特許第6374173号(P6374173)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社コーセーの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6374173
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】エアゾール型化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/02 20060101AFI20180806BHJP
   A61K 8/55 20060101ALI20180806BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20180806BHJP
   A61K 8/898 20060101ALI20180806BHJP
   A61K 8/68 20060101ALI20180806BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20180806BHJP
   A61K 8/89 20060101ALI20180806BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20180806BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20180806BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20180806BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20180806BHJP
【FI】
   A61K8/02
   A61K8/55
   A61K8/44
   A61K8/898
   A61K8/68
   A61K8/19
   A61K8/89
   A61K8/92
   A61Q19/00
   A61Q5/00
   A61Q1/00
【請求項の数】6
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-22141(P2014-22141)
(22)【出願日】2014年2月7日
(65)【公開番号】特開2015-147752(P2015-147752A)
(43)【公開日】2015年8月20日
【審査請求日】2016年8月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(74)【代理人】
【識別番号】100112874
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100147865
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 美和子
(72)【発明者】
【氏名】山口 遼
(72)【発明者】
【氏名】富田 由利子
【審査官】 小久保 勝伊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−262032(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/160169(WO,A1)
【文献】 特開昭57−171907(JP,A)
【文献】 特開2010−120871(JP,A)
【文献】 特開昭63−287711(JP,A)
【文献】 特開2001−048742(JP,A)
【文献】 特開平07−196470(JP,A)
【文献】 特開平05−032532(JP,A)
【文献】 特表2011−505457(JP,A)
【文献】 特開2007−161648(JP,A)
【文献】 MINTEL GNPD ID:1794623,2012年 5月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(a)〜(d);
(a)レシチン、N−アシルグルタミン酸、アミノ変性シリコーン及びセラミドよりなる群から選ばれる化合物
(b)金属酸化物粉体
(c)部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物
(d)液状油
を含有する原液と、噴射剤とからなり、前記成分(b)金属酸化物粉体の表面が前記成分(a)により被覆されており、且つ、前記原液が霧状に噴射されることを特徴とするエアゾール型化粧料。
【請求項2】
更に、前記原液に成分(e)水を含有することを特徴とする請求項1記載のエアゾール型化粧料。
【請求項3】
前記成分(b)の金属酸化物粉体が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウムから選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のエアゾール型化粧料。
【請求項4】
前記の噴射剤が、炭素数2〜5の炭化水素、ジメチルエーテルから選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のエアゾール型化粧料。
【請求項5】
前記原液と噴射剤の比が質量比で、5(原液):95(噴射剤)〜50(原液):50(噴射剤)であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のエアゾール型化粧料。
【請求項6】
前記(a)成分の含有量が原液中0.005〜5質量%であり、前記成分(b)の含有量が原液中1〜40質量%であり、前記(c)成分の含有量が原液中0.01〜10質量%であり、且つ、前記(d)成分の含有量が原液中15〜70質量%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のエアゾール型化粧料。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レシチン、N−アシルグルタミン酸、アミノ変性シリコーン及びセラミドよりなる群から選ばれる化合物と、金属酸化物粉体と、部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物とを含有する原液と噴射剤とからなるエアゾール型化粧料に関し、更に詳細には、涼感と肌の凹凸や肌の色調を補正することができるカバー力のある化粧膜が得られる化粧料で、更には、目詰まりや化粧料の飛び散りが少なく、伸び広がりが良く使用性に優れたエアゾール型化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エアゾール型化粧料の中で、特にスプレーは、噴射剤である液化ガスの気化熱による涼感を感じるため、毛髪用のみならず肌用化粧料としても近年市場に多数出回ってきている。これらスプレータイプのものは、肌や髪の広範囲に塗布しやすく、手指を化粧料で濡らすことなく、また手の届きにくい部分にも均一に塗布することが可能であるため、使用性の良いものとして利用され、日焼け止め化粧料としても応用されている。
