特許第6373919号(P6373919)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6373919
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】太陽電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/05 20140101AFI20180806BHJP
   H01L 31/068 20120101ALI20180806BHJP
【FI】
   H01L31/04 570
   H01L31/06 300
【請求項の数】10
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-179617(P2016-179617)
(22)【出願日】2016年9月14日
(65)【公開番号】特開2017-59827(P2017-59827A)
(43)【公開日】2017年3月23日
【審査請求日】2016年9月14日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0130294
(32)【優先日】2015年9月15日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】ウ テキ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ヒョヨン
【審査官】 嵯峨根 多美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−159286(JP,A)
【文献】 特開2005−191125(JP,A)
【文献】 特開2005−011869(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0247530(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/137204(WO,A1)
【文献】 特開平06−204510(JP,A)
【文献】 特開2012−244175(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0229923(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/05
H01L 31/068
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と前記半導体基板の背面に互いに異なる極性を有し、第1方向に長く配置される第1電極と第2電極をそれぞれ備え、前記第1方向と交差する第2方向に長く配列される第1、第2太陽電池と、
前記第1、第2太陽電池のそれぞれにおいて導電性接着剤を介して前記第1電極に接続され、絶縁層によって前記第2電極と絶縁される第1導電性配線と、前記第1導電性配線と離隔され、導電性接着剤を介して前記第2電極に接続され、絶縁層によって前記第1電極と絶縁される第2導電性配線と、
前記第1、第2太陽電池の間に前記第1方向に長く伸び、前記第1太陽電池に接続された第1導電性配線と前記第2太陽電池に接続された第2導電性配線が共通に接続されるインターコネクタとを含み、
前記複数の第1、第2導電性配線のそれぞれは、前記第1電極または第2電極に接続された部分を除外した残りの部分に前記半導体基板の厚さ方向に折り畳まれている凹凸部を備え、
前記第1導電性配線は、前記太陽電池モジュールを前面から見たとき、前記第1太陽電池の半導体基板と、前記インターコネクタとの間に露出される部分に、前記凹凸部を備え、
前記第2導電性配線は、前記太陽電池モジュールを前面から見たとき、前記第2太陽電池の半導体基板と、前記インターコネクタとの間に露出される部分に、前記凹凸部を備
前記第1、第2導電性配線に備えられた各凹凸部は頂部と谷の部分を備え、
前記凹凸部の頂部の前面は、前記インターコネクタの背面と前記半導体基板前面それぞれの延長線上との間に位置し
前記各凹凸部の谷の部分の背面は、前記第1、第2導電性配線の背面の延長線上と同じ線上又は前記第1、第2導電性配線の背面の延長線上より前面に位置する、太陽電池モジュール。
【請求項2】
前記第1、第2導電性配線において、前記凹凸部の厚さは、前記凹凸部が形成されていない部分の厚さの10%以内で同じである、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項3】
前記凹凸部の厚さは、10%以内の誤差範囲内で均一である、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項4】
前記凹凸部で凹凸の高さは、前記凹凸部の厚さより大きい、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項5】
前記凹凸部の断面はジグザグ(zigzag)形状である、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項6】
前記複数の第1、第2導電性配線は、前記凹凸部により前記第2方向に伸縮性を有する、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項7】
前記凹凸部での谷の部分と頂部は、前記第1方向に延びる、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項8】
前記凹凸部において、前記谷の部分から前記頂部までの高さは0.03mm〜1mmである、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項9】
前記第1、第2太陽電池のそれぞれにおいて前記第1電極と前記第2電極は、前記半導体基板の背面に前記第1方向と交差する第2方向に長く配置される、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項10】
前記第1、第2太陽電池のそれぞれの半導体基板は、第1導電型の不純物がドーピングされ、
前記第1電極は、前記半導体基板の背面に位置し、前記第1導電性と反対の第2導電性の不純物がドーピングされるエミッタ部に接続され、
