(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6373903
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】膣内尿失禁装置
(51)【国際特許分類】
A61F 2/02 20060101AFI20180806BHJP
A61F 5/37 20060101ALI20180806BHJP
【FI】
A61F2/02
A61F5/37 A
【請求項の数】5
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-123568(P2016-123568)
(22)【出願日】2016年6月22日
(62)【分割の表示】特願2014-33688(P2014-33688)の分割
【原出願日】2007年7月10日
(65)【公開番号】特開2016-165616(P2016-165616A)
(43)【公開日】2016年9月15日
【審査請求日】2016年6月22日
(31)【優先権主張番号】11/456,376
(32)【優先日】2006年7月10日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】11/456,390
(32)【優先日】2006年7月10日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】11/456,402
(32)【優先日】2006年7月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515127957
【氏名又は名称】ファースト クオリティ ハイジーニック, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】バートニング・ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】ジロンダ・ケビン・エフ
(72)【発明者】
【氏名】ホウ・マリ
(72)【発明者】
【氏名】ルキノ・トーマス・ピー
(72)【発明者】
【氏名】フレイスリンゲル・リュールス・キルスティン
(72)【発明者】
【氏名】マビンクルベ・プラモッド
(72)【発明者】
【氏名】ローゼンフェルド・レオナルド
(72)【発明者】
【氏名】ハル・ジュニア・レイモンド・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】チェイス・デイビッド・ジェイ
【審査官】
白川 敬寛
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2004/0122285(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/02
A61F 5/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤフォームの膣内尿失禁装置において、
a)弾性作動部であって、前記弾性作動部は、1961.33Pa(20cmH2O)の拡張圧力下における少なくとも約15mmの第1使用相当直径、および9806.65Pa(100cmH2O)の拡張圧力下における約5〜約25mmの第2使用相当直径、を有し、前記第2使用相当直径は、前記第1使用相当直径よりも小さく、前記弾性作動部は、ワイヤフォームであり、略シリンダ形状を有していて、複数の正弦波ストラットを含み、前記複数の正弦波ストラットの各々は、径方向に対して垂直である長さ方向における一端から該一端と反対側の他端まで延在し、互いに隣り合う正弦波ストラットは、U字形状を有する連結部分を形成し、前記複数の正弦波ストラットは、対向する作動面を少なくとも部分的に画定する、弾性作動部と、
b)前記弾性作動部に作動可能に連結された、使用者の膣内の所望位置に前記弾性作動部を係留する係留部と、
を含む、ワイヤフォームの膣内尿失禁装置。
【請求項2】
請求項1に記載の失禁装置において、
前記弾性作動部は、14709.98Pa(150cmH2O)の拡張圧力下で約10mm〜約20mmの第3使用相当直径を有する、失禁装置。
【請求項3】
請求項1に記載の失禁装置において、
前記弾性作動部は、ポリマー、金属、およびそれらの組合せから成るグループから選択される材料を含む、失禁装置。
【請求項4】
請求項1に記載の失禁装置において、
前記係留部は、前記弾性作動部の少なくとも一端を越える少なくとも2つの延長部を含む、失禁装置。
【請求項5】
請求項1に記載の失禁装置において、
前記係留部は、バスケットハンドル、犬用の骨、ラビットの耳、およびそれらの組合せから成るグループから選択される形状を含む、失禁装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の背景〕
〔発明の分野〕
本発明は、膣内尿失禁装置に関する。特に、本発明は、可変の相当直径を有する作動部を有する装置に関する。本装置は、たとえば尿失禁を低減ないし抑制するのに役立つ。
【0002】
〔従来の技術の説明〕
腹圧性尿失禁は、多くの女性にとって問題である。それは咳やくしゃみのような緊張状態の間における尿漏れを特徴としている。腹圧性尿失禁を低減ないし抑制するために多くの装置が設計されてきている。米国特許第5,603,685号は、膣への挿入のために小さくて腹圧性尿失禁の低減ないし抑制のために所定の形状および圧力まで拡大する装置を提供するための手段と可膨張性装置とを教示している。米国特許第6,090,098号は、吸収性および/または非吸収性の繊維材料の組み合わせによって各々が形成されるタンポン類似の装置を教示している。米国特許第6,645,137号は、膣内で拡張するコイルを教示している。米国特許第5,036,867号は、圧縮性を有する弾性ペッサリーを教示している。米国特許第6,460,542号は、高度な形状の剛性ペッサリーを教示している。多くの特許は、動脈を開かせ続けるように設計および寸法化されるステントに向けられている。
【0003】
従来技術の教示にもかかわらず、膣内への挿入に適すると共に尿失禁を低減ないし抑制するのに役立つ装置の必要性は継続している。加えて、使い捨て膣内装置の安全で確実な係留を提供する必要性が存続している。
【0004】
〔発明の概要〕
我々は本発明に関して上述したような必要性について対応してきた。1の実施形態において、膣内装置は作動部および係留部を含む。係留部は、使用中に作動部を所定位置に保持するために作動部の少なくとも一端を越えて延びる少なくとも1つの部材を有する。
【0005】
別の実施形態において、膣内尿失禁装置は、必尿システムにサポートを提供するために対向する面を有する作動部を有するステントと、使用中にステントを所定位置に保持するための係留部と、を含む。係留部は、作動部の少なくとも一端を越えて延びる少なくとも1つの部材を有する。
【0006】
〔好適な実施の形態の詳細な説明〕
本明細書および請求項で使用されているように、用語「ワイヤフォーム(wire form)」およびその変種は、操作されて、オプションとして所望の3次元構造で(たとえば、溶接により)固定される、少なくとも1つのワイヤもしくはワイヤ状材料で形成される構造体に関する。
【0007】
