(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アンビルの前記シャフトに連結されたアンビル固定特徴を更に備え、前記アンビル固定特徴は、前記アンビルを前記身体管腔に固定するように動作可能である、請求項5に記載の装置。
前記アンビル固定特徴は、前記アンビルの前記シャフトの少なくとも一部分の周りに巻かれたカラーと、前記カラーから外側に突出しているフランジと、を備えている、請求項6に記載の装置。
前記アンビル導入システムは、前記アンビルシャフトに連結されたチューブを更に備え、前記チューブは、前記アンビルを前記身体管腔を通して引くように構成されている、請求項5に記載の装置。
前記スライド特徴は、スライドカラーと、前記スライドカラーの遠位に設置されたカムカラーと、前記スライドカラーを前記カムカラーに連結する少なくとも1つの接続部材と、を備えている、請求項2に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本技術の特定の実施例に関する以下の説明は、本技術の範囲を限定するために使用されるべきではない。本技術のその他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び有利点は、例として、本技術を実施するために想到される最良の形態の1つである以下の説明から、当業者には明らかとなるであろう。理解されるように、本明細書で説明される本技術は、全て本技術から逸脱することなく、その他種々の明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明文は、代表的な性質のものであって限定的なものと見なすべきではない。
【0008】
I.代表的な円形ステープル留め外科用器具の概要
図1〜
図6は、それぞれより詳細に後述される、ステープル留めヘッドアセンブリ(20)、軸アセンブリ(60)、及びアクチュエータハンドルアセンブリ(70)を有する、代表的な円形外科用ステープル留め器具(10)を示す。軸アセンブリ(60)は、アクチュエータハンドルアセンブリ(70)から遠位側に延在し、ステープル留めヘッドアセンブリ(20)は軸アセンブリ(60)の遠位端に連結される。概して、アクチュエータハンドルアセンブリ(70)は、ステープル留めヘッドアセンブリ(20)のステープルドライバ(24)を作動させて、複数のステープル(66)をステープル留めヘッドアセンブリ(20)から送り出すように動作可能である。ステープル(66)は曲げられて、器具(10)の遠位端に取り付けられたアンビル(40)によって完全なステープルを形成する。結果的に、
図2A〜
図2Cに示される組織(2)が、器具(10)を使用してステープル留めされてもよい。
【0009】
本実施例では、器具(10)は閉鎖システム及び発射システムを備える。閉鎖システムは、トロカール(38)、トロカールアクチュエータ(39)、及び回転ノブ(98)を備える。アンビル(40)は、トロカール(38)の遠位端に連結されてもよい。回転ノブ(98)は、トロカール(38)をステープル留めヘッドアセンブリ(20)に対して長手方向で並進させ、それによって、アンビル(40)がトロカール(38)に連結されているときにアンビル(40)を並進させて、アンビル(40)とステープル留めヘッドアセンブリ(20)との間に組織をクランプするように動作可能である。発射システムは、トリガ(74)、トリガ作動アセンブリ(84)、ドライバアクチュエータ(64)、及びステープルドライバ(24)を備える。ステープルドライバ(24)は、ステープルドライバ(24)を長手方向で作動させると組織を切断するように構成されたナイフ(36)を含む。それに加えて、ステープルドライバ(24)を長手方向で作動させると、ステープルドライバ(24)がステープル(66)も遠位側に駆動するように、ステープル(66)は、ステープルドライバ(24)の複数のステープル駆動部材(30)の遠位側に位置付けられる。したがって、トリガ(74)を作動させ、ドライバアクチュエータ(64)を介してトリガ作動アセンブリ(84)がステープルドライバ(24)を作動させると、ナイフ(36)及び部材(30)がほぼ同時に組織(2)を切断すると共にステープル(66)をステープル留めヘッドアセンブリ(20)に対して遠位側で組織へと送り込む。閉鎖システム及び発射システムの構成要素と機能性について、次により詳細に記載する。
【0010】
A.代表的なアンビル
図1〜
図2Cに示されるように、アンビル(40)は、器具(10)に選択的に連結して表面を提供することができ、その表面に対抗してステープル(66)が曲げられて、ステープル留めヘッドアセンブリ(20)とアンビル(40)との間に収容された物質をステープル留めしてもよい。本実施例のアンビル(40)は、ステープル留めヘッドアセンブリ(20)に対して遠位側に延在する、トロカール又は先の尖ったロッド(38)に選択的に連結可能である。
図2A〜
図2Cを参照すると、アンビル(40)は、アンビル(40)の近位軸(42)をトロカール(38)の遠位先端に連結することによって、選択的に連結可能である。アンビル(40)は、全体的に円形のアンビルヘッド(48)と、アンビルヘッド(48)から近位側に延在する近位軸(42)とを備える。図示される実施例では、近位軸(42)は、アンビル(40)をトロカール(38)に選択的に連結する、弾性的に付勢される保定クリップ(46)を有する管状部材(44)を備えるが、これは単に任意のものであり、アンビル(40)をトロカール(38)に連結する他の保定機構が同様に使用されてもよいことが理解されるべきである。例えば、C型クリップ、クランプ、ねじ切り、ピン、接着剤などが、アンビル(40)をトロカール(38)に連結するのに用いられてもよい。それに加えて、アンビル(40)はトロカール(38)に選択的に連結可能なものとして記載されているが、いくつかの型においては、近位軸(42)は、アンビル(40)が一旦取り付けられるとアンビル(40)をトロカール(38)から除去できないような、一方向の連結機構を含んでもよい。単に例示の一方向特徴部は、かかり、一方向スナップ、コレット、カラー、留め金、バンドなどを含む。勿論、アンビル(40)をトロカール(38)に結合するための更に他の構成は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。例えば、トロカール(38)は、代わりに中空軸であってもよく、近位軸(42)は、中空軸に挿入可能な尖らせたロッドを備えてもよい。
【0011】
本実施例のアンビルヘッド(48)は、アンビルヘッド(48)の近位面(50)に形成された複数のステープル形成ポケット(52)を備える。結果的に、
図2Cに示されるように、アンビル(40)が閉位置にあり、ステープル(66)がステープル留めヘッドアセンブリ(20)から送り出されてステープル形成ポケット(52)に送り込まれると、ステープル(66)の脚部(68)が曲げられて、完成したステープルが形成される。
【0012】
アンビル(40)を別個の構成要素として、アンビル(40)は、ステープル留めヘッドアセンブリ(20)に連結されるのに先立って、組織(2)の一部分に挿入され固定されてもよいことが理解されるべきである。単なる一例として、アンビル(40)は、組織(2)の第1の管状部分に挿入され固定されてもよく、器具(10)は、組織(2)の第2の管状部分に挿入され固定されてもよい。例えば、組織(2)の第1の管状部分は、アンビル(40)の一部分又はその周りに縫合されてもよく、組織(2)の第2の管状部分は、トロカール(38)又はその周りに縫合されてもよい。
【0013】
図2Aに示されるように、アンビル(40)は次にトロカール(38)に連結される。本実施例のトロカール(38)は、最遠位の作動位置で示される。かかるトロカール(38)の伸長位置は、アンビル(40)の取付けに先立って組織(2)が連結されてもよい、より広い面積を提供してもよい。それに加えて、トロカール(38)の伸長位置はまた、トロカール(38)に対するアンビル(40)の取付けをより簡単にしてもよい。トロカール(38)は先細の遠位先端を更に含む。かかる先端は、組織を穿孔し、かつ/又はトロカール(38)上へのアンビル(40)の挿入を支援することが可能であってもよいが、先細の遠位先端は単に任意のものである。例えば、他の型においては、トロカール(38)は鈍端部を有してもよい。それに加えて、又はその代わりに、トロカール(38)は、アンビル(40)をトロカール(38)に向かって引き付けてもよい、磁性部分(図示なし)を含んでもよい。当然ながら、アンビル(40)及びトロカール(38)の更なる別の構成及び配置は、本明細書の教示を考慮して当業者には明白となるであろう。
