(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6374190
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】仮設樋、仮設樋の施工方法
(51)【国際特許分類】
E04D 13/08 20060101AFI20180806BHJP
【FI】
E04D13/08 Z
E04D13/08 301A
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-57526(P2014-57526)
(22)【出願日】2014年3月20日
(65)【公開番号】特開2015-183352(P2015-183352A)
(43)【公開日】2015年10月22日
【審査請求日】2017年3月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000201478
【氏名又は名称】前田建設工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100549
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 嘉之
(74)【代理人】
【識別番号】100137822
【弁理士】
【氏名又は名称】香坂 薫
(72)【発明者】
【氏名】杉本 真也
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 好朗
【審査官】
坪内 優佳
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−154061(JP,A)
【文献】
特開2005−194719(JP,A)
【文献】
特開平09−296577(JP,A)
【文献】
特開平08−100502(JP,A)
【文献】
特開2001−173172(JP,A)
【文献】
実開昭54−086725(JP,U)
【文献】
特開平06−322911(JP,A)
【文献】
特開2008−286235(JP,A)
【文献】
特開平8−105086(JP,A)
【文献】
特開2009−174307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/04−13/08
E04F 17/00−17/12
E03C 1/00− 1/33
F16L 1/00− 1/26
F16L 5/00− 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部が二重筒であり、伸縮自在な筒部と、
設置場所の長さに応じて前記筒部の長さを固定する固定部と、
を備え、
前記筒部は、前記設置場所の下側の排水部に接続される下側接続部を下部に有する下側筒部と、前記設置場所の上側の排水部に接続される上側接続部を上部に有し且つ前記下側筒部に内包できるよう外径が前記下側筒部の内径よりも小さな上側筒部と、を含み、
前記固定部は、前記上側接続部が前記上側の排水部に接続されると共に前記下側接続部が前記下側の排水部に接続された状態で、前記下側筒部の上端に当接するように前記上側筒部の周囲に固定されることで前記上側筒部の下方への移動を規制する、仮設樋。
【請求項2】
少なくとも一部が二重筒であり、伸縮自在な筒部と、設置場所の長さに応じて前記筒部の長さを固定する固定部と、を備える仮設樋を用いた仮設樋の施工方法であって、
前記筒部の下部を前記設置場所の下側の排水部に接続する下部の接続工程と、
前記筒部を伸縮させ、当該筒部の上部を前記設置場所の上側の排水部に接続する上部の接続工程と、
前記筒部の下部が下側の排水部に接続され、前記筒部の上部が上側の排水部に接続された状態で、前記固定部により、前記筒部の長さを固定する固定工程と、を備える仮設樋の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮設樋、仮設樋の施工方法の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、建物の外壁に竪樋を設置する技術が開示されている。また、例えば、特許文献2には、柔軟性を有する樹脂製筒状シートからなる仮設竪樋が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−236624号公報
【特許文献2】特開2004−150213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
仮設の竪樋を設置する方法として、塩ビパイプの上部に穴を開けて紐を通し、上階ドレンから吊るす方法がある。しかしながら、従来の方法では、塩ビパイプを上階のドレンから吊るす際に、脚立が必要であった。また、上記従来の方法では、仮設の竪樋の設置に少なくとも2名の作業者が必要であった。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑み、従来よりも容易に仮設樋を設置できる技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、上記課題を解決するため、仮設樋としての筒部の一部を二重筒として伸縮自在として、仮設樋の設置長さに応じて筒部を固定できるようにした。