本明細書および請求項で使用されているように、用語「形状記憶材料」およびその変種は、その後に不変の第2の形状に形成され得る初期形状に形づくられ得る材料に関する。材料は、機械的変形および温度変化を制限なく含むような妥当な事象にさらされたときに、初期の形状に実質上戻すことができる。
【0008】
本明細書および請求項で使用されているように、用語「ステント」およびその変形は、身体の口(オリフィス)、腔(キャビティ)、管(ベッセル)その他の同類のものを支持するために使用される装置に関する。ステントは、記憶付きの折り畳み性、可撓性および弾力性を有する。ステントは、それに制限されないが、足場やスロット付きチューブやワイヤフォームを含む任意の適切な形態をとることができる。
【0009】
本明細書で使用されているように、「ステント」は、身体の口、腔、管その他の同類のものを支持するために使用される装置である。ステントは、記憶付きの折り畳み性、可撓性および弾力性を有する。ステントは、それに制限されないが、足場やスロット付きチューブやワイヤフォームを含む任意の適切な形態をとることができる。
【0010】
図1〜
図8を参照すると、本発明に係る装置10が示される。装置10は、作動面9aおよび9bを含む略シリンダ形状の作動部1を有する。作動部1は、約20mm〜約170mmの範囲の初期の相当直径d、および約15mm〜約60mmの範囲の長さL1を有する。作動部が非シリンダ形状の場合、相当直径は、対向する作動面の間の最大ミリメートル距離である。
図2に示すように、作動部1は、約5mm〜約20mmの範囲の(アプリケータ内および他の挿入装置内への)挿入の相当直径d2を有する。
図3に示すように、作動部1は、約5mm〜約40mmの範囲の(膣内の)使用の相当直径d3を有する。作動部1は、所望の効果を提供するために十分な力により圧縮および回復する任意の弾性材料で形成できる。1つの実施形態において、作動部1は、ニチノールワイヤ20で形成されており、交差してストラット角θを形成する交互の正弦波ストラット2,3を含む。交互のストラット2,3は、作動部長さに等しい長さL2およびL3を有する。作動部1によって及ぼされる作動圧力は、ワイヤの厚さ、ワイヤの数、ストラットの長さ、ストラット角、および、作動部が熱処理される回数によって決定される。ワイヤの数は、約1〜約20の範囲にすることができる。ワイヤは、分離すること、捩ること、または、編むことができる。或る適用のために、作動部は、作動状態で約490.33〜約24516.63Pa(約5〜約250cmH
2O(センチメートル水柱))の圧力を及ぼす。装置10は、係留手段、たとえば、係留部4を有することもできる。係留部4は、使用時に装置を所定位置に保持するように設計される。係留部4は、使用中に装置を所定位置に保持するのに適するように形づけられる。適切な形状は、それに限定されないが、
図5に示すようにバスケットハンドル5やラビットの耳6や犬用の骨7を含む。係留部は、作動部と同じ材料で形成でき、あるいは、異なる材料で形成できる。作動部および係留部は、一体構造体として形成でき、あるいは、別個に形成してシリコーンチューブ22のような取り付け手段によって結合することができる。装置は、改善された生体適合性を提供するように処理することができる。装置は、たとえば、シリコーンチューブのような管の内部に配置することができ、あるいは、適切なポリマー材料の中に浸漬被覆(dip coat)することができる。
【0011】
本発明に係る装置は、尿失禁を処置または抑制するのに役立つことができる。この適用のために、装置は、膣内になじむように寸法化される。後述する装置の総ては、約20mm〜約170mmの範囲の初期の相当直径を備えた作動部を有することができる。好ましくは、作動部は、略シリンダ状の作動部を有し、約20mm〜約170mm(好ましくは、約20mm〜約45mm、より好ましくは、約30mm)の範囲の初期の相当直径と、約5mm〜約25mm(好ましくは、約10mm〜約20mm、より好ましくは、約18mm)の範囲の挿入の相当直径と、約20mm〜約40mm(好ましくは、約25mm〜約30mm、より好ましくは、約25mm)の範囲の使用の相当直径と、約20mm〜約60mm(好ましくは、約20mm〜約30mm、より好ましくは、約25mm)の範囲の長さと、を有することができる。係留部は、作動部を越えて延び、約20mm〜約60mm(好ましくは、約40mm〜約60mm、より好ましくは、約50mm)の範囲の初期の相当直径と、約10mm〜約25mm(好ましくは、約10mm〜約20mm、より好ましくは、約18mm)の範囲の挿入の相当直径と、約20mm〜約60mm(好ましくは、約40mm〜約60mm、より好ましくは、約50mm)の範囲の使用の相当直径と、約10mm〜約50mm(好ましくは、約20mm〜約40mm、より好ましくは、約30mm)の範囲の長さと、を有することができる。
【0012】
バスケットステントのために、装置の作動部は、挿入状態と作動状態と取外し状態における相当直径および長さを有する。挿入状態長さ(insertion state length)は、約20mm〜約30mmの範囲(たとえば、約25mm)にすることができる。挿入状態相当直径(insertion state equivalent diameter)は、約5mm〜約20mmの範囲(たとえば、約18mm)にすることができる。休息時および咳の間における作動状態長さ(working state length)は、約20mm〜約30mmの範囲(たとえば、約25mm)にすることができる。休息時の作動状態相当直径(working state equivalent diameter)は、約20mm〜約30mmの範囲(たとえば、約25mm)にすることができる。咳の間における作動状態相当直径は、約15mm〜約25mmの範囲(たとえば、約20mm)にすることができる。取外し状態長さ(removal state length)は、約20mm〜約30mmの範囲(たとえば、約25mm)にすることができる。取外し状態相当直径(removal state equivalent diameter)は、約15mm〜約20mmの範囲(たとえば、約18mm)にすることができる。
【0013】
装置の係留部は、挿入状態と作動状態と取外し状態における幅および長さを有する。挿入状態長さは、約25mm〜約40mmの範囲(たとえば、約30mm)にすることができる。挿入状態幅は、約15mm〜約20mmの範囲(たとえば、約18mm)にすることができる。休息時および咳の間における作動状態長さは、約25mm〜約40mmの範囲(たとえば、約30mm)にすることができる。休息時および咳の間における作動状態幅は、約25mm〜約35mmの範囲(たとえば、約30mm)にすることができる。取外し状態長さは、約30mm〜約50mmの範囲(たとえば、約40mm)にすることができる。取外し状態幅は、約15mm〜約20mmの範囲(たとえば、約18mm)にすることができる。
【0014】
ストレートなステントのために、装置の作動部は、挿入状態と作動状態と取外し状態における相当直径および長さを有する。挿入状態長さは、約25mm〜約60mmの範囲(たとえば、約45mm)にすることができる。挿入状態相当直径は、約5mm〜約20mmの範囲(たとえば、約18mm)にすることができる。休息時および咳の間における作動状態長さは、約25mm〜約60mmの範囲(たとえば、約45mm)にすることができる。休息時における作動状態相当直径は、約20mm〜約30mmの範囲(たとえば、約25mm)にすることができる。咳の間における作動状態相当直径は、約15mm〜約25mmの範囲(たとえば、約20mm)にすることができる。取外し状態長さは、約25mm〜約60mmの範囲(たとえば、約45mm)にすることができる。取外し状態相当直径は、約15mm〜約20mmの範囲(たとえば、約18mm)にすることができる。
