特許第6373984号(P6373984)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士機械製造株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6373984
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】ばら部品供給装置、ばら部品供給方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20180806BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20180806BHJP
【FI】
   H05K13/02 D
   H05K13/08 A
【請求項の数】7
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2016-524968(P2016-524968)
(86)(22)【出願日】2014年6月3日
(86)【国際出願番号】JP2014064713
(87)【国際公開番号】WO2015186188
(87)【国際公開日】20151210
【審査請求日】2017年5月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000969
【氏名又は名称】特許業務法人中部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 一真
【審査官】 福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−305613(JP,A)
【文献】 特開2013−094938(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00−13/08
B25J 1/00−21/02
B23P 19/00
B65G 47/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じ種類の複数個の部品をばら状態で支持するばら部品支持部と、
そのばら部品支持部に支持された前記ばら状態にある前記複数個の部品を撮像する撮像装置と、
前記ばら部品支持部に支持された前記ばら状態にある前記複数個の部品の各々をピックアップして保持可能な部品保持具を1つ以上備えた部品保持ヘッドと、
その部品保持ヘッドを、少なくとも、前記ばら部品支持部と前記部品を次工程へ引渡可能な部品引渡部との間で移動させる保持ヘッド移動装置と
を含み、前記ばら部品支持部に支持された前記複数個の部品の各々をピックアップして、前記部品引渡部に予め定められた姿勢で整列させるばら部品供給装置に、
前記撮像装置の撮像によって得られた画像データである撮像画像データに基づいて前記1つ以上の前記部品保持具のうちの1つを変更する保持具変更装置を設け、かつ、前記保持ヘッド移動装置が、前記撮像画像データに基づいて決まる加速度を超えない加速度で、前記1つ以上の前記部品保持具のうちの少なくとも1つが前記部品を保持した状態において、前記部品保持ヘッドを移動させる加速度制限移動部を含むばら部品供給装置。
【請求項2】
同じ種類の複数個の部品をばら状態で支持するばら部品支持部と、
そのばら部品支持部に支持された前記ばら状態にある前記複数個の部品を撮像する撮像装置と、
前記ばら部品支持部に支持された前記ばら状態にある前記複数個の部品の各々をピックアップして保持可能な部品保持具を1つ以上備えた部品保持ヘッドと、
その部品保持ヘッドを、少なくとも、前記ばら部品支持部と前記部品を次工程へ引渡可能な部品引渡部との間で移動させる保持ヘッド移動装置と
を含み、前記ばら部品支持部に支持された前記複数個の部品の各々をピックアップして、前記部品引渡部に予め定められた姿勢で整列させるばら部品供給装置に、
前記撮像装置の撮像によって得られた画像データである撮像画像データに基づいて前記1つ以上の前記部品保持具のうちの1つを変更する保持具変更装置を設けたばら部品供給装置を含み、前記ばら部品供給装置によって供給された部品を回路基板に実装する部品実装装置であって、
前記複数個の部品の各々が、互いに形状が異なる複数の面を有するものであり、
前記撮像画像データが、前記複数個の部品の各々の平面視における形状を表す個別画像データを複数含み、
当該部品実装装置が、前記撮像画像データを処理して、少なくとも前記複数個の部品の各々の姿勢をそれぞれ取得する撮像画像データ処理装置を備え、その撮像画像データ処理装置によって取得された前記複数個の部品の各々の姿勢に基づいて、前記ばら部品供給装置を制御するばら部品供給装置制御装置を含み、かつ、前記ばら部品供給装置制御装置が、
[1]前記複数の面の形状を表す複数の形状データの各々と、
[2]それら複数の形状データの各々に対応して決まる(a)前記部品保持具の種類を規定する保持具種類規定データと、(b)前記部品保持具の前記部品のピックアップ高さを表すピックアップ高さデータと、(c)前記部品保持具を移動させる際の最大加速度を規定する最大加速度データとのうちの1つ以上とを含むパーツデータを複数記憶するパーツデータ記憶部を含むことを特徴とする部品実装装置。
【請求項3】
同じ種類の複数個の部品をばら状態で支持する部品支持面と、
その部品支持面に支持された前記ばら状態にある前記複数個の部品を撮像する撮像装置と、
前記部品支持面に支持された前記ばら状態にある前記複数個の部品の各々を負圧によりピックアップして保持可能な吸着ノズルを1つ以上備えた部品保持ヘッドと、
その部品保持ヘッドを、少なくとも、前記部品支持面と前記部品を次工程へ引渡可能な部品引渡部との間で移動させる保持ヘッド移動装置と
を含み、前記部品支持面に支持された前記複数個の部品の各々をピックアップして、前記部品引渡部に予め定められた姿勢で整列させるばら部品供給装置に、
前記1つ以上の吸着ノズルのうちの1つを、前記撮像装置の撮像によって得られた画像データである撮像画像データに基づいて決まる前記複数個の部品の各々の前記部品支持面と平行な上向きの面の大きさに基づいて変更する保持具変更装置を設けたことを特徴とするばら部品供給装置。
【請求項4】
当該ばら部品供給装置が、互いに異なる複数種類の前記吸着ノズルを収容する保持具収容装置を含み、
前記保持ヘッド移動装置が、前記部品保持ヘッドを、前記部品支持面と前記保持具収容装置との間で移動可能な変更用移動部を含み、
前記保持具変更装置が、前記撮像画像データに基づいて、前記1つ以上の前記吸着ノズルのうちの1つを交換する保持具交換部を含む請求項に記載のばら部品供給装置。
【請求項5】
前記部品保持ヘッドが、種類が互いに異なる複数の前記吸着ノズルを備え、
前記保持具変更装置が、前記撮像画像データに基づいて、前記複数の前記吸着ノズルのうち、前記複数個の部品のうちの少なくとも1つであるピックアップ対象部品をピックアップする吸着ノズルである特定吸着ノズルの位置決めを行う保持具位置決め部を含む請求項に記載のばら部品供給装置。
【請求項6】
前記保持ヘッド移動装置が、前記1つ以上の吸着ノズルのうち、前記複数個の部品のうちの少なくとも1つであるピックアップ対象部品をピックアップする吸着ノズルである特定吸着ノズルを、前記撮像画像データに基づいて決まる高さに移動可能なピックアップ用移動部を含み、
前記特定吸着ノズルが、そのピックアップ用移動部によって移動させられた前記高さにおいて、前記ピックアップ対象部品の各々をピックアップするものである請求項3ないし5のいずれか1つに記載のばら部品供給装置。
【請求項7】
同じ種類の複数個の部品をばら状態で支持するばら部品支持部と、
そのばら部品支持部に支持された前記ばら状態にある前記複数個の部品を撮像する撮像装置と、
前記ばら部品支持部に支持された前記ばら状態にある前記複数個の部品の各々をピックアップして保持可能な部品保持具を1つ以上備えた部品保持ヘッドと、
その部品保持ヘッドを移動させる保持ヘッド移動装置と、
前記撮像装置の撮像によって得られた画像データである撮像画像データに基づいて前記1つ以上の前記部品保持具のうちの1つを変更する保持具変更装置と
を含むばら部品供給装置において、前記ばら部品支持部に支持された前記複数個の部品の各々をピックアップして部品引渡部に供給する部品供給方法であって、
前記撮像画像データに基づいて加速度を決める工程と、
前記1つ以上の前記部品保持具のうちの少なくとも1つを、前記少なくとも1つの部品保持具が前記部品を保持した状態において、前記工程において決定された加速度を超えない加速度で、前記部品保持ヘッドを移動させる工程と
を含む部品供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ばら状態にある複数個の部品を供給するばら部品供給装置およびばら状態にある部品をピックアップして回路基板に実装する部品実装装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のばら部品供給装置においては、撮像装置によって部品支持面上に支持されたばら状態にある複数個の部品が撮像されて画像データが得られる。そして、画像データに基づいて、複数個の部品からピックアップ可能であるピックアップ対象部品が抽出されるとともに、ピックアップ対象部品の位置が取得される。ロボットがその位置へ移動させられ、ピックアップ対象部品がピックアップされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−202569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、ばら状態にある複数個の部品の各々が良好にピックアップされるようにすることである。
【課題を解決するための手段および効果】
【0005】
本発明は、同じ種類のばら状態にある複数個の部品を撮像して得られた撮像画像データに基づいて、部品をピップアップする部品保持具を変更したり、ピックアップする際の部品保持具の高さを変更したりすることである。
ばら状態とは、各々の姿勢が任意である状態をいい、同じ種類の複数個の部品とは、各々の形状、大きさ、質量および構造等が互いに同じである複数個の部品をいう。複数個の部品の各々等は、複数の互いに形状が異なる面を含むものであるが、これら複数のすべての面の各々の形状が互いに異なっていても、複数の面のうちの一部の形状が同じであってもよい。
