(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示による研磨粒子を作製する方法は、セラミック粒子が、オルガノシラン及び酸素を含む構成成分から形成されたプラズマに曝露される工程を含む。好ましくは、セラミック粒子は、研磨粒子として使用するために好適に寸法決めされるが、これは必要条件ではない。本明細書で使用する場合、「研磨粒子」という用語は、少なくとも4のモース硬度及び研磨物品及び/又はプロセスにおける使用に適したサイズ分布を有する粒子を指す。
【0016】
セラミック粒子には、例えば、アルミナ(例えば、熱処理酸化アルミニウム、白色溶融酸化アルミニウム、褐色溶融酸化アルミニウム、単結晶溶融酸化アルミニウム、焼結型ゾルゲル誘導アルミナ、ゾルゲルアルミニウム窒化物/アルミニウム酸窒化物、及び焼結型ボーキサイトを含む)、炭化ケイ素、アルミナ−ジルコニア、アルミン酸窒化物、セリア、ホウ素亜酸化物、ザクロ石、トリポリ、フリント、ダイヤモンド(例えば、天然及び合成ダイヤモンド)、並びに立方晶窒化ホウ素(cBN)が挙げられる。一実施形態では、研磨材料は、立方晶窒化ホウ素、ダイヤモンド、アルミナ、炭化ケイ素、又それらの組み合わせを含み得る。セラミック粒子は、不規則に成形されるか(例えば、破砕粒子)、又は精密に成形され得る(例えば、ゾルゲルプロセスによるそれらの形成において使用される成形型に対応する形状を有する)。いくつかの実施形態では、セラミック粒子(及びしたがって、セラミックのコア)は、シリカを含まない。異なるセラミック粒子の組成及び/又は形状の組み合わせが、本開示によるプロセスにおいて使用され得る。
【0017】
オルガノシラン及び酸素を含む構成成分から形成されるプラズマは、例えば、米国特許第8,080,073号(Moses et al.)に記載されるような既知の方法によって調製され得る。プラズマは、構成成分を含有するフッ素を本質的に含まない。つまり、プラズマは、1重量パーセント未満のフッ素、好ましくは0.1重量パーセント未満のフッ素、より好ましくは0.01重量パーセント未満のフッ素、更により好ましくは0.001重量パーセント未満のフッ素、更により好ましくは0.0001重量パーセント未満のフッ素を含有するか、又はフッ素を完全に含まない。
【0018】
オルガノシランは、ガス輸送技法によって制御され得る十分な蒸気圧を有するように好ましくは選択されるが、これは必要条件ではない。好ましくは、オルガノシランは、ケイ素、炭素、水素、及び任意に酸素原子から構成されるが、他のオルガノシランが使用されてもよい。好適なオガノシラン(oganosilane)の例には、テトラメチルシラン(TMS)、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、エチルシラン、テトラエチルオルトケイ酸塩(TEOS)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、ジシラノメタン、ビス(メチルシラノ)メタン、1,2−ジシラノエタン、1,2−ビス(メチルシラノ)エタン、2,2−ジシラノプロパン、ジエチルシラン、ジエチルメチルシラン、プロピルシラン、ビニルメチルシラン、ジビニルジメチルシラン、1,1,2,2−テトラメチルジシラン、ヘキサメチルジシラン、1,1,2,2,3,3−ヘキサメチルトリシラン、1,1,2,3,3−ペンタメチルトリシラン、ジメチルジシラノエタン、ジメチルジシラノプロパン、テトラメチルジシラノエタン、テトラメチルジシラノプロパン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好ましくは、オルガノシランは、テトラメチルシランである。いくつかの実施形態では、オルガノシランは、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、テトラメチルジシロキサン、ポリジメチジシロキサン、及びこれらの組み合わせ等のオルガノシロキサンを含む。
【0019】
一般的に、そのようなプラズマは、プラズマが形成される条件下で、オルガノシラン及び酸素、及び任意に不活性ガスをプラズマ発生装置の処理室に供給することによって調製することができる。結果として得られるプラズマ変性セラミック粒子は、ケイ素、酸素、及び水素をそれらの外面上に含むケイ酸塩層を有する。好ましくは、ケイ酸塩層は、セラミック粒子の表面にわたって、実質的に均一であるか、及び/又は全体的である。
【0020】
典型的なプラズマ反応器は、その中でプラズマが形成され、プラズマ変性される物品に曝露される処理室を有する。その処理室は、低圧で動作し、プラズマを形成し、制御するための電気部品(例えば、電極)及びガス操作制御を収容する。
【0021】
プラズマ処理の間、処理室内のガスから反応器内で作られるプラズマは、電力(例えば、0.001〜100MHzの範囲の周波数で動作する無線周波(RF)発生器から)を少なくとも1つの電極に供給することによって生成され、維持される。電極系は、対称又は非対称であり得る。いくつかのプラズマ装置では、接地電極と駆動電極との間の電極表面積比は、2:1〜4:1、又は3:1〜4:1である。駆動電極は、例えば、水によって冷却されてもよい。プラズマ蒸着は、例えば、非対称の電極構成のより小さい電極と直接接触させるように粒子を配置することによって達成することができる。このことによって、駆動電極と粒子との間の容量結合により、粒子が電極として作用することが可能となる。セラミック粒子の撹拌は、シェル層の実質的に完全及び/又は均一な蒸着を確実にすることを助けることができる。
【0022】
RF電力源は、0.01〜50MHzの範囲の、又は13.56MHzの、又はこの任意の整数(例えば、1、2、又は3)倍の、標準的な周波数で電力を提供する。RF電力源は、13.56MHz発振器などのRF発生器であり得る。効率的な電力結合を得る(すなわち、反射電力が入力電力の小さい割合である)ためには、電力源は、同軸の送電線によりRF電力を有効に伝送するように、電源のインピーダンスを送電線のインピーダンス(通常50オームリアクタンス)と整合させるように作用するネットワークを介して電極に接続されてもよい。2つの可変コンデンサーとインダクタを含む整合ネットワークの1つの種類は、Plasmatherm(St.Petersburg,Florida)から商標名AMN 3000として入手可能である。従来の電力結合方法は、駆動電極と電源との間のインピーダンス整合ネットワーク中で阻止コンデンサーを使用することを含む。この阻止コンデンサーによって、DCバイアス電圧が電気回路の残余に分流しないようにする。代わりに、DCバイアス電圧を接地電極中で分流させる。RF電力源からの許容可能な周波数範囲は、より小さい電極上に大きな負のDCセルフバイアスを形成するのに充分に高くともよいが、これが生じるプラズマ中に、プラズマ処理に非効率的である定在波を作り出すほど高くあってはならない。
【0023】
プラズマは、酸素、オルガノシラン、及び任意に不活性ガス(例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン、又はキセノン)を含む構成成分から形成される。重量に基づく酸素に対するオルガノシランの、プラズマ反応器の処理室内への供給比率は、典型的には、約0.05〜約0.35、好ましくは、約0.05〜約0.25である。曝露の力及び期間は、適用されるコーティングの厚さを決定するために調整され得る。
【0024】