【0015】
ラビットステントのために、装置の作動部は、挿入状態と作動状態と取外し状態における相当直径および長さを有する。挿入状態長さは、約20mm〜約30mmの範囲(たとえば、約25mm)にすることができる。挿入状態相当直径は、約10mm〜約20mmの範囲(たとえば、約15mm)にすることができる。休息時および咳の間における作動状態長さは、約20mm〜約30mmの範囲(たとえば、約25mm)にすることができる。休息時および咳の間における作動状態相当直径は、約10mm〜約30mmの範囲(たとえば、約18mm)にすることができる。取外し状態長さは、約20mm〜約30mmの範囲(たとえば、約25mm)にすることができる。取外し状態相当直径は、約10mm〜約20mmの範囲(たとえば、約15mm)にすることができる。総ての状態における作動部の高さは、約20mm〜約30mmの範囲(たとえば、約25mm)にすることができる。
【0016】
装置の係留部は、挿入状態と作動状態と取外し状態における幅および長さを有する。挿入状態長さは、約20mm〜約50mmの範囲(たとえば、約30mm)にすることができる。挿入状態幅は、約10mm〜約20mmの範囲(たとえば、約18mm)にすることができる。休息時および咳の間における作動状態長さは、約20mm〜約50mmの範囲(たとえば、約30mm)にすることができる。休息時および咳の間における作動状態幅は、最大が約20mm〜約60mmの範囲(たとえば、約50mm)、最低が約10mm〜約50mmの範囲(たとえば、約25mm)にすることができる。取外し状態長さは、約20mm〜約50mmの範囲(たとえば、約30mm)にすることができる。取外し状態幅は、約10mm〜約20mmの範囲(たとえば、約18mm)にすることができる。
【0017】
フラワーステントのために、装置の作動部は、挿入状態と作動状態と取外し状態における相当直径および長さを有する。挿入状態長さは、約20mm〜約30mmの範囲(たとえば、約25mm)にすることができる。挿入状態相当直径は、約10mm〜約20mmの範囲(たとえば、約15mm)にすることができる。休息時および咳の間における作動状態長さは、約20mm〜約30mmの範囲(たとえば、約25mm)にすることができる。休息時における作動状態相当直径は、約20mm〜約35mmの範囲(たとえば、約25mm)にすることができる。咳の間における作動状態相当直径は、約15mm〜約30mmの範囲(たとえば、約20mm)にすることができる。取外し状態長さは、約20mm〜約30mmの範囲(たとえば、約25mm)にすることができる。取外し状態相当直径は、約10mm〜約20mmの範囲(たとえば、約15mm)にすることができる。
【0018】
装置の係留部は、挿入状態と作動状態と取外し状態における幅および長さを有する。挿入状態長さは、約20mm〜約50mmの範囲(たとえば、約30mm)にすることができる。挿入状態幅は、約10mm〜約20mmの範囲(たとえば、約18mm)にすることができる。休息時および咳の間における作動状態長さは、約20mm〜約60mmの範囲(たとえば、約30mm)にすることができる。休息時および咳の間における作動状態幅は、最大が約20mm〜約60mmの範囲(たとえば、約30mm)、最低が約10mm〜約50mmの範囲(たとえば、約20mm)にすることができる。取外し状態長さは、約20mm〜約60mmの範囲(たとえば、約30mm)にすることができる。取外し状態幅は、約10mm〜約20mmの範囲(たとえば、約18mm)にすることができる。
【0019】
1の実施形態において、膣内装置の作動部は、ステントである。他の実施形態では、作動部は、座薬、膣タンポン、膀胱サポート体、およびそれらの組合せにすることができる。本発明の装置の要素は、任意の弾性もしくは超弾性の材料から形成することができる。適切な材料は、それに限定されないが、金属合金、たとえば、ニチノールとして当技術分野で既知であるニッケル・チタニウム(「NiTi」)合金を含む金属を含むことができる。当技術分野で既知であるように、NiTiを処理するために、形態セットの形成のための永久歪および抵抗加熱を含む様々なやり方がある。他の材料(他の合金、超弾性合金、または、他のNiTi構成物)は、本発明に係る装置を形成するために利用することができる。したがって、形状記憶ポリマー(SMPs)を含むポリマーも、前記金属に代えて或いは加えて、利用することができる。
【0020】
形状記憶は、一方向効果である機械的変形の後、または、二方向効果である冷却および加熱の後のいずれかに、当初の形状を覚える材料の能力である。この現象は、構造的な相変態に基づく。これらの特性を有するべき第1材料は、NiTi(ニチノール)、CuZnAl(15〜30wt%Znおよび3〜7wt%Alを典型的に含む、第1銅ベースの商業的に開発されるべきSMAおよび合金)、CuAlNi(現在はCuZnAlの方が好適かもしれない;Cu13Al4Niは商業的にしばしば使用されているものの1つである)、CuAlBe(0.5%未満ベリリウム添加Cu12Al)、および、FeNiAl合金を含む形状記憶金属合金であった。約10%までの歪みは、これらの金属において完全に回復可能である。また、適切な合金の例として、アルジロイ(Algiloy)、ステンレス鋼(たとえば、304ステンレス鋼)、および、炭素バネ鋼をさらに含む。これらの材料の構造的な相変態は、マルテンサイト変態として知られている。
【0021】
SMPは、軽量であり、形状記憶の回復能力が高く、操作および処理が容易で、形状記憶合金と比較して経済的である。これらの材料は、本発明に係る装置にとって有益でもある。形状記憶特性を実現するために幾つかのやり方がある。SMPは、物理的な架橋を形成するソフトセグメントおよびハードセグメントを有する相セグメント化された線形ブロック共重合体(たとえば、熱可塑性エラストマ)として特徴付けられる。ハードセグメントは、画定された融点を有する典型的な結晶構造であり、ソフトセグメントは、画定されたガラス転移温度を有する典型的なアモルファスである。ソフトセグメントの転移温度は、ハードセグメントの転移温度よりも実質上低い。これらの材料の例として、ポリウレタン、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステル、ポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタン、および、ポリウレタン/尿素(polyurethane/urea)を含む。SMPは、永久的な形状の不可逆な共有結合的な架橋(クロスリンク)形成によって形成される。これらの材料のために仕立てられ得る異なったパラメータは、永久または一時的な形状の機械的特性、特別仕立ての熱的転移、および、形状記憶効果の動特性である。SMPは、生物学的安定性および生体吸収性にすることができる。生物学的に安定なSMPは、一般的に、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリシロキサン、および、それらのコポリマーである。生体吸収性のSMPは、比較的新しく、熱可塑性および熱硬化性の材料を含む。形状記憶性の熱硬化性樹脂は、ポリ(カプロラクトン)ジメチルアクリレートを含むことができ、形状記憶性の熱可塑性樹脂は、ポリエステルベースのコポリマーを調製するための異なったモノマーの組合せを含むことができる。
