【発明が解決しようとする課題】
【0013】
驚くべきことに、上述の二酸化チタンを脂肪アルコールとC
6−C
12脂肪酸との混合物から生成されるエステルを含むワックスで被覆すると、残留ホワイトニング効果が明らかに大幅に低減することが分かった。更に、紫外線の有害な影響から人間の皮膚を保護するための、脂肪アルコールとC
6−C
12脂肪酸との混合物から生成されるエステルを含む化粧品製剤および医薬品製剤、好ましくはワックスで被覆した二酸化チタンを含む各皮膚用製剤は、それぞれワックスで被覆していない二酸化チタンに比して大幅に滑らかな皮膚感触をもたらすことが分かった。
【0014】
よって、本発明は、少なくとも一つの被覆層が脂肪アルコールとC
6−C
12脂肪酸との混合物から生成されるエステルを被覆材として含む被覆二酸化チタン粒子に関する。
【0015】
本発明において、「被覆材」という文言は、粒子の被覆に用いる一つの物質または複数の物質の混合物である。
【0016】
結果として脂肪酸エステルを生じる脂肪アルコールとC
6−C
12脂肪酸との混合物は、脂肪アルコールとC
6−C
12脂肪酸とのあらゆる組合せによるものを用い得る。好ましくは、得られる脂肪酸エステルはC
12−C
30脂肪アルコールにより誘導されC
6−C
12酸によりエステル化されたものである。より好ましくは、この脂肪酸エステルはC
14−C
20脂肪アルコールにより誘導されたものであり、最も好ましくはC
16−C
18アルコールにより誘導されC
8−C
10酸によりエステル化されたものである。
【0017】
好ましくは、前記脂肪アルコールとC
6−C
12脂肪酸との混合物から生成されるエステルである前記被覆材としての各ワックスはC
16−C
18ノナノエート誘導体またはこれらの混合物である。このように、好ましい実施形態において、前記少なくとも一つの被覆層は被覆材として
セテアリルノナノエートおよび/または
セテアリルイソノナノエートを含む。
【0018】
最も好ましくは、被覆二酸化チタン粒子はその少なくとも一つの被覆層が被覆材としてセテアリルノナノエート(Symrise AGより市販のSymMollient(登録商標)S)を含む。
【0019】
また驚くべきことに、脂肪アルコールとC
6−C
12脂肪酸との混合物から生成されるエステル、好ましくはC
16−C
18ノナノエート誘導体またはこれらの混合物、より好ましくは
セテアリルノナノエートおよび/または
セテアリルイソノナノエートを被覆材として被覆二酸化チタンを被覆しかつ更なる被覆層を用いて二酸化チタン粒子を被覆すると、一般に用いられるUVフィルターであるアボベンゾンとの相互作用が生じないことが分かった。
【0020】
よって、本発明の好ましい別の実施形態は、本発明に係る被覆二酸化チタン粒子であって一つまたは複数の付加的被覆層を含んでおりこの付加的被覆層が以下を含む群から選択されるものである:シリカ(SiO
2)、水酸化アルミニウム、(Al
2(OH)
3)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、アルミナ、ヘキサメタリン酸ナトリウム(Na(PO
3)6)、メタリン酸ナトリウム(Na(PO
3)
n)、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸、ラウリン酸、ジメチルポリシロキサン、ジメチコン、メチルポリシロキサン、シメチコンまたはこれらの混合物。
【0021】
被覆材および付加的な被覆材としてワックスを含む被覆層は、以下を含む群から選択される:シリカ(SiO
2)、水酸化アルミニウム(Al
2(OH)
3)、
酸化アルミニウム(Al
2O
3)、アルミナ、ナトリウムヘキサメタリン酸塩(Na(PO
3)
6)、メタリン酸ナトリウム(Na(PO
3)
n、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸、ラウリン酸、ジメチルポリシロキサン、ジメチコン、メチルポリシロキサン、シメチコンまたはこれらの混合物、また被覆層の配置順は可変である。これは、二酸化チタン粒子がまずワックスにより被覆され次いでシリカ(SiO
2)、水酸化アルミニウム(Al
2(OH)
3)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、アルミナ、ナトリウムヘキサメタリン酸塩(Na(PO
3)
6、メタリン酸ナトリウム(Na(PO
3)
n、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸、ラウリン酸、ジメチルポリシロキサン、ジメチコン、メチルポリシロキサン、シメチコンまたはこれらの混合物を含む群から選択される付加的な被覆材により被覆されてよいことを意味し;また逆の順でもよい。
【0022】
よって、本発明の好ましい実施形態は以下を含む被覆二酸化チタン粒子である:
(i) シリカ(SiO
2)、水酸化アルミニウム(Al
2(OH)
3)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、アルミナ、ナトリウムヘキサメタリン酸塩(Na(PO
3)
6)、メタリン酸ナトリウム(Na(PO
3)
n)、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸、ラウリン酸、ジメチルポリシロキサン、ジメチコン、メチルポリシロキサン、シメチコンまたはこれらの混合物を含む少なくとも一つの第1の被覆層、および
(ii) 少なくとも一つの第2の被覆層(外被覆層)であって、その被覆材が以下を含むもの:被覆材として、脂肪アルコールと
C6−C12脂肪酸との混合物により生成されるエステル、好ましくはC
16−C
18ノナノエート誘導体またはこれらの混合物、より好ましくは
セテアリルノナノエートおよび/または
セテアリルイソノナノエート。
【0023】
最も好ましくは以下を含む被覆二酸化チタン粒子である:
(i) シリカ(SiO
2)、水酸化アルミニウム(Al
2(OH)
3)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、アルミナ、ナトリウムヘキサメタリン酸塩(Na(PO
3)
6、メタリン酸ナトリウム(Na(PO
3)
n、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸、ラウリン酸、ジメチルポリシロキサン、ジメチコン、メチルポリシロキサン、シメチコンまたはこれらの混合物を含む被覆材を含む少なくとも一つの第1の被覆層、および
(ii) 被覆材としてセテアリルノナノエート(Symrise AGより市販のSymMollient(登録商標)S)を含む少なくとも一つの第2の被覆層(外被覆層)。
【0024】
本発明に係る被覆二酸化チタン粒子は以下を選択的に含む:
(i) 被覆材として脂肪アルコールと
C6−C12脂肪酸との混合物から生成されるエステル、好ましくは
C16−C18ノナノエート誘導体またはこれらの混合物、より好ましくは