典型的には、プラズマ処理接触時間は、約0.1分間〜約10分間、好ましくは約0.1分間〜約2分間である。TMSを用いた研磨粒子のバッチ処理プラズマ蒸着のための例示的なプロセス条件は、以下の通りである。約150sccmのTMS流量、約500sccmの酸素流量、約75mTorr(7300mPa)の圧力、約1000wattsの無線周波数(RF)電力密度、及び約600秒のプラズマ処理時間。
【0025】
セラミック粒子のバッチ処理に加えて、粒子は、例えば、米国特許第5,888,594号(David et al.)、同第5,948,166号(David et al.)、同第7,195,360号(Bacon,Jr.et al.)、及び同第7,887,889号(David et al.)に記載される技法を使用して、搬送ウェブ上に配置され、連続的に処理され得る。連続的プラズマ処理装置としては、典型的には、RF電力源によって駆動することができる回転ドラム電極、接地電極として作用する接地チャンバ、連続移動ウェブの形態として、処理されるべき物品を連続的に供給する給送リール、及び処理済物品を集める巻き取りリールが挙げられる。給送及び巻き取りリールは、所望によりチャンバの中に入れるか、又は低圧プラズマがチャンバの中で維持される限り、チャンバの外で動作することができる。必要であれば、付加的な間隙制御のために、同心の接地電極を駆動ドラム電力電極の近くに付加することができる。必要であれば、マスクを使用して、不連続処理を提供することができる。入口は、好適な処理ガスを蒸気又は液体の形でチャンバに供給する。
【0026】
上記プロセスの結果が、セラミックのコアを有し、プラズマ蒸着シェル層によって少なくとも部分的に封入される粒子である。
【0027】
好ましくは、少なくとも部分的に封入するプラズマ蒸着されたシェル層は、1nm〜1000nm厚、より好ましくは1nm〜100nm厚、及びより好ましくは50〜100nm厚の厚さを有するが、他の厚さが使用されてもよい。シェル層は、好ましくは、セラミックのコアを少なくとも部分的に封入する。
【0028】
任意の事前処理工程では、セラミック粒子は、上述のオルガノシラン及び酸素を含む構成成分から形成されたプラズマに曝露される前に、酸素プラズマに曝露されてもよい。この工程は、例えば、シェル層の形成、又はセラミックのコアへのその接着を妨げる可能性がある任意の有機物質(例えば、混入物質)をセラミック粒子の表面から除去するのに役立ち得る。
【0029】
シェル層は、シラノール基(即ち、Si−OH基)を有するケイ酸塩物質を含む。シラノール基は、研磨粒子を形成するためのカップリング剤に反応性がある。例示的なカップリング剤には、オルガノシラン、チタネート、及びジルコネートが挙げられるが、他のカップリング剤が使用されてもよい。典型的には、カップリング剤とシェル層との短い接触は、化学結合を形成する化学反応を生じさせるのに十分であるが、しかしながら、長時間の接触及び/又は加熱も使用され得る。カップリング剤は、カップリング剤に反応しない有機溶媒で希釈されてもよい(例えば、テトラヒドロフラン、トルエン、又はジクロロメタン)。使用されるカップリング剤の量は、好ましくは、本明細書において上で指定された厚さで、シェル層を形成するのに十分でなくてはならない。
【0030】
オルガノシランは、シラノール基に反応性があり、市場の供給業者から多種多様な形態で容易に入手可能であることから、特に有用なカップリング剤である。いくつかの実施形態では、カップリング剤は、式:
R
1−SiY
3
で表されるオルガノシランカップリング剤を含み、式中、R
1は、一価有機基であり、各Yは、独立して、加水分解性基である。いくつかの実施形態では、R
1は、2〜18個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、R
1は、3〜12個の炭素原子を有し、エポキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アミノアルキル基、アクリロキシアルキル基、及びメタアクリロキシアルキル基からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、各Yは、独立して、−Cl、−Br、−OC(=O)R
2、及びOR
2からなる群から選択され、式中、R
2は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表す。
【0031】
好適なシランカップリング剤には、例えば、米国特許第3,079,361号(Plueddemann)において特定されるものが挙げられる。具体例としては、(3−アクリルオキシプロピル)トリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メタアクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン(全て、Gelest,Inc.(Morrisville,Pennsylvania)から入手可能である)、並びにビニルベンジルアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン(メタノール中40%で供給される、XIAMETER OFS−6032 SILANE)、クロロプロピルトリメトキシシラン(XIAMETER OFS−6076 SILANE)、及びアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン(XIAMETER OFS−6094 SILANE)等のDow Corning Corp.(Midland,Michigan)から「XIAMETER」の商標名で入手可能なものが挙げられる。
【0032】
好適なチタネートカップリング剤には、例えば、米国特許第4,473,671号(Green)において特定されるものが挙げられる。具体例としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(ラウリル−ミリスチル)チタネート、イソプロピルイソステアロイルジメタアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ドデシル−ベンゼンスルホニル)チタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジイソオクチルホスファト)トリ(ジオクチルピロホスファト)チタネート、イソプロピルトリアクリロイルチタネート、及びジイソプロプキシ(エトキシアセトアセチル)チタネート、テトラ(2,2−ジアリオキシメチル(diallyoxymethyl))ブチルジ(ジトリデシル)ホスフィート(phosphito)チタネート(Kenrich Petrochemicals,Inc.(以下、Kenrich)(Bayonne,New Jersey)からKR 55として入手可能)、ネオペンチル(ジアリル)オキシトリネオデカノニルチタネート(KenrichからLICA 01として入手可能)、ネオペンチル(ジアリル)オキシトリ(ドデシル)ベンゼン−スルホニルチタネート(KenrichからLICA 09として入手可能)、ネオペンチル(ジアリル)オキシトリ(ジオクチル)ホスファトチタネート(KenrichからLICA 12として入手可能)、ネオペンチル(ジアリ)オキシトリ(ジオクチル)ピロ−ホスファトチタネート(KenrichからLICA38として入手可能)、ネオペンチル(ジアリル)オキシトリ(N−エチレンジアミノ)エチルチタネート(KenrichからLICA 44として入手可能)、ネオペンチル(ジアリル)オキシトリ(m−アミノ)フェニルチタネート(KenrichからLICA 97として入手可能)、並びにネオペンチル(ジアリル)オキシトリヒドロキシカプロイルチタネート(KenrichからLICA 99として以前は入手可能)が挙げられる。