【0007】
詳細には、本発明は、少なくとも一部が二重筒であり、伸縮自在な筒部と、設置場所の長さに応じて前記筒部の長さを固定する固定部と、を備える仮設樋である。
【0008】
本発明に係る仮設樋によれば、筒部のうち少なくとも一部が二重筒であり、伸縮自在である。そのため、作業者は、設置場所の床面に居ながら、筒部を伸ばし、例えば、筒部の上部を天井の排水部等に接続することができる。その結果、仮設樋の施工において、脚立が不要であり、筒部の伸縮、設置場所への筒部の接続は、一人の作業者が行うことができる。したがって、従来よりも容易に仮設樋を設置することができる。また、脚立が不要であり、高所作業を行う必要がないため、安全性が向上する。更に、仮設樋は、設置場所の長さに応じて筒部の長さが調整自在であるため、撤去後、他の設置場所においての使用が可能である。すなわち、本発明に係る仮設樋は、繰り返しの使用が可能である。
【0009】
筒部は、伸ばした状態と、縮んだ状態とを有する。伸ばした状態では、縮んだ状態においてラップしている長さ分だけ長くすることができる。設置場所は、仮設樋が設置される場所であり、例えば、複数階層を有する建物における上層階の床と下層階の床との間に設置される竪樋の設置場所が例示される。
【0010】
ここで、本発明に係る仮設樋は、前記筒部の下部に設けられ、前記設置場所の下側の排水部に接続される下側接続部を更に備える構成とすることができる。これにより、筒部の下部を設置場所の下側の排水部に接続することができる。下側接続部は、筒部の下部が下
側の排水部よりも下に抜け落ちないようにするとよい。また、下側接続部は、筒部の下部を下側の排水部に接続した際、筒部の下部の水平方向への移動を規制できるとよい。
【0011】
また、本発明に係る仮設樋は、前記筒部の上部に設けられ、前記設置場所の上側の排水部に接続される上側接続部を更に備える構成とすることができる。これにより、筒部の上部を設置場所の上側の排水部に接続することができる。上側接続部は、筒部の上部が上側の排水部よりも上に抜けないようにするとよい。また、上側接続部は、筒部の上部を上側の排水部に接続した際、筒部の上部の水平方向への移動を規制できるとよい。
【0012】
また、本発明は、仮設樋の施工方法として特定することができる。例えば、本発明は、少なくとも一部が二重筒であり、伸縮自在な筒部と、設置場所の長さに応じて前記筒部の長さを固定する固定部と、を備える仮設樋を用いた仮設樋の施工方法であって、前記筒部の下部を前記設置場所の下側の排水部に接続する下部の接続工程と、前記筒部を伸縮させ、当該筒部の上部を前記設置場所の上側の排水部に接続する上部の接続工程と、前記筒部の下部が下側の排水部に接続され、前記筒部の上部が上側の排水部に接続された状態で、前記固定部により、前記筒部の長さを固定する固定工程と、を備える仮設樋の施工方法である。
【0013】
本発明に係る仮設樋の施工方法によれば、作業者は、設置場所の床面に居ながら、筒部を伸ばし、例えば、筒部の上部を天井の排水部等に接続することができる。その結果、仮設樋の施工において、脚立が不要であり、筒部の伸縮、設置場所への筒部の接続は、一人の作業者が行うことができる。したがって、従来よりも容易に仮設樋を設置することができる。また、脚立が不要であり、高所作業を行う必要がないため、安全性が向上する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、従来よりも容易に仮設樋を設置できる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、実施形態に係る仮設の竪樋の設置状況を示す。
【
図2】
図2は、実施形態に係る仮設の竪樋の斜視図を示す。
【
図3】
図3は、実施形態に係る仮設の竪樋の分解斜視図を示す。
【
図4】
図4は、実施形態に係る仮設の竪樋の上側接続部の斜視図を示す。
【
図5】
図5は、実施形態に係る仮設の竪樋の固定部の斜視図を示す。
【
図6】
図6は、実施形態に係る仮設の竪樋の下側接続部の斜視図を示す。
【
図7】
図7は、実施形態に係る仮設の竪樋の筒部の断面図を示す。
【
図8】
図8は、実施形態に係る仮設の竪樋の施工フローを示す。
【
図9】
図9は、実施形態に係る仮設の竪樋の下部をドレンに接続する様子を示す。
【
図10】
図10は、実施形態に係る仮設の竪樋の伸縮状況を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、仮設の竪樋を複数階層の建物の上層階の床のドレンと下層階の床のドレンに接続する場合を例に説明する。以下の説明は例示であり、本発明は以下の内容に限定されるものではない。
【0017】
<構成>
図1に示すように、仮設の竪樋1は、建物9の上層階の床のドレン97(本発明の上側の排水部に相当する)と下層階の床のドレン96(本発明の下側の排水部に相当する)に接続されている。建物9は、柱91、梁92、床93、天井94を備える。床93には、底面が床面よりも低く形成された直線状の排水溝95が設けられている。排水溝95には、互いに間隔を開けて複数のドレン96が設けられている(
図1では、複数のドレンのう
ちの一部を示す)。ドレン96,97は、説明の便宜上、
