(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6374093
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】レーザーパッケージングシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
B23K 26/21 20140101AFI20180806BHJP
H05B 33/04 20060101ALI20180806BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20180806BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20180806BHJP
B23K 26/324 20140101ALI20180806BHJP
B23K 26/082 20140101ALI20180806BHJP
B23K 26/00 20140101ALI20180806BHJP
【FI】
B23K26/21 P
H05B33/04
H05B33/10
H05B33/14 A
B23K26/324
B23K26/082
B23K26/00 N
B23K26/00 M
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-504388(P2017-504388)
(86)(22)【出願日】2015年5月27日
(65)【公表番号】特表2017-524538(P2017-524538A)
(43)【公表日】2017年8月31日
(86)【国際出願番号】CN2015079918
(87)【国際公開番号】WO2016015515
(87)【国際公開日】20160204
【審査請求日】2017年3月9日
(31)【優先権主張番号】201410367513.6
(32)【優先日】2014年7月29日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】309012351
【氏名又は名称】シャンハイ マイクロ エレクトロニクス イクイプメント(グループ)カンパニー リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【弁理士】
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ユェンハウ
(72)【発明者】
【氏名】ジュ,シュツン
(72)【発明者】
【氏名】ルオ,ウェン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,レイリ
【審査官】
岩見 勤
(56)【参考文献】
【文献】
特表2008−527657(JP,A)
【文献】
特開2014−067484(JP,A)
【文献】
特開2006−205216(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00 − 26/70
H05B 33/04
H05B 33/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスパッケージ中の所定の軌跡に沿って分布されるガラスフリットを加熱してガラスパッケージを封止するために用いられるレーザーパッケージング方法であって、
レーザーモジュールを起動して前記レーザーモジュールからレーザーを発射させる;
レーザー走査モジュールを起動して前記レーザーモジュールから発射される前記レーザーをガラスフリット上に投射する;
制御装置モジュールを介して前記レーザー走査モジュールをリアルタイムに制御してレーザーをガラスフリット上の方向に投射し、前記レーザーに前記所定の軌跡に沿ってガラスフリットを走査させる;
前記制御装置モジュールを介して前記レーザーモジュールの出力パワーをリアルタイム制御して生成されるレーザーに前記所定の軌跡とリアルタイムで対応する出力曲線を持たせる;
ガラスフリットが融点に加熱されるまで前記レーザーに前記所定の軌跡に沿ってガラスフリットを複数の周期で走査させる;
というステップを含む、
レーザーパッケージング方法であって、
前記レーザーモジュールを起動する前に、まず前記レーザー走査モジュールを起動し、前記レーザー走査モジュールがレーザーを所定の速度で前記所定の軌跡に沿ってガラスフリット上に投射できるようになった後に、改めて前記レーザーモジュールを起動する、
レーザーパッケージング方法。
【請求項2】
前記所定の軌跡は、一つ又は複数の直線区間と、一つ又は複数の湾曲区間を有し、
前記出力曲線は、前記一つ又は複数の直線区間に対応する一つ又は複数の直線区間の加熱出力曲線と、前記一つ又は複数の湾曲区間に対応する一つ又は複数の湾曲区間の加熱出力曲線と、を有し、
前記直線区間の加熱出力曲線に対応する出力パワーと、前記湾曲区間の加熱出力曲線に対応する出力パワーが異なる、
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザーパッケージング方法。
【請求項3】
前記複数の周期的な走査が不変的又は段階的に減少するレーザーモジュールの出力パワーを採用する、
