特許第6373885号(P6373885)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社竹中製作所の特許一覧 ▶ 愛知時計電機株式会社の特許一覧 ▶ 関西ガスメータ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6373885-膜式ガスメーター 図000002
  • 特許6373885-膜式ガスメーター 図000003
  • 特許6373885-膜式ガスメーター 図000004
  • 特許6373885-膜式ガスメーター 図000005
  • 特許6373885-膜式ガスメーター 図000006
  • 特許6373885-膜式ガスメーター 図000007
  • 特許6373885-膜式ガスメーター 図000008
  • 特許6373885-膜式ガスメーター 図000009
  • 特許6373885-膜式ガスメーター 図000010
  • 特許6373885-膜式ガスメーター 図000011
  • 特許6373885-膜式ガスメーター 図000012
  • 特許6373885-膜式ガスメーター 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6373885
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】膜式ガスメーター
(51)【国際特許分類】
   G01F 3/22 20060101AFI20180806BHJP
【FI】
   G01F3/22 A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-21749(P2016-21749)
(22)【出願日】2016年2月8日
(62)【分割の表示】特願2014-86714(P2014-86714)の分割
【原出願日】2014年4月18日
(65)【公開番号】特開2016-75712(P2016-75712A)
(43)【公開日】2016年5月12日
【審査請求日】2017年4月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000150109
【氏名又は名称】株式会社竹中製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】000116633
【氏名又は名称】愛知時計電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000156813
【氏名又は名称】関西ガスメータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(72)【発明者】
【氏名】石谷 聡
(72)【発明者】
【氏名】能登 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】野中 勉
(72)【発明者】
【氏名】花木 克久
(72)【発明者】
【氏名】山本 泰広
(72)【発明者】
【氏名】吉田 貴昭
【審査官】 細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−283462(JP,A)
【文献】 特開2006−098176(JP,A)
【文献】 特開2006−244287(JP,A)
【文献】 特開平09−015016(JP,A)
【文献】 特開2010−091488(JP,A)
【文献】 実開平04−007319(JP,U)
【文献】 特開昭55−095828(JP,A)
【文献】 特開昭62−153713(JP,A)
【文献】 特開平03−055089(JP,A)
【文献】 特開2005−221319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 3/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスが通過する計量室を仕切る計量膜と、
前記計量室の出入口を開閉するバルブと、
クランクレバー及びクランクシャフトを含んでなり、前記計量膜と前記バルブとを連結し、ガスの流量に応じた前記計量膜の往復運動を回転運動に変換してから前記バルブの往復運動に変換する運動変換機構と、
前記クランクシャフト又はそれに連動回転する部品の何れかである回転部品に固定される磁石と、
前記回転部品の回転軸の同軸上に固定され、前記磁石の磁気の変化に応じた前記回転部品の回転量を検出するためのMRセンサーと、を備え、
前記回転部品の回転量に基づいてガスの流量を検出する膜式ガスメーターにおいて、
前記クランクレバーのうち前記クランクシャフトに回動可能に連結される部分がC形をなして、前記クランクシャフトに対して側方から着脱可能になっている膜式ガスメーター。
【請求項2】
前記磁石が固定される前記回転部品は、前記クランクシャフトである請求項1に記載の膜式ガスメーター。
【請求項3】
前記磁石が固定される前記回転部品は、前記クランクシャフトにギヤ連結され、前記クランクシャフトの回転軸と直交する回転軸を有するギヤ連結部品であり、
前記MRセンサーは、膜式ガスメーターの正面側に配置される回路に含まれる請求項1に記載の膜式ガスメーター。
【請求項4】
前記クランクシャフトの一端部を回転可能に支持するスナップフィット機構を有する請求項1乃至3の何れか1の請求項に記載の膜式ガスメーター。