姿勢が異なる複数個の部品においては、上向き面の形状が互いに異なったり、上向き面までの高さが互いに異なったりする場合がある。それに対して、撮像画像データに基づいて複数個の部品の各々の姿勢が取得され、上向き面の形状に基づいて部品保持具が変更されるようにすれば、より多くの部品をピックアップすることができる。部品保持具の変更には、部品保持具の交換、部品をピックアップする部品保持具の位置決め等が該当する。また、上向き面までの高さに基づいてピックアップする際の部品保持具の高さが変更されるようにすれば、部品保持具の損傷やピックアップ対象部品の損傷を良好に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の実施例1に係る部品実装装置を示す斜視図である。部品実装装置には、本発明の実施例1に係るばら部品供給装置が含まれる。
図2】上記部品実装装置の部品装着装置を示す斜視図である。
図3】上記ばら部品供給装置を示す斜視図である。
図4】上記ばら部品供給装置の部品供給ユニットを示す斜視図である。
図5】上記部品供給ユニットの部品供給器を示す側面断面図である。
図6】上記部品供給ユニットにおいて部品支持部材が後退端位置にある状態を示す斜視図である。
図7】上記部品供給ユニットの部品散在状態実現装置の供給器振動装置を示す斜視図である。
図8】上記供給器振動装置および上記部品供給ユニットの部品戻し装置を示す斜視図である。
図9】上記供給器振動装置の作動を説明する側面図である。
図10】(a)〜(c)上記部品戻し装置によって部品を部品供給器へ戻す場合の作動を説明する図である。
図11】上記部品戻し装置の部品回収容器が部品供給器へ部品を戻す状態を示す斜視図である。
図12】上記部品引渡し装置の部品保持ヘッドおよび部品保持ヘッド移動装置を示す斜視図である。
図13】(a)吸着ノズルが非旋回位置にある場合の上記部品保持ヘッドの斜視図である。(b)吸着ノズルが旋回位置にある場合の上記部品保持ヘッドの斜視図である。(c)上記部品保持ヘッドに含まれるノズル取付装置を概念的に示す図である。
図14】上記部品引渡し装置のシャトル装置の部品キャリヤを示す斜視図である。
図15】(a)上記部品キャリヤの部品受部材を示す正面断面図である。(b)上記部品キャリヤにリード部品が収容された状態を示す正面断面図である。
図16】上記ばら部品供給装置により供給される部品の一例を示す斜視図である。(a)正面が上向きの姿勢にある部品の斜視図である。(b)背面が上向きの姿勢にある部品の斜視図である。
図17】上記部品実装装置の制御装置を概念的に示すブロック図である。
図18】(a)〜(f)上記部品支持部に支持されたばら状態にある部品の平面視における形状を示す図である。
図19】上記制御装置の記憶部に記憶されたパーツデータを概念的に示す図である。
図20】撮像画像データを概念的に示す図である。
図21】上記制御装置の記憶部に記憶された画像処理プログラムを表すフローチャートである。
図22】上記制御装置の記憶部に記憶されたピックアップ等制御プログラムを表すフローチャートである。
図23】5組の部品供給ユニットの1つにおける部品戻し時の部品戻し装置と別の部品供給ユニットの部品引渡し装置の部品保持ヘッドとの関係を示す側面図である。
図24】(a)本発明の実施例2に係るばら部品供給装置の部品保持ヘッドの保持具保持部材に着脱可能なチャックを示す正面図である。(b)本発明の実施例2に係る部品実装装置の制御装置の記憶部に記憶されたパーツデータを概念的に示す図である。
図25】本発明の実施例3に係るばら部品供給装置の一部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の一実施形態としての実施例を、図を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0008】
図1に、本発明の実施例1に係る部品実装装置(電子回路組立装置の一例である)を示す。部品実装装置は、装置本体10,回路基材としての回路基板12(以後、基板12と略称する)を搬送し保持する基板搬送保持装置14,部品供給装置16,本発明の実施例1に係るばら部品供給装置18,部品装着装置20,撮像装置22,24および制御装置26(図17参照)等を含む。回路基材には、プリント配線板,プリント回路板,三次元形状を有する基材等が含まれる。回路基板は、プリント配線板およびプリント回路板の総称とする。この部品実装装置は、本発明に関する部分を除いて特開2011−253869号公報に記載の電子回路組立装置と同様に構成されており、同様の部分は簡単に説明する。
【0009】
基板搬送保持装置14は、部品実装装置の前後方向の中央に位置し、基板12を搬送する搬送装置30、基板12を保持する保持装置としてのクランプ装置32等を含む。基板搬送保持装置14は、基板12を水平な姿勢で水平に搬送し、予め定められた位置で保持する。本実施例においては、基板12の搬送方向(以後、基板搬送方向と略記する)をX方向、基板12の幅方向をY方向、鉛直方向ないし上下方向をZ方向とする。X方向、Y方向、Z方向は互いに直交する。また、部品実装装置の幅方向ないし横方向はX方向であり、前後方向はY方向である。
【0010】
部品供給装置16は、基板搬送保持装置14の前方に設けられ、トレイ40によって電子回路部品(以後、部品と略称する)を供給するトレイ型部品供給装置42および図示を省略するテープフィーダによって部品を供給するフィーダ型部品供給装置を含む。ばら部品供給装置18は、基板搬送保持装置14の後方に設けられるが、詳細には後述する。これら部品供給装置16、ばら部品供給装置18によって供給される部品には、電子回路部品,太陽電池の構成部品,パワーモジュールの構成部品等がある。電子回路部品には、リードを有するものやリードを有さないもの等がある。
【0011】
部品装着装置20は、作業ヘッド50,52および作業ヘッド移動装置54を含む。作業ヘッド移動装置54は、X方向移動装置60(図2参照),Y方向移動装置62およびZ方向移動装置64,66を備えている。作業ヘッド50,52は、X方向移動装置60およびY方向移動装置62により水平面内の任意の位置へ一体的に移動させられ、Z方向移動装置64,66によりそれぞれ、個々に独立してZ軸方向に移動させられる。作業ヘッド移動装置54は、作業ヘッド50,52を、部品供給装置16のトレイ40等からばら部品供給装置18の部品引渡位置に至る領域内において移動させ得るように構成されている。作業ヘッド50,52は、それぞれ、チャック、吸着ノズル等の部品保持具70(図2参照)を備えたものであり、部品をピックアップして基板12に装着する装着ヘッドである。
撮像装置22は作業ヘッド(以下、装着ヘッドと称する)50と共にX方向,Y方向およびZ方向に移動させられる。撮像装置24は、装置本体10の、基板搬送保持装置14と部品供給装置16の部品供給部との間の部分に固定的に設けられている。
【0012】
ばら部品供給装置18は、ばら状態、換言すれば、任意の姿勢にある複数個の部品を所定の姿勢で整列させて、部品装着装置20に引渡し可能な状態、換言すれば、部品装着装置20が受取り可能な状態とするものである。ばら部品供給装置18の一部あるいは全体は、図1に示すように、基板搬送保持装置14の後方において、装置本体10の後部に着脱可能に設けられる。ばら部品供給装置18は、図3に示すように、本体80,部品供給器82,部品散在状態実現装置84,部品引渡し装置86,部品戻し装置88および撮像装置90を含む。部品供給器82,部品散在状態実現装置84および部品戻し装置88は共通のフレーム94に組み付けられ、組を成す。以後、この組を部品供給ユニット96と称する。部品供給ユニット96は、複数(本実施形態においては5つ)設けられ、本体80に、横方向(X方向)に一列に並んで設けられている。
【0013】
<部品供給器82>
図4に示すように、部品供給器82は部品収容部100および部品供給部102を含む。部品収容部100は部品供給器82の上部に設けられ、上向きに開口させられた容器状を成し、その底面は一対の傾斜面104,106により構成されている。図5に示すように傾斜面104,106は下方ほど互いに接近する向きに傾斜させられ、それらの下端部の間に上下方向に貫通し、横方向に延びる開口108が設けられている。傾斜面104,106のうち、部品供給器82の前部側に設けられた傾斜面104の方が傾斜面106より傾斜が緩やかとされ、開口108は部品収容部100の後部に位置する。部品供給部102は、部品収容部100の下方に設けられた部品供給面110を備えている。部品供給面110は、前方ほど下方へ向かう向きに傾斜させられた傾斜面とされ、その先端部たる前端部が部品排出部112を構成している。部品供給面110の傾斜は、傾斜面104より緩やかとされている。また、部品供給面110の前端には、部品供給面110から下方へ延び出せられた板状の掻落とし部材114が設けられている。開口108の前後方向の寸法は収容される部品よりやや大きくされている。
【0014】
図4に示すように、部品供給器82は、部品収容部100の後部上端において、横方向の両端部に設けられた一対のフック120(図4には一方のフック120が図示されている)が、フレーム94の後部上端に設けられた支持軸122に上方から掛けられ、横方向(X方向)に平行な水平軸線まわりに回動可能かつ着脱可能に支持されている。部品供給器82はまた、図6に示すように、前後方向に平行な一対の外面の各前部の下部にそれぞれ、板状の被支持部124が水平に突出して設けられ、フレーム94に設けられた水平な板状の支持部126上に上下方向に相対移動可能に載せられ、下方から支持されている。部品供給器82がフレーム94により支持された状態では、傾斜面104と部品供給面110とがそれぞれ水平面に対して予め設定された角度、本実施形態においては15度前後と10度前後傾斜した状態となり、掻落とし部材114は鉛直面内に位置させられる。部品供給器82には、上記傾斜面104、106,部品供給面110の少なくとも1つの傾斜角度と前記開口108の寸法との少なくとも一方を異にする複数種類のものがあり、部品供給器82を交換するのみで部品供給ユニット96が供給する部品の種類を変えることができる。
【0015】
<部品散在状態実現装置84>
図4に示すように、部品散在状態実現装置84は、部品支持部材150と、その部品支持部材150と部品供給器82とを相対移動させる相対移動装置たる部品支持部材移動装置152と、供給器振動装置154とを含む。
