特許第6373990号(P6373990)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6373990PEF容器、予備形成物、および射出延伸ブロー成形による当該容器の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6373990
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】PEF容器、予備形成物、および射出延伸ブロー成形による当該容器の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/00 20060101AFI20180806BHJP
   B29C 49/06 20060101ALI20180806BHJP
   B29C 49/12 20060101ALI20180806BHJP
   B29C 49/08 20060101ALI20180806BHJP
   B65D 1/02 20060101ALI20180806BHJP
   C08G 63/676 20060101ALI20180806BHJP
【FI】
   B65D1/00 120
   B29C49/06
   B29C49/12
   B29C49/08
   B65D1/02 100
   B65D1/02 230
   B65D1/02 221
   C08G63/676
【請求項の数】12
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-530620(P2016-530620)
(86)(22)【出願日】2013年8月1日
(65)【公表番号】特表2016-532606(P2016-532606A)
(43)【公表日】2016年10月20日
(86)【国際出願番号】IB2013002115
(87)【国際公開番号】WO2015015243
(87)【国際公開日】20150205
【審査請求日】2016年3月25日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515058101
【氏名又は名称】ソシエテ アノニム デ ゾ ミネラル デヴィアン エ オン ナブレジェ“エス.ア.ウ.エム.ウ”
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ベッソン,ジャン−ポール
(72)【発明者】
【氏名】ブッファン,マリ−ベルナール
(72)【発明者】
【氏名】リュトゥノー,フィリップ
【審査官】 小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/062408(WO,A1)
【文献】 特開2006−001108(JP,A)
【文献】 特開平09−118322(JP,A)
【文献】 特開2006−321152(JP,A)
【文献】 特表2004−511358(JP,A)
【文献】 特開昭58−029632(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 1/00
B29C 49/06
B29C 49/08
B29C 49/12
B65D 1/02
C08G 63/676
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトルであることが好ましいプラスチック容器(10)を、延伸ブロー成形によって製造するための予備形成物(1)であって、
上記予備形成物は、少なくとも1つのフランジカルボン酸(FDCA)モノマー、好ましくは2,5−フランジカルボン酸(2,5−FDCA)モノマーと、少なくとも1つのジオールモノマー、好ましくはモノエチレングリコール(MEG)モノマーとの少なくとも1つの熱可塑性ポリマーを射出成形することによって作製され、上記予備形成物は、
ネック端(2)と、
ネック支持リング(3)と、
長さL’を有する直線部と、半径Rを有する湾曲底部とを含む、閉塞筒状本体部(4)とを備え、
上記予備形成物は、φ/L比を有し、φは上記閉塞筒状本体部の上記直線部の特定の外径であり、Lは、L=L’+2πR/4を満たす、上記予備形成物の上記閉塞筒状本体部の母線の長さであり、前記φ/L比は、より好ましくなる順に、
0.10<(φ/L)≦0.50
0.15<(φ/L)≦0.45
0.20<(φ/L)≦0.40
0.25<(φ/L)≦0.35であり、
上記閉塞筒状本体部の上記湾曲底部は、射出延伸ブロー成形の吹込みが行われている間、吹込み管の下端が当たるようになっている環状の余剰肉厚(6)を有することを特徴とする予備形成物(1)。
【請求項2】
射出延伸ブロー成形によって、上記予備形成物に対する、容器(10)の軸方向の延伸倍率が、上記予備形成物に対する、上記容器(10)の周方向の延伸倍率以上になるように容器(10)を製造するように設計されていることを特徴とする請求項1に記載の予備形成物(10)。
【請求項3】
上記閉塞筒状本体部(4)の側壁の最小の厚み(tmin)は、mmの単位で、より好ましくなる順に、
1.0<(tmin)≦3.5
1.2<(tmin)≦3.2
1.5<(tmin)≦3.0
1.8<(tmin)≦2.5であることを特徴とする請求項1または2に記載の予備形成物(1)。
【請求項4】
ボトルであることが好ましい容器(10)の製造方法であって、
請求項1からの何れか1項に記載の予備形成物(1)を提供する工程と、
上記予備形成物(1)を、空洞を有する金型に設置する工程と、
上記容器(10)を形成するために、吹込み圧力で流動体を空洞へ供給するようになっている吹込み管を含む吹込み装置を使用して、上記予備形成物(20)に対する、上記容器(10)の軸方向の延伸倍率が、上記予備形成物(20)に対する、上記容器(10)周方向の延伸倍率以上になるように、上記閉塞筒状本体部の上記湾曲底部の環状の余剰肉厚(6)に吹込み管の下端を当てて、上記予備形成物(1)を上記金型に吹込む工程とを含むことを特徴とする製造方法。
【請求項5】