セテアリルノナノエートおよび/または
セテアリルイソノナノエートを含む少なくとも一つの第1の被覆層、および
(ii) シリカ(SiO
2)、水酸化アルミニウム(Al
2(OH)
3)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、アルミナ、ヘキサメタリン酸ナトリウム(Na(PO
3)
6)、メタリン酸ナトリウム(Na(PO
3)
n)、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸、ラウリン酸、ジメチルポリシロキサン、ジメチコン、メチルポリシロキサン、シメチコンまたはこれらの混合物を含む群から選択される被覆材を含む少なくとも一つの第2の被覆層(外被覆層)。
【0025】
ここで最も好ましくは以下を含む被覆二酸化チタン粒子である:
(i) 被覆材がセテアリルノナノエート(Symrise AGより市販のSymMollient(登録商標)S)を含む少なくとも一つの第1の被覆層、および
(ii) シリカ(SiO
2)、水酸化アルミニウム(Al
2(OH)
3)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、アルミナ、ヘキサメタリン酸ナトリウム(Na(PO
3)
6、メタリン酸ナトリウム(Na(PO
3)
n、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸、ラウリン酸、ジメチルポリシロキサン、ジメチコン、メチルポリシロキサン、シメチコンまたはこれらの混合物を含む被覆材を含む少なくとも一つの第2の被覆層(外被覆層)。
【0026】
本発明に係る被覆二酸化チタン粒子は、上述の被覆材による被覆層を2層以上備えて良い。このように、上述の被覆材を二酸化チタン粒子に交互に適用してよい。本発明に係る二酸化チタン粒子は最大で4層の被覆層を備えてよい。
【0027】
更なる実施形態において、本発明に係る被覆二酸化チタン粒子には、脂肪アルコールと
C6−C12脂肪酸との混合物から生成されるエステル、好ましくは
C16−C18ノナノエート誘導体またはこれらの混合物、より好ましくは
セテアリルノナノエートおよび/または
セテアリルイソノナノエート、最も好ましくはセテアリルノナノエート(Symrise AGより市販のSymMollient(登録商標)S)を含むワックスを添加してよく、その添加容量は前記粒子の全質量に対して5〜25重量%の範囲である。この添加容量の好ましい範囲は前記粒子の全質量に対して10〜25重量%であり、より好ましくは10〜15重量%である。
【0028】
更なる実施形態において、本発明に係る被覆二酸化チタン粒子は、シリカ(
SiO2)、水酸化アルミニウム(
Al2(OH)3)、酸化アルミニウム(
Al2O3)、アルミナ、ナトリウムヘキサメタリン酸塩(
Na(PO3)6)、メタリン酸ナトリウム(
Na(PO3)n)、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸、ラウリン酸、ジメチルポリシロキサン、ジメチコン、メチルポリシロキサン、シメチコンまたはこれらの混合物を含む群から選択される前記粒子の全質量に対して5〜10重量%の範囲、より好ましくは5〜15重量%の範囲の添加容量の付加的被覆材を含む。
【0029】
本発明に係る被覆二酸化チタン粒子の平均粒径については、粒子凝集物を形成する各結晶の寸法のうち少なくとも一つが100nm未満である。
【0030】
本発明に係る被覆二酸化チタン粒子は化粧品製剤および医薬品製剤、特に皮膚用製剤に用いられる。このように、本発明の他の目的は、上述の被覆二酸化チタン粒子を含む化粧品製剤または医薬品製剤を提供することにある。
【0031】
特に本発明の好ましい実施形態は、製剤の全質量に対し所定の範囲の量の本発明に係る被覆二酸化チタン粒子を含む化粧品製剤または医薬品製剤、特に皮膚用製剤である。
【0032】
前記化粧品製剤および医薬品製剤、好ましくは皮膚用製剤における本発明に係る被覆二酸化チタン粒子の製剤の全質量に対する量は0.1〜35重量%、好ましくは0.3〜30重量%、より好ましくは0.5〜25重量%の範囲である。
【0033】
UVフィルター
本発明の更なる目的は、化粧品製剤または医薬品製剤、特に皮膚用製剤であって、本発明に係る被覆二酸化チタン粒子と、製剤の全質量に対し、好ましくは全UVフィルターの全質量に対して、0.1〜65.0重量%、好ましくは2〜50重量%、最も好ましくは5〜35重量%の範囲の量の少なくとも一つの付加的UVフィルターとを含むものである。
【0034】
好ましいUVフィルターは以下を含む群から選択される:
・アボベンゾン
・ホモサレート
・オクチサレート
・オクトクリレン
・2−エチルヘキシル p−メトキシシンナマート
・イソアミル p−メトキシシンナマート
・3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンフル
・2,4,6−トリアニリノ(p−カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン
・トリス−ビフェニルトリアジン
・ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン
・ベンジリデンマロネート−ポリシロキサン
・2−エチルヘキシル 4−ジメチルアミノベンゾエート
・ドロメトリゾールトリシロキサン
・ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン
・2,2’−メチレンビス(6−(2H−ベンズトリアゾル−2−イル)−4−1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノール)
・ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート
・フェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸 二ナトリウムおよびその塩
・フェニルベンズイミダゾールスルホン酸およびその塩
・テレフタリリデンジカンフルスルホン酸およびその塩
・ベンゾフェノン−4およびその塩
・ベンゾフェノン−3
・メンチルアントラニレート
・パジメート−O
・酸化亜鉛ならびにこれらの混合物。
【0035】
本発明に係る化粧品組成物または医薬品組成物は更に以下を含む群から選択される助剤および添加物を追加の助剤および添加物として含んでよい:界面活性剤、油体、乳化剤、補助乳化剤、過脂肪剤、真珠色化ワックス、コンシステンシーファクター(粘度調整剤)、ポリマー、シリコーン化合物、ワックス、安定化剤、抗フケ剤、被膜剤、膨潤剤、ヒドロトロープ、防腐剤、可溶化剤、錯化剤、還元剤、アルカリ化剤、香油、染料、増粘剤、脂質、レシチン、リン脂質、保湿剤、バイオジェニック剤(生体起源物質)、抗酸化剤、脱臭剤、制汗剤、防虫剤、セルフタンニング剤、チロシン阻害剤(脱色剤)、増粘剤、生体活性成分、抗菌剤、消泡剤、着色作用を有する顔料、水性および非水性植物抽出物など。