部品支持部材150は、長手形状の板状を成す部品支持部156と、一対の脚部158とを含む。脚部158は板状を成し、部品支持部156の一平面状の上面160より上下両側に突出させられている。部品支持部材移動装置152は、スライド164およびスライド駆動装置166(図17参照)を含む。スライド駆動装置166は、本実施形態においてはロッドレスシリンダにより構成されている。
【0016】
部品支持部材150は一対の脚部158においてスライド164に固定され、スライド164がスライド駆動装置166により一対のガイドレール168に案内されて、前記掻落とし部材114の下端より僅かに下方において、上面160に平行、すなわち、水平に、前後方向に移動させられる。また、部品支持部材150は、図4に示すように上面160全体が部品供給器82の前方に位置する部品供給位置と、図6に示すように、その前部が部品供給器82の下に位置し、上面160の前端が部品供給器82の前端に位置する退避位置との間で移動させられる。
【0017】
図7に示すように、本実施形態の供給器振動装置154はカム部材180,カムフォロワ182および回動限度規定部材たるストッパ184を含む。カム部材180は板状を成し、一対の脚部158の一方の外面に前後方向に平行に固定されている。カム部材180には多数の歯190が前後方向に平行な方向に等間隔に設けられている。多数の歯190はそれぞれ、後方ほど上方へ向かう向きに傾斜させられた傾斜面192と傾斜面192の上端から鉛直方向に下方へ延び出させられた鉛直面194とにより画定され、それら傾斜面192および鉛直面194により、多数の凹凸が前後方向に平行な一直線に沿って並んだカム面196が構成されている。本実施形態においては、図4に示すようにカム部材180は部品支持部材150の前後方向の一部に設けられ、上面160のうち、前後方向においてカム部材180に対応する部分が部品支持面198として機能する。
【0018】
図8に示すように、カムフォロワ182は、部品供給器82の外面にブラケット200により横方向に平行な軸線まわりに回動可能に取り付けられたレバー202と、レバー202の自由端部に、横方向に平行な軸線まわりに回転可能に取り付けられたローラ204とを含む。レバー202は、付勢手段の一種であるばね部材たる捩じりコイルばね206(図9参照)により、ローラ204が前方へ向かう向きに付勢されている。前記ストッパ184はブラケット200に設けられ、突状を成し、捩じりコイルばね206の付勢によるレバー202の回動限度を規定する。回動限度が規定された状態では、図7に示すようにカムフォロワ182は部品供給器82から鉛直方向において下方へ突出した姿勢となる。
【0019】
<部品戻し装置88>
図11に示すように、部品戻し装置88は,前記掻落とし部材114,部品回収容器220,相対的昇降装置たる部品回収容器昇降装置222および運動変換機構224を含む。部品回収容器昇降装置222は、可動部材たる昇降部材226と、昇降部材駆動装置たるエアシリンダ228とを含む。エアシリンダ228は、前記一対のガイドレール168の間の位置に上向きに配設され、ピストンロッド230の伸縮により昇降部材226が部品供給器82に対して昇降させられる。エアシリンダ228は、前記スライド164の前端部に固定され、昇降部材226は部品支持部材150と共に前後方向に移動させられる。
【0020】
部品回収容器220は、昇降部材226に軸232により横方向(X方向)に平行であって水平な回動軸線まわりに回動可能に取り付けられ、部品支持部材150の前端部に昇降可能に設けられている。部品回収容器220は昇降部材226の昇降により、図10(a)に示すように部品支持部材150の上面160より下方に位置する下降端位置と、図11に示すように部品供給器82より上に位置する上昇端位置とに昇降させられる。
【0021】
また、部品回収容器220は、昇降部材226上において、その底面が水平な姿勢となって上方に開口する部品受け位置と、鉛直な姿勢となって部品を部品供給器82へ排出する部品排出位置とに回動させられる。部品回収容器220は付勢手段たる捩じりコイルばね(図示省略)により部品受け位置側に回動する向きに付勢されている。この付勢による部品回収容器220の回動限度は一対のストッパ234により規定され、部品回収容器220は常には部品受け位置に位置させられる。また、部品回収容器220の後壁236は、部品排出位置において後方ほど下方に向かう姿勢となる向きに傾斜させられている。
【0022】
図11に示すように、運動変換機構224は、部品回収容器220に設けられて被係合部を構成する一対のローラ240と、フレーム94に設けられて係合部を構成する一対の係合面242とを含む。図11には、一方のローラ240および係合面242が図示されている。ローラ240は、図8に示すように、部品受け位置にある部品回収容器220から後方へ突出して固定された支持部材244の突出端部に横方向に平行な軸線まわりに回転可能に取り付けられている。係合面242は、フレーム94の部品収容部100の上端部に対応する部分に設けられ、下向きの水平面とされている。
【0023】
部品支持部材150の前端である先端には、部品回収容器220との間にシャッタ250が昇降可能に配設されている。シャッタ250は、部品回収容器220の昇降に伴って昇降させられるのであり、そのシャッタ250の昇降は、図10(c)に示すように、一対の長穴252に、スライド164の先端に設けられた突部254が相対移動可能に嵌合されることにより案内される。シャッタ250はまた、スライド164に立設された一対のロッド253に嵌合された付勢手段としての圧縮コイルばね255により上方へ付勢されている。
図10(a)に示すように、部品回収容器220の下降端位置において昇降部材226の後端部に設けられた突状の係合部256がシャッタ250の下端部に設けられた突状の被係合部258に上方から係合する。それにより、シャッタ250の圧縮コイルばね255の付勢力による上昇を阻止し、シャッタ250を部品支持部材150の上面160より下方の非遮蔽位置に保持する。
図10(b)に示すように、部品回収容器220の上方への移動に伴って、シャッタ250の上方への移動が許容される。部品回収容器220の上方への移動に伴ってシャッタ250も上方へ移動させられるが、シャッタ250の上昇限度は、長穴252の下端部が突部254に当接することにより規定される。シャッタ250は部品供給ユニット96の部品供給面110より上方へ突出し、部品供給面110からの部品の落下を防止する遮蔽位置にある。
【0024】
<撮像装置90>
図3に示すように、撮像装置90は、例えば、撮像器たるCCDカメラあるいはCMOSカメラを備えたものである。撮像装置90を移動させる撮像装置移動装置270は、スライド272およびスライド駆動装置274(図17参照)を含む。スライド駆動装置274は、図示しない電動モータと送りねじ機構278とを含む。送りねじ機構278はナット280および送りねじ282を含み、送りねじ282が電動モータによって回転させられることにより、スライド272がガイドレール284に案内されつつ、横方向の任意の位置へ移動させられる。スライド駆動装置274は、本体80に、スライド272に設けられた撮像装置90が、部品供給位置にある部品支持部材150の部品支持面198の上方に位置するように設けられる。また、撮像装置90は、レンズが下向きに、部品支持面198に対向する姿勢とされる。
撮像装置90は撮像装置移動装置270により移動させられ、5組の部品供給ユニット96の各部品支持面198の各々に選択的に対向させられ、5つの撮像位置の各々において各部品支持面198上の複数個の部品を撮像する。
撮像装置90の撮像領域は、レンズの特性、撮像対象物との間の距離等で決まるが、本実施例においては、部品支持面198の全体を含む領域に設定されている。そのため、撮像装置90の1回の撮像により、部品支持面198の全体についての撮像画像データが得られる。
なお、撮像領域を、部品支持面198の全体を含む領域とすることは不可欠ではなく、部品支持面198の一部とすることができる。また、撮像領域が部品支持面198の一部である場合において、部品支持面198の全体についての画像データが必要である場合には、部品支持面198が複数回に分けて撮像される。この場合には、撮像装置移動装置270を、撮像装置90を前後方向にも移動させ得る装置とすることが望ましい。
【0025】
<部品引渡し装置>
図12に示すように、部品引渡し装置86は、部品保持ヘッド300と、部品保持ヘッド移動装置302と、複数(本実施形態においては2つ)のシャトル装置304,306(図3参照)とを含む。
【0026】
{ 部品保持ヘッド移動装置 }
部品保持ヘッド移動装置302はX方向移動装置320,Y方向移動装置322およびZ方向移動装置324を含み、部品保持ヘッド300をX,YおよびZの各方向に移動させる。Y方向移動装置322は本体80に設けられ、Yスライド326とYスライド駆動装置328とを含む。Yスライド駆動装置328は、電動モータ330yと、送りねじ332yおよびナット334yを含む送りねじ機構336yとを備え、ナット334yと一体的に移動可能に設けられたYスライド326を一対のガイドレール338yに案内させつつ、Y軸方向の任意の位置へ移動させる。
X方向移動装置320はYスライド326上に設けられ、Xスライド340およびXスライド駆動装置342を含む。Z方向移動装置324はXスライド340上に設けられ、Zスライド344およびZスライド駆動装置346を含む。Xスライド駆動装置342はおよびZスライド駆動装置346はYスライド駆動装置328と同様に構成されており、同じ作用を成す構成要素には同じ符号に添え字x、zを付して対応関係を示し、説明を省略する。
【0027】
{ 部品保持ヘッド }
部品保持ヘッド300はZ軸スライド344に設けられている。部品保持ヘッド300は、部品保持ヘッド移動装置302によって、Z方向移動装置324と共に、撮像装置90と、部品支持面198との間の高さ領域において移動させられる。この高さ領域内において部品保持ヘッド300は水平方向および鉛直方向の任意の位置へ移動させられる。したがって、撮像装置90および部品保持ヘッド300は、同じ部品供給ユニット96の部品支持面198上に同時に位置することができ、部品保持ヘッド300は、X方向とY方向との少なくとも一方への移動であって、水平方向の移動により、部品支持面198の上方に位置し、部品支持面198上の部品を保持可能な機能位置と、機能位置から退避した退避位置とに移動させられる。図13(a)、(b)、(c)に示すように、部品保持ヘッド300は、(1)Zスライド344と一体的に設けられたヘッド本体360,(2)部品保持具たる吸着ノズル362,(3)保持具回転装置たるノズル回転装置364,(4)保持具旋回装置たるノズル旋回装置366,(5)保持具取付装置たるノズル取付装置368等を含む。