【0033】
好適なジルコネートカップリング剤には、例えば、米国特許第4,539,048号(Cohen)において特定されるものが挙げられる。具体例としては、プロピオン酸ジルコニウム、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル)ブチルジ(ジトリデシル)ホスフィートジルコネート(KenrichからKZ 55として入手可能)、ネオペンチル(ジアリル)オキシトリネオデカノイルジルコネート(KenrichからNZ 01として入手可能)、ネオペンチル(ジアリル)オキシトリ(ドデシル)ベンゼンスルホニルジルコネート(KenrichからNZ 09として入手可能)、ネオペンチル(ジアリル)オキシトリ(ジオクチル)ホスファトジルコネート(KenrichからNZ 12として入手可能)、ネオペンチル(ジアリル)オキシトリ(ジオクチル)ピロホスファトジルコネート(KenrichからNZ 38として入手可能)、ネオペンチル(ジアリル)オキシトリ(N−エチレンジアミノ)エチルジルコネート(KenrichからNZ 44として入手可能)、ネオペンチル(ジアリル)オキシトリ(m−アミノ)フェニルジルコネート(KenrichからNZ 97として入手可能)、ネオペンチル(ジアリル)オキシトリメタアクリルジルコネート(KenrichからNZ 33として入手可能)、ネオペンチル(ジアリル)オキシトリアクリルジルコネート(KenrichからNZ 39として以前は入手可能)、ジネオペンチル(ジアリル)オキシジ(パラ−アミノベンゾイル)ジルコネート(KenrichからNZ 37として入手可能)、及びジネオペンチル(ジアリル)オキシジ(3−メルカプト)プロピオン酸ジルコネート(KenrichからNZ 66A)として入手可能が挙げられる。
【0034】
1つ又は2つ以上のカップリング剤の混合物が使用されてもよいが、典型的には、単一のカップリング剤で十分である。
【0035】
シェル層内でのカップリング剤とSi−OH基との反応は、カップリング剤とシラノール基の少なくとも一部との縮合によって形成された残基(即ち、化学残基)の形成をもたらす。いくつかの実施形態では、残基は、三価式
【0036】
【化1】
で表され、式中、R
1は、先に定義された通りである。シェル層内でのカップリング剤とSi−OH基との反応によって得られる研磨粒子は、更なる操作及び/若しくは変性を伴わずに(即ち、「そのままで」)使用されてもよく、又はそれらは、更に変性及び/若しくはサイズ分けされてもよい。好ましくは、それらは「そのまま」で使用される。
【0037】
本開示によるセラミック粒子及び/又は研磨粒子、並びに特に、本開示に従ってそれらから作製される破砕セラミック粒子及び研磨粒子は、例えば、ANSI(American National Standard Institute)、FEPA(Federationof European Producers of Abrasives)、及びJIS(JapaneseIndustrial Standard)等の研磨工業で認可された等級標準の使用を含む、当該技術分野で周知の技法を使用してふるい分け及び等級分けされ得る。本開示による研磨粒子は、幅広い粒径、典型的には、約0.1〜約5000マイクロメートル、より典型的には約1〜約2000マイクロメートル、好ましくは約5〜約1500マイクロメートル、より好ましくは約100〜約1500マイクロメートルの大きさの範囲で使用され得る。
【0038】
ANSI等級表記としては、ANSI 4、ANSI 6、ANSI 8、ANSI 16、ANSI 24、ANSI 36、ANSI 40、ANSI 50、ANSI 60、ANSI 80、ANSI 100、ANSI 120、ANSI 150、ANSI 180、ANSI 220、ANSI 240、ANSI 280、ANSI 320、ANSI 360、ANSI 400、及びANSI 600が挙げられる。FEPA等級表記としては、P8、P12、P16、P24、P36、P40、P50、P60、P80、P100、P120、P150、P180、P220、P320、P400、P500、P600、P800、P1000、及びP1200が挙げられる。JIS等級表記としては、JIS8、JIS12、JIS16、JIS24、JIS36、JIS46、JIS54、JIS60、JIS80、JIS100、JIS150、JIS180、JIS220、JIS240、JIS280、JIS320、JIS360、JIS400、JIS400、JIS600、JIS800、JIS1000、JIS1500、JIS2500、JIS4000、JIS6000、JIS8000、及びJIS10,000が挙げられる。
【0039】
本開示による研磨粒子は、それらを形成するために使用される方法によって一般的に示される規則的及び/又は精密な形状を有し得る。例えば、本開示による研磨粒子は、角錐、切頭角錐、杆状、又は円錐の形状であり得る。本開示による実践方法において使用されるセラミック粒子は、ゾルゲル混合物の押出し若しくはスクリーン印刷(例えば、米国特許第6,054,093号(Torre,Jr.et al)に記載される)によって、又は、例えば、米国特許出願公開第2010/0146867 A1号(Boden et al.)、同第2010/0151195A1号(Culler et al.)、同第2010/0151196 A1号(Adefris et al.)、同第2009/0165394 A1号(Culler et al.)、及び同第2010/0151201A1号(Erickson et al.)に記載される生産工具(即ち、成形型)を使用するゾルゲル成型プロセスによって作製することができる。これらの方法においては、所望に応じて、粒子を成形型から取り出すことを補助するために、初期分散体中に離型化合物を含むか、又は成形型表面上に離型物をコーティングすることが望ましい。典型的な離型剤としては、ピーナッツ油又は鉱物油等の油、魚油、シリコーン、ポリテトラフルオロ-エチレン、ステアリン酸亜鉛、及び黒鉛が挙げられる。
【0040】
別の態様では、本開示は、結合剤及び複数の研磨粒子を含む研磨物品(例えば、コーティングされた研磨物品、結合研磨物品(レジノイド結合研削砥石及び切断砥石、軸付砥石、並びにホーニング砥石を含む)、不織布研磨物品、及び研磨ブラシ)を提供し、研磨粒子の少なくとも一部は、本開示による研磨粒子である(研磨粒子が凝集される場合を含む)。そのような研磨物品を作製する方法及び研磨物品を使用する方法は、当業者に周知である。
【0041】
コーティングされた研磨物品は、一般的に、裏材、研磨粒子、及び研磨粒子を裏材上に保持するための少なくとも1つの結合剤を含む。好適な裏材の例としては、織布、高分子フィルム、バルカナイズドファイバー、不織布、ニット織物、紙、これらの組み合わせ、及びこれらの処理された変異形が挙げられる。結合剤は、無機又は有機結合剤を含む任意の好適な結合剤であり得る(熱硬化樹脂及び放射線硬化樹脂を含む)。研磨粒子は、コーティングされた研磨物品の1つの層又は2つの層に存在し得る。
【0042】
本開示によるコーティングされた研磨物品の例示的な実施形態が、
図1に示される。
図1を参照すると、コーティングされた研磨物品100は、裏材120及び研磨層130を有する。研磨層130は、メイクコート150及びサイズコート160によって裏材120(基材)の主表面170に固定される本開示による研磨粒子140を含む。例えば、任意のスーパーサイズ層(図示せず)、つまり、サイズ層上に重畳された層、又は裏材帯電防止処理層(図示せず)等の追加層も、所望に応じて含まれてもよい。