【0036】
本発明に係る被覆二酸化チタン粒子を含む本発明に係る化粧品および/または医薬品製剤、好ましくは皮膚用製剤の日焼け止め指数(SPF)は少なくとも2とする。本発明に係る被覆二酸化チタン粒子はあらゆる日焼け止め指数(10、15、20、25、または50)の化粧品製剤または医薬品製剤に同様に用い得る。
【0037】
好ましい実施形態において、化粧品製剤または医薬品製剤、好ましくは、皮膚用製剤は、2011年のUVA防御性能生体外測定のためのColipa法あるいは密接に関連するISO基準ISO 24443−2012 サンスクリーンのUVA光防御性能生体外測定の規定に基づく測定に基づく少なくとも2のUVA防御指数を有している。
【0038】
前記紫外線の有害な影響から人間の皮膚を保護するための化粧品製剤、医薬品製剤および特に皮膚用製剤は、本発明に係る被覆二酸化チタンを単独であるいは他のUV抑制剤との組合せにより含む。
【0039】
本発明の更なる好ましい実施形態において、製剤(化粧品製剤、医薬品製剤および特に皮膚用製剤)は、本発明の製剤の日焼け防止指数が2以上(好ましくは5以上)となるような合計量のUVフィルターおよび/または無機顔料を含む。これらの日焼け止めは、皮膚および毛髪を保護するのに好適である。
【0040】
更に、前記化粧品製剤、医薬品製剤および特に皮膚用製剤のための好適な光防御剤(紫外線吸収剤)は例えば以下から生成される有機UV吸収剤を含む:4−アミノ安息香酸類およびその誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、ジフェニルアクリレート、3−イミダゾール−4−イルアクリル酸およびそのエステル、ベンゾフラン誘導体、ベンジリデンマロン酸誘導体、一つまたは複数の有機シリコーンラジカルを含む高分子紫外線吸収剤、ケイ皮酸誘導体、カンフル誘導体、トリアニリノ−s−トリアジン誘導体、2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体、メンチルアントラニレート、ベンゾトリアゾール誘導体およびインドール誘導体。
【0041】
本発明において添加物として用い得る紫外線吸収剤としては以下が好ましいがこれらに限らない。好ましいUVフィルターとしては次のものが挙げられる:
【0042】
UVBフィルター:
・p−アミノ安息香酸
・エトキシ化エチル p−アミノ安息香酸(25mol)
・2−エチルヘキシル p−ジメチルアミノベンゾエート
・ホモメンチルサリチレート(ホモサレート)(NeoHeliopan(登録商標)HMS)
・2−エチルヘキシルサリチレート(NeoHeliopan(登録商標)OS)
・トリエタノールアミンサリチレート(NeoHeliopan(登録商標)TS)
・メンチルアントラニレート(NeoHeliopan(登録商標)MA)
・2−エチルヘキシル p−メトキシシンナマート(NeoHeliopan(登録商標)AV)
・イソアミル p−メトキシシンナマート(NeoHeliopan(登録商標)E 1000)
・2−フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(NeoHeliopan(登録商標)Hydro)およびその塩
・3−(4’−トリメチルアンモニウム)ベンジリデンボルナン−2−オン硫酸メチル
・3−(4’−スルホ)ベンジリデンボルナン−2−オンおよびその塩
・3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンフル(NeoHeliopan(登録商標)MBC)
・N-[(2および4)−[2−(オキソボルン−3−イリデン)メチル]ベンジル]アクリルアミドポリマー
・4,4’−[(6−[4−(1,1−ジメチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジイミノ]ビス(安息香酸2−エチルヘキシルエステル)(Uvasorb(登録商標)HEB)
・ベンジリデンマロネートポリシロキサン(Parsol(登録商標)SLX)
・トリス(2−エチルヘキシル)4,4’,4’’−(1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイルトリイミノ)トリベンゾエート(Uvinul(登録商標)T150)
・2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(NeoHeliopan(登録商標)303)
【0043】
広帯域フィルター:
・2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸(スルイソベンゾン、ベンゾフェノン−4)またはその塩
・2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(NeoHeliopan(登録商標)BB、オキシベンゾン、ベンゾフェノン−3)
・2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5,5’−ジスルホベンゾフェノン 二ナトリウム
・フェノール−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル−4−メチル−6−(2−メチル−3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリル)オキシ)ジシロキシアニル)プロピル)(Mexoryl(登録商標)XL)
・2,2’−メチレンビス(6−(2H−ベンズトリアゾル−2−イル)−4−1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノール)(Tinosorb(登録商標)M)
・2,4−ビス[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−1,3,5−トリアジン
・2,4−ビス[{(4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(Tinosorb(登録商標)S)
・トリス−ビフェニルトリアジン(Tinosorb(登録商標)A2B)
・2,4−ビス[{(4−(3−sulphonato)−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(4−メセドリンオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン ナトリウム塩
・2,4−ビス[{(3−(2−プロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン
・2,4−ビス[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−[4−(2−メトキシエチルカルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン
