特許第6374132号(P6374132)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6374132貼合デバイスの製造装置及び貼合デバイスの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6374132
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】貼合デバイスの製造装置及び貼合デバイスの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 37/10 20060101AFI20180806BHJP
【FI】
   B32B37/10
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-73585(P2018-73585)
(22)【出願日】2018年4月6日
【審査請求日】2018年4月27日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000190105
【氏名又は名称】信越エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人 英知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横田 道也
【審査官】 河島 拓未
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−164647(JP,A)
【文献】 特開平11−170366(JP,A)
【文献】 特開2005−219423(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/178390(WO,A1)
【文献】 特開2000−85088(JP,A)
【文献】 特開2012−49318(JP,A)
【文献】 特開2010−153410(JP,A)
【文献】 特表2017−512664(JP,A)
【文献】 特開2010−52431(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/163137(WO,A1)
【文献】 特開2018−75804(JP,A)
【文献】 特開平11−348130(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0273126(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
H01L 21/68
G02F 1/13−1/1334
1/1339−1/1341
1/1347
1/137−1/141
G09F 9/00
B29C 63/00−63/48
65/00−65/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変形不能な第一ワークを着脱自在に保持する第一保持部材と、
変形可能な第二ワークを着脱自在に保持する第二保持部材と、
前記第一保持部材又は前記第二保持部材のいずれか一方若しくは両方を相対的に接近移動させる駆動部と、
前記第一保持部材に保持された前記第一ワークと前記第二保持部材に保持された前記第二ワークとの間に形成される貼り合わせ空間と、
前記貼り合わせ空間を大気雰囲気から所定真空度の減圧雰囲気まで内圧調整する調圧部と、
前記駆動部及び前記調圧部を作動制御する制御部と、を備え、
前記第一保持部材は、前記第二保持部材に保持された前記第二ワークの外周部と対向する押圧部を有し、
前記制御部は、前記駆動部による前記第一ワークと前記第二ワークの接近移動に伴い、前記押圧部が前記第二ワークの前記外周部を挟んで前記第二保持部材の外側部に接し、前記調圧部で前記貼り合わせ空間が減圧雰囲気に減圧され、その後の前記第一ワークと前記第二ワークの接近移動により、前記押圧部が前記第二ワークの前記外周部に対して前記第二ワークの中心側から外周側へ向かう張力を与えながら、前記第一ワークの表面と前記第二ワークの内側面が重ね合わされるように制御することを特徴とする貼合デバイスの製造装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記押圧部が前記第二ワークの前記外周部を挟んで前記第二保持部材の前記外側部と接触してから、前記調圧部で前記貼り合わせ空間が減圧されるように制御することを特徴とする請求項1記載の貼合デバイスの製造装置。
【請求項3】
前記第一保持部材の前記押圧部が、前記第二ワークの前記外周部を挟んで前記第二保持部材の傾斜した外側部との当接に伴って弾性的に拡開変形する先端部位を有することを特徴とする請求項1又は2記載の貼合デバイスの製造装置。
【請求項4】
前記第二保持部材の前記外側部が、前記第二ワークの前記外周部を挟んだ前記第一保持部材の前記押圧部の押し込みに伴って弾性的に圧縮変形する可撓部位を有することを特徴とする請求項1又は2記載の貼合デバイスの製造装置。
【請求項5】
前記第二保持部材の前記外側部が、前記第一保持部材の前記押圧部と対向する凹溝を有し、前記押圧部が前記駆動部による前記第一ワークと前記第二ワークの接近移動に伴って前記凹溝に入り込む先端部位を有することを特徴とする請求項1又は2記載の貼合デバイスの製造装置。
【請求項6】
前記第一保持部材及び前記第二保持部材が、前記第二ワークの前記外周部よりも外側の外縁部と対向する挟持部を有し、前記挟持部の間隔が、前記第一保持部材の前記押圧部から前記第二保持部材の前記外側部までの間隔と同じ又はそれよりも短く設定されることを特徴とする請求項1又は2記載の貼合デバイスの製造装置。
【請求項7】
前記第二保持部材が、前記第二ワークを挟んで前記第一ワークの前記表面と対向する第二ワーク接触面を有し、前記第二ワーク接触面が前記第一ワークの前記表面の形状と嵌り合う嵌合凹凸部を有することを特徴とする請求項1又は2記載の貼合デバイスの製造装置。
【請求項8】
変形不能な第一ワークが着脱自在に保持された第一保持部材又は変形可能な第二ワークが着脱自在に保持された第二保持部材のいずれか一方若しくは両方を駆動部で相対的に接近移動させて両者間に貼り合せ空間を形成する接近移動工程と、
前記貼り合わせ空間を調圧部で大気雰囲気から所定真空度の減圧雰囲気まで減圧させる減圧工程と、
前記駆動部による前記第一保持部材と前記第二保持部材の相対的な接近移動に伴って前記第一ワーク及び前記第二ワークを重ね合わせる重ね合わせ工程と、
重ね合わされた前記第一ワーク及び前記第二ワークの周囲を前記調圧部で前記大気雰囲気に戻す大気開放工程と、を含み、