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザーパッケージング方法。
【請求項4】
温度測定モジュールを使用して、前記ガラスフリット表面のリアルタイムの温度を測定し、かつ前記制御装置モジュールにフィードバックし、前記制御装置モジュールによって周期的な走査の回数、前記レーザーモジュールの出力パワー、及びレーザーが前記所定の軌跡に沿ってガラスフリットを走査する速度、の内の少なくとも一つを調整し、前記ガラスフリットの温度変化を所定の温度曲線に合致させるステップを更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザーパッケージング方法。
【請求項5】
前記レーザーが前記所定の軌跡に沿ってガラスフリットを走査する速度の範囲が1m/s〜5m/sである、
ことを特徴とする請求項4に記載のレーザーパッケージング方法。
【請求項6】
前記ガラスフリットが融点に達するまで加熱された後、直ちに前記レーザーモジュールを停止し、前記ガラスフリットを自然冷却させるステップを更に含み、
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザーパッケージング方法。
【請求項7】
前記レーザーモジュールを停止した後、前記レーザー走査モジュールを引き続き一定時間可動させ、その後、前記レーザー走査モジュールを改めて停止させるステップを更に含む、
ことを特徴とする請求項6に記載のレーザーパッケージング方法。
【請求項8】
前記ガラスフリットが融点に達するまで加熱された後、前記レーザーモジュールの出力パワーを冷却出力値まで低下させ、前記ガラスフリットが所定の温度に冷却されるまで、引き続き前記レーザーに前記所定の軌跡に沿って前記ガラスフリットに対する周期的な走査を行わせるステップを更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザーパッケージング方法。
【請求項9】
前記ガラスフリットが所定の温度まで冷却された後、引き続き自然冷却を行うステップを更に含む、
ことを特徴とする請求項8に記載のレーザーパッケージング方法。
【請求項10】
前記レーザーモジュールと前記レーザー走査モジュールとを同期的に起動し、かつ前記レーザーモジュールの出力パワーを段階的に上昇させ、前記レーザー走査モジュールがレーザーを所定の速度で前記所定の軌跡に沿って前記ガラスフリット上に投射させると同時に、前記レーザーモジュールの出力パワーが所定の出力に達する、
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザーパッケージング方法。
【請求項11】
前記ガラスフリットが融点に達するまで加熱された後、前記レーザーモジュールの出力パワーと前記レーザーが前記所定の軌跡に沿って前記ガラスフリットを走査する速度を同期的に調整し、前記出力パワーと走査速度を同時にゼロまで段階的に減少させるステップを更に含む、
ことを特徴とする請求項10に記載のレーザーパッケージング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光半導体分野に関し、特にレーザーを使用してガラスパッケージに対するパッケージングを行うシステム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光半導体デバイスは既に広範に生活の各分野に応用されている。中でも、OLED(有機発光ダイオード)はその良好なカラーコントラスト、広視野角、高速応答性等の特長によって、研究の焦点となっており、その利用可能性は極めて高い。しかしながら、OLEDディスプレイ中の電極と有機層は酸素と水分に非常に敏感である。従って、外部環境からOLEDデバイス内部に浸入する酸素と水分はOLEDデバイスの寿命を大幅に縮めてしまう。以上より、OLEDデバイスのために有効なハーメチックシールを提供することは非常に重要である。以下、OLEDデバイスを適切に封止することに困難を来たす要因について説明する。
・ハーメチックシールにおいては酸素(10
−3cm
3/m
2/日)と水(10
−6g/m
2/日)に対するバリアを提供しなければならない。
・ハーメチックシールのサイズは出来うる限り小さくなければならず(2mm未満等)、これにより、OLEDディスプレイのサイズに大きな影響を及ぼすことがあってはならない。
・封止プロセスにおいて発生する温度がOLEDディスプレイ中の材料(電極や有機層等)を破壊してはならない。例えば、OLEDディスプレイ内の封止体から約1〜2ミリの距離を有するOLEDの第一画素は、封止プロセスにおいて100℃を超える温度で加熱されてはならず、そうでない場合は、第一画素の損傷が引き起こされるおそれがある。
・封止プロセスにおいて放出されるガスがOLEDディスプレイ中の物質を汚染してはならない。
・ハーメチックシールはポイント接続部材(薄膜クロム電極等)をOLEDディスプレイ内に入れ込むことができなければならない。
【0003】