・2,4−ビス[{4−(3−(2−プロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−[4−(2−エチルカルボキシル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン
・2,4−ビス[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(1−メチルピロール−2−イル)−1,3,5−トリアジン2,4−ビス[{4−トリス(トリメチルシロキシシリルプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン
・2,4−ビス[{4−(2’’−メチルプロペニルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン
・2,4−ビス[{4−(1’,1’,1’,3’,5’,5’,5’−ヘプタメチルシロキシ−2’’−メチルプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0044】
UVAフィルター:
・テレフタリリデンジボルナンスルホン酸およびその塩(Mexoryl(登録商標)SX)
・アボベンゾン(NeoHeliopan(登録商標)357)
・ヘキシル 2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート(Uvinul(登録商標)A Plus)
・メンチルアントラニレート(NeoHeliopan(登録商標)MA)
【0045】
紫外線吸収剤(特に組み合わせて用いる場合に好適である):
・ホモメンチルサリチレート(NeoHeliopan(登録商標)HMS)
・テレフタリリデンジボルナンスルホン酸およびその塩(Mexoryl(登録商標)SX)
・2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(NeoHeliopan(登録商標)303)
・N−[(2および4)−[2−(オキソボルン−3−イリデン)メチル]ベンジル]アクリルアミドポリマー
・2−エチルヘキシル p−メトキシシンナマート(NeoHeliopan(登録商標)AV)
・エトキシ化エチル p−アミノ安息香酸(25mol)
・イソアミル p−メトキシシンナマート(NeoHeliopan(登録商標)E1000)
・2−フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(NeoHeliopan(登録商標)Hydro)およびその塩
・2,4,6−トリアニリノ(p−カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン(Uvinul(登録商標)T150)
・フェノール,2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリル)オキシ)ジシロキシアニル)プロピル)(Mexoryl(登録商標)XL)
・4,4’−[(6−[4−(1,1−ジメチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)−ジイミノ]ビス(安息香酸2−エチルヘキシルエステル)(Uvasorb(登録商標)HEB)
・3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンフル(NeoHeliopan(登録商標)MBC)
・2−エチルヘキシルサリチレート(NeoHeliopan(登録商標)OS)
・2−エチルヘキシル4−ジメチルアミノベンゾエート(パジメート−O)
・2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(NeoHeliopan(登録商標)BB、オキシベンゾン、ベンゾフェノン−3)
・2,2’−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノール)(Tinosorb(登録商標)M)
・2,4−ビス[{(4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(Tinosorb(登録商標)S)
・ベンジリデンマロネートポリシロキサン(Parsol(登録商標)SLX)
・ヘキシル 2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート(Uvinul(登録商標)A Plus)
・アボベンゾン(NeoHeliopan(登録商標)357)
・メンチルアントラニレート(NeoHeliopan(登録商標)MA)。
【0046】
更に、添加物として粒状UVフィルターまたは無機顔料を用いて良く、これは必要に応じ疎水性のものでも良く、例えば鉄(Fe
2O
3)、ジルコニウム(ZrO
2)、シリコン(SiO
2)、マンガン(例えばMnO)、アルミニウム(Al
2O
3)、セリウム(例えばCe
2O
3)および/またはこれらの混合物の亜鉛(ZnO)酸化物でよい。
【0047】
本発明に係る被覆二酸化チタンを含む化粧品製剤および医薬品製剤、好ましくは皮膚用製剤における製剤の全質量に対するスルホン化水溶性UVフィルター、例えば、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸および/またはフェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸 二ナトリウムおよび/またはベンゾフェノン−4、および/またはテレフタリリデンジボルナンスルホン酸および/または3−(4’−トリメチルアンモニウム)ベンジリデンボルナン−2−オン メチル硫酸塩および/または、3−(4’−スルホ)ベンジリデンボルナン−2−オン、ならびにこれらの塩(これらに限らない)の全部の合計量は0.1〜15.0%、好ましくは0.5〜10.0%、最も好ましくは1.0〜8.0%の範囲である。
【0048】
本発明に係る被覆二酸化チタンを含む化粧品製剤および医薬品製剤、好ましくは皮膚用製剤に用いるフェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸 二ナトリウムおよびその塩の質量は製剤の全質量に対し0.1〜10.0%、好ましくは0.3〜8%、最も好ましくは0.5〜5.0%の範囲である。
【0049】
本発明に係る被覆二酸化チタンを含む化粧品製剤および医薬品製剤、好ましくは皮膚用製剤に用いるフェニルベンズイミダゾールスルホン酸およびその塩の質量は製剤の全質量に対し0.1〜10.0%、好ましくは0.3〜8%、最も好ましくは0.5〜5.0%の範囲である。
【0050】
本発明に係る被覆二酸化チタンを含む化粧品製剤および医薬品製剤、好ましくは皮膚用製剤に用いるMexoryl(登録商標)SXおよびその塩の質量は、製剤の全質量に対し0.1〜10.0%、好ましくは0.3〜8%、最も好ましくは0.5〜5.0%の範囲である。