【0043】
本開示による別の例示的なコーティングされた研磨物品が、
図2に示される。
図2を参照すると、例示的なコーティングされた研磨物品200は、裏材220(基材)及び構造研磨層230を有する。構造研磨層230は、裏材220の主表面270に固定された結合材料250中に分散した本開示による研磨粒子240を含む複数の成形研磨複合材料235を含む。
【0044】
本開示によるコーティングされた研磨物品は、例えば、研磨層上に重畳された任意のスーパーサイズ層等の追加層を含んでもよく、又は所望に応じて、裏材帯電防止処理層が含まれてもよい。
【0045】
コーティングされた研磨物品に関する更なる詳細は、例えば、米国特許第4,734,104号(Broberg)、同第4,737,163号(Larkey)、同第5,203,884号(Buchanan et al.)、同第5,152,917号(Pieper et al.)、同第5,378,251号(Culler et al.)、同第5,436,063号(Follett et al.)、同第5,496,386号(Broberg et al.)、同第5,609,706号(Benedict et al.)、同第5,520,711号(Helmin)、同第5,961,674号(Gagliardi et al.)、及び同第5,975,988号(Christianson)において確認することができる。
【0046】
レジノイド結合研磨物品は、典型的には、有機結合剤によって一緒に保持された研磨粒子の成形塊を含む。そのような成形塊は、例えば、研削砥石又は切断砥石等の砥石の形態であり得る。研削砥石の直径は、典型的には、約1cm〜1メートル超であり、切断砥石の直径は、約1cm〜200cm超(より典型的には、3cm〜約50cm)である。切断砥石の厚さは、典型的には、約0.5mm〜約5cm、より典型的には、約0.5mm〜約2cmである。成形塊は、例えば、ホーニング砥石、セグメント、軸付砥石、円盤、又は他の従来の結合研磨形状の形態であってもよい。結合研磨物品は、典型的には、結合研磨物品の全体積に基づいて、約3〜50体積パーセントの結合材料、約30〜90体積パーセントの研磨粒子(又は研磨粒子ブレンド)、最大50体積パーセントの添加物(研削助剤を含む)、及び最大70体積パーセントの細孔を含む。
【0047】
例示的な形態は、研削砥石である。
図3を参照すると、本開示による研削砥石300は、結合材料330によって保持され、砥石中に成型され、ハブ320上に載置される、本開示による研磨粒子340を含む。
【0048】
結合研磨物品に関する更なる詳細は、例えば、米国特許第4,543,107号(Rue)、同第4,741,743号(Narayanan et al.)、同第4,800,685号(Haynes et al.)、同第4,898,597号(Hay et al.)、同第4,997,461号(Markhoff-Matheny et al.)、同第5,037,453号(Narayanan et al.)、及び同第5,863,308号(Qi et al.)において確認することができる。
【0049】
不織布研磨物品は、典型的には、その構造全体にわたって分布しており、有機結合剤によってその中に接着して結合される本開示による研磨粒子を有する開放型多孔質ロフティー(lofty)ポリマーフィラメント構造を含む。フィラメントの例には、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、及びポリアラミド繊維が挙げられる。
図4では、本開示による例示的な不織布研磨物品400の約100倍に拡大された概略図が提供される。本開示によるそのような不織布研磨物品は、ロフティー開放型不織布繊維ウェブ450(基材)を含み、その上に、本開示による研磨粒子440が結合材料460によって接着される。
【0050】
不織布研磨物品に関する更なる詳細は、例えば、米国特許第2,958,593号(Hoover et al.)、同第4,227,350号(Fitzer)、同第4,991,362号(Heyer et al.)、同第5,712,210号(Windisch et al.)、同第5,591,239号(Edblom et al.)、同第5,681,361号(Sanders)、同第5,858,140号(Berger et al.)、同第5,928,070号(Lux)、及び米国特許第6,017,831号(Beardsley et al.)において確認することができる。
【0051】
有用な研磨ブラシには、裏材に複数の剛毛単位を有するものが挙げられる(例えば、米国特許第5,443,906号(Pihl et al.)、同第5,679,067号(Johnson et al.)、及び同第5,903,951号(Ionta et al.)を参照されたい)。好ましくは、そのようなブラシは、ポリマーと研磨粒子との混合物を射出成形することによって作製される。
【0052】
好適な結合材料には、例えば、熱硬化性有機ポリマー等の有機結合剤が挙げられる。好適な熱硬化性有機ポリマーの例には、フェノール樹脂、ウレア−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ウレタン樹脂、アクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ペンダントα、β−不飽和カルボニル基を有するアミノプラスト樹脂、エポキシ樹脂、アクリル化ウレタン、アクリル化エポキシ、及びこれらの組み合わせが挙げられる。結合剤及び/又は研磨物品はまた、例えば、繊維、潤滑剤、湿潤剤、チキソトロピック材料、界面活性剤、顔料、染料、帯電防止剤(例えば、カーボンブラック、酸化バナジウム、黒鉛)、カップリング剤(例えば、本開示に従って処理されていない希釈研磨粒子とのカップリングのため)、可塑剤、及び懸濁剤等の添加物も含み得る。これらの任意の添加物の量は、好ましい特性を提供するために選択される。カップリング剤は、研磨粒子及び/又は充填剤との接着を改善することができる。結合剤の化学作用は、熱硬化され得る、放射線硬化され得る、又はこれらの組み合わせであり得る。結合剤の化学作用に関する更なる詳細は、米国特許第4,588,419号(Caul et al.)、同第4,751,138号(Tumey et al.)、及び同第5,436,063号(Follett et al.)において確認することができる。
【0053】
結合材料は、典型的には、粒子材料の形態で充填材料又は研削助剤も含有し得る。典型的には、粒子材料は、無機材料である。本開示に関して有用な充填剤の例には、金属炭酸塩(例えば、炭酸カルシウム(例えば、白亜、方解石、泥灰土、石灰華、大理石、及び石灰岩)、カルシウム炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム)、シリカ(例えば、石英、ガラスビーズ、ガラス気泡体、及びガラス繊維)ケイ酸塩(例えば、タルク、粘土、(モンモリロナイト)長石、雲母、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム)硫酸金属(例えば、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸ナトリウム、アルミニウム硫酸ナトリウム、硫酸アルミニウム)、石膏、バーミキュライト、木粉、アルミニウム三水和物、カーボンブラック、金属酸化物(例えば、酸化カルシウム(石灰)、酸化アルミニウム、二酸化チタン)、並びに亜硫酸金属塩(例えば、亜硫酸カルシウム)が挙げられる。
【0054】