上記吹込み圧力は、35バール以下、好ましくは30バール以下、より好ましくは25バール以下、より好ましくは20バール以下、より好ましくは15バール以下、より好ましくは10バール以下であることを特徴とする請求項に記載の製造方法。
【請求項6】
上記吹込み管の下端が、上記予備形成物(1)の湾曲底部(5)の余剰肉厚(6)に当たるように上記予備形成物(1)内に入れられ、上記下端が上記予備形成物(1)を押して、延伸作用に寄与することを特徴とする請求項またはに記載の製造方法。
【請求項7】
液体、好ましくは飲料でボトル(10)を満たす工程をさらに含むことを特徴とする請求項からの何れか1項に記載の製造方法。
【請求項8】
上記軸方向の延伸倍率は、より好ましくなる順に、3.5以上、4.0以上、4.15以上、4.30以上、4.5以上、5.0以上であり、
上記周方向の延伸倍率は、より好ましくなる順に、4.0以下、3.75以下、3.60以下、3.50以下、3.40以下、3.30以下、3.20以下、3.0以下、2.5以下であることを特徴とする請求項からの何れか1項に記載の製造方法。
【請求項9】
上部から底面に向かって、
ネック(20)と、
肩部(35)と、
筒状本体部(41)と、
底部(42)とを含み、
〔底部の質量BM/総質量TM〕×100の比率は、質量%の単位で、より好ましくなる順に、
(BM/TM)≦10.5
1<(BM/TM)≦9
5<(BM/TM)≦8
6<(BM/TM)≦7であることを特徴とする請求項からの何れか1項に記載の製造方法。
【請求項10】
少なくとも1つのインプリント(51)を備え、当該インプリントは、キー溝、溝、リブ、浮き出し、装飾のパターン、把持部材、商標表示、製造表示、点字文字およびこれらの組み合わせからなる群から選択されることが好ましいことを特徴とする請求項からの何れか1項に記載の製造方法。
【請求項11】
上記底部(42)は、
湾曲端部(421)と、
内側の軸方向の内部方向に方向づけられたドーム(423)と、
上記湾曲端部(421)と上記ドーム(423)とをつなぐ底面(422)と、
補強部(424、424´)とを含んでいることを特徴とする請求項に記載の製造方法。
【請求項12】
上記補強部(424、424´)は、上記底部(42)の軸(A)に対して放射状に延伸する溝および/またはリブ(424、424´)を備え、上記溝および/またはリブ(424、424´)は軸(A)の周りに、好ましくは上記湾曲端部(421)および上記底面(422)上、或いは上記ドーム(423)上に、規則的に配置されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、容器(ボトルであることが好ましい)を製造するための、特定の熱可塑性ポリマー(具体的にはポリエチレンフラノエート(PEF))の射出延伸ブロー成形に関する。
【0002】
本発明は特に、容器(ボトル)、当該容器の製造に用いられるPEF予備形成物、および製造方法に関する。
〔背景技術および技術的問題〕
射出延伸ブロー成形法においては、最初に、射出成型法を用いてプラスチックが「予備形成物」に成形される。このような予備形成物は、一方の端部に、ねじ山(「フィニッシュ(finish)」)を含む容器のネックを有するように製造される。このような予備形成物はまとめて(冷却後)再加熱延伸ブロー成形機に入れられ、ガラス転移温度を超えるまで加熱され、その後、高圧空気によって金属吹込み金型を用いる容器に吹き込まれる。吹込み装置は、加圧空気を予備形成物内に射出して、予備形成物を膨らませて金型に嵌める吹込み管を含んでいる。吹込み管は、延伸および吹込み中に、予備形成物の底に突き当たって、圧迫することによる延伸作用にも関係する。
【0003】
ポリエチレンテレフタレート(PET)は、射出延伸ブロー成形法によるボトル製造のために一般的に使用されるポリマーであるが、PETに取って代わる、例えば、効率的に生物から調達できる再生可能なものに基づくポリマーに対する需要がある。
【0004】
ポリエチレンフラノエート(PEF)は、少なくとも部分的に生物由来であり得るポリマーである。文献WO2010/077133は、例えば、ポリマー骨格中に2,5−フランジカルボキシレート成分を含んだPEFポリマーを製造するための適切な工程を記載している。このポリマーは、2,5−フランジカルボキシレート成分〔2,5−フランジカルボン酸(FDCA)または2,5−フランジカルボン酸ジメチル(DMF)〕のエステル化、およびエステルとジオールまたはポリオール(エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(テトラヒドロフラン)、グリセロール、ペンタエリスリトール)との縮合によって調製される。これらの酸およびアルコール成分のいくつかは再生可能な作物に由来する原材料から得ることができる。
【0005】
PEF製の容器(ボトル)がいくつか製造されていることが開示されてきた。しかしながらこのような容器(ボトル)は、非常に初歩的なものと考えられる。特に、一般的なPET容器(ボトル)に対して、軽さ(原材料の節約)と機械特性(落下試験等によって評価される)との技術的な妥協点に関して進歩したPEF容器(ボトル)の需要がある。
【0006】
さらに、射出延伸ブロー成形によって得られたPEF容器は、加工適正(プロセスパラメータ(特に温度)の監視手段)、高透明性、食品安全性、水密性および気密性等のうちの少なくとも1つの規格を満たす必要がある。
【0007】
本発明は、上記の課題および/または需要の少なくとも一つに取り組むことを目的とする。
〔発明の概要〕
本明細書において、「PEF」は、少なくとも1つのフランジカルボン酸(FDCA)モノマー、好ましくは2,5−フランジカルボン酸(2,5−FDCA)モノマーと、少なくとも1つのジオールモノマー、好ましくはモノエチレングリコール(MEG)モノマーとの任意の熱可塑性ポリマーを意味している。
【0008】
上記の目的を追求するうえで、発明者らは、改良された新規のPEF容器(ボトル)および予備形成物を開発する成果を上げ、それによって、工業的な射出延伸ブロー成形法によって、所望の特性(特に、軽さと優れた機械強度との技術的な妥協点)に到達することを可能とした。