近年、ガラスフリットを使用してレーザー加熱を補助する封止方法がOLEDディスプレイの封止に応用されている。中でも特定の光波長に対して高吸収率を有する材料を混合した前記ガラスフリットは低融点という特性を有する。高性能レーザー装置を採用することによってガラスフリットを加熱して軟化させ、その上部のガラスフリットを有するカバープレートガラスとその上部のOLEDを有する基板ガラスの間にハーメチックシールを形成する。ガラスフリットは、通常、幅が約0.7〜1ミリであり、厚さが6〜100マイクロメートルである。レーザー装置から出力される制御可能なレーザーエネルギーがガラスフリットの封止線を順次照射して覆い、前記ガラスフリットを順次加熱して軟化させ、ハーメチックシールを形成する。しかしながら、この連続的なガラスフリット加熱方式は、ガラスフリット内部に不均一な温度分布(
図1に示す通り)を形成するおそれがある。またガラスフリット内部のこれら不均一な温度分布はクラック、残留応力又は層剥離といった問題の発生を引き起こし、カバープレートガラスと基板ガラスの間の気密接続を妨害又は脆弱化させるおそれがある。更に封止プロセスの主要パラメータ、例えばレーザー出力、走査速度等を選択する必要が有り、この方法による制約を受け、生産性の向上が制限されてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的はOLEDディスプレイ又はガラスパッケージに対する封止を行うために用いられるレーザーパッケージングシステム及び方法を提供し、上述のガラスフリットの温度場の分布が不均一であるという課題を解決できるとともに、かなり広いプロセスウインドウを持たせることで、OLEDディスプレイの生産性の向上に寄与することである。
【0005】
上述の目的を実現するため、本発明では以下のレーザーパッケージングシステムを提供する。ガラスパッケージ中の所定の軌跡に沿って分布されるガラスフリットを加熱してガラスパッケージを封止するために用いられ、前記システムが、制御装置モジュールと、前記制御装置モジュールと相互に接続され、かつレーザーを生成するために用いられるレーザーモジュールと、前記制御装置モジュール及び前記レーザーモジュールと相互に接続され、前記レーザーモジュールが生成する前記レーザーをガラスフリット上に投射するために用いられるレーザー走査モジュールと、を有し、更に、前記制御装置モジュールが前記レーザー走査モジュールをリアルタイム制御し、前記レーザーの前記ガラスフリット上における走査方向を制御し、これにより前記レーザーに前記所定の軌跡に沿って前記ガラスフリットを走査させるために用いられる。前記制御装置モジュールが更に前記レーザーモジュールの出力パワーをリアルタイム制御し、生成されるレーザーに前記所定の軌跡とリアルタイムで対応する出力曲線を持たせるために用いられる。
【0006】
好ましくは、前記レーザーパッケージングシステムが更に温度測定モジュールを有し、前記温度測定モジュールが前記制御装置モジュールと相互に接続され、レーザー照射されるガラスフリットの表面温度をリアルタイムで測定し、かつ測定された表面温度を前記制御装置モジュールにリアルタイムでフィードバックするために用いられる。
【0007】
好ましくは、前記温度測定モジュールが高温計である。
【0008】
好ましくは、前記レーザーパッケージングシステムが更にコンピューターを有し、前記コンピューターは、前記制御装置モジュールと相互に接続され、前記制御装置モジュールとのデータ交換を行うために用いられる。
【0009】
好ましくは、前記制御装置モジュールは、単一の制御装置、複数の制御装置から構成される制御システム、又は前記コンピューター内部に統合されて取り付けられる制御ボードである。
【0010】
好ましくは、前記レーザー走査モジュール内にサーボモーション機構が設置され、前記サーボモーション機構は、レーザーの方向及びレーザーが前記所定の軌跡に沿ってガラスフリットを走査する速度及び/又は加速度を変更するために用いられる。
【0011】
本発明では更に以下のレーザーパッケージング方法を提供する。この方法は、ガラスパッケージ中の所定の軌跡に沿って分布されるガラスフリットを加熱してガラスパッケージを封止するために用いられ、以下のステップを含む。
レーザーモジュールを起動し、前記レーザーモジュールからレーザーを発射させる。
レーザー走査モジュールを起動し、レーザーモジュールから発射される前記レーザーをガラスフリット上に投射する。
制御装置モジュールを介してレーザー走査モジュールをリアルタイムに制御し、レーザーをガラスフリット上の方向に投射し、前記レーザーに前記所定の軌跡に沿ってガラスフリットを走査させる。
制御装置モジュールを介して前記レーザーモジュールの出力パワーをリアルタイム制御し、生成されるレーザーに前記所定の軌跡とリアルタイムで対応する出力曲線を持たせ、
ガラスフリットが融点に加熱されるまで、前記レーザーに前記所定の軌跡に沿ってガラスフリットを複数の周期で走査させる。
【0012】
好ましくは、前記所定の軌跡は、一つ又は複数の直線区間と、一つ又は複数の湾曲区間を有し、前記出力曲線が前記一つ又は複数の直線区間に対応する一つ又は複数の直線区間の加熱出力曲線と、前記一つ又は複数の湾曲区間に対応する一つ又は複数の湾曲区間の加熱出力曲線とを有し、前記直線区間の加熱出力曲線に対応する出力パワーと前記湾曲区間の加熱出力曲線に対応する出力パワーが異なる。