一般に、研削助剤を添加すると、研磨物品の耐用寿命が延びる。研削助剤は、研磨の化学的プロセス及び物理的プロセスにおいて顕著な効果を有し、改善された性能を生じる材料である。研削助剤は、多種多様な材料を包含しており、無機系であっても有機系であってもよい。研磨助剤の薬品群の例としては、ワックス、有機ハロゲン化物化合物、ハロゲン化物塩と、金属及びその合金が挙げられる。有機ハロゲン化合物は、典型的には、研磨の間に分解し、ハロゲン酸、又はガス状のハロゲン化合物を放出する。そのような材料の例としては、テトラクロロナフタレン、ペンタクロロナフタレンのような塩素化ワックス、及びポリ塩化ビニルが挙げられる。ハロゲン塩の例としては、塩化ナトリウム、カリウムクリオライト、ナトリウムクリオライト、アンモニウムクリオライト、テトラフルオロホウ酸カリウム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、フッ化ケイ素、塩化カリウム、塩化マグネシウムが挙げられる。金属の例としては、スズ、鉛、ビスマス、コバルト、アンチモン、カドミウム、及び鉄チタンが挙げられる。他の各種研削助剤には、硫黄、有機硫黄化合物、グラファイト、及び金属硫化物が挙げられる。異なる研削助剤の組み合わせが使用されてもよく、いくつかの例では、これは相乗効果を生み出し得る。
【0055】
研削助剤は、コーティングされた研磨剤及び結合研磨物品において特に有用であり得る。コーティングされた研磨物品において、研削助剤は、典型的には、研磨粒子の表面上に適用されるスーパーサイズコートにおいて使用される。しかしながら、時に研削助剤は、サイズコートに添加される。典型的には、コーティングされた研磨物品に組み込まれる研削助剤の量は、約50〜300g/m
2(好ましくは、約80〜160g/m
2)である。ビトリファイド結合研磨物品において、研削助剤は、典型的には、物品の細孔内に含浸される。
【0056】
研磨物品は、100パーセントの本開示による研磨粒子、又はそのような研磨粒子の他の研磨粒子及び/又は希釈粒子とのブレンドを含有することができる。しかしながら、研磨物品中の研磨粒子の少なくとも約2重量パーセント、好ましくは少なくとも約5重量パーセント、及びより好ましくは約30重量パーセント〜100重量パーセントが、本開示による研磨粒子であるべきである。
【0057】
場合によっては、本開示による研磨粒子は、5〜75重量パーセント、約25対75重量パーセント、約40対60重量パーセント、又は約50対50重量パーセント(即ち、重量で等量)の比率で、別の研磨粒子及び/又は希釈粒子とブレンドされてもよい。
【0058】
好適な従来の研磨粒子の例には、溶融酸化アルミニウム(白色溶融アルミナ、熱処理酸化アルミニウム、及び褐色酸化アルミニウムを含む)、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、ザクロ石、溶融アルミナ−ジルコニア、及びゾルゲル誘導研磨粒子等が挙げられる。従来のゾルゲル誘導研磨粒子は、種晶を添加されてもよく、又は種晶を添加されなくてもよい。同様に、それらは、不規則に成形されてもよく、又は杆状若しくは三角形等のそれらと関連する既定の形状を有してもよい。場合によっては、研磨粒子のブレンドは、いずれかの種類の研磨粒子を100パーセント含む研磨物品と比較して改善された研削性能を呈する研磨物品をもたらすことができる。
【0059】
研磨粒子のブレンドが存在する場合、ブレンドを形成する研磨粒子の種類は、同じ大きさのものであり得る。あるいは、研磨粒子の種類は、異なる粒径のものであってもよい。例えば、より大きく寸法決めされた研磨粒子が、本開示による研磨粒子であり、より小さく寸法決めされた粒子が、別の研磨粒子の種類であってもよい。逆に、例えば、より小さく寸法決めされた研磨粒子が、本開示による研磨粒子であり、より大きく寸法決めされた粒子が、別の研磨粒子の種類であってもよい。
【0060】
好適な希釈粒子の例には、大理石、石膏、フリント、シリカ、酸化鉄、ケイ酸アルミニウム、ガラス(ガラス気泡体及びガラスビーズを含む)、アルミナ気泡体、アルミナビーズ、並びに希釈凝集体が挙げられる。
【0061】
本開示による研磨粒子はまた、研磨凝集体内で、又は研磨凝集体と組み合わせられてもよい。研磨凝集体粒子は、典型的には、複数の研磨粒子、結合剤、及び任意の添加物を含む。結合剤は、有機及び/又は無機であり得る。研磨凝集体は、不規則に成形されるか、又はそれらの研磨凝集体に関連する既定の形状を有し得る。形状は、例えば、ブロック、円筒、角錐、コイン、又は正方形であり得る。研磨凝集体粒子は、典型的には、約100〜約5000マイクロメートル、典型的には約250〜約2500マイクロメートルの範囲の粒径を有する。
【0062】
研磨粒子は、研磨物品中に均一に分布していてもよく、又は研磨物品の選択された区域若しくは位置に集中していてもよい。例えば、コーティングされた研磨剤内には、研磨粒子の2つの層が存在してもよい。第1の層は、本開示による研磨粒子以外の研磨粒子を含み、第2の(最も外側の)層は、本開示による研磨粒子を含む。同様に、結合研磨剤中には、研削砥石の2つのはっきりと異なる区分が存在し得る。最も外側の区分が、本開示による研磨粒子を含み得る一方、最も内側の区分は含まない。あるいは、本開示による研磨粒子は、結合研磨物品の全体に均一に分布していてもよい。
【0063】
本開示は、被加工物を研磨する方法を提供する。方法は、本開示による研磨粒子を被加工物の表面と摩擦接触させることと、研磨粒子のうちの少なくとも1つ及び被加工物の表面を他方に対して動かして、被加工物の表面の少なくとも一部を研磨することと、を含む。本開示による研磨粒子を用いて研磨するための方法は、例えば、スナッギング(即ち、高圧高ストック除去)から艶出し仕上げ(例えば、被覆研磨材ベルトで医療用インプラントを艶出し仕上げする)を含み、後者は、典型的には、より微細な等級(例えば、ANSI 220以上)の研磨粒子で完了される。研磨粒子はまた、ビトリファイド結合砥石を有する研削カムシャフト等の精密な研磨用途においても使用され得る。特定の研磨用途において使用される研磨粒子の大きさは、当業者には明らかであるだろう。
【0064】
研磨は、乾式又は湿式で行われ得る。湿式研磨に関しては、液体が、導入され、ライトミストの形態で供給され、浸水を完了する。一般的に使用される液体の例としては、水、水溶性油、有機潤滑剤、及び乳剤が挙げられる。液体は、研磨に関連する熱を取り除くように作用するか、及び/又は潤滑剤として作用することができる。液体は、殺菌剤、消泡剤等の少量の添加物を含有してもよい。
【0065】
被加工物の例としては、アルミニウム金属、炭素鋼、軟鋼(例えば、1018軟鋼及び1045軟鋼)、工具鋼、ステンレス鋼、焼入鋼、チタン、ガラス、セラミック、木材、木質様材料(例えば、合板及び粒子ボード)、塗料、塗面、有機被覆表面等が挙げられる。研磨中に加えられる力は、典型的には、約1〜約100キログラム(kg)の範囲であるが、他の圧力が使用されてもよい。
【0066】
本開示の選択された実施形態
第1の実施形態では、本開示は、研磨粒子を作製する方法を提供し、本方法は、
a)第1のセラミック粒子を、オルガノシラン及び酸素を含む構成成分から形成されたオルガノシラン由来のプラズマに曝露して、プラズマ処理されたセラミック粒子を形成する工程であって、そのオルガノシラン由来のプラズマが、フッ素を本質的に含まない、工程と、
b)カップリング剤をプラズマ変性セラミック粒子と接触させて、研磨粒子を準備する工程と、を含む。
【0067】
第2の実施形態では、本開示は、第1の実施形態に記載の方法を提供し、工程a)の前に、