【0028】
ノズル旋回装置366は、吸着ノズル362を水平方向に延びた軸線の回りに旋回させる装置であり、リンク機構370およびリンク機構駆動装置372を含む。リンク機構駆動装置372は、駆動部材たる昇降部材374と昇降部材駆動装置376とを含む。昇降部材駆動装置376は、電動モータ378と、送りねじ380およびナット382を含む送りねじ機構384とを備え、電動モータ378の回転がタイミングプーリ386,388およびタイミングベルト390によって送りねじ380に伝達され、昇降部材374が昇降させられる。昇降部材374には、スプライン軸392が下方へ鉛直に延び出す向きに取り付けられている。スプライン軸392の下端部にはレバー394の一端部が軸395により水平軸線まわりに回動可能に取り付けられ、レバー394に設けられた部品保持具保持部材たるノズル保持部材396により吸着ノズル362が着脱可能に保持されている。
【0029】
レバー394には、アーム400がレバー394の回動軸線と直角に立体交差する向きに突設されるとともに、その突出端部には、一対のローラ402(一方のローラのみを記載)がレバー394の回動軸線と平行な軸線まわりに回転可能に取り付けられてカムフォロワを構成している。一対のローラ402はそれぞれ、ヘッド本体360に上下方向に移動不能に設けられたカム部材404の一対の水平な長穴406(一方の長穴406のみを記載)に嵌合されている。図13(a)に示すように、昇降部材374が上昇端位置にある状態では、吸着ノズル362はその軸線がスプライン軸392と同心となる非旋回位置にある。昇降部材374が下降させられるとき、ローラ402の下降がカム部材404によって阻止されることによりレバー394が回動させられ、吸着ノズル362が水平な旋回軸線まわりに旋回させられる。昇降部材374が下降端位置へ下降させられた状態では、図13(b)に示すように、吸着ノズル362は90度旋回させられ、その軸線が水平となる。非旋回位置および90度旋回位置は、電動モータ378の制御による昇降部材374の位置制御により決められる。吸着ノズル362は非旋回位置と90度旋回位置との間の任意の旋回位置にも保持され得る。
【0030】
ノズル回転装置364は、ヘッド本体360に図示を省略する取付部材を介して取り付けられた電動モータ410および回転伝達装置412を含む。回転伝達装置412は、電動モータ410の出力軸に取り付けられた歯車414と、スプライン軸392に相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能に嵌合されたスプライン部材416に固定の歯車418とを含み、スプライン軸392を鉛直軸線まわりに正逆両方向に任意の角度回転させる。スプライン軸392には上下方向のいずれの位置にあっても回転が伝達され、吸着ノズル362は、水平な部品支持面198と直角な軸線である鉛直軸線まわりに任意の角度回転させられ得る。前記カム部材404はスプライン部材416に固定されており、スプライン軸392および吸着ノズル362と共に回転させられ、いずれの回転位置に位置する状態でも吸着ノズル362を旋回させることができる。
【0031】
ノズル取付装置368は、吸着ノズル362をノズル保持部材396に着脱可能に取り付けるものである。ノズル取付装置368は、図13(c)に示すように、(1)ノズル保持部材396の吸着ノズル362との当接面に設けられた凹部420、(2)負圧源422vおよび正圧源422p、(3)凹部420と負圧源422vとの間、凹部420と正圧源422pとの間にそれぞれ設けられた電磁弁(本実施例においては電磁開閉弁)424c、d等を含み、電磁弁424c、dの制御により凹部420に負圧と正圧とが選択的に供給される。ノズル保持部材396の当接面に吸着ノズル362が当接して凹部420の開口が塞がれた状態で負圧が供給されると、凹部420等によって負圧室が形成される。この負圧室が負圧に保たれた状態で吸着ノズル362がノズル保持部材396に取り付けられた状態とされ、凹部420に正圧が供給されることにより吸着ノズル362が外される。
【0032】
吸着ノズル362は、負圧により部品をピックアップして保持するものであり、吸着ノズル362には、その吸着管の吸着面の大きさ(例えば、吸着管の直径であるノズル径で表すことができる)を異にする複数種類のものがある。吸着ノズル362に供給される負圧の強さはほぼ一定であるため、ノズル径が大きいものほど部品を大きな力(以下、保持力と称する場合がある)で保持することができる。
一方、図3に示すように、ノズル径が互いに異なる複数種類の吸着ノズル362が収容されたノズル収容装置430が本体80に設けられる。ノズル収容装置430は、吸着ノズル362を収容可能な凹部を複数有するノズル保持部材432、ノズル保持部材432の上面に配設された図示しないシャッタを離脱阻止位置と取出許容位置との間で移動させるシャッタ移動装置434(図17参照)等を含む。部品保持ヘッド300は必要に応じてノズル収容装置430へ移動させられ、吸着ノズル362が自動で交換される。
【0033】
{ シャトル装置 }
図3に示すように前記シャトル装置304,306はそれぞれ、部品キャリヤ450,452および部品キャリヤ移動装置454,456を含み、本体80の部品供給ユニット96より前側に横方向に並んで設けられている。本実施形態において部品キャリヤ450,452にはそれぞれ、部品受部材460が、複数個(本実施例においては5個)、横方向に一列に並んだ状態で着脱可能に保持される。部品受部材460は、図14に示すように、部品キャリヤ450,452の凹部462に嵌合され、突部464,466により前後方向および横方向にそれぞれ位置決めされている。
【0034】
本実施例においては、ばら部品供給装置18により図16(a)、(b)に示すリードを有する電子回路部品(以下、リード部品と略称する)480が供給される。リード部品480は、ブロック状を成す部品本体482と、部品本体482の底面から突出させられた2本のリード484とから構成されたものである。
【0035】
部品受部材460には、図14に示すように部品受容凹部500が設けられている。部品受容凹部500は受容する部品の形状,寸法に応じて設けられ、リード部品が入れられる部品受部材460の部品受容凹部500は、例えば、図15(a)に示すように段付状を成し、部品受部材460の上面に開口する本体部受容凹部502と、本体部受容凹部502の底面に開口するリード受容凹部504とを含む。本体部受容凹部502の開口端部には面取りが施され、部品の嵌合を案内する案内面506が形成され、案内部を構成している。図15(b)に示すようにリード部品480は部品受部材460により、リード484が下向きの姿勢でリード受容凹部504に収容され、部品本体482が本体部受容凹部502に嵌合されて水平方向に位置決めされるとともに、本体部受容凹部502の底面により構成される上向きの部品支持面508によって下方から支持され、上下方向に位置決めされた状態で受けられる。
図14に例示するように、部品受部材460には部品受容凹部500の寸法,形状を異にする複数種類のものがあり、作業者により交換される。部品キャリヤ450,452には、部品受部材460の複数個分の寸法を有する部品受部材を保持させることもできる。
【0036】
図3に示すように、部品キャリヤ移動装置454,456は同様に構成されており、一方を説明し、他方については、対応する構成要素に同じ符号を付して説明を省略する。
部品キャリヤ移動装置454の移動装置本体520は本体80に前後方向に平行に設けられ、無端のベルト522とベルト周回装置524(図17参照)とが設けられている。ベルト522は、移動装置本体520に横方向に平行な軸線まわりに回転可能に設けられた複数のプーリ(図示省略)に巻き掛けられるとともに、部品キャリヤ450に係止されている。ベルト522は、電動モータ(図示省略)によってプーリが回転させられることにより周回させられ、部品キャリヤ450が一対のガイドレール530(図3には一方のガイドレール530が図示されている)に案内されつつ前後方向に移動させられる。部品キャリヤ450は、部品保持ヘッド300の移動領域のうちの前部に位置し、部品保持ヘッド移動装置302に近く、部品供給ユニット96に隣接する部品受取位置と、装着ヘッド50,52の移動領域のうちの後部に位置し、部品装着装置20に近い部品引渡し位置との間で互いに独立して移動させられる。部品キャリヤ450は、移動装置本体520に設けられたストッパ(図示省略)により、部品受取位置と部品引渡し位置とに位置決めされる。
【0037】
<制御装置>
制御装置26は、図17に示すように、 (a)統括制御装置26a、(b)基板搬送保持装置14、部品供給装置16、ばら部品供給装置18、部品装着装置20等の各々に設けられた個別制御装置(ばら部品供給装置18の個別制御装置550のみを記載した)、(c) 撮像画像データ処理装置としての画像処理装置552等を含む。統括制御装置26a、個別制御装置550等、画像処理装置552等は、それぞれ、コンピュータを主体として構成されたものであり、互いに通信可能に接続されている。統括制御装置26aは個別制御装置550等を介して基板搬送保持装置14、部品供給装置16、ばら部品供給装置18、部品装着装置20等を統括制御する。
ばら部品供給装置18において、個別制御装置550は、実行部550c、入出力部550i、記憶部550mを備え、個別制御装置550に、撮像装置移動装置270、部品引渡し装置86の部品保持ヘッド300、部品保持ヘッド移動装置302、ノズル収容装置430、シャトル装置304,306、画像処理装置552等が接続される。
なお、制御装置26の構成は本実施例に限定されない。例えば、統括制御装置26aを設けることなく、各装置14,16,18,20等が個別制御装置550等(個別制御装置同士が通信可能な状態で接続されることが望ましい)によって制御されるようにしたり、個別制御装置550等を設けることなく、各装置14,16,18,20等が統括制御装置26aによって制御されるようにしたりすること等ができる。また、画像処理装置552は、個別制御装置550の一部または統括制御装置26aの一部として構成されるようにすることもできる。
【0038】
<作動>
