【文献】
遠隔管理可能なトレーサビリティ端末「モニ郎」−スーパー店頭で野菜の生産履歴を簡単に確認−,食品工業,日本,鎌田 恒男 株式会社光琳,2005年 3月30日,第48巻 第8号,p.90
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記発行部は、無線通信の中継機器の通信可能範囲に在圏する複数の前記ディスプレイに対し、異なる前記識別コードを発行する、請求項1又は2記載の資料提供システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る資料提供システムの概略構成図である。同図に示すように、本実施形態における資料提供システム1は、例えば、サーバ2と、会員データベース3と、各店舗Sa、Sb、Scの商品ごとに配置されるディスプレイDa、Db、Dcと、一つ以上の携帯端末4とを含む。店舗Sa、Sb、Sc及びディスプレイDa、Db、Dcは、以下において特に区別して説明する必要がない場合には、店舗S及びディスプレイDと記載する。
【0015】
本実施形態では、例示的に、顧客に提供する資料がカタログである場合について説明するが、これに限定されない。例えば、顧客に提供する資料が、リーフレット、パンフレット又は取扱い説明書である場合についても、同様に適用することができる。
【0016】
サーバ2は、会員データベース3、ディスプレイD及び携帯端末4とネットワークNを介して通信できるように構成される。
【0017】
ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0018】
ネットワークNには、一つ以上のWiFiのアクセスポイント(無線通信の中継機器)Naが含まれる。アクセスポイントNaは、自アクセスポイントの通信可能範囲(以下、「WiFiエリア」ともいう。)Rに在圏するディスプレイD及び携帯端末4と、サーバ2との間の通信を中継する。
【0019】
携帯端末4は、カタログ提供サービスを受ける顧客が使用する携帯可能な端末装置である。本実施形態では、携帯端末4として、スマートフォンを用いて説明するが、これに限定されず、電話番号を割り当て可能なモバイル端末全般を携帯端末4として用いることができる。
【0020】
会員データベース3は、顧客に関する会員情報を記憶する。会員情報は、データ項目として、例えば、電話番号項目、氏名項目、住所項目、メールアドレス項目等を含む。電話番号項目は、顧客を特定するための識別情報として、顧客が使用する携帯端末4に割り当てられた電話番号を格納する。
【0021】
図2に示すように、サーバ2は、例えば、プロセッサ20と、通信インタフェース21と、記憶資源22とを備える。
【0022】
プロセッサ20は、算術演算、論理演算、ビット演算等を処理する算術論理演算ユニット及び各種レジスタから構成され、記憶資源22に格納されているコンピュータプログラム220を実行することで、後述する各種機能を実現する。各種レジスタは、例えば、プログラムカウンタ、データレジスタ、命令レジスタ、汎用レジスタ等である。
【0023】
通信インタフェース21は、ネットワークNに接続し、ネットワークN上の他の端末と通信をするためのハードウェアモジュールである。通信インタフェース21は、例えば、ISDNモデム、ADSLモデム、ケーブルモデム、光モデム、ソフトモデム等の変調復調装置である。
【0024】
記憶資源22は、例えば、物理デバイスの記憶領域が提供する論理デバイスである。物理デバイスは、例えば、ディスクドライブ又は半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。記憶資源22は、複数の物理デバイスを1つの論理デバイスにマッピングして構築してもよいし、1つの物理デバイスを複数の論理デバイスにマッピングして構築してもよい。記憶資源22には、コンピュータプログラム220が記憶される。
【0025】
コンピュータプログラム220は、所定の処理を行うためのプログラムであり、サーバ2のメインプログラムの動作中に適宜呼び出されて実行される複数のソフトウェアモジュールを備える。このソフトウェアモジュールは、それぞれ特定の処理を実行するためにモジュール化されたサブプログラムであり、例えば、プロシージャ、サブルーチン、メソッド、関数及びデータ構造等を用いて作成される。