【0014】
アンビル(40)がトロカール(38)に連結される際、アンビル(40)の近位面とステープル留めヘッドアセンブリ(20)の遠位面との間の距離によって、間隙距離dが規定される。本実施例のトロカール(38)は、より詳細に後述するように、アクチュエータハンドルアセンブリ(70)の近位端に位置する調節ノブ(98)を介して、ステープル留めヘッドアセンブリ(20)に対して長手方向で並進可能である。結果的に、アンビル(40)がトロカール(38)に連結されると、ステープル留めヘッドアセンブリ(20)に対してアンビル(40)を作動させることにより、調節ノブ(98)の回転によって間隙距離dが拡大又は縮小する。例えば、
図2A〜
図2Bに連続的に示されるように、アンビル(40)は、アクチュエータハンドルアセンブリ(70)に対して初期の開位置から閉位置へと近位側に作動して示されており、それによって間隙距離dが縮小し、組織(2)の2つの一部分の間の距離が接合される。一旦間隙距離dが所定の範囲内になると、
図2Cに示されるように、ステープル留めヘッドアセンブリ(20)が発射されて、アンビル(40)とステープル留めヘッドアセンブリ(20)との間の組織(2)をステープル留めし、切断してもよい。ステープル留めヘッドアセンブリ(20)は、より詳細に後述するように、ユーザがアクチュエータハンドルアセンブリ(70)のトリガ(74)を枢動させることによって、組織(2)をステープル留めし切断するように動作可能である。一部の他の型では、ステープル留めヘッドアセンブリ(20)は、モーターによって作動されるか、又は別の方法で動かされる。
【0015】
上述したように、間隙距離dは、アンビル(40)とステープル留めヘッドアセンブリ(20)との間の距離に相当する。器具(10)が患者に挿入されると、この間隙距離dは簡単に視認できないことがある。結果的に、
図5〜
図6に示される可動のインジケータバー(110)が、トリガ(74)の反対側に位置付けられたインジケータ窓(120)を通して視認できるように設けられる。インジケータバー(110)は、インジケータバー(110)の位置が間隙距離dを表すように、調節ノブ(98)の回転に反応して移動するように動作可能である。
図6に示されるように、インジケータ窓(120)は、アンビルの間隙が所望の動作範囲(例えば、緑色の範囲もしくは「グリーンゾーン(green zone)」)内にあることを示す目盛(130)と、目盛り(130)の各端部にあるそれに対応するステープル圧縮表示とを更に備える。単なる一例として、
図6に示されるように、第1のステープル画像(132)は大きなステープル高さを描写し、第2のステープル画像(134)は小さなステープル高さを描写する。結果的に、ユーザは、インジケータバー(110)及び目盛(130)を介して、ステープル留めヘッドアセンブリ(20)に対する連結されたアンビル(40)の位置を視認することができる。ユーザは、次に、調節ノブ(98)を介してアンビル(40)の位置決めを適宜調節してもよい。
【0016】
再び
図2A〜
図2Cを参照すると、ユーザは、アンビルヘッド(48)がステープル留めされる組織(2)の一部分内に位置するようにして、組織(2)の一部分を管状部材(44)の周りで縫合する。組織(2)がアンビル(40)に取り付けられると、保定クリップ(46)及び管状部材(44)の一部分が組織(2)から突出するので、ユーザはアンビル(40)をトロカール(38)に連結してもよい。組織(2)がトロカール(38)及び/又はステープル留めヘッドアセンブリ(20)の別の一部分に連結された状態で、ユーザは、アンビル(40)をトロカール(38)に取り付け、アンビル(40)をステープル留めヘッドアセンブリ(20)に向かって近位側に作動させて、間隙距離dを縮小させる。一旦器具(10)が動作範囲内になると、ユーザは次に、組織(2)の端部を互いにステープル留めし、それによって組織(2)の実質的に連続した管状部分が形成される。
【0017】
アンビル(40)は、更に、参照により開示が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,205,459号、米国特許第5,271,544号、米国特許第5,275,322号、米国特許第5,285,945号、米国特許第5,292,053号、米国特許第5,333,773号、米国特許第5,350,104号、米国特許第5,533,661号の教示の少なくとも一部にしたがって、及び/又は、本明細書の教示を考慮して当業者には明白となるであろう他の構成にしたがって構築されてもよい。
【0018】
B.代表的なステープル留めヘッドアセンブリ
本実施例のステープル留めヘッドアセンブリ(20)は、軸アセンブリ(60)の遠位端に連結され、スライド可能なステープルドライバ(24)を収納する管状ケーシング(22)と、ステープルポケット(32)内に収容された複数のステープル(66)とを備える。ステープル(66)及びステープルポケット(32)は、管状ケーシング(22)の周りの円形アレイ内に配設される。本実施例では、ステープル(66)及びステープルポケット(32)は、ステープル(66)及びステープルポケット(32)の同心の環状列の対の形で配設される。ステープルドライバ(24)は、アクチュエータハンドルアセンブリ(70)のトリガ(74)の回転に反応して、管状ケーシング(22)内で長手方向で作動するように動作可能である。
図2A〜
図2Cに示されるように、ステープルドライバ(24)は、トロカール開口部(26)と、中央凹部(28)と、中央凹部(28)の周りに円周方向で配設されると共に、軸アセンブリ(60)に対して遠位側に延在する複数の部材(30)とを有する、フレア形状の円筒状部材を備える。各部材(30)は、複数のステープル(66)のうち対応するステープル(66)に接触し、それをステープルポケット(32)内で係合するように構成される。結果的に、ステープルドライバ(24)をアクチュエータハンドルアセンブリ(70)に対して遠位側に作動させると、各部材(30)が、管状ケーシング(22)の遠位端に形成されたステープルアパーチャ(34)を通して、対応するステープル(66)をそのステープルポケット(32)から送り出す。各部材(30)はステープルドライバ(24)から延在するので、複数のステープル(66)は、ほぼ同時にステープル留めヘッドアセンブリ(20)から送り出される。アンビル(40)が閉位置にあるとき、ステープル(66)はステープル形成ポケット(52)に送り込まれてステープル(66)の脚部(68)が曲がり、それによってアンビル(40)とステープル留めヘッドアセンブリ(20)との間に位置する物質をステープル留めする。
図3は、部材(30)によってアンビル(40)のステープル形成ポケット(32)に送り込まれて脚部(68)を曲げる、1つの単なる代表的なステープル(66)を示す。
【0019】
ステープルドライバ(24)は、トロカール開口部(26)と同軸であってステープルポケット(32)から差し込まれる、円筒状のナイフ(36)を更に含む。本実施例では、円筒状のナイフ(36)は中央凹部(28)内に配設されて、ステープルドライバ(24)と共に遠位側に並進する。アンビル(40)がトロカール(38)に固定されると、上記したように、アンビルヘッド(48)が表面を提供し、それに接して円筒状のナイフ(36)が、アンビル(40)とステープル留めヘッドアセンブリ(20)との間に収容された物質を切り離す。いくつかの型においては、アンビルヘッド(48)は、(例えば、協働する剪断縁部を提供することによって)物質を切り離すのを支援するため、円筒状のナイフ(36)のための凹部(図示なし)を含んでもよい。それに加えて、又はその代わりに、アンビルヘッド(48)は、鋏式の切断作用が提供されてもよいように、円筒状のナイフ(36)から片寄った1つ以上の向かい合った円筒状のナイフ(図示なし)を含んでもよい。更なる他の構成が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。ステープル留めヘッドアセンブリ(20)は、したがって、アクチュエータハンドルアセンブリ(70)による作動に反応して、組織(2)のステープル留め及び切断の両方をほぼ同時に行うように動作可能である。
