(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ポートを画定するとともに各端子が2つの列の一方に含まれるように配列された複数の端子を支持するプラグモジュールであって、前記端子は厚さが0.13mm未満であり、各列は、差動対によって差動信号を供給するようにグランド、信号、信号となるように配列されたグランド端子及び信号端子を支持し、各列の複数の端子の各々はテール、接点及びそれらの間に延在する本体を含み、前記接点はポート内に片持ち梁状に位置し、相手方コネクタと嵌合するときに偏向するように構成されている、プラグモジュールと、
前記テールに接続された第1の端にあるパッドを含む終端モジュールであって、該終端モジュールは第2の端に複数の導体を終端させ、該導体はプラグコネクタから延在するケーブルを形成する、終端モジュールと、
前記プラグモジュール及び終端モジュールの少なくとも一部の周囲に延在するプラグシェルであって、ラッチ開口部を含むプラグシェルと、
前記終端モジュールによって支持される引手フレームであって、少なくとも1つの脚を介してグリップに連結された引手フレームと、
前記終端モジュールによって支持される底板であって、該底板からラッチ開口部に向けて延在するアームを有する、底板と、
前記アームの遠位端に設けられたラッチフィンガであって、ラッチ開口部内に位置するラッチフィンガとを備え、
前記グリップの並進移動がラッチフィンガを偏向させる、プラグコネクタ。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な説明は、例示的な実施形態を説明するもので、明示的に開示された組み合わせに限定されるものではない。それゆえ、特記されない限り、簡潔性のために別途図示されていないさらなる組み合わせを形成するために、本明細書において開示される特徴は組み合わされてもよい。
【0009】
同封の図面は、コネクタシステムの種々の実施形態を示す。一実施形態は、4Xコネクタを提供するコネクタシステムである。本明細書で使用されるように、ポート合計帯域幅は、チャネルと呼ばれる。したがって、4Xコネクタの場合、各ポートは、4つの送信サブチャネル(4つの差動対によって提供される)を備えるチャネルと4つの受信サブチャネル(4つの差動対によって提供される)を備えるチャネルを提供する。各対が4GHz信号送信(PCIe Gen3〜8Gbps)、8GHz信号送信(PCIe Gen4〜16Gbps)および潜在的には12.5GHz周波数の信号送信(25Gbpsのデータ速度に等しい)にさえも対応できるよう、コネクタを構成できる。したがって、各4Xコネクタは、NRZ符号化を使用して、少なくとも32Gbpsチャネル(例えば、32Gbps送信および32Gbps受信)を提供できる。理解されるように、システムがPCIe Gen4信号伝達を用いた場合、コネクタシステムは、64Gbpsチャネルに対応できる。
【0010】
より高いデータ速度に関する1つの問題が、周波数が増すたびに1メートルの導体上での挿入損失が増すことであることに留意されたい。しかし、各サブチャネルに対しては、ごく限られたロスバジェットだけである(または、信号対ノイズ比は極めて小さくなり、信号は不明瞭になる)。したがって、約12.5GHzの最小周波数(ナイキスト周波数)での信号伝達を必要とし、NRZ符号化スキームで最大約19GHzで評価される傾向にある25Gbpsストリームは、16Gbpsなどの低周波数信号伝達に対応する通信チャネルよりも低い可能性がある(NRZ符号化で約8GHzで動作する)。25Gbpsでの導体長に対する上限が、約7メートルで、十分なロスバジェットを確保するためには、おそらく5メートルに制限されることが見込まれる。16Gbps通信チャネルは、最大7〜10メートルの間の長さで十分になる傾向にあり、8Gbpsチャネル(NRZ符号化スキームで約4GHzで動作する)は、12メートル長である導体での使用に適しているかもしれない。当然、上記のおおよその概算は、用いられる配線のゲージおよび導体の種類(通常は銅ベースの配線である)によって決まる。よりよい導体を有するシステム(超電導体またはグラフェン体など)は有能ではあるが、より高価になる傾向にある。したがって、ロスバジェットおよびデータ速度に対する矛盾する需要は、符号化の量の増加(より低い周波数が使用されるように)、より短いケーブルの使用または単位長あたりの損失が実質上より少ない導体媒体の提供のいずれかを行うことなく、システムを25Gbps程度のデータ速度の使用に限定する傾向にある。
