(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
一般的に光伝送システムは、通信インフラの中で大きな情報量を伝送する基幹システムであり、その信頼性向上のためにプロテクション機能を有する必要がある。
【0003】
特許文献1には、光伝送装置および光多重伝送装置を使用した無中継光伝送システムが開示されている。特許文献1の無中継光伝送システムでは、送信側で信号光が2分岐され、受信側で信号光のレベルが検出され、信号光が切替えられる受信側装置が開示されている。
【0004】
特許文献2には、光中継器とそれを使用した光伝送システムが開示されている。光中継器は、信号光のレベルが所定のレベルを下回ると、障害が発生したとして所定の警報信号を出力する。その警報信号の受信から障害が発生したことが検知され、信号光が切替えられる。
【0005】
図9は、光伝送システムの構成例を示したシステム図である。
図10は、受信装置の構成例を示したブロック図である。
【0006】
図9の光伝送システムの構成例について説明する。
図9の光伝送システムは、送信装置1、受信装置2、伝送路101、伝送路102から伝送路10k(kは1以上の整数)を備えている。伝送路101は、中継装置(1、1)10から中継装置(j、1)10(jは1以上の整数)を備えている。伝送路102は、中継装置(1、2)10から中継装置(j、2)10を備え、伝送路10kは、中継装置(1、k)10から中継装置(j、k)10を備えている。
【0007】
送信装置1は、光伝送システムの送信側である。受信装置2は、光伝送システムの受信側である。中継装置10は、各伝送路101〜10kにおいて、送信側からの光信号を受信側に中継する。
【0008】
図9を参照して、伝送路101の中継装置(j−1、1)10の直前で、障害が発生した場合の伝送路の切替について説明する。
【0009】
中継装置(j−1、1)10は、伝送路101からの信号光レベルをモニタリングして、障害発生を検知する。中継装置(j−1、1)10は、信号光レベルが所定のレベルを下回ったとき、障害が発生したと判断する。また、中継装置(j−1、1)10は、前段に位置する中継装置(1、1)10から中継装置(j−2、1)10の監視信号に含まれる障害発生情報をモニタリングして、障害発生を検知する。そして、中継装置(j−1、1)10は、障害発生を検知して、監視信号に障害発生情報を含めて、後段の伝送路101に送信する。中継装置(j、1)10は、監視信号を後段の伝送路に中継する。
【0010】
受信装置2は、伝送路101からの監視信号を受信して、中継器(j−1、1)10からの障害発生情報を検知する。そして、障害の発生した伝送路101からの信号を、予め決められた予備の伝送路10kの信号に切替えて受信する。このように、受信装置2は、光伝送システムの動作を確保する。
【0011】
図10は、受信装置の構成例を示したブロック図である。
図10を参照して、受信装置の構成について説明する。
【0012】
受信装置2は、伝送路101からの信号を処理する高速信号検出受信部(1)21と、復号部(1)22を備えている。また、受信装置2は、伝送路10kからの信号を処理する高速信号検出受信部(k)21と、復号部(k)22を備えている。受信装置2は、各複合部からの主信号を切替えるスイッチ23を備えている。
【0013】
高速信号検出受信部(1)21は、伝送路101の中継装置(j、1)10からの入力信号を受信する。復号部(1)22は、高速信号検出受信部(1)21にて受信した信号から、主信号と切替信号を復号化する。
【0014】
高速信号検出受信部(k)21は、伝送路10kの中継装置(j、k)10からの入力信号を受信する。復号部(k)22は、高速信号検出受信部(k)21にて受信した信号から、主信号と切替信号を復号化する。
【0015】
スイッチ23は、復号部(1)22から復号部(k)22までの主信号を、復号部(1)22から復号部(k)22までの切替信号によって選択的に切替えて出力する。
【0016】
図9にて示した障害が発生した場合の切替について説明する。伝送路101の障害情報は、中継装置(j、1)10から出力されて、高速信号検出受信部(1)21にて受信され、復号部(1)22で復号される。復号部(1)22は、障害情報から障害発生を検知して、切替信号を出力する。この切替信号は、伝送路101の障害発生を示す。
【0017】
この切替信号を受けたスイッチ23は、伝送路101に対応する復号部(1)からの主信号を、予め決められた予備の伝送路10kに対応する復号部(k)からの主信号に切替えて出力する。この時、スイッチ23は、予備の伝送路10kの切替信号により伝送路10kに障害が発生していないことを確認する。これにより、受信装置2は、障害発生した伝送路101から、予備の伝送路10kに主信号を切替えて、伝送システムの動作を確保する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