しかし、エアゾール型化粧料に、メイクアップ化粧料や日焼け止め化粧料に多く使用される金属酸化物粉体を含有する場合、化粧料と噴射剤である液化ガスや圧縮ガスとが共存する加圧された特殊環境となるため、金属酸化物粉体は、エアゾール容器内で凝集を起こし、その結果、メイクアップ効果や紫外線防御効果が低減したり、特にスプレーである場合は、噴射口で目詰まりが起こり噴射性の低下を招いたり、不均一に噴射されたりという問題があり、これらを解決する検討がなされてきた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2010−120871号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特にメイクアップ化粧料を顔に塗布する場合は、化粧料をスポンジ等の塗布具を用いて使用することが多く、エアゾール型の化粧料であっても、塗布具に噴射してから使用することが想定される。その場合、飛び散りが多いと塗布具に効率的に付着せず、使い勝手が悪くなることがあった。
また、塗布具に噴射すると気化熱により温度が下がり、化粧料の流動性が低下するため、塗布具から肌への付着や肌上の伸び広がりが悪くなってしまうことがあった。これは直接肌に噴射しても、伸び広がりの低下を招くこととなった。
従来技術のように、シリコーン粉体を用いて、金属酸化物粉体の再分散性を向上させ目詰まりを解消する方法では、分散性が過剰に高くなり、粉体の飛び散りの問題が生じやすく、化粧膜が薄くなり、カバー効果が得られない場合があった。
従って、涼感と肌の凹凸や肌の色調を補正することができるカバー力のある化粧膜が得られる化粧料で、目詰まりや化粧料の飛び散りが少なく、伸び広がりが良く使用性に優れたエアゾール型化粧料の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる実情に鑑み、本発明者らは鋭意検討した結果、涼感と肌の凹凸や肌の色調を補正することができるカバー力のある化粧膜を形成するためには、金属酸化物粉体を、エアゾール型のスプレー噴出口からスムーズに排出できるようにして、噴霧の際は金属酸化物粉体の飛び散りを減らし、伸び広がりと付着性を向上させることにより実現すると考えた。そして、部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物を含有することで、目詰まりと飛び散りと伸び広がりを改善し、付着性の低下を招く点は、レシチン、N−アシルグルタミン酸、アミノ変性シリコーン及びセラミドよりなる群から選ばれる特定の化合物を組み合わせて含有することにより、目詰まりを生じさせずに、伸び広がりや付着性を向上させ、飛び散りを更に改善させることができることを見出し、涼感と肌の凹凸や肌の色調を補正することができるカバー力のある化粧膜が得られる化粧料の開発を完成するに至った。
更に、塗布具に噴射してから使用すると、より涼感が向上することを見出し、エアゾール型化粧料の開発を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、次の内容を要旨とするものである。
(1)次の成分(a)〜(d);
(a)レシチン、N−アシルグルタミン酸、アミノ変性シリコーン及びセラミドよりなる群から選ばれる化合物
(b)金属酸化物粉体
(c)部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物
(d)液状油
を含有する原液と、噴射剤とからなり、前記成分(b)金属酸化物粉体の表面が前記成分(a)により被覆されており、且つ、前記原液が霧状に噴射されることを特徴とするエアゾール型化粧料、
(2)更に、前記原液に成分(e)水を含有することを特徴とする前記(1)記載のエアゾール型化粧料、
(3)前記成分(b)の金属酸化物粉体が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウムから選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする前記(1)又は(2)記載のエアゾール型化粧料、
(4)前記の噴射剤が、炭素数2〜5の炭化水素、ジメチルエーテルから選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする前記(1)〜(3)の何れかに記載のエアゾール型化粧料、
(5)前記原液と噴射剤の比が質量比で、5(原液):95(噴射剤)〜50(原液):50(噴射剤)であることを特徴とする前記(1)〜(4)の何れかに記載のエアゾール型化粧料、
(6)前記(a)成分の含有割合が原液中0.005〜5質量%であり、前記成分(b)の含有割合が原液中1〜40質量%であり、前記(c)成分の含有割合が原液中0.01〜10質量%であり、且つ、前記(d)成分の含有割合が原液中15〜70質量%である、前記(1)〜(5)の何れかに記載のエアゾール型化粧料。
また、一態様として以下のものが挙げられる。
(7)前記エアゾール型化粧料がエアゾール型メイクアップ化粧料又は日焼け止め化粧料であることを特徴とする前記(1)〜(6)の何れかに記載のエアゾール型化粧料、
(8)前記(1)〜(7)に記載のエアゾール型化粧料を塗布具に噴射してから使用する化粧方法。


【発明の効果】
【0007】
本発明のエアゾール型化粧料は、涼感と肌の凹凸や肌の色調を補正することができるカバー力のある化粧膜が得られる化粧料で、目詰まりや化粧料の飛び散りが少なく伸び広がりの良い使用性に優れたエアゾール型化粧料に関するものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の構成について詳細に説明する。
本発明のエアゾール型化粧料は、成分(a)〜(d)、必要に応じて(e)を含有する原液と噴射剤とを、耐圧バルブを有する容器に充填したものである。エアゾールとしては、使用目的に応じて、スプレー(霧状)、フォーム(泡状)等の形態に調整が可能であり、塗布具に噴射するか、直接肌や毛髪に噴射して、塗布具や手で伸ばすか、そのままにして使用する。
【0009】
本発明のエアゾール型化粧料に用いる成分(a)レシチン、N−アシルグルタミン酸、アミノ変性シリコーン及びセラミドよりなる群から選ばれる化合物としては、肌への親和性があるもので、化粧料に一般に使用されるものであれば、特に限定されず、いずれのものも使用することができる。
【0010】
成分(a)に用いられるレシチンとしては、卵黄、大豆、トウモロコシ等動植物、大腸菌等の微生物から抽出される天然のレシチン、及びそれらの水素添加物、並びに合成のレシチンが挙げられる。具体的には、例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、リゾホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、卵黄レシチン、大豆レシチン等の天然リン脂質、ジラウロイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン、パルミトイル・オレオイルホスファチジルコリン等の合成レシチン、水素添加大豆レシチン、水素添加卵黄レシチン、水素添加ホスファチジルコリン、水素添加ホスファチジルセリンなどの水素添加レシチンなどを例示することができる。
【0011】
成分(a)のレシチンの中でも、カバー力を付与するといった点において25℃で固体の形状のものが好ましい。融点では40℃以上が好ましく、更に50℃以上がより好ましい。