【0051】
本発明に係る被覆二酸化チタンを含む化粧品製剤および医薬品製剤、好ましくは皮膚用製剤に用いて良い、例えば(2-エチルヘキシル)4,4’,4’’−(1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイルトリイミノ)トリベンゾエート、および/または−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、および/または2−エチルヘキシル 4−ジメチルアミノベンゾエート、および/またはMexoryl(登録商標)XL、および/またはUvasorb(登録商標)HEB、および/またはTinosorb(登録商標)S、および/またはベンゾフェノン−3、および/またはParsol(登録商標)SLX、および/またはNeoHeliopan(登録商標)MA、および/またはイソアミル p−メトキシシンナマート、および/または2−エチルヘキシルサリチレート、および/またはホモサレート、および/またはエチルヘキシルメトキシシンナマート、および/またはオクトクリレン、および/またはUvinul(登録商標)A Plus、および/または3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンフル、2−エチルヘキシル4−ジメチルアミノベンゾエートなどの油溶性UVフィルター(これらに限らない)の合計量は、製剤の全質量に対し0.1〜55重量%、好ましくは0.5〜40%、最も好ましくは1〜30%の範囲である。
【0052】
本発明に係る被覆二酸化チタンを含む化粧品製剤および医薬品製剤、好ましくは皮膚用製剤に用いるエチルヘキシルメトキシシンナマートの質量は、製剤の全質量に対し0.1〜20.0%、好ましくは0.3〜15%、最も好ましくは0.5〜10.0%の範囲である。
【0053】
本発明に係る被覆二酸化チタンを含む化粧品製剤および医薬品製剤、好ましくは皮膚用製剤に用いるイソアミル p−メトキシシンナマートの質量は、製剤の全質量に対し0.1〜20.0%、好ましくは0.3〜15%、最も好ましくは0.5〜10.0%の範囲である。
【0054】
本発明に係る被覆二酸化チタンを含む化粧品製剤および医薬品製剤、好ましくは皮膚用製剤に用いるオクトクリレンの質量は、製剤の全質量に対し0.1〜20.0%、好ましくは0.3〜15%、最も好ましくは0.5〜10.0%の範囲である。
【0055】
本発明に係る被覆二酸化チタンを含む化粧品製剤および医薬品製剤、好ましくは皮膚用製剤に用いるサリチル酸エステルの質量は、製剤の全質量に対し0.1〜20.0%、好ましくは0.3〜15%、最も好ましくは0.5〜10.0%の範囲である。UVフィルターとしてエチルヘキシルサリチレートを選択した場合、その総量を製剤の全質量に対し0.1〜5.0%の範囲とすると有利であり、またUVフィルターとしてホモサレートを選択した場合、その総量を製剤の全質量に対して0.1〜15.0%の範囲とすると有利である。
【0056】
本発明に係る被覆二酸化チタンを含む化粧品製剤および医薬品製剤、好ましくは皮膚用製剤に用いるアボベンゾンの質量は製剤の全質量に対し0.1〜10.0%、好ましくは0.3〜7.0%、最も好ましくは0.5〜5.0%の範囲である。
【0057】
本発明に係る被覆二酸化チタンを含む化粧品製剤および医薬品製剤、好ましくは皮膚用製剤に用いるUvasorb(登録商標)HEBの質量は製剤の全質量に対し0.1〜10.0%、好ましくは0.3〜7.0%、最も好ましくは0.5〜5.0%の範囲である
【0058】
本発明に係る被覆二酸化チタンを含む化粧品製剤および医薬品製剤、好ましくは皮膚用製剤に用いるUvinul(登録商標)T−150の質量は製剤の全質量に対し0.1〜10.0%、好ましくは0.3〜7.0%、最も好ましくは0.5〜5.0%の範囲である。
【0059】
本発明に係る被覆二酸化チタンを含む化粧品製剤および医薬品製剤、好ましくは皮膚用製剤に用いる2,4−ビス[{(4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(Tinosorb(登録商標)S)の質量は製剤の全質量に対し0.1〜10.0%、好ましくは0.3〜7.0%、最も好ましくは0.5〜5.0%の範囲である。
【0060】
本発明に係る被覆二酸化チタンを含む化粧品製剤および医薬品製剤、好ましくは皮膚用製剤に用いる2,2’−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノール)(Tinosorb(登録商標)M)の質量は製剤の全質量に対し0.1〜10.0%、好ましくは0.3〜7.0%、最も好ましくは0.5〜5.0%の範囲である。
【0061】
本発明に係る被覆二酸化チタンを含む化粧品製剤および医薬品製剤、好ましくは皮膚用製剤に用いるトリス−ビフェニルトリアジン(Tinosorb(登録商標)A2B)の質量は製剤の全質量に対し0.1〜10.0%、好ましくは0.3〜7.0%、最も好ましくは0.5〜5.0%の範囲である。
【0062】
本発明に係る被覆二酸化チタンを含む化粧品製剤および医薬品製剤、好ましくは皮膚用製剤に用いるベンジリデンマロネート−ポリシロキサン(Parsol(登録商標)SLX)の質量は製剤の全質量に対し0.1〜10.0%、好ましくは0.3〜7.0%、最も好ましくは0.5〜5.0%の範囲である。
【0063】
本発明に係る被覆二酸化チタン粒子を含む化粧品製剤および医薬品製剤、好ましくは皮膚用製剤に用い得る例えばトリアジン誘導体、および/または(被覆および非被覆)酸化亜鉛、および/または(被覆または非被覆)二酸化チタンなど(これらに限らない)の有機および/または無機微細顔料の合計量は製剤の全質量に対し0.1〜35%、好ましくは0.3〜25%、より好ましくは0.5〜15.0%、最も好ましくは0.75%から10.0%の範囲である。UVフィルターとして二酸化チタンを選択した場合、その総量を製剤の全質量に対し0.1%〜10.0%の範囲とすると有利である。UVフィルターとして酸化亜鉛を選択した場合、その総量を製剤の全質量に対し0.1%〜10.0%の範囲とすると有利であり、また、一つまたは複数のトリアジン有機顔料を選択した場合、その総量を製剤の全質量に対し0.1%〜10.0%の範囲とすると有利である。
【0064】
例えば上述のUVフィルターなどのUVフィルター、特に「組合せに特に好適な」UVフィルターを添加物として含有する本発明に係る被覆チタン粒子の組合せは、UVAおよび/またはUVB放射線に対する日焼け防止指数測定により得られるUVBおよびUVA放射線に対する防御レベルに相乗効果を発揮する。
【0065】
このような一つまたは複数の前記UVフィルターおよび次の地域において認可されている日焼け防止製品に用いるあらゆるUVフィルターを含有する本発明に係る被覆チタン粒子の組合せに関しては、それぞれ以下の規制がある:
【0066】
欧州:EU官報公示の欧州共同体理事会規則における化粧品規則(EC)第1223/2009号による。