第2のセラミック粒子を酸素プラズマに曝露して、第1のセラミック粒子を形成することを更に含む。
【0068】
第3の実施形態では、本開示は、第1又は第2の実施形態に記載の方法を提供し、オルガノシランは、テトラメチルシランを含む。
【0069】
第4の実施形態では、本開示は、第1〜第3の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供し、構成成分は、ヘリウム、アルゴン、キセノン、及びこれらの組み合わせから選択される不活性ガスを更に含む。
【0070】
第5の実施形態では、本開示は、第1〜第4の実施形態のいずれか一項に記載の方法を提供し、カップリング剤は、式:
R
1−SiY
3
で表されるオルガノシランカップリング剤を含み、式中、R
1は、一価有機基であり、各Yは、独立して、加水分解性基である。
【0071】
第6の実施形態では、本開示は、第5の実施形態に記載の方法を提供しR
1は、3〜12個の炭素原子を有し、エポキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アミノアルキル基、アクリロキシアルキル基、及びメタアクリロキシアルキル基からなる群から選択される。
【0072】
第7の実施形態では、本開示は、第5の実施形態に記載の方法を提供し、各Yは、独立して、−Cl、−Br、−OC(=O)R
2、及びOR
2からなる群から選択され、R
2が、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表す。
【0073】
第8の実施形態では、本開示は、研磨粒子を提供し、各研磨粒子は、
シリカを含まないセラミックのコアと、
セラミックのコアを少なくとも部分的に封入するシェル層であって、ケイ素、酸素、及び水素を含み、シラノール基を含む、シェル層と、
カップリング剤とシラノール基の少なくとも一部との縮合によって形成された少なくとも1つの残基と、を含む。
【0074】
第9の実施形態では、本開示は、第8の実施形態に記載の研磨粒子を提供し、残基は、式
【0075】
【化2】
で表され、式中、R
1は、3〜12個の炭素原子を有し、エポキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アミノアルキル基、アクリロキシアルキル基、及びメタアクリロキシアルキル基からなる群から選択される。
【0076】
第10の実施形態では、本開示は、第8又は第9の実施形態に記載の研磨粒子を提供し、研磨粒子は、研磨工業規格の公称等級に準拠する。
【0077】
第11の実施形態では、本開示は、有機結合剤中に保持される第8〜第10の実施形態のいずれか一項に記載の研磨粒子を含む研磨物品を提供する。
【0078】
第12の実施形態では、本開示は、第11の実施形態に記載の研磨物品を提供し、研磨物品は、結合研磨物品を含む。
【0079】
第13の実施形態では、本開示は、第11の実施形態に記載の研磨物品を提供し、研磨物品は、コーティングされた研磨物品を含む。
【0080】
第14の実施形態では、本開示は、第11の実施形態に記載の研磨物品を提供し、研磨物品は、不織布研磨物品を含む。
【0081】
以下の非限定的な実施例によって本開示の目的及び利点を更に例示するが、これら実施例で引用される特定の材料及びそれらの量、並びに他の条件及び詳細は、本開示を不当に制限するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0082】
特に記載のない限り、実施例及び本明細書の残りの部分における全ての部、割合、及び比率は、重量に基づいたものである。
【0083】
表1(以下)の略称が、実施例全体を通して、材料に関して使用される。
【0084】
【表1】
【0085】
湿式ロッカードラム試験
試験される研磨物品を7.6cm×20.3cmのシートに変形した。これらの試験標本を、0.476cm×15.2cmの摩耗経路の小さい弧を描いて前後に振動される(揺り動かされる)円筒形のスチールドラム試験機に取り付けた。被加工物は、研磨物品に対して本質的に垂直であり、研磨物品と摩擦接触していた。研磨剤は、15.2cmの初期長で、0.476cm×0.476cmの寸法を有する固定式1018炭素鋼被加工物の0.476cm×0.476cmの表面を研磨した。この摩耗経路上では1分間当たり約60ストロークがあった。レバーアームによって被加工物にかけられた負荷は、3.6kgであった。試験中、水を摩耗経路上に連続的に流して、標本を湿った状態に保った。500サイクル(即ち、1サイクルは、1回の前後の動きである)後に取り除かれた炭素鋼の総量を総切削として記録した。切削の著しい低下又は研磨物品の裏材までの摩耗のいずれかによってエンドポイントを決定するまで、500サイクルの漸増で試験を続けた。
【0086】
摩耗経路の端部又は始点から2.54cm、摩耗経路及び研磨されていない隣接区域に沿って3.175cm毎で、スタリット花崗岩定盤に取り付けられているキャリパーゲージを有するBrown & Sharpe Digit−Dialモデル599−1033を使用して、摩耗経路に沿った4つの区域及び研磨されなかった摩耗経路に隣接する4つの区域におけるキャリパー測定を記録した。表示数値をインチで記録し、ミルに変換した。使用域及び未使用域のそれぞれにおける4つの表示数値は、未使用の特徴高さ及び摩耗経路における高さの平均値を得るための平均であった。ミルでの総キャリパー損失で除したグラムでの総切削の比率としてG比率を計算した。
【0087】
転動管状プラズマ処理装置
乾燥機械式ポンプ(Edwards Model iQDP80、Boc Edwards)で支えられたルーツブロワ(Edwards Model EH1200、Boc Edwards(West Sussex,United Kingdom))を備える真空ポンプシステムに接続された直径6インチ(0.2メートル)のPyrexガラス管を備える自作プラズマシステム内で研磨粒子を処理した。MKS質量流量制御装置(MKS Power Generators and Subsystems(Wilmington,Massachusetts))によってガラス管の一端の中心でガスをガラス管中に導入し、ガラス管の他端からガスをポンプで送り込んだ。RF電力を、幅6インチ(15cm)及び長さ12インチ(30cm)の銅外部電極によってチャンバに連結し、円の弧を描いて進ませ、ガラス管の外径と一致させた。ガラス管の周りの有孔金属製の囲い及び駆動電極は、接地電極を構成した。チャンバ内のRF自動整合ネットワーク(RF Power Productsから入手可能なモデルAM−20)を通して電源(RF Power Products(Kresson,New Jersey)から入手可能なモデルRF−30H)からRF電力を送達した。圧力は、ガスの流量によって決定され、独立して制御されなかった。ガラス管を1.8回転/分で回転させた。システムは、5mTorr(0.67Pa)の公称基本圧力を有する。ガスの流量は、MKSパワージェネレーターズ・アンド・サブシステムズ(MKS Power Generators and Subsystems)より入手可能な流量制御装置によって制御した。蒸着される研磨粒子をガラス管内に置いた(したがって、プラズマ生成の際に形成されるイオンシース内に位置付けた)。
【0088】
AP2の調製(AP1のプラズマ処理))