少なくとも前記重ね合わせ工程では、前記第一保持部材の押圧部が前記第二ワークの前記外周部に対して前記第二ワークの中心側から外周側へ向かう張力を与えながら、前記第一ワークの表面と前記第二ワークの内側面を重ね合わせることを特徴とする貼合デバイスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばフラットパネルディスプレイ(FPD)やタッチパネルや3D(3次元)ディスプレイなどのような、硬質の基板からなる変形不能な板状の第一ワークに対し、枚葉のシート状又はフィルム状の変形可能(フレキシブル)な第二ワークを、無気泡で且つシワ無く均一に貼り合せるために用いられる貼合デバイスの製造装置、及び、貼合デバイスを生産するための製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の貼合デバイスの製造装置として、配線パターンが形成された基板にドライフィルムレジストを貼り付ける際、ヒータが内蔵されたローラで、基板上に供給されたドライフィルムレジストを基板の配線パターン形成面に押圧しながら、配線パターン形成面の一端縁側から他端縁側まで移動させることにより、基板の配線パターン形成面とドライフィルムレジストとの間に気泡が混入することを可及的に防止し、気泡が混入した際には速やかに気泡を解消することが可能なドライフィルムレジスト貼付装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−288255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、貼り合せ対象となる基板の表面には、配線パターンなどの微細な凹凸や曲面を有するものがあり、微細な凹凸や曲面に対しても、フレキシブルなシートやフィルムを無気泡で且つシワ無く均一に貼り合せたいという需要がある。
しかし乍ら、特許文献1では、ローラの移動による押圧で基板とドライフィルムレジストとの間に残った気泡を追い出して貼り合せる。このため、基板の表面(配線パターン形成面)に微細な凹凸面や曲面がある場合には、微細な凹凸面や曲面とドライフィルムレジスト面との間に気泡が残って、シートやフィルムにシワを生じさせる原因にもなり、これらの気泡やシワを除去することが困難となる。
これにより、表面に微細な凹凸面や曲面がある基板とドライフィルムレジストを完全に密着させることができず、高精度な貼り合せが行えないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題を解決するために本発明に係る貼合デバイスの製造装置は、変形不能な第一ワークを着脱自在に保持する第一保持部材と、変形可能な第二ワークを着脱自在に保持する第二保持部材と、前記第一保持部材又は前記第二保持部材のいずれか一方若しくは両方を相対的に接近移動させる駆動部と、前記第一保持部材に保持された前記第一ワークと前記第二保持部材に保持された前記第二ワークとの間に形成される貼り合わせ空間と、前記貼り合わせ空間を大気雰囲気から所定真空度の減圧雰囲気まで内圧調整する調圧部と、前記駆動部及び前記調圧部を作動制御する制御部と、を備え、前記第一保持部材は、前記第二保持部材に保持された前記第二ワークの外周部と対向する押圧部を有し、前記制御部は、前記駆動部による前記第一ワークと前記第二ワークの接近移動に伴い、前記押圧部が前記第二ワークの前記外周部を挟んで前記第二保持部材の外側部に接し、前記調圧部で前記貼り合わせ空間が減圧雰囲気に減圧され、その後の前記第一ワークと前記第二ワークの接近移動により、前記押圧部が前記第二ワークの前記外周部に対して前記第二ワークの中心側から外周側へ向かう張力を与えながら、前記第一ワークの表面と前記第二ワークの内側面が重ね合わされるように制御することを特徴とする。
また、このような課題を解決するために本発明に係る貼合デバイスの製造方法は、変形不能な第一ワークが着脱自在に保持された第一保持部材又は変形可能な第二ワークが着脱自在に保持された第二保持部材のいずれか一方若しくは両方を駆動部で相対的に接近移動させて両者間に貼り合せ空間を形成する接近移動工程と、前記貼り合わせ空間を調圧部で大気雰囲気から所定真空度の減圧雰囲気まで減圧させる減圧工程と、前記駆動部による前記第一保持部材と前記第二保持部材の相対的な接近移動に伴って前記第一ワーク及び前記第二ワークを重ね合わせる重ね合わせ工程と、重ね合わされた前記第一ワーク及び前記第二ワークの周囲を前記調圧部で前記大気雰囲気に戻す大気開放工程と、を含み、少なくとも前記重ね合わせ工程では、前記第一保持部材の押圧部が前記第二ワークの前記外周部に対して前記第二ワークの中心側から外周側へ向かう張力を与えながら、前記第一ワークの表面と前記第二ワークの内側面を重ね合わせることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の実施形態(第一実施形態)に係る貼合デバイスの製造装置及び貼合デバイスの製造方法の全体構成を示す説明図であり、(a)が初期状態(搬入工程)の縦断正面図、(b)(c)が中間状態(接近移動工程,減圧工程)の縦断正面図、(d)が貼り合せ完了状態(大気開放工程,搬出工程)の縦断正面図である。
図2】同底面図及び同平面図で、(a)が図1(a)の(2A)−(2A)線に沿える第一保持部材及び第一ワークの縮小底面図、(b)が図1(a)の(2B)−(2B)線に沿える第二保持部材及び第二ワークの縮小平面図である。
図3】押圧部の変形例を示す説明図であり、(a)〜(f)が押圧部の部分拡大縦断正面図である。
図4】本発明の第二実施形態に係る貼合デバイスの製造装置及び貼合デバイスの製造方法の全体構成を示す説明図であり、(a)が初期状態(搬入工程)の縦断正面図、(b)(c)が中間状態(接近移動工程,減圧工程)の縦断正面図、(d)が貼り合せ状態(重ね合わせ工程,大気開放工程,搬出工程)の縦断正面図である。
図5】本発明の第三実施形態に係る貼合デバイスの製造装置及び貼合デバイスの製造方法の全体構成を示す説明図であり、(a)が初期状態(搬入工程)の縦断正面図、(b)(c)が中間状態(接近移動工程,減圧工程)の縦断正面図、(d)が貼り合せ状態(重ね合わせ工程,大気開放工程,搬出工程)の縦断正面図である。
図6】本発明の第四実施形態に係る貼合デバイスの製造装置及び貼合デバイスの製造方法の全体構成を示す説明図であり、(a)が初期状態(搬入工程)の縦断正面図、(b)(c)が中間状態(接近移動工程,減圧工程)の縦断正面図、(d)が貼り合せ状態(重ね合わせ工程,大気開放工程,搬出工程)の縦断正面図である。
図7】本発明の第五実施形態に係る貼合デバイスの製造装置及び貼合デバイスの製造方法の全体構成を示す説明図であり、(a)が初期状態(搬入工程)の縦断正面図、(b)(c)が中間状態(接近移動工程,減圧工程)の縦断正面図、(d)が貼り合せ状態(重ね合わせ工程,大気開放工程,搬出工程)の縦断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る貼合デバイスAの製造装置B及び製造方法は、図1図7に示すように、変形不能な第一ワークWを第一保持部材1に保持するとともに、変形可能な枚葉の第二ワークSを第二保持部材2に保持し、第一保持部材1又は第二保持部材2のいずれか一方若しくは両方の相対的な接近移動により、第一ワークWと第二ワークS減圧雰囲気DPで貼り合わせるワーク貼合装置及びワーク貼合方法である。