【0011】
一実施形態では、示されたシステムは、最大約8GHzで機能することを目的としており(構成に応じて)、かつ、データ速度は使用される符号化スキームによって制限される。NRZ符号化スキームの場合、示されたコネクタは、16Gbpsのデータを搬送できるサブチャネルを提供するのに適している。その他の符号化スキームが使用される場合、その他のデータ速度も可能となる。しかし、議論を簡単にするために、特記されない限り、NRZ符号化が使用されていることを仮定する(特記されない限り、符号化の種類は限定的ではないことが理解されよう)。
【0012】
従来のリセプタクルコネクタには、偏向する可能性のある端子が含まれることに留意されたい。しかし、本明細書に示す通り、リセプタクルコネクタは、回路基板に取り付けられるよう構成されるコネクタのことであるが、実質上偏向する必要のある端子は含まない。プラグコネクタは、リセプタクルコネクタと嵌合でき、リセプタクルコネクタと嵌合する際に偏向する端子を含む。当然、リセプタクル内で偏向し、プラグコネクタ内に固定端子を提供する端子を配置することもできる。したがって、端子接点の偏向する、または偏向しない機能は、特記されない限り、限定されるものではない。
【0013】
本明細書に示すコネクタシステムには、別掲の通り、0.5mmピッチにまで縮小される機能が含まれる。micro−HDMIまたはmicro−USBコネクタなどの先行するコネクタは、このようなピッチ(または0.4mmピッチで)で端子を提供してきたが、パッシブ方式で機能しうるシステムで高データ速度を提供することはできなかった(例えば、これらのコネクタは、信号を増幅/反復できる、ある種の動的部品なしでは機能できなかった)。例えば、上記の2つの設計は、サブチャネルあたり最大約2.5Gbpsのデータ速度を提供できる。しかし、示した設計は、サブチャネルあたり5Gbpsより大きいデータ速度を容易に提供できる。具体的には、示したコネクタ設計は、パッシブ方式でNRZ符号化を使用して、PCIeシステムで8Gbpsまたは16Gbpsに対応でき、かつ、
図16〜28に示す実施形態は、2重グランド端子を使用することにより、隣接する差動対間で、パッシブ方式でNRZ符号化を使用して、25Gbpsのデータ速度に対応できる。理解できるように、示した設計は、少なくとも8つのサブチャネル(片側に4つずつ)を含むよう構成できるが、用途に応じて、より小さくまたは大きくすることもできる。
【0014】
また、端子内で必要なインピーダンスを有効にするため、端子ストックの厚さが好ましくは、0.13mm未満(例えば、厚さ5ミル以下のストック)であるべきことが判明している。そうでない場合、確実に別の0.5mmピッチの端子と嵌合しうる端子内に必要なインピーダンスを提供することは問題となる。したがって、示した端子設計は、好ましくは、0.13mm厚未満であるストックで形成される。
【0015】
図に戻ると、コネクタシステム10は、回路基板20に取り付けられるリセプタクルコネクタ100を含み、アクティブまたはパッシブラッチを備えるプラグコネクタを受容しうる。具体的には、シェル105は、アクティブラッチまたはパッシブラッチを係合しうる係止開口部107を含む。リセプタクル100は、4Xコネクタを提供するよう構成され(例えば、4つの送信チャネルおよび4つの受信チャネル)、かつ、以下の開示から理解されるように、リセプタクルの設計における変形も可能である。プラグコネクタ150は、パッシブラッチを備えるプラグコネクタの一実施形態、具体的には、パッシブラッチフィンガを備えるプラグシェル155を示し、一方で、プラグコネクタ250は、アクティブラッチを備えるプラグコネクタの一実施形態、具体的には、作動組立体280の一部である、ラッチアーム282の並進移動によって作動されるアクティブラッチフィンガ257を備えるプラグシェル255を示す。