基板12が基板搬送保持装置14によって部品実装装置に搬入され、予め定められた位置において停止させられてクランプされる。そして、装着ヘッド50,52が移動させられ、部品供給装置16,ばら部品供給装置18により供給される部品を基板12に組み付ける。
ばら部品供給装置18においては、5組の部品供給ユニット96によりリード部品480が供給される。それら5組の部品供給ユニット96による部品供給動作は同じであるため、5組のうちの1組の部品供給ユニット96における作動について説明する。
部品供給器82の部品収容部100には、作業者により同じ種類の複数個のリード部品480が投入される。部品投入時には、図6に示すように部品支持部材150は退避位置に位置する。投入部品は、一部が開口108を通って部品供給面110上に落下し、部品供給面110の傾斜により部品排出部112側へ移動し、部品供給面110上に広がる。リード部品480が詰まって開口108が塞がれた状態になれば、部品供給面110への部品の落下が止まり、部品収容部100内に複数個のリード部品480が任意の姿勢でばら積み状態で収容された状態となる。部品供給面110上に落下したリード部品480が部品排出部112を超えて移動することがあっても、部品回収容器220に収容される。部品回収容器220は部品支持部材150と共に退避位置にあるのであり、下降端位置、換言すれば、部品受け位置にある。
【0039】
部品投入後、部品支持部材150が前進させられ、部品供給器82の下から前方へ抜け出させられる。カム部材180がカムフォロワ182に至れば、ローラ204が歯190の傾斜面192に沿って上昇し、鉛直面194に至れば下降して歯190を乗り超える。カムフォロワ182は捩じりコイルばねにより歯190と噛み合う向きに付勢されるとともにストッパ184により回動限度を規定されており、部品支持部材150の前進時にはローラ204が歯190と噛み合った状態に保たれ、図7に示すようにレバー202は回動させられず、カムフォロワ182は部品供給器82と共に歯190を乗り超える。カムフォロワ182が複数の歯190を1つずつ乗り超え、昇降を繰り返すことにより部品供給器82の前部が昇降させられ、上下方向に振動させられる。この際、部品供給器82の支持軸122からの浮き上がりは自重により回避される。
【0040】
部品供給面110上の部品は、振動および部品供給面110の傾斜により前方へ移動し、図7に示すように部品排出部112から部品支持面198上へ排出される。この際、上面160より上方へ突出した一対の脚部158によりリード部品480の落下が防止される。また、部品供給器82の振動により、開口108を塞ぐリード部品480がばらされて部品供給面110上へ落下するとともに、部品収容部100内のリード部品480が開口108を通って部品供給面110上に落下し、排出される。部品支持部材150の前進に伴って、部品支持面198の相異なる部分が順次部品排出部112に対応させられ、部品支持面198の面積が増加し、順次リード部品480を支持する。部品支持部材150の前進方向が正方向、後退方向が逆方向であり、部品支持部材160の前進中、カムフォロワ204がカム部材180を乗り超える時期にのみ部品供給器82が振動させられ、部品排出部112からリード部品480が排出される。カム部材180は、部品支持部材150が部品供給位置に到達する前にカムフォロワ182から外れ、部品支持部材150は前進させられるが、部品供給器82は振動させられず、部品は排出されない。そのため、部品支持部材150が部品供給位置に到達した状態では、上面160のうち、部品支持面198に複数個の同じ種類のリード部品480が散在した状態で支持された状態となる。
【0041】
部品支持部材150の停止後、撮像装置90が移動させられ、部品支持面198上にある複数個のリード部品480を撮像する。複数個のリード部品480は互いに同じ種類のものであり、ばら状態にある。本実施例においては、上述の撮像装置90の撮像によって得られた画像データである撮像画像データに基づいてピックアップ対象部品が決定される。また、それらピックアップ対象部品が、撮像画像データに基づいて取得されたパラメータ(条件)に従って、吸着ノズル362によってピックアップされて保持され、部品保持ヘッド300が保持ヘッド移動装置302により移動させられ、リード部品480が部品キャリヤ450,452の部品受部材460に保持させられる。部品支持面198にばら状態にあった複数個のリード部品480が部品キャリヤ450,452において整列させられるのである。
【0042】
<ピックアップ対象部品の決定およびピックアップ、搬送条件の決定>
{ ピックアップ対象部品の決定 }
リード部品480において、図16(a)、(b)に示すように、部品本体482を構成する4つの側面486は互いに直角に交差している。そのため、リード部品480が、4つの側面486のうちの1つにおいて部品支持面198に載置されている状態では、その側面に対向する上向き面が部品支持面198と平行となり、かつ、リード484が部品支持面198と平行となる。また、4つの側面486のうちの3つ(486a,b,c)は、吸着ノズル362の吸着管の開口を塞ぎ、負圧の漏れを阻止して吸着可能な面積を有する被吸着面を構成する。しかし、1つの側面(486d)には図16(b)に示すようにくぼみ488が設けられているため、ノズル径が小さい吸着ノズルを用いても吸着が困難である。
以上のことから、リード484が部品支持面198に平行に延びる姿勢で他のリード部品480から孤立し、かつ、図18(a)〜(c)に示すように、吸着可能な側面486c,b,aが上を向いた姿勢にあるリード部品480はピックアップ対象部品480t(以下、リード部品480のうちのピックアップ対象部品は添え字tを付して表す)とされる。それに対して、図18(d)〜(f)に示すように、傾いた姿勢にあるリード部品480あるいはリード484が部品支持面198に平行ではあるが、吸着困難な側面486dが上を向いた姿勢のリード部品480は非ピックアップ対象部品480s(リード部品480のうち非ピックアップ対象部品は添え字sを付して表す)とされる。以下、側面486aを正面、側面486dを背面と称する場合がある。
【0043】
{ 吸着ノズルの選択 }
例えば、吸着可能な側面486a〜cの各々について、吸着ノズル362によって吸着可能な部分の面積が異なる。側面(正面)486aの吸着可能な部分の面積は大きく、側面486b,cの吸着可能な部分の面積は小さい。そのため、図18(c)に示すように上向き面が側面(正面)486aである姿勢のピックアップ対象部品480tに対してはノズル径の大きい吸着ノズル362が選択され、図18(a)、(b)に示すように上向き面が側面486b、cである姿勢のピックアップ対象部品480tに対してはノズル径の小さい吸着ノズル362が選択される。
【0044】
{ ピックアップ高さ }
同じリード部品480であっても、姿勢によって、高さ{部品支持面198から上向き面(被保持面)までの高さであり、以下、高さと略称する}が異なるのであり、姿勢によって、ピックアップする際の吸着ノズル362の吸着管の下端部である開口の高さが決まる。図16(a)、図19に示すように、正面486aが上向き面である姿勢であるリード部品480の高さはLbとなり、側面486b、cが上向き面である姿勢であるリード部品480の高さはLaとなる。本リード部品480については、LaがLbより大きい(La>Lb)。
【0045】
{ 加速度の最大値 }
前述のように、ノズル径が大きい場合は小さい場合より吸着ノズル362によるリード部品480の保持力が大きくなる。また、吸着ノズル362によって保持されるリード部品480の質量が同じである場合には、保持力が大きい場合は小さい場合より、慣性力、換言すれば、加速度が大きくても、リード部品480は吸着ノズル362に対してずれ難くなる。そのため、ノズル径が大きい場合は小さい場合より部品保持ヘッド300の搬送加速度を大きくすることができる。以上のことから、ノズル径が大きい吸着ノズルが選択された場合はノズル径が小さい吸着ノズルが選択された場合より出力可能な(許容される)搬送加速度の最大値が大きくされる。
【0046】
<パーツデータ>
パーツデータ570(n){n=1,2,3}とは、複数個のリード部品480の一部である図18(a)〜(c)に示すピックアップ対象部品480tの各々について定められたデータであり、リード部品480の姿勢に基づいて定められる。これらパーツデータ570(n)は、個別制御装置550の記憶部550mに記憶される。
パーツデータ570(1)は、正面486aが上向きである姿勢のピックアップ対象部品480t(1){パーツデータに対応して、添え字(1)を付して表す。以下のピックアップ対象部品についても同様とする}に関するものであり、パーツデータ570(2)、(3)は、それぞれ、側面486b、cが上向きである姿勢のピックアップ対象部品480t(2)、(3)に関するものである。
パーツデータ570(n)の各々は、図19に示すように、[1]平面視の形状(上向き面の形状を含む)を表す形状データ572(n)、[2]ピックアップ対象部品480tのピックアップ、部品保持ヘッド300の搬送に関する条件(パラメータ)を表すデータ等を含む。[2]のパラメータ(以下、ピップアップ対象部品480tのピックアップ等に関するパラメータと略称する)を表すデータには、(i)ピックアップ対象部品480tをピックアップする際に用いる吸着ノズル362のノズル径(吸着ノズルの種類)を表すノズル径データ(保持具種類規定データの一例である)574(n)、(ii)リード部品を保持した状態にある部品保持ヘッド300を、部品受取位置にある部品受部材460まで搬送させる際の加速度(減速度の絶対値も含む)の最大値(制限値)を表す最大加速度データ576(n)、[iii]吸着ノズル362がピックアップ対象部品480tをピックアップする際のピックアップ高さ(吸着ノズル362の吸着管の下端面である開口の高さ)を表すピックアップ高さデータ578(n)等のうちの1つ以上が含まれる。
【0047】
<撮像画像データ>
撮像画像データの一例を図20に概念的に示す。図20に示すように、撮像画像データ580には、複数個のリード部品480の各々に対応する複数の画像データである個別画像データ582(k){k=1,2,3・・・}が含まれる。個別画像データ582(k)は、リード部品480の各々の平面視における形状を表す画像データである。個別画像データ582(k)に基づけば、それに対応するリード部品がピックアップ対象部品であるか否かがわかる。
【0048】
<画像処理>