図1において床93の排水溝95に設けられているものを下層階の床のドレン96と称し、
図1において天井94側に設けられているものを上層階の床のドレン97と称する。下層階の床のドレン96は、上層階の床のドレン97の鉛直下方に設けられている。
【0018】
図1から
図3に示すように、仮設の竪樋1は、筒部2、上側接続部3、固定部4、下側接続部5を備える。筒部2は、少なくとも一部が二重筒であり、伸縮自在である。筒部2は、上側筒部22と下側筒部21とを有する。上側筒部22と下側筒部21は、何れも円筒である。但し、上側筒部22は、下側筒部21に内包できるよう、外径が下側筒部21の内径よりも小さく形成されている(
図7参照)。上側筒部22と下側筒部21は、所謂塩ビパイプによって構成されている。但し、材質や形状は、上記に限定されてない。
【0019】
図4は、実施形態に係る仮設の竪樋の上側接続部の斜視図を示す。上側接続部3は、上層階の床のドレン97で受けた水を仮設の竪樋1に導く。ドレンの孔(図示せず)は、水を導きやすくするため、一般的には、樋の径よりも大きく形成されている。そこで、上側接続部3は、このように互いに径が異なる、上層階の床のドレン97の孔と仮設の竪樋1とを接続する機能を担う。具体的には、上側接続部3は、筒部2のうちの上側筒部22の上部に接続自在であり、また、上層階の床のドレン97に下層階側から接続自在である。上側接続部3は、全体として円筒形であり、ドレン側の大径部31と、大径部31と連なる筒部側の小径部32とを有する。小径部32は、大径部31と反対側の先端に向けて外径及び内径が徐々に小さくなるよう形成されている。小径部32の外径は、大径部31側の最も大きい箇所で、上側筒部22の内径とほぼ同じである。大径部31は、小径部32よりも外径及び内径が大きく形成されている。また、大径部31の外径は、上層階の床のドレン97の円形の孔の内径よりも僅かに小さく形成され、また、上側筒部22の外径よりも更に一回り大きく形成されている。本実施形態では、上側接続部3に所謂塩ビのインクリーザが用いられている。但し、材質や形状は、上記に限定されない。
【0020】
図5は、実施形態に係る仮設の竪樋の固定部の斜視図を示す。固定部4は、設置場所の長さに応じて筒部2の長さを固定する。具体的には、固定部4は、上側筒部22の周囲に固定されることで、下側筒部21上端と接する。その結果、上側筒部22の下方への移動が規制される。固定部4は、上側筒部22の周囲に巻かれ、一部が縁切りされたリング41と、縁切りされた部分に連なる対向する長方形のプレート412,413を有する。プレート412,413には、固定装置42のボルト421の軸が貫通する貫通孔が設けられている。固定装置42は、ボルト421とナット422によって構成されている。本実施形態では、固定部4に所謂ステンレス製のリングバンドが用いられている。
【0021】
固定部4の材質や形状は、上記に限定されるものではない。固定部4は、上側筒部22に接続自在で、接続した際に、上側筒部22の外面よりも外側に突出し、下側筒部21と接するものであればよい。例えば、上側筒部22の長手方向において、筒の中心を通る貫通孔を複数形成し、固定部4は、このような貫通孔に通す軸部材によって構成してもよい。軸部材の軸が下側筒部21の上端と接することで上側筒部22の下方への移動が規制される。また、軸部材を通す貫通孔の位置を変更することで、筒部2の長さが調整自在である。
【0022】
なお、下側筒部21に、上側筒部22の貫通孔に対応する位置に貫通孔を設け、下側筒部21の貫通孔と上側筒部22の貫通孔とが連通した状態で軸部材を通して固定してもよい。また、本実施形態では、固定装置42のボルト421、ナット422として、所謂蝶ボルト、蝶ナットが夫々用いられている。蝶ボルト、蝶ナットを用いることで、工具を用いることなく、ボルト421とナット422を係合することができる。但し、固定装置42は、蝶ボルト、蝶ナット以外のボルトやナットを用いてもよい。また、例えば、ナット
422をプレート412又はプレート413に予め固定するか、プレート412又はプレート413の貫通孔にボルト412と係合する螺旋溝を設けるようにしてもよい。これにより、作業者は、片手でボルト421を固定部4に固定することができる。
【0023】
図6は、実施形態に係る仮設の竪樋の下側接続部の斜視図を示す。下側接続部5は、筒部2の下部に設けられ、下層階の床のドレン96に接続される。下側接続部5は、下側筒部21の下部が下層階の床のドレン96よりも下に抜け落ちないようにするとともに、下側筒部21の下部の水平方向への移動を規制する。具体的には、下側接続部5は、下側筒部21の下部の周囲に固定されることで、下層階の床のドレン96の底面と接し、ドレン内の孔から抜け落ちるのを規制する。また、下側接続部5は、下層階の床のドレン96の壁と接することで、下側筒部の下部の水平方向への移動を規制する。筒部2は、上部と下部が固定されることで、風による所謂「あばれ」の発生が抑制される。下側接続部5は、第一部材51と第二部材52とを組み合わせることで構成される。第一部材51と第二部材52は、基本的には同様の構成である。第一部材51を例に説明すると、第一部材51は、下側筒部21の周囲に巻かれる半円状の半円部511と、半円部の両端に連なる長方形のプレート512,513を有する。プレート512,513には、固定装置53のボルト531の軸が貫通する貫通孔が設けられている。固定装置53は、ボルト531とナット532によって構成されている。本実施形態では、下側接続部5として、固定部4とは形状が異なる、所謂ステンレス製のリングバンドが用いられている。