【0022】
SMPがハードセグメントの融点を超えて加熱されるときに、材料は形づくることができる。この「オリジナル」の形状は、ハードセグメントの融点よりも下にSMPを冷却することによって記憶することができる。形づくられたSMPは、形状が変えられながら、ソフトセグメントのガラス転移温度よりも下に冷却されるときに、新たに「一時的」な形状が固定される。オリジナルの形状は、ソフトセグメントのガラス転移温度よりも上だが、ハードセグメントの融点よりも下に、材料を加熱することによって回復される。温度上昇によって引き起こされるオリジナル形状の回復は、熱形状記憶効果と呼ばれる。形状記憶能力以外のSMPの幾つかの物理的特性は、圧力および温度の、特に、ソフトセグメントのガラス転移における、外面的な変化に応じて、著しく変化する。これらの特性は、弾性係数、硬度、および、可撓性を含む。SMPの係数は、ソフトセグメントのガラス転移温度よりも上に加熱するときに、200までの因数によって変化できる。十分な剛性を有する装置を調製するために、使用温度で材料が高い係数を有するような熱転移を有することが必要である。たとえば、装置が本体温度(body temperature)で使用されているとき、転移温度は、摂氏37度まで冷却したときに係数が高くなって十分な剛性が提供されるように、摂氏37度よりも高く(たとえば、摂氏45度〜50度)することができる。また、形状記憶金属合金と比較して低い物理的特性を補償するように装置を設計することが重要である。幾つかの設計的特徴は、大きな壁厚、短い接続部、または、適切な箇所のヒンジ部を含むことができる。これらの材料は、クリープおよび応力の緩和というような粘弾性ポリマー特性を伴う幾つかの制限を克服することができる。
【0023】
また、SMPは、吸湿のために相転移が物理的変化によって起き得るように、親水性ポリマーから調製されるTPEを用いて調製することができる。これらのTPEの例として、Elf Atochem and Cardio Tec Internationalによってそれぞれ調製される親水性ポリマーエステルアミド(Pebax)および親水性ポリウレタンがある。これらの材料から調製される装置は、柔軟であり、使用後に取り外すことがより容易である。
【0024】
形状記憶材料は、生体適合材料、好ましくは人体で使用することが許されている材料、で形成するか、または少なくともその中に囲み込むことができる。たとえば、医療グレードのシリコーンゴム(medical grade silicone rubber)は、ワイヤフォーム装置を囲むことができる。これは、ワイヤ周りの1以上の管状シースを介して、或いは、ワイヤ上に調製される被覆として、実現することができる。
【0025】
上述したように、装置は、一体構造体として或いは複合装置として形成することができ、たとえば、作動部および係留部は、別個に形成してシリコーンチューブのような取り付け手段によって結合することができる。追加の構成要素の特徴は、所望の特徴を提供するために含めることができる。改善された生体適合性に加えて、ポリマー材料は、組織損傷の危険性を最小化するために装置のクッション(衝撃緩和)になることができる。
【0026】
たとえば、作動面の各々は、膣壁に対して向けられる力を分配するためのパッド30を有することができ、これにより、装置によって付与される単位圧力が低減される。このような柔軟で弾力性のあるクッションは、様々なタイプの医療グレードの(Dow Chemical Companyから提供される親水性ポリウレタンプレポリマー(HYPOL:商標)で形成されるような)スポンジおよびフォーム(発泡体:foams)、熱可塑性エラストマ(「TPE」)、シリコーン、ファイバなどで形成することができる。
【0027】
図8に示すように、装置は、係留部52と作動部54とを有する弾性構造体に形成されるワイヤフォーム50を含む。ワイヤフォーム50は、その上に配置される生体適合ポリマーコーティング56を有する。
図8の装置において、コーティング56は、その各々が作動部54の1つの作動面にパッド58を形成している拡大領域を有する。
【0028】
図9Aに示す別の実施形態では、装置は、チューブ56’および単一の圧縮性フォーム作動部54’で
図8の全体コーティングを置き換えることができる。
図9Bの実施形態は、作動部54”として2つの別個のパッド要素58”を採用する。係留部52”を形成するために延びるワイヤフォーム50”は、泌尿器系を支持するためにパッド要素58”に弾性を提供する。
図9Cの実施形態は、ラビットステント係留部52”を組み込み、作動部ワイヤフォームを拡大パッド構造体54’’’で置き換えている。再言すると、この拡大パッド構造体は、フォームや繊維構造などを含む任意の適切な弾性材料で形成することができる。
【0029】
また、ペッサリー10には、様々な薬理学的化合物および添加物を含めることができ、たとえば、ホルモン(hormones)および/またはアルファアドレノセプターアゴニスト(alpha-adrenoceptor agonists)、尿道選択刺激子(urethra selective stimulators)、プロスタグランジン(prostaglandins)、抗コリン作用薬(anticholinergics)、ホルモン(hormones)、ニコチン(nicotine)、細胞成長抑止剤(cytostatics)、精神安定剤(tranquilizers)、局所麻酔剤(local anaesthetics)および薬理学的に活性なアルファ[第3−アミノメチル]−ベンゼンメタノール誘導体(pharmacologically active alpha-[tertiary-aminomethyl]-benzenemethanol derivatives)のような他の化合物、および、ウィルマンら(Willman et al.)に付与された米国特許第5,527,821号に開示されているような他の化合物、並びに、モノラウレートグリセリン(glyceryl monolaurate)のような毒素阻害薬およびブラウン−スクロボットら(Brown-Skrobot et al.)の米国特許第5,547,985号に開示されているような関連化合物である(両特許の総てが、参照によって本明細書に組み込まれる)。
【0030】
人体への薬物投与の目的で、薬物、ホルモン、または、他の薬理学的化合物を関連付ける方法は、たとえば、米国特許第5,188,835号およびドイツ国特許第19829713号(両者の総てが参照によって本明細書に組み込まれる)に記載されているように、当業者にとって周知である。さらに別の実施形態において、局所用薬剤、軟膏またはクリームは、ペッサリー10の薬剤のスポンジ状材料の微細孔内への、注入(注射)、コーティング、または、吸収によって、ペッサリー10と関連することができ、1日または2日以内に膣腔の中にゆっくりと放出することができる。この本発明の実施形態は、乾燥、刺激、または、他の局所状態を処置するために使用することができる。軟膏やクリームなどは、必要に応じてペッサリーの中に補充することができる。