【0013】
好ましくは、前記複数の周期的な走査が不変的又は段階的に減少するレーザーモジュールの出力パワーを採用する。
【0014】
好ましくは、前記レーザーパッケージング方法が更に温度測定モジュールを使用して前記ガラスフリット表面のリアルタイムの温度を測定し、かつ前記制御装置モジュールにフィードバックし、制御装置モジュールによって周期的な走査の回数、レーザーモジュールの出力パワー、及びレーザーが前記所定の軌跡に沿ってガラスフリットを走査する速度、の内の少なくとも一つを調整し、前記ガラスフリットの温度変化を所定の温度曲線に合致させるステップを含む。
【0015】
好ましくは、前記レーザーは、前記所定の軌跡に沿ってガラスフリットを走査する速度の範囲が1m/s〜5m/sである。
【0016】
好ましくは、前記レーザーモジュールを起動する前に、まず前記レーザー走査モジュールを起動し、前記レーザー走査モジュールがレーザーを所定の速度で前記所定の軌跡に沿ってガラスフリット上に投射できるようになった後に、改めてレーザーモジュールを起動する。
【0017】
好ましくは、前記レーザーパッケージング方法は、更に前記ガラスフリットが融点に達するまで加熱された後、直ちに前記レーザーモジュールを停止し、前記ガラスフリットを自然冷却させるステップを含む。
【0018】
好ましくは、前記レーザーパッケージング方法は、更にレーザーモジュールを停止した後、前記レーザー走査モジュールを引き続き一定時間可動させ、その後、レーザー走査モジュールを改めて停止させるステップを含む。
【0019】
好ましくは、前記レーザーパッケージング方法は、更に前記ガラスフリットが融点に達するまで加熱された後、前記レーザーモジュールの出力パワーを冷却出力値まで低下させ、前記ガラスフリットが所定の温度に冷却されるまで、引き続き前記レーザーに前記所定の軌跡に沿ってガラスフリットに対する周期的な走査を行わせるステップを含む。
【0020】
好ましくは、前記レーザーパッケージング方法は、更に前記ガラスフリットが所定の温度まで冷却された後、引き続き自然冷却を行うステップを含む。
【0021】
好ましくは、前記レーザーパッケージング方法において、レーザーモジュールとレーザー走査モジュールとを同期的に起動し、かつレーザーモジュールの出力パワーを段階的に上昇させ、前記レーザー走査モジュールがレーザーを所定の速度で前記所定の軌跡に沿ってガラスフリット上に投射できるようにすると同時に、前記レーザーモジュールの出力パワーが所定の出力に達することができるようにする。
【0022】
好ましくは、前記レーザーパッケージング方法は、更に前記ガラスフリットが融点に達するまで加熱された後、前記レーザーモジュールの出力パワーと前記レーザーが前記所定の軌跡に沿ってガラスフリットを走査する速度を同期的に調整し、前記出力パワーと走査速度を同時にゼロまで段階的に減少させるステップを含む。
【0023】
従来の技術と比べ、本発明の有益な効果は主に以下のように実現される。
前記レーザー走査モジュールがレーザーにガラスフリット上で高速かつ周期的な走査を行わせることができ、これによりガラスフリットを均一かつ同期的に加熱することができ、従来技術のパッケージングプロセスにおける温度場の分布が不均一であるという課題を改善できる。提示されるレーザーパッケージング方法において、レーザーモジュールが所定の出力曲線を有するレーザーを発射することができ、これにより所定の出力曲線に基づきガラスフリットの加熱プロセスを制御できる。
【0024】
好ましくは、追加する温度測定モジュールがガラスフリット表面のリアルタイムの温度を測定及びフィードバックでき、所定の昇温又は所定の降温等の方式を採用してガラスフリットを所定の昇温又は降温曲線に従って加熱又は冷却できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1は従来技術において連続的な加熱を採用したガラスフリットのそれぞれ異なる時刻における温度の分布を示す図である。
図2はガラスフリット封止OLEDディスプレイの俯瞰図である。
図3は本発明の実施例一におけるレーザーパッケージングシステムのブロック図である。
図4は本発明の実施例一におけるOLEDディスプレイのガラスフリットレーザー走査パスの概要を示す図である。
図5は本発明の実施例一における単一の走査周期中の所定のレーザー出力曲線の概要を示す図である。
図6A乃至
図6Bは本発明の実施例一におけるレーザー速度と出力がガラスフリットの温度変化に及ぼす影響をシミュレーションした曲線の概要を示す図である。
図7は本発明の実施例一における開始停止区域のレーザー走査モジュールとレーザー出力の第一の同期制御方式を採用したものの概要を示す図である。
図8は本発明の実施例二におけるレーザーパッケージングシステムのブロック図である。
図9は本発明の実施例二におけるレーザーパッケージングシステムの構造の概要を示す図である。
図10は開始停止区域のレーザー走査モジュールとレーザー出力の第二の同期制御方式を採用したものの概要を示す図である。
図11は本発明の実施例二における所定の昇温と所定の降温の曲線の概要を示す図である。