貼合デバイスAは、例えばLCDなどのFPDやタッチパネルや3D(3次元)ディスプレイなどのような、第一ワークWと第二ワークSの貼り合せによって構成部品が一体的に組み付けられたモジュールなどを含む薄板状の構造体である。
第一ワークWは、ガラスなどの硬質材料やそれに類似する剛性の高い材料で略矩形(長方形及び正方形を含む角が直角の四辺形)又は円形などの板状に形成される。第一ワークWの具体例としては、第二ワークSとZ方向へ対向する表面W1に配線パターンなどの微細な凹凸面や曲面を有するものが含まれる。
第二ワークSは、合成樹脂などの軟質材料やそれに類似する剛性の低いフレキシブルな材料で略矩形又は円形などのシート状又はフィルム状に形成される。第二ワークSの具体例としては、第一ワークWとZ方向へ対向する内側面S1にOCA(Optical Clear Adhesive)が形成されたシート、ドライフィルムレジスト(ドライレジストフィルム)などが挙げられる。
【0008】
詳しく説明すると、本発明の実施形態に係る貼合デバイスAの製造装置Bは、第一ワークWを着脱自在に保持する第一保持部材1と、第二ワークSを着脱自在に保持する第二保持部材2と、第一保持部材1又は第二保持部材2のいずれか一方若しくは両方を相対的に接近移動させる駆動部3と、第一保持部材1に保持された第一ワークWと第二保持部材2に保持された第二ワークSとの間に形成される貼り合わせ空間41と、貼り合わせ空間41の内圧を調整する調圧部5と、駆動部3や調圧部5などを作動制御する制御部6と、を主要な構成要素として備えている。
貼合デバイスAの製造方法は、第一保持部材1と第二保持部材2が対向して配置され、大気中で第一保持部材1に第一ワークWを保持するとともに、第二保持部材2に第二ワークSを保持する。その後、第一保持部材1又は第二保持部材2のいずれか一方か若しくは両方を相対的に接近移動させることにより、第一ワークWと第二ワークSが貼り合せ空間41を挟んで互いに接近する。この接近移動と連動して貼り合せ空間41を真空に減圧した後に、第一ワークWと第二ワークSを重ね合わせて貼り合せる(合着する)。これに続いて、第一ワークW又は第二ワークSのいずれか一方の保持を解除した後に、第一ワークW及び第二ワークSの周囲を大気圧に戻す。これによって、第一ワークW及び第二ワークSの間に形成される封止空間と外部との圧力差が生じ、この圧力差により所定ギャップまで均等に加圧されて貼合デバイスAが完成する。
なお、第一保持部材1と第二保持部材2は、図1図7に示されるように通常、上下方向へ対向して昇降するか或いは反転して相対的に接近又は隔離移動するように設けられる。第一保持部材1及び第二保持部材2の相対的な接近移動によって第一ワークWと第二ワークSが重なり合う方向を以下「Z方向」という。Z方向と交差する第一ワークW及び第二ワークSに沿った方向を以下「XY方向」という。
【0009】
第一保持部材1は、金属などの剛体で歪み(撓み)変形しない厚さの定盤などからなり、第一ワークWの外形寸法よりも大きい略矩形又は円形などの平板状に形成され、第一ワークWの裏面W2とZ方向へ対向する第一ワーク接触面1aを有している。
第一ワーク接触面1aは、第一保持部材1の中央側に配置され、第一ワークWの裏面W2の形状に対応した平滑な平面状又は曲面状などに形成される。第一ワーク接触面1aには、搬入された第一ワークWの裏面W2と接触することで着脱自在に保持(吊持)するための保持チャック11が設けられる。
保持チャック11の具体例としては、貼り合わせ空間41が所定真空度の減圧雰囲気DPになっても第一ワークWが落下しないように、第一ワークWに粘着する粘着チャックを用いることが好ましい。保持チャック11となる粘着チャックは、その全体又は一部が例えばフッ素ゴムやエラストマー、ブチルゴム、感光性樹脂、アクリル系やシリコン系などの粘着材料からなり、第一ワークWの非貼り合せ面を直接的に粘着保持するように構成される。
また、保持チャック11の他の例としては、粘着チャックに代え静電チャックを用いることや、粘着チャックに加えて減圧雰囲気の気圧よりも低い気圧からなる真空吸着チャックや静電チャックを併用することなどの変更も可能である。
なお、必要に応じて第一保持部材1は、第一ワークWを所定温度に加熱するためのヒーター(図示しない)が内蔵されてもよい。
【0010】
さらに第一保持部材1は、後述する第二保持部材2に保持された第二ワークSの外周部S2とZ方向へ対向する押圧部12を有し、押圧部12が第一ワーク接触面1aよりも外側に配置される。
押圧部12は、合成樹脂やゴムやシリコーンなどの弾性変形可能な軟質材料やそれに類似する可撓性を有する材料か、又は硬質材料やそれに類似する変形不能な材料で、保持チャック11で保持した第一ワークWの周囲を囲む額縁状(四角枠状)や環状(円環状)などに形成される。押圧部12の形状は、第二ワークSとの接触時において押圧部12により貼り合わせ空間41の内外に圧力差が生じないように連通性を有する構造に構成することが好ましい。さらに押圧部12は、第一ワーク接触面1aの保持チャック11で保持した第一ワークWよりもZ方向へ突出する先端部位12aを有している。
これに加えて押圧部12は、第一保持部材1(第一ワークW)と第二保持部材2(第二ワークS)の接近移動に伴い、押圧部12の先端部位12aが第二ワークSの外周部S2を挟んで第二保持部材2(外側部22)と突き当たって接して、第二ワークSの外周部S2をその中心側から外周側へ向け押し広げるように構成される。これにより、第二ワークSの全体がXY方向へ引っ張られ、第二ワークSに対してその中心側から外周側へ向かう張力が与えられる。
【0011】
第二保持部材2は、金属などの剛体で歪み(撓み)変形しない厚さの定盤などからなり、第一ワークWや第二ワークSの外形寸法よりも大きい略矩形又は円形などの平板状に形成される。第二保持部材2は、第二ワークSの外側面S3や第二ワークSを挟んで第一ワークWの表面W1とZ方向へ対向する第二ワーク接触面2aを有している。
第二ワーク接触面2aは、第二保持部材2の中央側に配置され、第一ワークWの表面W1の形状と対応して第一ワークWの表面W1と嵌り合う平面状又は曲面状などの形状に形成される。第二ワーク接触面2aには、搬入された第二ワークSの外側面S3と接触することで移動不能に仮止めするための位置決め部21が設けられる。
第二ワークSの位置決め部21は、吸着手段などからなるチャック機構であり、第二ワーク接触面2aの一部又は全体に配置されてもよい。
位置決め部21となるチャック機構の具体例としては、第二ワーク接触面2aの全体に配置する必要はなく、第二ワーク接触面2aの略中心部分のみに配置するだけでも、第二ワークSの外側面S3を移動不能で且つ着脱自在に仮止め保持可能となる。
また、位置決め部21となるチャック機構の他の例としては、吸着手段を第二ワーク接触面2aの全体に配置することや、吸着手段に代えて粘着手段や静電吸着手段を用いることや、吸着手段に加えて粘着手段や静電吸着手段を併用することなどの変更も可能である。