〔ボトル〕
上記の目的を果たすために、第1の態様によると、本発明はプラスチック容器を提案しており、上記プラスチック容器は好ましくはボトルである。上記プラスチック容器は、少なくとも1つのフランジカルボン酸(FDCA)モノマー、好ましくは2,5−フランジカルボン酸(2,5−FDCA)モノマーと、少なくとも1つのジオールモノマー、好ましくはモノエチレングリコール(MEG)モノマーとの少なくとも1つの熱可塑性ポリマーから作製された予備形成物(特に下記に定義されるような予備形成物)の射出延伸ブロー成形によって得られ、軸方向の延伸倍率は、周方向の延伸倍率以上である。
【0009】
より好ましくは、上記プラスチック容器は好ましくはボトルであり、下記の軸方向および周方向の延伸倍率を有している。
・軸方向の延伸倍率は、より好ましくなる順に、3.5以上、4.0以上、4.15以上、4.30以上、4.5以上、5.0以上であり、
・周方向の延伸倍率は、より好ましくなる順に、4.0以下、3.75以下、3.60以下、3.50以下、3.40以下、3.30以下、3.20以下、3.0以下、2.5以下である。
【0010】
例えば、
軸方向の延伸倍率は4〜10の間に含まれる。
【0011】
周方向の延伸倍率は3.20〜3.95の間に含まれる。
【0012】
好ましい実施形態においては、本発明に係る上記プラスチック容器は好ましくはボトルであり、上部から底面に向かって、
ネックと、
肩部と、
筒状本体部と、
底部とを含み、
〔底部の質量BM/総質量TM〕×100の比率は、質量%の単位で、より好ましくなる順に、
(BM/TM)≦13.5
6<(BM/TM)≦11.5
6<(BM/TM)≦10.5
6<(BM/TM)≦9.5
6<(BM/TM)≦7.5である。
【0013】
他の任意の興味深い実施形態においては、本発明は下記の特徴のうちの1つまたはいくつかを備えてもよい。
(a)本発明は、少なくとも1つのインプリントを備え、当該インプリントは、キー溝、溝、リブ、浮き出し、装飾のパターン、把持部材、商標表示、製造表示、点字文字およびこれらの組み合わせからなる群から選択されることが好ましい。
(b)上記容器(ボトル)の底部は、
湾曲端部と、
内側の軸方向の内部方向に方向づけられたドームと、
上記湾曲端部と上記ドームとをつなぐ底面と、
補強部とを含み、当該補強部は、底部の軸(A)に対して放射状に延伸する溝および/またはリブを含むことが好ましく、上記溝および/またはリブは軸(A)の周りに、好ましくは湾曲端部および底面上に、或いはドーム上に、規則的に配置される。
【0014】
これらの補強部は花弁状の底部を形成することが可能である。
(c)少なくともインプリントの1つは、ドームの先端付近に位置する突出部であり、当該突出部は余剰肉厚から形成され、当該余剰肉厚は、下記に定義されるような予備形成物の底面上にあり、射出延伸ブロー成形の吹込みが行われる間、当該余剰肉厚に吹込み管の下端が当たるようになっている。
(d)インプリントは、同一平面上の2つのエッジおよび2つのエッジの間の中間部分を有し、当該中間部分は2つのエッジに対してシフトした頂点(溝またはキー溝等のような、凹んでいるインプリントでは内側に、そしてリブ等のような、突き出ているインプリントでは外側にシフト)を示し、上記インプリントは2つのエッジの間を測定した幅(w)およびエッジと頂点との間を測定した最大高さ(h)を示す。
(e)上記インプリントは2つのエッジに対して内側にシフトした頂点を有する溝を含んでいる。
(f)上記幅(w)および上記最大高さ(h)は、幅に対する最大高さの比率(h/w)が、より好ましくなる順に、0.8以上、1.0以上、1.2以上であり、好ましくは1.2〜200の間、1.2〜50の間、1.2〜20の間に含まれる。
(g)上記容器の本体は、軸に沿ってピッチ(Pi)に従って互いに間隔をあけて離れている少なくとも2つの隣接したインプリントを備えており、インプリントの上記ピッチ(Pi)および最大高さ(h)は以下のとおりである。
【0015】
最大高さが2mmと等しい場合、ピッチは5mm以下であり、好ましくは4mm以下であり、より好ましくは3mm以下であり、より好ましくは2mm以下であり、より好ましくは1mm以下であり、
ピッチが5mmと等しい場合、最大高さは2mm以上であり、好ましくは3mm以上であり、より好ましくは4mm以上であり、より好ましくは6mm以上であり、より好ましくは8mm以上である。
(h)インプリントは、エッジに対する横断面中にインプリント外形を有し、上記インプリント外形はそれぞれが曲率半径(RcPEF)を有する複数の点を含み、インプリント外形の各点での上記曲率半径(RcPEF)は1mmより小さく、好ましくは0.7mmより小さく、より好ましくは0.5mmより小さく、より好ましくは0.3mmより小さい。
(i)上記容器(ボトル)の筒状本体部は軸に沿って円筒型であり、軸に沿って外側壁が延び、少なくとも1つの上記インプリントは、少なくとも部分的に軸の周囲に広がる、外側壁上の少なくとも1つの円周のインプリントを含んでいる。
(j)上記容器(ボトル)は液体で満たされており、上記液体は、例えば、飲料またはホームケア製品もしくはパーソナルケア製品等の非食用の液体であり、好ましくは飲料である。
(k)満たされているまたは空の容器(ボトル)は、例えばキャップ等のクロージャーで閉じられている。
〔予備形成物〕
第2の態様によると、本発明は、ボトルであることが好ましいプラスチック容器を製造するための予備形成物を提案する。特に本発明よると、上記予備形成物は、少なくとも1つのフランジカルボン酸(FDCA)モノマー、好ましくは2,5−フランジカルボン酸(2,5−FDCA)モノマーと、少なくとも1つのジオールモノマー、好ましくはモノエチレングリコール(MEG)モノマーとの少なくとも1つの熱可塑性ポリマーから作製され、上記予備形成物は、
ネック端と、
ネック支持リングと、
閉塞筒状本体部とを備え、
φ/L比によって特徴付けられ、φは上記閉塞筒状本体部の特定の外径であり、Lは上記予備形成物の閉塞筒状本体部の母線の長さであり、φおよびLは、下記に明確に定義される。
【0016】
