(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記候補推定部により得られる行動パターン候補のうち、前記第2のベクトルデータに含まれ前記第1のベクトルデータに含まれない因子を行動決定因子として推定する行動決定因子推定部と、
前記候補推定部により得られる行動パターン候補に対応する典型的行動パターンの因子重み表現を抽出し、抽出した因子重み表現と、前記行動決定因子推定部により得られた行動決定因子とに基づいて、前記典型的行動パターンをとらせるための行動変容因子を推定する行動変容因子推定部と、
を備える請求項1から5のうち、何れか1項に記載の行動パターン推定装置。
前記候補推定部により得られる行動パターン候補のうち、前記第2のベクトルデータに含まれ前記第1のベクトルデータに含まれない因子を行動決定因子として推定する行動決定因子推定部と、
予め蓄積された因子選択履歴情報から、行動パターンを決定する因子が選択された履歴情報を取得し、取得した履歴情報に基づいて、前記行動決定因子推定部により得られるそれぞれの行動決定因子が選択される確率を取得し、取得した確率に基づいて前記典型的行動パターンが選択される確率を予測する予測部と、
を備える請求項1から5のうち何れか1項に記載の行動パターン推定装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態に係る行動パターン推定装置、行動パターン推定方法、および行動パターン推定プログラムを、図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態では、主に電力需要における行動パターンの推定手法について説明するが、これに限定されるものではなく、例えば電力分野以外での対象者や世帯等における行動パターンの推定にも適用することができる。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る行動パターン推定装置の機能構成例を示す図である。
図1に示す行動パターン推定装置1は、入力データ蓄積部10と、因子波形蓄積部12と、因子集合生成部14と、因子集合蓄積部16と、候補推定部18とを備える。なお、
図1に示す入力データ蓄積部10と、因子波形蓄積部12と、因子集合蓄積部16とは、一つの蓄積部であってもよく、行動パターン推定装置1の外部に設けられてもよい。
【0009】
入力データ蓄積部10は、第1の実施形態に係る行動パターンの推定処理を実施するための各種入力データ20を蓄積する。なお、入力データ蓄積部10は、入力データ20の入力を受け付ける入力部として機能してもよい。入力データ20は、例えば多次元ベクトルデータ20Aおよびコンテキスト情報20Bであるが、これに限定されるものではない。多次元ベクトルデータ20Aとは、行動パターン選択の要因となるいくつかの因子(説明因子)を含むものである。因子は、例えば「確定的要因」、「予測的要因」、「確率的要因」等の所定の要因種別で表すことができる。「確定的要因」は、例えば地域、建物の規模または種類(木造、鉄筋)、家族構成等である。「予測的要因」は、例えば気候(天気)、ガソリンの値段等である。「確率的要因」は、例えば朝型人間、夜型人間、夜外食、三食自炊、外出頻度等の生活スタイルに代表される確率的な要因に関するもの等であるが、これらに限定されるものではない。それぞれの因子は、固有の多次元ベクトルデータで表現された項目である。コンテキスト情報20Bとは、行動パターンを表現した複数の因子を含む第1のベクトルデータであり、典型的な行動パターンを推定する対象となる不明な因子が含まれていてもよい。なお、行動パターンとは、例えば世帯ごとの各要因に対応する電力需要を決めるための行動内容等であり、各時間帯おける行動結果の数値(例えば、電力量)または数値を正規化した値を時系列に結合して波形パターン化したものである。各行動パターンに含まれる各因子の集合は、ベクトルデータとして表すことができる。
【0010】
因子波形蓄積部12は、予め任意の手法で生成された因子固有の多次元ベクトルデータが蓄積されている。因子波形とは、例えば説明因子が電力波形等に与える影響である。例えば、ある世帯が典型的波形(典型的行動パターン)になる理由は、いくつかの説明因子の組み合わせで説明することができる。典型的波形は、例えば各因子波形に所定の重みを付与したものである。ここで、
図2は、因子波形と典型的波形との関係を説明するための図である。典型的波形は、例えば
図2(A)に示すように、説明因子ごとの因子波形と、重みwとの組み合わせで表現することができる。
図2(A)における説明因子の例としては、例えば天候(晴れ・雨・曇り等)、世帯(例えば、世帯人数等)、生活スタイル(例えば、夜外食、三食自炊等)があるが、これに限定されるものではない。
図2の例では、典型的波形は、例えば所定の重みw1〜w9を、それぞれの要因に対する因子波形(天候の説明因子A1〜A3、世帯人数の説明因子B1〜B3、生活スタイルの説明因子C1〜C3)と掛け合わせ、掛け合わせたそれぞれの値を加算することで生成される。