【0016】
示した設計の1つの実質上の利点は、上記のように、既存の設計よりもはるかに小型にしうるという点である。より具体的には、さらにサブチャネルあたり最大16Gbpsを提供しつつ、端子を0.5mmピッチで配置できる。したがって、示したコネクタ設計は、幅14mm×高さ4mm未満であるケージを提供しつつ、同時に最大64Gbpsのデータを送信および受信できる。端子は、十分な着陸空間を提供するために、ピッチの半分以上(例えば、0.25mmより大きい)に対して、約0.2mmになるよう構成されうる(したがって、積み重ねおよび公差の問題はより管理しやすくなる)。その点に関して、より小型の端子は、電気的性能を0.6mm未満のピッチ上ではるかに管理しやすくさせることが判明している。しかし、より小型の端子は、望ましくない機械的インターフェースを提供する。それゆえ、電気的性能を得るのがより難しいが、より大型の端子を維持することが有用であることが判明している。インピーダンスを管理するために、薄いストックが有用であることがさらに判明しており、かつ、それゆえ、薄いストック(0.13mm未満のもの)を用いることが好ましいことが判明している。端子サイズおよびプラスティックを調整することで、クロストークが同じ周波数上で少なくとも36dB以下になるようにしつつ、リターンロスがナイキスト周波数4GHz、かつ、潜在的には8GHzに対して、12.5dB未満となるように、コネクタ端子を調整できることが判明している。さらなる詳細については、図を参照することで理解できる。
【0017】
図3A〜15は、NRZ符号化を使用して、各サブチャネルに対し、8Gbpsおよび16Gbpsのデータ速度に対応しつつ、0.5mmピッチの端子を備えうるリセプタクル200の実施形態の機構を示す。リセプタクル200は、ポート202を画定する前端部206を備えるシェル205を含み、かつ、係止開口部207および複数の足部209を含む。提供される足部の数は変わりうるが、シェル205の接地手段を有するよう、少なくとも1つの足部209を有することが望ましいことに留意されたい。シェル205は、ハウジング組立体220へのシェル205の固定を支援する連結線209を含んでいてもよい。リセプタクル200は、第1のテールの列232aおよび第2のテールの列232bを含み、かつ、テールの両列は、0.5mmピッチであってもよい。
【0018】
ハウジング組立体220は、共に固定されるよう構成される第1の端子フレーム220aおよび第2の端子フレーム220bを含む。2つのフレームは、連動機構を含んでいてもよく、もしくは、接着剤で共に整列および接着されてもよく、もしくは、端子フレーム220a、220bを共に固定するためその他任意の望ましい機構が使用されてもよい。
【0019】
第1の端子フレーム220aは、第1のタング222aを含み、かつ、第1の端子フレーム220aによって支持される端子アレイ230aの保護を支援する任意の側翼224aを含んでいてもよい。第1のタング222aは、第1の信号端子235aによって形成される差動対235に隣接するタング222a上に提供されたインピーダンスノッチ225を含む。端子アレイ230aは、櫛歯フィンガ227を含む端子サポート226によって部分的に支持されうる。端子サポート226が使用されると、フランジ223を用いて、端子サポート226を第1の端子フレーム220aに固定できる。端子の移動する距離が短いため、一般的に、端子アレイ230a内の端子のインピーダンスを選択的に調整するために、端子サポート226が材料を変える必要はない。代わりに、調節は、インピーダンスノッチ225および切り欠き229によってタング222aで達成しうる。
【0020】