【0012】
成分(a)に用いられるN−アシルグルタミン酸としては、グルタミン酸のアミノ基の水素をアシル基で置換したものを指し、本発明においては、そのAl、Mg、Ca、Zn、Zr及びTi塩を含むものである。
本発明において、アシル基としては、炭素数8〜30の脂肪酸残基が好ましく、例えば、2−エチルヘキサン酸残基、カプリン酸残基、ラウリン酸残基、ミリスチン酸残基、パルミチン酸残基、ステアリン酸残基、ベヘン酸残基、イソパルミチン酸残基、イソステアリン酸残基、オレイン酸残基、リノール酸残基、リノレイン酸残基等が挙げられる。
成分(a)のN−アシルグルタミン酸の具体例としては、例えば、N−ラウロイルグルタミン酸、N−ヘキサノイルグルタミン酸、N−オレイルイルグルタミン酸、N−ミリストノイルグルタミン酸、N−パルミトイルグルタミン酸、N−ステアロイルグルタミン酸等が挙げられる。特にN−ステアリルグルタミン酸、そのAl、Mg、Ca、Zn、Zr及びTi塩が好ましい。
【0013】
成分(a)のN−アシルグルタミン酸の中でも、カバー力を付与するといった点において25℃で固体の形状のものが好ましい。融点では40℃以上が好ましく、更に50℃以上がより好ましい。
【0014】
成分(a)に用いられるアミノ変性シリコーンとしては、アミノ基又はアンモニウム基を有しているシリコーンであればよく、末端水酸基の全て又は一部がメチル基等で封鎖されたアミノ変性シリコーンオイル、末端が封鎖されていないアモジメチコンのどちらでもよい。
【0015】
【化1】
【0016】
〔式中、Rは水酸基、水素原子又はRを示し、Rは置換又は非置換の炭素数1〜20の一価炭化水素基を示し、XはR、−Q−NH(CHNH、−OR又は水酸基を示し、Qは炭素数1〜8の二価炭化水素基を示し、nは1〜5の数を示し、p及びqはその和が数平均で2以上2000未満、好ましくは20以上2000未満、更に好ましくは30以上1000未満となる数を示す。〕
【0017】
上記アミノ変性シリコーンのアミノ当量は、好ましくは200g/mol〜3万g/mol、更に好ましくは500g/mol〜1万g/mol、更に好ましくは600g/mol〜5000g/molである。
ここで、アミノ当量とは、アミノ基又はアンモニウム基1個当たりのシロキサン骨格の質量を意味している。表記単位のg/molはアミノ基又はアンモニウム基1mol当たりに換算した値である。従って、アミノ当量の値が小さいほど分子内でのアミノ基又はアンモニウム基の比率が高いことを示している。
また、このものの粘度は、粉体分散性の向上が得られるという点から、100〜3000mm2/s(25℃)の範囲のものであることが好ましい。
【0018】
また、上記アミノ変性シリコーンの好適な市販品の具体例としては、SF8451C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製,粘度600mm/s,アミノ当量1700g/mol)、SF8452C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製,粘度700mm/s,アミノ当量6400g/mol)、SF8457C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製,粘度1200mm/s,アミノ当量1800g/mol)、KF8003(信越化学工業社製,粘度1850mm/s,アミノ当量2000g/mol)、KF8004(信越化学工業社製,粘度800mm/s,アミノ当量1500g/mol)、KF867S(信越化学工業社製,粘度1300mm/s,アミノ当量1700g/mol)、XF42−B8922(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製,粘度70000mm/s,アミノ当量13000g/mol)等のアミノ変性シリコーンオイルや、SM8704C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製,アミノ当量1800g/mol)等のアモジメチコーンエマルションが挙げられる。(以上、粘度は25℃における値である。)
【0019】
上記アミノ変性シリコーンは25℃で液状のものが好ましく、エマルションの形で使用してもよい。このアミノ変性シリコーンのエマルションは、例えば、アミノ変性シリコーンと溶媒を高剪断で機械混合したものや、アミノ変性シリコーンを水及び乳化剤で乳化したもの、若しくはこれらの組み合わせによって、又は乳化重合によっても調製することができる。
【0020】
成分(a)に用いられるセラミドは、分子中に1個以上の長鎖の直鎖および/もしくは分岐アルキルまたはアルケニル基、更に、少なくとも2個以上の水酸基、1個以上のアミド基(及び/またはアミノ基)を有する非イオン系両親媒性物質の総称である。具体的なセラミドとしては、スフィンゴシン、フィトスフィンゴシンの長鎖脂肪酸アミドであるセラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミド3B、セラミド4、セラミド5、セラミド6、セラミド6I、セラミド6II等の天然セラミド類等が挙げられる。これらのセラミドの中でも、セラミド2、セラミド3が好ましい。また、これらのセラミドは、天然物由来のものであっても、合成したものであってもよい。
【0021】
これらの成分(a)は必要に応じ、その一種又は二種以上を用いることができる。
成分(a)の含有量は、特に限定されないが、噴射時の飛び散りの無さ、目詰まりの無さ、伸び広がりの良さ、カバー力の点において、原液中0.005〜5質量%(以下、単に「%」と示す。)であることが好ましく、0.01〜3%が更に好ましい。
【0022】
また、成分(a)は、成分(b)の金属酸化物粉体を含む粉体の表面に被覆して含有することも可能であり、粉体に肌への付着性と適度な親水性をもたらすため、化粧膜の均一性と化粧持続効果が得られカバー力が向上する。
被覆の方法としては、特に制限なく、公知の方法を用いることができ、溶媒(例えば、水、アルコール、炭化水素及びこれらの混合物)に成分(a)と被覆される粉体粒子を添加し、撹拌処理又はボールミル処理した後、必要に応じて洗浄、濾過を繰返し、夾雑物を除去した後、乾燥、粉砕することにより、表面被覆粉体を得ることができる。また、化粧料の製造工程内で、予め成分(a)と成分(b)を含む粉体を混合して簡易的に表面被覆することも可能である。更に、予め表面に被覆して市販しているものを使用することも可能である。
表面被覆として、成分(a)以外の成分とともに表面被覆することもでき、例えば、成分(a)として、N−ステアロイルグルタミン酸二ナトリウムの場合、水酸化アルミニウムとともに表面被覆を行ったものを使用することができる。
【0023】
本発明のエアゾール型化粧料に用いる成分(b)の金属酸化物粉体としては、化粧料に一般に使用される金属酸化物粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、具体的には、酸化チタン、チタン・酸化チタン焼結物、酸化亜鉛、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、群青、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素等が挙げられ、これらを含有する複合粉体も含まれ、その一種又は二種以上を用いることができ、必要に応じて、成分(a)や成分(a)以外のシリコーン系化合物、フッ素系化合物、金属石鹸、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等を用いて、公知の方法により表面処理を施したり、更に複合化したものを用いても良い。