【0020】
当然ながら、ステープル留めヘッドアセンブリ(20)は、更に、参照により開示が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,205,459号、米国特許第5,271,544号、米国特許第5,275,322号、米国特許第5,285,945号、米国特許第5,292,053号、米国特許第5,333,773号、米国特許第5,350,104号、米国特許第5,533,661号の教示の少なくとも一部にしたがって、及び/又は、本明細書の教示を考慮して当業者には明白となるであろう他の構成にしたがって構築されてもよい。
【0021】
上記したように、ステープルドライバ(24)はトロカール開口部(26)を含む。トロカール開口部(26)は、トロカール(38)がステープル留めヘッドアセンブリ(20)及び/又は軸アセンブリ(60)に対して長手方向でスライドできるように構成される。
図2A〜
図2Cに示されるように、トロカール(38)は、アクチュエータハンドルアセンブリ(70)を参照してより詳細に後述するように、回転ノブ(98)の回転によってトロカール(38)を長手方向で作動させることができるようにして、トロカールアクチュエータ(39)に連結される。本実施例では、トロカールアクチュエータ(39)は、トロカール(38)に連結される細長く比較的剛性の軸を備えるが、これは単に任意のものである。いくつかの型においては、アクチュエータ(39)は、器具(10)の一部分が使用中に選択的に曲げられるか又は湾曲されてもよいように横方向の曲げが可能な、長手方向で剛性の材料を備えてもよく、あるいは、器具(10)は事前設定された曲げ軸アセンブリ(60)を含んでもよい。1つの単なる代表的な材料はニチノールである。アンビル(40)がトロカール(38)に連結されると、トロカール(38)及びアンビル(40)は、アンビル(40)とステープル留めヘッドアセンブリ(20)との間の間隙距離dを調節するため、アクチュエータ(39)を介して並進可能である。トロカール(38)を長手方向で作動させるアクチュエータ(39)の更なる別の構成は、本明細書の教示を考慮して当業者には明白となるであろう。
【0022】
C.例示のシャフト組立体
ステープル留めヘッドアセンブリ(20)及びトロカール(38)は、
図2A〜
図2Cに示されるように、軸アセンブリ(60)の遠位端に位置付けられる。本実施例の軸アセンブリ(60)は、外側管状部材(62)及びドライバアクチュエータ(64)を備える。外側管状部材(62)は、ステープル留めヘッドアセンブリ(20)の管状ケーシング(22)に、かつアクチュエータハンドルアセンブリ(70)の本体(72)に連結され、それによって中の作動構成要素の機械的接地がもたらされる。ドライバアクチュエータ(64)の近位端は、後述するアクチュエータハンドルアセンブリ(70)のトリガ作動アセンブリ(84)に連結される。ドライバアクチュエータ(64)の遠位端は、トリガ(74)の回転によってステープルドライバ(24)を長手方向で作動させるように、ステープルドライバ(24)に連結される。
図2A〜
図2Cに示されるように、ドライバアクチュエータ(64)は、トロカール(38)に連結されたアクチュエータ(39)がドライバアクチュエータ(64)内でそれに対して長手方向で作動してもよいように、開いた長手方向軸線を有する管状部材を備える。当然ながら、本明細書の教示を考慮して当業者には明白となるように、他の構成要素がドライバアクチュエータ(64)内に配設されてもよいことが理解されるべきである。
【0023】
軸アセンブリ(60)は、更に、参照により開示が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,205,459号、米国特許第5,271,544号、米国特許第5,275,322号、米国特許第5,285,945号、米国特許第5,292,053号、米国特許第5,333,773号、米国特許第5,350,104号、米国特許第5,533,661号の教示の少なくとも一部にしたがって、及び/又は、本明細書の教示を考慮して当業者には明白となるであろう他の構成にしたがって構築されてもよい。
【0024】
D.代表的なアクチュエータハンドルアセンブリ
次に
図4A〜
図5を参照すると、アクチュエータハンドルアセンブリ(70)は、本体(72)、トリガ(74)、ロックアウト機構(82)、トリガ作動アセンブリ(84)、及びトロカール作動アセンブリ(90)を備える。本実施例のトリガ(74)は、本体(72)に枢動可能に装着され、トリガ(74)を発射されてない位置(
図4Aに示される)から発射した位置(
図4Bに示される)へと回転させることによって、上記のドライバアクチュエータ(64)を作動させるように、トリガ作動アセンブリ(84)に連結される。ばね(78)は、本体(72)及びトリガ(74)に連結されて、トリガ(74)を発射されてない位置に向かって付勢する。ロックアウト機構(82)は、本体(72)に連結される枢動可能な部材である。第1のロック位置では、ロックアウト機構(82)は、ロックアウト機構(82)がトリガ(74)を係合し、ユーザによるトリガ(74)の作動に機械的に抵抗するように、上方へと本体(72)から離れる方向に枢動される。
図1及び
図4Bに示されるような、第2のロック解除位置では、ロックアウト機構(82)は、トリガ(74)をユーザによって作動させてもよいように、下方へと枢動される。結果的に、ロックアウト機構(82)が第2の位置にあると、トリガ(74)はトリガ作動アセンブリ(84)を係合して、器具(10)を発射することができる。
【0025】
図4A〜
図4Bに示されるように、本実施例のトリガ作動アセンブリ(84)は、ドライバアクチュエータ(64)の近位端と係合されたスライド可能なトリガキャリッジ(86)を備える。キャリッジ(86)は、キャリッジ(86)の近位端上に、トリガ(74)から延在する一対のトリガアーム(76)を保定し係合する一連のタブ(88)を含む。結果的に、トリガ(74)を枢動させると、キャリッジ(86)が長手方向で作動し、長手方向の運動をドライバアクチュエータ(64)に伝達する。図示される実施例では、キャリッジ(86)はドライバアクチュエータ(64)の近位端に固定的に連結されるが、これは単なる任意のものである。実際には、1つの単なる代表的な代替例では、キャリッジ(86)は単に、遠位側のばね(図示なし)がドライバアクチュエータ(64)を、アクチュエータハンドルアセンブリ(70)に対して近位側に付勢している状態で、ドライバアクチュエータ(64)に当接してもよい。
【0026】
トリガ作動アセンブリ(84)は、更に、参照により開示が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,205,459号、米国特許第5,271,544号、米国特許第5,275,322号、米国特許第5,285,945号、米国特許第5,292,053号、米国特許第5,333,773号、米国特許第5,350,104号、米国特許第5,533,661号の教示の少なくとも一部にしたがって、及び/又は、本明細書の教示を考慮して当業者には明白となるであろう他の構成にしたがって構築されてもよい。
【0027】
本体(72)はまた、調節ノブ(98)の回転に反応してトロカール(38)を長手方向で作動させるように構成された、トロカール作動アセンブリ(90)を収納する。
図4A〜