なお、必要に応じて第二保持部材2は、第二ワークSを所定温度に加熱するためのヒーター(図示しない)が内蔵されてもよい。変形可能なシート状又はフィルム状の第二ワークSを加熱した場合には、第二ワークSが熱膨張して伸び易くなる。
【0012】
さらに第二保持部材2は、第二保持部材2に保持された第二ワークSの外周部S2を挟んで第一保持部材1の押圧部12とZ方向へ対向する外側部22を有し、外側部22が第二ワーク接触面2aよりも外側に配置される。
第二保持部材2の外側部22は、硬質材料やそれに類似する変形不能な材料か、又は合成樹脂やゴムなどの弾性変形可能な軟質材料やそれに類似する可撓性を有する材料で、額縁状(四角枠状)や環状(円環状)などに形成される。
これに加えて外側部22は、第一保持部材1に保持された第一ワークWと、第二保持部材2に保持された第二ワークSとの相対的な接近移動に伴い、第二ワークSの外周部S2を挟んで第一保持部材1の押圧部12が接して、押圧部12の先端部位12aを第二ワーク接触面2aの延長平面よりも奥側へ突出させるように構成される。これにより、第二ワークSの全体がXY方向へ引っ張られ、第二ワークSに対してその中心側から外周側へ向かう張力が与えられる。
【0013】
駆動部3は、第一保持部材1又は第二保持部材2のいずれか一方か若しくは第一保持部材1及び第二保持部材2の両方を、昇降或いは反転により往復動させるアクチュエーターなどで構成され、後述する制御部6により作動制御している。
後述する制御部6による駆動部3の制御例としては、図1(a)などに示される第一ワークWや第二ワークSの搬入時と、図示しない貼合デバイスAの搬出時には、第一保持部材1と第二保持部材2を相対的に離隔移動させる。それ以外は、図1(b)(c)(d)などに示されるように、第一保持部材1と第二保持部材2を相対的に接近移動させる。特に必要がある場合には、第一保持部材1と第二保持部材2を更に接近移動させて第一ワークWと第二ワークSをZ方向へ加圧して貼り合わせる。
詳しく説明すると、接離用の駆動部3によって、搬入時や搬出時には、第一保持部材1又は第二保持部材2のいずれか一方を他方から相対的に離隔移動させるか、若しくは第一保持部材1及び第二保持部材2の両方を互いに相対的に離隔移動させている。それ以外は、第一保持部材1又は第二保持部材2のいずれか一方を他方に向けて接近移動させるか、若しくは第一保持部材1及び第二保持部材2の両方を互いに接近移動させている。
【0014】
接離用の駆動部3の具体例として、図1図7に示される例の場合には、第二保持部材2のみを駆動部3と連係することで、第一保持部材1に向けZ方向へ昇降移動させている。
また、その他の例として図示しないが、第一保持部材1のみを昇降用の駆動部3と連係して、第二保持部材2に向けZ方向へ昇降移動させることや、第一保持部材1及び第二保持部材2をそれぞれ昇降用の駆動部3と連係して、第一保持部材1と第二保持部材2を同時にZ方向へ昇降移動させることなどの変更が可能である。なお、このような昇降移動に代え、駆動部3による水平な回転軸を中心とした反転移動で第一保持部材1又は第二保持部材2のいずれか一方若しくは両方を相対的に接近移動させるように変更することも可能である。
なお、駆動部3による第一保持部材1と第二保持部材2の接近移動は、第一ワーク接触面1aに保持された第一ワークWの表面W1と、第二ワーク接触面2aに保持された第二ワークSの内側面S1とがそれぞれ面全体を均一に当接させることが好ましい。このため、第一保持部材1又は第二保持部材2のいずれか一方か若しくは第一保持部材1及び第二保持部材2の両方には、例えば図7に示されるように、弾性変形可能な材料からなる緩衝材7を第一ワーク接触面1aや第二ワーク接触面2aの背後に設けることも可能である。
【0015】
貼り合わせ空間41は、真空チャンバーなどからなる真空装置4の内部スペース4aにおいて、第一ワーク接触面1aに保持された第一ワークWと、第二ワーク接触面2aに保持された第二ワークSとの間に形成される。
真空装置4は、真空ポンプなどの調圧部5を有し、調圧部5の作動で真空装置4の内部スペース4aと、貼り合わせ空間41(第一ワークW及び第二ワークSの間)とから気体を排出(真空排気、真空引き)するように構成される。
調圧部5は、後述する制御部6により作動制御され、駆動部3による第一ワークW及び第二ワークSの接近移動中において、真空装置4の内部スペース4a及び貼り合わせ空間41からの気体排出を開始させる。これにより、真空装置4の内部スペース4a及び貼り合わせ空間41がそれぞれ大気雰囲気APから所定真空度の減圧雰囲気DPまで変圧調整可能に制御される。
詳しく説明すると、第一ワークW及び第二ワークSの接近移動に伴って第一保持部材1の押圧部12が第二ワークSの外周部S2に接触した後に、貼り合わせ空間41から気体の排出を開始して減圧させることが好ましい。これにより、押圧部12が第二ワークSの外周部S2に接触した状態で貼り合わせ空間41(第一ワークW及び第二ワークSの間)は、所定真空度の減圧雰囲気DPまで変圧調整可能に制御される。
つまり、第一保持部材1の押圧部12は、第二ワークSの外周部S2と接触しても、第一ワークW及び第二ワークSの間に形成される貼り合わせ空間41と、真空装置4の内部スペース4aとが連通状態に保たれる連通性を有する構造に構成することが好ましい。
【0016】
さらに真空装置4は、真空装置4の内部スペース4aに第一ワークW及び第二ワークSを出し入れするためにその全体又は一部が開閉自在に構成される。真空装置4の内部スペース4aと真空装置4の外部空間Oに亘って、例えば搬送ロボットなどの搬送機構(図示しない)を設けることで自動化が図れる。
詳しく説明すると、真空装置4の内部スペース4aが大気雰囲気APである時に、搬送機構で外部空間Oから内部スペース4aへ第一ワークWと第二ワークSをそれぞれ搬入して、第一保持部材1と第二保持部材2に受け渡す。この受け渡し後は、真空装置4の内部スペース4a及び貼り合わせ空間41を所定真空度の減圧雰囲気DPにしてから、第一ワークWと第二ワークSの重ね合わせが行われる。この重ね合わせ後は、真空装置4の内部スペース4aを大気雰囲気APに戻してから、貼合デバイスAが外部空間Oへ搬出される。
真空装置4の具体例として図1図7に示される例の場合には、駆動部3による第一保持部材1と第二保持部材2の相対的な昇降移動と連動して、真空装置4の全体がZ方向へ開閉動するように構成されている。
また、その他の例として図示しないが、駆動部3による第一保持部材1と第二保持部材2の相対的な昇降移動と連動して真空装置4の一部をZ方向へ開閉動させることや、駆動部3による第一保持部材1と第二保持部材2の相対的な反転移動と連動して真空装置4の全体を開閉動させるなどの変更が可能である。