より好ましくは、φ/Lは、より好ましくなる順に、
0.10<(φ/L)≦0.50
0.15<(φ/L)≦0.45
0.20<(φ/L)≦0.40
0.25<(φ/L)≦0.35である。
【0017】
上記のような予備形成物は、飲料、特に水を入れるための容器を製造する産業分野において、必要とされる他の規格を損なうことなく、機械特性が向上したPEF容器(ボトル)の製造を驚くほど可能にした。
【0018】
好ましくは、本発明に係る予備形成物は、延伸ブロー成形によって、軸方向の延伸倍率が周方向の延伸倍率以上になるように容器を製造するように設計されている。
【0019】
より好ましくは、上記閉塞筒状本体部(4)の側壁の最小の厚み(tmin)は、mmの単位で、より好ましくなる順に、
1.0<(tmin)≦4.5
1.5<(tmin)≦4.0
2.0<(tmin)≦3.5
2.0<(tmin)≦3.2である。
【0020】
本発明の顕著な特徴によると、上記予備形成物は、
参考形態のPETプラスチック容器(1)(好ましくはボトルである)の製造に用いるための参考形態のPET予備形成物(10)の直径φ以上の直径φと(上記参考形態のPETプラスチック容器(1)は、プラスチック原料以外は、予備形成物(10)の延伸ブロー成形によって得られるPEF容器(1)と全ての点において同じものである)、
参考形態のPET予備形成物(10)の長さL以下の長さLとを有している。
【0021】
上記容器(ボトル)の特性を向上させるために、本発明に係る予備形成物は、射出延伸ブロー成形の吹込みが行われている間、吹込み管の下端が当たるようになっている余剰肉厚を有する底面を示し得る。
〔ボトルの製造方法〕
第3の態様によると、本発明は上記に定義したようなボトルの製造方法を提案している。上記方法は、
上記で定義した予備形成物を提供する工程と、
上記予備形成物を金型に設置する工程と、
容器(1)を形成するために、吹込み圧力で流動体を空洞へ供給するようになっている吹込み管を含む吹込み装置を使用して、予備形成物を上記金型に吹込む工程とを含み、或いは、上記金型は50℃以上、好ましくは50〜100℃の間、より好ましくは65〜85℃の間の温度に加熱され、
容器の軸方向の延伸倍率が周方向の延伸倍率以上になる。
【0022】
本発明に係る上記方法は、上記ボトルを液体で満たす工程をさらに含むことができ、上記液体は、例えば、飲料またはホームケア製品もしくはパーソナルケア製品等の非食用の液体であり、好ましくは飲料であることが記載されている。本発明に係る上記方法は、満たされているまたは空の上記ボトルを、例えばキャップ等のクロージャーで閉じる工程も含むことができることが記載されている。
【0023】
提示されている予備形成物は射出成形によって製造されてもよく、軸に沿って伸びる中空の筒と、閉塞底端と、開放上端とを含んでもよい。
【0024】
上記予備形成物の延伸吹込みは、或いは、予備形成物を再加熱する工程と、その後上記予備形成物を、35バール以下、好ましくは30バール以下、より好ましくは25バール以下、より好ましくは20バール以下、より好ましくは15バール以下、より好ましくは10バール以下の吹込み圧力で、開放上端を介して吹込む工程とを含んでいる。
【0025】
金型のインプリント部材の外形をもたらす本発明の熱可塑性ポリマーの性能は、さらに、延伸ブロー成形工程において必要とされる吹込み圧力を低くすることができる。
【0026】
ボトルに満たすことができる飲料は、例えば、任意で味を付け、任意で炭酸にした、例えば精製水、わき水、ナチュラルミネラルウォーター等の水とすることができる。飲料はビール等のアルコール飲料とすることができる。飲料は例えばコーラ飲料等のソーダ水、好ましくは炭酸とすることができる。飲料はフルーツジュースとすることができ、任意で炭酸にすることができる。飲料はビタミンウォーターまたは栄養飲料とすることができる。飲料は牛乳またはヨーグルト等の飲用の発酵乳製品等の、牛乳を基にした製品とすることができる。
【0027】
(ボトルの構成ポリマー:構造生成)
ポリマーは、FDCAモノマーに対応する成分およびジオールモノマーに対応する成分を含む。FDCAモノマーは好ましくは2,5−FDCAであり、ジオールモノマーは好ましくはモノエチレングリコールである。ポリマーは、通常は、ポリマーにおけるこのような成分を付与するモノマーを重合させることによって得られる。そのために、FDCA、好ましくは2,5−FDCA、またはそのジエステルをモノマーとして用いることができる。したがって、重合は、エステル化またはトランス−エステル化とすることができ、両者はポリ縮合反応とも称される。2,5−フランジカルボン酸ジメチル(DMF)がモノマーとして好ましく用いられる。
【0028】
2,5−フランジカルボン酸エステルから得られる2,5−FDCA成分またはモノマーは、揮発性アルコールまたはフェノールまたはエチレングリコールのエステルであり、好ましくは沸点が150℃未満であり、より好ましくは沸点が100℃未満であり、さらに好ましくはメタノールまたはエタノールのジエステルであり、最も好ましくはメタノールのジエステルである。2,5−FDCAまたはDMFは、通常は、生物由来として考えられる。
【0029】
2,5−FDCAまたは2,5−FDCAのエステルは、1つ以上の他のジカルボン酸、エステルまたラクトンと組み合わせて用いてもよい。
【0030】
ジオールモノマーは芳香族、脂肪族または脂環式のジオールとすることができる。したがって、適したジオールおよびポリオールモノマーの例は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,1,3,3−テトラメチルシクロブタンジオール、1,4−ベンゼンジメタノール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(テトラヒドフラン)、2,5−ジ(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン、イソソルビド、グリセロール、25ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、エリスリトール、トレイトールである。エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(テトラヒドフラン)、グリセロールおよびペンタエリスリトールは特に好ましいジオールである。