【0031】
図10に示すように、膣内装置は、配置時に摩擦を低減でき、(美学的に見て満足するように)ワイヤフォームが見えないように隠すことができ、挿入および取外し中の装置の制御に役立つことができ、装置を所定位置に保持するのに役立つことができ、タンポンの吸湿性繊維を含むことができ、座薬物質を含むことができ、かつ/または、膀胱頸部に圧力を掛けるためのより広い接触領域を形成することができるシート状材料60の中に収容することもできる。シート状材料は、使用中の望ましくない動き(たとえば、歪んでしまうこと)の可能性を低減するために、シリコーンコーティング付きワイヤフォームと比較して、膣の上皮に対する摩擦を増大させることもできるカバーまたは可撓性バッグ62のように形成することができる。任意の医療用の適切なシート状材料は、カバーまたはバッグを形成するために使用することができ、所望の最終用途にもよるが、不透明、軽量、および/または、通気性を有することができる。有用なシート状材料は、開口部付きフィルムを含むプラスチックフィルムおよび不織布のようなタンポンの製造に使用されるものを含む。カバーまたはバッグ自体に開口部を設けることもできる。
【0032】
装置は、好ましくは、取り外し紐64のような引出し要素を含む。これは、「締め付け袋(cinch sac)」構造を作るために装置のストラット間に交差させることができる。衛生的な保護技術の分野で既知の紐ないしコードは、この目的のために有益であり得る。ひもは取り外し中に引っ張られるので、ストラットは、取り外し中に小径の装置を形成するために互いに寄せ集められる。装置をその基部で締め付けることは、装置の直径をより小さくし且つ容易な取り外しに役立つ形状にすることになるので、装置の取り外しを容易且つより快適にすることができる。
【0033】
装置は、
図2に示すように、タンポンおよび座薬を供給するのに使用される既知のものに似ているアプリケータ66の中に収容することができる。アプリケータは、プッシュ式アプリケータまたは伸縮式アプリケータにすることができる。カラー68は、挿入深さの制御のために追加することができる。
【0034】
実施例
次の実施例は、本発明に係る装置の例証である。クレームは、その詳細に関して限定されると解釈すべきでない。
【0035】
試作品装置は、形状および縮尺に関して、既存の叙述的な膣ペッサリー装置をモデルとした。この装置のために、2つの幾何学的形態(geometries)が提供される。拡張ステント装置は、直径約35mm、長さ55mmであった。提案した幾何学的形態のうちの第1のものは、リングのような簡単なS状ステントであり、ハンドル付きバスケットの形式に似ている第2のものは、古典的な「リング」ペッサリーの形式に形づくられた。その設計において、「バスケット」部は約25mmの高さを有し、「バスケット」部は全長のバランスを補償した。
【0036】
両者は4つの既知の医療用材料の組立体である。折り畳んだ膣ステントは、市販のプラスチックのタンポンアプリケータの中に収容される。作動組立体は、医療グレードのシリコーンゴム(シラスティック)チューブでカバーされるニッケルチタニウムワイヤフォーム(ニチノール)から形成された。このカバー付きワイヤフォーム「ステント」は、タンポンカバーに使用される同一標準の不織布ポリプロピレンで形成されるヒートシール済みバッグの中に配置された。このカバー付き装置は、締め付けおよび取外しプルとして、タンポン綿紐を追加することにより、容易に取り外しできるように形成された。
【0037】
これらの試作品に使用されるニッケルチタニウムワイヤは、血管システムで使用されるものと同一の合金であった。金属の形状固定後の処理は、装置の生体適合性および腐食に影響を及ぼさない。シリコーンチューブも、公知の医療グレード材料であった。シラスティックチューブは、Dow(ダウ社) Q7-470であった。
【0038】
一般的な処置は、各工程で少なくとも1分の間、摂氏約500度にフィクスチャーおよびフォームを加熱するような1または複数の工程を用いてSE508NiTiをフォーム上の設計に形づくることであった。余分なワイヤは、フォームから切除された。当技術分野で既知であるように、ワイヤは、更なる生体適合性を提供するために、化学的にエッチング処理することができる。ワイヤは、表面に穴を開けないようにワイヤ端部を確実に固定するためにシリコーンのようなゴム状ポリマーコーティングの中に収容された。
【0039】
実施例1−ラビットフラットペッサリー
約30.48cm(約1フィート)の真っ直ぐなエッチング処理済みのSE508ワイヤ(直径0.80mm(0.0315インチ))が得られた。
図11に描かれた工具100は、ステントの技術分野で既知の従来技術を用いて形成された。滑らかな上向きで、ワイヤは、P7,P3,P1CC,P3,P6CC,P3,P6,P4,P8CC,P5,P8,P5,P2CC,P5,P7,P1CC,P3,P7というパターン(「CC」で示されていない場合、巻き付けは時計方向)を形成するために、後述の順番でピンの周りに巻き付けられた。ジグザグな巻き付けパターンは、円滑に中断され、ワイヤの最終端部は、その固定のためにフィクスチャーの貫通孔を通して突き出された。大きなホースクランプは、ジグザグ部分の上でフィクスチャーの周りに巻き付けられた。クランプは、ワイヤを所定位置に維持するために引き締められたが、フィクスチャーの面にワイヤを押し付ける程ではなかった。巻き付けワイヤは、505C(較正済み)ソルトポットの中で3分間、フィクスチャー上で加熱処理され、次いで、水で急冷された。加熱処理済みワイヤは、巻き戻すことによってフィクスチャーから取り外された。ワイヤは、「耳(ear)」に沿って重なり得るようにポイントP3でトリミングされ、重なっているワイヤは、NiCrワイヤと一緒に保持するために巻きつけられた。
図12に示す二次的な加熱処理フィクスチャー102は、当技術分野で既知の方法にしたがって形成された。ワイヤは、フィクスチャー上に形成するように位置合わせされた。ワイヤの端部は、鋭利で鋸歯状の縁部を除去するために研磨加工された。
【0040】
ワイヤフォーム要素は、生体適合性を最適化するために、当技術分野で既知の方法で不活性化された。幾つかのワイヤフォーム要素は、生体適合性を最適化するために、エッチング処理または化学的処理が行われた。部品は、クリーンルームに移動されて、クリーンテーブル上に配置される前に変性アルコールの中に浸漬された。総ての工具は、変性アルコール溶液から部品に接触する前に手袋をはめた手で、イソプロピルアルコールで洗浄された。チューブは、使い捨てピペットで滴下することによってイソプロピルアルコールで洗浄された。チューブは、ペーパータオル上での吸上によって乾燥された。チューブは、シリンジから5.08〜10.16cm(2〜4インチ)の潤滑鉱油で満たされた。圧縮フィンガは、内側に沿って均一に油を分配するためにチューブに沿って走行移動された。チューブは、ワイヤ端部がチューブを貫通しないことに注意を払って慎重にワイヤ上に滑らされた。チューブは、ワイヤ両端をさらすために引き戻された。両端は、耳が自然に存在するように位置調整された。鉗子は、ワイヤ端部の後方にチューブを保持するために使用された。シュリンクチューブは、ワイヤ端部を越えて配置されて、ワイヤ端部を所定位置に保持するために加熱された。チューブは、シュリンクチューブ部分の上に滑らされた。チューブ端部は、端部同士を押し付けることによって少なくとも0.5cmだけ重ね合わされた。