図5に最も良く示されるように、本実施例のトロカール作動アセンブリ(90)は、調節ノブ(98)、溝付きシャンク(94)、及びスリーブ(92)を備える。本実施例の溝付きシャンク(94)は、トロカールアクチュエータ(39)の遠位端に位置するが、溝付きシャンク(94)及びトロカールアクチュエータ(39)は、その代わりに、係合して長手方向移動を伝達する別個の構成要素であってもよいことが理解されるべきである。調節ノブ(98)は、本体(72)の近位端によって回転可能に支持され、内部タブ(図示なし)を介して溝付きシャンク(94)と係合されたスリーブ(92)を回転させるように動作可能である。本実施例の溝付きシャンク(94)は、溝付きシャンク(94)の外表面に形成された連続的な溝(96)を備える。結果的に、調節ノブ(98)を回転させると、内部タブが溝(96)内で浮かび、溝付きシャンク(94)がスリーブ(92)に対して長手方向で作動する。溝付きシャンク(94)はトロカールアクチュエータ(39)の遠位端に位置するので、調節ノブ(98)を第1の方向で回転させることによって、トロカールアクチュエータ(39)がアクチュエータハンドルアセンブリ(70)に対して遠位側に前進する。結果的に、アンビル(40)とステープル留めヘッドアセンブリ(20)との間の間隙距離dが増加する。調節ノブ(98)を反対の方向に回転させることによって、トロカールアクチュエータ(39)がアクチュエータハンドルアセンブリ(70)に対して近位側に作動して、アンビル(40)とステープル留めヘッドアセンブリ(20)との間の間隙距離dが減少する。したがって、トロカール作動アセンブリ(90)は、調節ノブ(98)の回転に反応してトロカール(38)を作動させるように動作可能である。当然ながら、トロカール作動アセンブリ(90)の他の構成は、本明細書の教示を考慮して当業者には明白となるであろう。
【0028】
本実施例の溝(96)は、軸線方向距離当たりの溝のピッチ又は数が様々である、複数の異なる部分(96A、96B、96C)を備える。本例の溝(96)は、遠位部分(96A)、中間部分(96B)、及び近位部分(96C)に分割される。
図5に示されるように、遠位部分(96A)は、溝付きシャンク(94)の短い軸線距離にわたって微細なピッチ又は多数の溝を備えるので、短い軸線距離を横断するのに調節ノブ(98)を多数回回転させることを要する。中間部分(96B)は、軸線距離当たりの溝のピッチが比較的まばらであるか、又は溝の数がより少ない区画を備えるので、長い軸線距離を横断するのに要する回転数が比較的少ない。結果的に、間隙距離dは、調節ノブ(98)の比較的少数回の回転によって迅速に減少してもよい。本実施例の近位部分(96C)は、遠位部分(96A)に実質的に類似しており、溝付きシャンク(94)の短い軸線距離にわたって微細なピッチ又は多数の溝を備えるので、短い軸線距離を横断するのに多数回の回転を要する。本実施例の近位部分(96C)は、より詳細に後述するように、アンビル(40)がステープル留めヘッドアセンブリ(20)の実質的に近くにあるとき、スリーブ(92)内に位置付けられるので、インジケータバー(110)は目盛(130)に沿ってインジケータ窓(120)内で移動して、アンビル間隙が所望の動作範囲内にあることを示唆する。結果的に、タブが溝(96)の近位部分(96C)内にあるとき、調節ノブ(98)を一回転させる毎に間隙距離dが少量減少して、微細な調整が提供されてもよい。
【0029】
トロカール作動アセンブリ(90)は、更に、参照により開示が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,205,459号、米国特許第5,271,544号、米国特許第5,275,322号、米国特許第5,285,945号、米国特許第5,292,053号、米国特許第5,333,773号、米国特許第5,350,104号、米国特許第5,533,661号の教示の少なくとも一部にしたがって、及び/又は、本明細書の教示を考慮して当業者には明白となるであろう他の構成にしたがって構築されてもよい。
【0030】
図4A〜
図4Bに示される実施例では、U字型のクリップ(100)が、溝付きシャンク(94)の遠位側に位置するトロカールアクチュエータ(39)の中間部分に取り付けられる。本実施例では、トロカールアクチュエータ(39)の伸長は、ハンドルアセンブリ(70)の筐体の中のスロットを係合し、それにより、調整ノブ(98)が回転するとき、トロカールアクチュエータ(39)がその軸の周りを回転することを防止する。一部の他の変形例では、U字型のクリップ(100)は、本体(72)の一部分と係合することにより、調整ノブ(98)が回転するときにトロカールアクチュエータ(39)がその軸の周りを回転することを実質的に防止する。本実施例のU字型のクリップ(100)は、取付部材、例えばネジ、ボルト、ピン、クリップなどを受容するために、その対向面のそれぞれの細長いスロット(102)を更に含むことにより、スケール(130)に対してインジケータバー(110)を較正するために、トロカールアクチュエータ(39)に対するU字型のクリップ(100)の細長いスロット(102)の縦方向位置を選択的に調整する。
【0031】
図5に示されるように、アクチュエータハンドルアセンブリ(70)は、インジケータ(104)を係合し枢動させるように構成されたインジケータブラケット(140)を更に含む。本実施例のインジケータブラケット(140)は、本体(72)に形成された一対のスロットに沿って、本体(72)に対してスライド可能である。インジケータブラケット(140)は、長方形のプレート(144)、インジケータアーム(146)、及び角度付きのフランジ(142)を備える。角度付きのフランジ(142)は、長方形のプレート(144)の近位端に形成され、トロカールアクチュエータ(39)及び/又は溝付きシャンク(94)上にスライド可能に装着するためのアパーチャ(図示なし)を含む。コイルばね(150)は、フランジ(142)をU字型のクリップ(100)に対して付勢するため、フランジ(142)とボス(152)との間に挟み込まれる。結果的に、U字型のクリップ(100)がトロカールアクチュエータ(39)及び/又は溝付きシャンク(94)によって遠位側に作動すると、コイルばね(150)はインジケータブラケット(140)を付勢して、U字型のクリップ(100)と共に遠位側へと移動させる。それに加えて、トロカールアクチュエータ(39)及び/又は溝付きシャンク(94)が近位側に並進すると、U字型のクリップ(100)は、インジケータブラケット(140)をボス(152)に対して近位側に付勢し、それによってコイルばね(150)が圧縮される。当然ながら、いくつかの型においては、インジケータブラケット(140)は、トロカールアクチュエータ(39)及び/又は溝付きシャンク(94)に固定的に取り付けられてもよいことが理解されるべきである。
【0032】
本実施例では、インジケータブラケット(140)が、アンビル間隙が所望の動作範囲(例えば、緑色の領域又は「グリーンゾーン」)内にあるときに相当しない長手方向位置にあるとき、ロックアウト機構(82)の一部分がインジケータブラケット(140)の表面(141)に当接する。アンビル間隙が所望の動作範囲(例えば、緑色の領域又は「グリーンゾーン」)内にあるとき、インジケータブラケット(140)が狭窄して、インジケータアーム(146)のどちらかの側に一対の間隙(145)がもたらされて、ロックアウト機構(82)が枢動することが可能になり、それによってトリガ(74)が解放される。結果的に、ロックアウト機構(82)及びインジケータブラケット(140)は、アンビル(40)が所定の動作範囲内になるまで、ユーザがトリガ(74)を解放し操作するのを実質的に防ぐことができる。当然ながら、いくつかの型においては、ロックアウト機構(82)は全体的に省略されてもよいことが理解されるべきである。
【0033】
この動作範囲は、簡潔に上記した、目盛(130)に対して示されるインジケータ(104)のインジケータバー(110)を介して、ユーザに視覚的に通信されてもよい。インジケータブラケット(140)の遠位端には、インジケータ(104)の移動を制御するため、横方向に突出する指(148)で終端する、遠位側に突出するインジケータアーム(146)がある。
図5に最も良く示される、インジケータアーム(146)及び指(148)は、インジケータブラケット(140)を長手方向で作動させると、インジケータ(104)が枢動されるようにして、インジケータ(104)のタブ(106)を係合するように構成される。本実施例では、インジケータ(104)は、インジケータ(104)の第1の端部で本体(72)に枢動可能に連結されるが、これは単に任意のものであり、インジケータ(104)の他の枢動点が、本明細書の教示を考慮して当業者には明白となるであろう。インジケータバー(110)は、インジケータブラケット(140)の作動に反応してインジケータバー(110)が移動するように、インジケータ(104)の第2の端部に位置付けられる。結果的に、上記したように、インジケータバー(110)は、アンビル(40)とステープル留めヘッドアセンブリ(20)との間の相対間隙距離dを示すため、目盛(130)(
図6に示される)に対してインジケータ窓(120)を通して表示される。
【0034】