特許文献1、特許文献2および例示した光伝送システムの技術は、信号光レベルをモニタリングし、所定のレベルを下回ることで障害が発生したことを検知する。複数の中継装置によって多段に中継される伝送路は、光雑音が後段に行くほど累積される。そのため、受信装置では、この光雑音の累積の影響を受けて、信号光のレベルの低下を検知することが困難となる。
【0020】
したがって、これらの技術では、受信装置が光雑音の累積によって、信号光レベルの低下を検知できないという課題がある。
【0021】
また、特許文献2および例示した光伝送システムの技術の中継装置では、信号光レベルの低下を検知し、障害発生を伝える警報信号を出力する。この技術では、受信装置に、その警報信号を受信する機能を設ける必要がある。そのため、多重化された光伝送路の受信装置では、対応する警報信号を受信する機能を伝送路の本数分だけ設ける必要がある。したがって、この技術の受信装置では、先に説明した光雑音の累積による影響は軽減されているが、警報信号を受信する機能を伝送路の本数分設ける必要があるため、受信装置が複雑となり、消費電力も大きくなるという課題がある。
【0022】
特許文献1、特許文献2の技術は、光伝送システムに関するものであるが、電気信号の伝送についても、雑音の累積や、警報信号の受信のための伝送路による受信装置の複雑化や消費電力の増大は、共通の問題である。
【0023】
本発明の目的は、上記の課題に鑑みてなされたもので、障害発生時の伝送システムの伝送路の切替における雑音の累積の影響を軽減し、受信装置を簡素化し、低消費電力化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明の伝送システムは、第1の伝送路の障害発生を検知する障害検知手段と、障害発生を検知したとき、
中継する信号の波長を通知用の波長へ変換した通知用信号の出力を行う出力手段と、
中継する信号の波長を通知用の波長へ変換した通知用信号の出力を行う出力手段とを備える中継装置と、前記出力を検知したとき、第1の伝送路から第2の伝送路に切替える伝送路切替手段を備える受信装置とを含
み、前記出力手段は、前記通知用の波長の少なくとも一部が所定の波長範囲に含まれるように前記通知用の波長への変換を行い前記伝送路切替手段は、前記所定の波長範囲の検知により前記通知用の波長への変換の検知を行うことを特徴とする。
【0025】
本発明の中継装置は、伝送路の障害発生を検知する障害検知手段と、前記障害発生を検知したとき、中継する信号の波長を変換し、前記信号の波長の変換を検知したとき、前記第1の伝送路から第2の伝送路に切替える装置へ出力する波長変換手段とを備えることを特徴とする。
【0026】
本発明の受信装置は、障害発生が検知されたとき、波長が変換され、第1の伝送路から入力された信号を入力し、前記信号の波長の変換を検知したとき、前記第1の伝送路から第2の伝送路に切替える伝送路切替手段を備えることを特徴とする。
【0027】
本発明の伝送路切替方法は、第1の伝送路の障害発生を検知したとき、中継する信号の波長を波長変換し、波長変換を検知したとき、第1の伝送路から第2の伝送路に切替えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、伝送システムの伝送路の切替における雑音の累積の影響を軽減し、受信装置を簡素化し、低消費電力化することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の光伝送システムの構成例を示したシステム図である。
図2は、本発明の第1の実施形態の受信装置の構成例を示したブロック図である。
【0031】
図1を参照して、本発明の第1の実施形態の光伝送システムの構成を説明する。なお、
図7にて説明した光伝送システムとは、中継装置11と受信装置3が、相違すること以外は、同一の構成を備えている。同一の構成には、同一の名称と同一の番号を付記して説明を省略する。
【0032】
図1の光伝送システムでは、受信装置3と、各伝送路101から10kの最終段の中継装置11が、本発明にかかる装置である。
【0033】