【0011】
また、
図3は、因子波形の導出例を示す図である。例えば、所定数に分類される典型的波形のクラスタと説明因子(例えば、対象者(需要家等)の特性や、気象や曜日等の外的データ等)の関連度を導き出し、説明因子が電力使用波形に与える影響を因子波形として導出する。説明因子の例としては、天候、地域、曜日、世帯人数、ペット有無等がある。また、関連度の算出手法には、従来の相関分析を用いることができるが、これに限定されるものではない。また、因子波形は、説明因子とクラスタの関連度を利用し、説明因子によってどのような波形変化が発生するかを導出する。例えば、
図3に示すように、「説明因子A1」に対して、関連度0.4の典型的波形1と、関連度0.7の典型的波形2とがある場合に、それらの2つの波形データから説明因子Aの因子波形を導出することができる。このように、生成された因子波形と関連度とから、
図2(B)に示すように典型的波形ごと(例えば、波形例1)に対するそれぞれの説明因子と、重みwに上述した
図3に示すような関連度を入力した連立式を取得することができる。
【0012】
因子集合生成部14は、入力データ蓄積部10に蓄積された入力データ(多次元ベクトルデータ20A)と、因子波形蓄積部12に蓄積された因子固有の多次元ベクトルデータとから因子重み集合(第2のベクトルデータ)を生成する。ここで、因子重み集合は、因子重み表現に現れる因子に対して、因子固有の多次元ベクトルデータを合成した結果が、典型的行動パターンの多次元ベクトルデータの波形にほぼ等しくなるという特性を満たす必要がある。したがって、第2のベクトルデータは、典型的な結果因子を導出可能な典型的行動パターンを表現した、予め定められた複数の因子を含む。因子集合生成部14は、予め定められた複数の因子に対し、典型的な結果因子を得るための複数の因子の採否を決定することで、第2のベクトルデータを生成する。
【0013】
図4は、因子重み集合のデータ構造例を示す図である。第1の実施形態における因子重み集合のデータ表現は、
図4に示すようなデータ構造、あるいは各データ間で相互変換可能なデータ構造である。例えば、
図4の例では、因子重み集合1つに対して因子重み表現はn個存在する。また、典型的波形の識別子1つに対しても因子重み表現はn個存在する。また、因子重み表現1つに対して1以上の因子対応が存在し、因子対応と因子重みは1:1の関係である。また、因子1つに対して因子対応はn個存在する。なお、上述したnとは、1以上の数である。因子集合生成部14は、コンテキスト情報20Bと実際の多次元ベクトルデータからなる入力データを蓄積しておき、蓄積された入力データと事前に分析、定義しておいた因子波形から因子重み集合を生成する。
【0014】
ここで、典型的波形の導出方法としては、例えば全需要家の過去の電力波形を任意数のクラスタに分類し、分類したクラスタに含まれる電力波形から典型的波形を求めることができる。また、典型的波形は、平均値、中央値、最頻値、絶対値平均、および標準偏差等の手法のうち、少なくとも一つの手法を用いて生成することができる。また、典型的波形を任意の時間軸、電力量で離散化することで、可読性の高いブロック型のパターン波形を生成してもよい。これにより、生成したパターン波形を用いて、どの時間帯に節電ができそうであるかを直感的に把握することができる。
【0015】
(因子集合の生成処理)
図5は、因子集合の生成処理の一例を示すフローチャートである。
図5の例において、因子集合生成部14は、例えばクラスタリング手法(例えば、K平均法、階層的クラスタリング等)等を用いてN個(Nは任意の数値)の典型的行動パターンの多次元ベクトルデータを生成する処理を行う(ステップS100)。次に、因子集合生成部14は、典型的行動パターンと因子の候補となる属性情報やアンケート回答等との相関分析から、典型的行動パターンを説明する因子を選択する因子選択処理を行う(ステップS102)。次に、因子集合生成部14は、選択された因子ごとに典型的波形に与える変化量の波形を生成し、各因子を典型的行動パターンに対応付ける処理を行う(ステップS104)。なお、対応付けは、例えば上述した相関分析の結果を用いて客観的に行ってもよく、世帯や個人に対するヒアリング結果等を用いて主観的に行ってもよい。
【0016】
次に、因子集合生成部14は、典型的行動パターンと因子の対応付け結果と、事前に導出しておいた因子固有の多次元ベクトルデータとを用いて、因子重み集合を生成する(ステップS106)。ここでは、因子重み表現に現れる因子の多次元ベクトルデータと重みとを掛け合わせて合成した結果が、典型的行動パターンの多次元ベクトルデータにほぼ等しくなるように、因子の重みを探索する。次に、因子集合生成部14は、妥当な因子重み集合が得られたか否かを判定し(ステップS108)、妥当な因子重み集合が得られていない場合には、クラスタリング等の典型的行動パターンを生成する条件を変更し(ステップS110)、ステップS100の処理に戻る。また、妥当な因子重み集合が得られている場合には、本フローチャートを終了する。
【0017】