第1のフレーム220aに嵌合するよう構成される、第2の端子フレーム220bは、第2の信号端子235bに隣接するインピーダンスノッチ225を備える第2のタング222bを含む。理解できるように、端子フレームは、ハウジング組立体220を形成するために第1および第2の端子フレーム220a、220bを結合させうる機構を備えていてもよく、あるいは、それらは接着剤または熱かしめなどによって連結されてもよい。第2のフレーム220aは、差動対235’を形成する信号端子235bを含む。
図12〜13から理解できるように、端子フレーム220a、220bの両方は、端子アレイ周辺にインサート成形され、かつ、端子フレーム220a、220bを拘持できるようにするトングおよび溝などの機構を含んでいてもよい。これにより、端子アレイ230aは、テールの列232aを提供でき、かつ、端子アレイ230bは、テールの列232bを提供でき、かつ、端子アレイ230a、230bの両方は、より長いグランド端子236a、236bによって離されるより短い信号端子235a、235bを含む。理解できるように、より長いグランド端子は、インピーダンスノッチ225の両側に沿って延在する。
【0021】
図16〜28は、NRZ符号化を使用して、各サブチャネルに対し、8Gbpsおよび16Gbpsのデータ速度に対応しつつ、アクティブラッチ280と0.5mmピッチの端子を備えるプラグコネクタ250の一実施形態を示す。プラグコネクタ250は、外側被覆されうる本体257を含み、かつ、係合ポート251を画定する前端部257を備えるプラグシェル255を含む。アクティブラッチ280は、ラッチフィンガ288を含む。グリップ281が第1の方向A(実質上水平でもよい)に移動すると、ラッチフィンガ288は、第2の方向B(実質上垂直でもよい)に移動する。示した設計は、方向Aに移動するグリップを示すが、アクティブラッチ280も反対方向に移動するよう構成されてもよいことに留意されたい。
【0022】
アクティブラッチ280は、グリップ281をプレート283に機械的に連接される脚部282に連結させることで機能する。プレート283は、アーム287を係合させ、かつ、アーム287を偏向させるフィンガ284を有するため、ラッチフィンガ288を並進移動させる。確実なラッチング機構の提供を支援するために、アーム287は、プラグハウジング260に圧入されるフランジを有しうる基部285によって支持される。アクティブラッチ280は、それがプラグシェル255内に部分的に収容されるよう、かつ、ラッチフィンガ288がラッチ開口部261から延在するように構成される。理解できるように、フィンガ284は、アーム287に対するプレート283の並進移動によって、アーム287が並進移動するよう、表面290を係合するよう構成される。したがって、示した構成は不要である。
【0023】
アーム287は、側264a、264bを備える前開口部260aを含む、プラグハウジング260によって支持される。側264a、264bは、配向および整列制御を提供し、プラグコネクタが適切な配向で挿入されるように支援する機構を含んでいてもよい。プラグハウジング260はまた、端子フレーム270a、270bを支持し、かつ、端子フレームを定位置に固定することを支援するカラー260bを含んでいてもよい。
【0024】
端子アレイ271cおよび端子フレーム270bを支持するフレーム271aを含み、端子アレイ271dを支持するフレーム271bを含む端子フレーム270aは、前開口部260aに隣接する接点の列262a、262bを提供するために、プラグハウジング260に挿入されるよう構成される。したがって、端子アレイ271c、271dの接点273bは、端子溝269に位置決めされ、かつ、テール273aがケーブルを終端するのに用いられるよう構成されつつ、溝リップ264dによって保持される。フレーム271aは、端子アレイ271cを支持し、誘導率を下げるよう作動するインピーダンスブロック272を含む。例えば、インピーダンスブロック272は、構造機能を有する必要がなく、かつ、ケーブルおよび端子間の終端部に隣接して配置されるため、インサート成形に用いられる従来の樹脂よりも低い誘電率を提供する泡状の材料を用いて提供されてもよい。導体297を含む、ケーブル296は、対応する端子のテール273aに固定される。