【0041】
実施例2−フラワーフラットペッサリー
約30.48cm(約1フィート)の真っ直ぐなエッチング処理済みのSE508ワイヤ(直径0.80mm(0.0315インチ))が得られた。
図11に描かれた工具100は、ステントの技術分野で既知の従来技術を用いて形成された。滑らかな上向きで、ワイヤは、P6,P3,P1CC,P3,P6,P4,P7,P6,P3,P1CC,P3,P6,P4,P7,P5,P2CC,P5,P7,P4,P6,P3,P1CC,P3,P5,P2CC,P5,P7,P4,P6,P3,P1CC,P3というパターンを形成するために、後述の順番でピンの周りに巻き付けられた。ジグザグな巻き付けパターンは、円滑に中断され、ワイヤの最終端部は、その固定のためにフィクスチャーの貫通孔を通して突き出された。大きなホースクランプは、ジグザグ部分の上でフィクスチャーの周りに巻き付けられた。クランプは、ワイヤを所定位置に維持するために引き締められたが、フィクスチャーの面にワイヤを押し付ける程ではなかった。巻き付けワイヤは、505C(較正済み)ソルトポットの中で3分間、フィクスチャー上で加熱処理され、次いで、水で急冷された。加熱処理済みワイヤは、巻き戻すことによってフィクスチャーから取り外された。ワイヤは、「耳」に沿って重なり得るようにポイントP3でトリミングされ、重なっているワイヤは、NiCrワイヤと一緒に保持するために巻きつけられた。
図12に示す二次的な加熱処理フィクスチャー102は、当技術分野で既知の方法にしたがって形成された。ワイヤは、フィクスチャー上に形成するように位置合わせされた。ワイヤの端部は、鋭利で鋸歯状の縁部を除去するために研磨加工された。ワイヤフォーム要素は、生体適合性を最適化するために、当技術分野で既知の方法で不活性化された。幾つかのワイヤフォーム要素は、生体適合性を最適化するために、エッチング処理または化学的処理が行われた。部品は、クリーンルームに移動されて、クリーンテーブル上に配置される前に変性アルコールの中に浸漬された。総ての工具は、変性アルコール溶液から部品に接触する前に手袋をはめた手で、イソプロピルアルコールで洗浄された。チューブは、使い捨てピペットで滴下することによってイソプロピルアルコールで洗浄された。チューブは、ペーパータオル上に逃がすことによって乾燥された。チューブは、シリンジから5.08〜10.16cm(2〜4インチ)の潤滑鉱油で満たされた。圧縮フィンガは、内側に沿って均一に油を分配するためにチューブに沿って走行移動された。チューブは、ワイヤ端部がチューブを貫通しないことに注意を払って慎重にワイヤ上に滑らされた。チューブは、ワイヤ両端をさらすために引き戻された。両端は、耳が自然に存在するように位置調整された。鉗子は、ワイヤ端部の後方にチューブを保持するために使用された。シュリンクチューブは、ワイヤ端部を越えて配置されて、ワイヤ端部を所定位置に保持するために加熱された。チューブは、シュリンクチューブ部分の上に滑らされた。チューブ端部は、端部同士を押し付けることによって少なくとも0.5cmだけ重ね合わされた。
【0042】
実施例3−マルチワイヤフラワーペッサリー
失禁の強度レベルは、女性によって大きく異なり、女性の一生を通じて変わる。機械的には、このレベルは、骨盤底筋肉組織(pelvic floor musculature)のサポートによって決まる。この筋肉システムが弱い場合に、腹腔内圧力が膀胱に作用するとき、尿道が適切に閉じない。骨盤底筋肉組織のサポートの様々なレベルに対処するために、圧力1(最小限のサポートで済む女性用)、圧力2(中程度のサポートを必要とする女性用)、圧力3(強度のサポートを必要とする女性用)という3つの圧力レベルの装置が存在する。
【0043】
この概念を検証するために、実施例2の装置が、これら3つの異なった圧力レベルで再現され、圧力1は、実施例2で概ね既述された2つのワイヤで形成され、圧力2は、3つのワイヤで形成され、圧力3は、4つのワイヤで形成された。
【0044】
実施例4−複合フラワーペッサリー
実施例2の装置は、一対の分離したフォームパッド要素を備えたワイヤフォーム作動部で再現された。係留部を形成するために延びるワイヤフォームは、泌尿器系をサポートするためにパッド要素に弾性を提供する。
【0045】
実施例1〜4
模範的な装置の各々は、後述するように圧縮状態から拡張するときの外へ向かう圧力を決定するために検証された。「結果の直径」対「圧力カーブ」を
図13〜
図16に示す。
【0046】
拡張圧力テスト
拡張圧力テストは、圧縮された挿入状態から人体内で展開すなわち使用する状態まで拡張するにつれて装置が及ぼすことができた外向き圧力を決定するために使用された。拡張圧力および人体の内部抵抗の平衡は、所定位置の装置の直径を決定した。
【0047】
様々な圧縮状態(挿入、休息時に使用中、圧力下で使用中)において装置が及ぼす外向き圧力は、簡易のリニアスケール(メトラーPK4800スケール)を用いて計測された。装置が及ぼした圧力ならびに装置の直径は、計測されて記録された。
【0048】
装置は、ミリメートルで計測される既知の増分距離で装置を圧縮する特注アームとスケールとの間に置くことによってテストされる。最初に装置は、そのフリー状態(すなわち、ラビット用で20mm)で計測され、次いで、ゆっくりと増分(すなわち、1mmまたは5mm)で圧縮された。装置が既知の圧縮増分でスケール上に及ぼす力は、グラムで計測された。圧力は、力測定値をグラムからポンド力に変換することによって計算された。次いで、ポンド力は、ポンド力を装置の接触面積で割り算することによってPSI単位に変換された。装置の接触面積は、装置の作動部として画定された。次いで、PSI単位は、水柱センチメートル圧力に変換された。次いで、結果の装置直径(mm)対圧力(cmH
2O)は、グラフ化された。
【0049】
この圧力カーブの傾きは、人体上に装置が及ぼす外向き力が装置圧力により変動することを示す。この圧力は、圧縮が増加するにつれて増大し、装置が無負荷のときに減少する。このことは、休息時に膣の圧力が低い(約3432.33Pa(約35cmH
2O))ので、本装置の重要な特性である。女性が咳やくしゃみのような緊張状態にあるときに、13729.31Pa(140cmH
2O)を超える程度の高い腹腔内の圧力が、極めて短時間に膀胱に作用する。この状態が起きるときに、装置は、この急激な圧力上昇に迅速に反応することが求められる。
【0050】
装置は、装置休止時に約20〜25mmまで圧縮される。装置に急激な腹腔内圧力が作用するときに、装置は10〜15mmまで下がって圧縮される。休止時には、人体に装置が及ぼす圧力は、快適さと安全性のために低いことが重要である。高い腹腔内圧力の状態中に装置が圧縮されるとき、装置は、迅速に適切な圧力を生じさせることが必要であり、次いで、緊張状態が完了するときには元の低い休息圧力まで緩められる。
【0051】
実施例3の装置に似た装置は、膣内尿失禁装置の所望の動弾性を示すために使用することができる。以下の表は、低サポート、中サポート、高サポートの装置が特定の直径(たとえば、休止直径(Resting Diameter)が25mm、または、圧縮直径(Compressed Diameter)が10mm)まで圧縮されるときの、所望の拡張圧力の目標(ターゲット)を示す。