図12は本発明の実施例一又は実施例二においてレーザーパッケージングシステム及び方法を採用して加熱した後のガラスフリットのそれぞれ異なる時刻における温度の分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明のレーザー走査封止ガラスパッケージのシステム及び方法について更に詳細に説明を行う。ここでは本発明の好適な実施例を示すものであり、本分野の技術者であれば、ここで説明される本発明に変更を加え、本発明の有益な効果を実現できることを理解すべきである。従って、以下の説明は本分野の技術者が広く知り得るものであり、本発明を限定するものではないと理解されるべきである。
【0027】
明確性を期するため、実際の実施例の特徴の全てについては説明しない。以下の説明において、本発明につき、不要な枝葉末節を説明することで混乱が生じないよう、公知の機能と構造については詳細に説明しないものとする。実際の実施例の開発において、関連のシステム又は関連の商業上の制約に従い、一つの実施例を別の実施例に変更する等、開発者の特定の目標を達成するために、多数かつ詳細な実施例を実施する必要があることを認識すべきである。また、これら開発業務が複雑かつ時間を要するものであることもあるが、本分野の技術者にとっては通常の業務に過ぎないことを理解すべきである。
【0028】
以下の段落において、図面を参照しつつ例示方式で更に具体的に本発明について説明する。以下の説明と請求の範囲は、本発明の優位性と特徴を更に明確にするものである。なお図面には、全て非常に簡易化した形式を採用し、かつ正確ではない縮尺比率を使用しており、本発明の実施例を容易かつ明確に説明することを補助するためにのみ、これら図面を使用することは言うまでもない。
【0029】
実施例一
図2と
図3に示すように、本実施例においては、レーザーパッケージングシステムが提示されるものであり、OLEDディスプレイ120に対してガラスフリットを採用してハーメチックシールを形成するために用いられる。OLEDディスプレイ120は典型的なガラスパッケージであって、前記OLEDディスプレイ120の主要な構造は、カバープレートガラス121と、ガラスフリット122と、基板ガラス123と、OLED層125と、複数の電極124と、を有する。更に、前記ガラスフリット122がOLEDディスプレイ120の基板ガラス123上に位置し、その横断面図は
図3に示す通りであり、俯瞰図は
図2に示す通りである。前記ガラスフリット122はスクリーン印刷、予備焼結ステップを介して基板ガラス123上に予め硬化され、一定の厚みを有するフィレットされた長方形の封止線が形成される。基板ガラス123上のOLED層125がガラスフリット122封止線の内側に位置し、更に基板ガラス123上にOLEDディスプレイ120内外部に接続される複数の電極124が存在する。
【0030】
本実施例において、前記レーザーパッケージングシステムは、制御装置モジュール201と、レーザーモジュール202とレーザー走査モジュール203とを有し、更に、前記制御装置モジュール201は、それぞれ前記レーザーモジュール202と、レーザー走査モジュール203と、に相互に接続され、前記レーザーモジュール202と前記レーザー走査モジュール203とを制御するために用いられ、前記レーザーモジュール202がレーザー走査モジュール203と相互に接続され、前記レーザーモジュール202がレーザーを生成し、所定の出力でレーザーを前記レーザー走査モジュール203に発射するために用いられ、前記レーザー走査モジュール203がレーザー100の伝送方向と運動特性を変更するために用いられる。前記システムが更にコンピューター200を有し、前記コンピューター200が前記制御装置モジュール201と相互に接続され、前記制御装置モジュール201とのデータ交換を行うために用いられる。
【0031】
更に、前記制御装置モジュール201は単一の制御装置でも、複数の制御装置を組み合わせて形成される制御システムでも、又はコンピューター200内部に統合されて取り付けられる制御ボードでもよい。
【0032】
本実施例において、前記レーザー走査モジュール203は、走査型ガルバノメータとすることができる。前記レーザー走査モジュール203内にサーボモーション機構(図に未表示)を有し、該サーボモーション機構はレーザー100の伝送方向を変更する機能を有し、レーザー100を空間のある固定軸を基準として任意の方向に沿って一定の角度θに偏向させ、偏向角θは最大上限値を有する。レーザー100の偏向方向と偏向角θは制御可能であり、その変化規律は制御装置モジュール201からレーザー走査モジュール203に送信される制御信号によって決定される。前記サーボモーション機構は高速かつ正確にレーザー100の偏向姿勢を変更させることができ、かつ制御信号に基づき、当該走査プロセスにおけるレーザー100の偏向運動特性、例えば角速度、角加速度等の変更を制御することができる。前記レーザー走査モジュール203がレーザー100をガラスフリット122上に投射する。レーザー100がガラスフリット122表面に特定の形状とサイズを有するスポット110を形成する。
【0033】