(ステップS100:典型的行動パターンの生成処理)
図6は、典型的行動パターン(典型的波形)の生成処理の一例を示すフローチャートである。
図6は、上述したステップS100の処理の一例である。
図6の例において、因子集合生成部14は、波形に対するドメイン固有の設定を行う(ステップS200)。ステップS200の処理として、因子集合生成部14は、1日の範囲を4時から28時としたり、データ上の異常値を取り除く処理を行う。なお、異常値を取り除く処理では、例えば初回は実施せず、その後のK−means法等によるクラスタリングの実行結果から最も残差の大きいデータを除去する等を行うが、これに限定されるものではない。また、因子集合生成部14は、因子パターン分析結果の用途に応じた処理を行う。例えば、生活スタイルに着目した用途の場合には、値を1日の最低値からの差分に変更したり、電力消費量に着目した用途の場合には、上述した処理を行わない等の処理であるが、これに限定されるものではない。また、ステップS200の処理では、典型的波形の生成数の目安を設定する。例えば、サンプリングデータを用いた階層型クラスタリングから典型的波形の生成数の目安を決定したり、クラスタ数の決定に関する制約に基づき目安を設定する。制約とは、例えば代表波形に対する分散が正規分布に近いか否か、クラスタを構成する子クラスタ同士の距離が均一か否か等であるが、これに限定されるものではない。
【0018】
次に、因子集合生成部14は、典型的波形の生成数Kを設定し(ステップS202)、初期値としてk=K、a=K−4とし(ステップS204)、全データのクラスタリングを行う(ステップS206)。具体的には、K−means法を用いて、典型的波形の生成数の目安±4をクラスタ数Kとし、複数の実行結果を得る。また、クラスタリングは、所定数(例えば、1000回等)以上繰り返す。
【0019】
次に、因子集合生成部14は、クラスタリング結果の評価を行い(ステップS208)、クラスタリング結果が所定の条件を満たしているか否かを判定する(ステップS210)。判定では、階層型クラスタリングと同じ制約を満たしているか否かを判定したり、クラスタリング結果が収束しているか否かを判定するが、これに限定されるものではない。条件を満たしていない場合、因子集合生成部14は、クラスタ数を1増加し(ステップS212)、ステップS204の処理に戻る。なお、クラスタリング結果が収束しない場合には、繰り返し回数を増やす等の処理を行ってもよく、それでも収束しない場合には上述したステップS200の処理を再実行して異常値を取り除く等の処理を行ってもよい。
【0020】
また、クラスタリング結果が条件を満たしている場合には、収束した結果の中で、典型的波形の生成数の目安に最も近いKを採用し(ステップS214)、本フローチャートを終了する。
【0021】
(ステップS102:因子選択処理)
図7は、因子選択処理の一例を示すフローチャートである。
図7は、上述したステップS102の処理の一例である。
図7の例において、因子集合生成部14は、相関性の抽出を行う。相関性の抽出では、各典型的波形に対して世帯属性や気象データとの相関分析を実施し、典型的波形を取った世帯数と気象データとの相関係数が所定数(例えば、0.6以上)のものを抽出する。また、例えば属性ごとの世帯数割合が、全体平均と約10%水準で有意差のある部分を抽出する。なお、上述した数値等については、これに限定されるものではない。
【0022】
また、相関性の抽出について、計測できないデータ(例えば、在宅人数や家電の使い方等)については、需要家等に対してインタビューした結果のデータを取得し、それらのデータについて、各ドメインに対する仮説が正しいか否かを検証する。例えば、「電力使用量が多い日の在宅状況」、「電力使用量が多い日のエアコン利用状況」、「ベースラインを構成する家電機器の違い」等の観点で評価、検証等を行うことができるが、これに限定されるものではない。
【0023】
次に、因子集合生成部14は、典型的波形に因子をタグ付けする(ステップS302)。因子選択と典型的波形とに対するタグ付けでは、相関分析やインタビューの結果から、典型的波形に関連していると判断される因子をタグ付けする。例えば、平均に対して標準偏差のN倍以上の偏りがある因子を選択してタグ付けすることができるが、これに限定されるものではない。また、因子集合生成部14は、複数のタグ付け結果に基づいて複数の因子パターン抽出結果を得てもよい。
【0024】
次に、因子集合生成部14は、因子選択が妥当か否かを判定する(ステップS306)。具体的には、「タグ付けのできなかった典型的波形が存在しないか」、「典型的波形の違いで、主要な因子の組み合わせが網羅できているか」等により妥当性を判定する。因子選択が妥当でない場合、因子集合生成部14は、例えばk−means法に与えるクラスタ数を大きくして、上述した
図6に示すような典型的波形(典型的行動パターン)の生成をやり直し(ステップS308)、ステップS300に戻る。典型的波形の生成処理は、また、因子選択が妥当である場合、因子集合生成部14は、本フローチャートを終了する。