具体的には、信号搬送導体297は、シールド(およびケーブル内に提供されたドレイン配線)をグランド端子274に接続できつつ、差動対275を提供するため、端子フレーム270a、270bの信号端子276に半田付けされてもよい。示した通り、グランド端子274は、ケーブルがグランド端子274に終端される点で結合される2つの端子274aを含む。これによって、よりバランスのとれた信号伝搬およびケーブルから端子への移行が提供される。差動対275間で並んで位置決めされる端子274aは、必要に応じてブリッジ274bによってさらに結合される。図示するが、任意である、二重グランドの使用により、20Gbpsまたは25Gbpsなどのより高いデータ速度が可能となることに留意されたい。
【0025】
端子フレーム270aを示すが、端子フレーム270bは、端子フレーム270aと同様に構成でき、かつ、同様にインピーダンスブロックを含みうるが、端子フレーム270aとは反対に配向できる。インピーダンスブロック272が定位置にくると、保持ブロック298は、定位置に成形でき、かつ、理解できるように、保持ブロック298は、導体を端子に終端させるのに用いられる半田接続部の保護を支援し、かつ、ケーブルに対して張力緩和を提供する。
【0026】
図29A〜31は、プラグコネクタ250に類似したプラグコネクタ150の一実施形態を示すが、プラグコネクタ150は、摩擦により嵌合するリセプタクルを係合するよう構成されるラッチフィンガ188を有するが、係止様式でリセプタクルを係合せず、したがって、パッシブラッチシステムを備えるプラグコネクタの一実施形態を提供する。
【0027】
したがって、プラグコネクタ150は、プラグハウジング160周辺に位置決めされるプラグシェル155を有するという点でプラグコネクタ250の構成に類似した構成を有し、かつ、端子フレーム170bが、端子アレイ171dを支持するフレーム171bを含む一方で、端子フレーム170aは、端子アレイ171cを支持するフレーム171aを含む。プラグコネクタ250にある通り、インピーダンスブロック172は、外側被覆構造を可能にしつつ、必要な調節を提供するのに用いられる。両方のプラグコネクタにおいて、外側被覆構造は、端子を定位置に固定することを支援し、張力緩和の提供を支援し、かつ、小型設計の提供を支援する。したがって、インピーダンスブロックの使用は、外側被覆構造を可能とし、かつ、プラグコネクタ設計の残りをより有用なものにすることを支援する。
【0028】
図32〜38は、NRZ符号化を用いて、各サブチャネルに対し、8Gbpsおよび6Gbpsのデータ速度に対応しつつ、0.5mmピッチの端子の垂直整列を提供するよう構成されるリセプタクル300の機構を示す。リセプタクル300は、前端部306およびパッシブまたはアクティブラッチによって係合されうるラッチ開口部307を備えるシェル205を含む。ハウジング組立体320は、第1の端子フレーム320aおよび第2の端子フレーム320bを含む。第1の端子フレーム320aは、タング322aを含み、かつ、端子アレイ330aを支持し、かつ、端子アレイ330aは、信号端子335aが差動対335を提供するよう構成されると、グランド端子336aによって離される信号端子335aを含む。第2の端子フレーム320bは、タング322bを含み、かつ、信号端子335bおよびグランド端子336bを含む、端子アレイ330bを支持する。端子アレイ330aの場合と同様に、グランド端子336bは、信号端子が差動対335を提供するよう構成されると、信号端子335aの対を離す。
【0029】
示した通り、端子のインピーダンスの調整を支援するために、ノッチ329が端子の後ろに提供される。差動対335を形成する信号端子335の端部にインピーダンスノッチ325も提供され、かつ、より長いグランド端子336bは、インピーダンスノッチの両側に沿って延在する。示したタング構成は、必要なインピーダンス調節を提供するのに有用ではあるが、その他の手法も用いることができるため、示したタング構成は、特記されない限り、限定するものではないことに留意されたい。
【0030】