前記第2電極は、前記半導体基板の背面に位置し、前記半導体基板より前記第1導電型の不純物が高濃度にドーピングされる背面電界部に接続される、請求項9に記載の太陽電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
最近石油や石炭のような既存エネルギー資源の枯渇が予測されながらこれらを取り替える代替エネルギーに対する関心が高くなり。これにより、太陽エネルギーから電気エネルギーを生産する太陽電池が注目されている。
【0003】
一般的な太陽電池は、p型とn型のように、互いに異なる導電型(conductive type)によってp−n接合を形成する半導体部、そして互いに異なる導電型の半導体部にそれぞれ接続された電極を備える。
【0004】
このような太陽電池に光が入射されれば半導体部で複数の電子―正孔対が生成され、生成された電子―正孔対は電荷である電子と正孔にそれぞれ分離され、電子はn型の半導体部の方向に移動し正孔はp型の半導体部の方向に移動する。移動した電子と正孔はそれぞれn型の半導体部とp型の半導体部に接続された互いに異なる電極によって収集され、この電極を電線で接続することにより電力を得る。
【0005】
このような太陽電池は、複数個がインターコネクタによって互に接続されてモジュールに形成することができる。
【0006】
一方、従来には前述したような太陽電池が細幅に形成される複数のフィンガー電極と、フィンガー電極の幅より大きい幅で形成され、複数のフィンガー電極を互に接続するバスバー電極を含みから構成され、セル間のコネクタでクリップ形状のインターコネクタが互いに隣接する太陽電池のバスバー電極に直接接続されて、ストリングが形成された。
【0007】
しかし、幅が大きいバスバー電極が太陽電池に形成される場合、バスバー電極では、通常、キャリアを収集することができない問題点があり、太陽電池の効率向上に相対的に脆弱となる。
【0008】
これにより、最近では、前述したようなバスバー電極を省略し、フィンガー電極のみで太陽電池の電極を形成する場合が多くなった。
【0009】
しかし、このように、太陽電池がフィンガー電極のみを備える場合、太陽電池の電極に直接接続するクリップの形のインターコネクタを使用することができないから、相対的に幅が小さく長さが相対的に長い複数の配線をセル電極に、全体的に接続させる場合が多くなった。
【0010】
しかし、このように、幅が小さく長さが長い配線が太陽電池に接続された構造は、配線を太陽電池に接続させたり、配線を太陽電池との間に備えられたインターコネクタに接続させる過程で、配線の熱膨張により、配線が曲がって、ストリングの形状が乱れるなどの問題が発生した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、太陽電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る太陽電池モジュールの一例は、半導体基板と半導体基板に互いに異なる極性を有し、第1方向に長く配置される第1電極と第2電極をそれぞれ備えて、第1方向と交差する第2方向に長く配列される第1、第2太陽電池と、第1、第2太陽電池を第2方向に直列接続するために、第2方向に長く伸び、第1、第2太陽電池それぞれの半導体基板上に配置され、第1電極または第2電極に接続される複数の導電性配線とを含み、複数の導電性配線において、第1電極または第2電極に接続された部分を除外した残りの部分では、導電性配線が、半導体基板の厚さ方向に折り畳まれている凹凸部を備える。
【0013】
ここで、導電性配線において凹凸部の厚さは、凹凸部が形成されない部分の厚さの10%以内で同じで有り得る。
【0014】
さらに、凹凸部の厚さは、10%以内の誤差範囲内で均一で有り得、凹凸部で凹凸の高さは凹凸部の厚さより大きいことがある。
【0015】
このような凹凸部の断面はジグザグ(zigzag)形状で有り得る。
【0016】
また、凹凸部は、第1、第2太陽電池それぞれの半導体基板との間に位置することができる。
【0017】
このような複数の導電性配線は、凹凸部により第2方向に伸縮性を有することができる。
【0018】
このような凹凸部での谷の部分と頂部は、第1方向に延長することができる。併せて、凹凸部で谷の部分から頂部までの高さは0.03mm〜1mmの間で有り得る。
【0019】
また、複数の導電性配線のそれぞれは、1つの導電体で形成されて、第1、第2太陽電池に接続されるが、1つの導電体で形成された導電性配線のそれぞれは、第1太陽電池の第1電極に導電性接着剤を介して接続され、第1太陽電池の第2電極には、絶縁層によって絶縁され、第2太陽電池の第2電極に導電性接着剤を介して接続され、第2太陽電池の第1電極には、絶縁層によって絶縁されうる。
【0020】
このように、1つの導電体で形成された複数の導電性配線のそれぞれは、第1太陽電池の半導体基板と第2太陽電池の半導体基板との間に凹凸部を備えることができる。
【0021】
また、複数の導電性配線は、第1、第2太陽電池それぞれにおいて、第1電極に導電性接着剤を介して接続され、第2電極には、絶縁層によって絶縁される第1導電性配線と離隔され、第2電極に導電性接着剤を介して接続され、第1電極には、絶縁層によって絶縁される第2導電性配線を含むことができる。
【0022】
さらに、太陽電池モジュールは、第1、第2太陽電池との間に第1方向に長く伸びたインターコネクタをさらに含み、インターコネクタには、第1太陽電池に接続された第1導電性配線と第2太陽電池に接続された第2導電性配線が共通に接続することができる。
【0023】
ここで、第1導電性配線は、太陽電池モジュールを前面から見たとき、第1太陽電池の半導体基板とインターコネクタとの間に露出される部分に凹凸部を備え、第2導電性配線は、太陽電池モジュールを前面から見たとき、第2太陽電池の半導体基板とインターコネクタとの間に露出される部分に凹凸部を備えることができる。
【0024】
さらに、第1、第2太陽電池のそれぞれの第1電極と第2電極は、半導体基板の背面に第1方向と交差する第2方向に長く配置することができ、第1、第2太陽電池それぞれの半導体基板は、第1導電型の不純物がドーピングされ、第1電極は、半導体基板の背面に位置し、第1導電性と反対の第2導電性の不純物がドーピングされるエミッタ部に接続され、第2電極は、半導体基板の背面に位置し、半導体基板より第1導電型の不純物が高濃度にドーピングされる背面電界部に接続することができる。