なお、シート状又はフィルム状の第二ワークSは、枚葉単独での搬送が困難である。そこで第二ワークSの搬送機構としては、枚葉の第二ワークSを仮止めする保持部が設けられたトレー状の搬送機構を用いることが好ましい。この場合には、トレー状の搬送機構で枚葉の第二ワークSを仮止めしたまま搬入し、トレー状の搬送機構と第二保持部材2を合体させて一体化することも可能である。枚葉の第二ワークSを仮止めする保持部としては、粘着手段で第二ワークSの略中心部分のみを仮止めすることが望ましい。
【0017】
制御部6は、接離用の駆動部3や調圧部5だけでなく、第一ワークWや第二ワークSの搬送機構,保持チャック11の駆動源,位置決め部21駆動源などにも電気的に接続するコントローラーである。
制御部6となるコントローラーは、その制御回路(図示しない)に予め設定されたプログラムに従って、予め設定されたタイミングで順次それぞれ作動制御している。
【0018】
そして、制御部6の制御回路に設定されたプログラムを、貼合デバイスAを生産するための製造方法として説明する。
本発明の実施形態に係る貼合デバイスAの製造方法は、第一保持部材1又は第二保持部材2のいずれか一方か若しくは両方を相対的に接近移動させて両者間に貼り合せ空間41を形成する接近移動工程と、貼り合わせ空間41を大気雰囲気APから所定真空度の減圧雰囲気DPまで減圧させる減圧工程と、第一保持部材1と第二保持部材2の相対的な接近移動に伴って第一ワークWと第二ワークSを重ね合わせる重ね合わせ工程と、重ね合わされた第一ワークW及び第二ワークSの周囲を大気雰囲気APに戻す大気開放工程と、を主要な工程として含んでいる。
さらに、接近移動工程の前には、第一ワークWと第二ワークSの搬入工程を含むことが好ましく、大気開放工程の後には、貼合デバイスAの搬出工程を含むことが好ましい。
【0019】
搬入工程では、図1(a)などに示されるように、真空装置4の内部スペース4aにおいて第一保持部材1と第二保持部材2を相対的に離隔移動させ、大気雰囲気APで待機している。この大気状態で第一ワークWが搬送機構により第一保持部材1の第一ワーク接触面1aに向け搬入されて、第一ワークWの裏面W2を保持チャック11で第一ワーク接触面1aの所定位置にセットする。
また第二ワークSが搬送機構により第二保持部材2の第二ワーク接触面2aに向け搬入されて、第二ワークSの外側面S3を位置決め部21で第二ワーク接触面2aの所定位置にセットする。
【0020】
接近移動工程では、図1(b)(c)や図1(d)の実線などに示されるように、接離用の駆動部3により第一保持部材1(第一ワークW)と第二保持部材2(第二ワークS)とを相対的に接近移動させる。
これにより、第一ワークWと第二ワークSの間に形成される貼り合わせ空間41が徐々に狭くなる。
駆動部3による第一ワークWと第二ワークSの接近移動は、図1(b)などに示されるように、第一保持部材1の押圧部12が第二ワークSの外周部S2を挟んで第二保持部材2の外側部22に突き当たり接触した時点で一時停止させることが好ましい。これに続いて、後述する減圧条件が満たされた後に、駆動部3による接近移動を再度始動させることが好ましい。
【0021】
減圧工程では、図1(b)(c)や(d)の実線などに示されるように、駆動部3による第一ワークWと第二ワークSの接近移動中に、調圧部5で真空装置4の内部スペース4a及び貼り合わせ空間41(第一ワークW及び第二ワークSの間)の気体を外部空間Oへ排出して大気雰囲気APから所定真空度の減圧雰囲気DPに減圧させている。
詳しくは、第一保持部材1の押圧部12が第二ワークSの外周部S2を挟んで第二保持部材2の外側部22に接触した後に、調圧部5による気体排気を開始して貼り合わせ空間41が所定真空度の減圧雰囲気DPに減圧され、この減圧雰囲気DPで駆動部3による第一ワークWと第二ワークSの接近移動を再度始動することが好ましい。
なお、第一保持部材1の押圧部12が第二ワークSの外周部S2を挟んで第二保持部材2の外側部22に接触すると、押圧部12の内側空間となる貼り合わせ空間41は、真空装置4の内部スペース4aと遮断される可能性がある。しかし、押圧部12を連通性がある構造に構成した場合には、押圧部12の内側空間(貼り合わせ空間41)と押圧部12による貼り合わせ空間41の内外に気圧差が生じない。
【0022】
重ね合わせ工程は、図1(c)などに示されるように、駆動部3による第一保持部材1と第二保持部材2の相対的な接近移動に伴って、第一保持部材1に保持された第一ワークWの表面W1と、第二保持部材2に保持された第二ワークSの内側面S1とを更に接近させる。
このような接近移動により、第一保持部材1の押圧部12が第二ワークSの外周部S2を挟んで第二ワークSの外周部S2に圧接し、押圧部12で第二ワークSの外周部S2がその中心側から外周側へ向け押し広げられて、第二ワークSの全体がXY方向へ引っ張られる。
このため、図1(d)の実線などに示されるように、中心側から外周側に引っ張られた第二ワークSの内側面S1に対して、第一ワークWの表面W1が重ね合わされる。
また必要に応じて、第一ワークWと第二ワークSの重ね合わせ前の時点で、第一ワークWと第二ワークSの接近方向(Z方向)と交差するXYθ方向へ相対的に位置合わすることも可能である。
【0023】
大気開放工程では、図1(d)の二点鎖線などに示されるように、第一保持部材1の保持チャック11による第一ワークWの保持を解除するか、又は第二保持部材2の位置決め部21による第二ワークSの保持を解除してから、調圧部5で真空装置4の内部スペース4aを減圧雰囲気DPから大気雰囲気APに戻す。図示例では、第一保持部材1に対して第一ワークWの保持を解除しているが、第二保持部材2に対して第二ワークSの保持を解除するように変更してよい。
これにより、大気圧による第二ワークSの内側と外側の圧力差で第二ワークSの内側面S1が第一ワークWの表面W1に沿って密着し、貼合デバイスAが完成する。
搬出工程では、真空装置4が開口したところで、貼り合せが完了した貼合デバイスAを搬送機構により真空装置4の内部スペース4aから外部空間Oへ搬出する。
【0024】
次に、本発明の第一実施形態〜第五実施形態について説明する。
本発明の第一実施形態に係る貼合デバイスAの製造装置B1では、図1(a)〜(d)及び図2(a)(b)に示されるように、第一保持部材1の押圧部12と第二保持部材2の外側部22がそれぞれ額縁状に形成され、押圧部12が弾性変形可能な先端部位12aを有し、第一ワークW及び第二ワークSの接近移動に伴い、押圧部12の先端部位12aを傾斜した外側部22に沿ってXY方向へ拡開変形させるように構成されている。
これにより、XY方向へ拡開変形した押圧部12の先端部位12aで第二ワークSの外周部S2をそれぞれ第二保持部材2の外側部22(傾斜面22a)に沿って押し広げ、第二ワークSの全体が外側に引っ張られる。
図1(a)〜(d)及び図2(a)に示される例では、第一保持部材1の押圧部12が第一保持部材1の四辺に沿った断面略U字形の中実状に成形された突片であり、押圧部12の先端部位12aが第二ワークSの外周部S2に接触することにより、押圧部12の先端部位12aにおいて額縁状の角部12bが分離される構造に構成されている。このため、押圧部12の先端部位12aには、角部12bの分離によって貼り合わせ空間41(第一ワークW及び第二ワークSの間)と真空装置4の内部スペース4aとを連通する通路12pが形成される。