当然ながら、インジケータブラケット(140)、インジケータ(104)、及び/又はアクチュエータハンドルアセンブリ(70)は、更に、参照により開示が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,205,459号、米国特許第5,271,544号、米国特許第5,275,322号、米国特許第5,285,945号、米国特許第5,292,053号、米国特許第5,333,773号、米国特許第5,350,104号、米国特許第5,533,661号の教示の少なくとも一部にしたがって、及び/又は、本明細書の教示を考慮して当業者には明白となるであろう他の構成にしたがって構築されてもよい。
【0035】
II.代表的な経口円形アンビル導入システム
上記したように、アンビル(40)は、アンビル(40)がステープル留めヘッドアセンブリ(20)に連結される前に、組織(2)の一部分に挿入されて固定され得るように、別個の構成要素として提供されてもよい。例えば、患者の胃腸管内での処置(例えば、食道切除)に対して、経口でアンビル(40)を導入することが望ましくあり得る。
図7は、食道切除後に、切断された食道区間(2、4)を連結するための吻合処置の初期段階を示す。アンビル(40)は、内視鏡(6)を使用して食道を通して経口で挿入され、食道の第一の切断区間(2)内に設置される。器具(10)は、胃を通して挿入され、食道の第二の切断区間(4)内に設置される。アンビル(40)は、次に、器具(10)のトロカール(38)に連結されて、食道の切断区間(2、4)を吻合でステープル留め及び密閉する。アンビル(40)は、また、本明細書の教示を考慮すれば当業者にとって明らかであろうように、吻合を実行するために胃腸管の他の身体の管腔又は領域内に挿入されてもよい。アンビル(40)の不適切な導入は、食道を刺激し得るので、アンビル(40)を身体管腔を通して滑らかに挿入するために経口円形アンビル導入システムを提供することが望ましい場合がある。アンビル導入システムは、挿入中に、たとえ挿入中にアンビル(40)全体ではなくとも、少なくともアンビル(40)の近位側を覆うための拡大特徴を備えてもよく、又は、システムが、アンビル(40)の近位側が組織から離れる方を向くようにアンビル(40)を逆さまに挿入するためのアンビル把持特徴を備えてもよい。そのような特徴の様々な実施例が以下において更に詳しく記述されるが、一方、他の実施例は、本明細書の教示を考慮すれば当業者にとって明らかであろう。
【0036】
A.代表的な拡大特徴
アンビル導入システムは、挿入中に、アンビル(40)の近位側を覆うように膨張又は伸長するアンビル拡大特徴を備えてもよい。かかる拡大特徴は、アンビル(40)が所望の吻合部位に到達するように食道を通して移送されるとき、アンビル(40)の近位側の外側周辺縁が食道の内壁に沿って引きずられることを防止し得る。そのような特徴の様々な実施例が以下において更に詳しく記述されるが、一方、他の実施例は、本明細書の教示を考慮すれば当業者にとって明らかであろう。
【0037】
1.代表的な膨張可能特徴
代表的な経口円形アンビル導入システム(200)が
図8〜
図10に示される。本実施例のアンビル導入システム(200)は、膨張可能ブラダー(210)のような拡大特徴を備え、この拡大特徴は、生来の身体管腔(例えば、食道)を通るアンビル(240)の導入中に、アンビル(240)の任意の鋭い縁を覆うためにアンビル(240)の周りで拡張可能である。例えば、
図8に示されるように、アンビル導入システム(200)は、アンビル(240)と、膨張可能ブラダー(210)と、可撓性チューブ(222)と、を備える。アンビル(240)は、上述のアンビル(40)と類似している。アンビル(240)は、アンビル(240)の近位面(250)において整列されたステープルポケット(252)を備える。アンビル(240)は、また、近位に延在するシャフト(244)を備える。シャフト(244)は、膨張可能ブラダー(210)に連結されている。膨張可能ブラダー(210)は、
図9Bに示されるように、シャフト(244)の周りを巻き、ステープルポケット(252)及びアンビル(240)の近位面(250)の縁を覆うように膨張する可撓性膜を備える。膨張状態において、ブラダー(210)は、アンビル(240)からテーパー形状を画定する。アパーチャ(211)がシャフト(244)に提供され、空気、塩類溶液、又は他の流体がシャフト(244)を通過してブラダー(210)を膨張させることを可能にする。管状部材(212)は、ブラダー(210)から延在することにより、ブラダー(210)を可撓性チューブ(222)に選択的に連結する。シャフト(244)は、アンビル(40)の近位シャフト(42)に類似していることにより、一旦アンビル(240)がステープル留めのために設置されると、シャフト(244)がトロカール(38)と連結するように構成される。
【0038】
可撓性チューブ(222)は、スナップ特徴(220)と、膨張チューブ(224)と、を備える。スナップ特徴(220)は、可撓性チューブ(222)の遠位端から延在している。スナップ特徴(220)は、
図9Aに示されるように、管状部材(212)よりも小さい直径を備えることにより、スナップ特徴(220)は、管状部材(212)の中に滑り込むか、又はきちんと嵌って、可撓性チューブ(222)を管状部材(212)に連結する。スナップ特徴(220)は、また、管状部材(212)よりも大きい直径を有することにより、スナップ特徴(220)は、管状部材(212)の周りをスライドし得る。スナップ特徴(220)は、また、管状部材(212)に縫合され得る。可撓性チューブ(222)を管状部材(212)に連結する他の好適な方法は、本明細書の教示に基づけば当業者にとって明らかであろう。膨張チューブ(224)は、可撓性チューブ(222)の内部に設置される。膨張チューブは、ブラダー(210)の中に流体を注入して、ブラダー(210)を膨張させるために用いられ得る。しかしながら、膨張チューブ(224)は、単に選択的であるにすぎず、可撓性チューブ(222)がブラダー(210)の中に流体を注入するために用いられてもよい。可撓性チューブ(222)は、従来のNG(経鼻胃)チューブ又は任意の他の好適な構造を備えていてもよい。
【0039】
図9Aに示されるように、スナップ特徴(200)は、可撓性チューブ(222)を管状部材(212)に連結するために、管状部材(212)に挿入される。一旦連結されると、膨張チューブ(224)は、
図9Bに示されるように、ブラダー(210)を膨張させるために流体をブラダー(210)の中に導入する。ブラダー(210)が膨張させられるとともに、ブラダー(210)は、ステープルポケット(252)を覆う。ブラダー(210)は、また、アンビル(240)を越えて伸長することにより、環状の突出部(214)を形成して、アンビル(240)の近位面(250)の縁を覆う。
図10に示されるように、膨張状態において、可撓性チューブ(222)は、アンビル(240)を生来の身体管腔(例えば、食道)を通して円滑に引くために使用される。一旦アンビル(240)がアンビル導入システム(200)によって設置されると、ブラダー(210)は、流体を膨張チューブ(224)を戻る方向に通過させることによって収縮させられる。可撓性チューブ(222)は、次に、アンビル(240)から除去され、アンビル(240)は、動作のために円形外科用ステープル留め器具(10)のトロカール(38)に連結される。
【0040】
2.代表的な拡張可能メッシュ特徴
拡大特徴を備えている別の代表的な経口円形アンビル導入システム(300)が、
図11〜
図17Bに示される。アンビル導入システム(300)は、アンビル(340)と、可撓性チューブ(322)と、スライド特徴(360)と、拡大特徴(361)と、を備える。アンビル(340)は、上述のアンビル(40)と類似している。アンビル(340)は、