【0025】
(ステップS104:因子波形生成処理)
図8は、因子波形生成処理の一例を示すフローチャートである。
図8は、上述したステップS104の処理の一例である。
図8の例において、因子集合生成部14は、因子波形の初期解を生成する(ステップS400)。
図9は、因子波形の初期解を生成する様子を説明するための図である。初期解の生成では、例えば因子がタグ付けされた全典型的波形の平均波形と、タグ付けされていない波形の平均波形を導出し、その2つの平均波形の差分波形を因子波形の初期仮説波形とする。また、因子集合生成部14は、因子がタグ付けされた各典型的波形と、初期仮説波形とを比較して差分を計算し、計算した差分の最小値を、各典型的波形の差分波形として生成する。
図9(A)の例では、典型的波形1〜典型的波形3までの差分波形が生成されている。また、因子の影響時間帯(例えば、
図9(A)に示す10:00〜13:00)の中で、全ての典型的波形で、値が大きくなる時間を基準点として選定する。
【0026】
次に、因子集合生成部14は、
図9(B)に示すように、各典型的波形の差分波形について、基準点を1とした相対値に変換する。全ての典型的波形の差分波形(相対値)の最小値を因子波形の初期解とする。
図9(B)の例では、10:00の因子波形の初期解が「1」で、13:00の因子波形の初期解が「0.5」となる。なお、初期解は、以降の矛盾解決の処理において補正されてもよい。
【0027】
次に、因子集合生成部14は、L=試行上限(任意値)、l=0等の初期値を設定し(ステップS402)、因子選択の妥当性の確認を行う(ステップS404)。次に、因子集合生成部14は、因子波形の探索および因子波形の評価を行い、「矛盾が存在する、且つl<L」の条件を満たす間、上記の処理を繰り返す(ステップS406)。次に、因子集合生成部14は、矛盾が存在するか否かを判定する(ステップS408)。次に、因子波形の評価では、例えば因子選択でのタグ付け結果を正解と仮定し、典型的波形にタグ付けされた因子波形を積み上げ、積み上げた結果が典型的波形の平均に対する標準偏差の範囲に入っている場合には、正しい因子波形であると評価することができるが、これに限定されるものでなく、他の評価基準を有していてもよい。
【0028】
矛盾が存在する場合、因子集合生成部14は、上述した
図6に示すような典型的波形(典型的行動パターン)の生成(ステップS410)と、
図7に示すような因子選択をやり直し(ステップS412)、ステップS404の処理に戻る。なお、矛盾の解決として、第1の実施形態では、生成した因子波形が妥当でない場合、例えば典型的波形から外れる箇所に対応する因子波形の値を修正しながら、探索問題として総当たり法で解を探索する。例えば、探索により複数解が発見された場合、因子集合生成部14は、初期解からの誤差が最も小さいものを採用する。また、矛盾が解決できない場合、因子選択あるいは典型的波形が間違っていることになるため因子の見直しが必要となる。因子の見直しを行う場合、因子集合生成部14は、例えば逆の因子を追加したり、因子を掛け合わせて展開したり、因子の分割等の処理を行い、解が求められないという事態が発生しないようにする。ここで、逆の因子を追加するとは、例えば「暑い日」という因子があれば、「普通の日」あるいは「暑くない日」という因子を加えることである。また、因子を掛け合わせて展開するとは、「暑い日」、「暑くない日」、「在宅」という因子から、「暑い日の在宅」、「暑くない日の在宅」等の因子に展開することである。また、因子の分割とは、例えば典型的波形A,B,Cの場合の「暑い日」と、典型的波形D,E,Fの「暑い日」とを分割することである。また、矛盾が存在しない場合、因子集合生成部14は、本フローチャートを終了する。
【0029】
(ステップS106:因子重み集合抽出処理)
図10は、因子重み集合の抽出処理の一例を示すフローチャートである。
図10は、上述したステップS106の処理の一例である。
図10の例において、因子集合生成部14は、因子重み集合を抽出する(ステップS500)。因子重み集合の抽出では、因子選択においてタグ付けした因子の組み合わせを因子重み集合とする。したがって、因子波形の生成処理で該当する因子波形が抽出できれば無条件に因子重み集合が確定する。なお、上記の手法は、タグ付けに必要等メインが取得できない場合には適用できないため、このような場合に、因子波形を何らかの方法で取得できる仮定の下で因数分解あるいは分散分析等の手法で因子重み集合を抽出する。
【0030】
次に、因子集合生成部14は、因子重み集合の妥当性評価を行う(ステップS502)。例えば、因子集合生成部14は、因子重み集合の抽出結果における1つの典型的波形に対して、「対応する因子重みの数が妥当か」、「説明のできていない典型的波形が存在しないか」、「大半の典型的波形に関連付けられた因子が存在しないか」等の予め設定された評価基準で因子重み集合の抽出結果を評価する。妥当である場合、因子集合生成部14は、因子重み集合の有用性評価を行う(ステップS506)。有用性の評価では、例えば、「利用場面において期待される因子による結果の違いを説明できているか」等の基準で、有用性の評価を行う。