【0067】
オーストラリア:オーストラリア医薬品管理局によるARTG(オーストラリア医薬製品登録制度)における認可UVフィルターポジティブリストに記載の通りに規制されている。
【0068】
以下を含む群から選択される一つまたは複数の光安定性の高い紫外線吸収剤を添加すると更に有利である:メチルベンジリデンカンフル、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、オクチルトリアゾン、Uvasorb(登録商標)HEB、エチルヘキシルサリチレート、ホモメンチルサリチレート、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ベンゾフェノン−3、Mexoryl(登録商標)SX、Mexoryl(登録商標)XL、Tinosorb(登録商標)S、Tinosorb(登録商標)M、Tinsorb(登録商標)A2B、NeoHeliopan(登録商標)APもしくはParsol(登録商標)SLXまたはこれらの混合物。
【0069】
UVフィルターの一つとしてアボベンゾンを用いた場合、アボベンゾンの光安定性を向上させるために、Symrise社よりCorapan(登録商標)TQという製品名で市販されている2,6−ジエチルヘキシルナフタレートなどの光安定性を有する軟化剤を添加すると有利である。
【0070】
二酸化チタンをセテアリルノナノエートおよび他の非紫外線吸収性成分で被覆した場合の日光防御性能の向上に関する相乗効果が、非限定的な例である以下の物質を含む化粧品製剤、皮膚用製剤および医薬品製剤において期待される:ポリマー、乳化剤(アニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、双性イオン性乳化剤、および非イオン性乳化剤、ならびに第四級乳化剤)、増粘剤、レオロジー調節剤、
C2−C50(分鎖もしくは直鎖)アルキルエステルまたは(分鎖もしくは直鎖)アルキル芳香族エステル、トリオールまたはそれらのエステル、グリコールまたはそれらのエステル、一価アルコールまたはそれらのエステル、ワックス、シリコーン誘導体、キレート化剤、防腐剤、ビタミンおよびそれらの誘導体、タンニング剤、タンニング促進剤、スキンホワイトニングまたはライトニング剤、アミノ酸およびそれらの誘導体、ペプチドおよびそれらの誘導体、カロテノイドそれらの誘導体、抗炎症成分、芳香剤、冷却剤または加温剤、防虫剤、フラボノイド、抗酸化剤、植物抽出物、ならびに(カラーまたは白色の)非ナノサイズ顔料。
【0071】
本発明に係る化粧品製剤および/または医薬品製剤、特に皮膚用製剤は通常の方法により調合されてよく、好ましくは化粧用および薬用日焼け止め、特に皮膚用日焼け止めとして機能してよく、また皮膚および毛髪のトリートメント用、ケア用およびクレンジング用として機能してよく、またデコラティブ化粧品のメークアップ製品として機能してよい。
【0072】
紫外線の有害な影響から人間の皮膚を保護するための本発明に係る化粧品および/または医薬品製剤、特に皮膚用製剤は、従来用いている使用形態を取ることができ、すなわち、水中油型、油中水型もしくは混合エマルション、ミルク、ローションまたはクリーム、エアロゾル、水分散ゲルまたは(乳化剤非含有の)オイルゲル、スプレー、フォーム、溶液、パウダー、ペンシル剤あるいはその他のあらゆる通常の形態の化粧品製剤および医薬品製剤(特に皮膚用製剤)であり得る。紫外線から毛髪を保護するために、シャンプー、リンス、コンディショナー、ゲル、ローション、スプレーまたはクリームなどの製剤が好ましく用いられる。
【0073】
本発明に係る化粧品製剤および医薬品製剤、特に皮膚用製剤は通常の組成を有してよく、また化粧用および/または皮膚用日焼け止めとしてならびに皮膚および/または毛髪のトリートメント用、ケア用およびクレンジング用として用いて良く、またデコラティブ化粧品のメークアップ製品として用い得る。したがって本発明に係る製剤は、配合により例えば次のものに用い得る:皮膚保護クリーム、クレンジングミルク、日焼け止めローション、ナリシングクリーム、デイクリームまたはナイトクリーム。本発明に係る製剤は、配合により例えば次のヘアケア組成物にも用い得る:シャンプー、コンディショナー、2−in−1製剤、フケ防止シャンプー、ヘアトニック、ヘアローション、ヘアリンス、ヘアスタイリング製品、ヘアスプレー等。場合により、本発明に係る製剤を医薬品製剤のベースとして有利に用い得る。またこれら化粧品製剤および皮膚用製剤の形態は、好ましくは特にスキンケア製品、ヘアケア製品またはメークアップ製品である。典型的実施形態は次の形態である:クリーム、例えばヒドロゲル、水分散ゲル、オイルゲルなどの(これらに限らない)ゲル;ローション、アルコール性溶液および水性アルコール性溶液、種々の形態のエマルション、例えば水中油(O/W)エマルション、油中水(W/O)エマルション、混合エマルション、PITエマルション、ピッカリングエマルション、マイクロエマルション、ナノエマルション(これらに限らない);エアロゾルフォーム、ノンエアロゾルフォーム、エアロゾルスプレー、ノンエアロゾルスプレー、ポンプスプレー、シーラム、ロールオン、ペースト、バルサムまたはスティック状製剤。
【0074】
本発明の医薬品製剤および化粧品製剤は好ましくは皮膚および/または毛髪に投与あるいは塗布される好ましくは皮膚用製剤である。
【0075】
本発明に係る化粧品製剤または医薬品製剤は更なる助剤および添加物としての界面活性剤として次の物質を含んで良い:油体、乳化剤、補助乳化剤、過脂肪剤、真珠色化ワックス、コンシステンシーファクター(粘度調整剤)、ポリマー、シリコーン化合物、ワックス、安定化剤、抗フケ剤、被膜剤、膨潤剤、ヒドロトロープ、防腐剤、可溶化剤、錯化剤、還元剤、アルカリ化剤、香油、染料、増粘剤、脂質、レシチン、リン脂質、保湿剤、バイオジェニック剤(生体起源物質)、抗酸化剤、脱臭剤、制汗剤、防虫剤、セルフタンニング剤、チロシン阻害剤(脱色剤)、増粘剤、生体活性成分、抗菌剤、消泡剤、着色作用を有する顔料、水性および非水性植物抽出物など。
【0076】
本発明に係る化粧品製剤および医薬品製剤、特に皮膚用製剤は、
好ましくは化粧品製剤または医薬品製剤および皮膚用製剤の通常の方法により十分な量にて皮膚および/または毛髪に塗布される。
【0077】
本発明に係る化粧品製剤または医薬品製剤、好ましくは皮膚用製剤の形態による製剤は、好ましくは、以下を含む群から選択される:クリーム、ゲル、ヒドロゲル、水分散ゲル、オイルゲル、ローション、バルサム。
【0078】
化粧品製剤および医薬品製剤
本発明に係る化粧品製剤および医薬品製剤は、油体または乳化剤といった類似する添加物を含んで良い。よって、化粧品製剤と医薬品製剤とを分ける境界線は流動的であり、本書において、一方の適用において述べる成分は、再び明示に記載せずとも、その他方における適用も推奨するものと理解すべきである。
【0079】
界面活性剤