図39〜52は、NRZ符号化を使用して、各サブチャネルに対して8Gbpsおよび16Gbpsのデータ速度に対応しつつ、必要な構成に応じて、かつ、0.5mmピッチでの端子で2ピース設計の導電設計により形成されうる、もしくは絶縁材料によって形成されうる本体357を含むプラグコネクタ350の一実施形態を示す。プラグコネクタ350は、上面356および前端部357を備えるプラグシェル355を含む。プラグシェル355は、係合ポート351の画定を支援し、かつ、プラグシェル355は、ラッチ開口部361bを通じて延在するラッチフィンガ388を有し、ラッチ開口部361bは、少なくとも部分的に上面356内に形成される。理解できるように、プラグコネクタ350は、プラグモジュール360および終端モジュール370を含み、かつ、2つのモジュールは、プラグコネクタ350を形成するために結合される。
【0031】
示したアクティブラッチ380は、グリップ381を含み、これは、作動のために引かれるよう任意に構成され、かつ、脚部382に連結され、同様に引手フレーム383に連結される。引手フレーム383は、プレート383aを含み、かつ、プレート383aは、傾斜部384に機械的に連結され、かつ、一実施形態では、両方が1ピースの組立体として一体的に形成されうる。傾斜部384が並進移動されると、摺動面384aが傾斜面390を圧迫し、アーム387を偏向させる。アーム387の偏向により、ラッチフィンガ388が並進移動し、かつ、一実施形態では、ラッチフィンガ388が、傾斜面390が並進移動するときよりも少なくとも50%離れて並進移動する。したがって、グリップ381の方向Aへの作動により、ラッチフィンガ388が方向Bに並進移動する。これら2つの方向は、相互に対して実質上垂直でもよく、かつ、グリップ381が引かれる代わりに押されてもよいことに留意されたい(当然、グリップが方向Aとは反対の方向に移動した場合、傾斜部384および傾斜面390の配向を変更する必要がある)。
【0032】
アクティブラッチのその他の形態が提供されてもよく、かつ、一実施形態では、アクティブラッチは、プラグコネクタ150によって使用されるなど、パッシブラッチと置換されてもよいことに留意されたい。示したアクティブラッチシステムは、アクティブラッチングシステムの一実施形態であり、かつ、アクティブラッチシステムが必要な場合、ラッチのアームを作動させるその他の望ましい方法も適切であることが理解できる。したがって、グリップもラッチアーム上でまっすぐ下に押し出すよう構成されてもよい。
【0033】
プラグモジュール360は、プラグシェル355を含み、かつ、ランプ371aを係合し、かつ保持するよう構成される係止開口部361aを有する。ブリッジ361cは、ラッチフィンガ388がブリッジ361cの両側上に提供されるように、ラッチ開口部361bを分岐する。アーム387は、基部386によって支持され、同様に、底板389によって支持される。底板389は、終端モジュール370に固定されてもよく、したがって、アーム387は、片持ち様式で終端モジュール370から延在する。
【0034】
終端モジュールは、ランプ371aおよびステップ371cを含むハウジング371を含む。ハウジングは、プラグモジュール360が係合されるように構成されるパッド373cを含むカード372を支持する。
【0035】
上述のプラグコネクタ設計は、0.5mmピッチで離間配置された端子と連動する設計を提供しつつ、パドルカードの使用を避けたことに留意されたい。しかし、任意の種類の電子部品を追加することが望ましい場合、パドルカードは有用でありうる。両側に接点を備えるパドルカードは、ある種のサンドイッチを形成するよう、対向層を共に押すことで形成される。パドルカードの両側が完全に整列されることが理想的だが、パドルカードを形成するプロセスにより、パドルカードの第2の側面上に形成された第2のパッドの組の場所と比較して、パドルカードの第1の側面上に形成されたパッドの組の場所に公差が生じる。
【0036】