【0031】
また、妥当でない、および有用でないと判定された場合、因子集合生成部14は、上述した
図6に示すような典型的波形(典型的行動パターン)の生成(ステップS510)と、
図7に示すような因子選択(ステップS512)、および
図8に示すような因子波形の生成(ステップS514)の各処理を行い、ステップS500の処理に戻る。また、ステップS508の処理において、有用であると判定された場合、因子集合生成部14は、因子重み集合を因子集合蓄積部16に蓄積し(ステップS516)、本フローチャートを終了する。
【0032】
図11は、因子重み集合の具体例を示す図である。
図11に示すように、因子重み集合は、1または複数の因子(
図11の例では、因子A〜因子E)に対する組み合わせに応じて行動パターンの集合が生成される。なお、
図11の例では、重みが「0(無)」と「1(有)」で表現されているが、これに限定されるものではなく、例えば0〜1までの間の所定小数値等で表現されていてもよい。
【0033】
候補推定部18は、入力データ蓄積部10に蓄積されたコンテキスト情報20Bと、因子集合蓄積部16に蓄積された因子重み集合とを用いて行動パターン候補集合22を推定する。
【0034】
(候補推定処理)
図12は、候補推定処理の一例を示すフローチャートである。
図12の処理において、候補推定部18は、コンテキスト情報20B(第1のベクトルデータ)の入力を受け付けると(ステップS600)、因子集合蓄積部16に蓄積された因子重み集合(第2のベクトルデータ)を取得する(ステップS602)。次に、候補推定部18は、コンテキスト情報と因子重み集合とを比較し(ステップS604)、因子重み集合に含まれ、コンテキスト情報に含まれていない因子(例えば、行動パターンを推定する対象となる不明な因子)について、その因子(不明な因子)が取り得るバリエーションを網羅した一以上のベクトルデータ(第3のベクトルデータ)を生成する(ステップS606)。次に、候補推定部18は、生成した第3のベクトルデータと、因子重み集合とを比較し(ステップS608)、比較した結果から一以上の行動パターン候補を推定し、行動パターン候補集合22として出力して(ステップS610)、本フローチャートを終了する。
【0035】
例えば、候補推定部18は、上述したステップS608の処理において、第3のベクトルデータと、因子重み集合とを、それぞれ各因子の組み合わせに対応した行列データとして生成し、生成した各行列データを演算することで、因子が合致する部分を抽出する。また第3のベクトルデータは、因子重み集合に含まれる予め定められた複数の因子を対角成分に持つ対角行列を生成する。
【0036】
図13は、コンテキスト情報20Bに含まれる情報から生成される対角行列の一例を示す図である。
図13に示すように、コンテキスト情報20Bにおいて、因子重み集合と同様の因子との比較において、因子Dの有無が不明であった場合、因子Dが「1(有)」の場合と、「0(無)」の場合との2つの対角行列を生成する。このように、候補推定部18は、コンテキスト情報20Bに不明な因子が含まれる場合には、その組み合わせを網羅する一以上のベクトルデータ(第
3のベクトルデータ)を生成する。
図13の例では、ベクトルデータの一例として、各組み合わせに対応する複数の対角行列が生成されている。例えば、不明な因子がn個存在する場合には、2n個の行列が生成される。
【0037】
候補推定部18は、因子集合蓄積部16から、
図13に示すような行列データとして因子重み集合を取得する。行列データの各列は、因子に対応しており、各行は因子重み表現に対応している。行列データの要素には、因子重み表現におけるそれぞれの因子の重みが格納される。ここで行列データの列のおける因子の並び順と数は、対角行列の対角成分における因子の並び順と数に同じでなくてはならない。
【0038】
候補推定部18は、因子重み集合の行列データ(第
2のベクトルデータ)と
、生成した対角行列(第
3のベクトルデータ)とを比較し、それぞれのベクトルデータに含まれる因子が合致する部分を抽出し、抽出した各因子から行動パターン候補を推定する。
図14は、因子重み集合とコンテキスト情報との行列演算結果の一例を示す図である。
図14の例では、因子同士の演算を行っている。第1の実施形態では、例えば同じ値同士(例えば、「1と1」、「0と0」)の演算の場合には、その結果の値が表示され、値が異なるもの(「1と0」、「0と1」)の場合には、「α」を出力する特殊演算(SC(Spcial Calculation))処理を行っている。つまり、候補推定部18は、上述した
図11に示すような因子重み集合行列の中で値が「0」の要素と対角行列の値が「0」以外の要素との演算結果、および、因子重み集合行列の中で値が「0」以外の要素と対角行列の値が「0」の要素との演算結果に対して、「α」とする。対角行列が複数存在する場合には、それぞれに対して演算を行う。
【0039】