また、必要に応じて、雲母、タルク、ガラスフレーク、アルミニウム等の粉体に被覆して用いることも可能である。例えば、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素の複合粉体等が挙げられる。
この中でも、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウム、酸化チタン被覆雲母がカバー力の点において好ましい。
【0024】
成分(b)の含有量は特に限定されないが、伸び広がりとカバー力の点において、原液中1〜40%であることが好ましく、より好ましくは2〜35%である。
【0025】
本発明のエアゾール型化粧料に用いる成分(c)の部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物は、オルガノポリシロキサンを架橋結合させて得られる、一部に三次元架橋構造を有する重合物である。
【0026】
成分(c)の部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物は、例えば、次の(A)に示されるケイ素原子に結合した水素原子を平均で1.5個以上分子中に含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、(B)に示される分子中に平均で1.5個以上のビニル性反応部位を有する化合物との付加重合によって得ることができる。
【0027】
(A)は、SiO単位、HSiO1.5単位、RSiO1.5単位、RHSiO単位、RSiO単位、RSiO0.5単位及びRHSiO0.5単位(ここで、Rは脂肪族不飽和基を除く、置換もしくは非置換の炭素数1〜30の一価炭化水素基である。一価炭化水素基は、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ビニル基等の脂肪族不飽和基、メチル基、エチル基、プロピル基等の水素原子をフェニル基、トリル基等のアリール基で置換されたアラルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フルオロ基を含有するハロゲン化炭化水素基、エチレンオキサイド基を含有する炭化水素基等である。)からなる群から選択された少なくとも1種の構造単位で構成され、且つケイ素原子に結合した水素原子を平均で1.5個以上分子中に含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。
【0028】
(B)は次の(B−1)〜(B−3)から選ばれる一種又は二種以上である。(B−1)は、SiO単位、(CH=CH)SiO1.5単位、RSiO1.5単位、R(CH=CH)SiO単位、RSiO単位、RSiO0.5単位及びR(CH=CH)SiO0.5単位(ここで、Rは脂肪族不飽和基を除く置換もしくは非置換の炭素数1〜30の一価炭化水素基である。一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ビニル基等の脂肪族不飽和基、メチル基、エチル基、プロピル基等の水素原子をフェニル基、トリル基等のアリール基で置換されたアラルキル基、シクロヘキシル基や、フルオロ基を含有するハロゲン化炭化水素基、エチレンオキサイド基を含有する炭化水素基等が挙げられる。)からなる群から選択された少なくとも1種の構造単位で構成され、且つ分子中にケイ素原子に結合したビニル基を平均で1.5個以上含有するオルガノポリシロキサンである。
(B−2)は、下記一般式(イ)で表わされるポリオキシアルキレンである。
2m−1O(CO)(CO)2m−1・・・(イ)
(式中、hは2〜200の整数、iは0〜200の整数、h+iは3〜200の整数、mは2〜6をそれぞれ示す)
(B−3)は、下記一般式(ロ)で表される不飽和炭化水素である。
2n−1(CH2n−1・・・(ロ)
(但し、nは2〜6、jは1以上の整数である。)
【0029】
成分(c)のの部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物は、例えば、特公平8−6035号公報、特開平4−272932号公報、特開平5−140320号公報、特開2001−342255号公報、国際公開第2003/024413号パンフレットに記載されているものを使用することができる。
【0030】
成分(c)の具体例としては、日本化粧品工業連合会が作成した「成分表示名称リスト」に収載されている表示名称で表すと、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー等の部分架橋型メチルポリシロキサン、(ジメチコン/フェニルジメチコン)クロスポリマー等の部分架橋型メチルフェニルポリシロキサンが挙げられる。
また、分子中にポリオキシアルキレン基を含有する重合物としては、例えば、(ジメチコン/(PEG−10/15))クロスポリマー等の部分架橋型ポリエーテル変性シリコーンが挙げられる。
また、分子中に長鎖アルキル基を含有する重合物としては、例えば、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー等の部分架橋型アルキル変性シリコーンが挙げられる。
分子中にポリオキシアルキレン基及び長鎖アルキル基を含有する重合物としては、例えば、PEG−15ラウリルジメチコンクロスポリマー等の部分架橋型アルキル・ポリエーテル共変性シリコーンが挙げられる。
分子中にハロゲン化炭化水素基を含有する重合物としては、例えば、(トリフルオロプロピルジメチコン/トリフルオロプロピルジビニルジメチコン)クロスポリマー等の部分架橋型フッ素変性シリコーンが挙げられる。
これらの一種又は二種以上を用いることができる。
【0031】
成分(c)は、混合物の形態で市販されており、部分架橋型メチルポリシロキサンと環状シリコーンとの混合物としてKSG−15(固形分5%)、部分架橋型メチルポリシロキサンとジメチルポリシロキサンとの混合物としてKSG−16(固形分20〜30%)、部分架橋型メチルフェニルポリシロキサンとフェニルトリメチコンとの混合物としてKSG−18(固形分10〜20%)、部分架橋型ポリエーテル変性シリコーンとジメチルポリシロキサンとの混合物としてKSG−210(固形分20〜30%)、部分架橋型アルキル変性シリコーンと油剤との混合物としてKSG−41(固形分25〜35%)、KSG−42(固形分20〜30%)、KSG−43(固形分25〜35%)及びKSG−44(固形分25〜35%)、部分架橋型アルキル・ポリエーテル共変性シリコーンと油剤との混合物としてKSG−310(固形分25〜35%)、KSG−320(固形分20〜30%)、KSG−330(固形分15〜25%)、KSG−340(固形分25〜35%)及びKSG−340(固形分25〜35%)(以上、信越化学工業社製)が挙げられる。また、部分架橋型フッ素変性シリコーンは、フルオロアルキル基含有環状オルガノポリシロキサン等の環状フッ素含有シリコーンとの混合物として用いられ、例えばKSG−51(固形分15〜25%:信越化学工業社製)がある。