AP1(500〜2000g)を上述の転動管状プラズマ処理装置内に配置し、反応器チャンバを10mTorr(1.33Pa)の圧力までポンプで下げた。次いで、酸素ガスを250scc/分の流量で導入し、RF電力を320ワット及び30〜50mTorr(4〜7Pa)の範囲の圧力で、30分間維持した。酸素プラズマ処理の後、TMS蒸気を300scc/分の流量で酸素ガスに加え、RF電力を320ワットで維持し、ケイ素含有フィルムの蒸着を30〜50mTorr(4〜7Pa)の範囲の圧力で30分間継続した。ケイ素含有フィルムの蒸着が完了した後、粒子を、250scc/分で流れる酸素ガスとともに500scc/分の流量で、アルゴン混合物中2体積パーセントのSiH
4を含むプラズマ中で、320ワットのRF電力で、50〜100mTorr(7〜13Pa)の範囲の圧力で60分間更に処理した。プラズマ処理プロセスに続いて、プラズマ処理チャンバを環境に通気し、粒子を除去した。
【0089】
AP3の調製
トリフルオロ酢酸でpHを3.52に調整した加水分解希釈水溶液から、鉱物の重量で0.1%のA174を用いてAP1を処理することによって、AP3を調製した。加水分解されたシラン溶液を粒子に添加して、振盪することによって完全に混合した。45℃で24時間、オーブン中で乾燥させることによって、シラン処理プロセスを完了した。シラン処理した鉱物を、適切に寸法決めしたふるいを押し通すことによって分解した。
【0090】
AP4の調製
トリフルオロ酢酸でpHを3.5に調整した加水分解希釈水溶液から、鉱物の重量で0.1%のA174を用いてAP2を処理することによって、AP4を調製した。加水分解されたシラン溶液を粒子に添加して、振盪することによって完全に混合した。45℃で24時間、オーブン中で乾燥させることによって、シラン処理プロセスを完了した。シラン処理した鉱物を、適切に寸法決めしたふるいを押し通すことによって分解した。
【0091】
(実施例1)
24.75部のSR351プレミックス、24.25部の充填剤、1部のOX50、及び50部のAP4からなる研磨スラリーを混合することによって、実施例1を調製した。スラリーを、舌圧子を使用して微細複製されたポリプロピレン工具(0.65インチ(1651マイクロメートル)の平均底幅、0.03インチ(762マイクロメートル)の平均高さ、及び米国特許第7,300,479号(McArdle et al.)の表3において030SQRT項目において記載される凹面縁を有する錐体空洞を有する)にコーティングし、スラリーでコーティングされた工具を、スラリー側から裏材にテープで固定した。研磨物品の裏材は、裏材の前側にラテックス/フェノール樹脂プレサイズ処理を有するX重量ポリエステル裏材であった(硬化樹脂に基づき89部/15部)。プレサイズを裏材に適用し、次いで、任意の揮発物を実質的に除去し、フェノール樹脂をゲル状にするように加熱した。スラリーの裏材への良好な湿潤を確実にするように試料をローラー間で挟み、次いで、ウェブを30フィート/分(fpm)(9.14メートル/分)で動かしながら、Fusion UV Systems Inc.(Gaithersburg,Maryland)の紫外線(UV)ランプ、D型電球を用いて工具面を600ワット/インチ(236ワット/cm)で照射することによって硬化した。その後、試料を115℃で4時間硬化し、構造研磨物品を得た。
【0092】
比較実施例A
比較実施例Aを、研磨スラリーが、24.25部のSR351プレミックス、23.75部の充填剤、1部のOX50、1部のA174、及び50部のAP1であったことを除いて、実施例1と同じように調製した。
【0093】
比較実施例B
比較実施例Bを、AP3をAP4で置き換えたことを除いて、実施例1と同じように調製した。
【0094】
実施例1並びに比較実施例A及びBの研磨物品を、湿式ロッカードラム試験に従って試験した。比較切削率データ及び比較G比率データを表2(以下)に報告する。これらのデータは、実施例1の研磨物品の切削率及びG比率の上昇を示す。
【0095】
【表2】
【0096】
AP5の調製
次の方法、つまり、水(2400部)及び70%の硝酸水溶液(72部)を含有する溶液を11分間高剪断混合することによって、Sasol North America(Houston,Texas)の商標名「DISPERAL」を有する酸化アルミニウム一水和物粉末(1600部)を分散させて、ベーマイトゾルゲルを調製することによって、AP5を作製した。結果として得られたゾルゲルは、コーティング前に少なくとも1時間エージングした。ゾルゲルを、28ミル(0.711mm)の深さ及び各辺110ミル(2.794mm)の三角形の成形型の空洞を有する、研磨試料AP5を作製するための生産工具に押し入れた。各工具に関して、成形型の側壁と底部との間の抜き勾配角は98度であった。平行隆起部は、0.277mm毎に離間されており、隆起部の断面は、米国特許公開番号第2010−0146867号に記載されるように、0.127mmの高さと、先端において各隆起部の側面間に45度の角度と、を有する三角形であった。ゾルゲルを、生産工具の開口部が完全に充填されるように、パテナイフを使用して空洞に押し入れた。メタノール中1%のピーナッツ油である離型剤を使用して、0.5mg/インチ(0.2mg/cm)のピーナッツ油で生産工具をコーティングし、生産工具に塗布した。生産工具のシートを摂氏45度で空気対流オーブン内に5分間置くことによって、過剰なメタノールを除去した。ゾルゲルでコーティングされた生産工具を、摂氏45度で少なくとも45分間空気対流オーブンに置き、乾燥させた。超音波ホーンを通過させることにより、前駆体成形研磨粒子を生産工具から取り出した。前駆体成形研磨粒子を摂氏約650度で焼成し、次いで以下の濃度の硝酸混合溶液(酸化物として報告された)を含浸させた:7.0%のMgO及び0.05%のCoO。過剰な硝酸溶液を除去し、開口部を有する飽和した前駆体成形研磨粒子を乾燥させ、その後、この粒子を再び摂氏650度で焼成し、摂氏約1400度で焼結させた。焼成及び焼結は双方とも、回転式管状釜を使用して実行した。
【0097】
AP6の調製
AP6を、工具が12ミル(0.3045mm)の深さ及び各辺52.1ミル(1.323mm)の三角形の成形型の空洞を有することを除いて、AP5と同じように調製した。各工具に関して、成形型の側壁と底部との間の抜き勾配角は98度であり、先端において各隆起部の側面の間で45度に曲がる。
【0098】
AP7及びAP8の調製
AP5及びAP6を、それぞれ、AP1で置き換えたことを除いて、AP7及びAP8をAP2と同じように調製した。
【0099】
AP9及びAP10の調製
AP7及びAP8を、それぞれ、脱イオン水中で加水分解希釈水溶液からの鉱物の重量で0.25重量%のA1100で処理することによって、AP9及びAP10を調製した。加水分解されたシラン溶液を粒子に添加して、振盪することによって完全に混合した。65℃で24時間、オーブン中で乾燥させることによって、シラン処理プロセスを完了した。シラン処理した鉱物を、適切に寸法決めしたふるいを押し通すことによって分解した。
【0100】
(実施例2)
実施例2の研磨物品は、以下の手順によって調製されるロットから選択された切断砥石(型/形状41)であった。AP9(1254グラム)を、120グラムのPR1及び5mLのFAとKitchenAidミキサー中で7分間混合した。これは混合物1だった。39.2重量%のPR2、51.7重量%のPAF、8.2重量%のSiC、及び0.9重量%のCBをLoedigeミキサー(FM300D型)中で3分間混合することによって、混合物2を調製した。次いで、混合物1及び混合物2を組み合わせて、KitchenAidミキサー中で10分間混合した。混合物の粘度を調整し、粉塵の発生を低減させるために、混合中にPO(10mL)を添加した。
【0101】