【0025】
また、これとは違って、第1、第2太陽電池のそれぞれの第1電極は、半導体基板の前面に配置され、第2電極は、半導体基板の背面に配置され、複数の導電性配線は、第1太陽電池の前面に位置する第1電極に接続され、第2太陽電池の背面に位置する第2電極に接続されて、第1、第2太陽電池を直列接続して、複数の導電性配線それぞれは、第1、第2太陽電池の間で凹凸部を備えることができる。
【0026】
さらに、第1、第2太陽電池のそれぞれの半導体基板は、第1導電型の不純物がドーピングされ、第1電極は、半導体基板の前面に位置し、第1導電性と反対の第2導電性の不純物がドーピングされるエミッタ部に接続され、第2電極は、半導体基板の背面に位置し、半導体基板より第1導電型の不純物が高濃度にドーピングされる背面電界部に接続することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る太陽電池モジュールは、複数の太陽電池を直列接続するために、各太陽電池に接続される導電性配線において、各太陽電池に接続された部分を除外した残りの部分にジグザグ形状の凹凸部を備えることにより、導電性配線の応力を低減することができ、モジュールの製造工程、または使用中ににより発生する熱によって導電性配線が曲がることを最小化することができ、凹凸部によって、太陽電池モジュールの光学的利得をさらに増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明に係る太陽電池モジュールの第1実施の形態を説明するための図である。
図2】本発明に係る太陽電池モジュールの第1実施の形態を説明するための図である。
図3】本発明に係る太陽電池モジュールの第1実施の形態を説明するための図である。
図4】本発明に係る太陽電池モジュールの第1実施の形態を説明するための図である。
図5】本発明に係る太陽電池モジュールの第1実施の形態を説明するための図である。
図6】本発明に係る太陽電池モジュールの第2実施の形態を説明するための図である。
図7】本発明に係る太陽電池モジュールの第2実施の形態を説明するための図である。
図8】本発明に係る太陽電池モジュールの第3実施の形態を説明するための図である。
図9】本発明に係る太陽電池モジュールの第3実施の形態を説明するための図である。
図10】本発明に係る太陽電池モジュールの第3実施の形態を説明するための図である。
図11】本発明に係る太陽電池モジュールの第3実施の形態を説明するための図である。
図12】本発明に係る太陽電池モジュールの第4実施の形態を説明するための図である。
図13】本発明に係る太陽電池モジュールの第4実施の形態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下では、添付した図面を参考にして本発明の実施の形態について本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は、さまざまな形で実現することができ、ここで説明する実施の形態に限定されない。そして図面で本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通じて類似の部分には同様の符号を付与した。
【0030】
図面で複数の層と領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。層、膜、領域、板などの部分が他の部分 “上に”あるとする時、これは他の部分“真上に”ある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。逆にどの部分が他の部分“真上に”あるとするときは、中間に他の部分がないことを意味する。また、どの部分が他の部分の上に“全体的”に形成されているとするときは、他の部分の全体面に形成されているものだけでなく、端の一部には形成されないことを意味する。
【0031】
以下で前面とは、直射光が入射される半導体基板110の一面で有り得、背面とは、直射光が入射されないか、直射光ではなく、反射光が入射することができる半導体基板110の反対面で有り得る。
【0032】
図1図5は、本発明に係る太陽電池モジュールの第1実施の形態を説明するための図である。
【0033】
ここで、図1は、第1実施の形態に係る太陽電池モジュールを背面から見た形状の一例である。
【0034】
図1に示すように、本発明に係る太陽電池モジュールは、複数の太陽電池(C1、C2)、複数の導電性配線200とインターコネクタ300を含むことができる。
【0035】
ここで、インターコネクタ300は、必要に応じて省略されることもあるが、以下では、図1に示すように、インターコネクタ300を備えた場合を例に説明する。
【0036】
ここで、複数の太陽電池(C1、C2)のそれぞれは、少なくとも半導体基板110と半導体基板110の背面に互いに離隔され、第1方向(x)に長く伸びて形成される複数の第1電極141と、複数の第2電極142を備えることができる。
【0037】
さらに、複数の導電性配線200は、複数の太陽電池の内、互いに隣接する二つの太陽電池の内、いずれか1つの太陽電池に備えられた複数の第1電極141と、残りの1つの太陽電池に備えられた複数の第2電極142をインターコネクタ300を介して互いに電気的に直列接続することができる。
【0038】
そのために、複数の導電性配線200は、第1、第2電極(141、142)の長さ方向の第1方向(x)と交差する第2方向(y)に長く伸び、複数の太陽電池それぞれに接続することができる。
【0039】
このような、複数の導電性配線200は、複数の第1導電性配線210と、複数の第2導電性配線220を含むことができる。
【0040】
ここで、第1導電性配線210は、各太陽電池に備えられた第1電極141に導電性接着剤251を介して接続され、絶縁性材質の絶縁層252によって第2電極142と絶縁することができる。
【0041】
さらに、第2導電性配線220は、各太陽電池に備えられた第2電極142に導電性接着剤251を介して接続され、絶縁性材質の絶縁層252によって第1電極141と絶縁することができる。
【0042】