これらの部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物は必要に応じてその一種又は二種以上を用いることができる。
これらの中でも部分架橋型メチルポリシロキサンを用いることが、エアゾール型化粧料の吐出時の飛び散りを抑え、金属酸化物粉体をはじめとする粉体の粉詰まりを抑制する点で好ましい。
【0032】
成分(c)の含有量は特に限定されないが、飛び散りと伸び広がりの点において、原液中0.01〜10%であることが好ましく、より好ましくは0.05%〜5%である。
【0033】
本発明のエアゾール型化粧料に用いる成分(d)の液体油は、成分(a)以外で25℃において液状であり通常化粧料に用いられる液体油剤であれば特に限定されず、いずれのものも使用することができ、揮発性、非揮発性や、動物油、植物油、合成油等の起源を問わず、炭化水素類、油脂類、紫外線吸収剤も含むエステル油類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類等の油剤が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、重質流動イソパラフィン、α−オレフィンオリゴマー、スクワラン、ポリイソブチレン、ポリブテン等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ホホバ油、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、2−エチルヘキサン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル、トリメリト酸トリトリデシル等のエステル類、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステアリル・2−オクチルドデシル)等のアミノ酸系油剤、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール等の高級アルコール類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、アルコキシ変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン油類、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
これらの中でも、デカメチルシクロペンタシロキサン、ジメチルポリシロキサンやメチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油が、カバー力や、伸び広がり、適度な肌への密着感と化粧料の経時安定性の点において好ましい。
【0034】
本発明における成分(d)の含有量は、カバー力や、伸び広がり、適度な肌への密着感と化粧料の経時安定性の点において、原液中15〜70%が好ましく、20〜65%がより好ましい。尚、成分(c)の混合物として含有する液体油の含有量も含めるものとする。
【0035】
本発明のエアゾール型化粧料に用いる噴射剤としては、炭素数2〜5の炭化水素及びジメチルエーテル(以下、「DME」と記すことがある。)ジエチルエーテル等のエーテル類、炭酸ガス、窒素ガス、酸素等の圧縮ガス類が挙げられる。
炭素数2〜5の炭化水素としては、具体的に、エタン、プロパン(以下[LPG」と記すことがある。)、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン等が挙げられる。
これらの中でも、エアゾール容器内で、長期にわたる安定性を向上する点で、炭素数2〜5の炭化水素、ジメチルエーテルを用いることが好ましい。
更には、高温下での安全性の観点から、20℃での圧力を0.15mPaに調整したプロパン(以下、「LPG0.15」と記すことがある。)が好ましい。
【0036】
本発明においては、涼感や均一に噴射できるという観点から、霧状に噴射される形態が好ましい。そして、エアゾール中の原液と噴射剤との充填割合は、原液15〜40%、噴射剤60〜85%が好ましい。
【0037】
また、噴射剤の成分は、噴射時の涼感や塗布膜のカバー力の点において、DMEとLPGの併用が好ましく、含有比率としては質量比で、DME:LPG=1:3〜1:10が好ましく、1:4〜1:7がより好ましい。
【0038】
本発明において、更に成分(e)の水を含有することにより、涼感や、付着性が向上するため好ましい。本発明に用いられる成分(e)水は、特に限定されず、精製水、脱イオン水、蒸留水、温泉水や、ローズ水、ラベンダー水等の植物由来の水蒸気蒸留水等のいわゆる水を用いることができる。
本発明において、成分(e)の含有量は、原液中5〜80%が好ましく、10〜50%がより好ましい
【0039】
本発明のエアゾール型化粧料には、上記の(a)〜(e)の成分に加え、本発明の効果を妨げない範囲で、油性成分、油ゲル化剤、粉体およびそれらの表面処理物、界面活性剤、水性成分、紫外線吸収剤、保湿剤、酸化防止剤、美容成分、防腐剤、色素、香料等、通常化粧料に含有される他の成分を含有することができる。
【0040】
油性成分としては、成分(d)以外で、通常化粧料に用いられる25℃で固形の油性成分であれば特に限定されす、使用することができ、例えばワセリン、セレシンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライトワックス、エチレンプロピレンコポリマー等の炭化水素類、モクロウ等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ、モンタンワックス等のロウ類、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のアミノ酸系油剤、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、シリコーンワックス等のシリコーン油類、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、油性ゲル化剤として、12−ヒドロキシステアリン酸、パルミチン酸デキストリン、パルミチン酸/2−エチルヘキサン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、オクタン酸デキストリン、パルミチン酸/ステアリン酸デキストリン、オレイン酸デキストリン、イソパルミチン酸デキストリン、イソステアリン酸デキストリンのデキストリン脂肪酸エステル類、ショ糖ステアリン酸エステル、酢酸ステアリン酸スクロースのショ糖脂肪酸エステル、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等が挙げられる。
【0041】