図15に示されるように、アンビル(340)の近位面(350)に整列されたステープルポケット(352)を備える。アンビル(340)は、また、アンビル(340)の近位面(350)から延在するシャフト(344)を備える。シャフト(344)がアンビル(40)の近位シャフト(42)と類似していることにより、一旦アンビル(340)がステープル留めのために設置されると、シャフト(344)はトロカール(38)と連結するように構成される。アンビル(340)がステープル留めの位置に移動させられるとき、シャフト(344)は可撓性チューブ(322)に連結される。シャフト(344)が可撓性チューブ(322)よりも小さい直径を備えることにより、シャフト(344)は、可撓性チューブ(322)をアンビル(340)に連結するために可撓性チューブ(322)の中にスライドする。シャフト(344)は、また、可撓性チューブ(322)よりも大きい直径を有することにより、シャフト(344)は、可撓性チューブ(322)の周りをスライドし得る。シャフト(344)は、また、シャフト(344)と可撓性チューブ(322)との対応するアパーチャ(312、320)を通して、可撓性チューブ(322)に縫合されてもよい。可撓性チューブ(322)をシャフト(344)に連結する他の好適な方法は、本明細書の教示に基づけば当業者にとって明らかであろう。可撓性チューブ(322)は、従来のNG(経鼻胃)チューブ又は任意の他の好適な構造を備えていてもよい。
【0041】
スライド特徴(360)は、可撓性チューブ(322)に連結される。スライド特徴(360)は、
図11に示されるように、スライドカラー(368)と、接続部材(367)と、カムカラー(366)と、を備える。スライドカラー(368)が可撓性チューブ(322)の周りを巻くことにより、スライドカラー(368)は、可撓性チューブ(322)に沿って近位及び/又は遠位にスライドする。カムカラー(366)がスライドカラー(368)の遠位に設置され、カムカラー(366)が可撓性チューブ(322)の周りを巻くことにより、カムカラー(366)は、可撓性チューブ(322)に沿って近位及び/又は遠位にスライドする。カムカラー(366)は、テーパー状構成を画定する。1つ以上の接続部材(367)は、スライドカラー(368)とカムカラー(366)との間に延在することにより、スライドカラー(368)をカムカラー(366)に接続する。
【0042】
図13〜
図14に示されるように、拡大特徴(361)は、また、可撓性チューブ(322)に連結されている。拡大特徴(361)は、拡張部材(362)と、ワッシャー(363)と、を備える。ワッシャー(363)は、ワッシャー(363)がカムカラー(366)とスライドカラー(368)との間に設置されるように、可撓性チューブ(322)の周りを巻いている。ワッシャー(363)は、スライド特徴(360)が、また、ワッシャー(363)に対してスライドするように、可撓性チューブ(322)に対して固定されている。複数の拡張部材(362)が、ワッシャー(363)からアンビル(340)まで遠位に延在する。拡張部材(362)は、
図11に示されるように、スライドカラー(368)の下側から、カムカラー(366)を越えて延在するように設置される。メッシュ(364)は、拡張部材(362)を覆うように拡大特徴(361)に適用されている。メッシュ(364)は、アンビル(340)からワッシャー(363)までテーパー状に構成されている。メッシュ(364)は、拡張して拡張部材(362)と接触する。本実施例において、メッシュ(364)は、アンビル(340)の上部の底まで延在する。一部の他の変形例では、メッシュ(364)は、アンビル(340)の上部を完全に包囲する。加えて又は代替において、メッシュ(364)は、アンビル(340)のシャフトを完全に包囲してもよい。
【0043】
図15〜
図16に示されるように、可撓性チューブ(322)は、シャフト(344)を介して、折畳み状態の拡大特徴(361)と共に、アンビル(340)に連結されている。拡張部材(362)及び/又はメッシュ(364)は、
図15〜
図16の折畳み構成をとるように弾力状態でバイアスをかけられ得る。折畳み状態において、スライド特徴(360)は、カムカラー(366)がワッシャー(363)の遠位にあるように、遠位位置にある。ユーザは、
図13〜
図14に示されるように、スライド特徴(360)を近位位置まで並進させるためにスライドカラー(368)を把持する。従来の把持装置又は任意の他の装置が、スライドカラー(368)を並進させるために用いられてもよい。スライドカラー(368)が近位に並進するとき、カムカラー(366)も近位に並進してワッシャー(363)を係合する。拡張部材(362)の下側のカムカラー(366)のテーパー状構成は、カムとして作用して、拡張部材(362)を拡張状態にまで外側に押す。拡張状態において、拡張部材(362)は、アンビル(340)の近位面(350)の縁と接触している。メッシュ(364)は、また、拡張部材(362)で拡張する。拡張状態において、拡大特徴(361)は、アンビル(340)の縁及びステープルポケット(352)を覆う。
図17Aに示されるように、アンビル(340)の近位面(350)が拡大特徴(361)によって覆われながら、アンビル(240)は、アンビル導入システム(300)の可撓性チューブ(322)を食道を通して引くことによって、経口で導入される。拡大特徴(362)が拡張位置にあるとき、拡大特徴(362)は、アンビル(340)の縁が食道の内壁に沿って引きずられることを防止する。一旦アンビル(340)が食道内の所望の位置に至ると、可撓性チューブ(322)とアンビルシャフト(344)とを接続している縫合糸(380)は切断される。スライドカラー(368)は、次に、遠位に前進させられて、拡大特徴(361)が折り畳まることを可能にする。
図17Bに示されるように、可撓性チューブ(322)は、次に、アンビル(340)から可撓性チューブ(322)、スライド特徴(360)、及び拡大特徴(361)を除去するために引かれる。アンビル(340)は、次に、動作のために円形外科用ステープル留め器具(10)のトロカール(38)に連結される。
【0044】
B.代表的なアンビル把持特徴
アンビル(40)は、アンビル(40)の近位側が組織から離れる方向を向くように、アンビル(40)を逆さまの状態で食道を通して引くことを容易にするアンビル把持特徴を備えていてもよい。これにより、アンビル(40)が食道を通して引かれるとき、アンビル(40)のテーパー状又は湾曲状の上面が組織を係合することが可能になり得る。可撓性又は剛性のアンビル把持特徴が使用され得る。かかる特徴の様々な実施例が以下において更に詳しく記述されるが、一方、他の実施例は、本明細書の教示を考慮すれば当業者にとって明らかであろう。
【0045】
1.代表的な可撓性把持特徴
図18〜
図19Cは、アンビル把持特徴(448)を備えている代表的なアンビルアセンブリ(400)を示す。把持特徴(448)は、アンビル(440)を、上面(442)が生来の身体管腔(例えば、食道)を通って先導する向きにあるように把持するために使用される。アンビルアセンブリ(400)は、
図18に示されるように、アンビル(440)と、アンビル把持特徴(448)と、アンビルシャフト(444)と、を備える。アンビル(440)は、上述のアンビル(40)と類似している。アンビル(440)は、アンビル(440)の下面(450)にステープルポケット(452)を備える。シャフト(444)は、アンビル(440)の下面(450)から延在している。シャフト(444)は、トロカール(38)に連結可能である。アンビル(440)は、上面(442)が下面(450)よりも小さい直径を備えるようなテーパー状構成を画定する。把持特徴(448)は、アンビル(440)の上面(442)から延在している。把持特徴(448)は、可撓性であってもよい。
図18に示されるように、把持特徴(448)は、丸いタブとして構成される。把持特徴(448)は、また、長く丸い円筒形タブ、又は平坦なフィン形状のタブとして構成されてもよい。他の好適な把持構成は、本明細書の教示を考慮すれば当業者にとって明らかであろう。
【0046】
代表的な使用において、
図19A〜
図19Cに示されるように、アンビル(440)は、先導する上面(442)を食道に経口で通すことによって導入される。アンビル(440)によって画定されたテーパー状構成は、食道を通る円滑な輸送をアンビル(440)に提供する。縫合糸(450)が、アンビル(440)のシャフト(444)の周りに連結される。従来の外科用把持装置(460)は、
図19Aに示されるように、把持エンドエフェクタジョー(462)によって把持特徴(448)をつかむために用いられる。把持装置(460)は、次に、アンビル(440)を意図された吻合部位に経口で導入するために食道を通して引かれる。一旦アンビル(440)が食道内の所望の位置に近づくと、把持装置(460)は、把持特徴(448)を解放する。