なお、その他の例として図示しないが、角部12bの分離構造に代えて、角部12bに相当する連結部位を伸張変形させて、先端部位12aが四角枠状の形態を第一保持部材1の四辺と略平行に保持しながらスムーズに拡開変形させる構造に変更することも可能である。この場合には、押圧部12に貫通孔や溝などからなる通路12pを部分的に形成して、貼り合わせ空間41(第一ワークW及び第二ワークSの間)と真空装置4の内部スペース4aとを連通させることが好ましい。
第二保持部材2の外側部22は、変形不能な材料で第二保持部材2の四辺に沿って成形された四角枠状部位であり、第二保持部材2の四辺に向かって第二ワーク接触面2aの延長平面から徐々に離隔する傾斜面22aを有している。
図1(a)〜(d)及び図2(b)に示される例では、傾斜面22aが平面状に形成されている。なお、その他の例として図示しないが、傾斜面22aを曲面状に形成するなどの変更が可能である。
【0025】
また押圧部12の変形例を図3(a)〜(d)に示す。
図3(a)に示される押圧部12は、押圧部12の外側に凹状部位12cを部分的に形成している。これにより、第一保持部材1及び第二保持部材2の接近移動による押圧部12の突出方向(Z方向)の押圧力(圧縮荷重)に伴って、先端部位12aのみがXY方向へスムーズに弾性変形する。
図3(b)に示される押圧部12は、押圧部12において突出方向(Z方向)の中間部位12dを外側へ断面略くの字形に折曲形成している。これにより、第一保持部材1及び第二保持部材2の接近移動による押圧部12の突出方向(Z方向)の押圧力(圧縮荷重)に伴い、中間部位12dが更に折れ曲って、先端部位12aをXY方向へスムーズに弾性変形させる。
図3(c)に示される押圧部12は、押圧部12において先端側部分12eを外側へ断面略C字形外側に屈曲形成している。これにより、第一保持部材1及び第二保持部材2の接近移動による押圧部12の突出方向(Z方向)の押圧力(圧縮荷重)に伴い、先端側部分12eが更に屈曲して、先端部位12aをXY方向へスムーズに弾性変形させる。
図3(d)に示される押圧部12は、押圧部12において外側に中空部位12fを部分的に形成している。これにより、第一保持部材1及び第二保持部材2の接近移動による押圧部12の突出方向(Z方向)の押圧力(圧縮荷重)に伴って、先端部位12aのみがXY方向へスムーズに弾性変形する。
なお、押圧部12の他の変形例として図3(e)(f)に示すように、押圧部12において先端部位12aのワーク当接面を凹凸状に形状変更することも可能である。
図3(e)に示される押圧部12は、押圧部12において先端部位12aのワーク当接面にエンボス加工などで多数の細かい凹凸部位12gを形成している。
図3(f)に示される押圧部12は、押圧部12において先端部位12aのワーク当接面に複数の大きな凹凸部分12hを形成している。
これにより、図3(e)(f)に示される押圧部12は、第二ワークSの外周部S2に対する先端部位12aの摩擦抵抗を高めると同時に、外周部S2との接触面積を減少させて、第一ワークWと第二ワークSの重ね合わせ後には第二ワークSの外周部S2からの剥離性能を向上させることができる。
また図示しないが、図3(a)〜(f)においても連通性を有する構造として、真空装置4の内部スペース4aと連通する通路12pを形成することが好ましい。
【0026】
本発明の第二実施形態に係る貼合デバイスAの製造装置B2では、図4(a)〜(d)に示されるように、第二保持部材2の外側部22が第二ワークSの外周部S2を挟んだ第一保持部材1の押圧部12の押し込みに伴って弾性変形する可撓部位22bを有する構成が、前述した第一実施形態とは異なり、それ以外の構成は第一実施形態と同じものである。なお、図3(e)(f)に示すように、押圧部12において先端部位12aのワーク当接面を凹凸状に形状変更することも可能である。
第二保持部材2の外側部22には、押圧部12よりも軟質で弾性変形可能な材料からなる可撓部位22bが形成される。可撓部位22bは、第二ワークSの外周部S2を挟んだ第一保持部材1の押圧部12による押し込みで部分的に圧縮変形する。
これにより、押圧部12の先端部位12aの当接及び押し込みで圧縮変形した第二保持部材2の可撓部位22bと、可撓部位22bに入り込んだ押圧部12の先端部位12aとの間に、第二ワークSの外周部S2が挟み込まれてそれぞれ折り曲げれる。この折り曲げに伴って第二ワークSの全体が外側に引っ張られる。
【0027】
本発明の第三実施形態に係る貼合デバイスAの製造装置B3では、図5(a)〜(d)に示されるように、第二保持部材2の外側部22が第一保持部材1の押圧部12と対向する凹溝22cを有し、押圧部12が駆動部3による第一ワークWと第二ワークSの接近移動に伴って凹溝22cに入り込む先端部位12aを有する構成が、前述した第一実施形態とは異なり、それ以外の構成は第一実施形態と同じものである。なお、図3(e)(f)に示すように、押圧部12において先端部位12aのワーク当接面を凹凸状に形状変更することも可能である。
第二保持部材2の外側部22には、窪みや凹状溝などからなる凹溝22cが第一保持部材1の押圧部12とZ方向へ対向して額縁状に形成される。凹溝22cには、第一ワークW及び第二ワークSの接近移動に伴い、第二ワークSの外周部S2を挟んで押圧部12の先端部位12aが嵌入するように構成されている。
これにより、第二保持部材2の外側部22の凹溝22cと、凹溝22cに入り込んだ押圧部12の先端部位12aとの間に、第二ワークSの外周部S2が挟み込まれてそれぞれ折り曲げれる。この折り曲げに伴って第二ワークSの全体が外側に引っ張られる。
【0028】
本発明の第四実施形態に係る貼合デバイスAの製造装置B4では、図6(a)〜(d)に示されるように、第一保持部材1及び第二保持部材2が、第二ワークSの外周部S2よりも外側の外縁部S4と対向する挟持部13を有する構成が、前述した第一実施形態とは異なり、それ以外の構成は第一実施形態と同じものである。
挟持部13は、第一保持部材1と第二保持部材2に亘って、第二ワークSの外縁部S4をZ方向へ挟み込むようにそれぞれ形成される。挟持部13のZ方向への間隔は、図6(a)に示される初期状態において第一保持部材1の押圧部12から第二ワークSの外周部S2までの間隔と同じか、又はそれよりも短く設定されて、第一ワークWと第二ワークSの相対的な接近移動により、第一保持部材1の押圧部12が第二ワークSの外周部S2を挟んで第二保持部材2の外側部22に接すると同時か、又はそれよりも前のタイミングで挟持部13の間に第二ワークSの外縁部S4を挟み込み、第二ワークSの全体が移動不能に挟持さる。