【0031】
好ましい実施形態において、ジオールはエチレングリコール(モノエチレングリコール−MEG)であり、好ましくは生物由来のものである。例えば、生物由来のMEGは、糖(例えばグルコース、果糖、キシロース)からの発酵により調製することもできるエタノールから得られる。上記の糖は、でんぷん、セルロースまたはヘミセルロースの加水分解によって、作物または農業副産物、林業副産物もしくは固形一般廃棄物から得られる。また、生物由来のMEGはバイオディーゼルからの廃棄物として得られるグリセロールから得られる。
【0032】
本発明に係るボトルの原材料である熱可塑性ポリマーは、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マレイン酸、コハク酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸等のジカルボン酸またはポリカルボン酸等の他の二酸のモノマーもまた含むことができる。ラクトンもまた2,5−フランジカルボン酸エステル、ピバロラクトン、ε-カプロラクトンおよびラクチド(LL、DD、DL)と組み合わせて用いられ得る。本発明の最も好ましい実施形態でないにしても、酸および/またはヒドロキシル基モノマーである多官能性のモノマー(1分子あたりの酸またはヒドロキシル基の機能が2より多い)の使用のおかげでポリマーは直鎖状でなく、分枝状とすることができる。多官能性モノマーは例えば、多官能性の芳香族、脂肪族または脂環式のポリオールもしくはポリ酸等である。
【0033】
本発明の好ましい実施形態によると、ポリマーは生物由来の2,5−FDCAおよび生物由来のモノエチレングリコールを使用しているPEF材料である。実際に2,5−FDCAは、グルコースまたは果糖(再生可能資源から得られる)から作り出される5−ヒドロキシメチルフルフラール(5−HMF)によってもたらされる。モノエチレングリコールは、糖(例えばグルコース、果糖、キシロース)からの発酵により調製することもできるエタノールから得られる。上記の糖は、でんぷん、セルロースまたはヘミセルロースの加水分解によって、作物または農業副産物、林業副産物もしくは固形一般廃棄物から得られる。また、モノエチレングリコールはバイオディーゼルからの廃棄物として得られるグリセロールから得られる。
【0034】
使用されるモノマーの大部分が生物由来と考えられるとき、PEFは、100%生物由来であるPEFと称される。いくつかのコモノマーおよび/またはいくつかの添加剤、および/またはいくつかの不純物および/またはいくつかの原子は生物由来ではない可能性があるため、生物由来の原料の実際の量は、100%未満であり得、例えば、75〜99質量%の間であり、好ましくは85〜95質量%である。PEFは、例えば文献WO2010/077133に記載された、PEFを作製する公知技術に従って調製することができる。ボトルは、例えば射出ブロー成形(IBM)処理、好ましくは射出延伸ブロー成形(ISBM)処理によって上記原料より作られ得る。上記ボトルは、2,5−FDCAまたはモノエチレングリコールが生物由来でない、すでに公に記載されたPEFボトルに類似した特性を有し得る。機械的特性を含め、上記特性はPETと比較して改良され得る。
【0035】
本発明に係る「ポリマー」という用語は、ランダムまたはブロックコポリマー等の、ホモポリマーおよびコポリマーを包含する。
【0036】
ポリマーは少なくとも10,000ダルトンの(ポリスチレン標準を基準にしたGPCによって決定される)数平均分子量(Mn)を有する。ポリマーのMnは、好ましくは10000〜100000の間、15000〜90000の間、20000〜80000の間、25000〜70000の間、28000〜60000の間に含まれる(単位はダルトンまたはg/モルで、より好ましくなる順に記載されている)。
【0037】
本発明の顕著な特徴によると、ポリマー多分散性指数(PDI)=Mw/Mn(Mw=重量平均分子量)は、以下のように定義される。1<PDI≦5、1.1≦PDI≦4、1.2≦PDI≦3、1.3≦PDI≦2.5、1.4≦PDI≦2.6、1.5≦PDI≦2.5、1.6≦PDI≦2.3(より好ましくなる順に記載されている)。
【0038】
一般に、ポリマーを調製するための処理は以下の工程を含む。工程1:2,5−FDCA(ジエステル)の対応するジオールとの(トランス)エステル化。続いて工程2:得られた(オリゴマー)グリコール2,5−フランジカルボン酸エステルの(ポリ)縮合反応。PEFの調製処理は固相重合(SSP)工程を含み得る。
【0039】
第4の態様によると、本発明は、上記に定義したボトルにおいて、少なくとも1つのフランジカルボン酸(FDCA)モノマー、好ましくは2,5−フランジカルボン酸(2,5)モノマーと、少なくとも1つのジオールモノマー、好ましくはモノエチレングリコール(MEG)モノマーとの少なくとも1つの熱可塑性ポリマーを使用することを提案している。
〔発明の詳細な説明〕
本発明の更なる目的および利点は、非限定的な例として示される、後述の本発明の特定の実施形態の開示によって明らかにされるだろう。上記開示は、同封の図を参照している。
〔図面の説明〕
図1は、本発明の好ましい実施形態に係るPEF予備形成物の、A軸に沿った縦断面図である。
【0040】
図1は、参考形態のPETプラスチック容器(1)(つまり、図3のPEFボトルと同じボトル)の射出延伸ブロー成形による製造において用いられる参考形態のPET予備形成物(10)の軸Aに沿った縦断面図である。
【0041】
図2は、PEF予備形成物の閉塞端部を示す、図1においてDと記されている部分の細部拡大図である。
【0042】
図3は、射出延伸ブロー成形法によって、図1のPEF予備形成物から得られたPEFボトルの図である。
【0043】