粉体成分としては、成分(b)以外で、化粧料に一般に使用される粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的に例示すれば、硫酸バリウム等の白色無機顔料、カーボンブラック、水酸化クロム、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等の光輝性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等の合成樹脂粉体、ポリプロピレン系樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体等が挙げられ、これら粉体はその一種又は二種以上を用いることができ、必要に応じて、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等を用いて、公知の方法により表面処理を施したり、更に複合化したものを用いても良い。
【0042】
界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であればいずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
【0043】
水性成分としては、例えば、エチルアルコール等のアルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1、2−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類等が挙げられる。
【0044】
紫外線吸収剤としては、成分(d)以外で、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン等のサリチル酸系;パラアミノ安息香酸、エチルジヒドロキシプロピルパラアミノ安息香酸、グリセリルパラアミノ安息香酸、オクチルジメチルパラアミノ安息香酸、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルへキシル等のPABA系;4−(2−β−グルコピラノシロキシ)プロポキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2、2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、2,5−ジイソプロピルケイ皮酸メチル、2,4,6−トリス[4−(2−エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、p−メトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩等のケイ皮酸系;2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン等のベンゾイルメタン系;2−シアノ−3,3−ジフェニルプロパン−2−エン酸2−エチルヘキシルエステル(別名;オクトクリレン)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルへキシル、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジメチル−1,3−ペンタンジオン、シノキサート、メチル−O−アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、オクチルトリアゾン、4−(3,4−ジメトキシフェニルメチレン)−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、これらの高分子誘導体、及びシラン誘導体等が挙げられ、目的に応じて一種又は二種以上を用いることができる。
【0045】
保湿剤としては、尿素、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩等が挙げられる。
【0046】
防腐剤、抗菌剤としてはパラオキシ安息香酸エステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。
【0047】
酸化防止剤としては、トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン等、pH調整剤としては乳酸、乳酸塩、クエン酸、クエン酸塩、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等、キレート剤としてはアラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸塩、ヒドロキシエタンジホスホン等、清涼剤としてはL−メントール、カンファ、薄荷油、ペパーミント油、ユーカリ油等、抗炎症剤としてはアラントイン、グリチルレチン酸塩、グリチルレチン誘導体、トラネキサム酸、アズレン等が夫々挙げられる。
【0048】
美容成分としては、アルブチン、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ロイヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体、幼牛血液抽出液等の細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等の血行促進剤、タンニン酸等の皮膚収斂剤、イオウ、チアントロール等の抗脂漏剤等が挙げられる。
【0049】
ビタミン類としてはビタミンA油、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類、リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート等のビタミンB6類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸2−グルコシド、L−アスコルビン酸−2−硫酸ナトリウム、dl−α−トコフェロール−L−アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム、L−アスコルビン酸グルコシド等のビタミンC類、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類、ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のビタミンE類、ビタミンP、ビオチン等が挙げられる。
【0050】
アミノ酸類としては、アルギニン、アスパラギン酸、シスチン、システイン、メチオニン、セリン、ロイシン、イソロイシン、トリプトファン、アラニン、グリシン、プロリン、テアニン、ヒドロキシプロリン、ヒスチジン等が挙げられる。
【0051】
本発明のエアゾール型化粧料の製造方法は、特に限定されるものではなく常法により調製されるが、例えば、原液は、成分(a)成分(b)および成分(d)の一部をローラーを用いて混練し、成分(d)の残部及び成分(c)を加えて混合して均一に分散して得ることができ、また更に成分(e)を加えて乳化して原液を得ることができる。該原液と噴射剤を耐圧容器に充填し、エアゾール型化粧料を得ることができる。
【0052】
本発明のエアゾールの充填方法としては、特に限定されないが、常法により調製した原液を耐圧容器に充填し、容器にエアゾールバルブを固着した後、該バルブを通じて液化ガスを注入する。更に、前記エアゾールバルブに目的に応じた噴射部材を取り付けることによりエアゾール製品となる。また、原液が油相と水相を形成する場合、充填過程において、回数減少と均質化のため、油中水型乳化物を形成した後に充填してもよく、油相と水相や粉体等を、別々に充填してから噴射剤を注入してもよい。