従来のパドルカード設計では、端子が0.5mmピッチになる場合、コネクタ内のパドルカードを固定する公差と合わさると、パドルカードの設計において固有の公差(例えば、パドルカードの対向側上のパッド間の相対距離に対して)がこのような従来のパドルカード設計(SFP型コネクタで使用されうるものなど)を提供することを不可能にする。パドルカードがリセプタクル内の一方の側に付勢されても、リセプタクル内の端子の場所は、端子がインサート成形手法で形成できるという事実のため、非常に正確に制御できるが、パドルカードの縁およびパドルの他方の側上のパッドに対するパッドの場所の公差は、パドルカードの両側が0.5mmピッチで端子に嵌合される必要がある場合に、パドルカード設計が確実な接続をなすことができないほど十分な大きさとなる。
【0037】
これを解決する1つの方法は、パドルカードの製造プロセスを改善することだが、現在、それを行う費用効率のよい方法はない。しかし、その他の大きな公差が生じなければ、パドルカードの2つの側間の公差の差は収容できることが判明している。それに応じて、示した設計では、パドルカードの第1の側面上のパッドの位置をデータムとして用い、ビジョンソフトウェアにより、対応するパッド上にプラグモジュール内に提供された第1の端子の組を正確に位置決めできる。プラグモジュール内に提供された第2の端子の組(対向端子)の位置は、従来の製造手法で慎重に制御され、かつパドルカードの第2の側面上の第2のパッドの組を確実に係合できる。例えば、端子のテールが約0.2mm幅となるよう端子が構成される場合、端子は約0.3mm幅であるパッドを確実に係合できる。
【0038】
図45は、終端モジュール370内で使用できるパドルカード372の特徴を示す。パドルカード372は、パドルカード372の対向側上に位置決めされるパッド373bおよび373b’の列を有する。各パッド373cは、ケーブル396によって提供される導体に電気的に結合されてもよく、かつ、プラグモジュール360によって提供される対応する端子に嵌合されるよう構成される。配線対373a、373a’、373a’’および373a’’’は、差分信号経路を提供するように、信号パッドを使用するよう構成されたパッドに結合される。ケーブル396の信号導体379bは、これらの配線対に半田付けされ、一方で、ドレイン導体379aは、ブランド端子に対応するパッドに半田付けされる。パドルカードは、パドルカードにハウジング371を固定するのに用いられるノッチ378を含んでいてもよい。
【0039】
次に、テール363aがパッド373bにそろうように、プラグモジュール360が位置決めされる。理解できるように、終端モジュール370に対するプラグモジュールの配向は、パッド上にテールを配置することによってのみ制御され、したがって、その他の公差は整列には干渉しない。したがって、プラグモジュールおよび終端モジュールは互いに隣接するが、整列がハウジング371の場所に対するハウジング364の場所ではなく、端子の場所によって決まるため、物理的には整列機構を必要としない。一方の側のテールが対応するパッドに十分に整列されると、公差が他方の側のテールが同様に確実に整列しうると判断されるのに十分となり、かつテールがパッドに半田付け可能となる。理解できるように、必要な精度のレベルは、公差の積み重ねによって決まり、かつ、当業者には容易に判定できるため、本明細書ではこれ以上説明しない。
【0040】
理解できるように、プラグモジュールは、テール363a、接点363bおよびその間に延在する本体363cを含む。テールは、列363、363’内に提供され、かつ、接点は、係合ポート351の画定を支援する側364a、364bを備えるハウジング364に位置決めされる。配向機構364cを用いて、プラグコネクタ350の後方挿入を防ぐことができる。
【0041】
端子は、ブロック368a、368bによって支持され、ハウジング364の壁369の対向側上に位置決めされ、かつ、接点は少なくとも部分的に、レッジ364aによって適所に抑制される。したがって、端子フレーム368、368’が提供される。
【0042】