図4は、図3のボトルの下面図である。
【0044】
図5Aは、図3のボトル10の変形例であるボトル10´の下部領域の斜視下面図である。
【0045】
図5Bは、図5Aのボトルの底部の側面図である。
【0046】
図5Cは、図5Aおよび5Bの下面図である。
【0047】
各図面において、同一の部材番号は同一または類似した部材を示している。
【0048】
図1は、ブロー成形によって薄肉容器(好ましくは図3に示すボトル10)を製造するための、射出成形されたプラスチック予備形成物1を示している。予備形成物1は上部から下部に向かって、
ネック端2と、
ネック支持リング3と、
閉塞筒状本体部4とを含んでいる。
【0049】
場合によっては、ネック支持リング3と閉塞筒状部4との間に変化領域(transition zone)があってもよい。
【0050】
ネック端2とネック支持リング3が共にネックフィニッシュ(neck finish)を形成する。
【0051】
予備形成物1は、軸Aに沿って伸びる中空の筒であって、閉塞底端5と、開放上端6とを有している。
【0052】
開放上端6付近であり、ネック端2およびネック支持リング3とで構成される予備形成物1の上部は、延伸吹込みによるボトル10の形成中に全く変化しない。したがって、ネック端2およびネック支持リング3は、図3に示すボトル10のネック端20およびネック支持リング30に相当する。
【0053】
上記の筒のその他の部分は、ネック支持リングの真下から湾曲底部4までの直線部4(長さL´)を構成する閉塞筒状本体部4である。直線部4は円断面を有しており、その外径は一定であってもよく、閉塞筒状本体部4の直線部4の少なくとも一部において、減少および/または増加してもよい。直線部4の壁面5の厚みは変化してもよいが、少なくとも部分的には一定である。
【0054】
予備形成物1は、図1および図2に示すように、直径φおよび長さLによっても定義される。φは、閉塞筒状本体部4の直線部4の外径であり、厚みが一定である、直線部4の長手部分の中間部分で測定される。Lは、ネック支持リング3の下面から予備形成物の下端および湾曲底部4までの閉塞筒状本体部4(すなわち直線部4および湾曲底部4)の母線の長さである。湾曲底部4は円形で、半径Rを有しているため、L=(2πR)/4+L´である。
【0055】
非限定的な例として、PEF予備形成物1は、φが25〜28mm、Lが109〜111mm、それゆえφ/Lが0.225〜0.256であってもよい。
【0056】
比較として、図1に示す参考形態のPET予備形成物10(部材番号は、指数を付した図1の部材番号と同じである)は、直径φが26mm、長さLが128mm、それゆえφ/Lが0.203である。
【0057】
図2に示す予備形成物1の領域Dの拡大図によると、湾曲底部4は、環状の余剰肉厚6を有し、射出延伸ブロー成形による予備形成物1からの容器(ボトル10)の製造工程において用いられる吹込み管の下端が、吹込みが行われる間、上記余剰肉厚に当たるようになっている。この特徴によって、容器(ボトル10)の機械的特性が向上し、後述するように、容器(ボトル10)の底部にインプリントが付される。
【0058】
以下の記述において「内側(inside)」「内部(inwards)」「内部に(inwardly)」および類似した用語は、ボトル10の内部に近接して位置づけられた、または当該内部に向かって方向づけられた部材を示しており、「外側(outside)」「外部(outwards)」「外部に(outwardly)」および類似した用語は、ハウジングまたは軸から離れて位置づけられた、またはその反対側に向かって方向づけられた部材を示している。
【0059】
射出成形された予備形成物1の延伸ブロー成形によって得られたボトル10を図3〜5に示す。ボトル10は、例えば水等の液体を含むのに適している。円形の断面を有するボトル10は、
ネック20と、
ネック支持リング30と、
ネック伸展部31と、
ショルダー部35と、
筒状本体部41(筒状本体部の壁面は部材番号50で示され、インプリント51を含んでいる)と、
底部42とを含んでいる。
【0060】
底部42は、
湾曲端部421と、
内側の軸方向の内部方向に方向づけられたドーム423と、
湾曲端部421とドーム423とをつなぐ底面422と、
補強部424とを含んでいる。
【0061】
補強部424は、底部42上を軸(A)を中心として放射状に延びる溝である。溝424は、湾曲端部421および底面422上で、軸(A)を中心として規則的に配置されている。図4に示すように、放射状の溝424のうち、部材番号424´を有する溝は、底面422より長く、ドーム423まで延伸している。この長い溝424´は短い溝424の間に配置される。
【0062】
図5A、5Bおよび5Cの変形例においても、底部42の放射状の溝424は、湾曲端部および底面422上で軸(A)を中心に規則的に配置されている。これらの溝は全て湾曲端部421の端部から始まり(図5B参照)、実質的に同じ長さを有している。
【0063】
非限定的な例として、ボトル10は、軸方向の延伸倍率が4.19で、周方向の延伸倍率が3.55であってもよい。
【0064】
この非限定的な例におけるボトル10は、下記によっても特徴付けられる。
〔底部の質量BM/総質量TM〕×100、つまり比率〔3/26〕×100=11.5%
本発明はインプリントとして複数の溝を含んだ円筒型のボトルについて開示しているが、本発明はそれに限定されない。特に、ボトルは楕円形の円筒型、多角形または他の断面等の他の任意の適した形状にすることができる。加えて、外被は、溝に関して前述されたように、2つの隣接した部分に対して凹んでいる部分的な変形であるか、または2つの隣接した部分に対して浮出ている、すなわち突出している、部分的な変形である、1つまたはいくつかのインプリントが付与されてもよい。後者の場合、そのようなインプリントの中間部分は、2つのエッジに対して外部に、すなわち軸Aとは反対側にシフトされた頂点を示す。従って、インプリントは、任意の種類のものとすることができ、特にキー溝、溝、リブ、浮き出し、装飾のパターン、把持部材、商標表示、製造表示、点字文字およびこれらの組み合わせからなる群から選択されるものとすることができる。