【0053】
本発明のエアゾール型化粧料の原液は、油相、粉体相が分離していても均一でもよく、また、必要に応じて水相がある場合、分離していても、分散や油中水型、水中油型になっていてもよい。また、メイクアップ化粧料としては、ファンデーション、コンシーラー、頬紅、化粧下地、アイシャドウや日焼け止め化粧料、ボディー用や毛髪用の化粧料として用いることができる。
【実施例】
【0054】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0055】
参考例1〜8(本明細書内以下において、実施例1〜8は参考例1〜8とそれぞれ読み替えるものとする。)及び比較例1〜4:エアゾール型化粧料(日焼け止め化粧料)
表1に示す組成および下記製法にてエアゾール型化粧料を調製した。得られた化粧料に対して、(イ)噴射時の飛び散りの無さ、(ロ)カバー力として(ロ)−1凹凸補正、(ロ)−2肌の色調補正、(ハ)伸び広がりについて、下記の方法により評価し、その結果を併せて表1に示した。



【0056】
【表1】
【0057】
*1:TITANIX JR−800(テイカ社製)
*2:MZ−500(テイカ社製)
*3:HSL−70(ワイエムシィ社製)
*4:LP70H(日本精化社製)
*5:Amisoft HS−11(P)(味の素ヘルシーサプライ社製)
*6:SF8451C(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)
*7:KSG−15(信越化学工業社製)
*8:トスパール2000B*(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
【0058】
A:成分(1)〜(12)を3本ローラーで混錬した。
B:Aに成分(13)〜(18)を混合し均一に分散させた。
C:成分(19)〜(22)を混合し、Bに添加し乳化を行い、原液を得た。
D:Cで得られた原液8gを透明ガラス製およびアルミ製の耐圧容器に充填した後バルブを固着し、バルブを通じてLPG:DME=7:1の噴射剤32gを耐圧容器に充填し、エアゾール型化粧料を得た。
【0059】
評価項目
(イ) 噴射時の飛び散りの無さ
(ロ)−1 カバー力(凹凸補正)
(ロ)−2 カバー力(肌の色調補正)
(ハ) 伸び広がり
【0060】
(評価方法1:噴射時の飛び散りの無さ)
実施例1〜8及び比較例1〜4のエアゾール型化粧料を、アルミ製の耐圧容器(仕様;ステム:0.4m径、ハウジング:0.8×0.55mm径、ボタン:0.5mm径)に充填し、25℃において黒色人工皮革とエアゾール型化粧料の噴射口が15cmの距離で水平を保ち10秒間噴射した際の化粧料の飛び散り状態を測定した。尚、各試料は5回噴射しそれぞれの平均値を用いた。
[判定基準]
(判定):(評価)
○ :塗付部中心から最も飛散した点まで6cm以内
△ :塗付部中心から最も飛散した点まで8cm以内
× :塗付部中心から最も飛散した点まで10cm以内
【0061】
(評価方法2:カバー力(凹凸補正))
実施例1〜8及び比較例1〜4のエアゾール型化粧料を、アルミ製の耐圧容器(仕様;ステム:0.4m径、ハウジング:0.8×0.55mm径、ボタン:0.5mm径)に充填し、スポンジパフに3秒間噴射した後全顔に塗布しロゴスキンアナライザーRSA−100(インフォワード社製)を用いて塗布前後の毛穴の減少率を観察した。
[判定基準]
(判定):(評価)
○ :毛穴の減少率が20%以上
△ :毛穴の減少率が10%以上20%未満
× :毛穴の減少率が10%未満
【0062】
(評価方法3:カバー力(肌の色調補正)、肌上の伸び広がり)
化粧料評価専門パネル20名に、実施例1〜8及び比較例1〜4のエアゾール型化粧料をスポンジパフに3秒間噴射した後、全顔に伸ばして使用してもらい、使用時の「肌上の伸び広がり」と使用後の「カバー力(肌の色調補正)」について、各自が下記の評価基準に従って5段階評価し、サンプル毎に評点を付し、更に全パネルの評点の平均点を下記の判定基準に従って判定した。
[評価基準]
(評点):(結果)
5点 : 非常に良好
4点 : 良好
3点 : 普通
2点 : やや不良
1点 : 不良
[判定基準]
(判定):(評点の平均点)
◎ : 4.5〜5.0点
○ : 3.5〜4.5点未満
△ : 2.0〜3.5点未満
× : 1.0〜2.0点未満
【0063】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜8のエアゾール型化粧料は、いずれも涼感が得られ、噴射時の飛び散りが少なく、肌上の伸び広がりに優れ、カバー力に優れるものであった。また、30回使用後も目詰まりがないものであった。
これに対し、比較例1は、従来技術である比較例2のシリコーン粉体に代えて成分(c)の架橋型オルガノポリシロキサンを用い成分(a)を含有していないものであるが、比較例2に比べて、噴射時の飛び散りや伸び広がりは少し改善されたが、いずれもカバー力が劣るものであった。
成分(a)を含有しているが、成分(c)を含有しなかった比較例3は、噴射時の飛び散りが多く感触上も劣るものであった。肌上での伸び広がりや付着性も向上することはなかった。
成分(c)の代わりにシリコーン粉体を含有し、成分(a)を含有している比較例4は、噴射時の飛び散りが多く、塗布具から肌への化粧料の移行が少なくカバー力はあまり良いものではなかった。
以上の結果より、本発明の各成分を組み合わせることにより、噴射時の飛び散りが少なくメイク化粧料としても優れたカバー力があり、塗付時の伸びがなめらかなエアゾール型化粧料を得られることが示された。
【0064】
実施例9:エアゾール型ファンデーション
(成分) (%)
(1)ステアロイルグルタミン酸2Na(3%)処理
酸化チタン*9 20
(2)赤酸化鉄 0.8
(3)黄酸化鉄 1.5
(4)黒酸化鉄 0.5
(5)デカメチルシクロペンタシロキサン 10
(6)PEG/PPG−20/−20ジメチコン*10 1
(7)デカメチルシクロペンタシロキサン 7
(8)ジメチルポリシロキサン(10mm/s、25℃) 残量
(9)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル
安息香酸ヘキシル*11 2
(10)メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 5
(11)ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニル
トリアジン *12 5
(12)ジカプリン酸プロピレングリコール 5
(13)PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 0.25
(14)部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物
の混合物*13 5
(15)ヒアルロン酸Na 0.001
(16)ペパーミント抽出液 0.001
(17)メチルパラベン 0.2
(18)エチルアルコール 0.2
(19)精製水 0.2
