発生させることができ、例えば音響効果ユニットを移動乗物1内の複数個の片隅に設置すると共に、障害物の移動乗物1に相対する方位を参照して、警告時、前記方位上の音響効果ユニットのみから音声を発生させ、運転者に最短時間内に障害物の居場所を警戒するように知らせるためにサポートすることができる。
【0021】
上述した構造によれば、図3を参照して、本発明の一実施例に係る障害物警告システムの動作方法は、以下のステップを含む。
ステップS10:障害物検知ユニットを使用して、移動乗物外の少なくとも1つの障害物の位置情報及び移動方向情報を検知する。
ステップS11:視線検知ユニットを使用して、移動乗物の運転者の視線方向情報を検知する。
ステップS12:演算モジュールを使用して、障害物の位置情報及び移動方向情報を利用して障害物と移動乗物との衝突の可能性を算出し、及び視線方向情報を利用して障害物が運転者の視線範囲内に位置するかどうかを判断する。
ステップS13:もし障害物と移動乗物との衝突の可能性があり、及び障害物が運転者の視線範囲内に位置しない場合、演算モジュールにより警告データを警告モジュールに送信し、そして警告モジュールを利用して警告メッセージを運転者に送信して通知する。
一方、もし投影モジュールが使用される場合、図4を参照して、それは以下のステップを含む。
ステップS20:障害物検知ユニットを使用して、移動乗物外の少なくとも1つの障害物の位置情報及び移動方向情報を検知する。
ステップS21:投射ユニットを使用して、障害物の映像を板面に投射する。
ステップS22:視線検知ユニットを使用して、移動乗物の運転者の視線方向情報を検知する。
ステップS23:演算モジュールを使用して、障害物の位置情報及び移動方向情報を利用して障害物と移動乗物との衝突の可能性を算出し、及び視線方向情報を利用して板面が運転者の視線範囲内に位置するかどうかを判断する。
ステップS24:もし障害物と移動乗物との衝突の可能性があり、及び板面が運転者の視線範囲内に位置しない場合、演算モジュールにより警告データを警告モジュールに送信し、そして警告モジュールを利用して警告メッセージを運転者に送信して通知する。
【0022】
本発明に開示される障害物警告システムを移動乗物に初めて取り付ける時、または毎回起動して出発する時、予め位置決め校正を行い、投影モジュールにより生成される映像と運転者の視線との間の位置関係を調整することができる。
【0023】
上述の実施例は僅かに本発明の原理及びその作用効果を説明するものであり、本発明を制限するものではない。これにより、この発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が上述の実施例に対してなし得る修正或いは変化は、すなわち、本発明の精神より逸脱しない。本発明はすでに産業上の利用性、新規性及び進歩性を有し、並びに特許の要件を満たす。
【符号の説明】
【0024】
1 移動乗物
2 検知モジュール
21 障害物検知ユニット
22 視線検知ユニット
3 演算モジュール
4 警告モジュール
5 投影モジュール
S10、S11、S12、S13 ステップ
S20、S21、S22、S23、S24 ステップ
図1
図2
図3
図4