さらに、インターコネクタ300は、第1太陽電池(C1)と第2太陽電池(C2)との間に第1方向(x)に長く伸びて配置され、このようなインターコネクタ300に第1太陽電池に接続された第1導電性配線200と第2太陽電池に接続された第2導電性配線220が共通に接続されて、複数の太陽電池は、第2方向(y)に互いに直列接続することができる。
【0043】
さらに、本発明の一例に係る太陽電池モジュールにおいては、インターコネクタ300が含まれた場合を一例として示し、これについて説明しているが、インターコネクタ300は、省略されることもでき、このようにインターコネクタ300が省略された場合には、第1導電性配線210と第2導電性配線220が直接接続されるか一体に形成されて、複数の太陽電池(C1、C2)を直列接続することもできる。
【0044】
このような太陽電池モジュールの各構成部分についてさらに詳細に説明すると、次の通りである。
【0045】
図2図1に適用される太陽電池の一例を示す一部斜視図であり、図3は、図2に示された太陽電池の第2方向(y)の断面を示したものである。
【0046】
図2及び図3に示すように、本発明に係る太陽電池の一例は、反射防止膜130、半導体基板110、トンネル層180、エミッタ部121、背面電界部(172、back surface field、BSF)、真性半導体層150、パッシベーション層190、第1電極141と第2電極142を備えることができる。
【0047】
ここで、反射防止膜130、真性半導体層150、トンネル層180とパッシベーション層190は省略されることもあるが、備えられた場合、太陽電池の効率がさらに向上されるため、以下では、備えられた場合を一例として説明する。
【0048】
半導体基板110は、第1導電型の不純物を含有する単結晶シリコン、多結晶シリコンの内、少なくともいずれか1つで形成することができる。一例として、半導体基板110は、単結晶シリコンウエハで形成することができる。
【0049】
ここで、第1導電型は、n型またはp型導電型のいずれか1つで有り得る。
【0050】
半導体基板110がp型の導電型を有する場合、ホウ素(B)、ガリウム、インジウムなどのような3価元素の不純物が半導体基板110にドーピング(doping)される、しかし、半導体基板110がn型の導電型を有する場合、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)などのように5価元素の不純物が半導体基板110にドーピングすることができる。
【0051】
以下では、このような半導体基板110の第1導電型がn型である場合を一例に説明する。
【0052】
このような半導体基板110の前面に複数の凹凸(200P)面を有することができる。これにより、半導体基板110の前面上に位置したエミッタ部121もまた凹凸(200P)面を有することができる。
【0053】
このために、半導体基板110の前面から反射される光の量が減少して、半導体基板110の内部に入射される光の量が増加することができる。
【0054】
反射防止膜130は、外部から半導体基板110の前面に入射される光の反射を最小化するために、半導体基板110の前面の上に位置し、アルミニウム酸化膜 (AlOx)、シリコン窒化膜(SiNx)、シリコン酸化膜(SiOx)及びシリコン酸化窒化膜(SiOxNy)の内、少なくとも1つで形成されることができる。
【0055】
トンネル層180は、半導体基板110の背面全体に直接接触して配置され、誘電体材質を含むことができる。したがって、トンネル層180は、図2及び図3に示すように、半導体基板110で生成されるキャリアを通過させることができる。
【0056】
このようなトンネル層180は、半導体基板110で生成されたキャリアを通過させ、半導体基板110の背面のパッシベーション機能を実行することができる。
【0057】
さらに、トンネル層180は、600℃以上の高温工程にも耐久性が強いSiCxまたはSiOxで形成される誘電体材質で形成することができる。
【0058】
エミッタ部121は、半導体基板110の背面に配置され、一例として、トンネル層180の背面の一部に直接接触して、複数個が第1方向(x)に長く配置され、第1導電型と反対の第2導電型を有する多結晶シリコン材質で形成することができ、エミッタ部121は、トンネル層180を間に置いて、半導体基板110とp−n接合を形成することができる。
【0059】
各エミッタ部121は、半導体基板110とp−n接合を形成するので、エミッタ部121は、p型の導電型を有することができる。しかし、本発明の一例とは異なり、半導体基板110がp型の導電型を有する場合、エミッタ部121は、n型の導電型を有する。この場合、分離された電子は、複数のエミッタ部121の方向に移動して分離された正孔は、複数の背面電界部172の方向に移動することができる。
【0060】
複数のエミッタ部121がp型の導電型を有する場合、エミッタ部121には、3価元素の不純物がドーピングされることがあり、逆に複数のエミッタ部121がn型の導電型を有する場合、エミッタ部121には、5価元素の不純物がドーピングされることができる。
【0061】
背面電界部(裏面電界部)172は、半導体基板110の背面に配置され、一例として、トンネル層180の背面の内、前述した複数のエミッタ部121のそれぞれと離隔された一部の領域に直接接触して、複数個がエミッタ部121と並行するような第1方向(x)に長く位置するように形成することができる。
【0062】
このような背面電界部172は、第1導電型の不純物が半導体基板110より高濃度にドーピングされる多結晶シリコン材質で形成することができる。したがって、例えば、基板がn型のタイプの不純物でドーピングされる場合、複数の背面電界部172は、n+の不純物領域で有り得る。
【0063】
このような背面電界部172は、半導体基板110と背面電界部172との不純物濃度の差に因する電位障壁によって、電子の移動方向である背面電界部172の方向に正孔移動を妨害する一方、背面電界部172方向にのキャリア(例えば、電子)の移動を容易にすることができる。
【0064】
したがって、背面電界部172とその付近又は第1及び第2電極142(141、142)で、電子と正孔の再結合に損実される電荷の量を減少させ、電子の移動を加速化させ、背面電界部172への電子移動量を増加させることができる。
