(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
熱可塑性樹脂成分が、i)2〜7個の炭素原子を有するオレフィンモノマーから調製されるポリマー、またはii)2〜7個の炭素原子を有するオレフィンモノマーと、(メタ)アクリレートまたは酢酸ビニルとから調製されるコポリマーを含む、請求項1に記載の組成物。
発泡材料が、ISO−37に準拠して測定された場合、プロピレン系エラストマーを含有しないが他の点ではその構成要素に関して同一である組成物から製造される発泡材料である比較材料試料より少なくとも約5%大きい破断点引張り強さを有する、請求項7に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
自動車に関して、車体開口部周縁間のシール部品、ならびにドアおよびトランクリッドなどの開口部の開閉部材は、外部からの雨、風および音を防止するために使用される。シール部品は、一般に、ドアフレーム、トランクリッド、車体開口部周縁などに取り付けられる固体部材、ならびに車体開口部周縁、および開口部の開閉部材の間の隙間を封じるための発泡部材を含む。発泡部材は、ドアフレーム、トランクリッドなどの不規則性および曲がった形状に適合するために変形可能であることと、ドアフレーム、トランクリッドなどと密着することを可能にする硬さを有することを必要とする。
米国特許第7,008,699B2号は、(b)熱可塑性ポリオレフィンポリマーのマトリックス中に分散する、動的加硫されたEPDMのブレンドから作られた第2のポリマー構造(薄膜または固体成分)に接着された、(a)EPDMから作られた第1のポリマー構造(例えば、薄膜または固体成分)を含む複合構造を開示する。第1のポリマー構造または第1および第2のポリマー構造の両方のいずれかが、有効量の半結晶のランダム接着コポリマーとブレンドされる。
【0003】
米国特許第7,326,471B2号は、自動車シール材の複合構造を開示する。複合構造は、少なくとも部分的に架橋されたゴム、第1のオレフィン熱可塑性樹脂成分、および第2のオレフィン熱可塑性樹脂成分を含む第1のエラストマー成分を含む第1の部分を含む。第2のオレフィン熱可塑性樹脂成分は、(i)60質量%以上のプロピレン由来の単位、(ii)アイソタクチック配置のプロピレン由来のシーケンス、および(iii)45J/g未満の融解熱を有するプロピレンコポリマーを含む。複合構造はまた、少なくとも部分的に第1の部分に接着する第2の部分も含む。第2の部分は、1種または複数の熱硬化性エチレンコポリマーゴムを含むことが好ましい。第1の部分はコーナー部分であり、第2の部分は少なくとも部分的にコーナー部分に接着している直線片部であり、共に車両ウインドシ−ル構造を構成することが好ましい。
特開2005−088718は、機械的高強度を十分に維持しながら、効果的な軽量化を実現することができる車両用ガラスランチャンネルを提供する。このガラスランチャンネルは、ベース部およびリップ部からなる。ベース部は、化学発泡剤、気体、水または超臨界液体を用いて押出成形時に起泡した発泡熱可塑性エラストマーから形成される車両用ガラスランチャンネルであり、以下の特性を有する:0.5〜0.8の見かけ比重、3.2〜4.0MPaのねじり剛性、少なくとも4.5PMaの引張り強さ、および少なくとも350%の伸び。
【0004】
日本特許第4660016B号は、良好な外観を有する軽量成形品目を容易に生成するための方法を提供する。軽量成形品目を生成するためのこの方法は、(A)10
1〜10
5Pa・秒の溶融粘度(190℃および100s
-1の剪断速度で)を有する、50〜95質量%の熱可塑性ゴムと、50〜5質量%の発泡剤とを混合することにより調製される発泡剤マスターバッチと、(B)熱可塑性ゴムの溶融粘度より低い溶融粘度を有する熱可塑性樹脂とをブレンドする工程と、得られたブレンドを熱可塑性樹脂の溶融点より高い温度まで加熱し、それにより起泡し同時にブレンドを成形する工程とを含む。
熱可塑性加硫物は、架橋されたゴムが、熱可塑性特性を達成するように、堅い熱可塑性樹脂の熱可塑性相内に、分散して微粒子のエラストマー相を形成する加硫された熱可塑性エラストマーである。熱可塑性加硫物は、動的加硫により従来的に生成される。動的加硫は、ゴム成分が、強烈な剪断下で、かつ少なくとも1つの非加硫熱可塑性ポリマー成分のブレンド内で、またはその熱可塑性樹脂の溶融点より上という混合条件下で架橋されるか、または加硫されるプロセスである。通常、ゴム成分は、架橋され、熱可塑性樹脂中で均一に分散するエラストマー粒子を形成する。例えば、米国特許第4,130,535号;第4,311,268号;第4,594,390号;および第6,147,160号を参照されたい。
【0005】
熱可塑性加硫物は、発泡用材料として使用され得る。吸熱性および発熱性の化学的または物理的発泡剤が、熱可塑性ベース材料にブレンドされる。熱可塑性加硫物を起泡させるために、当技術分野で多くの試みがなされてきた。
国際公開第2004/016679A2号に、ポリオレフィン熱可塑性樹脂、少なくとも部分的に架橋されたオレフィンエラストマー、水素化スチレンブロックコポリマー、および任意選択の添加剤を含む軟性熱可塑性加硫泡状物が記載されている。軟性泡状物は、滑らかな表面、低吸水性、改善された圧縮永久歪みおよび圧縮荷重撓みを有すると言われている。
【0006】
国際公開第2007/0044123A1号は、少なくとも1つの硬化ゴム成分、少なくとも1つの従来の熱可塑性樹脂成分、少なくとも1種のランダムポリプロピレンコポリマー、および少なくとも1種の熱可塑性エラストマースチレンブロックコポリマーを含む、超臨界発泡法を使用することにより起泡させることができる熱可塑性加硫物を記載している。
米国特許第7,319,121号は、a)架橋可能な炭化水素ゴムおよびb)120℃超のTmを有する熱可塑性ポリオレフィン樹脂を有する発泡可能な熱可塑性エラストマー組成物を含む発泡熱可塑性エラストマープロファイルに関する。この組成物は、さらに、a)架橋剤を用いて前記架橋性炭化水素ゴムと架橋剤との、部分的にまたは完全に加硫された反応生成物であって、分散層として存在する反応生成物25〜30質量%、b)連続相としての前記熱可塑性樹脂7〜12質量%、c)エラストマー熱可塑性改質剤8〜22質量%を含み;d)固体フィラー3〜12質量%および/またはe)非芳香族炭化水素油状物35〜45質量%を含んでもよく、この組成物は前記組成物の動的加硫により調製されたものである。
【0007】
国際公開第2013/062685A2号は、a)熱可塑性加硫物およびb)ポリマーシェルおよび組成物の総重量を基準として前記ポリマーシェル中にカプセル化された推進剤を含む熱膨張可能な小球体を含む組成物を開示する。この組成物は、平衡荷重撓みおよび弾性を伴い、軟触感、低減された撓み、改善された衝撃緩和性能および低吸水性を含み、軟質塗料または発泡シートを用いる組立建築のいずれかの代替となり、軟触感用途における要望に合う泡状物を製造するのに適切である。
【0008】
熱可塑性加硫物または熱可塑性加硫組成物の他の開示は、米国特許第7,294,675B2号;第7,964,672B2号;第7,829,623B2号;第6,288,171B2号;第6,268,438B1号;および第6,399,710B1号に見出すことができる。
しかしながら、発泡熱可塑性加硫物の軽量化が達成される一方、発泡材料の引張り強さおよび永久伸びなどの特定の機械的特性は低下する傾向がある。これらの特性は、それから製造される自動車シール部品のシーリング性能および耐用年数に影響を与える。発泡材料の表面および加工特性は、非発泡熱可塑性加硫物と比較して、いくらかの気泡が泡の表面に到達し得て、表面を粗くするため悪化する。また、熱可塑性加硫物の発泡の間に、気泡が均一に分布され得ず、それによっても低加工性という結果をもたらす。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで本発明のさまざまな特定の実施形態および実施型を記載し、本明細書に採用された好ましい実施形態および定義を含む。以下の詳細な記載により特定の好ましい実施形態が示されるが、当業者は、これらの実施形態は単に例示的なものであり、本発明は他の様式で実行され得ることを理解するであろう。「本発明」に対する任意の参照は、クレームで定義される1つまたは複数の、しかし必ずしも全てではない実施形態を表し得る。見出しの使用は、単に便宜上の目的であり、本発明の範囲を制限することはない。
本明細書で使用されるように、「ポリマー」は、ホモポリマー、コポリマー、インターポリマー、およびターポリマーを表すために用いられ得る。
【0014】
本明細書で使用されるように、ポリマーがモノマーを含むと表される場合、そのモノマーはモノマーの重合形式、またはモノマーの誘導形式において、ポリマー中に存在する。
本明細書で使用されるように、ポリマー組成物またはブレンドが、特定の百分率、質量%のモノマーを含むと表現される場合、そのモノマーの百分率は、他に記載されない限り、組成物またはブレンドの全ポリマー成分中のモノマー単位の総量を基準にしている。