前記レーザーモジュール202が特定波長のレーザー100を生成し、所定の出力でレーザー100の光エネルギーをレーザー走査モジュール203に伝送することができる。前記所定の出力のレーザー100の光エネルギーはリアルタイムで調整でき、レーザー100の光エネルギーの調整及びレーザー100の伝送の開始と停止はいずれも制御装置モジュール201からレーザーモジュール202に送信される制御信号によって決定される。
【0034】
前記制御装置モジュール201がレーザーモジュール202とレーザー走査モジュール203を同期的に制御し、レーザーモジュール202から出力されるレーザー100の開始と停止、レーザー出力の調節をレーザー走査モジュール203におけるサーボモーション機構の運動と相互に整合させる。又は、前記制御装置モジュール201がレーザー走査モジュール203の制御分解能よりも高い高分解能でレーザーモジュール202を制御し、かつ両者の制御を相互に整合させることができる。制御装置モジュール201とコンピューター200の間においてデータ通信を行うことができ、制御装置モジュール201がコンピューター200から送信される運動軌跡、速度曲線、出力曲線、遅延、目標温度、起動、停止等の情報を受け取り、同時に各モジュールの動作状態等の情報をコンピューターに伝送する。
【0035】
本実施例の別の面として、更に上述のレーザーパッケージングシステムを採用するレーザーパッケージング方法を提示する。前記方法は以下のステップを含む。
【0036】
S100:
前記制御装置モジュール201が前記レーザーモジュール202を制御し、前記レーザーモジュール202に所定の出力曲線を有するレーザー100を発射させる。
S200:
前記制御装置モジュール201が前記レーザー走査モジュール203を制御し、前記レーザー100を、前記レーザー走査モジュール203を介してガラスフリット122上に投射させ、前記レーザー走査モジュール203が前記レーザー100に所定の速度と運動軌跡を維持させつつ前記ガラスフリット122に沿って周期的な走査を行わせ、前記ガラスフリットをガラスフリットの融点に達するまで加熱し、ハーメチックシールを形成する。
【0037】
具体的には、レーザーモジュール202とレーザー走査モジュール203を制御し、レーザー100をガラスフリット122上に投射させ、所定の出力を有するやや高速のレーザー100をガラスフリット122のパターン(封止線の通り)に沿って、即ち、
図4に示す矢印の付いた運動軌跡の通りに移動させ、更に、前記速度範囲が1m/s〜5m/sであり、例えば3m/sである。レーザー100が一定の形状とサイズのスポット110にて
図4におけるa2点のガラスフリット122上に照射され、出力を開始し、封止線に沿って一周の走査を行い、a2点に戻るまでを一走査周期とする。a2点は例示点であり、本文において言及するレーザー100の出力開始点は当該位置に限定されるものではない。一走査周期内において、前記ガラスフリット122はレーザー100のエネルギーを吸収した後、順次加熱され、走査速度が高速であることから、封止線上のガラスフリットがほぼ同時に加熱されると考えられる。正常な状況下において、一走査周期ではガラスフリット122に充分なエネルギーを提供することができないため、一走査周期のみでは、二つのガラス基板121と123を接続することができず、ハーメチックシールを形成することができない。
【0038】
一走査周期内において、走査制御方式が制御装置モジュール201を介してレーザーモジュール202とレーザー走査モジュール203(以下、及び図中において、走査型ガルバノメータ又はガルバノメータと略称する)とを制御し、レーザー100の移動操作とレーザー出力の調整操作を同期させる。所定の出力曲線の方式に基づき、
図5中のレーザー出力曲線に示す通りに、なお、この出力曲線のみに限定されるものではないが、レーザー出力により、所定の位置b1−b2、c1−c2、d1−d2とe1−e2のところにおいて、線形又は非線形の変化を生じさせる。
図4に示すように、所定の位置b1−b2、c1−c2、d1−d2とe1−e2はフィレットされた長方形のコーナー部分である。コーナー部分が必要とするエネルギーは直線部分より小さいため、この部分のレーザー出力は直線部分のレーザー出力より小さいものとすべきである。つまり、所定の出力曲線は加熱区間の出力と湾曲区間の出力とを有し、前記加熱区間の出力はレーザー100が直線部分を走査するレーザー出力であり、前記湾曲区間の出力はレーザー100がコーナー部分を走査するレーザー出力であって、両者には一定の差異が存在し、これにより封止線上のガラスフリット122が相対的に均一なエネルギーを取得できるようにし、相対的に均一な温度上昇を生じさせる。
【0039】
レーザーモジュールとガルバノメータを制御し、レーザー100に上述の走査周期を繰り返させ、複数走査周期のレーザー100を利用して走査を行い、ガラスフリット122に充分なエネルギーを取得させ、前記二つのガラス基板121と123を接続し、ハーメチックシールを形成し、前記レーザー100が一回の周期的な走査を完了した後、その出力値が不変を維持するか、又は昇温が段階的に減少する出力値を採用して次の周期的な走査を行い、後者ではガラスフリット122を温度上昇が段階的に減少する温度曲線を採用して加熱することができ、走査回数を増すことによって目標温度に到達させるか、又は毎回の走査周期に対して等しく異なる出力曲線を採用することができる。