この混合物を開放した浅い容器に配置し、室内温度及び湿度で16時間調湿した。それは次いで2×2mmの開口物を備えるふるいでふるいにかけられ、凝集塊を取り除いた。次いで、このふるいにかけられた混合物を、MaterniniモデルSP 400C加圧機を使用して直径125mmのダイに加圧した。スクリムをダイ内に配置し、次いで、27グラムの上記混合物を添加し、スクリムの2つ目の部品を添加した。薄いペーパーラベル及び金属の中央孔ブッシングが追加された。次いで、この組成物を390kg/cm
2で加圧した。
【0102】
次いで、切断砥石を金属プレート間に配置し、積み重ねられたPTFEコーティングシートで隔て、70kgで一緒に加圧し、ネジで固定した。その積み重なりを硬化オーブン内に置いた。オーブンを、75℃で1.5時間、90℃で1.5時間、110℃で4時間、135℃で4時間、188℃で3時間加熱し、次いで、188℃で8時間保持した。次いで、加熱を停止し、オーブンを冷却させた。冷却後、切断砥石をアルミニウム及びPTFEシートの積み重なりから取り外した。最終切断砥石の寸法は、直径124.9mm〜125.1mm及び厚さ1.24〜1.34mmであった。中心孔の直径は、22.30mmであった。
【0103】
(実施例3)
表3に示されるような組成変更を除き、実施例3の研磨物品を実施例2と同じように調製した。最終切断砥石の寸法は、直径125.0mm〜125.2mm及び厚さ1.64〜1.70mmであった。中央孔は直径22.31mmだった。
【0104】
比較実施例C及びD
表3に示されるような組成変更を除き、比較実施例C及びDを実施例2と同じように調製した。
【0105】
比較実施例E及びF
表3に示されるような組成変更を除き、比較実施例E及びFを実施例3と同じように調製した。
【0106】
比較実施例G
比較実施例Gは、Tyrolit GmbH & Co.KG(Neuenrade,Germany)から125×1.2×22 A60Q−BFXA Premium切断砥石、型番77966(公称厚さ:0.045インチ(0.114cm))として入手可能な市販の切断砥石であった。
【0107】
比較実施例H
比較実施例Hは、Saint Gobain Abrasives,Inc.(Worcester,Massachusetts)のNORTON CHARGER RIGHTCUT 5インチ×0.045インチ×7/8インチ(13cm×0.11cm×2.2cm)1型切断砥石、部品番号66252826570 7 RC5CH(公称厚さ:0.067インチ(0.17cm))であった。
【0108】
比較実施例I
比較実施例Iは、Manufacturing HDQ(North Windham,Connecticut)のSAITECH 5インチ×0.045インチ×7/8インチ(13cm×0.11cm×2.2cm)1型切断砥石、部品番号23177(公称厚さ:0.063インチ(0.16cm))であった。
【0109】
比較実施例J
比較実施例Jは、PFERD INC.(Leominster,Massachusetts)のPFERD SG−ELASTIC 5インチ×0.045インチ×7/8インチ(13cm×0.11cm×2.2cm)1型切断砥石、部品番号EHT 125−1.6 R SG−INOX EDP 63608(公称厚さ:0.062インチ(0.16cm))であった。
【0110】
【表3】
【0111】
直角切断試験
切断砥石を230V 4インチ(0.1メートル)のBoschグラインダー、モデルGWS 6−100(公称rpm10,000)が取り付けられたDavide Maternini SPA(Malnate,Italy)からのMaternini切断試験機、モデルPTA100/230上で試験した。切断試験機は、以下のパラメータで使用された:試験プログラム125−SS−R、切断の電流:3.5A、係数kp=15、係数kd=30。被加工物は、16mmの固体304ステンレス鋼ロッドであった。平均切断時間及び切断回数の両方を、切断砥石が100mmの直径に達するまで記録した。比較試験結果を表4(以下)に示し、試験終了時の区域指数とは、(被加工物の断面積×切断回数)÷切断砥石の摩耗区域である。
【0112】
【表4】
【0113】
比較実施例C及びEを比較実施例D及びFとそれぞれ比較すると、約38〜40パーセントの性能上昇が研磨粒子のプラズマ処理によって達成された。プラズマ変性研磨粒子のシラン処理(実施例2及び3)は、更におよそ20パーセント寿命を改善し、処理されていない研磨粒子を有する研磨物品に比べて約50〜60パーセントの性能上昇をもたらした。切断時間は、追加のシラン処理を伴わないプラズマ変性研磨粒子(比較実施例D及びF)において、最も著しく(約8〜10パーセント速い)減少した。
【0114】
オフハンド試験1
試験する研磨切断砥石を、5インチ(13cm)Bosch直角グラインダー(1803EVS、120V、1.45HP、11.000rpm)上に載置し、ステンレス鋼の3mm厚シートを直線に切断した。切断砥石の初期直径、最終直径、及び厚さを記録した。試験のエンドポイントは、切断砥石の68mmの直径までの摩耗又はステンレス鋼シートの1メートルの問題ない切断のいずれかのうち最初に生じた方であった。直径68mmのエンドポイントに達した場合、切断の長さを記録した。1メートルのエンドポイントに達した場合、その切断完了までの時間を記録した。試験データを表5(以下)に示す。
【0115】
【表5】
【0116】
比較実施例Cと比較して比較実施例Dは、ほぼ2倍(0.53mのみではなく1mの切断)長持ちしたが、実施例2は、比較実施例Cと比べて約50パーセントの改善を示した。実施例3に関して、比較砥石に対して、砥石摩耗及び切断時間の両方が著しく減少した。
【0117】
オフハンド試験2
試験する研磨切断砥石を5インチ(13cm)Bosch直角グラインダー(1803EVS、120V、1.45HP、11000rpm)上に載置し、鉄鋼棒材を連続して切断した。エンドポイント(68mmの砥石直径に達する)の前の切断回数を記録した。試験データを表6(以下)に示す。
【0118】
【表6】
【0119】
プラズマ処理(比較実施例D)は、比較実施例Cの性能を約30パーセント改善したが、追加のシラン処理(実施例2)は、比較実施例Cと比較して全体性能を約60パーセント改善した。比較実施例Fの性能は、比較実施例Eと比較して約32パーセント改善されたが、実施例3の追加のシラン処理は、比較市販製品に対して、約90パーセントの総上昇をもたらし、3.5〜6倍の性能上昇をもたらした。
【0120】
要約すると、異なる試験方法(自動対オフハンド)、及び異なる被加工物形状(棒材対シート金属)を比較した場合、砥石の性能の明白な序列を確認することができ、プラズマ変性鉱物は、砥石摩耗の性能改善(より長い寿命)を示し、追加のシラン処理は、性能上昇を示す。
【0121】
当業者であれば、添付の特許請求の範囲に、より具体的に記載した本開示の趣旨及び範囲から逸脱せずに、本開示への他の修正及び変更を行うことが可能である。多様な実施形態の観点を多様な実施形態の他の観点と全体的に、若しくは一部的に相互交換すること又は組み合わせることが可能であることが理解される。引用したすべての参照文献、特許、又は上記の特許出願は、一貫した方式で参照によって本明細書に組み込まれる。組み込まれた参照文献の部分と本願の部分との間に不一致又は矛盾がある場合、前述の情報が優先されるものとする。前述の説明は、請求する開示内容を当業者が実施することを可能にするためのものであり、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、本開示の範囲は特許請求の範囲及びそのすべての等価物によって定義される。