本明細書で使用されるように、「エラストマー」、または「エラストマー組成物」は、ASTMD1566標準と一致する任意のポリマーまたはポリマー組成物(ポリマーのブレンドなど)を表す。エラストマーは、ポリマーの溶融混合および/またはリアクターブレンドなどの混合されたポリマーのブレンドを含む。用語エラストマーは、用語「ゴム」と交換して使用され得る。
【0015】
本明細書で使用されるように、「比較材料試料」は、本明細書に記載されるプロピレン系エラストマーを無含有の組成物から製造される発泡材料を表すが、他の点ではその構成要素に関して本発明の組成物と同一である。
本明細書で使用されるように、ある成分を「無含有」の組成物は、その成分を実質的に欠いているか、またはその成分を総組成物の質量で約0.01質量%未満の量で含む組成物を表す。
本明細書で使用されるように、「熱可塑性加硫物」は、熱可塑性樹脂成分内に、分散した、少なくとも部分的に加硫されたゴム成分を含む任意の材料として広く定義されている。熱可塑性加硫材料は、さらに添加油、他の原料、他の添加剤、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0016】
本明細書で使用されるように、用語「加硫物」は、加硫されたいくらかの成分(例えば、ゴム)を含む組成物を意味する。用語「加硫された」は、任意の発行済みの特許、刊行物、または辞書において述べられるように、本明細書でその最も広義に定義され、一般に組成物(例えば、架橋可能なゴム)の全体または一部にある程度または量の加硫が施された後の組成物の状態を表す。従って、この用語は、部分加硫および完全加硫の両方を包含する。加硫の好ましい型は、以下で論じられる「動的加硫」であり、それによっても「加硫物」が生成される。また、少なくとも1つの特定の実施形態において、加硫されたという用語は、不十分とは言えない加硫も表し、例えば、関連特性における測定可能な変化、例えば、組成物のメルト・フロー・インデックス(MFI)における10%超の変化(任意のASTM−1238手順に準拠)をもたらす硬化(架橋)を表す。少なくともその文脈上、加硫という用語は、熱的および化学的の両方の、動的加硫において利用され得る任意の形式の硬化(架橋)を包含する。
本明細書で使用されるように、用語「動的加硫」は、混合物を可塑化するのに十分な温度で、剪断の状態下で、熱可塑性樹脂成分とブレンドされる硬化可能なゴム成分の加硫または硬化を意味する。少なくとも1つの実施形態において、ゴム成分は、熱可塑性樹脂成分内でミクロサイズの粒子として、同時に架橋されかつ分散している。硬化の程度、ゴム成分と熱可塑性樹脂成分との比、ゴム成分と熱可塑性樹脂成分との互換性、ニーダ型および混合強度(剪断速度)に応じて、プラスチックマトリックス中の共連続的なゴム相などの他の形態が可能である。
【0017】
本明細書で使用されるように、「部分的に加硫された」ゴム成分は、加硫(好ましくは動的加硫)、例えば熱可塑性加硫物のゴム相の架橋の後に、架橋可能なゴム成分の5質量百分率(質量%)超が、沸騰キシレン中で抽出可能な成分である。例えば、架橋可能なゴム成分の少なくとも5質量%および20質量%未満、または30質量%、または50質量%が、熱可塑性加硫物の試料から沸騰キシレン中で抽出可能である。抽出可能なゴム成分の百分率は、米国特許第4,311,628号に明示される技術により決定され得て、その技術を表す特許の部分は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0018】
熱可塑性加硫物
熱可塑性加硫物のゴム成分は、当業者が「ゴム」であると、好ましくは架橋可能なゴム成分(例えば、加硫前に)であると、または架橋されたゴム成分(例えば、加硫後に)であると判断する任意の材料であり得る。例えば、ゴム成分は、エチレン−プロピレンコポリマー(EPM)などの任意のオレフィン含有のゴムであり得て、特に米国特許第5,177,147号に記載されるような有機過酸化物などの遊離ラジカル発生剤を使用して加硫され得る飽和化合物を含む。他のゴム成分として、エチレン−プロピレン−ジエン(EPDM)ゴム、またはEPDM−型ゴムを挙げることができ、例えば、EPDM−型ゴムは、2〜10個の炭素原子、好ましくは2〜4個の炭素原子を有する少なくとも2種の異なるモノオレフィンモノマーと、5〜20個の炭素原子を有する少なくとも1種のポリ−不飽和オレフィンとの重合から得られるターポリマーであり得る。
【0019】
ゴム成分はまた、ブチルゴムでもあり得る。用語「ブチルゴム」として、主にイソブチレンからの繰り返し単位を含むが、架橋用の場所を提供するモノマーの数個の繰り返し単位も含むポリマーが挙げられる。架橋用の場所を提供するモノマーとして、共役ジエンまたはジビニルベンゼンなどの多価不飽和モノマーが挙げられる。本発明の1つまたは複数の実施形態において、ブチルゴムポリマーは、ハロゲン化され、さらに架橋における反応性を高めることができる。これらのポリマーは「ハロブチルゴム」と表される。
さらに、ゴム成分は、4〜8個の炭素原子を有する共役ジエンのホモポリマー、および4〜8個の炭素原子を有する少なくとも1種の共役ジエンからの少なくとも50質量%の繰り返し単位を有するゴムコポリマーであり得る。ゴム成分はまた、コモノマーに応じて、非極性または極性の合成ゴムでもあり得る。合成ゴムの例として、合成のポリイソプレン、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴムなどが挙げられる。アミン官能性、カルボキシ官能性、またはエポキシ官能性の合成ゴムもまた、使用され得る。これらの例として、マレイン酸EPDM、およびエポキシ官能性天然ゴムが挙げられる。
【0020】
好ましいゴム成分のリストとして、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、天然ゴム、ハロブチルゴムを含むブチルゴム、p−アルキルスチレン(p-alkystyrene)と4〜7個の炭素原子を有する少なくとも1種のイソモノオレフィンとのハロゲン化ゴムコポリマー、イソブチレンとジビニル−ベンゼンとのコポリマー、4〜8個の炭素原子を有する共役ジエンのゴムホモポリマー、4〜8個の炭素原子を有する少なくとも1種の共役ジエンからの少なくとも50質量%の繰り返し単位と8〜12個の炭素原子を有するビニル芳香族モノマーもしくはアクリロニトリルモノマーもしくは3〜8個の炭素原子を有するアルキル置換のアクリロニトリルモノマーもしくは不飽和カルボン酸モノマーもしくはジカルボン酸の不飽和無水物とを有するゴムコポリマー、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
ゴム成分は、ゴム成分および熱可塑性樹脂成分の総質量を基準として、約15質量%〜約95質量%の量で存在し得る。1つまたは複数の実施形態において、ゴム成分は、ゴム成分および熱可塑性樹脂成分の総質量を基準として、約45質量%〜約90質量%、または60質量%〜88質量%の量で存在する。
【0021】
熱可塑性加硫物の熱可塑性樹脂成分は、「ゴム」ではなく、当業者が本来、熱可塑性、例えば、熱に曝されると軟化し、室温まで冷却されると元の状態に戻るポリマーとであると判断するポリマーまたはポリマーブレンドである任意の材料であり得る。熱可塑性樹脂成分は、1種または複数のポリオレフィンを含有し得て、ポリオレフィンホモポリマーおよびポリオレフィンコポリマーを含む。特に明記する場合を除いて、用語「コポリマー」は、2種以上のモノマーから得られるポリマーを意味する(ターポリマー、テトラポリマーなどを含む)。本発明の1つまたは複数の実施形態において、熱可塑性樹脂成分は、i)2〜7個の炭素原子を有するオレフィンモノマーから調製されるポリマー、およびii)2〜7個の炭素原子を有するオレフィンモノマーと、(メタ)アクリレートまたは酢酸ビニルとから調製されるコポリマーのうちの1つを含む。例証的なポリオレフィンは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセン、それらの混合物、ならびにそれらの(メタ)アクリレートおよび/または酢酸ビニルとのコポリマーを含むが、これらに限定されないモノオレフィンモノマーから調製され得る。1つまたは複数の好ましい実施形態において、熱可塑性樹脂成分は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマーまたはそれらの組み合わせを含む。熱可塑性樹脂成分は、未加硫または非架橋であるのが好ましい。
【0022】