挟持部13の具体例として図6(a)〜(d)に示される場合には、第一保持部材1に押圧部12の周囲を囲むように形成された額縁状の突起部位13aと、第二保持部材2に外側部22の周囲を囲むように形成された額縁状の平面部位13bとからなる。また、その他の例として図示しないが、第一保持部材1に平面部位13bを形成し且つ第二保持部材2に突起部位13aを形成することや、第一保持部材1及び第二保持部材2に突起部位13aを形成することなどの変更が可能である。
さらに図6(a)〜(d)に示される例では、第二保持部材2の外側部22に第三実施形態の凹溝22cを形成している。また、その他の例として図示しないが、第三実施形態の凹溝22cに代えて、第二保持部材2の外側部22に第一実施形態の傾斜面22aを形成することや、第二保持部材2の外側部22に第二実施形態の可撓部位22bを形成することなどの変更が可能である。
これにより、第一ワークWと第二ワークSの接近移動に伴って図6(b)に示されるように、第一保持部材1の押圧部12が第二ワークSの外周部S2に接すると同時か、又は第一保持部材1の押圧部12が第二ワークSの外周部S2に接する前のタイミングで、挟持部13の間に第二ワークSの外縁部S4を挟み込む。このため、第二ワークSの全体がXY方向へ移動不能に挟持される。その後も続く第一ワークWと第二ワークSの接近移動により、第一保持部材1の押圧部12で第二ワークSの外周部S2をその中心側から外周側へ向け押し広げて、第二ワークSの全体が外側に引っ張られる。
【0029】
ところで、第一ワークWは、その表面W1の形状が図1図6に示されるような平面状なものに限らず、表面W1の略全体や一部を凹凸状に形成したものなどのように多種類ある。
そこで、本発明の第五実施形態に係る貼合デバイスAの製造装置B5では、図7(a)〜(d)に示されるように、第二保持部材2の第二ワーク接触面2aが第一ワークWの表面W1の形状と嵌り合う凹凸部23を有する構成が、前述した第一実施形態とは異なり、それ以外の構成は第一実施形態と同じものである。
凹凸部23の形状は、第一ワークWの表面W1の形状と対応して第二ワーク接触面2aの略全体を凹凸状に形成したものや、第二ワーク接触面2aの一部を凹凸状に形成したものなど多種類あり、これらの凹凸部23を予め用意する必要がある。
凹凸部23の具体例として図7(a)〜(d)に示される場合には、第一ワークWの表面W1がその略全体を曲面状に突出させた断面平凸形状であり、凹凸部23の形状を断面平凹形状に形成している。
また、その他の例として図示しないが、第一ワークWの表面W1がその略全体を曲面状に凹ませた断面平凹形状である場合には、凹凸部23の形状を断面平凸形状に変更する。それ以外に第一ワークWの表面W1の一部に凹凸が有る場合には、凹凸部23の一部に凹凸を有する形状に変更する。
さらに図示例では、第二ワーク接触面2a及び凹凸部23などが形成された別部材24を第二保持部材2に取り付け固定している。このため、第一ワークWの表面W1が形状変更した場合やサイズ変更した時には、別部材24の部品交換で対応できて、作業性に優れ且つコストの低減化も図れる。
なお、図7(a)〜(d)に示される例では、第二保持部材2の外側部22に第一実施形態の傾斜面22aを形成している。また、その他の例として図示しないが、第一実施形態の傾斜面22aに代えて、第二保持部材2の外側部22に第二実施形態の可撓部位22bを形成することや、第二保持部材2の外側部22に第三実施形態の凹溝22cを形成することなどの変更が可能である。
これにより、第一ワークWと第二ワークSの接近移動に伴って図7(d)に示されるように、第一ワークW及び第二ワークSの接近移動に伴い、第一ワークWの表面W1が第二ワークSを挟んで、第二保持部材2の第二ワーク接触面2aの嵌合凹凸部23と嵌り合う。この嵌合により第一ワークWの表面W1の形状に沿って第二ワークSが隙間なく重ね合わされる。
【0030】
このような本発明の実施形態に係る貼合デバイスAの製造装置及び製造方法Bによると、駆動部3で第一保持部材1に保持された変形不能な第一ワークWと、第二保持部材2に保持された変形可能な第二ワークSを相対的に接近移動させることにより、第一保持部材1の押圧部12が第二ワークSの外周部S2を挟んで第二保持部材2の外側部22に接する。
この頃には調圧部5で貼り合わせ空間41が所定真空度の減圧雰囲気DPに減圧される。
これに続く第一ワークWと第二ワークSの接近移動により、第一保持部材1の押圧部12で第二ワークSの外周部S2がその中心側から外周側へ向け押し広げられて第二ワークSの全体に張力を与える。
これにより、中心側から外周側に引っ張られた第二ワークSの内側面S1が、所定真空度の減圧雰囲気DPで第一ワークWの表面W1と重ね合わされる。
この重ね合わせ後に第一ワークW及び第二ワークSの周囲を大気雰囲気APに戻すと、大気圧による第二ワークSの内側と外側の圧力差で第二ワークSの内側面S1が第一ワークWの表面W1に沿って密着する。
したがって、第一ワークWの表面W1に沿って変形可能な第二ワークSを無気泡で且つシワ無く均一に貼り合わせることができる。
その結果、ローラの移動による押圧で基板とドライフィルムレジストとの間に残った気泡を追い出して貼り合せる従来のものに比べ、第一ワークWの表面W1に微細な凹凸面や曲面があったとしても、微細な凹凸面や曲面に第二ワークSの内側面S1を完全に密着させることができる。
ところで、第一保持部材1や第二保持部材2に内蔵されたヒーターで、第一ワークWや第二ワークSを所定温度に加熱しながら貼り合せてる場合には、シート状又はフィルム状の第二ワークSが熱膨張して伸びるため、シワが生じて気泡も残り易くなる。このように第二ワークSが熱膨張して伸びても、第一ワークWの表面W1に沿って無気泡で且つシワ無く均一に貼り合わせることができる。
また、シート状又はフィルム状の第二ワークSを加熱した場合には、第二ワークSが熱膨張して伸び易くなるため、ローラの移動などによる押圧力だけでは潰れ難い凹凸面に生じる空隙が、重ね合わせ後の大気圧による第二ワークSの内外圧力差で潰れ易くなり、第二ワークSと第一ワークWの密着密着性が向上して、より均一に貼り合わせることができる。
このため、高精度な貼り合せが行えて品質の優れた貼合デバイスAを提供できる。
【0031】
特に、図1(b)(c)などに示されるように、制御部6は、押圧部12が第二ワークSの外周部S2を挟んで第二保持部材2の外側部22と接触してから、調圧部5で貼り合わせ空間41を減圧させるように制御することが好ましい。
この場合には、第一保持部材1の押圧部12が第二ワークSの外周部S2を挟んで第二保持部材2の外側部22に接触することより、第二ワークSに対して第二ワークSの全体がXY方向へ移動不能に仮止めされる。
この仮止め状態であれば、調圧部5により貼り合わせ空間41の気体を外部空間Oへ排出しても、その気流や第二ワークSと第二保持部材2の間に残留した空気の膨張に伴う浮上などで、第二ワークSが不意に移動しない。
したがって、第一ワークWの表面W1に対する第二ワークSの位置ズレを防止することができる。
その結果、より高精度な貼り合せが行えて品質の優れた貼合デバイスAを提供できる。
【0032】