【0026】
コンピュータプログラム220は、例示的に、処理モジュール221を有する。処理モジュール221を実行することで実現する機能については後述する。
【0027】
記憶資源22には、コンピュータプログラム220のほか、サーバ2の処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、各種データ等が格納される。ドライバプログラムとして、例えば、通信インタフェース21を制御するための通信インタフェースドライバプログラム等がある。
【0028】
記憶資源22に格納される各種データとして、例えば、キーコードデータベース222に登録されるキーコード情報がある。キーコード情報は、データ項目として、例えば、WiFiエリアID項目、店舗ID項目、商品ID項目、ディスプレイID項目、キーコード項目及びキーコード表示日時項目等を含む。
【0029】
WiFiエリアID項目は、WiFiエリアを特定するための識別情報(WiFiエリアID)を格納する。店舗ID項目は、店舗を特定するための識別情報(店舗ID)を格納する。商品ID項目は、商品を特定するための識別情報(商品ID)を格納する。ディスプレイID項目は、ディスプレイを特定するための識別情報(ディスプレイID)を格納する。キーコード項目及び表示日時項目は、キーコードが発行されるたびに追加されるデータ項目である。キーコード項目は、発行されたキーコードを格納し、キーコード表示日時項目は、発行されたキーコードがディスプレイに表示された日時を格納する。
【0030】
なお、各種データとして、例えば、資料データベースに登録される資料情報をさらに管理することとしてもよい。資料情報は、データ項目として、例えば、商品の資料(例えば、最新のカタログ)を特定するための識別情報(資料ID)を格納する資料ID項目、及び当該資料に対応する一つ以上の商品IDを格納する商品ID項目等を含む。
【0031】
前述したデータベースの構成及びデータ項目の組み合わせは例示に過ぎず、データベースの構成やデータ項目の組み合わせについては、運用するシステムに合わせて適宜変更することができる。
【0032】
図2に示すサーバ2の処理モジュール221を実行することで実現する機能について、以下に説明する。
【0033】
処理モジュール221は、一つのアクセスポイントNaが形成するWiFiエリアR内の店舗Sに設置されたディスプレイDに、キーコード(識別コード)を発行する。ディスプレイDは、店舗に展示された商品ごとに設置してもよいし、一つのカタログに掲載される複数の商品ごとに設置してもよい。
【0034】
処理モジュール221は、キーコードの内容を所定の時間ごとに変更して発行する。所定の時間は、例えば顧客の自宅等のように、店舗以外の場所からキーコードが入力され、誤ってカタログを提供することが起こらない範囲で適宜設定することが好ましい。
【0035】
処理モジュール221は、WiFiエリアR内のそれぞれのディスプレイDに対し、異なるキーコードを発行する。つまり、WiFiエリアR内の異なる複数のディスプレイDに対し、同じ時間帯に、同じキーコードが発行されることはない。これにより、キーコード及び時間に基づいてディスプレイDを特定することが可能となる。
【0036】
処理モジュール221は、発行したキーコードを、店舗SにあるディスプレイDに表示させる。例えば、
図1のA店舗SaにあるディスプレイDaの一つに、
図3に例示するようなキーコード提示画面を表示させ、来店した顧客にキーコードを提示することとしてもよい。同図は、現在、○○商品のカタログを提供するためのキーコードとして、“325”が提示されていることを示す。
【0037】
処理モジュール221は、発行したキーコードに関するキーコード情報を、キーコードデータベース222に登録する。キーコード情報には、前述したように、例えば、WiFiエリアID、店舗ID、商品ID、ディスプレイID、キーコード及びキーコード表示日時等が含まれる。
【0038】
処理モジュール221は、キーコード及び携帯端末4の電話番号を、その携帯端末4が在圏するアクセスポイントNaを介して受信する。
【0039】
ここで、
図4及び
図5を参照し、携帯端末4を所持する顧客が、店舗Sに来店し、キーコード及び電話番号を携帯端末4に入力してサーバ2に送信する際の手順の一例について説明する。