【0040】
図6Aと6Bに示すように、
図6Aが示すのはレーザー出力Pを同じく400Wとし、かつ長さが同じく0.3mのガラスフリット122に対して10回(n=10)の走査を行い、曲線aのレーザー100の走査速度vを3m/s、曲線bの速度vを1m/sとした場合のものであるが、両者の速度の相違が大きいため、得られた昇温曲線にも大きな相違が認められる。
図6Bにおける曲線1、2、3が示すのは走査回数nと走査速度vがいずれも等しく、レーザー出力pが異なる場合に得られた昇温曲線図であり、更に、曲線4は出力pが等しく、速度vと走査回数nが異なる場合に得られた昇温曲線を提示するものである。以上の
図6Aと
図6Bから、走査回数、速度、レーザー出力の三つのパラメータを変更することによって、適切な昇温曲線を得られることが分かる。
【0041】
封止線上のガラスフリット122に充分なエネルギーを吸収させる(所定の温度に達した後)といった一回の走査周期が完了した後、ガラスフリット122を冷却する。一つの冷却方式では自然冷却方式を採用し、レーザー出力を直接的に停止して、ガラスフリット122を自然冷却させる。封止線上のガラスフリット122は同期的に加熱されるものであるため、その冷却速度は連続的な冷却速度より更に緩やかなものとなる。また別の冷却方式では前記ガラスフリットが所定の温度に冷却されるまで、加熱の出力値より低い冷却出力値を用いて周期的な走査を行う方式とする。即ち、加熱が完了した後、なお走査周期を繰り返し、所定の出力曲線の方式を介して、比較的低いレーザー出力でガラスフリット122を走査し、ガラスフリット122を所定の冷却曲線に従って冷却させる方式を採用する。冷却曲線が緩やかな冷却速度を有するように制御できることによって、比較的温度差の小さい冷却プロセスにおいて比較的良好な熱応力を生成することができる。更に後者のガラスフリット122の冷却制御方式は、ガラスフリット122の全冷却プロセスに対して制御を行う方式であってもよく、またガラスフリット122の自然冷却プロセスにおけるある一区間の冷却速度が相対的に高速な部分のみを対象とする制御を行い、その他の部分には自然冷却を採用する方式であってもよい。
【0042】
レーザー100の走査起動区域と停止区域には最適化された制御方法を採用する。一つの最適化方法は、起動区域、即ち、
図4中のa1〜a2区域において、ガルバノメータの運動を制御し、レーザー出力を起動させず、ガルバノメータ内部のサーボ機構をa2点に達する前に所定の運動軌跡と運動速度に入らせ、その後、a2点においてレーザー出力を起動し、この時、レーザー100も所定の運動軌跡と運動速度を有し、全ての走査周期が完了した後、a2点においてレーザー出力を停止し、かつガルバノメータ内部のサーボ機構が所定の運動軌跡と速度で一定時間の稼働を維持するようにし、a3点においてサーボ機構の運動を停止させる。
図7を参照されたい。
【0043】
実施例二
図8に示すように、本実施例において、提示するレーザーパッケージングシステムは実施例一に対し温度測定モジュール204を追加的に備え、前記温度測定モジュール204は、前記制御装置モジュール201と相互に接続され、レーザー100がガラスフリット122表面上に照射するスポット110のリアルタイム温度を測定し、スポットのリアルタイム温度を前記制御装置モジュール201にフィードバックするために用いられる。前記温度測定モジュール204は、非接触的かつリアルタイムにスポット110の所在する位置のガラスフリット122の温度を測定し、それを制御装置モジュール201にフィードバックする。その特徴は、スポット110が高速運動を行う場合においても、前記温度測定モジュール204がなお充分な時間/空間分解能によってスポット110の所在する場所のガラスフリット122の温度を測定できることである。制御装置モジュール201は、温度測定モジュール204からフィードバックされた温度信号を採集処理し、かつレーザーモジュール202と制御信号を介して閉ループ制御回路を構成する。閉ループ制御回路はレーザー走査モジュール203と同等又はそれ以上の制御分解能を有する。
【0044】
図9に示すように、提示されるレーザー走査封止ガラスパッケージのシステムは、コンピューター210と、制御装置220と、レーザー装置250と、走査型ガルバノメータユニット230と、高温計240とを有し、更に、前記高温計240が温度測定モジュールである。
【0045】
以上より、本実施例において提示するレーザーパッケージング方法は実施例一と以下の通り区別される。
【0046】
所定の昇温方式を採用して前記ガラスフリット122を所定の温度曲線で加熱することができる。所定の降温方式を採用して前記ガラスフリット122を所定の温度曲線で降温することができる。
【0047】
具体的には、一走査周期内において、制御装置220を介してレーザー装置250とガルバノメータ230とを制御し、レーザー100の移動操作とレーザー出力の調整操作を同期させ、高温計240を用いてその時点のレーザー100のスポット110部分のリアルタイムの温度を測定し、制御装置220が高温計240からフィードバックされた温度情報を採集し、かつ所定の目標温度との比較及び計算を行い、レーザー出力のリアルタイムの変化を制御し、これにより封止線上各部分のガラスフリット122に相対的に均一なエネルギーを取得させ、所定の温度に達したら、ガラスフリット122の温度を目標とする閉ループ制御を完了する。温度フィードバックの制御方式においては、所定の温度上昇方式を採用し、ガラスフリット122を所定の温度曲線に従って加熱し、最終的に目標温度に到達させる。