図1を参照して、伝送路101の中継装置(j−1、1)10の直前で、障害が発生した場合の伝送路の切替について説明する。中継装置(j−1、1)10は、伝送路101からの信号光レベルをモニタリングして、障害発生を検知する。中継装置(j−1、1)10は、信号光レベルが所定のレベルを下回ったとき、障害が発生したと判断する。また、中継装置(j−1、1)10は、前段に位置する中継装置(1、1)10から中継装置(j−2、1)10の監視信号に含まれる障害発生情報をモニタリングして、障害発生を検知する。そして、中継装置(j−1、1)10は、障害発生を検知して、監視信号に障害発生情報を含めて、後段の伝送路101に送信する。
【0034】
最終段に位置する中継装置(j、1)11は、本発明にかかる中継装置である。中継装置(j、1)11は、監視信号の障害発生情報をモニタリングして、障害発生を検知する。そして、中継する信号を障害通知用の波長に変換して、後段の伝送路に送信する。また、中継装置(j、1)11は、伝送路101からの信号光レベルをモニタリングする。中継装置(j、1)11は、信号光レベルが所定のレベルを下回ることで、障害が発生したことを検知する。この場合も、中継装置(j、1)11は、中継する信号を障害通知用の波長に変換して、後段の伝送路に送信する。
【0035】
受信装置3は、伝送路101からの信号を受信して、障害通知用の波長への変換の有無をモニタリングする。受信装置3は、中継装置(j、1)11から中継された信号が障害発生通知用の波長に変換されていることを検知して、伝送路101に障害が発生したと判断する。そして、受信装置3は、伝送路101からの信号を、予め決められた予備の伝送路10kの信号に切替えて受信する。これにより、受信装置3は、障害の発生した伝送路101から予備の伝送路10kに切替えて、伝送システムの動作を確保することができる。
【0036】
図2は、本発明の第1の実施形態の受信装置の構成例を示したブロック図である。
図2を参照して、第1の実施形態の受信装置3の構成について説明する。
【0037】
図2の第1の実施形態の受信装置3は、伝送路101からの信号を受信して処理するため、光入力低下検出部(1)24と、カプラ(1)25と、障害波長用フィルタ(1)26と、検出器(1)27を備えている。また、受信装置3は、伝送路10kからの信号を受信して処理するため、光入力低下検出部(k)24と、カプラ(k)25と、障害波長用フィルタ(k)26と、検出器(k)27を備えている。そして、受信装置3は、スイッチ23と、高速信号検出受信部21と、復号部22を備えている。
【0038】
光入力低下検出部(1)24は、伝送路101の中継装置(j、1)11からの入力信号を受信する。そして、後段のカプラ(1)25に中継する。さらに、光入力低下検出部(1)24は、受信した入力信号のレベルの低下を検出する。カプラ(1)25は、受信した入力信号を、後段のスイッチ23と障害波長用フィルタ(1)26に分岐する。障害波長用フィルタ(1)26は、カプラ(1)25にて分岐された入力信号から、障害通知用の波長に変換された信号を分離する。検出器(1)27は、前段の障害波長用フィルタ(1)26にて分離された障害通知用の波長の信号レベルを検出する。伝送路10kからの信号を受信して処理を行う各部は、伝送路101の信号の処理を行う各部と同様であり、同一の名称と同一の番号を付記して説明を省略する。
【0039】
スイッチ23は、所定の切替信号にしたがって、伝送路101に対応するカプラ(1)25からの主信号を、伝送路10kに対応するカプラ(k)25の主信号に切替えて出力する。高速信号検出受信部21は、スイッチ23からの入力信号を受信する。復号部22は、高速信号検出受信部21からの信号を復号化する。
【0040】
図1にて示した伝送路101の中継装置(j−1、1)10の直前で、障害が発生した場合の伝送路の切替について、
図2を参照して説明する。中継装置(j−1、1)10は、伝送路101からの信号光レベルをモニタリングして、障害発生を検知する。中継装置(j−1、1)10は、信号光レベルが所定のレベルを下回ったとき、障害が発生したと判断する。そして、中継装置(j−1、1)10は、障害発生を検知して、監視信号に障害発生情報を含めて、後段の伝送路101に送信する。
【0041】
最終段に位置する中継装置(j、1)11は、監視信号の障害発生情報をモニタリングして、障害発生を検知する。そして、中継する信号を障害通知用の波長に変換して、後段の伝送路に送信する。
【0042】
受信装置3の光入力低下検出部(1)24は、中継装置(j、1)11からの入力信号を受信して、後段のカプラ(1)25に中継する。カプラ(1)25は、受信した入力信号を、後段のスイッチ23と障害波長用フィルタ(1)26に分岐する。障害波長用フィルタ(1)26は、カプラ(1)25にて分岐された信号から、障害通知用の波長に変換された信号を分離する。
【0043】