1つまたは複数の実施形態において、熱可塑性樹脂成分は、ポリプロピレンを含有する。用語「ポリプロピレン」は、本明細書で使用されるように、当業者が「ポリプロピレン」と判断する任意のポリマー(少なくとも1つの特許または刊行物において述べられるように)を広く意味し、プロピレンのホモ、インパクト、およびランダムのポリマーまたはコポリマーを含む。1つまたは複数の実施形態において、熱可塑性樹脂成分は、アイソタクチックポリプロピレンであるか、またはアイソタクチックポリプロピレンを含む。1つまたは複数の実施形態において、熱可塑性樹脂成分は、プロピレンモノマーにのみ由来し得る(すなわち、プロピレン単位のみを有する)かまたは、主にプロピレン(75%超のプロピレン)および他のコモノマーに由来し得るポリプロピレンであるか、またはそのようなポリプロピレンを含む。本明細書に記述されるように、高MFR(例えば、10、または15、または20dg/分の低値から25または30dg/分の高値まで)を有する特定のポリプロピレンが使用され得る。熱可塑性樹脂成分は、DSCで測定された場合、少なくとも105℃の溶融温度を有する、1種または複数の結晶プロピレンホモポリマーまたはプロピレンコポリマーを含有することが好ましい。好ましいポリプロピレンのコポリマーとして、プロピレンのターポリマー、プロピレンのインパクトコポリマー、ランダムポリプロピレン、プロピレンのランダムコポリマー、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいコモノマーは、2個の炭素原子、または4〜12個の炭素原子を有する。コモノマーは、エチレンであることが好ましい。そのような熱可塑性樹脂成分および同一物を製造する方法は、米国特許第6,342,565号に記載されている。
【0023】
1つまたは複数の実施形態において、熱可塑性樹脂成分は、ゴム成分および熱可塑性樹脂成分の総質量を基準として、約5質量%〜約85質量%の量で存在する。1つまたは複数の実施形態において、熱可塑性樹脂成分は、ゴム成分および熱可塑性樹脂成分の総質量を基準として、約10質量%〜約55質量%、または12質量%〜40質量%の量で存在する。
【0024】
1つまたは複数の実施形態において、熱可塑性樹脂成分は、50質量%未満、または30質量%未満、または10質量%未満、または1質量%未満のスチレンブロックコポリマーを含有し得る。スチレンブロックコポリマーは、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(SEBS)またはスチレン−エチレン/プロピレン−スチレン(SEPS)の水素化中間ブロックを有し得る。他の実施形態において、熱可塑性加硫物は、SEBSを含有しないか、またはSEPSを含有しない。
【0025】
1つまたは複数の実施形態において、熱可塑性樹脂成分は、プロピレンとエチレンおよび/または米国特許出願公開第2007/044123号に記載されるなどのC
4−C
10アルファオレフィンのコポリマー、または米国特許第6,288,171号に記載されるなどのランダム熱可塑性プロピレンコポリマーを含有し得る。
1つまたは複数の実施形態において、添加油は、熱可塑性加硫物に添加され得る。用語「添加油」は、「プロセス油」および「エキステンダー油」の両方を含む。例えば、「添加油」は、炭化水素油、ならびに有機エステルおよび合成可塑剤などの可塑剤を含み得る。当技術分野の化学者は、特定のゴムにどのタイプの油を使用するべきか認識しているであろうし、また油の適切な量を決定することもでき、添加油を添加することにより、組成物の起泡性に影響を与えないであろう。
【0026】
熱可塑性加硫物に使用される硬化剤は、硫黄、酸化亜鉛、および脂肪酸を含み得る。過酸化物硬化系もまた、使用され得る。一般に、ポリマー組成物は、硬化分子、例えば、硫黄、金属酸化物(すなわち、酸化亜鉛)、有機金属化合物、ラジカル開始剤などの添加により、次に加熱することにより架橋され得る。特に、以下のものは使用され得る通常の硬化剤である:ZnO、CaO、MgO、Al2O3、CrO3、FeO、Fe2O3、およびNiO。これらの金属酸化物は、対応する金属ステアレート錯体(例えば、Zn(ステアレート)2、Ca(ステアレート)2、Mg(ステアレート)2、およびAl(ステアレート)3)、またはステアリン酸、ならびに硫黄化合物もしくはアルキル過酸化化合物と関連して使用され得る。
【0027】
使用されるゴム成分に応じて、特定の硬化剤が好ましいこともあり得る。例えば、ビニルノルボルネンに由来する単位を含有するエラストマーコポリマーが使用される場合、過酸化物の必要量が、熱可塑性加硫物の熱可塑性相の工学的特性に対して有害な影響を与えないため、過酸化物硬化剤が好ましいこともあり得る。しかしながら、他の状況において、過酸化物硬化剤が、特定のレベルにおいて熱可塑性加硫物の熱可塑性樹脂成分を劣化させ得るため、過酸化物硬化剤を使用しないことが好ましいこともあり得る。
【0028】
使用され得る促進剤として、アミン、グアニジン、チオ尿素、チアゾール、チウラム、スルフェンアミド、スルフェンイミド、チオカルバメート、キサンテートなどが挙げられる。硬化プロセスの促進は、かなりの量の促進剤を組成物に添加することにより達成され得る。EPDMを含む組成物の促進的加硫の機構は、硬化剤、促進剤、活性剤、およびポリマー間の複雑な相互作用を伴う。理想的に、入手可能な硬化剤全体は、2つのポリマー鎖を互いにつなぎ合わせ、ポリマーマトリックスの全般の強度を高める、効果的架橋の形成において消費される。多数の促進剤が、当技術分野で公知であり、以下を含むが、これらに限定されない:ステアリン酸、ジフェニルグアニジン(DPG)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、N’N−ジ−オルト−トリルグアニジン(DOTG)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)、4,4’−ジチオジモルホリン(DTDM)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)、2−メルカプトベンズチアゾール(MBT)、二硫化2,2’−ベンゾチアジル(MBTS)、ヘキサメチレン−1,6−ビスチオ硫酸二ナトリウム塩二水和物、2−(モルホリノチオ)ベンゾチアゾール(MBSまたはMOR)、90%MORおよび10%MBTSの組成物(MOR90)、N−第3ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(TBBS)、N−オキシジエチレンチオカルバミル−N−オキシジエチレンスルホンアミド(OTOS)、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZDEC)、ヘキサン酸2−エチル亜鉛(ZEH)、およびN,N’−ジエチルチオ尿素。
【0029】
1つまたは複数の実施形態において、添加剤が熱可塑性加硫物に添加され得る。そのような添加剤として、熱可塑性調節剤、滑沢剤、抗酸化剤、ブロッキング防止剤、安定剤、分解防止剤、帯電防止剤、ワックス様物質、発泡剤、顔料、加工助剤、接着剤、粘着付与剤、可塑剤、ワックス、および不連続繊維(多量のセルロース繊維など)が挙げられ得るが、これらに限定されない。例証的な微粒子フィラーとして、カーボンブラック、シリカ、二酸化チタン、炭酸カルシウム、着色顔料、クレイ、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。非黒色フィラーが使用される場合、非黒色フィラーとポリマー間の界面を相溶化するために、カップリング剤を含むことが望ましいこともあり得る。当技術分野の化学者は、特性要求に基づいて、どのタイプの添加剤が使用され得るか認識しているであろうし、また添加剤の量を決定することもでき、添加油を添加することにより、組成物の起泡性に影響を与えないであろう。
適切な熱可塑性加硫物は、30:1 L/D(長さ/直径)、1200秒−1、220℃でDYNISCOキャピラリーレオメータ(Dynisco Instruments LLC)を用いて、ISO11443に準拠して決定されるように、さまざまなLCR粘度を有し得る。当業者は、成形プロセスに従って、例えばいくつかの実施形態の押出成形プロセスにおいて、熱可塑性加硫物のLCR粘度をいかに選択するかが容易にわかるであろうし、有用な熱可塑性加硫物は、高LCR粘度、例えば約50Pa・秒〜約100Pa・秒を有し得て;いくつかの実施形態の射出成形プロセスにおいて、熱可塑性加硫物は、低LCR粘度、例えば50Pa・秒未満を有し得る。
【0030】
熱可塑性加硫物を製造するための任意の公知の方法が使用され得る。例えば、1種または複数のゴム、熱可塑性樹脂成分、熱可塑性調節剤、硬化剤、添加油、および他の添加剤などの個々の材料および成分は、熱可塑性樹脂成分の溶融温度を超えた温度で混合されて、溶融物を形成し得る。例証的な混合装置は、ニーダ、または1つまたは複数の混合チップもしくはフライトを備える混合要素を備える押出機、1つまたは複数のスクリュを備える押出機、および正転または逆転型の押出機を具備する。適切な混合装置はまた、例えば、Brabender(商標)、Banbury(商標)、Bussミキサーおよびニーダ、ならびにFarrell Continuousミキサーも具備する。押出機を具備する、これらの1つまたは複数の混合装置は、連続して使用され得る。熱可塑性加硫物を製造するためのいくつかの付加的な詳細は、米国特許第4,594,390号を参照することができ、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0031】