【請求項5】
前記MRセンサーには、前記磁石と対向する面と反対側の面と、当該反対側の面から前記磁石側に延びて前記MRセンサーの周囲を包囲する磁気シールドカバーが取り付けられている請求項1乃至4の何れか1の請求項に記載の膜式ガスメーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量室を通過するガスの流量に応じて計量膜が往復運動し、その計量膜に連動して計量室の出入口のバルブが開閉される膜式ガスメーターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の永久磁石と膜式ガスメーターの場合は、図12に示すように、クランク機構9に繋ぐ小ひじ金8の上面に永久磁石23を取り付けてこの小ひじ金8の運動範囲内にMRセンサーを設けるという構成であって、発生パルスは小ひじ金8(計量膜)が1往復するごとに1パルスを発信する方式となっている。即ち、従来の膜式ガスメーターでは、往復回動部品の回動数に基づいてガスの流量を検出していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−025702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上記した回動検出型の膜式ガスメーターを回転検出型の膜式ガスメーターに変更したり、新規に回転検出型の膜式ガスメーターの膜式ガスメーターを製作する際に、その手数とコストを低減するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項の発明は、ガスが通過する計量室を仕切る計量膜と、前記計量室の出入口を開閉するバルブと、クランクレバー及びクランクシャフトを含んでなり、前記計量膜と前記バルブとを連結し、ガスの流量に応じた前記計量膜の往復運動を回転運動に変換してから前記バルブの往復運動に変換する運動変換機構と、前記クランクシャフト又はそれに連動回転する部品の何れかである回転部品に固定される磁石と、前記回転部品の回転軸の同軸上に固定され、前記磁石の磁気の変化に応じた前記回転部品の回転量を検出するためのMRセンサーとを備え、前記回転部品の回転量に基づいてガスの流量を検出する膜式ガスメーターにおいて、前記クランクレバーのうち前記クランクシャフトに回動可能に連結される部分がC形をなして、前記クランクシャフトに対して側方から着脱可能になっている膜式ガスメーターである。
【0009】
請求項の発明は、前記磁石が固定される前記回転部品は、前記クランクシャフトである請求項1に記載の膜式ガスメーターである。
【0012】
請求項の発明は、前記磁石が固定される前記回転部品は、前記クランクシャフトにギヤ連結され、前記クランクシャフトの回転軸と直交する回転軸を有するギヤ連結部品であり、前記MRセンサーは、膜式ガスメーターの正面側に配置される回路に含まれる請求項1に記載の膜式ガスメーターである。
請求項4の発明は、前記クランクシャフトの一端部を回転可能に支持するスナップフィット機構を有する請求項1乃至3の何れか1の請求項に記載の膜式ガスメーターである。
【0013】
請求項の発明は、前記MRセンサーには、前記磁石と対向する面と反対側の面と、当該反対側の面から前記磁石側に延びて前記MRセンサーの周囲を包囲する磁気シールドカバーが取り付けられている請求項1乃至4の何れか1の請求項に記載の膜式ガスメーターである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、回動検出型の膜式ガスメーターの部品交換により、回転検出型の膜式ガスメーターを手間及び費用をかけずに製造することができる。特に、都市ガスの需要家で使用されているガスメーターの場合、10年ごとにその更新を行うことが法令上義務化されており、このような更新作業において引き上げて来た回動検出型の膜式ガスメーターから回転検出型の膜式ガスメーターを手間及び費用をかけずに製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施例1に係る膜式ガスメーターにおける上ケースを取り外した状態の説明図
図2流量発信磁石を取り付けたクランク機構の説明図
図3流量発信磁石とクランク機構及び小ひじ金の説明図
図4式ガスメーターの内部構造を示す説明図
図5】クランク台受け軸、クランク台、クランク軸、スナップフィット機構の分解説明図
図6本発明の実施例3に係るクランク機構とMRセンサー部分の説明図
図7磁気シールドカバーをMRセンサーに取り付けた状態の説明図
図8本発明の実施例2に係るウォーム機構を利用してMRセンサーを膜式ガスメーターの正面側に取り付けた膜式ガスメーターの断面図
図9図8のウォーム機構部の平面図
図10】従来の回動検出型の膜式ガスメーターにおける上ケースを取り外した状態の説明図
図11】従来の回動検出型の膜式ガスメーターにおけるクランク機構の説明図
図12従来の回動検出型の膜式ガスメーターにおける小ひじ金とクランク機構の説明図
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0016】
以下、本発明の回転検出型の膜式ガスメーターに係る一実施形態を図1図7に基づいて説明する。
【0017】