起伏部363eを使用して、ブロック368a内に端子363を固定することが有用であることが判明している。したがって、鋭角部を用いる従来の設計とは異なり、示した設計は、起伏部を用いて、データ速度が16Gbpsまたは25Gbpsに増す場合は特に有用である、インピーダンスの断絶および反射を減らしつつ、ブロック内に端子を固定するようにしうる。
【0043】
特定の実施形態では、終端モジュールは光モジュールとして機能するよう構成されてもよいことに留意されたい。このような実施形態では、パドルカードの片側に取り付けられるケーブルがないが、代わりに、電気信号を光信号に変換しうる構成要素がパドルカード上に提供される。このような光モジュールは、構造において変化する可能性があり、光モジュールは知られているため、本明細書では説明しないが、このような終端モジュールもまたパドルカードをプラグモジュールに嵌合させることができる同じパッド構成を含むことが理解される。
【0044】
図53〜61は、NRZ符号化を使用して、各サブチャネルに対して、8Gbpsおよび16Gbpsデータ速度に対応しつつ、0.5mmピッチでの端子を備える回路基板20上に取り付けられるよう構成されたリセプタクル100の細部を示す。リセプタクル100は、前端部106およびラッチ開口部107を備えるシェル105を含む。回路基板20は、2列のパッド21a、21bを含み、列内の各パッド22は、リセプタクル100内のテールに結合されるよう構成される。信号パッドに対応するパッドは、バイアス22b、次にトレース22cに接続するトレース22aに結合される。開示される実施形態は、各信号対間に位置決めされる2つのグランドパッドを有し、これは、クロストークが低く、より高い信号伝達周波数を必要とする設計における使用にとって有益である。このような構成は、例えば、有用であり、(NRZ符号化を使用して)25Gbpsに等しいデータ速度にとって潜在的に必要である。
【0045】
リセプタクル100は、2つの端子フレーム120a、120bを支持するハウジング120を含む。端子フレーム120aには、端子アレイ130aを支持するフレーム122aが含まれ、一方、端子フレーム120bには、端子アレイ130bを支持するフレーム122bが含まれる。フレーム122aは、端子アレイ130aを支持するが、端子櫛歯123aがテールの位置を制御するのに有用であることが判明されている。差動対132が隣接する端子に結合されるよりもより密接に結合されるよう、該差動対はインピーダンスノッチ124に整列されうる(例えば、差動対は優先的に結合されうる)。したがって、インピーダンスノッチは、端子のサイズおよびピッチが端子の実際の離間またはサイズを変えることをより困難としても、優先的な結合を許容し、かつ、さらに機械的に堅牢な設計を提供する。しかし、フレーム122bは、小型化するにつれ端子櫛歯の使用を回避でき、したがって、インピーダンスノッチは、フレーム122b内に直接提供されうる。端子櫛歯123aは、ハウジング120内のスロット121内に位置決めできる。2つのフレームが相互に対して摺動するように、表面128などのフレーム122a、122bの表面を円滑にしうることに留意されたい。したがって、2つの端子フレーム120a、120bは、ハウジング120に挿入される前に結合される必要はない。したがって、結果は、両方の端子フレーム上に提供された1列の接点129となる。
【0046】
必要なリターンロスおよびクロストーク性能を提供することが有用であると考えられ、特定の用途の場合、システムが要求通りに機能することを確保するには必要でありうることに留意されたい。当然、コネクタは、システム全体の一部であり、したがって、コネクタから改善された性能を提供することは常に有用である。しかし、最終的には、性能をさらに改善するのに必要なさらなる製造費は、魅力的ではなくなる。当業者は、これらの矛盾を理解でき、かつ、システム要件および本明細書で提供された教示に基づいて、適切な性能を選択するであろう。
【0047】
本明細書で提供された開示は、本明細書の好適な、および例示的な実施形態に関して特徴を説明している。その他多くの実施形態、添付の特許請求の範囲の範囲および趣旨内の修正および変形は、本開示を検討すれば、当業者なら理解されよう。