【0053】
より一般的には、弾性作動部は、好ましくは、1961.33Pa(20cmH
2O)の拡張圧力下で少なくとも約15mmの第1使用相当直径(a first use equivalent diameter)(「休止直径(Resting Diameter)」)を有する。このことは、通常の使用状況下の装置を表している。より好適な第1使用相当直径は、3432.33Pa(35cmH
2O)の拡張圧力下で少なくとも約20mmである。
【0054】
9806.65Pa(100cmH
2O)の拡張圧力下で約5mm〜約25mmの第2使用相当直径は、くしゃみのような緊張使用状態の下の装置を表す。より好適な第2使用相当直径は、13729.31Pa(140cmH
2O)の拡張圧力下で少なくとも約10mmである。
【0055】
好ましくは、第2使用相当直径は、第1使用相当直径よりも小さい。より好ましくは、第2使用相当直径は、第1使用相当直径よりも小さく、第1使用相当直径の少なくとも約20%である。
【0056】
14709.98Pa(150cmH
2O)の拡張圧力下で約10mm〜約20mmの第3使用相当直径は、深刻な緊張使用状況を表す。
【0057】
〔実施の態様〕
(1)膣内尿失禁装置において、
a)関係する泌尿器系にサポートを提供するために対向する作動面を有する作動部と、
b)使用中にステントを所定位置に保持するための係留部と、
を含み、
前記係留部は、膣壁に係合可能である前記作動部の少なくとも一端を越えて延びる少なくとも1つの部材を有する、膣内尿失禁装置。
(2) 実施態様1に記載の装置において、
前記作動部は、弾性要素を含む、装置。
(3) 実施態様1に記載の装置において、
前記係留部は、弾性要素を含む、装置。
(4) 実施態様1に記載の装置において、
前記作動部は、スロット付きチューブ、ワイヤフォーム、およびそれらの組合せから成るグループから選択される構造体を含む、装置。
(5) 実施態様4に記載の装置において、
前記ワイヤフォームは、対向する作動面を少なくとも部分的に画定し、かつサポートする複数のストラットを含む、装置。
(6) 実施態様5に記載の装置において、
前記作動部は、引き出し紐をさらに含み、
前記引き出し紐の近位端が、少なくとも2つのストラットに作動可能に連結されており、前記引き出し紐の遠位端への張力が前記対向する作動面を共に駆動するように配置および構成される、装置。
(7) 実施態様2に記載の装置において、
前記弾性作動部は、ポリマー、金属、およびそれらの組合せから成るグループから選択される材料を含む、装置。
(8) 実施態様7に記載の装置において、
前記弾性作動部は、形状記憶ポリマー、金属合金、およびそれらの組合せから成るグループから選択される材料を含む、装置。
(9) 実施態様8に記載の装置において、
前記金属合金は、ニッケル・チタニウム合金である、装置。
(10) 実施態様1に記載の装置において、
前記係留部は、使用者の膣円蓋の壁に係合するように配置および構成される、装置。
【0058】
(11) 実施態様1に記載の装置において、
前記係留部は、前記作動部の前記少なくとも一端を越える少なくとも2つの延長部を含む、装置。
(12) 実施態様1に記載の装置において、
前記係留部は、バスケットハンドル、犬用の骨、ラビットの耳、およびそれらの組合せから成るグループから選択される形状を含む、装置。
(13) 膣内尿失禁装置において、
a)関係する泌尿器系にサポートを提供するために対向する作動面を有する弾性作動部と、
b)前記作動部に作動可能に連結された、使用者の膣内の所望位置に前記作動部を係留するための係留手段と、
を含み、
前記係留手段は、使用者の膣壁に係合可能である前記作動部の少なくとも一端を越えて延びる少なくとも1つの部材を含む、膣内尿失禁装置。
(14) 実施態様13に記載の装置において、
前記作動部は、スロット付きチューブ、ワイヤフォーム、およびそれらの組合せから成るグループから選択される構造体を含む、装置。
(15) 実施態様14に記載の装置において、
前記ワイヤフォームは、対向する作動面を少なくとも部分的に画定し、かつサポートする複数のストラットを含む、装置。
(16) 実施態様15に記載の装置において、
前記作動部は、前記作動部を折り畳むための手段をさらに含む、装置。
(17) 実施態様16に記載の装置において、
前記作動部を折り畳むための手段は、引き出し紐をさらに含み、
前記引き出し紐の近位端が、少なくとも2つのストラットに作動可能に連結されており、前記引き出し紐の遠位端への張力が前記対向する作動面を共に駆動するように配置および構成される、装置。
(18) 実施態様13に記載の装置において、
前記弾性作動部は、ポリマー、金属、およびそれらの組合せから成るグループから選択される材料を含む、装置。
(19) 実施態様18に記載の装置において、
前記弾性作動部は、形状記憶ポリマー、金属合金、およびそれらの組合せから成るグループから選択される材料を含む、装置。
(20) 実施態様13に記載の装置において、
前記係留手段は、使用者の膣円蓋の壁に係合するように配置および構成される、装置。
【0059】
(21) 実施態様13に記載の装置において、
前記係留手段は、前記作動部の前記少なくとも一端を越える少なくとも2つの延長部を含む、装置。
(22) 実施態様13に記載の装置において、
前記係留手段は、バスケットハンドル、犬用の骨、ラビットの耳、およびそれらの組合せから成るグループから選択される形状を含む、装置。
(23) 膣内装置において、
関係する泌尿器系にサポートを提供できる対向する作動面を少なくとも部分的に画定し、かつサポートする複数のストラットを有するワイヤフォームの形態にされる弾性材料を含む作動部と、
引き出し紐と、
を含み、
前記引き出し紐の近位端が、少なくとも2つのストラットに作動可能に連結されており、前記引き出し紐の遠位端への張力が前記対向する作動面を共に駆動するように配置および構成される、膣内装置。
(24) 実施態様23に記載の装置において、
使用中に前記作動部を所定位置に保持するために前記作動部の少なくとも一端を越えて延びる少なくとも1つの部材を含む係留部、
をさらに含む、装置。
(25) 膣内装置において、
作動部と、
使用中に前記作動部を所定位置に保持するために前記作動部の少なくとも一端を越えて延びる少なくとも1つの部材を含む係留部と、
を含む、膣内装置。
(26) 実施態様25に記載の装置において、
前記作動部は、座薬、膣タンポン、膀胱サポート体、およびそれらの組合せから成るグループから選択される、装置。
(27) 実施態様25に記載の装置において、
前記係留部は、使用者の膣円蓋の壁に係合するように設計および構成される、装置。
(28) 実施態様25に記載の装置において、
前記係留部は、ワイヤフォームを含む、装置。
(29) 実施態様25に記載の装置において、
前記係留部は、前記作動部の一端を越える少なくとも2つの延長部を含む、装置。
(30) 実施態様25に記載の装置において、
前記係留部は、バスケットハンドル、犬用の骨、ラビットの耳、およびそれらの組合せから成るグループから選択される形状を含む、装置。
【0060】
(31) 膣内尿失禁装置において、
約10mm〜約20mmの範囲の挿入相当直径を有する弾性作動部、