本発明に係る化粧品製剤および医薬品製剤、特に皮膚用製剤の好ましい実施形態は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤および/または両親媒性界面活性剤(「界面活性剤」という文言には乳化剤を含む)である。界面活性剤とは有機非極性物質を水に溶解あるいは分散可能な両親媒性物質をいう。このため、界面活性剤分子中の親水性成分は通常−COO
−、−OSO
32−、−SO
3−などの極性官能基であり、疎水部分は概して非極性炭化水素基である。界面活性剤は一般に、親水分子成分の性質と電荷とに従い分類されている。具体的には次の4種に大別される:
・アニオン性界面活性剤、
・カチオン性界面活性剤、
・両親媒性界面活性剤、および
・非イオン性界面活性剤。
【0080】
アニオン性界面活性剤
アニオン性界面活性剤は通常、官能基としてカルボキシル基、硫酸基またはスルホン酸基を含む。水溶液中ではアニオン性界面活性剤は酸性媒質または中性媒質中で有機負イオンを形成する。カチオン性界面活性剤は、第四級アンモニウム基の存在により専ら特徴づけられる。水溶液中ではカチオン性界面活性剤は酸性媒質または中性媒質中で有機正イオンを形成する。両性界面活性剤はアニオン性およびカチオン性のグループを含み、そのため、水溶液中ではpHによりアニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤とのいずれかとして作用する。両性界面活性剤は強酸性媒質中では正電荷を有し、アルカリ性媒質中では負の電荷を有する。一方、中性pH域においては両性イオン性である。非イオン性界面活性剤の典型例としては、ポリエーテル剤および多糖鎖が挙げられる。非イオン性界面活性剤は水性媒体中でイオンを形成しない。次の物質が特に有用である:
・アシルアミノ酸(およびそれらの塩)、例えば:
・アシルグルタメート、例えばナトリウムアシルグルタメート、ジ−TEA−パルミトイルアスパルテートおよびナトリウムカプリル/カプリングルタメート、
・アシルペプチド、例えばパルミトイル−加水分解ミルクタンパク、ナトリウムココイル−加水分解大豆タンパクおよびナトリウム/カリウムココイル−加水分解コラーゲン、
・サルコシネート、例えばミリストイルサルコシン、TEA−ラウロイルサルコシネート、ナトリウムラウロイルサルコシネートおよびナトリウムココイルサルコシネート、
・タウレート、例えばナトリウムラウロイルタウレートおよびナトリウムメチルココイルタウレート、
・アシルラクチレート、ラウロイルラクチレート、カプロイルラクチレート
・アラニネート、
・カルボン酸および誘導体、例えばTEAステアレート、グリセリルステアレート、PEGグリセリルステアレート、ラウリル酸、アルミニウムステアレート、マグネシウムアルカノレートおよび亜鉛ウンデシレネート、
・カルボン酸エステル、例えばカルシウムステアロイルラクチレート、ラウレス−6−シトレートおよびナトリウムPEG−4 ラウルアミドカルボキシレート、グリセリルステアレート、グリセリルオレイルステアレート、グリセリルシトレート、グリセリルオレイル
シトレート、
・カルボン酸エーテル、例えばナトリウムラウレス−13カルボキシレートおよびナトリウムPEG−6コカミドカルボキシレート、
・グルコシドエステル、例えば
・セテアリルグルコシド、ラウリルグルコシド、
・リン酸エステルおよび塩、例えば:セチルホスフェート(モノ−、ジセチルホスフェートおよびこれらの混合物)、カリウムセチルホスフェート(モノ−、ジカリウムセチルホスフェートおよびこれらの混合物、DEAセチルホスフェート(モノ−、ジ−DEAセチルホスフェートおよびこれらの混合物)、DEA−オレス−10ホスフェートおよびヂラウレス−4 ホスフェート、
・スルホン酸および塩、例えばアシルイソチオネート、例えばナトリウム/アンモニウムココイルイセチオネート、アルキルアリールスルホネート、
・アルキルスルホネート、例えばナトリウムココモノグルセリドスルフェート、ナトリウムC
12−14オレフィンスルホネート、ナトリウムラウリルスルホアセテートおよびマグネシウムPEG−3コカミドスルフェート、
・スルホスクシネート、例えばジオクチルナトリウムスルホスクシネート、二ナトリウムラウレススルホスクシネート、二ナトリウムラウリルスルホスクシネートおよび二ナトリウムウンデシレンアミド−MEA−スルホスクシネートおよび
・硫酸エステル、例えば:アルキルエーテルスルフェート、例えばナトリウム、アンモニウム、マグネシウム、MIPA、TIPAラウレススルフェート、ナトリウムミレススルフェートおよびナトリウムC12−13パレススルフェート、
・アルキルスルフェート、例えばナトリウム、アンモニウムおよびTEAラウリルスルフェート。
【0081】
カチオン性界面活性剤
カチオン性界面活性剤として次の物質を有利に用い得る:
・アルキルアミン、
・アルキルイミダゾール、
・エトキシル化アミン、
・四級界面活性剤、
・RNH
2CH
2CH
2COO
−(pH=7)、
・RNHCH
2CH
2COO
−B
+(pH=12)B
+=所望のあらゆるカチオン、例えばNa
+、ならびに
・エステルクォート。
【0082】
四級界面活性剤は、4つのアルキル基またはアリール基に共有結合している少なくとも1つのN原子を含む。そのためpHにかかわらず正電荷となる。アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタインおよびアルキルアミドプロピルヒドロキシスルファインが有利である。ここで用いるカチオン性界面活性剤は更に以下を含む群から好ましく選択される:四級アンモニウム化合物、特にベンジルトリアルキルアンモニウムクロライドまたはブロミド、例えばベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライド、またアルキルトリアルキルアンモニウム塩、例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロライドまたはブロミド、アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロライドまたはブロミド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライドまたはブロミド、アルキルアミドエチルトリメチルアンモニウムエーテルスルフェート、アルキルピリジニウム塩、例えばラウリルまたはセチルピリミジニウムクロライド、イミダゾリン誘導体およびカチオン性を有する化合物、例えば、アミンオキシド、例えばアルキルジメチルアミンオキシドまたはアルキルアミノエチルジメチルアミンオキシド。特にセチルトリメチルアンモニウム塩が有利に用い得る。
【0083】
両性界面活性剤
両性界面活性剤として次の物質を有利に用い得る:
・アシル/ジアルキルエチレンジアミン、例えばナトリウムアシルアンフォアセテート、二ナトリウムアシルアンモジプロピオネート、二ナトリウムアルキルアンフォジアセテート、ナトリウムアシルアンフォヒドロキシプロピルスルホネート、二ナトリウムアシルアンフォジアセテートおよびナトリウムアシルアンフォプロピオネート、