【0040】
最初に、顧客がA店舗Saに来店し、携帯端末4を操作してアクセスポイントNaによるWiFiスポットに接続する。続いて、顧客がブラウザを起動すると、携帯端末4のディスプレイに、
図4に例示するカタログ請求画面が表示される。
【0041】
続いて、顧客が、A店舗Saに展示されている“○○商品”に対応付けて設置されているディスプレイDa(
図3参照)を確認し、その時点でディスプレイDaに表示されている“325”を、キーコード入力欄41に入力する(
図5参照)。続いて、顧客が、携帯端末4の電話番号を、電話番号入力欄42に入力し、“submit”ボタン43をタップする(
図5参照)。これにより、携帯端末4が、キーコード及び電話番号をサーバ2に送信する。
【0042】
図2に示す処理モジュール221は、携帯端末4から受信したキーコード及びそのキーコードが送信された日時(以下、「キーコード送信日時」ともいう。)に基づいて、キーコードデータベース222のキーコード情報を参照し、顧客がキーコードを確認したディスプレイを特定する。このとき、処理モジュール221は、例えば、キーコードの送信を中継したアクセスポイントNaの設定情報に基づいて、WiFiエリアを特定し、その特定したWiFiエリア内のディスプレイに発行したキーコード及びキーコード表示日時と、携帯端末4から受信したキーコード及びキーコード送信日時とを比較して、ディスプレイを特定することができる。
【0043】
処理モジュール221は、ディスプレイを特定することができない場合に、エラーメッセージを携帯端末4に送信する。
【0044】
処理モジュール221は、携帯端末4から受信した電話番号に基づいて、会員データベース3の会員情報を参照し、店舗に来店した顧客を特定する。
【0045】
処理モジュール221は、特定したディスプレイに対応する最新のカタログを、特定した顧客に対して提供するカタログ提供処理を実行する。
【0046】
顧客にカタログを提供する場合に、例えば、電子カタログや電子カタログのURLを顧客の携帯端末4に送信することとしてもよい。また、顧客にカタログを提供するタイミングは、顧客が店舗でカタログを請求したときには限定されない。例えば、サーバ2が、電話番号及びキーコードに基づいて顧客及びディスプレイを特定してからカタログを提供するまでの間に、所定期間のタイムラグが発生してもよい。
【0047】
具体的に、顧客及びディスプレイを特定してから所定期間が経過した後に、顧客のメールアドレス又は電話番号宛てにメール又はショートメッセージを送信し、電子カタログや電子カタログのURLを提供することとしてもよいし、顧客の住所宛てに最新のカタログを郵送することとしてもよい。顧客のメールアドレスや住所は、会員データベース3の会員情報から取得することができる。
【0048】
ここで、
図6及び
図7を参照し、店舗に来店した顧客にカタログを提供する際の手順の一例について説明する。
【0049】
最初に、サーバ2が、電話番号に基づいて顧客を特定し、キーコードに基づいてディスプレイを特定すると、
図6に例示するカタログ提供ガイド画面を携帯端末4のディスプレイに表示させる。
【0050】
続いて、顧客が、携帯端末4のディスプレイに表示されたURL(Uniform Resource Locator)44を選択して接続を指示すると、カタログ提供要求メッセージがサーバ2に送信され、携帯端末4のディスプレイに、
図7に例示する○○商品のカタログ画面が表示される。同図のカタログ画面により、顧客は、○○商品の最新カタログを閲覧することができる。
【0051】
次に、
図8を参照して、カタログを請求した顧客に最新のカタログを提供する際の一連の手順について説明する。
【0052】
最初に、サーバ2の処理モジュール221は、定期的に、各店舗Sに配置された各ディスプレイDに対応するキーコードを発行し、発行したキーコードを、対応するディスプレイDに表示させる(ステップS101)。このステップS101の処理は、この後も継続して実行される。
【0053】
続いて、店舗Sに来店した顧客の操作指示に従って、携帯端末4は、店舗Sに設けられたWiFiスポットに接続する(ステップS102)。
【0054】
続いて、携帯端末4は、顧客の操作指示に従ってブラウザを起動し、