を含み、
前記作動部は、約1961.33〜約14709.98Pa(約20〜約150cmH
2O)の拡張圧力下における約20mm〜約35mmの範囲の使用相当直径を提供するために拡大可能である、膣内尿失禁装置。
(32) 膣内尿失禁装置において、
弾性作動部、
を含み、
前記弾性作動部は、1961.33Pa(20cmH
2O)の拡張圧力下における少なくとも約15mmの第1使用相当直径、および9806.65Pa(100cmH
2O)の拡張圧力下における約5〜約25mmの第2使用相当直径、を含み、
前記第2使用相当直径は、前記第1使用相当直径よりも小さい、膣内尿失禁装置。
(33) 実施態様31に記載の失禁装置において、
前記作動部は、14709.98Pa(150cmH
2O)の拡張圧力下における約10〜約20の第3使用相当直径を有する、失禁装置。
(34) 実施態様31に記載の失禁装置において、
前記第1使用相当直径は、3432.33Pa(35cmH
2O)の拡張圧力下で少なくとも約20mmであり、
前記第2使用相当直径は、13729.31Pa(140cmH
2O)の拡張圧力下で少なくとも約10mmである、失禁装置。
(35) 実施態様31に記載の失禁装置において、
前記作動部は、スロット付きチューブ、ワイヤフォーム、およびそれらの組合せから成るグループから選択される構造体を含む、失禁装置。
(36) 実施態様31に記載の失禁装置において、
前記ワイヤフォームは、対向する作動面を少なくとも部分的に画定し、かつサポートする複数のストラットを含む、失禁装置。
(37) 実施態様31に記載の失禁装置において、
前記弾性作動部は、ポリマー、金属、およびそれらの組合せから成るグループから選択される材料を含む、失禁装置。
(38) 実施態様31に記載の失禁装置において、
前記係留部は、使用者の膣円蓋の壁に係合するように配置および構成される、失禁装置。
(39) 実施態様31に記載の失禁装置において、
前記係留部は、前記作動部の少なくとも一端を越える少なくとも2つの延長部を含む、失禁装置。
(40) 実施態様31に記載の失禁装置において、
前記係留部は、バスケットハンドル、犬用の骨、ラビットの耳、およびそれらの組合せから成るグループから選択される形状を含む、失禁装置。
【0061】
(41) 膣内尿失禁装置において、
a)弾性作動部であって、前記弾性作動部は、1961.33Pa(20cmH
2O)の拡張圧力下における少なくとも約15mmの第1使用相当直径、および9806.65Pa(100cmH
2O)の拡張圧力下における約5〜約25mmの第2使用相当直径、を含み、前記第2使用相当直径は、前記第1使用相当直径よりも小さい、弾性作動部と、
b)前記作動部に作動可能に連結された、使用者の膣内の所望位置に前記作動部を係留する手段と、
を含む、膣内尿失禁装置。
(42) 膣内尿失禁装置において、
a)弾性作動部であって、前記弾性作動部は、
i)関係する泌尿器系にサポートを提供するための対向する作動面、および、
ii)各前記作動面に関係するパッド、
を含む、弾性作動部と、
b)使用者の膣内の所望位置に前記作動部を保持するために前記作動部に作動可能に連結された、係留部と、
を含み、
前記係留部は、膣壁に係合可能である前記作動部の少なくとも一端を越えて延びる少なくとも1つの部材を有する、膣内尿失禁装置。
(43) 実施態様42に記載の失禁装置において、
前記作動部は、スロット付きチューブ、ワイヤフォーム、およびそれらの組合せから成るグループから選択される構造体を含む、失禁装置。
(44) 実施態様42に記載の失禁装置において、
前記弾性作動部は、ポリマー、金属、およびそれらの組合せから成るグループから選択される材料を含む、失禁装置。
(45) 実施態様42に記載の失禁装置において、
前記パッドは、スポンジおよびフォーム、熱可塑性エラストマ、シリコーン、ファイバ、ならびにそれらの組合せから成るグループから選択される材料を含む、失禁装置。
(46) 膣内ステントを作る方法において、
a)関係する泌尿器系にサポートを提供するための対向する作動面を有し且つ弾性材料を含む作動部を形成するステップと、
b)使用中に前記作動部を所定位置に保持可能である係留部を形成するステップと、
を含む、方法。
(47) 膣内ステントを作る方法において、
a)関係する泌尿器系にサポートを提供するための対向する作動面を有する、ワイヤフォームを含む作動部を形成するステップであって、前記ワイヤフォームは、弾性材料を含む、ステップと、
b)使用中に前記作動部を所定位置に保持可能であり且つ前記作動部に作動可能に連結される、ワイヤフォームを含む係留部を形成するステップと、
を含む、方法。
(48) 膣内ステントを作る方法において、
a)関係する泌尿器系にサポートを提供するための対向する作動面を有する、ワイヤフォームを含む作動部を形成するステップであって、前記ワイヤフォームは、弾性材料を含む、ステップと、
b)使用中に前記作動部を所定位置に保持可能であり且つ前記作動部に作動可能に連結される、ワイヤフォームを含む係留部を形成するステップと、
c)前記ステントに引き出し機構を取り付けるステップと、
d)シート状材料の中に前記ステントを収容するステップと、
e)膣内への供給のために、収容された前記ステントをアプリケータ内に配置するステップと、
を含む、方法。
(49) 実施態様47〜48のいずれかに記載の方法において、
前記係留部および前記作動部の各々の前記ワイヤフォームを生体適合性材料の中に収容するステップ、
をさらに含む、方法。
(50) 実施態様46〜48のいずれかに記載の方法において、
前記作動面の各々にパッドを取り付けるステップ、
をさらに含む、方法。
(51) 実施態様46〜48のいずれかに記載の方法において、
前記作動部は、1961.33Pa(20cmH
2O)の拡張圧力下における少なくとも約15mmの第1使用相当直径、および9806.65Pa(100cmH
2O)の拡張圧力下における約5〜約25mmの第2使用相当直径、を含み、
前記第2使用相当直径は、前記第1使用相当直径よりも小さい、方法。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図2】アプリケータの中に収容されている挿入状態の
図1の装置の斜視図である。
【
図8】弾性構造体に形成される剥き出しのワイヤフォーム、およびコーティング付きワイヤフォームを示す図である。
【
図9A】複合的な膣内装置の代替的な実施形態を示す図である。
【
図9B】複合的な膣内装置の代替的な実施形態を示す図である。
【
図9C】複合的な膣内装置の代替的な実施形態を示す図である。
【
図10】本発明に役立つバッグの装置を示す図である。
【
図11】本発明に使用される装置を形成するために使用される工具を示す図である。
【
図12】本発明に使用される装置を熱処理するために使用される工具を示す図である。
【
図13】本明細書に記載されているようなストレートステントおよびバスケットステントに関する直径対圧力のカーブを示す図である。
【
図14】ラビットステントおよびフラワーステントの直径対圧力のグラフである。
【
図15】フラワーステントの3つの異なる圧力レベルの直径対圧力のグラフである。
【
図16】ハイブリッドなフォームワイヤ装置に対するフラワーステントの2つの異なる圧力レベルの直径対圧力カーブを比較しているグラフである。