*9:NAIチタンMP―1133(三好化成社製)
*10:BY22―008(東レ・ダウコーニング社製)
*11:ユビナール A PLUS GRANULER(BASF社製)
*12:TINOSORB S(BASF社製)
*13:KSG−43(信越化学工業社製)
【0065】
(製造方法)
A:成分(1)〜(6)を3本ローラーにて混練。
B:Aと成分(7)〜(16)を混合し、均一に分散させる。
C:成分(17)〜(19)を混合し、Bに添加し、乳化する。
D:Cで得られた原液9gをアルミ製耐圧容器に充填した後バルブを固着し、バルブを通じてLPG0.15 15gおよびジメチルエーテル 2gを耐圧容器に充填し、エアゾール型ファンデーションを得た。
【0066】
本発明のエアゾール型ファンデーションは、涼感が得られ、噴射時の飛び散りが少なく、肌上の伸び広がりに優れ、カバー力に優れるものであった。また、30回使用後も目詰まりがないものであった。
【0067】
実施例10:エアゾール型頬紅
(成分) (%)
(1)酸化チタン*1 20
(2)赤色226号 0.8
(3)雲母チタン*14 3
(4)オクチルトリエトキシシラン(5%)処理セリサイト 10
(5)ナイロンパウダー(球状:平均粒径10μm) 5
(6)窒化ホウ素 5
(7)アミノ変性シリコーン(3%)処理セリサイト*15 残量
(8)部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物の混合物*16 5
(9)ミリスチン酸亜鉛 1
(10)メチルパラベン 0.2
(11)ジメチルポリシロキサン(20mm/s:25℃) 10
(12)PEG−10水添ひまし油 0.5
(13)スクワラン 5
(14)デカメチルシクロペンタシロキサン 15
(15)コハク酸ジ2−エチルヘキシル 10
(16)セージ油 0.1
(17)アスタキサンチン 0.001
(18)香料 適量
*14:TIMIRON STARLUSTER MP−115(メルク社製)
*15:Y−2300WA3(ヤマグチマイカ社製)
*16:KSG−16F(信越化学工業社製)
【0068】
(製造方法)
A:成分(1)〜(18)を混合し、均一に分散させる。
B:Aで得られた原液9gをアルミ製耐圧容器に充填した後バルブを固着し、バルブを通じてLPG0.15 15gおよびジメチルエーテル 2gを耐圧容器に充填し、エアゾール型ほほ紅を得た。
【0069】
本発明のエアゾール型頬紅は、涼感が得られ、噴射時の飛び散りが少なく、肌上の伸び広がりに優れ、カバー力に優れるものであった。また、30回使用後も目詰まりがないものであった。
【0070】
実施例11:エアゾール型アイシャドウ
(成分) (%)
(1)セラミド2(*17)0.1%被覆マイカ 5
(2)セラミド2(*17)0.1%被覆タルク 20
(3)タルク 5
(4)赤色202号 1
(5)青404号 0.2
(6)黒酸化鉄 0.1
(7)群青 0.5
(8)シリコーン処理ケイ酸・酸化チタン被覆雲母*18 10
(9)コンジョウ被覆雲母チタン*19 5
(10)酸化チタン被覆合成金雲母*20 10
(11)部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物
の混合物*21 5
(12)ジメチルポリシロキサン(3%)処理セリサイト 残量
(13)セスキステアリン酸ソルビタン 1
(14)重質イソパラフィン 3
(15)ミネラルオイル(10mm/s:25℃) 5
(16)ジメチルポリシロキサン(6mm/s:25℃) 10
(17)リンゴ酸ジイソステアリル 8
*17:CERAMIDE TIC−001(高砂香料工業社製)
*18:ジメチルポリシロキサン(3%)処理チミロンスプレンディドバイオレット(メルク社製)
*19:DUOCROME BR(BASF社製)
*20:HELIOS R100S(トピー工業社製)
*21:KSG−210(信越化学工業社製)
【0071】
(製造方法)
A:成分(1)〜(17)を混合し、均一に分散させる。
B:Aで得られた原液11gをアルミ製耐圧容器に充填した後バルブを固着し、バルブを通じてLPG0.15 10gおよびジメチルエーテル 1gを耐圧容器に充填し、エアゾール型アイシャドウを得た。
【0072】
本発明のエアゾール型アイシャドウは、涼感が得られ、噴射時の飛び散りが少なく、肌上の伸び広がりに優れ、カバー力に優れるものであった。また、30回使用後も目詰まりがないものであった。
【0073】
実施例12:エアゾール型毛髪化粧料
(成分) (%)
(1)シリコーン処理微粒子酸化亜鉛*22 5
(2)ステアロイルグルタミン酸2Na*23 20
(3)スクワラン 5
(4)部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物の混合物*24 5
(5)エチルアルコール 残量
(6)PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 1
(7)ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体 12
(8)香料 0.5
(9)精製水 30
*22:MZY−505S(テイカ社製)
*23:Amisoft HS−21(P)(味の素ヘルシーサプライ社製)
*24:KSG−18(信越化学工業社製)
【0074】
(製造方法)
A:成分(1)〜(8)を混合し、均一に分散させる。
B:成分(9)をBに添加し、乳化する。
C:Bで得られた原液6gをアルミ製耐圧容器に充填した後バルブを固着し、バルブを通じてLPG0.15 15gおよびジメチルエーテル 2gを耐圧容器に充填し、エアゾール型毛髪化粧料を得た。
【0075】
本発明のエアゾール型ファンデーションは、涼感が得られ、噴射時の飛び散りが少なく、肌上の伸び広がりに優れ、カバー力に優れるものであった。また、30回使用後も目詰まりがないものであった。
【0076】
実施例13:エアゾール型ボディパウダー
(成分)
(成分) (%)
(1)シリコーン処理微粒子酸化チタン*25 10
(2)水添リゾリン脂質*4 0.1
(3)雲母チタン 25
(4)部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物の混合物*26 8
(5)タルク 残量
(6)スクワラン 5
(7)ジメチルポリシロキサン(100mm/s:25℃) 10
(8)メトキシケイヒ酸2−エチルヘキシル 7.5
(9)フェノキシエタノール 0.3
(10)ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロピレングリコール 15
(11)香料 0.5
*25:SMT−500SAS(テイカ社製)
*26:KSG−310(信越化学工業社製)
【0077】
(製造方法)
A:成分(1)〜(11)を混合し、均一に分散させる。
B:Aで得られた原液6gをアルミ製耐圧容器に充填した後バルブを固着し、バルブを通じてLPG0.15 15gおよびジメチルエーテル 2gを耐圧容器に充填し、エアゾール型ボディパウダーを得た。
【0078】
本発明のエアゾール型ボディパウダーは、涼感が得られ、噴射時の飛び散りが少なく、肌上の伸び広がりに優れ、カバー力に優れるものであった。また、30回使用後も目詰まりがないものであった。