組成物中の熱可塑性加硫物の量は、熱可塑性加硫物とプロピレン系エラストマーの総質量を基準として、低値が高値を超えない限り、約60質量%、または約80質量%、約85質量%、約90質量%の低値から、約98.5質量%、または約95質量%、または約90質量%、または約85質量%、または約70質量%の高値までの任意の範囲内であり得る。
有用な熱可塑性加硫物の例として、商標名Santoprene(商標)(ExxonMobil Chemical Company、Houston、TX、USA)のこれらの市販のものを挙げることができる。
【0032】
プロピレン系エラストマー
プロピレン系エラストマーは、プロピレン由来の単位と、エチレンまたはC
4−C
10アルファ−オレフィンの少なくとも1つに由来する単位とのコポリマーである。プロピレン系エラストマーは、少なくとも約60質量%のプロピレン由来の単位を含有し得る。プロピレン系エラストマーは、隣接するアイソタクチックプロピレン単位および本明細書に記載される溶融点のために、制限された結晶化度を有し得る。プロピレン系エラストマーの結晶化度および溶融点は、高度なアイソタクチックポリプロピレンと比較して、プロピレンの挿入における誤差の導入により低減され得る。プロピレン系エラストマーは、一般に、タクチシティーおよびコモノマー組成物における実質的な分子間不均一性を欠いており、また一般に分子間組成物分布における実質的な不均一性も欠いている。
【0033】
プロピレン系エラストマー中に存在するプロピレン由来の単位の量は、プロピレン系エラストマーの約95質量%、約94質量%、約92質量%、約90質量%、または約85質量%の上限から、約60質量%、約65質量%、約70質量%、約75質量%、約80質量%、約84質量%、または約85質量%の下限までの範囲に及び得る。
エチレンまたはC
4−C
10アルファ−オレフィンの少なくとも1つに由来する単位、またはコモノマーは、プロピレン系エラストマーの約5質量%〜約25質量%、または約8質量%〜約25質量%、または約8質量%〜約20質量%、または約8質量%〜約18質量%の量で存在し得る。コモノマー含有量は、プロピレン系エラストマーが、約80J/g未満の融解熱、約105℃以下の溶融点、およびアイソタクチックポリプロピレンの結晶化度の約2%〜約65%である結晶化度、ならびに約2〜約20g/分のメルトフローレート(MFR)を有するように調整され得る。
【0034】
好ましい実施形態において、コモノマーは、エチレン、1−ヘキセン、または1−オクテンであり、エチレンが最も好ましい。プロピレン系エラストマーが、エチレン由来の単位を含む実施形態において、プロピレン系エラストマーは、約5質量%〜約25質量%、または約8質量%〜約20質量%、または約9質量%〜約16質量%のエチレン由来の単位を含み得る。いくつかの実施形態において、プロピレン系エラストマーは、プロピレンおよびエチレン由来の単位から本質的になり、すなわちプロピレン系エラストマーは、重合中に使用されるエチレンおよび/もしくはプロピレン注入流中に不純物として通常、存在する以外の量で、またはプロピレン系エラストマーの融解熱、溶融点、結晶化度、もしくはメルトフローレートに著しく影響を及ぼす量で、または他の任意のコモノマーが重合プロセスに意図的に添加されるような量で、他の任意のコモノマーを含有しない。
【0035】
いくつかの実施形態において、プロピレン系エラストマーは、2種以上のコモノマーを含み得る。2種以上のコモノマーを有するプロピレン系エラストマーの好ましい実施形態は、プロピレン−エチレン−オクテン、プロピレン−エチレン−ヘキセン、およびプロピレン−エチレン−ブテンポリマーを含む。エチレンまたはC
4−C
10アルファ−オレフィンの少なくとも1種に由来する2種以上のコモノマーが存在する実施形態において、1種のコモノマーの量は、プロピレン系エラストマーの約5質量%未満であり得るが、プロピレン系エラストマーのコモノマーを合わせた量は、約5質量%以上である。
プロピレン系エラストマーは、
13C NMRにより測定された場合、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約82%、少なくとも約85%、または少なくとも約90%の3個のプロピレン単位である三連子タクチシティーを有し得る。プロピレン系エラストマーは、約50〜約99%、または約60〜約99%、または約75〜約99%、または約80〜約99%の三連子タクチシティーを有することが好ましい。いくつかの実施形態において、プロピレン系エラストマーは、約60〜97%の三連子タクチシティーを有し得る。
【0036】
プロピレン系エラストマーは、DSCにより決定されるように、約80J/g以下、または約70J/g以下、または約50J/g以下、または約40J/g以下の融解熱(「H
f」)を有する。プロピレン系エラストマーは、約0.5J/g、または約1J/g、または約5J/gの下限H
fを有し得る。例えば、H
f値は、約1.0J/g、1.5J/g、3.0J/g、4.0J/g、6.0J/g、または7.0J/gから、約30J/g、35J/g、40J/g、50J/g、60J/g、70J/g、75J/g、または80/gまでの範囲に及び得る。
【0037】
プロピレン系エラストマーは、本明細書に記載されるDSC手順に準拠して決定されるように、アイソタクチックポリプロピレンの結晶化度の約2%〜約65%、または約0.5%〜約40%、または約1%〜約30%、または約5%〜約35%の百分率結晶化度を有し得る。最高位のプロピレン(すなわち、100%結晶化度)に対する熱エネルギーは、推定189J/gである。いくつかの実施形態において、コポリマーは、アイソタクチックポリプロピレンの結晶化度の40%未満、または約0.25%〜約25%の範囲、または約0.5%〜約22%の範囲の結晶化度を有する。
【0038】
プロピレン系エラストマーの実施形態は、約4、または約6の下限から、約8、または約10、または約12の上限までのタクチシティー指数m/rを有し得る。いくつかの実施形態において、プロピレン系エラストマーは、0%超、または約50%、または約25%の上限、および約3%、または約10%の下限を有する範囲内のアイソタクチシティー指数を有する。
【0039】
いくつかの実施形態において、プロピレン系エラストマーは、さらにジエン由来の単位(本明細書で使用されるような、「ジエン」)を含み得る。任意選択のジエンは、少なくとも2個の不飽和結合を有する任意の炭化水素構造であり得て、ここで不飽和結合の少なくとも1つは容易にポリマーに組み込まれる。例えば、任意選択のジエンは、1,4−ヘキサジエンおよび1,6−オクタジエンなどの直鎖非環式オレフィン;5−メチル−1,4−ヘキサジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエンおよび3,7−ジメチル−1,7−オクタジエンなどの分岐鎖非環式オレフィン;1,4−シクロヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエンおよび1,7−シクロドデカジエンなどの単脂環式オレフィン;テトラヒドロインデン、ノルボルナジエン、メチル−テトラヒドロインデン、ジシクロペンタジエン、ビシクロ−(2.2.1)−ヘプタ−2,5−ジエン、ノルボルナジエン、アルケニルノルボルネン、アルキリデンノルボルネン、例えばエチリジエンノルボルネン(「ENB」)、シクロアルケニルノルボルネン、およびシクロアルキリエンノルボルネン(5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−(4−シクロペンテニル)−2−ノルボルネン、5−シクロヘキシリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネンなど)などの多縮合脂環式および架橋環オレフィン;ならびにビニルシクロヘキセン、アリルシクロヘキセン、ビニルシクロオクテン、4−ビニルシクロヘキセン、アリルシクロデセン、ビニルシクロドデセンおよびテトラシクロ(A−11,12)−5,8−ドデセンなどのシクロアルケニル−置換アルケンから選択され得る。プロピレン系エラストマー中に存在するジエン由来の単位の量は、プロピレン系エラストマーの総質量を基準として、約15質量%、10質量%、約7質量%、約5質量%、約4.5質量%、約3質量%、約2.5質量%、または約1.5質量%の上限から、約0質量%、約0.1質量%、約0.2質量%、約0.3質量%、約0.5質量%、約1質量%、約3質量%、または約5質量%の下限までの範囲に及び得る。
【0040】
プロピレン系エラストマーは、DSCによって決定されるように、単一ピークの溶融転移を有し得る。いくつかの実施形態において、コポリマーは、約110℃以上の幅広い溶融転移終点を伴う、約90℃以下の第1ピーク転移を有する。ピーク「溶融点」(「T
m」)は、試料の溶融範囲内の最大熱吸収の温度として定義される。しかしながら、コポリマーは、主要ピークに隣接する、および/または溶融転移終点における第2溶融ピークを示し得る。本開示の目的上、これらのうちの最大ピークがプロピレン系エラストマーのT