[I]撮像画像データ580がパーツデータ570(1)に基づいて処理される。パーツデータ570(1)のうちの形状データ572(1)と個別画像データ582(k){k=1,2,3・・・}とがそれぞれ比較され、個別画像データ582(k)のうちパーツデータ570(1)の形状データ572(1)と一致するものが抽出される。そして、一致する個別画像データ582(k)に対応するリード部品480がピックアップ対象部品480t(1)とされる。比較する場合に、形状データ572(1)と個別画像データ582(1)との少なくとも一方が回転させられる。そして、一致する場合の少なくとも一方の回転角度に基づき、ピックアップ対象部品480t(1)の姿勢(傾きθ)が求められる。傾きθは、XY座標上の基準線A(例えば、X方向またはY方向と平行な線とすることができる)と個別画像データ572(k)の基準線B(例えば、リード線484と平行な線とすることができる)との間の角度である(例えば、時計方向を正の角度として定めておくことができる)。また、個別画像データ572(k)のXY座標上の位置が、予め定められた基準位置マーク(例えば、部品支持面198等に形成しておくことができる)に対応する画像データ等に基づいて取得されるのであり、個別画像データ572(k)に対応するピックアップ対象部品480t(1)のXY座標上の位置が取得される。上述のように取得されたピックアップ対象部品480tのXY座標上の位置を表すデータおよび傾きθを表すデータ(以下、位置・傾きデータと総称する)は記憶される。
また、ピックアップ対象部品480t(1)のピックアップ等に関するパタメーラはパーツデータ570(1)のうちのノズル径データ574(1)、ピックアップ高さデータ578(1) 、最大加速度データ576(1)等で決まる。
【0049】
[II]撮像画像データ580がパーツデータ570(2)に基づいて処理される。パーツデータ570(2)のうちの形状データ572(2)と個別画像データ582(k){または、個別画像データ582(k)のうち、ピックアップ対象部品480t(1)として決定されたものを除いたもの}とがそれぞれ比較され、形状データ572(2)と一致するものが抽出される。抽出された個別画像データ582(k)に対応するリード部品480がピックアップ対象部品480t(2)とされるとともに、ピックアップ対象部品480t(2)の各々のXY座標上の位置、傾きθが取得されて、位置・傾きデータが記憶される。また、ピックアップ対象部品480t(2)のピックアップ等に関するパタメーラはパーツデータ570(2)のノズル径データ574(2)、ピックアップ高さデータ578(2) 、最大加速度データ576(2)等で決まる。
[III]撮像画像データ580がパーツデータ570(3)に基づいて処理される。同様に、パーツデータ570(3)の形状データ572(3)と一致する個別画像データ582(k)に対応する部品がピックアップ対象部品480t(3)とされるとともに、位置・傾きデータが取得されて、記憶される。また、ピックアップ対象部品480t(3)のピックアップ等に関するパタメーラはパーツデータ570(3)に基づいて決まる。
【0050】
以上のように画像処理が複数回行われるのであり、本実施例においては、パーツデータ570(n)の形状データ572(n)と個別画像データ582(k)の各々とを比較して、個別画像データ582(k)に対応するリード部品の姿勢を取得して、ピックアップ対象部品480t(n)を決定する処理が1回の画像処理とされる。画像処理には、ピックアップ対象部品480t(n)の位置・傾きデータの取得、記憶も含ませることができる。また、画像処理の回数はパーツデータ570(n)の個数で決まるのであり、リード部品480の形状で決まる。
【0051】
画像処理は、図21のフローチャートで表される画像処理プログラムの実行により行われる。
ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同様とする)において、撮像装置90により部品支持面198に支持されたばら状態にある複数個のリード部品480の撮像が行われ、撮像画像データが得られる。S2において、画像処理回数をカウントするカウンタのカウント値nが初期値1とされ、S3において、第1回目の画像処理において用いられるパーツデータ570(1)が読み込まれる。S4において、形状データ572(1)と個別画像データ582(k)の各々とが1つずつ比較され、一致するか否かが判定される。一致すると判定された場合には、その個別画像データ582(k) のXY座標上の位置および傾きθが取得される。そして、その個別画像データ582(k)に対応するリード部品がピックアップ対象部品480t(1)とされるとともに、位置・傾きデータが記憶される。
【0052】
S6において、撮像画像データ580に含まれるすべての個別画像データ582(k)について、形状データ572(1)との比較が行われたか否かが判定される。判定がNOである場合には、S4〜6が繰り返し実行され、個別画像データ582(k)の各々と形状データ572(1)とが一致するか否かの判定、一致すると判定された場合の、個別画像データ582(k)の位置、傾きの取得等が行われる。
例えば、図20において、個別画像データ582(1)は形状データ572(1)と一致すると判定されるため、個別画像データ582(1)のXY座標上の位置、傾きθ1が取得される。個別画像データ582(1)に対応するリード部品480がピックアップ対象部品480t(1)とされるのであり、ピックアップ対象部品480t(1)の位置・傾きが取得されて記憶される。個別画像データ582(2)は形状データ572(1)と一致しないため、S4の判定がNOとなり、位置・傾き等が取得されることはない。個別画像データ582(3)についても一致しない。そして、すべての個別画像データ582(k)について、形状データ572(1)と一致するか否かの判定、一致する場合の位置および傾きの取得、記憶等が終了すると、S6の判定がYESとなり、第1回目の画像処理が終了する。
【0053】
次に、S7において、カウント値が1増加させられる。S8において、カウント値nが予め定められた数Nc(予め設定されている画像処理回数であり、パーツデータ570(n)の個数に対応する。本実施例においては、Nc=3である)より大きいか否かが判定される。Nc以下である場合には、S3において、カウント値2、すなわち、第2回目の画像処理で用いられるパーツデータ570(2)が読み込まれ、同様に、S4〜6において、形状データ572(2)と個別画像データ582(k)の各々{形状データ572(1)と一致すると判定されたものを除くことができる}とが一致するか否か判定され、一致すると判定された場合の個別画像データに対応するピックアップ対象部品480t(2)の位置および傾きが取得され、記憶される。
例えば、個別画像データ582(2)は形状データ572(2)と一致すると判定され、個別画像データ582(2)に対応するリード部品がピックアップ対象部品480t(2)とされる。また、位置・傾きθ2が取得され、位置・傾きデータが記憶される。個別画像データ582(3),582(4)は一致しないと判定される。すべての個別画像データ582(k)についての処理が終了すると、S6の判定がYESとなり、第2回目の画像処理が終了する。
次に、S7,8の実行後、第3回目の画像処理が同様に行われるのであり、第3回目の画像処理に用いられるパーツデータ570(3)が読み込まれ、形状データ572(3)と個別画像データ582(k)の各々とが一致するか否かが判定され、一致すると判定された場合に、位置および傾きが取得され、記憶される。例えば、個別画像データ582(5)は形状データ572(3)と一致すると判定されるため、個別画像データ582(5)に対応するリード部品がピックアップ対象部品480t(3)とされ、ピックアップ対象部品480t(3)の位置・傾きθ5が取得され、記憶される。S7において、カウント値nが1増加させられて、4になると、S8の判定がYESとなり、本プログラムが終了させられるのであり、3回の画像処理が終了する。
なお、撮像画像データ580に含まれる個別画像データ582(k)のうち、形状データ572(1)〜(3)のいずれとも一致しなかった個別画像データ582(k)に対応するリード部品480は、非ピックアップ対象部品480sとされる。
【0054】
次に、ピックアップ対象部品480t(1)〜(3)の各々について、パーツデータ570(1)〜(3)で決まる条件で、吸着ノズル362の交換、ピックアップ対象部品480tのピックアップ、搬送等が行われるのであり、部品保持ヘッド300、保持ヘッド移動装置302等が、図22のフローチャートで表されるピックアップ等制御プログラムの実行により制御される。
S21において、パーツデータ570(n)をカウントするカウンタのカウント値mが初期値1とされ、S22において、パーツデータ570(1)のノズル径データ574(1)、ピックアップ高さデータ578(1)、最大加速度データ576(1)が読み込まれるとともに、画像処理プログラムのS5の実行等により記憶されたピックアップ対象部品480t(1)の各々の位置・傾きデータが読み込まれる。
そして、S23において、ノズル径データ574(1)に基づき、吸着ノズル362を交換する必要があるか否かが判定される。交換する必要がある場合には判定がYESとされ、S24においてノズルの交換が行われる。部品保持ヘッド300がノズル収容装置430の所定の位置まで移動させられ、その時点において取り付けられている吸着ノズル362が外され、ノズル径データ574(1)で決まる吸着ノズルが取り付けられる。ノズル収容装置430において、シャッタ移動装置434によりシャッタが取出許容位置へ移動させられ、部品保持ヘッド300において、電磁弁424c、dの制御により吸着ノズル362の着脱が行われる。吸着ノズル362を交換する必要がない場合にはS24のステップは実行されない。
本実施例においては、部品保持ヘッド300に保持される部品保持具としての吸着ノズルが1つであるため、S23の判定がYESである場合には交換後の吸着ノズルが特定部品保持具に対応し、S23の判定がNOであるある場合にはその時点において保持されている吸着ノズルが特定部品保持具に対応する。
【0055】
S25において、部品保持ヘッド300が、位置・傾きデータで決まる位置へ移動させられ、ピックアップ対象部品480t(1)が、ピックアップ高さデータ578(1)で決まる高さでピックアップされる。吸着ノズル362がピックアップ高さまで移動させられ、負圧が供給されることにより、ピックアップ対象部品480t(1)が吸引されて保持される。