図19Bに示されるように、把持装置(460)は、次に、縫合糸(450)をつかんでアンビルシャフト(444)を引き、それにより、アンビル(440)を反転させて、下面(450)をステープル留めされるべき所望の組織(2)と整列させる。アンビル(440)が反転させられた後に、把持装置(460)は、
図19Cに示されるように、アンビル(440)を適所へと引き続ける。縫合糸(350)は、次に、切断され、把持装置(460)は除去される。アンビル(440)は、次に、動作のために円形外科用ステープル留め器具(10)のトロカール(38)に連結される。
【0047】
2.代表的な剛性把持特徴
図20〜
図21Bは、アンビル把持特徴(748)を備えている別の代表的なアンビルアセンブリ(700)を示す。アンビルアセンブリ(700)は、
図20に示されるように、アンビル(740)と、アンビル把持特徴(748)と、を備える。アンビル(740)は、上述のアンビル(40)と類似している。アンビル(740)は、アンビル(740)の下面(750)にステープルポケット(752)を備える。シャフト(746)は、アンビル(740)の上面(742)から延在して、アンビル把持特徴(748)をアンビル(740)に接続している。アンビル把持特徴(748)は、凸面形状の上部を備える。
図21Aに示されるように、開口部(744)が、トロカール(738)を受容するために、アンビル(740)の下面(750)に形成されている。開口部(744)は、内側へと延在する環状突出部(743)を備える。
【0048】
トロカール(738)は、トロカール(38)と類似している。トロカール(738)は、
図21Aに示されるように、尖った遠位端(730)と、カム部分(732)と、シャフト(733)と、拡張部材(736)と、を備える。シャフト(733)の遠位部分は、角度を付けられてカム部分(732)を形成する。尖った遠位端(730)は、カム部分(732)の遠位に設置される。シャフト(733)は、拡張部材(736)を通って延在している。拡張部材(736)は、突出部(743)に対応する内側へと延在する陥凹部(734)を備える。
【0049】
代表的な使用において、アンビル(740)は、先導する上面(742)を生来の身体管腔(例えば、食道)を通すことによって導入される。把持装置は、ジョーによって把持特徴(748)をつかんで、アンビル(740)を経口で食道を通して引くために使用される。アンビル(740)は、下面(750)をステープル留めされるべき組織(2)と整列させるために、反転させられる。一旦アンビル(740)が食道内に設置されると、アンビル(740)は動作のためにトロカール(738)に連結される。特に、トロカール(738)は、
図21Aに示されるように、陥凹部(734)が突出部(743)と整列するまで、アンビル(740)の開口部(744)の中に挿入される。シャフト(733)は、拡張部材(736)を通してシャフト(733)をスライドさせるために近位に引かれる。シャフト(733)が近位に並進するにつれて、
図21Bに示されるように、カム部(732)は、拡張部材(736)を外側に押す。これにより、陥凹部(734)は、突出部(743)を係合させる。拡張部材(736)に対するシャフト(733)の長手方向の位置が固定されることにより、トロカール(738)の陥凹部(734)は、円形外科用ステープル留め器具(10)の動作中、アンビル(740)にトロカール(738)をロックするようにさせる。器具(10)の動作の後に、シャフト(733)は、拡張部材(736)が内側に曲がることを可能にするために、遠位に並進させられ得る。これにより、陥凹部(734)は、突出部(743)から除去されて、トロカール(738)からアンビル(740)のロックを外す。器具(10)及びアンビル(740)は、次に、吻合部位から別々に除去され得る。あるいは、器具(10)は、依然としてアンビル(740)がトロカール(738)に連結された状態のまま、吻合部位から除去されてもよい。
【0050】
C.代表的なアンビル固定特徴
アンビル固定特徴(848)は、上述のようなアンビルを含む様々なアンビルに適用されることにより、アンビル(840)をトロカール(38)に連結している間、組織に対してアンビル(840)を適所に保持し得る。アンビル固定特徴(848)を備えている代表的なアンビルアセンブリ(800)が、
図22A〜
図22Bに示されている。アンビルアセンブリ(800)は、アンビル(840)と、アンビル固定特徴(820)と、を備える。アンビル(840)は、上述のアンビル(40)と類似している。アンビル(840)は、アンビル(840)の下面(850)にステープルポケット(852)を備える。シャフト(844)は、アンビル(840)の下面(850)から延在している。アンビル固定特徴(848)は、シャフト(844)に固定的に連結されている。アンビル把持特徴(848)は、
図22Aに示されるように、カラー(822)と、カラー(822)から延在するフランジ(820)と、を備える。カラー(822)は、シャフト(844)の周りを巻くように構成されることにより、アンビル固定特徴(848)をアンビル(840)に連結する。開口部(824)が、縫合糸が開口部(824)を通過し得るようにフランジ(820)の中に形成される。あるいは、フランジ(820)は、針(832)がフランジ(820)の任意の所望の場所においてフランジ(820)を突き通すことを可能にするために、順応性がある材料で形成されてもよい。
【0051】
一旦アンビル(840)が上述の特徴のうちの任意のものを使用して、食道を通して内部に設置されると、アンビル固定特徴(848)は、把持装置がアンビル(840)から除去された後に、組織に対してアンビル(840)を保持することを可能にする。
図22A〜
図22Bに示されるように、組織(2)は、巾着構成で縫合される。縫合糸(830)は、次に、針(832)によってアンビル固定特徴(848)の開口部(824)を通過する。ループが、縫合糸(830)を用いて、フランジ(820)の周囲の開口部(824)を通って形成される。縫合糸(830)は、組織(2)及びフランジ(820)の周囲に引かれ、アンビル(840)は、縫合糸(830)によって適所に保持される。アンビル(840)が組織(2)に固定された状態で、アンビル(840)がトロカール(38)に連結されると、アンビル(840)は適所に保持される。アンビル(840)を維持する他の好適な縫合方法は、本明細書の教示を考慮すれば当業者にとって明らかであろう。
【0052】
III.その他
本明細書で述べる教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上は、本明細書で述べるその他の教示、表現、実施形態、実施例などのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができることを理解されたい。上述した教示、表現、実施形態、実施例などはしたがって、互いに対して分離して考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせ得る種々の適切な方法が、本明細書の教示を考慮することで、当業者には容易に明らかになるであろう。こうした変更形態及び変形形態は、特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【0053】
本明細書に参照により援用されると言及されたいかなる特許、刊行物、又は他の開示内容も、その全体又は一部において、援用された内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載された他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に援用されることが認識されるべきである。このように及び必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載されている開示は、参照により本明細書に組み込んだ任意の矛盾する事物に取って代わるものとする。本明細書に参照により援用するものとされているが、既存の定義、見解、又は本明細書に記載された他の開示内容と矛盾するすべての内容、又はそれらの部分は、援用された内容と既存の開示内容との間にあくまで矛盾が生じない範囲でのみ援用するものとする。
【0054】