【0065】
ここでの図2及び図3においては、エミッタ部と背面電界部がトンネル層の背面に多結晶シリコン材質で形成された場合を一例として説明したが、これとは違って、トンネル層が省略された場合、エミッタ部と背面電界部は半導体基板110の背面内に不純物が拡散されてドーピングすることもできる。このような場合、エミッタ部と背面電界部は半導体基板110と同じの単結晶シリコン材質で形成することもできる。
【0066】
真性半導体層150は、エミッタ部と背面電界部の間に露出したトンネル層の背面に形成されることがあり、このような真性半導体層150は、エミッタ部121と背面電界部172 とは異なるように第1導電型の不純物または第2導電型の不純物がドーピングされない真性多結晶シリコン層で形成することができる。
【0067】
さらに、図2及び図3に示すように、真性半導体層150の両側面のそれぞれは、エミッタ部121の側面と背面電界部172の側面に直接接触する構造を有することができる。
【0068】
パッシベーション層190は、背面電界部172、真性半導体層150及びエミッタ部121に形成される多結晶シリコン材質の層の背面に形成されたダングリングボンド(dangling bond)による欠陥を除去して、半導体基板110から生成されたキャリアがダングリングボンド(dangling bond)によって再結合されて消滅することを防止する役割をすることができる。
【0069】
第1電極141は、エミッタ部に接続し、第1方向(x)に長く伸びて形成することができる。このような、第1電極141は、エミッタ部121の方向に移動したキャリア、例えば、正孔を収集することができる。
【0070】
第2電極142は、背面電界部に接続し、第1電極141と並行するように第1方向(x)に長く伸びて形成することができる。このような、第2電極142は、背面電界部172の方向に移動したキャリア、例えば、電子を収集することができる。
【0071】
このような図1に示すように、第1、第2電極(141、142)のそれぞれは、第1方向(x)に長く伸びて形成されることがあり、第1電極141と第2電極142が第2方向(y)に交互して配置することができる。
【0072】
このような構造で製造された本発明に係る太陽電池において、第1電極141を介して収集された正孔と第2電極142を介して収集された電子は、外部の回路装置を介して外部装置の電力に利用することができる。
【0073】
本発明に係る太陽電池モジュールに適用された太陽電池は、必ず図2及び図3にのみ限定せず、太陽電池に備えられる第1、第2電極(141、142)が半導体基板110の背面のみ形成される点を除外して、他の構成要素は、いくらでも変更が可能である。
【0074】
例えば、本発明の太陽電池モジュールには、第1電極141の一部とエミッタ部121が半導体基板110の前面に位置し、第1電極141の一部が半導体基板110に形成されたホールを介して半導体基板110の背面に形成された第1電極141の残りの一部と接続されるMWTタイプの太陽電池も適用が可能である。
【0075】
このような太陽電池が、図1のように導電性配線200とインターコネクタ300を用いて、直列接続された断面構造は次の図4と同じである。
【0076】
図4は、図1でx1−x1ラインに沿った断面を示したものである。
【0077】
図4に示すように、第1太陽電池(C1)と第2太陽電池(C2)を含む複数の太陽電池は、複数個が第2方向(y)に配列することができる。
【0078】
このとき、第1、第2太陽電池(C1、C2)に備えられる複数の第1、第2電極(141、142)の長さ方向が第1方向(x)に向くように配置することができる。
【0079】
このように、第1、第2太陽電池(C1、C2)が第2方向(y)に配列された状態で、第1、第2太陽電池(C1、C2)は、第1、第2導電性配線200とインターコネクタ300によって第2方向(y)に長く伸びて直列接続される1つのストリングを形成することができる。
【0080】
ここで、第1、第2導電性配線200とインターコネクタ300は、導電性金属材質で形成され、第1、第2導電性配線200は、各太陽電池の半導体基板110の背面に接続され、太陽電池の直列接続のために、各半導体基板110に接続された第1、第2導電性配線200は、インターコネクタ300に接続することができる。
【0081】
併せて、複数の第1、第2導電性配線200は、断面が円形を有する導電性ワイヤの形態であるか、幅が厚さより大きいリボンの形を有することができる。
【0082】
具体的には、複数の第1導電性配線210は、複数の太陽電池(C1、C2)のそれぞれに備えられた複数の第1電極141に重畳されて、導電性接着剤251を介して接続され、絶縁性材質の絶縁層252によって、複数の第2電極142と絶縁することができる。
【0083】
このとき、複数の第1導電性配線210のそれぞれは、図1及び図4に示すように、第1、第2太陽電池(C1、C2)との間に配置されたインターコネクタ300方向側の半導体基板110の外に突出して配置されることができる。
【0084】
併せて、複数の第2導電性配線220は、複数の太陽電池(C1、C2)のそれぞれに備えられた複数の第2電極142に重畳されて、導電性接着剤251を介して接続され、絶縁性材質の絶縁層252によって、複数の第1電極141と絶縁することができる。
【0085】
このとき、複数の第2導電性配線220のそれぞれは、図1及び図4に示すように、第1、第2太陽電池(C1、C2)との間に配置されたインターコネクタ300方向側の半導体基板110の外に突出して配置されることができる。
【0086】
ここで、導電性接着剤251は、スズ(Sn)またはスズ(Sn)を含む合金を含む金属材質で形成することができる。併せて、このような導電性接着剤251は、スズ(Sn)またはスズ(Sn)を含む合金を含む、ハンダペースト(solder paste)、エポキシにスズ(Sn)またはスズ(Sn)を含む合金が含まれているエポキシハンダペースト(epoxy solder paste)または導電性ペースト(Conductive psate)の内、いずれか1つの形で形成することができる。
【0087】