【0024】
下側接続部5の材質や形状は、上記に限定されるものではない。下側接続部5は、下側筒部21に接続自在で、接続した際に、下側筒部21の外面よりも外側に突出し、下層階の床のドレン96の底面や壁と接するものであればよい。例えば、下側筒部21の下端よりもやや上に筒の中心を通る貫通孔を形成し、下側接続部5は、このような貫通孔に通す軸部材によって構成してもよい。また、下側接続部5の下部に、外側に突出する突起を設けてもよい。また、下側接続部5として、上述した固定部4を用いてもよい。なお、固定部4として、下側接続部5を用いてもよい。また、本実施形態では、固定装置53のボルト531、ナット532として、所謂蝶ボルト、及び蝶ナットが夫々用いられている。但し、固定部4と同じく、固定装置53のボルト531、ナット532には、蝶ボルト、蝶ナット以外のボルトやナットを用いてもよい。また、例えば、ナット532をプレート512,513に予め固定するか、プレート512,513の貫通孔にボルト531と係合する螺旋溝を設けるようにしてもよい。
【0025】
<仮設の竪樋の施工方法>
図8は、実施形態に係る仮設の竪樋の施工フローを示す。ステップS01では、仮設の竪樋1の下部(下側筒部21の下部)が、下層階の床のドレン96に接続される。具体的には、まず、仮設の竪樋1の下部に下側接続部5が固定装置53によって固定される。下側接続部5は、予め仮設の竪樋1に固定しておいてもよい。次に、
図9に示すように、下側接続部5が、下層階の床のドレン96の底面、及び壁と接するように、ドレン96内に収容される。本実施形態では、下側接続部5のプレート512,513の両端部が、平面視矩形状のドレン96の2つの角(対角)に接するように、下側接続部5がドレン96内に収容される。その結果、下側筒部21の下方への移動、及び水平方向への移動が規制される。
【0026】
ステップS02では、
図10に示すように、筒部2の長さを調整するため、上側筒部22が上方にスライドされる。続いて、仮設の竪樋1の上部(上側筒部の上部に接続された上側接続部3)が、上層階の床のドレン97の孔に接続される。具体的には、上側接続部3の大径部31が上層階の床のドレン97の孔に挿入される。
【0027】
ステップS03では、筒部2の上部と下部が夫々ドレン96,97に接続された状態で
、固定部4により、固定される。具体的には、固定部4が下側筒部21の上端と接する位置で、上側筒部22に取り付けられ、固定装置42により、下側筒部21の上端と接する位置で固定される。固定部4は、予め上側筒部22に仮止めしておき、固定装置42による固定状態を解除して、下側筒部21の上端と接する位置までスライドさせるようにしてもよい。
【0028】
以上により、仮設の竪樋1の設置が完了する(
図1参照)。仮設の竪樋1を取り外す場合には、上述した作業フローと逆の手順で作業を行えばよい。すなわち、固定部4を取り外し(又は、固定部4をスライドさせて上方に移動し)、上側接続部3を上層階の床のドレン97から取り外し、筒部2を縮め、下側接続部5を下層階の床のドレン96から取り外せばよい。
【0029】
<効果>
本実施形態に係る仮設樋によれば、筒部2が二重筒であり、伸縮自在である。そのため、作業者は、設置場所の床93面に居ながら、筒部2を伸ばし、筒部2の上部を上層階の床のドレン97(天井側のドレン)に接続することができる。その結果、仮設の竪樋1の施工において、脚立を用いる必要もない。また、脚立が不要であり、筒部2の伸縮、設置場所への筒部2の接続は、一人の作業者が行うことができる。したがって、従来よりも容易に仮設の竪樋1を設置することができる。また、脚立が不要であり、高所作業を行う必要がないため、安全性が向上する。更に、仮設の竪樋1は、設置場所の長さに応じて筒部2の長さが調整自在であるため、撤去後、他の設置場所においての使用が可能である。すなわち、本実施形態に係る仮設の竪樋1は、繰り返しの使用が可能である。また、本実施形態に係る仮設の竪樋1は、上部と下部が固定されているため、風の影響を受けにくく、風の影響による所謂あばれも生じにくい。
【0030】
また、本実施形態に係る仮設の竪樋の施工方法によれば、作業者は、設置場所の床93面に居ながら、筒部2を伸ばし、筒部2の上部を上層階の床のドレン97(天井側のドレン)に接続することができる。その結果、脚立が不要となり、筒部2の伸縮、設置場所への筒部の接続は、一人の作業者が行うことができる。したがって、従来よりも容易に仮設の竪樋1を設置することができる。また、脚立が不要であり、高所作業を行う必要がないため、安全性が向上する。
【0031】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は、可能な限り各実施形態を組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0032】
1・・・仮設の竪樋
2・・・筒部
21・・・下側筒部
22・・・上側筒部
3・・・上側接続部
4・・・固定部
5・・・下側接続部
96、97・・・ドレン