mと考えられ、そのような第2溶融ピークは、共に単一溶融点として考えられる。プロピレン系エラストマーは、約110℃以下、約105℃以下、約100℃以下、約90℃以下、約80℃以下、または約70℃以下のT
mを有し得る。いくつかの実施形態において、プロピレン系エラストマーは、約25℃〜約105℃、または約60℃〜約105℃、または約70℃〜約105℃、または約90℃〜約105℃のT
mを有する。
プロピレン系エラストマーは、ASTM D1505によって測定された場合、室温で約0.850g/cm
3〜約0.900g/cm
3、または約0.860g/cm
3〜約0.880g/cm
3の密度を有し得る。
【0041】
プロピレン系エラストマーは、ASTMD1238によって測定された場合、2.16kg、230℃で、少なくとも約2g/10分のメルトフローレート(「MFR」)を有し得る。いくつかの実施形態において、プロピレン系エラストマーは、約2g/10分〜約20g/10分、または約2g/10分〜約10g/10分、または約2g/10分〜約5g/10分のMFRを有し得る。
プロピレン系エラストマーは、ASTMD412によって測定された場合、約2000%未満、約1800%未満、約1500%未満、約1000%未満、または約800%未満の破断点伸びを有し得る。
【0042】
プロピレン系エラストマーは、約5,000〜約5,000,000g/mole、または約10,000〜約1,000,000g/mole、または約50,000〜約400,000g/moleの質量平均分子量(M
w)を有し得る。プロピレン系エラストマーは、約2,500〜約250,000g/mole、または約10,000〜約250,000g/mole、または約25,000〜約250,000g/moleの数平均分子量(M
n)を有し得る。プロピレン系エラストマーは、約10,000〜約7,000,000g/mole、または約80,000〜約700,000g/mole、または約100,000〜約500,000g/moleのz平均分子量(M
z)を有し得る。
【0043】
プロピレン系エラストマーは、約1.5〜約20、または約1.5〜約15、または約1.5〜約5、または約1.8〜約3、または約1.8〜約2.5の分子量分布(「MWD」)を有し得る。
いくつかの実施形態において、プロピレン系エラストマーは、プロピレン−結晶化度、105℃以下のDSCによる溶融点、および約5J/g〜約45J/gの融解熱を含むエラストマーである。プロピレン由来の単位は、プロピレン系エラストマーの総質量を基準として、約80質量%〜約90質量%の量で存在する。エチレン由来の単位は、プロピレン系エラストマーの総質量を基準として、約8質量%〜約18質量%、例えば、約8質量%、約8.5質量%、約9質量%、約9.5質量%、約10質量%、約10.5質量%、約11質量%、約11.5質量%、約12質量%、約12.5質量%、約13質量%、約13.5質量%、約14質量%、約14.5質量%、約15質量%、約15.5質量%、約16質量%、約16.5質量%、約17質量%、約17.5質量%、約18質量%の量で存在する。
【0044】
本明細書に開示される組成物は、1種または複数の異なるプロピレン系エラストマー、すなわち、例えば異なるコモノマーまたはコモノマー含有量などの、それぞれ1つまたは複数の異なる特性を有するプロピレン系エラストマーを含み得る。そのようなさまざまなプロピレン系エラストマーの組み合わせは、全て本発明の範囲内である。
1つまたは複数の実施形態において、組成物中のプロピレン系エラストマーの量は、熱可塑性加硫物とプロピレン系エラストマーの総質量を基準として、低値が高値を超えない限り、約1質量%、または約2質量%、約3質量%、約5質量%、約8質量%の低値から、約30質量%、または約20質量%、または約15質量%、または約10質量%、または約8質量%の高値までの任意の範囲内であり得る。
プロピレン系エラストマーは、国際公開第02/36651号、米国特許第6,992,158号、および/または国際公開第00/01745号に記載される手順に従って調製されるコポリマーを含み得る。プロピレン系エラストマーを生成する好ましい方法は、米国特許第7,232,871号および第6,881,800号に見出され得る。本発明は、プロピレン系エラストマーを調製するための任意の特定の重合方法によって制限されず、重合プロセスは、任意の特定の反応型により制限されない。
【0045】
プロピレン系エラストマーの例は、VISTAMAXX(商標)(ExxonMobil Chemical Company、Houston、Texas、USA)、VERSIFY(商標)(The Dow Chemical Company、Midland、Michigan、USA)、特定のグレードのTAFMER(商標)XMまたはNOTIO(商標)(Mitsui Company、Japan)、および特定のグレードのSOFTEL(商標)(Basell Polyolefins of the Netherlands)の商標名で市販されているものであり得る。
【0046】
発泡剤
有用な発泡剤は、分解可能な化学発泡剤を含むことができるが、これらに限定されない。そのような化学発泡剤は、昇温時に分解し、気体または蒸気を形成し、ポリマーを膨らませて泡状形態にする。これらの作用剤は、原材料のコスト縮小を可能にする。この作用剤は、固体形態をとることが好ましく、それでポリマー材料と簡便に乾燥ブレンドされる。
化学発泡剤として、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド;アゾジカルボンアミド;アゾビスホルムアミド;アゾビスイソブチロニトリル;ジアゾアミノベンゼン;N,N−ジメチル−N,N−ジニトロソテレフタルアミド;N,N−ジニトロソペンタメチレン−テトラアミン;ベンゼンスルホニル−ヒドラジド;ベンゼン−1,3−ジスルホニルヒドラジド;ジフェニルスルホン−3−3,ジスルホニルヒドラジド;p−トルエンスルホニルセミカルビジド;アゾジカルボン酸バリウム;ブチルアミンニトリル;ニトロ尿素;トリヒドラジノトリアジン;フェニル−メチル−ウランタン;p−スルホンヒドラジド;過酸化物などの有機発泡剤;ならびに重炭酸アンモニウムおよび重炭酸ナトリウムなどの無機発泡剤が挙げられるが、これらに限定されない。特に、発泡剤はアゾジカルボンアミドであり得る。空気、窒素、二酸化炭素などの気体もまた、射出成形プロセス中に組成物に注入され得る。
【0047】
発泡剤は、熱可塑性加硫物とプロピレン系エラストマーの総質量に対して、約10質量%以下、約8質量%以下、約5質量%以下、約3質量%以下、または約2.5質量%以下の量で使用され得る。いくつかの実施形態において、発泡剤は、熱可塑性加硫物とプロピレン系エラストマーの総質量に対して、約0.1質量%〜約10質量%、約0.2質量%〜約8質量%、約0.3質量%〜約3質量%、約0.4質量%〜約2.5質量%、または0.5質量%〜約2質量%の量で使用され得る。
発泡剤の例として、HYDROCERAL(登録商標)(Clariant International Ltd.)、CELOGEN(商標)(Chemtura Corporation、Philadelphia、Pennsylvania、USA)、GENITRON(商標)、POROFOR(商標)、FICEL(商標)(Lanxess AG、Germany)、SUVA(商標)、DYMEL(商標)、FORMACEL(商標)、ZYRON(商標)、(DuPont Chemical Company、Wilmington、Delaware、USA)、およびPLANAGEN(商標)、(INBRA S.A.、Brazil)の商標名で市販されているものを挙げることできる。
【0048】
他の添加剤
本明細書に記載される組成物は、1種または複数の添加剤をさらに含み得る。適切な添加剤として、フィラー、加工助剤、抗酸化剤、UV安定剤、硬化剤、促進剤、難燃剤、着色剤または顔料およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、この組成物は、フィラー、加工助剤、硬化剤、促進剤、またはそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種の添加剤をさらに含む。
【0049】
本発明の組成物は、少なくとも1種のフィラーを含み得る。フィラーとして有用な、本明細書に記載される材料の部類は、所望の特性を得るために単独でまたは混合されて利用され得る。フィラーは、熱可塑性加硫物とプロピレン系エラストマーの総量に対して、約50質量%〜約150質量%で存在し得る。望ましいフィラーは、有機フィラーおよび/または無機フィラーであり得る。有機フィラーとして、カーボンブラック、フライアッシュ、グラファイト、セルロース、デンプン、小麦粉、木粉、およびポリエステル系材料およびポリアミド系材料のようなポリマー繊維などの材料が挙げられる。無機フィラーの好ましい例は、炭酸カルシウム、タルク、ガラス繊維、大理石粉末、セメント粉末、クレイ、長石、シリカまたはガラス、ヒュームドシリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、チタネート、クレイ、ナノクレイ、有機変性のクレイまたはナノクレイ、ガラス微粒子、および胡粉である。これらのフィラーのうち、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アンチモン、タルク、シリカ/ガラス、ガラス繊維、アルミナ、三水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、および二酸化チタン、ならびにそれらの混合物が好ましい。