ここで、絶縁層252は、絶縁性材質であればどのようなものでも構わず、一例として、エポキシ系の樹脂、ポリイミド、ポリエチレン、アクリル系の樹脂やシリコーン系の樹脂のいずれか1つの絶縁材質が使用されることがある。
【0088】
このように、各太陽電池の背面に接続された複数の第1導電性配線210と、複数の第2導電性配線220の内、各半導体基板110の外に突出する部分が図1及び図4に示すように、第1、第2太陽電池(C1、C2)との間に配置されるインターコネクタ300の背面に共通に接続することができ、これにより、複数の太陽電池(C1、C2)が第2方向(y)に直列接続された1つのストリングで形成することができる。
【0089】
このような構造を有する太陽電池モジュールは、複数個の太陽電池の内、第1、第2導電性配線200と、第1、第2電極(141、142)との間に接続不良が発生した太陽電池がある場合、インターコネクタ300と、複数の第1、第2導電性配線200との間の接続を解除して、その太陽電池のみ、さらに容易に交換することができる。
【0090】
一方、このような本発明の太陽電池モジュールにおいて、図4に示すように、複数の導電性配線200は、第1電極141または第2電極142に接続された部分を除外した残りの部分に凹凸部(200P)を備えることができる。
【0091】
一例として、凹凸部(200P)の断面は、導電性配線200が半導体基板110の厚さ方向(z)に折り畳まれているジグザグ(zigzag)形状で有り得る。
【0092】
さらに具体的には、導電性配線200で凹凸部(200P)が形成された残りの部分は、太陽電池モジュールを平面から見たとき、凹凸部(200P)は、第1、第2太陽電池(C1、C2)の半導体基板110との間に位置することができる。
【0093】
一例として、図4に示すように、第1導電性配線200は、太陽電池モジュールを前面から見たとき、第1太陽電池の半導体基板110とインターコネクタ300との間に露出される部分に凹凸部(200P)を備えることができ、第2導電性配線220は、太陽電池モジュールを前面から見たとき、第2太陽電池の半導体基板110とインターコネクタ300との間に露出される部分に凹凸部(200P)を備えることができる。
【0094】
このように、本発明の導電性配線200がジグザグ形状の凹凸部(200P)を備えることにより、導電性配線200を用いて、複数の太陽電池を直列接続させるとき、導電性配線200が熱膨張しても、導電性配線200は、凹凸部(200P)により第2方向(y)に伸縮性を有すことができる。これにより、導電性配線200を半導体基板110の背面に接着したり、今後、太陽電池モジュールが使用されるとき、モジュール内部の温度により、導電性配線200が熱を受けても、導電性配線200の応力を低減することができ、導電性配線200がインターコネクタ300から低下したり導電性配線200の熱膨張によりインターコネクタ300が曲がることを防止することができる。
【0095】
さらに、凹凸部(200P)の表面に形成された傾斜面によって、半導体基板110とインターコネクタ300の間に入射される光を再反射することができ、再反射された光を太陽電池の前面に配置される前面透明基板(図示せず)を介して再反射して、隣接する太陽電池に入射させることができ、太陽電池モジュールの光学的利得をさらに向上させることができる。これにより、太陽電池モジュールの効率をさらに向上させることができる。
【0096】
このように導電性配線200に形成された凹凸部(200P)の具体的な構造については、以降の図5で、さらに具体的に説明する。
【0097】
図5は、導電性配線200に形成された凹凸部(200P)をさらに具体的に説明するために、図4でA1の部分を拡大して示した一部の斜視図である。
【0098】
図5に示すように、本発明に係る太陽電池モジュールにおいて、第1、第2導電性配線200は、太陽電池モジュールを前面から見たとき、各太陽電池の半導体基板110とインターコネクタ300との間に露出される部分に凹凸部(200P)を備えることができる。
【0099】
図5においては、導電性配線200の凹凸部(200P)が半導体基板110やインターコネクタ300と、重畳される領域を除外した半導体基板110とインターコネクタ300との間に備えられた場合を一例として示したが、これと違って、凹凸部(200P)の端部が半導体基板110やインターコネクタ300と、重畳されることも可能である。このような凹凸部(200P)は、図5に示されたのように、頂部(P1)と谷の部分(R1)を備えることができる。
【0100】
この時、導電性配線200の凹凸部(200P)で谷の部分(R1)と頂部(P1)は、インターコネクタ300の長さ方向と同じである第1方向(x)に長く延長されることがてきる。
【0101】
これにより、導電性配線200が、太陽電池モジュールの製造工程中または使用中に発生する熱によって第2方向(y)に熱膨張しても、凹凸部(200P)により導電性配線200の応力を低減することができ、インターコネクタ300が導電性配線200によって曲がることを防止し、導電性配線200がインターコネクタ300から離れることを防止することができる。
【0102】
さらに、凹凸部(200P)の表面に形成された傾斜面によって、太陽電池モジュールの光学的利得をさらに向上させることができ、太陽電池モジュールの効率をさらに向上させることができる。
【0103】
このような本発明の導電性配線200で凹凸部(200P)の厚さ(TP1、TP2)は、凹凸部(200P)が形成されない部分の厚さ(TP1)の10%以内で同じとすることができる。
【0104】
一例として、図5にインターコネクタ300と、半導体基板110との間に備えた導電性配線(210、220)の凹凸部の厚さ(TP1、TP2)は、半導体基板110と重畳される導電性配線(210、220)の厚さ(T1)と10%以内で同じで有り得る。
【0105】
一例として、半導体基板110と重畳される部分での導電性配線の厚さ(T1)が0.05mm〜0.3mmの間に形成される場合、凹凸部の厚さ(TP1、TP2)は0.05mm〜0.3mmの間で10%の誤差範囲を有して実質的に同一に形成することができる。
【0106】
さらに、凹凸部(200P)の厚さ(TP1、TP2)は10%以内の誤差範囲内で均一にすることができる。
【0107】