また、部品のピックアップ時に、吸着ノズル362は非旋回位置に位置し、部品キャリヤへの移動の間に90度旋回位置へ旋回させられ、リード484が下向きとされる。但し、旋回方向が一方向に決まっているため、吸着ノズル362はピックアップに先立ち、傾きθに基づいて決まる角度だけ非旋回位置に位置する状態で自身の軸線まわりに回転させられ、吸着ノズル362の鉛直な旋回平面が、部品支持面198上に載置された部品480のリード484の長手方向に平行な鉛直面と平行となり、かつ、旋回によりリード484が下向きとなる位相に回転させられる。
吸着ノズル362はまた、ピックアップ対象部品480t(1)の吸着後、スプライン軸392の軸線まわりに回転させられ、部品本体482の鉛直線まわりの回転位相が本体部受容凹部502の回転位相と合わされる。
【0056】
ピックアップ対象部品のピックアップ、保持後、吸着ノズル362(部品保持ヘッド300)が、S26において、部品受取位置にある部品受部材460へ搬送される。部品保持ヘッド300は加速後、定速で移動させられた後に、減速させられるが、加速度、減速度の大きさに制限が加えられているのであり、最大加速度データ576(1)で表される加速度(減速度)を超えないように搬送される。それにより、吸着ノズル362に保持されたリード部品480に作用する慣性力が制限され、リード部品480がずれ難くすることができる。部品受取位置において部品保持ヘッド300の下降により、リード部品480を案内面506に案内させつつ部品受容凹部500に受容させる。その後、吸着ノズル362への負圧の供給が断たれてリード部品480が解放されるとともに、部品保持ヘッド300が上昇させられ、吸着ノズル362が旋回させられて非旋回位置へ戻される。
【0057】
S27において、パーツデータ570(1)に対応するピックアップ対象部品480t(1)のすべてが部品キャリヤ450,452の部品受部材460に受容されたか否かが判定される。判定がNOである場合には、S25〜27が繰り返し実行される。部品保持ヘッド300が、位置・傾きデータで決まる次のピックアップ対象部品480t(1)の位置へ移動させられ、そのピックアップ対象部品480(1)をピックアップした後、部品受部材460へ搬送される。ピックアップ対象部品480t(1)が複数個ある場合には、予め設定された順序にしたがって1個ずつピックアップされる。
そして、ピックアップ対象部品480t(1)のすべてが部品受部材460へ移動させられた場合には、S27の判定がYESとなり、S28において、カウント値mが1増加させられ、S29において、カウント値が(Nd=3)より大きいか否かが判定される。ピックアップ対象部品480t(1)〜(3)すべての部品受部材460への移動が終了していない場合には、S29の判定がNOとなり、S22に戻され、カウント値2のパーツデータ570(2)が読み込まれるとともに、ピックアップ対象部品480t(2)の各々の位置・傾きデータが読み込まれる。
【0058】
以下、同様にS23〜27が実行される。ノズル径データ574(2)はノズル径データ574(1)と異なるため、S23の判定がYESとなり、S24において、吸着ノズル362の交換が行われる。また、S25,26において、ピックアップ対象部品480t(2)が部品受部材460へ移動させられる。S25〜27が繰り返し実行され、ピックアップ対象部品480t(2)すべてが部品受部材460へ移動させられた場合には、S27の判定がYESとなり、S28において、カウント値mが1増加させられる。パーツデータ570(3)に関して同様の実行が行われ、すべてのピックアップ対象部品480t(3)が部品受部材460へ移動させられた場合には、S27, S29の判定がYESとなり、本プログラムが終了させられる。部品支持面198に支持されていたピックアップ対象部品480t(1)〜(3)は、部品受部材460へ移動させられ、保持されることにより、部品キャリヤ450,452に予め定められた同じ姿勢で整列させられる。
【0059】
そして、部品受取位置に位置する部品キャリヤの全部の部品受部材460にリード部品480が保持された場合には、その部品キャリヤは部品引渡し位置へ移動させられる。部品装着装置20の装着ヘッド50,52は、部品引渡し位置に位置する部品キャリヤへ移動させられ、部品受部材460に保持されたリード部品480を部品保持具70にピックアップさせる。リード部品480はすべて同じ姿勢で、換言すれば、リード484が下向きとなり、リード484が接続された底面に対向する頂面が上向きとなる姿勢で部品受部材460に収容されており、部品保持具70(例えば、チャック)はすべてのリード部品480を良好にピックアップすることができる。
【0060】
以上のように、本実施例においては、撮像画像データ300のパーツデータ570(n)に基づく処理により、ばら状態にある複数個のリード部品480の姿勢が区別して取得され、ピックアップ対象部品480t(n)が決定されるともに、ノズル径、ピックアップ高さ、搬送加速度の最大値等が取得される。その結果、ばら状態にある複数個のリード部品480を良好にピックアップし、良好に部品受部材460へ移動させることができる。
例えば、吸着ノズル362は、ピックアップ対象部品480tの上向き面の形状等に適した大きさのノズル径のものが用いられる。仮に、すべてのピックアップ対象部品480tに対して大きなノズル径の吸着ノズル362が用いられる場合には、図18(a),(b)に示す姿勢のリード部品480は、上向き面の吸着可能な部分の面積が小さいため、非ピックアップ対象部品とされる。換言すれば、ピックアップ対象部品は、図18(c)の姿勢にあるリード部品480のみとなる。それに対して、上向き面の形状等に適したノズル径の吸着ノズルが選択されるようにすれば、図18(a),(b)に示す姿勢のリード部品480もピックアップ対象部品とされる。その結果、1回のばら部品の供給でピックアップ可能なリード部品480を増やすことができるのであり、戻されるリード部品480の個数(非ピックアップ対象部品480sの個数)を減らすことができる。
【0061】
また、すべてのピックアップ対象部品480t(1)〜(3)に対して、小さいノズル径の吸着ノズル362が用いられる場合には、吸着ノズル362の交換時間が不要になるものの、搬送時間が長くなる。特に、ピックアップ高さが高い場合は部品の搬送時等の姿勢が不安定であることから、最大加速度が小さい値に設定されるのが普通であり、その結果、搬送時間が長くなるのである。それに対して、ピックアップ対象部品480t(1)に対して大きなノズル径の吸着ノズルが用いられるようにすれば、ピックアップ対象部品480t(1)を搬送する場合の最大加速度を大きくすることができ、その分、搬送時間を短くすることができる。
【0062】
部品支持面198には、非ピックアップ対象部品480sとされたものが残っているが、それら非ピックアップ対象部品480sは、部品戻し装置88により部品供給器82に戻される。非ピックアップ対象部品480sは、図8に示すように掻落とし部材114により後退を妨げられて部品支持部材150に対して前方へ移動させられ、部品回収容器220内へ掻き落とされる。部品支持部材150の後退時には、カム部材180からカムフォロワ182に部品支持部材150の後退方向と同方向の力が作用するが、ストッパ234は、カムフォロワ182のこの方向の自由な回動を許容する。それにより、図8および図9に示すようにカムフォロワ182が捩じりコイルばね206の付勢力に抗して部品供給器82に対して回動して歯190を乗り越え、部品供給器82を振動させることはなく、部品支持部材150が後退させられる。そのため、部品が部品収容部100から部品供給面110上に落ちることはなく、部品支持面198へも排出されない。
【0063】
図10(a)に示すように部品支持部材150の退避位置への移動後、図10(b)に示すように部品回収容器220が部品供給器82に対して上昇させられる。その部品回収容器220の上昇に伴ってシャッタ250が圧縮コイルばね255の付勢により上昇させられ、図10(c)に示すように遮蔽位置において部品排出部112を塞ぐ。ローラ240は、部品回収容器220と共に、部品供給器82の外面に沿って上昇させられる。部品回収容器220は、シャッタ250の遮蔽位置への移動後、更に上昇させられ、上昇端位置近傍まで上昇させられた昇降運動の末期には、図11に示すようにローラ240が係合面242に当接し、上昇が阻止される。それにより、部品回収容器220は、さらに上昇端位置まで上昇させられる間に捩じりコイルばねの付勢力に抗して部品排出位置へ回動させられ、回収された部品480が部品収容部100内へ排出される。部品回収容器220が部品排出位置へ回動させられた状態では、底面が鉛直となり、かつ、後壁236が下方ほど部品収容部100に向かう状態となり、リード部品480が後壁236に案内されて残りなく部品収容部100へ排出される。
【0064】
5つの部品供給ユニット96のうちのいずれかにおいて部品供給器82への部品の戻しが行われる間においても、撮像装置90,部品保持ヘッド300により別の部品供給ユニット96について部品480の撮像,ピックアップ等が行われ得る。図23に示すように部品の戻しは部品支持部材150が退避位置へ戻された状態で行われるのに対し、部品支持面198は部品支持部材150の前部側に設けられており、部品回収容器220と干渉することなく、部品支持面198上の部品480の撮像,保持が行われる。
また、ばら部品供給装置18のシャトル装置304,306を除く部分が、装置本体10から外されることにより、ばら部品供給装置18のメンテナンスが容易に行われ得る。
【0065】
なお、ピックアップ対象部品480tをピックアップする前に、撮像装置90の部品支持面198の撮像によって得られた撮像画像データに基づいてピックアップ対象部品480tの位置を確認することができる。それにより、より正確にピックアップ対象部品480tをピックアップすることができる。
撮像装置90による撮像は、部品保持ヘッド300によるリード部品480のピックアップ毎に、そのピックアップに先立って行われ、吸着ノズル362(部品保持ヘッド300)が部品支持面198上のリード部品480を保持した後、部品受部材460へ搬送されるのと並行して行われる。部品保持ヘッド300は、撮像装置90と部品支持面198との間の高さ領域を移動させられるため、撮像装置90と部品保持ヘッド300とが干渉することがない。そのため、撮像装置90は、部品支持面198上に位置したままとされ、リード部品480を保持した部品保持ヘッド300が退避した後、撮像を行う。それにより、例えば、1つの部品供給ユニット96において先のリード部品480のピックアップ作動等により次にピックアップされる予定のピックアップ対象部品480tの位置,姿勢が変わることがあっても、その変化が取得される。