【0050】
この組成物は、任意選択で1種または複数の加工助剤を含むことができる。適切な加工助剤として、可塑剤、粘着付与剤、増量剤、化学調節剤、均質剤、およびメルカプタンなどの解膠剤、石油および加硫植物油、ミネラルオイル、パラフィン油、ポリブテン油、ナフテン油、芳香油、ワックス、樹脂、ロジン、またはパラフィンまたはミネラルオイルと比較して低流動点、低排出などを有する他の合成液などを挙げることができるが、これらに限定されない。有用な加工助剤のいくつかの市販例は、SUNDEX(商標)(Sun Chemicals)およびFLEXON(商標)(ExxonMobil Chemical Company)である。
【0051】
組成物およびこの組成物を含む発泡材料を製造するための方法
本明細書に開示される組成物を製造するための方法も提供する。この方法は、(1)(a)熱可塑性樹脂成分およびゴム成分の総質量を基準として(i)約5質量%〜約85質量%の熱可塑性樹脂成分と(ii)約15質量%〜約95質量%の分散されている、少なくとも部分的に加硫されたゴム成分を含む熱可塑性加硫物と、(b)プロピレン系エラストマーの総質量を基準として少なくとも約60質量%のプロピレン由来の単位および約5〜約25質量%のエチレン由来の単位を有し、融解熱が約80J/g未満であるプロピレン系エラストマーと、(c)発泡剤とを組み合わせる工程と、(2)組成物を形成する工程とを含み得る。
【0052】
熱可塑性加硫物、プロピレン系エラストマー、発泡剤、および他の任意選択の添加剤は、任意の適切な手段でブレンドされ得る。例えば、これらは、成分の適切な分散を達成するのに十分であるタンブラー、連続ミキサー、静的ミキサー、バッチミキサー、押出機、またはそれらの組み合わせの中でブレンドされ得る。ブレンド方法として、バッチミキサーの中でもしくは押出機の中で、またはそれらの組み合わせによる、乾燥ブレンド、溶融ブレンドが挙げられる。ブレンドはまた、「マスターバッチ」手法も含み得て、ここでプロピレン系エラストマーの目的濃度は、熱可塑性加硫物、プロピレン系エラストマーおよび任意選択のフィラーおよび/または添加剤と、適切な量のブレンド前のマスターバッチとを組み合わせ、次に発泡剤および任意選択の硬化剤、促進剤、および/または他の添加剤を添加して最終組成物が製造することにより達成される。マスターバッチの分散(または「レットダウン」)は、物品を製作するために使用される加工工程の一部として、射出成形機上、または連続押出ライン上、または分離配合工程中の押出機内などで起こり得る。
いくつかの実施形態において、組成物は、ラム圧を備えるツインロータ式内部ミキサーなどのバッチミキサー中で、成分をブレンドすることにより調製される。混合は、フィラーおよび他の配合成分が、熱可塑性加硫物およびプロピレン系エラストマー内で細かく混ぜ合わせられ、一様に分散するような圧力と温度で実行され得る。
【0053】
本発明は、熱可塑性加硫物およびプロピレン系エラストマーを含む発泡材料を包含する。発泡材料は、(1)本発明の組成物を形成する工程と、(2)その組成物を押し出して発泡材料を形成する工程を含む方法により生成され得る。いくつかの実施形態において、この方法は、(1)(a)熱可塑性樹脂成分およびゴム成分の総質量を基準として(i)約5質量%〜約85質量%の熱可塑性樹脂成分と(ii)約15質量%〜約95質量%の分散されている、少なくとも部分的に加硫されたゴム成分とを含む熱可塑性加硫物を含む熱可塑性加硫物を提供する工程と、(2)(a)熱可塑性加硫物、(b)プロピレン系エラストマーの総質量を基準として、少なくとも約60質量%のプロピレン由来の単位および約5〜約25質量%のエチレン由来の単位を有し、融解熱が約80J/g未満であるプロピレン系エラストマー、および(c)発泡剤の溶融ブレンドを形成する工程と、(3)溶融ブレンドを押し出して発泡材料を形成する工程とを含む。
【0054】
発泡材料は、当技術分野で公知のポリオレフィンの形成および成型用の、任意の有用な別々の成形または連続押出手段により、製造されるかまたは形成され得て;シート押出、異形押出もしくは共押出、圧縮成形、射出成形、共射出成形、ガスアシスト射出成形、トランスファー成形、発泡成形、トランスファー成形、真空成形、ラミネート加工、カレンダー加工、または例えば、Maurice Nortonによる「Rubber Technology」(Van Nostrand Reinhold - New York)に記載されるなどの他の加工形式、またはそれらの組み合わせを含む。これらの中で、共押出を含む押出成形は、本発明の発泡材料を形成するために特に適切である。
プロピレン系エラストマーを添加することにより、比較材料試料と比較してほぼ同等の比重を維持しながら、引張り強さおよび永久伸びが増加することが見出された。従って、本明細書に記載される発泡材料は、比較材料試料と比較して軽量化の効果を実現し、従って発泡材料から製造される物品に対する望ましい性能を加えながら、引張り強さおよび永久伸びを増加させ得る。プロピレン系エラストマーの添加により、発泡材料中の気泡分布を改善し、発泡材料の表面粗さを低減することも見出された。
【0055】
本明細書に記載される発泡材料は、ISO−37によって測定された場合、比較材料試料の引張り強さより、少なくとも約5%、または約10%、または約15%大きい引張り強さを有する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される発泡材料は、少なくとも1つの以下の特性をさらに有し得る:(i)約20%未満の永久伸び(80℃において25%伸び)、および(ii)ISO−37に準拠して測定された場合、約350%超の破断点伸び。
【0056】
本発明はまた、材料の引張り強さを改善するための方法であって、(1)(a)熱可塑性樹脂成分およびゴム成分の総質量を基準として(i)約5質量%〜約85質量%の熱可塑性樹脂成分と(ii)約15質量%〜約95質量%の分散している、少なくとも部分的に加硫されたゴム成分とを含む熱可塑性加硫物と、(b)プロピレン系エラストマーの総質量を基準として少なくとも約60質量%のプロピレン由来の単位および約5〜約25質量%のエチレン由来の単位を有し、融解熱が約80J/g未満であるプロピレン系エラストマーと、(c)発泡剤とを組み合わせることにより組成物を形成する工程と、(2)この組成物を用いた発泡材料を形成する工程とを含み、発泡材料が、ISO−37に準拠して測定された場合、比較材料試料より少なくとも約5%大きい破断点引張り強さを有する、方法に関する。
【0057】
本発明は、発泡材料から製造される物品をさらに包含し、自動車部品、消費財、生産財、建築材、および包装材料を含む。物品の例として、シール、ガスケットなどの成形品;空気ホース、熱ホース、庭用ホース、産業用ホースなどのホース;屋根板などの建築物異形材;またはケーブル外被が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの好ましい実施形態において、物品は、自動車用ウエザシール部品、例えばガラスランチャンネルなどのシール部品である。
【0058】
本発明の他の実施形態を以下に記載する。
実施形態A:
(a)熱可塑性樹脂成分およびゴム成分の総質量を基準として
(i)約5質量%〜約85質量%の熱可塑性樹脂成分と、
(ii)約15質量%〜約95質量%の分散されている、少なくとも部分的に加硫されたゴム成分と
を含む熱可塑性加硫物と、
(b)プロピレン系エラストマーの総質量を基準として少なくとも約60質量%のプロピレン由来の単位および約5〜約25質量%のエチレン由来の単位を有し、融解熱が約80J/g未満であるプロピレン系エラストマーと、
(c)発泡剤と
を含む組成物。
【0059】
実施形態B:ゴム成分が、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、天然ゴム、ブチルゴム、p−アルキルスチレンと4〜7個の炭素原子を有する少なくとも1種のイソモノオレフィンとのハロゲン化ゴムコポリマー、イソブチレンとジビニル−ベンゼンとのコポリマー、4〜8個の炭素原子を有する共役ジエンのゴムホモポリマー、4〜8個の炭素原子を有する少なくとも1種の共役ジエンからの少なくとも50質量%の繰り返し単位と8〜12個の炭素原子を有するビニル芳香族モノマーもしくはアクリロニトリルモノマーもしくは3〜8個の炭素原子を有するアルキル置換のアクリロニトリルモノマーもしくは不飽和カルボン酸モノマーもしくはジカルボン酸の不飽和無水物とを有するゴムコポリマーのうちの少なくとも1種を含む、実施形態Aの組成物。