一例として、図5に、凹凸部(200P)の頂部(P1)での厚さ(TP1)は、頂部(P1)と谷の部分(R1)との間の傾斜面での厚さ(TP2)と10%以内の誤差範囲内で均一にすることができる。
【0108】
さらに、凹凸部(200P)で谷の部分(R1)から頂部(P1)までの凹凸の高さ(HP)は、凹凸部の厚さ(TP1、TP2)より大きくすることができる。
【0109】
または、凹凸部(200P)で谷の部分(R1)から頂部(P1)までの高さ(HP)は、太陽電池モジュールで外部の衝撃から太陽電池を保護するために、太陽電池の前面と背面に位置する充填材(一例として、EVA)の厚さとインターコネクタ300の厚さを考慮して形成することができる。
【0110】
一例として、前面充填材(図示せず)と背面充填材(図示せず)の厚さがそれぞれ0.5mm程度であり、インターコネクタ300の厚さが0.2mmである場合、凹凸部(200P)で谷の部分から頂部(P1)までの高さ(HP)は、0.03mm〜1mmの間で有り得る。
【0111】
ここで、凹凸(200P)の高さ(HP)を0.03mmより大きくすることは凹凸(200P)が最小限の伸縮性を備えるようにするためであり、凹凸(200P)の高さ(HP)を1mmより小さくすることは導電性配線200の伸縮性が十分に確保された状態で、凹凸(200P)の高さ(HP)が過度に大きいと凹凸(200P)がインターコネクタ300の前面よりモジュールの前面または背面方向に過度に突出して、充填材であるEVAが損傷を受けることがありうるが、これを防止するためである。
【0112】
しかし、導電性配線200の凹凸(200P)の高さ(HP)の厚さの範囲は、必ず、前述したところに限定されるものではなく、前面充填材及び背面充填材の厚さとインターコネクタ300の厚さが変わる場合、前述した数値範囲と異なる場合がある。
【0113】
これまでは、第1実施の形態で、複数の太陽電池との間にインターコネクタ300が別途備え、複数の太陽電池が導電性配線200とインターコネクタ300を介して直列接続される場合を一例として説明したが、本発明は、インターコネクタ300が省略され、導電性配線200だけで、複数の太陽電池が直列接続される場合にも適用することができる。これについて説明すると、次の通りである。
【0114】
図6及び図7は、本発明に係る太陽電池モジュールの第2実施の形態を説明するための図であり、図6は、第2実施の形態に係る太陽電池モジュールを背面から見た形状の一例であり、図7は、図6でx2−x2ラインに沿った断面を示したものである。
【0115】
図6及び図7においては、先の図1図5で説明した内容と重複する内容についての説明は省略し、異なる部分を中心に説明する。
【0116】
図6及び図7に示すように、太陽電池モジュールの第2実施の形態では、別のインターコネクタを省略することができる。
【0117】
したがって、第1、第2太陽電池(C1、C2)を互いに直列接続させる複数の導電性配線200のそれぞれは、第1太陽電池(C1)の半導体基板110の背面と第2太陽電池(C2)の半導体基板110の背面に全て接続することができる。
【0118】
すなわち、第1、第2太陽電池(C1、C2)を互いに直列接続させる複数の導電性配線200のそれぞれは、先の第1実施の形態で説明した第1、第2導電性配線200とは異なり、第2方向(y)に配列された第1、第2太陽電池(C1、C2)の各半導体基板110と重畳されるほど、第2方向(y)への長さが相対的にさらに長いことがある。
【0119】
したがって、このような図6及び図7において、第1、第2太陽電池(C1、C2)を互いに直列接続させる複数の導電性配線200のそれぞれは、第1太陽電池(C1)と重畳される部分で、第1太陽電池(C1)の第1電極141に導電性接着剤251を介して接続され、第1太陽電池(C1)の第2電極142には、絶縁層252によって絶縁することができ、第2太陽電池(C2)と重畳される部分で、第2太陽電池(C2)の第2電極142に導電性接着剤251を介して接続され、第2太陽電池(C2)の第1電極141には、絶縁層252によって絶縁することができる。
【0120】
このように、第2実施の形態に係る太陽電池モジュールでは、第1太陽電池(C1)に接続された導電性配線200と第2太陽電池(C2)に接続された導電性配線200が1つの導電体、例えば、金属リボンによって一体に形成されることがあり、第1実施の形態とは異なり、インターコネクタ300が省略され、導電性配線200が互いに隣接する太陽電池を直列接続させることができる。
【0121】
さらに、本発明の第2実施の形態に係る太陽電池モジュールでおいても、複数の導電性配線200のそれぞれは、図7に示すように、第1太陽電池(C1)の半導体基板110と第2太陽電池(C2)の半導体基板110との間に凹凸部(200P)を備えることができる。
【0122】
さらに、第2実施の形態への導電性配線200に備えられる凹凸(200P)の高さもまた、先の第1実施の形態で説明したように、0.03mm〜1mmの間に形成することができる。
【0123】
また、導電性配線200に、互いに隣接した2つの太陽電池の間で導電性配線200に凹凸部(200P)が形成される第2方向(y)への幅(WP)は、各太陽電池に備えた半導体基板110との間の第2方向(y)の間隔よりは小さいことがあり、例えば、2mm〜6mmの間で有り得る。
【0124】
さらに、このように導電性配線200に形成された凹凸部(200P)により、第1、第2太陽電池(C1、C2)の半導体基板110との間に位置する導電性配線200の長さは、第1、第2太陽電池(C1、C2)の半導体基板110との間の間隔より大きいことがありえる。
【0125】
これまでは本発明を説明しながら、太陽電池の背面に第1、第2電極(141、142)が備えられる場合だけを一例として説明したが、このような本発明は、太陽電池モジュールに第1電極141が、太陽電池の前面に位置し、第2電極142が太陽電池の背面に位置するコンベンショナルタイプの太陽電池が適用された場合にも適用が可能である。これに対して、より具体的に説明すると、次の通りである。
【0126】
図8図11は、本発明に係る太陽電池モジュールの第3実施の形態を説明するための図である。ここで、図8は、第3実施の形態に係る太陽電池モジュールを前面から見た形状の一例であり、図9は、第3実施の形態に係る太陽電池モジュールに適用されたコンベンショナル太陽電池の一例を示す一部斜視図であり、図10は、図8のX3−X3ラインに沿った断面を示したものであり、図11は、図10のA2の部分を拡大し示した断面図である。