また、候補推定部18は、それぞれの演算結果で得られた行列データのうち、要素に「α」を含む行を全て削除した集合を求める。この場合、候補推定部18は、重複する因子重み表現は1つを残して削除する。
図15は、候補推定部18により出力される因子重み集合の列挙結果の一例を示す図である。なお、
図15に示す例は、上述した
図14に示す演算結果のうち、「α」が存在する列を削除したものである。これを行動パターン候補集合22として出力することで、入力されたコンテキスト情報20Bに対する行動パターン候補を精度よく推定することができる。
【0040】
(ハードウェア構成)
次に、行動パターン推定装置1のハードウェア構成例について、図を用いて説明する。
図16は、行動パターン推定装置1のハードウェア構成例を示す図である。
図16の例において、行動パターン推定装置1は、入力装置30と、出力装置32と、ドライブ装置34と、補助記憶装置36と、主記憶装置38と、CPU(Central Processing Unit)40と、通信装置42とを有し、これらはシステムバス44で相互に接続されている。
【0041】
入力装置30は、ユーザ等が操作するキーボードおよびマウス等のポインティングデバイスや、マイクロフォン等の音声入力デバイスを有しており、ユーザ等からのプログラムの実行指示、各種操作情報、ソフトウェア等を起動するための情報等の入力を受け付ける。出力装置32は、第1の実施形態における処理を行うためのコンピュータ本体(行動パターン推定装置1)を操作するのに必要な各種ウィンドウやデータ等を表示するディスプレイ等を有する。出力装置32は、CPU40が有する制御プログラムによりプログラムの実行経過や結果等を表示することができる。
【0042】
ここで、第1の実施形態において、例えばコンピュータ本体にインストールされる実行プログラムは、記録媒体46等により提供される。記録媒体46は、ドライブ装置34にセット可能である。CPU40からの制御信号に基づき、記録媒体46に格納された実行プログラムが、記録媒体46からドライブ装置34を介して補助記憶装置36にインストールされる。
【0043】
補助記憶装置36は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等のストレージ手段等である。補助記憶装置36は、CPU40からの制御信号に基づき、第1の実施形態における実行プログラム(行動パターン推定プログラム)や、コンピュータに設けられた制御プログラム等を記憶し、必要に応じて入出力を行う。補助記憶装置36は、CPU40からの制御信号等に基づいて、記憶された各情報から必要な情報を読み出したり、書き込んだりすることができる。
【0044】
主記憶装置38は、CPU40により補助記憶装置36から読み出された実行プログラム等を格納する。主記憶装置38は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等である。補助記憶装置36および主記憶装置38は、上述した記憶部11の一例である。CPU40は、OS(Operating System)等の制御プログラム、および主記憶装置38に格納されている実行プログラムに基づいて、各種演算や各ハードウェア構成部とのデータの入出力等、コンピュータ全体の処理を制御して各処理を実現する。プログラムの実行中に必要な各種情報等は、補助記憶装置36から取得することができ、また実行結果等を格納することもできる。
【0045】
具体的には、CPU40は、例えば入力装置30から得られるプログラムの実行指示等に基づき、補助記憶装置36にインストールされたプログラムを実行させることにより、主記憶装置38上でプログラムに対応する処理を行う。例えば、CPU40は、処理実行プログラムを実行させることで、上述した因子集合生成部14による因子重み集合の生成や、候補推定部18による行動パターン候補の推定等の処理を行う。CPU40における処理内容は、上述した内容に限定されるものではない。CPU40により実行された内容は、必要に応じて補助記憶装置36等に記憶される。
【0046】
通信装置42は、LAN(Local Area Network)やインターネット等に代表される通信ネットワークを介して外部装置等との通信を行う。通信装置42は、CPU40からの制御信号に基づき、通信ネットワーク等と接続することにより、実行プログラムやソフトウェア、設定情報等を外部装置等から取得する。また、通信装置42は、プログラムを実行することで得られた実行結果または第1の実施形態における実行プログラム自体を外部装置等に提供する。通信装置42は、例えば上述したBluetooth(登録商標)やWi−Fi等を用いて外部装置等との無線通信を実現することができる。
【0047】
記録媒体46は、上述したように実行プログラム等が格納されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体である。記録媒体46は、例えばフラッシュメモリ等の半導体メモリやCD−ROM、DVD等の可搬型の記録媒体であるが、これに限定されるものではない。