【0060】
実施形態C:熱可塑性樹脂成分が、i)2〜7個の炭素原子を有するオレフィンモノマーから調製されるポリマー、またはii)2〜7個の炭素原子を有するオレフィンモノマーと、(メタ)アクリレートまたは酢酸ビニルとから調製されるコポリマーを含む、実施形態AまたはBの組成物。
実施形態D:熱可塑性樹脂成分が、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマーのうちの少なくとも1種を含む、実施形態A〜Cのいずれかの組成物。
実施形態E:プロピレン系エラストマーが、熱可塑性加硫物およびプロピレン系エラストマーの総質量を基準として、約1%〜約30%の量で添加されている、実施形態A〜Dのいずれかの組成物。
実施形態F:プロピレン系エラストマーが、熱可塑性加硫物およびプロピレン系エラストマーの総質量を基準として、約3%〜約15%の量で添加されている、実施形態A〜Eのいずれかの組成物。
実施形態G:発泡剤が、熱可塑性加硫物およびプロピレン系エラストマーの総質量に対して、約0.1〜約10.0%の量で添加されている、実施形態A〜Fのいずれかの組成物。
実施形態H:発泡剤が、熱可塑性加硫物およびプロピレン系エラストマーの総質量に対して、約0.3〜約3.0%の量で添加されている、実施形態A〜Gのいずれかの組成物。
実施形態I:発泡剤が、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、アゾジカルボンアミド、アゾビスホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン、N,N−ジメチル−N,N−ジニトロソテレフタルアミド、N,N−ジニトロソペンタメチレン−テトラアミン、ベンゼンスルホニル−ヒドラジド、ベンゼン−1,3−ジスルホニルヒドラジド;ジフェニルスルホン−3−3,ジスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルセミカルビジド、アゾジカルボン酸バリウム、ブチルアミンニトリル、ニトロ尿素、トリヒドラジノトリアジン、フェニル−メチル−ウランタン、p−スルホンヒドラジド、および過酸化物のうちの少なくとも1種を含む、実施形態A〜Hのいずれかの組成物。
実施形態J:発泡剤が、アゾジカルボンアミドを含む、実施形態A〜Iのいずれかの組成物。
実施形態K:少なくとも1種のフィラー、加工助剤、硬化剤、および促進剤をさらに含む、実施形態A〜Jのいずれかの組成物。
【0061】
実施形態L:組成物を製造するための方法であって、
(1)(a)熱可塑性樹脂成分およびゴム成分の総質量を基準として
(i)約5質量%〜約85質量%の熱可塑性樹脂成分と、
(ii)約15質量%〜約95質量%の分散されている、少なくとも部分的に加硫されたゴム成分と
を含む熱可塑性加硫物と、
(b)プロピレン系エラストマーの総質量を基準として少なくとも約60質量%のプロピレン由来の単位および約5〜約25質量%のエチレン由来の単位を有し、融解熱が約80J/g未満であるプロピレン系エラストマーと、
(c)発泡剤と
を組み合わせる工程と、
(2)組成物を形成する工程と
を含む、方法。
【0062】
実施形態M:実施形態A〜Lのいずれかから製造される発泡材料。
実施形態N:ISO−37に準拠して測定された場合、比較材料試料より少なくとも約5%大きい破断点引張り強さを有する、実施形態Mの発泡材料。
実施形態O:ISO 37に準拠して測定された場合、比較材料試料より少なくとも約10%大きい破断点引張り強さを有する、実施形態MまたはNの発泡材料。
実施形態P:約20%未満の永久伸び(80℃において25%伸び)を有する、実施形態M〜Oのいずれかの発泡材料。
実施形態Q:ISO 37に準拠して測定された場合、350%超の破断点伸びを有する実施形態M〜Pのいずれかの発泡材料。
【0063】
実施形態R:発泡材料を製造するための方法であって、
(1)(a)熱可塑性樹脂成分およびゴム成分の総質量を基準として
(i)約5質量%〜約85質量%の熱可塑性樹脂成分と、
(ii)約15質量%〜約95質量%の分散されている、少なくとも部分的に加硫されたゴム成分と
を含む熱可塑性加硫物と、
(b)プロピレン系エラストマーの総質量を基準として少なくとも約60質量%のプロピレン由来の単位および約5〜約25質量%のエチレン由来の単位を有し、融解熱が約80J/g未満であるプロピレン系エラストマーと、
(c)発泡剤と
を含む組成物を形成する工程と、
(2)その組成物を押し出して発泡材料を形成する工程と
を含む、方法。
実施形態S:実施形態A〜Kのいずれかの組成物を含む物品。
実施形態T:実施形態M〜Qのいずれかの発泡材料を含む物品。
実施形態U:実施形態Rの方法により製造される物品。
実施形態V:シール部品である、実施形態S〜Uのいずれかの物品。
実施形態W:材料の引張り強さを改善するための方法であって、
(1)(a)熱可塑性樹脂成分およびゴム成分の総質量を基準として
(i)約5質量%〜約85質量%の熱可塑性樹脂成分と、
(ii)約15質量%〜約95質量%の分散されている、少なくとも部分的に加硫されたゴム成分と
を含む熱可塑性加硫物と、
(b)プロピレン系エラストマーの総質量を基準として少なくとも約60質量%のプロピレン由来の単位および約5〜約25質量%のエチレン由来の単位を有し、融解熱が約80J/g未満であるプロピレン系エラストマーと、
(c)発泡剤と
を組み合わせることにより組成物を形成する工程と、
(2)この組成物を用いて発泡材料を形成する工程と
を含み、発泡材料が、ISO−37に準拠して測定された場合、比較材料試料より少なくとも約5%大きい破断点引張り強さを有する、方法。
【実施例】
【0064】
本発明は、以下の実施例および表を参照することにより、より良く理解され得るが、それにより制限されることを意図するものではない。
実施例1〜4は、目的とする特性に関して比較例C1〜C3と比較して、本明細書に記載されるプロピレン系エラストマーを添加することによる発泡組成物への影響を例証し、比較例C1〜C3は、プロピレン系エラストマーを含有しないが、他の点ではその構成要素に関して、それぞれ実施例1〜3と同一である。
【0065】
成分についての配合および実施例1〜4および比較例C1〜C3において使用された対応する量を、以下の表1に収載する。
Santoprene(商標)101−87およびSantoprene(商標)9101−80Eは、ExxonMobil Chemical Company、Houston、Texas、USAから市販されている熱可塑性加硫物である。Santoprene Santoprene(商標)101−87は、1200/秒において、73〜100のLCR粘度を有し、Santoprene(商標)9101−80Eは、100未満のLCR粘度を有する。
【0066】
Vistamaxx(商標)3020は、ExxonMobil Chemical Company、Houston、Texas、USAから市販されているプロピレン系エラストマーであり、約11質量%のエチレン含有量、両方ともDSCによって測定された、約31J/gの融解熱、65℃の溶融点、および約3g/10分(230℃/2.16kg)のMFRを有する。
Hydrocerol(登録商標)BIH40は、Clariant International Ltd.、Switzerlandから市販されている。
KN20040は、アゾジカルボンアミドを含む化学発泡剤であり、Ngai Hing Engineering Plastic (Dongguan) Co. Ltd.、Chinaから市販されている。
【0067】
【表1】
【0068】
熱可塑性加硫物およびプロピレン系エラストマーのペレットは、各実施例において、ドラムブレンド機中で乾燥ブレンドされた。発泡剤もまた、ドラムに添加された。ブレンドは、室温で約60rpmの回転速度で約20分の間、行われた。
次に各実施例のブレンドは、Krass−Mafei一軸式押出ラインに供給され、L型シートダイを通して押し出された。押出の温度分布は、150℃(ゾーン1または供給ゾーン)、180℃(ゾーン2)、210℃(ゾーン3)、200℃(ゾーン4)、180℃(アダプタ)、170℃(ヘッド)、および170℃(ダイ)であった。スクリュ速度は、約40rpmであった。ブレンド物は、バレルを通して加工される間に溶融した。加工の間に発泡剤は分解し、気体が溶融物内に発生した。押出時に、フォーム材料(foam material)発泡材料が形成された。
【0069】
実施例および比較例の発泡材料の横断面における気泡分布を、顕微鏡を使用して観察した。
図1(a)〜(c)は、それぞれ比較例1C〜3Cで得られた発泡材料の横断面における気泡分布と気泡径を示す。
図2(a)〜(d)は、それぞれ実施例1〜4で得られた発泡材料の横断面における気泡分布と気泡径を示す。
観察結果から、本発明に従う発泡材料(実施例1〜4)は、比較材料試料(比較例C1〜C3)の発泡材料と比較して、より均一な気泡分布およびより小さい気泡径を有したことを認めることができた。
【0070】