符号の1は、ガスメーター本体であって、このガスメーター本体1は、下ケース2内に形成された計量室3内の計量膜4の往復運動により一定角度回転する翼軸5の回転運動を上ケース6内の大ひじ金7と小ひじ金8(本発明の「クランクレバー」に相当する)を介してクランク機構9(本発明の「回転部品」、「クランクシャフト」に相当する)に伝達し、このクランク機構9の回転運動を計量室3のバルブ11、12に伝達して前記計量室3内に出入りするガスを制御する。
前記クランク機構9は、図2図3に示すように、クランク軸20に取り付けられた下段クランク板9a、ピン9b、上段クランク板9c、ひじ金係合ピン9dからなり、この構造は従来のクランク機構と同一である。なお、本実施形態における計量膜4とバルブ11、12とを連結する翼軸5、大ひじ金7、小ひじ金8、クランク機構9及びクランク機構9とバルブ11,12との間のひじ金は、本発明の「運動変換機構」に相当する。
【0018】
図4において、前記上ケース6内は仕切板13により上室14と下室15に区画されていて、下室15内には下ケース2側からクランク台受け軸16が突設されており、このクランク台受け軸16の上口19にはクランク台17の下端18が嵌合し、クランク台17は底板33にビス32で固定されている。
【0019】
また、前記クランク台17にはクランク軸穴21が形成されていて、クランク機構9はそのクランク軸20が図5に示すように凸条リング18aと凹リング溝20aにて係合するスナップフィット機構でクランク台17の下端部において係合するように取り付けれている。
【0020】
前記クランク機構9の最上段には、上面に前記クランク軸20と同軸で回転するように流量発信磁石23(本発明に係る「磁石」に相当する)が取り付けられた取付板22が取り付けられていて、前記上室14内には流量発信磁石23に対向する位置に流量パルス信号を出力するMRセンサー24が設置されている。
【0021】
この流量はMRセンサー24から出力されたパルス数を基に流量演算回路26で演算され、液晶画面27に表示される。
【0022】
上記実施例によれば、図12に示す従来の回動検出型の膜式ガスメーターにおけるクランク機構9を、図2に示す流量発信磁石23付きのクランク機構9に差し替えることで、回動検出型の膜式ガスメーターを簡単に回転検出型の膜式ガスメーターに変更することができる。
【0023】
また、本実施例では、クランク軸20と同軸で回転する流量発信磁石23と、この流量発信磁石23の1回転で複数のパルスを出力するMRセンサー24により、計量膜4が1往復する間に複数のパルス(例えば、8パルス)を出力させることができるので、従来の回動検出型の膜式ガスメーターにおいて計量膜一往復で1パルスしか出力することができなかったものに比べて、計量精度を高めることができる。
【実施例2】
【0024】
本実施例を、図8及び図9に基づいて説明する。本実施例は、流量発信磁石23をガスメーター本体1において図8に示すように正面方向に向けると共に、MRセンサー24を上室14内において前記正面向きの流量発信磁石23に対して対向するように配置した点が前記実施例1と異なる。
【0025】
具体的には、クランク軸20にウォーム28を取り付けると共にこのウォーム28に噛合するウォームホイル29を水平のウォーム回転軸30に取り付け、このウォーム回転軸30の先端に正面向きに流量発信磁石23を取り付け、MRセンサー24をこの流量発信磁石23に対向させて上室14側に設けた構成になっている。本実施例の膜式ガスメーターによれば、実施例1の膜式ガスメーターのように流量発信磁石23が上向きのために他の機器から受ける磁気の影響を回避することができる。なお、本実施形態のウォーム回転軸30は、本発明に係る「回転部品」、「ギヤ連結部品」に相当する。
【0026】
本実施例の膜式ガスメーターにおいて、 クランク機構9はクランク軸20ごと一体にクランク台17から引き抜いて取り外すことができると共にスナップフィット機構で再組み付けができる。
【実施例3】
【0027】
本実施例を図6及び図7に基づいて説明する。本実施例では、MRセンサー24がノイズの影響を受けないように、MRセンサー24の上面を覆うように磁気シールドカバー25が取り付けられている。磁気シールドカバー25は、電池ホルダーの下面爪25aを用いてスナップフィットにより位置合わせ可能となっている。
【0028】
図中符号の26は流量演算電子回路、27は液晶表示板、31はウォームケース、32は固定ビス、図9において34はリセットボタンである。
【0029】
本発明の膜式ガスメーターは、ガスの流れにより発生する計量膜4の往復運動は翼軸5から大ひじ金7、小ひじ金8を経由してクランク機構9に伝達されてこのクランク機構9がクランク運動を行い、併せて上段に取付板22により流量発信磁石23がクランク軸20と同軸回転する。
【0030】
このようにして、流量発信磁石23が1回転すると、MRセンサー24から複数のパルス信号が出力され、このパルス数に相当する流量が電子回路26により演算されて液晶表示板27に表示される。
【0031】
あるいは、自動検針の場合には、電子回路26からパルス信号が計算センターに送信される。
【符号の説明】
【0032】
3 計量室
4 計量膜
8 小ひじ金(クランクレバー)
9 クランク機構(回転部品)
11,12 バルブ
23 流量発信磁石(磁石)
24 MRセンサー
25 磁気シールドカバー
30 ウォーム回転軸(ギヤ連結部品)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12