さらに、図1(a)〜(d),図2(a)(b)及び図3(a)〜(d)に示されるように、第一保持部材1の押圧部12が、第二ワークSの外周部S2を挟んで第二保持部材2の傾斜した外側部22(傾斜面22a)との当接に伴って弾性的に拡開変形する先端部位12aを有することが好ましい。
この場合には、第一ワークW及び第二ワークSの接近移動に伴い、押圧部12の先端部位12aで第二ワークSの外周部S2をそれぞれ第二保持部材2の外側部22(傾斜面22a)に沿って押し広げ、第二ワークSの全体が外側に引っ張られる。
したがって、簡単な構造で第一ワークWの表面W1に沿って変形可能な第二ワークSを確実に貼り合わせることができる。
その結果、より高精度な貼り合せが行えて品質の優れた貼合デバイスAを提供できる。
【0033】
また、図4(a)〜(d)に示されるように、第二保持部材2の外側部22が、第二ワークSの外周部S2を挟んだ第一保持部材1の押圧部12の押し込みに伴って弾性的に圧縮変形する可撓部位22bを有することが好ましい。
この場合には、第二保持部材2の可撓部位22bが、第二ワークSの外周部S2を挟んだ第一保持部材1の押圧部12との当接で圧縮変形する。
これにより、圧縮変形した可撓部位22bと、可撓部位22bに入り込んだ押圧部12の先端部位12aとの間に、第二ワークSの外周部S2を挟み込まれて折り曲げれる。このため、第二ワークSの全体が外側に引っ張られる。
したがって、簡単な構造で第一ワークWの表面W1に沿って変形可能な第二ワークSを確実に貼り合わせることができる。
その結果、より高精度な貼り合せが行えて品質の優れた貼合デバイスAを提供できる。
【0034】
また、図5(a)〜(d)に示されるように、第二保持部材2の外側部22が、第一保持部材1の押圧部12と対向する凹溝22cを有し、押圧部12が駆動部3による第一ワークWと第二ワークSの接近移動に伴って凹溝22cに入り込む先端部位12aを有することが好ましい。
この場合には、第一ワークW及び第二ワークSの接近移動に伴い、第二ワークSの外周部S2を挟んで押圧部12の先端部位12aが第二保持部材2の凹溝22cに入り込む。 これにより、第二保持部材2の凹溝22cと、凹溝22cに入り込んだ押圧部12の先端部位12aとの間に、第二ワークSの外周部S2が挟み込まれて折り曲げれる。このため、第二ワークSの全体が外側に引っ張られる。
したがって、簡単な構造で第一ワークWの表面W1に沿って変形可能な第二ワークSを確実に貼り合わせることができる。
その結果、より高精度な貼り合せが行えて品質の優れた貼合デバイスAを提供できる。
【0035】
さらに、図6(a)〜(d)に示されるように、第一保持部材1及び第二保持部材2が、第二ワークSの外周部S2よりも外側の外縁部S4と対向する挟持部13を有し、挟持部13の間隔を、第一保持部材1の押圧部12から第二保持部材2の外側部22までの間隔と同じ又はそれよりも短く設定することが好ましい。
この場合には、第一保持部材1に保持された第一ワークWと、第二保持部材2に保持された第二ワークSの相対的な接近移動に伴い、第一保持部材1の押圧部12が第二ワークSの外周部S2を挟んで第二保持部材2の外側部22に接触するのと同時か、又はそれよりも前の時点で挟持部13の間に第二ワークSの外縁部S4を挟み込み、第二ワークSの全体が移動不能に挟持される。 これに続く第一ワークWと第二ワークSの接近移動により、第一保持部材1の押圧部12で第二ワークSの外周部S2がその中心側から外周側へ向け押し広げられて第二ワークSの全体に張力を与える。
したがって、第一ワークWの表面W1に対して変形可能な第二ワークSを位置ズレせず確実に貼り合わせることができる。
その結果、より高精度な貼り合せが行えて品質の優れた貼合デバイスAを提供できる。
【0036】
また、図7(a)〜(d)に示されるように、第二保持部材2が、第二ワークSを挟んで第一ワークWの表面W1と対向する第二ワーク接触面2aを有し、第二ワーク接触面2aが第一ワークWの表面W1の形状と嵌り合う嵌合凹凸部23を有することが好ましい。
この場合には、第一ワークW及び第二ワークSの接近移動に伴い、第一ワークWの表面W1が第二ワークSを挟んで、第二保持部材2の第二ワーク接触面2aの嵌合凹凸部23と嵌り合う。 これにより、第一ワークWの表面W1の形状に沿って第二ワークSが隙間なく重ね合わされる。
したがって、第一ワークWの表面W1の形状に対応して変形可能な第二ワークSを重ね合わせることができる。
その結果、第一ワークWの表面W1の形状が略全体や一部を凹凸状に形成したものなどであっても、変形可能な第二ワークSを無気泡で且つシワ無く均一に貼り合わせることができる。
【0037】
なお、前示の実施形態において図示例では、第一ワークW及び第二ワークSが略矩形である場合を示したが、これに限定されず、第一ワークW及び第二ワークSが円形や楕円形などであってもよい。
この場合には、第一保持部材1や第二保持部材2を第一ワークW及び第二ワークSの形状に対応した円形や楕円形などに形成し、第一保持部材1の押圧部12や第二保持部材2の外側部22を環状(円環状)などに形成することで、対応可能となる。
この場合においても、前述した第一実施形態〜第五実施形態と同様な作用や利点が得られる。
【符号の説明】
【0038】
B 貼合デバイスの製造装置 1 第一保持部材
12 押圧部 13 挟持部
2 第二保持部材 12a 先端部位
2a 第二ワーク接触面 22 外側部
22a 傾斜した外側部(傾斜面) 22b 可撓部位
22c 凹溝 23 凹凸部
3 駆動部 41 貼り合わせ空間
5 調圧部 6 制御部
A 貼合デバイス W 第一ワーク
W1 表面 S 第二ワーク
S1 内側面 S2 外周部
S4 外縁部 AP 大気雰囲気
DP 減圧雰囲気
【要約】
【課題】 第一ワークの表面に沿って変形可能な第二ワークを無気泡で且つシワ無く均一に貼り合わせる。
【解決手段】 変形不能な第一ワークを着脱自在に保持する第一保持部材と、変形可能な第二ワークを着脱自在に保持する第二保持部材と、第一保持部材又は第二保持部材のいずれか一方若しくは両方を相対的に接近移動させる駆動部と、第一保持部材に保持された第一ワークと第二保持部材に保持された第二ワークとの間に形成される貼り合わせ空間と、貼り合わせ空間を大気雰囲気から所定真空度の減圧雰囲気まで内圧調整する調圧部と、駆動部及び調圧部を作動制御する制御部と、を備え、第一保持部材は、第二保持部材に保持された第二ワークの外周部と対向する押圧部を有し、制御部は、駆動部による第一ワークと第二ワークの接近移動に伴い、押圧部が第二ワークの外周部を挟んで第二保持部材の外側部に接し、調圧部で貼り合わせ空間が減圧雰囲気に減圧され、その後の第一ワークと第二ワークの接近移動により、押圧部が第二ワークの外周部に対して第二ワークの中心側から外周側へ向かう張力を与えながら、第一ワークの表面と第二ワークの内側面が重ね合わされるように制御する。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7