検出器(1)27は、前段の障害波長用フィルタ(1)26にて分離された障害通知用の波長の信号レベルをモニタリングする。そして、検出器(1)27は、信号レベルが所定のレベルを上回ると、伝送路101で障害が発生したと判断し、切替信号A−1をスイッチ23に出力する。
【0044】
スイッチ23は、検出器(1)27からの切替信号A−1を受信して、伝送路101に対応するカプラ(1)25からの主信号を、予め決められた予備の伝送路10kに対応するカプラ(k)25からの主信号に切替える。この時、スイッチ23は、予備の伝送路10kの切替信号A−k、B−kにより伝送路10kに障害が発生していないことを確認する。そして、スイッチ23は、切替えた信号を、後段の高速信号検出受信部21に出力する。これにより、受信装置3は、障害の発生した伝送路101から、予備の伝送路10kに切替えて伝送システムの動作を確保することができる。
【0045】
なお、最終段の中継装置(j、1)11と受信装置3の区間の伝送路101の障害発生は、光入力低下検出部(1)24にて検知される。つまり、光入力低下検出部(1)24は、伝送路101から入力信号のレベルが、所定のレベルを下回ることで、障害が発生したことを検知する。そして、スイッチ23に切替信号B−1を出力する。
【0046】
したがって、光入力低下検出部(1)24の切替信号B−1を受信したスイッチ23は、先に説明した検出器(1)27の切替信号A−1を受信したと同様に、伝送路101に対応するカプラ(1)25からの主信号を、予め決められた予備の伝送路10kに対応するカプラ(k)25からの主信号に切替える。この時、スイッチ23は、予備の伝送路10kの切替信号A−k、B−kにより伝送路10kに障害が発生していないことを確認する。そして、スイッチ23は、切替えた信号を、後段の高速信号検出受信部21に出力する。これにより、受信装置3は、中継装置(j、k)11と受信装置3の間の区間で障害が発生した伝送路101から、予備の伝送路10kに切替えて伝送システムの動作を確保することができる。
【0047】
このように、本発明の実施形態では、送信装置1から最終段に設けた中継装置(j、1)11までの区間の伝送路101の障害発生を、中継装置(j、1)11は、中継する信号を障害発生通知用の波長に変換して出力する。そして、受信装置3は、その障害発生通知用の波長に変換されたことを検知して、伝送路101に障害が発生したことを判断し、予め決められた予備の伝送路10kに切替を行う。また、本発明の実施形態では、最終段に設けた中継装置(j、1)11と受信装置3の区間の伝送路101の障害発生を、受信装置3の入力信号の信号レベルの低下によって検知して、受信装置3は、同様の伝送路の切替を行う。
【0048】
以上説明したとおり、本実施形態では、障害発生を検知して、伝送路の切替を行い、光伝送システムの動作を確保することができる。そして、本実施形態では、受信装置3は、切替信号の出力元から障害発生箇所の識別を行うことができる。つまり、例えば、切替信号A−1による伝送路の切替は、伝送路101の送信装置1から中継装置(j、1)までの区間での障害発生を示す。また、切替信号B−1による伝送路の切替は、伝送路101の中継装置(j、1)から受信装置3までの区間での障害発生を示す。また、
図10で示した受信装置2で伝送路数分必要であった各部(高速信号検出受信部21、復号部22)を、
図2で示した受信装置3のとおり削減することができる。これによって、受信装置の構成を簡素化し、消費電力の低減を図ることができる。さらに、本実施形態は、障害が発生したことを、中継器が中継する信号を障害通知用の波長に変換して通知する。この方法は、障害通知用の波長を、光増幅器の光雑音の影響を受けない波長範囲とすることで、光雑音の累積を軽減することができる。
【0049】
なお、本願発明の実施形態で、波長変換する信号を、主信号としてもよいし、監視信号としてもよいし、両方の信号としてもよい。つまり、波長変換の対象とする信号は、予め決めた障害通知用の波長にかかる波長変換を行って、検知できる信号であれば、信号の意味、用途等は限定されない。
【0050】
本願発明の実施形態では、中継装置11は、受信装置3の直前に置かれているものとして説明したが、中継装置10と中継装置11の位置関係は任意である。伝送路のどの地点で障害があっても対応できるという面からは、中継装置11は、受信装置3の直前に置くのが好ましい。
【0051】
図3は、本願発明に必須の構成のみを備える光伝送システムの構成例を示したブロック図である。
図4、
図5に、本願発明に必須の構成のみを備える中継装置と受信装置のブロック図を示す。
【0052】
図3の光伝送システムは、伝送路101、102と、本願発明の中継装置11と受信装置3を備える。
図3を参照して、光伝送システムの動作について説明する。