得られたフォーム材料試料の引っ張り特性、永久伸びおよび比重を試験し、結果を表2に示す。
ISO 37法に準拠して、破断点引張り強さおよび破断点伸びを測定した。ISO1183−1法に準拠して、比重を測定した。試料を80℃でその元の長さ(L1)の125%まで引き伸ばし、24時間保持することにより、永久伸びを測定した。次に試料を30分間解放し、試料の長さ(L2)を測定する。永久伸びは式(L2−L1)/L1で計算され、百分率として報告される。
【0071】
【表2】
【0072】
上記データから、プロピレン系エラストマー(実施例1〜3)の添加により、プロピレン系エラストマーを含有しないが他の点ではその構成要素に関して実施例1〜3と同一である比較材料試料(比較例C1〜C3)のデータと比較して、破断点引張り強さおよび破断点伸びが増加し、永久伸びが減少したことを認めることができた。
【0073】
上記データから、プロピレン系エラストマー(実施例1〜3)の添加により、比較材料試料(比較例C1〜C3)のデータと比較して、発泡材料のほぼ同等の比重を有することも認めることができた。特に、実施例1および2では、比較例C1およびC2と比較して比重が減少したが、一方、実施例3の比重は、比較例C3と比較してわずかに増加した。
【0074】
本明細書に記載される全ての文献は、参照により本明細書に組み込まれる。下限値および上限値が本明細書に収載される場合、任意の下限から任意の上限までの範囲を意図する。前述の記載全般および特定の実施形態から明らかであるように、本発明の形態が例証され、かつ記載される一方、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、さまざまな修正を行うことができる。従って、それらにより本発明が制限されることを意図しない。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕(a)熱可塑性樹脂成分およびゴム成分の総質量を基準として、
(i)約5質量%〜約85質量%の熱可塑性樹脂成分と、
(ii)約15質量%〜約95質量%の分散されている、少なくとも部分的に加硫されたゴム成分と
を含む熱可塑性加硫物と、
(b)プロピレン系エラストマーの総質量を基準として少なくとも約60質量%のプロピレン由来の単位および約5〜約25質量%のエチレン由来の単位を有し、融解熱が約80J/g未満であるプロピレン系エラストマーと、
(c)発泡剤と
を含む組成物。
〔2〕ゴム成分が、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、天然ゴム、ブチルゴム、p−アルキルスチレンと4〜7個の炭素原子を有する少なくとも1種のイソモノオレフィンとのハロゲン化ゴムコポリマー、イソブチレンとジビニル−ベンゼンとのコポリマー、4〜8個の炭素原子を有する共役ジエンのゴムホモポリマー、4〜8個の炭素原子を有する少なくとも1種の共役ジエンからの少なくとも50質量%の繰り返し単位と8〜12個の炭素原子を有するビニル芳香族モノマーもしくはアクリロニトリルモノマーもしくは3〜8個の炭素原子を有するアルキル置換のアクリロニトリルモノマーもしくは不飽和カルボン酸モノマーもしくはジカルボン酸の不飽和無水物とを有するゴムコポリマーのうち少なくとも1種を含む、前記〔1〕に記載の組成物。
〔3〕熱可塑性樹脂成分が、i)2〜7個の炭素原子を有するオレフィンモノマーから調製されるポリマー、またはii)2〜7個の炭素原子を有するオレフィンモノマーと、(メタ)アクリレートまたは酢酸ビニルとから調製されるコポリマーを含む、前記〔1〕に記載の組成物。
〔4〕熱可塑性樹脂成分が、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびエチレン−プロピレンコポリマーのうちの少なくとも1種を含む、前記〔1〕に記載の組成物。
〔5〕プロピレン系エラストマーが、熱可塑性加硫物およびプロピレン系エラストマーの総質量を基準として、約1%〜約30%の量で添加されている、前記〔1〕に記載の組成物。
〔6〕プロピレン系エラストマーが、熱可塑性加硫物およびプロピレン系エラストマーの総質量を基準として、約3%〜約15%の量で添加されている、前記〔1〕に記載の組成物。
〔7〕発泡剤が、熱可塑性加硫物およびプロピレン系エラストマーの総質量に対して、約0.1〜約10.0%の量で添加されている、前記〔1〕に記載の組成物。
〔8〕発泡剤が、熱可塑性加硫物およびプロピレン系エラストマーの総質量に対して、約0.3〜約3.0%の量で添加されている、前記〔1〕に記載の組成物。
〔9〕発泡剤が、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、アゾジカルボンアミド、アゾビスホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン、N,N−ジメチル−N,N−ジニトロソテレフタルアミド、N,N−ジニトロソペンタメチレン−テトラアミン、ベンゼンスルホニル−ヒドラジド、ベンゼン−1,3−ジスルホニルヒドラジド;ジフェニルスルホン−3−3,ジスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルセミカルビジド、アゾジカルボン酸バリウム、ブチルアミンニトリル、ニトロ尿素、トリヒドラジノトリアジン、フェニル−メチル−ウランタン、p−スルホンヒドラジド、および過酸化物のうちの少なくとも1種を含む、前記〔1〕に記載の組成物。
〔10〕発泡剤が、アゾジカルボンアミドを含む、前記〔1〕に記載の組成物。
〔11〕少なくとも1種のフィラー、加工助剤、硬化剤、および促進剤をさらに含む、前記〔1〕に記載の組成物。
〔12〕組成物を製造するための方法であって、
(1)(a)熱可塑性樹脂成分およびゴム成分の総質量を基準として
(i)約5質量%〜約85質量%の熱可塑性樹脂成分と、
(ii)約15質量%〜約95質量%の分散されている、少なくとも部分的に加硫されたゴム成分と
を含む熱可塑性加硫物と、
(b)プロピレン系エラストマーの総質量を基準として少なくとも約60質量%のプロピレン由来の単位および約5〜約25質量%のエチレン由来の単位を有し、融解熱が約80J/g未満の融解熱であるプロピレン系エラストマーと、
(c)発泡剤と
を組み合わせる工程と、
(2)組成物を形成する工程と
を含む、方法。
〔13〕前記〔1〕の組成物から製造される発泡材料。
〔14〕ISO−37に準拠して測定された場合、プロピレン系エラストマーを含有しないが他の点ではその構成要素に関して同一である組成物から製造される発泡材料である比較材料試料より少なくとも約5%大きい破断点引張り強さを有する、前記〔13〕に記載の発泡材料。
〔15〕ISO 37に準拠して測定された場合、プロピレン系エラストマーを含有しないが他の点ではその構成要素に関して同一である組成物から製造される発泡材料である比較材料試料より少なくとも約10%大きい破断点引張り強さを有する、前記〔13〕に記載の発泡材料。
〔16〕約20%未満の永久伸び(80℃において25%伸び)を有する、前記〔13〕に記載の発泡材料。
〔17〕ISO 37に準拠して測定された場合、350%超の破断点伸びを有する、前記〔13〕に記載の発泡材料。
〔18〕発泡材料を製造するための方法であって、
(1)(a)熱可塑性樹脂成分およびゴム成分の総質量を基準として
(i)約5質量%〜約85質量%の熱可塑性樹脂成分と、
(ii)約15質量%〜約95質量%の分散されている、少なくとも部分的に加硫されたゴム成分と
を含む熱可塑性加硫物と、
(b)プロピレン系エラストマーの総質量を基準として少なくとも約60質量%のプロピレン由来の単位および約5〜約25質量%のエチレン由来の単位を有し、融解熱が約80J/g未満であるプロピレン系エラストマーと、
(c)発泡剤と
を含む組成物を形成する工程と、
(2)その組成物を押し出して発泡材料を形成する工程と
を含む、方法。
〔19〕前記〔1〕の組成物を含む、物品。
〔20〕シール部品である、前記〔19〕に記載の物品。
〔21〕前記〔13〕の発泡材料を含む、物品。
〔22〕シール部品である、前記〔21〕に記載の物品。
〔23〕材料の引張り強さを改善するための方法であって、
(1)(a)熱可塑性樹脂成分およびゴム成分の総質量を基準として
(i)約5質量%〜約85質量%の熱可塑性樹脂成分と、
(ii)約15質量%〜約95質量%の分散されている、少なくとも部分的に加硫されたゴム成分と
を含む熱可塑性加硫物と、
(b)プロピレン系エラストマーの総質量を基準として少なくとも約60質量%のプロピレン由来の単位および約5〜約25質量%のエチレン由来の単位を有し、融解熱が約80J/g未満であるプロピレン系エラストマーと
(c)発泡剤と
を組み合わせることにより組成物を形成する工程と、
(2)この組成物を用いて発泡材料を形成する工程と
を含み、発泡材料が、ISO−37に準拠して測定された場合、プロピレン系エラストマーを含有しないが他の点ではその構成要素に関して同一である組成物から製造される発泡材料である比較材料試料より少なくとも約5%大きい破断点引張り強さを有する、方法。