図4に示すカタログ請求画面を表示する(ステップS103)。顧客は、ディスプレイDに表示されているキーコード及び電話番号をカタログ請求画面に入力することになる。
【0055】
続いて、携帯端末4は、カタログ請求画面の“submit”ボタン43に対するタップを検知する(ステップS104)と、カタログ請求画面に入力されたキーコード及び電話番号をサーバ2に送信する(ステップS105)。
【0056】
続いて、サーバ2の処理モジュール221は、携帯端末4から受信したキーコード及びキーコード送信日時に基づいて、キーコードデータベース222のキーコード情報を参照し、顧客がキーコードを確認したディスプレイDを特定する(ステップS106)。
【0057】
続いて、サーバ2の処理モジュール221は、携帯端末4から受信した電話番号に基づいて、会員データベース3の会員情報を参照し、店舗Sに来店した顧客を特定する(ステップS107)。
【0058】
続いて、サーバ2の処理モジュール221は、上記ステップS107で特定した顧客に対し、上記ステップS106で特定したディスプレイDに対応する商品の最新カタログを提供するためのURL情報を携帯端末4に送信する(ステップS108)。
【0059】
続いて、携帯端末4は、
図6に示すカタログ提供ガイド画面を表示する(ステップS109)。
【0060】
続いて、携帯端末4は、URLへの接続指示を検知する(ステップS110)と、カタログ提供要求メッセージをサーバ2に送信する(ステップS111)。
【0061】
続いて、サーバ2の処理モジュール221は、携帯端末4の顧客に対し、最新のカタログを提供するカタログ提供処理を実行する(ステップS112)。
【0062】
続いて、サーバ2の処理モジュール221は、最新のカタログを携帯端末4に送信する(ステップS113)。
【0063】
続いて、携帯端末4は、
図7に示すカタログ画面を表示する(ステップS114)。
【0064】
前述したように、実施形態における資料提供システム1によれば、所定のWiFiエリアRに属する店舗Sに設置されたディスプレイDに対応付けられ、かつ所定の時間ごとに内容が変更されるキーコードを発行し、その発行したキーコードを、対応するディスプレイDに表示させ、携帯端末の電話番号及びキーコードを受信した場合に、その受信したキーコードに基づいてディスプレイDを特定し、受信した電話番号に基づいてキーコードを携帯端末に入力した顧客を特定し、その特定したディスプレイDに紐付けられた商品の最新カタログを、その特定した顧客に対して提供することができる。
【0065】
したがって、実施形態における資料提供システム1によれば、店舗に来店した顧客は、その店舗の商品に対応付けられたディスプレイに表示されているキーコードと自分の携帯端末の電話番号とを携帯端末から入力して送信することで、商品の最新のカタログを受け取ることができる。それゆえ、簡易な操作により、商品の最新の資料を所望する顧客の要求を満たすことが可能となり、商品に対する顧客のコンバージョンを向上させることができる。
【0066】
[変形例]
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、前述した各処理(ステップ)は処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、又は並列に実行することができる。
【0067】
また、前述した実施形態では、携帯端末4から受信したキーコード及びキーコード送信日時を用いて、ディスプレイDを特定しているが、キーコード送信日時を用いずにディスプレイDを特定することとしてもよい。この場合には、キーコードに対してディスプレイDが一意に定まるようにキーコードを発行することとすればよい。また、キーコード送信日時の替りに、キーコード送信日等を用いてディスプレイDを特定することとしてもよい。
【解決手段】無線通信の中継機器の通信可能範囲に属する店舗Sに設置されたディスプレイDに対応付けられ、かつ所定の時間ごとに内容が変更されるキーコードを発行し、その発行したキーコードを、対応するディスプレイDに表示させ、携帯端末の電話番号及びキーコードを受信した場合に、その受信したキーコードに基づいてディスプレイDを特定し、受信した電話番号に基づいてキーコードを携帯端末に入力した顧客を特定し、その特定したディスプレイDに紐付けられた商品の最新カタログを、特定した顧客に対して提供する。