【0048】
図16に示すハードウェア構成に実行プログラム(例えば、行動パターン推定プログラム等)をインストールすることで、ハードウェア資源とソフトウェアとが協働して上述した第1の実施形態における行動パターンを推定するための各種処理等を実現することができる。
【0049】
上述したように第1の実施形態によれば、例えば、どのような行動パターンが選択されるか不確定な状況において、行動パターン選択の要因となる因子の一部を与えることで、取り得る行動パターン候補を列挙することができる。第1の実施形態では、1つの典型的行動パターンに対して、因子重み集合に含まれる複数の因子重み表現が対応するため、幾つかの因子が決定されれば典型的行動パターンを取る理由を0個以上で絞り込むことができる。これにより、明らかになっている一部の因子を与えることで、ある対象(世帯等)が取り得る典型的行動パターンとその選択理由となる因子を列挙することができる。また、実際の多次元ベクトルデータがあれば、選択された典型的行動パターンとその選択理由となる因子を列挙することができる。したがって、需要家等の対象者の行動パターンを精度よく推定することができる。
【0050】
また、第1の実施形態では、行動パターン候補の列挙においては、行動パターンを表現する多次元ベクトルデータが、高々可算な典型的行動パターンを表現する多次元ベクトルデータの1つに近似できることに着目して、典型的行動パターンが選択される理由を、要因となる因子と重みの組み合わせでモデル化した「因子重み表現」の集合である「因子重み集合」を用いて演算する。したがって、例えば、計画値と実績値とに乖離の少ない需要予測が必要であって、更に乖離が見込まれる場合には、需要家に対する節電依頼をすることができるため、実績値が許容誤差を外れた場合におけるペナルティを回避することができる。また、第1の実施形態によれば、ピークを抑えることで安価な電力調達が可能になり、節電アドバイス等によるピークシフトを行ったり、小売り業者が発電事業者を兼ねる場合には、発電への投資コストも軽減できるため、需要計画値に対する安定・安価な供給源を確保することができる。
【0051】
(第2の実施形態)
次に、行動パターン推定装置の第2の実施形態について、図を用いて説明する。
図17は、第2の実施形態に係る行動パターン推定装置2の機能構成例を示す図である。なお、以下の説明において、上述した第1の実施形態に係る行動パターン推定装置1と同様の構成については、同じ符号を付するものとし、ここでの具体的な説明は省略する。また、ハードウェア構成についても上述した第1の実施形態と同様の形態を用いることができるため、ここでの具体的な説明は省略する。第2の実施形態において、上述した第1の実施形態との違いは、行動決定因子推定部50と、行動変容因子推定部52とを備える点である。したがって、以下ではこの構成について、具体的に説明する。
【0052】
第2の実施形態に係る行動パターン推定装置2において、行動決定因子推定部50は、例えば行動パターン候補集合22を入力し、因子重み集合の列挙結果の中から、上述したコンテキスト情報20Bにおいて不明であった因子を全て選択する。選択された因子を、「行動を決定する因子」とみなす。この行動を決定する因子(行動決定因子)が全て確定されると、選択される典型的波形が確定する。なお、上述の例では、因子Dがコンテキスト情報20Bにおいて不明であった因子となる。
【0053】
行動変容因子推定部52は、対象者に行動変容を促す(例えば、選択する典型的波形を変化させる)場合に、どの因子に働きかけるのが効果的かを推定する。例えば、行動変容因子推定部52は、因子重み集合の列挙結果に対応する典型的波形の中から、電力需要を調整するための対象に選択させたいものを選択する。行動変容因子推定部52は、行動パターン候補集合22に含まれる因子重み集合の列挙結果の中から、選択した典型的波形に対応する因子重み表現を抽出する。行動変容因子推定部52は、選択した因子重み表現と、行動決定因子推定部50が抽出した行動を決定する因子の両方に含まれる因子を抽出する。この因子が、典型的波形を取らせるために「働きかけるべき因子(行動変容因子)」となる。働きかけるべき因子が選択されることは、選択させたい典型的波形が取得されることを意味する。
【0054】
この結果、対象に選択させたい典型的波形の中で取り得る可能性のあるものと、その典型的波形を選択させるために働きかけるべき因子を明らかにした電力需要調整情報54を得ることができる。したがって、第2の実施形態によれば、需要調整者は、上述した電力需要調整情報54に基づいて、所望の需要抑制やピークシフトが可能になる。
【0055】
(第3の実施形態)
次に、行動パターン推定装置の第3の実施形態について、図を用いて説明する。