【0053】
中継装置11は、伝送路101の送信側からの光信号を受信し、後段の伝送路101に送信する。中継装置11は、障害検知手段11−1と障害波長変換手段11−2を備える。障害検知手段11−1は、受信した信号をモニタリングして、伝送路101の障害の発生を検知する。障害検知手段11−1は、障害発生を検知すると、障害検知信号を出力する。障害波長変換手段11−2は、受信した信号を、後段の伝送路101に送信する。障害検知手段11−1からの障害検知信号の入力により、障害波長変換手段11−2は、受信した信号を所定の障害通知用の波長に変換して、後段の伝送路101に送信する。
【0054】
受信装置3は、伝送路101と102に接続されている。
【0055】
受信装置3は、伝送路切替手段3−1を備える。伝送路切替手段3−1は、伝送路101、102から受信した信号をそれぞれモニタリングして、障害波長への変換の有無を検知する。伝送路101から受信した信号に、障害波長への変換を検知すると、伝送路切替手段3−1は、伝送路101に障害が発生したと判断する。そして、伝送路切替手段3−1は、障害が発生した伝送路101から、予め決められた予備の伝送路102に切替える。
【0056】
このように、受信装置3は、障害の発生した伝送路101から予備の伝送路102に伝送路を切替えて、伝送システムの動作を確保することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態の光伝送システムの構成例を示したシステム図である。
図7は、本発明の第2の実施形態の受信装置の構成例を示したブロック図である。
【0057】
図6を参照して、本発明の第2の実施形態の光伝送システムの構成を説明する。
図6の光伝送システムは、各伝送路の最終段の中継装置(j、1)12から中継装置(j、k)12と受信装置4が相違していること以外は、
図1の光伝送システムと同様の構成を有している。同一の構成には、同一の名称と同一の番号を付記して説明を省略する。受信装置4と中継装置12は、本発明にかかる装置である。
【0058】
図6を参照して、伝送路101の中継装置(j−1、1)10の直前で、障害が発生した場合の伝送路の切替について説明する。中継装置(j−1、1)10は、伝送路101からの信号光レベルをモニタリングして、障害発生を検知する。中継装置(j−1、1)10は、信号光レベルが所定のレベルを下回ったとき、障害が発生したと判断する。また、中継装置(j−1、1)10は、前段に位置する中継装置(1、1)10から中継装置(j−2、1)10の監視信号に含まれる障害発生情報をモニタリングして、障害発生を検知する。そして、中継装置(j−1、1)10は、障害発生を検知して、監視信号に障害発生情報を含めて、後段の伝送路101に送信する。
【0059】
最終段に位置する中継装置(j、1)12は、本発明にかかる中継装置である。中継装置(j、1)12は、監視信号の障害発生情報をモニタリングして、障害発生を検知する。また、中継装置(j、1)12は、伝送路101からの信号光レベルをモニタリングする。信号光レベルが所定のレベルを下回ることで、障害が発生したことを検知する。
中継装置(j、1)12は、障害が発生したことを検知して、伝送路101から受信した信号の後段への中継伝送を停止する。
【0060】
受信装置4は、本発明にかかる受信装置である。受信装置4は、伝送路101からの信号レベルをモニタリングして、障害発生を検知する。つまり、中継装置(j、1)12からの中継信号が所定の信号レベルより低下していることを検知して、伝送路101からの信号を、予め決められた伝送路10kの信号に切替えて受信する。これにより、受信装置4は、障害が発生した伝送路101から予備の伝送路10kに切替えて、伝送システムの動作を確保することができる。
【0061】
図7は、本発明の第2の実施形態の受信装置の構成例を示したブロック図である。
図7を参照して、本実施形態の受信装置4の構成について説明する。
【0062】
本実施形態の受信装置4は、
図2で示した受信装置3と比べて、伝送路101からの信号を受信する光入力低下検出部(1)24のみを備え、伝送路10kからの信号を受信する光入力低下検出部(k)24のみを備えているところが、相違している。同一の構成には、同一の名称と同一の番号を付記して説明を省略する。
【0063】
図6にて示した伝送路101の中継装置(j−1、1)10の直前で、障害が発生した場合の伝送路の切替について、