【0065】
ボトル10は、キャップがひねられて、ネック5を密封する前に、水や飲料などの液体で満たすことができる。
【0066】
本実施例で説明されるボトル10は、少なくとも1つのフランジカルボン酸(FDCA)モノマーおよび少なくとも1つのジオールモノマーの熱可塑性ポリマーでできている。特に、熱可塑性ポリマーは生物由来の2,5−FDCAおよび生物由来のモノエチレングリコール(MEG)を基にしたポリエチレンフラノエート(PEF)である。ポリマーの調製およびボトルの製造を下記に詳しく説明する。
〔材料〕
・例えばWO2010/077133A1またはWO2013/062408に従って調製される2,5−フランジカルボン酸(2,5−FDCA)および2,5−フランジカルボン酸ジメチル(DMF)。
・MEG:ジオールとして、生物由来であるMEG。
・PET(比較):以下の特性がある、Indoramaによって供給されるPETw170。
【0067】
・Tg(ガラス転移温度)=75℃
・Tf(融点)=235℃
・d(密度(非結晶))=1.33
〔PEFポリマーの調製〕
PEF樹脂はAvantiumから供給された。PEF樹脂を調製するために用いられる製造方法は、WO2010077133、WO2013062408、Combinatorial Chemistry & High Throughput Screening, 2012, 15(2), p180-188、およびACS Symposium Series 1105 (Biobased Monomers, Polymers, and Materials), 2012, p1-13に(部分的に)既に公開されている。
【0068】
PLgel 10μm MIXED-C(300×7.5mm)カラムを2つ備えたMerck-Hitachi LaChrom HPLCシステムでGPC測定を実行した。クロロホルム:2−クロロフェノールが6:4の溶媒混合液を溶離剤として用いた。分子量の計算は、ポリスチレン標準を基準とし、Cirrus(商標)PL DataStreamソフトウェアによって実行した。
【0069】
サンプル1b(「PEF1b」)の調製
Ti−Sb系の触媒を用いた溶融重合を撹拌回分反応器内で行った。2,5−フランジカルボン酸ジメチル(30.0kg)、バイオエチレングリコール(20.2kg)を、製品温度が190℃になるまで加熱しながら、窒素雰囲気下にて予備乾燥した反応器内で混合した。製品温度が110℃になった時、200mLのトルエン中に22.195gのTi(IV)ブトキシドが溶解した溶液を加えて、反応混合物をさらに加熱した。製品温度が165℃になった時、メタノールが留出し始めた。190℃の製品温度で大部分のMeOHが留出した後、300ミリバールまで徐々に真空にして、約90分間反応を続け、200℃になるまで徐々に製品温度を上昇させた。次に、真空を解放して150mLのエチレングリコール中に14.885gのホスホノ酢酸トリエチルが溶解した溶液を加え、5分後にグリコール酸アンチモン(685mLのエチレングリコール中に9.50gのSb2O3が溶融している)を加えた。余分なエチレングリコールの大部分が留出によって除去される150ミリバールまでゆっくりと真空にした。最後に、可能な限り、しかし確実に1ミリバールよりも下に、真空度を下げた。製品温度を235℃に上昇させ、分子量の上昇を、撹拌トルクを測定することによって観察した。反応器から得られたポリマーは、14500g/molのMnを有し、Mw/Mnは2.3であった。次に、ポリマーの分子量を増加させるために固相重合を行った。最初に、ポリマーの結晶化を乾燥機にて110℃で行った。次に、ポリマーをタンブル乾燥器に入れ、6ミリバール以下の真空にして、徐々に190〜200℃の温度に上昇させた。ポリマー粒子同士をくっつけないように注意した。抽出したサンプルの溶液の粘度から分子量の増加が観測された。固相重合後の最終的なポリマーのMnは30300、Mw/Mnは2.6であった。
【0070】
サンプル3b1(「PEF3b1」)の調製
Zn−Sb系の触媒を用いた溶融重合を撹拌回分反応器内で行った。2,5−フランジカルボン酸ジメチル(20.0kg)、バイオエチレングリコール(15.5kg)、80mLのバイオエチレングリコールに中に7.65gの無水Zn(OAc)2が溶解した溶液、およびグリコール酸アンチモン(230mLのエチレングリコール中に4.10gのSb2O3が溶解している)を、製品温度が210℃になるまで加熱しながら、窒素雰囲気下にて予備乾燥した反応器内で混合した。製品温度が150℃になった時、メタノールが留出し始めた。大部分のMeOHが留出した後、300ミリバールまで徐々に真空にして、約120分間反応を続け、製品温度を200〜210℃で維持した。次に、真空を解放して60mLのエチレングリコール中に12.65gのホスホノ酢酸トリエチルが溶解した溶液を加え、5分後にグリコール酸アンチモン(230mLのエチレングリコール中に4.10gのSb2O3が溶融している)を加えた。余分なエチレングリコールの大部分が留出によって除去される150ミリバールまでゆっくりと真空にした。最後に、可能な限り、しかし確実に1ミリバールよりも下に、真空度を下げた。製品温度を240〜245℃に上昇させ、分子量の上昇を、撹拌トルクを測定することによって観察した。反応器から得られたポリマーは、15900g/molのMnを有し、Mw/Mnは2.3であった。次に、ポリマーの分子量を増加させるために固相重合を行った。ポリマーをタンブル乾燥器に入れ、窒素雰囲気下にて110℃で乾燥させた。次に、6ミリバール以下の真空にして、徐々に190〜200℃の温度に上昇させた。ポリマー粒子同士をくっつけないように注意した。抽出したサンプルの溶液の粘度から分子量の増加が観測された。固相重合後の最終的なポリマーのMnは33000、Mw/Mnは2.6であった。
〔予備形成物の製造〕
ブロー成形法は、熱可塑性ポリマーPEFから作られた25gの予備形成物1を使用する。熱可塑性ポリマーPEFの調製方法は上述している。
【0071】