図11中のa−b区間に示す温度曲線を参照されたい。
【0048】
封止線上のガラスフリットに充分なエネルギーを吸収させる(所定の温度に到達した後)といった一回の走査周期が完了した後、冷却方式はなお走査周期を繰り返す方式とすることができ、温度フィードバック制御方式によって、相対的に低いレーザー出力でガラスフリット122を走査し、ガラスフリット122を所定の冷却曲線に従って冷却する。
図11中のb−c区間に示す温度曲線を参照されたい。このガラスフリットの冷却制御方式はガラスフリット122の全冷却プロセスに対して制御を行う方式であってもよく、またガラスフリット122の自然冷却プロセスにおけるある一区間の冷却速度が相対的に高速な部分のみを対象とする制御を行い、その他の部分には自然冷却を採用する方式であってもよい。
図11中のc−dに示す温度曲線を参照されたい。
【0049】
レーザー100の走査起動区域と停止区域について、本実施では以下に記載する別の最適化制御方法を提示する。即ち、起動段階ではa1点においてガルバノメータの運動とレーザーの出力を同期的に起動し、レーザー出力パワーを低出力から段階的に上昇させるように制御し、a2点において所定の出力に到達させると同時に、ガルバノメータも所定の運動状態に入るようにし、その後、正常な周期的な走査を行う。完了段階では、a2点においてレーザー出力パワーを調整して段階的に減少させ、a3点においてレーザーの出力とガルバノメータの運動を同期的に停止する。具体的な制御曲線は
図10に示す通りである。
【0050】
本実施例において提示するレーザーパッケージングシステム及び方法を採用する場合における加熱の均一性が
図12の温度分布より読み取ることができる。従来技術において採用される連続的な輪郭パッケージング方法に比べ、ガラスフリット122は更に均一な温度場の分布を有し、空間走査の結果においても、従来技術に比べ、ガラスフリット122は更に均一な空間温度場の分布を有する。
【0051】
また本技術的解決手段はかなり広いプロセスウインドウを有し、OLEDディスプレイの生産性の向上に寄与する。4.3インチのOLEDディスプレイを例に挙げれば、その封止ガラスフリット輪郭の全長は約0.3mである。既存の連続的な輪郭パッケージング方法では、工程が制限され、最高レーザー走査速度が約20mm/sであり、単独のパッケージング時間は約15sである。一方、本技術的解決手段の方法を用いてパッケージングを行う場合は、プロセスウインドウが広い(それぞれ異なる走査回数、レーザー出力と速度を選択可能である)ことから、走査速度を300mm/s以上に高速化し、レーザー出力も200W以上に上昇させることができ、最大限にパッケージングの効率を向上させることが可能である。
【0052】
本技術的解決手段において、封止線上の各所のガラスフリット122の温度はほぼ同期的かつ均一に変化することから、本技術的解決手段では周期的な走査の回数、一周当たりのレーザー出力又はレーザー運動速度の変化を制御することで、封止ガラスフリット122の昇温、降温曲線を近似するように制御し、従来の技術的解決手段では実現できなかったガラスフリット122に対する所定の昇温曲線と降温曲線に従った制御を実現する。
【0053】
この他、本技術的解決手段は、OLEDディスプレイのハーメチックシールに関する要求事項を満たし、OLEDディスプレイのレーザー封止プロセスにおける起動区域と停止区域の封止に関する課題等を解決することが可能である。
【0054】
以上を要約するに、本発明実施例が提供するレーザーパッケージングシステム及び方法において、前記レーザー走査モジュールがレーザーにガラスフリット上で高速かつ周期的な走査を行わせることができ、これによりガラスフリットを均一かつ同期的に加熱することができ、従来技術のパッケージングプロセスにおける温度場の分布が不均一であるという課題を改善できる。また(本発明が)提示するレーザーパッケージング方法において、レーザーモジュールが所定の出力曲線を有するレーザーを発射することができ、これにより所定の出力曲線に基づきガラスフリットの加熱プロセスを制御できる。
【0055】
好ましくは、追加する温度測定モジュールがガラスフリット表面のリアルタイムの温度を測定及びフィードバックでき、所定の昇温又は所定の降温等の方式を採用してガラスフリットを所定の昇温又は降温曲線に従い加熱又は冷却できる。
【0056】
以上は本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を何ら限定するものではない。本技術分野の技術者が、本発明の技術的解決手段の範囲を逸脱することなく、本発明が開示する技術的解決手段と技術的内容に対して行う如何なる形態の等価的な交換又は修正等の変更も全て本発明の技術的解決手段の内容を逸脱するものではなく、本発明の保護の範囲に該当する。