図18は、第3の実施形態に係る行動パターン推定装置3の機能構成例を示す図である。なお、以下の説明において、上述した第2の実施形態に係る行動パターン推定装置2と同様の構成については、同じ符号を付するものとし、ここでの具体的な説明は省略する。また、ハードウェア構成についても上述した第1の実施形態と同様の形態を用いることができるため、ここでの具体的な説明は省略する。第3の実施形態において、上述した第2の実施形態との違いは、行動変容因子推定部52の代わりに因子選択履歴蓄積部60と、予測部の一例としてのベクトルデータ予測部62とを有する点である。したがって、以下ではこの構成について、具体的に説明する。
【0056】
第3の実施形態に係る行動パターン推定装置3において、上述したように行動パターン候補集合22に含まれる因子重み集合の列挙結果が行動決定因子推定部50に入力されると、行動決定因子推定部50は、因子重み集合の列挙結果の中から、コンテキスト情報20Bにおいて不明であった因子を全て選択する。これらを「行動を決定する因子」とみなす。行動を決定する因子が全て確定されると、選択される典型的波形が確定する。
【0057】
ベクトルデータ予測部62は、因子選択履歴蓄積部60から、予め設定された行動を決定する因子が選択された履歴情報(因子選択履歴情報)を取得する。ベクトルデータ予測部62は、取得した履歴情報に基づいて、それぞれの因子が選択される確率を導出する。因子重み集合の列挙結果に含まれるそれぞれの因子重み表現について、行動を決定する因子の確率を掛け合わせたものが、その因子重み表現の選択確率となる。それぞれの因子重み表現には、典型的行動パターンが対応付けられており、ある典型的行動パターンに対応付けられた全ての因子重み表現の選択確率の和が、典型的行動パターンの選択確率となる。したがって、ベクトルデータ予測部62は、典型的行動パターンの選択確率に対応させた電力需要予測情報64を出力する。
【0058】
上述した第3の実施形態によれば、例えば対象の属性等の確定的因子と、天気予報等の予測可能因子の集合であるコンテキスト情報を与えることで、世帯が取り得る典型的行動パターンを決定する因子を推定、または特定の典型的行動パターンを選択させるために対象に働きかけるべき因子を推定することができる。上述した第1〜第3の実施形態は、少なくとも一つの他の実施形態の一部または全部を組み合わせてもよい。
上述した第1〜第3の実施形態により、例えば、需要家ごとに典型的波形になる確率および説明因子に対応した節電依頼・節電アドバイスによる見込み削減量を把握することができる。そのため、例えば最大DR(デマンドレスポンス)可能量の予測が可能となる。この場合、例えば、見込み削減量の時間帯ごとの総和を算出することで、最大DR可能量を取得することができる。実際には、節電依頼に従った需要家にDR効果がある。また、第3の実施形態では、典型的波形の時間帯ごとに以下の計算を行うことで、総需要の予測を行うことができる。
「各典型的波形の時間帯ごとの電力量=Σ(波形の電力量×世帯ごとの出現確率)」
また、上記の計算結果に基づいて、以下の計算により時間帯ごとの総電力量を予測することができる。
「時間帯ごとの総電力量=Σ(各典型的波形の時間帯ごとの電力量)」
【0059】
また、第3の実施形態により、例えば世帯ごとに、需要家が取り得る典型的波形の候補(複数)と、説明因子に対応した節電依頼や節電アドバイスによる見込み削減量を求めることができる。そのため、最大DR可能量の予測や総需要の予測を行うことができる。最大DR可能量を予測する場合には、上述した見込み削減量の時間帯ごとの総和が、最大DR可能量となる。なお、実際には節電依頼に従った分だけDRを実施することができる。
【0060】
また、総需要の予測としては、仮に、需要家が取り得る典型的波形を1つに確定できれば総需要予測が可能となる。これを実現するために、例えば複数の説明因子をある所定の条件等に基づいて纏めたり、主成分分析等による新たな説明因子と重みの導出により、総需要予測を行うことができる。
【0061】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、行動パターン推定装置(1,2,3)は、行動パターンを表現した複数の因子を含む第1のベクトルデータの入力を受け付ける入力部と、受け付けられた第1のベクトルデータと、典型的な結果因子を導出可能な典型的行動パターンを表現した、予め定められた複数の因子を含む第2のベクトルデータとを比較し、前記第2のベクトルデータに含まれ前記第1のベクトルデータに含まれない因子について、取り得るバリエーションを網羅した一以上の第3のベクトルデータを生成し、前記第2のベクトルデータと、前記生成した第3のベクトルデータとを比較し、合致する第3のベクトルデータを抽出し、前記抽出した第3のベクトルデータから行動パターン候補を推定する候補推定部(18)と、を備えることにより、行動パターンを精度よく推定することができる。また、少なくとも一つの実施形態によれば、世帯ごとの需要予測を実現することができ、複数の予測結果を発生確率付きで予測することができる。また、「ある世帯は30%の確率で外食をして、その場合には、この予測結果になる」等、予測結果が導出された理由を、併せて提示することができる。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。