非限定的な例として、予備形成物1は、軸Aに沿って測定された103mmの全高Hp、および閉塞底端4付近の24mmからネック支持リング3付近の26mmまで変化する内径を有してもよい。
【0072】
上記に説明したタイプの25gの予備形成物1を製造するために、上述の熱可塑性ポリマーPEF3b1のサンプル20kgをNetstal Elion 800射出成形装置にて用いる。材料を17.63秒のサイクルタイムで255℃に加熱した。
【0073】
熱可塑性ポリマーPEFと比較するために、熱可塑性ポリマーPETを用いて、重量28gの図1に示す予備形成物1を製造した。Indoramaが提供する予備成形物1の製造方法は上述されている。材料を20.04秒のサイクルタイムで270℃に加熱した。
【0074】
非限定的な例として、予備形成物1は、軸Aに沿って測定された121mmの全高Hp、および閉塞底端4付近の20mmからネック支持リング3付近の24mmまで変化する内径を有してもよい。
【0075】
PEF予備形成物1と比較するために、熱可塑性ポリマーPEF1bを用いて、図1に示す予備形成物と同一の予備形成物1°を製造した。予備形成物1°の製造方法は上述されている。材料を17.02秒のサイクルタイムで250℃に加熱した。
【0076】
非限定的な例として、予備形成物1および1°は、軸Aに沿って測定された121mmの全高Hp、および閉塞底端4付近の20mmからネック支持リング3付近の24mmまで変化する内径を有してもよい。
〔ボトルの製造方法〕
本発明に係るボトルを、好ましくは、1つまたはいくつかのインプリント部材を含む空洞を有する、Sidel SBO 1のような装置の金型と、吹込み圧力で流動体を空洞へ供給するようになっている吹込み装置とを使用した、ブロー成形法によって製造した。
【0077】
PEF予備形成物1を、表面温度120℃に加熱した。PEF予備形成物1を冷却温度(10〜13℃)で金型に設置した後、当該予備形成物1内に、環状の余剰肉厚5に当たる吹込み管を用いて、開放上端を介して吹込み圧力で流動体を射出して吹き込むことができた。具体的には、予備形成物1は、上述したタイプのボトル10、すなわち静水を象徴するデザインである溝51、424、424´を示している1.5Lタイプに吹き込まれた。
【0078】
熱可塑性ポリマーPEFの使用のおかげで、吹込み圧力を35バール以下、特に、より好ましくなる順で、30バール以下、25バール以下、20バール以下、15バール以下または10バール以下まで下げることができる。具体的には、予備形成物1は34バールの吹込み圧力でボトル10に吹込まれた。
【0079】
PEF予備形成物1°を、同じ延伸ブロー成形法によってボトル10°に変形させた。
【0080】
PET予備形成物1を、表面温度108〜110℃に加熱して、冷却温度(10〜13℃)で金型に設置し、35バールより高い吹込み圧力で吹き込み、静水を象徴するデザインである溝51、424、424´を示している同じ1.5Lタイプのボトル10(以下「参考形態のPETボトル10」と称す)とした。全ての場合において良好な原料配分が達成された。このように製造されたPETボトル10は上述のPEFボトル10と同一である。
〔検査および結果〕
PEFボトルの優れた機械特性を評価するために落下試験を行う。
【0081】
PEFボトル10:25g
PEFボトル10°:28g
〔ボトルの落下試験記録〕
この落下試験の目的は、充填して蓋を締めたボトルの累積的な垂直落下の耐久性を測定することである。高さ(ボトルの底部と、床の垂直面から10度の角度を示す金属製のパッドとの間の距離)を変えてボトルを落下させる。
【0082】
この落下試験のために、15℃±2℃の水をボトルの100mm±5mmの高さまで満たして蓋を締める。ボトルは24時間、室温で温度調整する。その後、ボトルを落下させる。ボトルの落下は固定せずに行われるが、ボトルの本体は筒に誘導される。この筒の直径はボトルの最大直径より大きい。
【0083】
上記落下試験は落下回数を累積的にカウントするため、ボトルが破損するまで同じボトルを落下させる。
結果:
【0084】
【表1】
【0085】
本発明に係るボトル10に関しては、7種類の高さについて、壊れるまで新しいボトルを落下させた。例えば、1.75mの高さでは、ボトルは12回の落下に耐え、13回目の落下で破損した。PEF予備形成物1°から作製したボトル10°に関しては、5個のボトルを1.0mから落下させた。1個のボトルのみが一度衝撃テストに耐えた。
【0086】
【表2】
【0087】
PEF予備形成物1°から作製したボトル10°の落下試験の結果を表2に示す。それぞれの高さについて(50cm、1m、2m)、5個のボトルを落下させた。50cmの高さでは、4個のボトルが1回目の落下に耐え、1個のボトルが1回目の落下で破損した。1.0mの高さでは、1個のボトルが1回目の落下に耐え、他の4個のボトルは破損した。2.0mの高さでは、全てのボトルが1回目の落下で破損した。
【0088】
これらの結果は、予備形成物1°から得られたPEFボトル10°は、本発明に係る予備形成物10から作製したPEFボトル10と比較した時、落下試験においてはるかに高い故障率を有することを示している。
【図面の簡単な説明】
【0089】
図1】本発明の好ましい実施形態に係るPEF予備形成物の、A軸に沿った縦断面図である。
図1r】参考形態のPETプラスチック容器(1)(つまり、図3のPEFボトルと同じボトル)の射出延伸ブロー成形による製造において用いられる参考形態のPET予備形成物(10)の軸Aに沿った縦断面図である。
図2】PEF予備形成物の閉塞端部を示す、図1においてDと記されている部分の細部拡大図である。
図3】射出延伸ブロー成形法によって、図1のPEF予備形成物から得られたPEFボトルの図である。
図4図3のボトルの下面図である。
図5A図3のボトル10の変形例であるボトル10´の下部領域の斜視下面図である。
図5B図5Aのボトルの底部の側面図である。
図5C図5Aおよび5Bの下面図である。
図1
図1r
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C