【0066】
また、部品保持ヘッド300は上記実施例におけるそれに限らない。例えば、互いにノズル径が異なる複数の吸着ノズルを環状に保持可能なヘッド、あるいは、上述の複数の吸着ノズルを所定の間隔を隔てて直線状に保持可能なヘッド等、種々なタイプのヘッドとすることができる。さらに、部品保持ヘッド300は、上述の各ヘッドに、自動または手動で変更されるようにすることができる。そして、部品保持ヘッド300が、複数の吸着ノズルを保持可能なヘッドである場合には、ノズル径データ574に応じて決まる吸着ノズルが、予め定められたピックアップ位置に位置決めされるのであり、それにより、ピックアップ対象部品をピックアップする吸着ノズルが変更される。本実施例においては、位置決められた吸着ノズルが特定部品保持具に対応する。
さらに、吸着ノズル362により部品支持面198に支持された部品がピックアップされ、直接基板12に供給されるようにすることもできる。その場合には、部品保持ヘッド移動装置302による部品保持ヘッド300の移動範囲が保持された基板12を含む範囲とされる。
【0067】
本実施例において、(1)ばら部品支持部は、部品支持面198等により構成される。(2)部品引渡部は、部品キャリヤ450,452等により構成される。(3)保持具変更装置は、ノズル取付装置368等によって構成されると考えたり、ノズル取付装置368および制御装置26のうちの図22のフローチャートで表されるピックアップ等制御プログラムのS24を記憶する部分、実行する部分等により構成されると考えたりすることができる。保持具変更装置は、保持具交換部でもある。(4)変更用移動部は、保持ヘッド移動装置302のうち部品保持ヘッド300を部品支持面198とノズル収容装置430との間で移動させる部分等により構成される。(5)ピックアップ用移動部は、保持ヘッド移動装置302のうち吸着ノズル362をピックアップ高さまで昇降させる部分等により構成される。(6) 加速度制限移動部は、保持ヘッド移動装置302の最大加速度データで決まる加速度を超えることなく部品保持ヘッド300を移動させる部分等により構成される。(7)パーツデータ記憶部は、制御装置26の記憶部550m等により構成される。パーツデータ記憶部は統括制御装置26aに設けてもよい。(8)ばら部品供給装置制御装置は、制御装置26のうちピックアップ等制御プログラムを記憶する部分、実行する部分、パーツデータ記憶部等により構成される。また、ピックアップ高さ取得部が、ばら部品供給装置制御装置のうち、パーツデータ記憶部、S22を記憶する部分、実行する部分等に構成され、ピックアップ高さ制御部が、S25を記憶する部分、実行する部分等により構成される。(9)次工程は、部品装着装置20において行われる「部品を基板12に装着する工程」としたり、基板12に装着された部品、または、部品が装着された基板12に対して行われる「処理工程」(例えば、リードをカットして曲げるカットアンドクリンチ工程、リード部品についてはんだ付けを行うはんだ付け工程、基板12に対して熱処理等を行う工程、部品実装装置から搬出させる工程等)としたりすること等ができる。
【実施例2】
【0068】
部品保持ヘッドの保持具保持部材には図24(a)に示すチャック580が取り付けられるようにすることができる。チャック580は、チャック本体に保持された一対の爪部582p,q、一対の爪部582p,qを互いに接近離間させるスライド式の駆動装置584等を含む。チャック580によって把持可能なピックアップ対象部品の幅は予め決まっている。
本実施例においては、部品保持具がチャック580であるため、図18(d)に示すように、吸着が困難な側面486dが上向き面である姿勢のリード部品480もピックアップ対象部品480t(4)とされる。上向き面が吸着な困難な形状を成した面であっても、互いに対向する側面486b、cを一対の爪部582p,qによって把持することができる。例えば、図20に示す撮像画像データ580に含まれる個別画像データ582(4)に対応するリード部品480がピックアップ対象部品480t(4)とされる。
【0069】
本実施例におけるリード部品480のパーツデータ590(n)の一例を図24(b)に概念的に示す。パーツデータ590(n){n=1,2,3,4}は、それぞれ、[1]形状データ592(n)、[2]ピップアップ対象部品480tのピックアップ等に関するパラメータを表すデータを含む。パラメータを表すデータには、(i)ピックアップ対象部品を把持するためのチャックのチャック幅(一対の爪部582p、qによって把持可能な部品の幅)を表すチャック幅データ594(n)、(ii)ピックアップ高さデータ596(n)等のうちの1つ以上を含む。ピックアップ対象部品480t(1)、(4)に対しては、チャック幅が大きいチャックが選択され、ピックアップ対象部品480t(2)、(3)に対しては、チャック幅が小さいチャックが選択される。
一方、チャック580によるリード部品480の保持力がピックアップ対象部品480tの幅が異なってもほぼ同じである場合には、最大加速度はピックアップ対象部品480tの姿勢が変わっても同じ大きさとすることができる。その場合には、ピップアップ対象部品480tのピックアップ等に関するパラメータを表すデータに最大加速度データを含ませる必要は必ずしもない。
本実施例においては、形状データ592(1)〜(4)の各々と撮像画像データ580との比較により画像処理が4回行われ、ピックアップ対象部品480t(1)〜(4)が決定される。また、これらピックアップ対象部品480t(1)〜(4)がそれぞれチャック580によりピックアップされ、部品受部材460に移動させられることにより、部品キャリヤ450,452に整列させられる。
【実施例3】
【0070】
図25に示すように、部品供給ユニット96に替えて手置き部品支持部材たる手置き部品トレイ600を着脱可能に設けてもよい。手置き部品トレイ600は一平面状の部品支持面602を備え、部品支持面602にばら状態にある部品604が複数個支持される。
手置き部品トレイ600は、本体80への取付け後、あるいは取付けに先立ってばら部品供給装置の外で、作業者により部品604が置かれる。このような手置き部品トレイを用いた部品の供給は、リードが曲がり易い部品,部品同士を接触させたくない部品,振動が加えられることが望ましくない部品,大型の部品等の供給に適している。
なお、手置き部品トレイ600の大きさは問わない。部品供給ユニット96の幅とほぼ同じ幅のものとしたり、部品供給ユニット96の幅より大きいものとしたりすること等ができる。
【その他の実施例】
【0071】
なお、本発明は、上記実施例の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の形態で実施することができる。また、上述の複数の実施例を互いに組み合わせた形態で実施することができる。
例えば、作業ヘッド移動装置54の装着ヘッド50,52の移動範囲内に、部品支持部材150、または、手置き部品トレイ600が配設された場合には、装着ヘッド50,52によりばら状態にある部品480,604が直接ピックアップされ、基板12に直接装着されるようにすることができる。その場合には、部品支持部材150、または、手置き部品トレイ600に支持された複数個のばら状態にある部品480,604は装着ヘッド50に設けられた撮像装置22によって撮像されるようにすることができる。
また、これら部品支持部材150、または、手置き部品トレイ600に支持されたばら状態にある部品480,604は、装着ヘッド50,52において、部品保持具70が水平軸線回りに旋回可能に保持させられ、その水平軸線回りに旋回可能な部品保持具70によって保持されるようにすることができる。実施例1における場合と同様に、撮像画像データに基づいて、ばら状態にある部品480,604の姿勢が取得され、それに応じて部品保持具70が交換されたり、ピックアップ対象部品の姿勢で決まる高さでピックアップされたり、姿勢で決まる最大加速度を超えないように搬送されたりする。
【0072】
それに対して、これら部品支持部材150、または、手置き部品トレイ600に支持された部品480,604は、装着ヘッド50,52の部品保持具70(旋回不能な部品保持具)によって保持されるようにすることもできる。本実施例においては、撮像画像データに基づいて、装着ヘッド50,52により保持して、装着可能な姿勢の部品がピックアップ対象部品とされ、ピックアップ高さ等が取得される。装着ヘッド50,52がピックアップ対象部品の位置へ移動させられ、ピックアップ対象部品が取得された高さでピックアップされる。本実施例は、リードを備えていない部品の装着に適している。
なお、装着ヘッド50,52の少なくとも一方は、環状あるいは直線状に並んで設けられた複数の部品保持具を保持可能なヘッドとすることもできる。
本実施例においては、手置き部品トレイ600等が実装用ばら部品支持部に対応し、撮像装置22が実装用撮像装置に対応し、部品保持具70が実装用部品保持具に対応し、装着ヘッド50,52が実装用部品保持ヘッドに対応し、作業ヘッド移動装置54が実装用保持ヘッド移動装置に対応する。また、制御装置26(装着装置20の個別制御装置を含む)の作業ヘッド移動装置54を制御する部分等により実装用保持ヘッド移動制御装置が構成される。実装用保持ヘッド移動制御装置のうち、撮像画像データに基づいてピックアップ高さを取得する部分等によりピックアップ高さ取得部が構成され、ピックアップ高さに基づいて作業ヘッド移動装置54を制御する部分等によりピックアップ高さ移動制御部が構成される。
【符号の説明】
【0073】
18:ばら部品供給装置 20:部品装着装置 26:制御装置 82:部品供給器 84:部品散在状態実現装置 86:部品引渡し装置 88部品戻し装置 90:撮像装置 198:部品支持面 220:部品回収容器 364:ノズル回転装置 366:ノズル旋回装置 368:ノズル取付装置 450,452:部品キャリヤ 550:個別制御装置 550m:記憶部 552:画像処理装置 570,590:パーツデータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25