上述の装置の変形例は、医療専門家によって行われる従来の治療及び処置での用途だけでなく、ロボット支援された治療及び処置での用途も有することができる。ほんの一例として、本明細書の様々な教示は、ロボットによる外科用システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムに容易に組み込まれ得る。同様に、当業者には明らかとなることであるが、本明細書の様々な教示は、参照によってその開示内容が本明細書に組み込まれる、2004年8月31日公開の米国特許第6,783,524号、名称「超音波焼灼及び切断器具を備えたロボット手術用具(Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument)」の様々な教示と容易に組み合わされ得る。
【0055】
上述の変形例は、1回の使用後に処分されるように設計されてもよく、あるいは、それらは、複数回使用されるように設計されることもできる。諸形態は、いずれの場合も、少なくとも1回の使用後に再使用のために再調整することができる。再調整することは、装置を分解する工程、それに続いて特定の部品を洗浄又は交換する工程、並びにその後の再組み立て工程の任意の組み合わせを含んでよい。特に、装置の変形物によっては分解されてもよく、また、装置の任意の数の特定の部片又は部品が、任意の組み合わせで選択的に交換されるか、あるいは取り外されてもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換の際、装置の変形物によっては、再調整用の施設で、又は外科的処置の直前にユーザによって、その後の使用のために再組み立てされてよい。装置の再調整では、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用できることが、当業者には理解されよう。このような技術の使用、及びその結果として得られる再調整された装置は、全て、本出願の範囲内にある。
【0056】
ほんの一例として、本明細書で説明した形態は、処置の前及び/又は後に滅菌してもよい。1つの滅菌技術では、装置は、プラスチック又はTYVEKバッグなど、閉められかつ密閉された容器に入れられる。次いで、容器及び装置は、γ放射線、X線、又は高エネルギー電子など、容器を透過し得る放射線場に置かれてもよい。放射線は、装置上及び容器内の細菌を死滅させることができる。次に、滅菌された装置は、後の使用のために、滅菌した容器内に保管され得る。装置はまた、限定されるものではないが、ベータ若しくはガンマ放射線、エチレンオキシド、又は水蒸気を含め、当該技術分野で既知の任意の他の技術を使用して滅菌されてもよい。
【0057】
本発明の様々な実施形態について図示し説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる改変が、当業者による適切な変更により、本発明の範囲を逸脱することなく達成され得る。そうした可能な変更形態の幾つかについて述べたが、その他の改変も当業者には明らかであろう。例えば、上で議論した例、実施形態、幾何学的形状、材料、寸法、比率、工程などは、代表的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲から考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示し説明した構造及び操作の細部に限定されると解釈されるものではない。
【0058】
〔実施の態様〕
(1) 組織をステープル留めするための装置であって、前記装置は、
(a)アンビルであって、前記アンビルは、
(i)遠位面と、
(ii)近位面と、
(iii)複数のステープルポケットであって、前記複数のステープルポケットは、前記アンビルの前記近位面に形成されている、複数のステープルポケットと、
を備え、前記アンビルは、身体管腔を通して挿入されるように構成されている、アンビルと、
(b)前記アンビルと連結されているアンビル導入システムであって、前記アンビル導入システムは、拡大特徴を備え、前記拡大特徴は、
(i)折畳み位置と、
(ii)拡張位置であって、前記拡大特徴は、前記拡張位置において前記アンビルの前記ステープルポケットを覆う、拡張位置と、
の間を移行するように構成され、前記拡大特徴は、前記アンビルが前記身体管腔を通して挿入されるとき、前記拡張位置にあるように構成されている、アンビル導入システムと、
を備えている、装置。
(2) 前記アンビルは、経口で挿入されるように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記アンビル導入システムは、前記アンビルと除去可能に連結されている、実施態様1に記載の装置。
(4) 前記アンビルは、シャフトを更に備えている、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記アンビルの前記シャフトに連結されたアンビル固定特徴を更に備え、前記アンビル固定特徴は、前記アンビルを前記身体管腔に固定するように動作可能である、実施態様4に記載の装置。
【0059】
(6) 前記アンビル固定特徴は、前記アンビルの前記シャフトの少なくとも一部分の周りに巻かれたカラーと、前記カラーから外側に突出しているフランジと、を備えている、実施態様5に記載の装置。
(7) 前記アンビル導入システムは、前記アンビルシャフトに連結されたチューブを更に備え、前記チューブは、前記アンビルを前記身体管腔を通して引くように構成されている、実施態様4に記載の装置。
(8) 前記拡大特徴は、テーパー状の構成を画定している、実施態様1に記載の装置。
(9) 前記拡大特徴は、ブラダーを備えている、実施態様1に記載の装置。
(10) 前記ブラダーは、前記ブラダーを前記折畳み位置から前記拡張位置まで移行させるために流体を受容するように構成されている、実施態様9に記載の装置。
【0060】
(11) 前記流体は、空気又は塩類溶液のいずれかである、実施態様10に記載の装置。
(12) 前記拡大特徴は、複数の拡張部材を備えている、実施態様1に記載の装置。
(13) 前記アンビル導入システムは、スライド特徴を更に備え、前記スライド特徴は、前記スライド特徴の並進に反応して、前記拡大特徴を前記折畳み位置から前記拡張位置まで移行させるように動作可能である、実施態様12に記載の装置。
(14) 前記スライド特徴は、スライドカラーと、前記スライドカラーの遠位に設置されたカムカラーと、前記スライドカラーを前記カムカラーに連結する少なくとも1つの接続部材と、を備えている、実施態様13に記載の装置。
(15) 前記拡大特徴は、前記複数の拡張部材の周りに巻かれたメッシュを更に備えている、実施態様13に記載の装置。
【0061】
(16) 組織をステープル留めするための装置であって、前記装置は、
(a)アンビルであって、前記アンビルは、
(i)上面と、
(ii)下面と、
(iii)複数のステープルポケットであって、前記複数のステープルポケットは、前記アンビルの前記下面に形成されている、複数のステープルポケットと、
を備え、前記アンビルは、身体管腔を通して挿入されるように構成されている、アンビルと、
(b)前記アンビルに固定されているアンビル把持特徴であって、前記アンビル把持特徴は、前記アンビルの前記上面から外側に延在し、前記把持特徴は、前記アンビルが前記身体管腔を通して引かれるときに前記上面が先導するように、前記アンビルを前記身体管腔を通して引くために把持されるように動作可能である、アンビル把持特徴と、
を備えている、装置。
(17) 前記把持特徴は、可撓性タブを備えている、実施態様16に記載の装置。
(18) 前記把持特徴は、前記アンビルの前記上面から延在するシャフトと、前記シャフトから外側に延在する凸面形状の上部と、を備えている、実施態様16に記載の装置。
(19) 組織をステープル留めするための装置を組織の中に導入するための方法であって、前記装置は、アンビルと、前記アンビルと連結されているアンビル導入システムと、を備え、前記アンビル導入システムは、拡大特徴を備え、前記方法は、
(a)前記アンビル導入システムを前記アンビルに連結することと、
(b)前記アンビル導入システムの前記拡大特徴を拡張位置まで拡張することと、
(c)前記拡大特徴が前記拡張位置にある状態で、前記アンビルを組織を通して所望の位置まで引くことと、を含む、方法。
(20) 外科用ステープル留め器具のトロカールを前記アンビルに連結することを更に含む、実施態様19に記載の方法。