【0127】
図8図11においては、先の図1図7で説明したのと重複した内容については省略し、他の部分を中心に説明する。
【0128】
図8に示すように、本発明の第3実施の形態に係る太陽電池モジュールにおいて、第1、第2太陽電池(C1、C2)のそれぞれは、半導体基板110の前面に第1電極141’を備え、半導体基板110の背面に第2電極142’を備えることができる。
【0129】
さらに、図8及び図10に示すように、導電性配線200は、複数本で形成されるが、それぞれが第2方向(y)に長く伸びて形成され、それぞれが第1太陽電池(C1)の前面に導電性接着剤(図示せず)を介して接続され、第2太陽電池(C2)の背面に導電性接着剤(図示せず)を介して接続されて、第1太陽電池(C1)と第2太陽電池(C2)を直列に接続することができる。
【0130】
ここで、本発明の第3実施の形態に適用される太陽電池の一例について、さらに具体的に説明すると、次の通りである。
【0131】
図9に示すように、本発明の第3実施の形態に適用される太陽電池は、第1導電型の不純物を含有した半導体基板110の前面に第2導電型の不純物がドーピングされるエミッタ部121'が配置され、半導体基板110の前面に第1導電型の不純物が半導体基板110より高濃度にドーピングされる背面電界部172’が位置することができる。
【0132】
ここで、図9に示すように、エミッタ部121’は、半導体基板110の前面に全体的に形成され、背面電界部172’は、半導体基板110の背面の内、第2電極142’が形成された部分のみ選択的に形成することができる。
【0133】
しかし、必ずしもこれに限定されるものではなく、エミッタ部121’が半導体基板110の前面の内、第1電極141’が形成された部分のみ選択的に形成されるか、エミッタ部121’が半導体基板110の前面に全体的に形成されるが、第1電極141’が形成された部分のみ相対的にさらに高濃度で形成することもできる。
【0134】
さらに、背面電界部172’も、図9とは異なるように半導体基板110の背面に全体的に形成されることも可能である。
【0135】
さらに、図9に示すように、第1電極141’は、半導体基板110の前面に位置してエミッタ部121’に接続することができ、第2電極142’は、半導体基板110の背面に位置して、背面電界部172’に接続することができる。
【0136】
ここで、第1電極141’は、複数個が第1方向(x)に長く伸びて形成されることがあり、第2電極142’も複数の犬第1方向(x)に長く伸びて形成されるすることができる。
【0137】
しかし、図9に示された第1、第2電極(141’、142’)のパターンは、1つの一例であり、第1、第2電極(141’、142’)のパターンが、図9に示されたところと異なるように変更することもできる。
【0138】
このような太陽電池に、前述した導電性配線200が、図10に示すように、太陽電池の前面と背面にそれぞれ導電性接着剤251を介して接続されて、複数の太陽電池が直列接続することができる。
【0139】
さらに具体的一例として、複数の導電性配線200のそれぞれは、図10に示すように、第2方向(y)に長く配置されて、第1太陽電池(C1)の半導体基板110の前面に形成された第1電極(141’)に導電性接着剤を介して接続することができ、第2太陽電池(C2)の半導体基板110の背面に形成された第2電極(142’)に導電性接着剤を介して接続することができる。
【0140】
ここで、導電性配線200のそれぞれは、第1太陽電池(C1)に接続した部分と第2太陽電池(C2)に接続した部分が一体に形成されることができ、幅と厚さが同じワイヤの形態の断面を有することができる。あわせて、ここで、導電性配線200の数は6個〜33個の間に形成することができる。
【0141】
このような本発明の第3実施の形態に係る太陽電池モジュールでも、図11に示すように、複数の導電性配線200のそれぞれは、第1、第2太陽電池(C1、C2)の間に凹凸部(200P)を備えることができる。
【0142】
さらに、コンベンショナルタイプの太陽電池が適用された第3実施の形態では、複数の導電性配線200が互いに隣接した太陽電池を直接直列接続する場合を一例として説明したが、これと違ってコンベンショナルタイプの太陽電池が適用された太陽電池モジュールでも、第1実施の形態で説明したように、インターコネクタ300が使用されることができる。これに対して、図12及び図13を参照して説明すると、次の通りである。
【0143】
図12及び図13は、本発明に係る太陽電池モジュールの第4実施の形態を説明するための図である。ここで、図12は、第4実施の形態に係る太陽電池モジュールを前面から見た形状の一例であり、図13は、第4実施の形態において、インターコネクタ300が接続された部分の断面を拡大して示した断面図である。
【0144】
図12及び図13に示すように、本発明の第4実施の形態に係る太陽電池モジュールは、先の第1実施の形態で説明したようなインターコネクタ300が使用されることができる。
【0145】
このようなインターコネクタ300の前面には、第1太陽電池(C1)の前面に位置する第1電極(141’)に接続される導電性配線200が接続され、インターコネクタ300の背面には、第2太陽電池(C2)の背面に位置する第2電極(142’)に接続される導電性配線200が接続されることができる。
【0146】
このような第4実施の形態に係る太陽電池モジュールでも、導電性配線200は、図13に示すように、第1太陽電池(C1)とインターコネクタ300との間及び第2太陽電池(C2)とインターコネクタ300との間に位置する部分に凹凸部(200P)を備えることができる。
【0147】
以上、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の請求の範囲で定義している本発明の基本的な概念を利用した当業者の様々な変形及び改良形態また、本発明の権利範囲に属するものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13