図7を参照して説明する。中継装置(j−1、1)10は、伝送路101からの信号光レベルをモニタリングして、障害発生を検知する。中継装置(j−1、1)10は、信号光レベルが所定のレベルを下回ったとき、障害が発生したと判断する。そして、中継装置(j−1、1)10は、障害発生を検知して、監視信号に障害発生情報を含めて、後段の伝送路101に送信する。 最終段の中継装置(j、1)12は、監視信号の障害発生情報をモニタリングして、障害発生を検知する。また、中継装置(j、1)12は、伝送路101からの信号光レベルをモニタリングする。信号光レベルが所定のレベルを下回ることで、障害が発生したことを検知する。中継装置(j、1)12は、障害が発生したことを検知して、伝送路101から受信した信号の後段への中継伝送を停止する。
【0064】
受信装置4の光入力低下検出部(1)24は、伝送路101の中継装置(j、1)12からの入力信号を受信する。そして、後段のカプラ(1)23に中継する。さらに、光入力低下検出部(1)24は、受信した入力信号のレベルの低下を検出する。つまり、光入力低下検出部(1)24は、伝送路101から入力信号のレベルが、所定のレベルを下回ることで、障害が発生したことを判断する。そして、スイッチ23に切替信号を出力する。
【0065】
スイッチ23は、光入力低下検出器(1)24から切替信号を受信して、伝送路101からの主信号を、予め決められた予備の伝送路10kからの主信号に切替える。この時、スイッチ23は、伝送路10kの切替信号により伝送路10kに障害が発生していないことを確認する。そして、スイッチ23は、切替えた信号を、後段の高速信号検出受信部21に出力する。これにより、受信装置4は、障害が発生した伝送路101から、予備の伝送路10kに伝送路を切替えて伝送システムの動作を確保することができる。
【0066】
このように、本実施形態では、送信装置1から最終段に設けた中継装置(j、1)12までの区間の伝送路101の障害発生を、中継装置(j、1)12は、受信した信号を後段に中継送出しないことで受信装置4に伝える。受信装置4は、入力信号レベルの低下を検知して、伝送路101から予め決められた予備の伝送路に切替を行う。また、本実施形態では、最終段に設けた中継装置(j、1)12と受信装置4の区間の伝送路101の障害発生についても、受信装置4は、入力信号レベルの低下を検知して、伝送路101から予め決められた予備の伝送路10kに切替を行う。
【0067】
したがって、本実施形態では、障害発生を検知して、伝送路の切替を行い、光伝送システムの動作を確保することができる。そして、本実施形態では、
図2にて示した受信装置3で伝送路数分必要であった各部(カプラ25、障害波長用フィルタ26、検出部27)を
図7に示す通り削減することができ、受信装置の構成をさらに簡素化し、消費電力の低減を図ることができる。また、中継装置(j、1)12で、障害を検知した場合には、信号の中継を行わないので、受信装置4は、光雑音の累積による影響を軽減することができる効果がある。
【0068】
なお、本願発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、本願発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更、変形して実施することができる。
【0069】
例えば、本願発明の実施形態では、光伝送路を複数備えるものとして説明したが、伝送路の本数は限定されない。すなわち、光伝送路であれば、光ファイバは単数でもよいし、複数の光ファイバを使用していてもよい。つまり、光伝送システムとして、プロテクト機能を備えるシステムであればよい。
【0070】
また、本願発明の実施形態では、光伝送システムとして、伝送路に中継装置を複数備えるものとして説明したが、伝送路に本願発明にかかる中継装置のみを備えていてもよい。
【0071】
さらに、本発明において、伝送される信号の種類は限定されない。本願発明の実施形態で示した光信号の伝送システムのみでなく、電気信号の伝送システムにも本発明は適用可能である。
【0072】
電気信号の伝送システムでは、送信する情報によって搬送波を変調して伝送する方式が用いられることがある。このような伝送システムに本発明を適用する場合は、情報を搬送する搬送波の周波数を、伝送路の障害を検知して、所定の障害通知用の周波数に変換すればよい。例えば、搬送波で情報伝送する伝送チャネルに設けられるガードバンド帯域に、搬送波の周波数を変換すればよい。
【0073】
搬送波を使用しない電気信号の伝送システムでは、その伝送帯域内で、一部の周波数の信号を所定の障害通知用の周波数に変換すればよい。あるいは、障害通知用の周波数の信号を生成してもよい。
図8に、搬送波を使用しない電気信号の伝送システムにおける障害通知用の周波数への変換イメージを例示する。このように、本願発明は、光伝送システムのみでなく、電気信号の伝送システムにも適用することができる。