・N−アルキルアミノ酸、例えばアミノプロピルアルキルグルタミド、アルキルアミノプロピオン酸、ナトリウムアルキルイミドジプロピオネートおよびラウロアンフォカルボキシグリシネート。
【0084】
非イオン性界面活性剤
非イオン性界面活性剤としては次の物質を有利に用い得る:
・アルコール、
・アルカノールアミド、例えばコカミドMEA/DEA/MIPA、
・アミンオキシド、例えばコカミドプロピルアミンオキシド、
・エーテル、例えばエトキシル化/プロポキシル化アルコール、エトキシル化/プロポキシル化エステル、エトキシル化/プロポキシル化グリセロールエステル、エトキシル化/プロポキシル化コレステロール、エトキシル化/プロポキシル化トリグリセリドエステル、エトキシル化/プロポキシル化ラノリン、エトキシル化/プロポキシル化ポリシロキサン、プロポキシル化POEエーテルおよびアルキルポリグリコシド、例えばラウリルグリコシド、デシルグリコシドおよびココグリコシド、
・スクロースエステル、スクロースエーテル、
・ポリグリセロールエステル、ジグリセロールエステル、モノグリセロールエステル、ポリグリセリル−2 ジポリヒドロキシステアレート(Dehymuls(登録商標)PGPH)、ポリグリセリル−3 ジイソステアレート(Lameform(登録商標)TGI)、ポリグリセリル−4 イソステアレート(Isolan(登録商標)GI34)、ポリグリセリル−3 オレエート、ジイソステアリルポリグリセリル−3 ジイソステアレート(Isolan(登録商標)PDI)、ポリグリセリル−3 メチルグルコースジステアレート(TegoCare(登録商標)450)、ポリグリセリル−3 蜜蝋(CeraBellina(登録商標))、ポリグリセリル−4 カプレート(ポリグリセロールカプレート T2010/90)、ポリグリセリル−3 セチルエーテル(Chimexane(登録商標)NL)、ポリグリセリル−3 ジステアレート(Cremophor(登録商標)GS32)、ポリグリセリル−2 ステアレート(Hostacerin(登録商標)DGMS)およびポリグリセリルポリリシンオレエート(Admul(登録商標)WOL1403)、ならびにこれらの混合物、
・メチルグルコースエステル、ヒドロキシ酸のエステル。
【0085】
また、アニオン性界面活性剤および/または両性界面活性剤と一つまたは複数の非イオン性界面活性剤とを組み合わせて用いると有利である。
【0086】
油体
水中油エマルションの構成要素を形成する好適な油体は、例えば以下のものである:炭素原子を6〜18個、好ましくは8〜10個含有する脂肪アルコール系のゲルベ(ゲルベ)アルコール類、C
6−C
22の直鎖もしくは分岐脂肪族アルコール類を有するC
6−C
22直鎖脂肪族のエステルまたはC
6−C
22の直鎖もしくは分岐脂肪族アルコール類を有するC
6−C
13直鎖脂肪族のエステル、例えばミリスチルミリステート、ミリスチルパルミテート、ミリスチルステアレート、ミリスチルイソステアレート、ミリスチルオレエート、ミリスチルベヘネート、ミリスチルエルケート、セチルミリステート、セチルパルミテート、セチルステアレート、セチルイソステアレート、セチルオレエート、セチルベヘネート、セチルエルケート、ステアリルミリステート、ステアリルパルミテート、ステアリルステアレート、ステアリルイソステアレート、ステアリルオレエート、ステアリルベヘネート、ステアリルエルケート、イソステアリルミリステート、イソステアリルパルミテート、イソステアリルステアレート、イソステアリルイソステアレート、イソステアリルオレエート、イソステアリルベヘネート、イソステアリルオレエート、オレイルミリステート、オレイルパルミテート、オレイルステアレート、オレイルイソステアレート、オレイルオレエート、オレイルベヘネート、オレイルエルケート、ベヘニルミリステート、ベヘニルパルミテート、ベヘニルステアレート、ベヘニルイソステアレート、ベヘニルオレエート、ベヘニルベヘネート、ベヘニルエルケート、エルシルミリステート、エルシルパルミテート、エルシルステアレート、エルシルイソステアレート、エルシルオレエート、エルシルベヘネートおよびエルシルエルケート。また、以下のものも好適である:直鎖C
6−C
22脂肪酸と分岐脂肪アルコールとのエステル、特に2−エチルヘクサノール、C
18−C
38アルキルヒドロキシカルボン酸と直鎖または分岐C
6−C
22脂肪アルコールとのエステル、特にジオクチルマレート、直鎖および/または分岐脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、ダイマージオールまたはトリマートリオール)および/またはゲルベアルコールとのエステル、C
6−C
10脂肪酸系のトリグリセリド、C
6−C
18脂肪酸系の液体モノ/ジ/トリグリセリド混合物、C
6−C
22脂肪アルコールおよび/またはゲルベアルコールと芳香族カルボン酸(特に安息香酸)とのエステル、C
2−C
12ジカルボン酸と1〜22個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルコールとのエステルもしくは2〜10個の炭素原子および2〜6個のヒドロキシル基を含有するポリオールとのエステル、植物性油、分岐第一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖および分岐C
6−C
22脂肪アルコールカーボネート、例えばジカプリリルカーボネート(Cetiol(登録商標)CC)、6〜18個、好ましくは8〜10個の炭素原子を含有する脂肪アルコール系のゲルベカーボネート、安息香酸と直鎖および/または分岐C
6−C
22アルコールとのエステル(例えばFinsolv(登録商標)TN)、アルキル基一つあたり6〜22個の炭素原子を含有する直鎖または分岐、対称または非対称ジアルキルエーテル、例えばジカプリリルエーテル(Cetiol(登録商標)OE)、ポリオールによるエポキシ化脂肪酸エステルの開環生成物、シリコーンオイル(シクロメチコン、シリコーンメチコングレード等)および/または脂肪族もしくはナフテン炭化水素、例えばスクアラン、スクアレン、またはジアルキルシクロヘキサン。
【0087】
乳化剤
また、例えば以下を含む他の界面活性剤を乳化剤として製剤に加えてもよい:
・2〜30molの酸化エチレンおよび/または0〜5molの酸化プロピレンの直鎖C
8−22脂肪アルコールへの付加生成物、C
12−22脂肪酸への付加生成物、およびアルキル基において8〜15個の炭素原子を有するアルキルフェノールへの付加生成物;
・1〜30molの酸化エチレンのグリセロールへの付加生成物のC
12/18脂肪酸モノエステルおよびジエステル;
・6〜22個の炭素原子を有する飽和および不飽和脂肪酸のグリセロールモノおよびジエステルへの付加生成物ならびにソルビタン モノおよびジエステルへの付加生成物ならびにその酸化エチレンへの付加生成物;
・15〜60molの酸化エチレンのヒマシ油および/または硬化ヒマシ油への付加生成物;
・ポリオールエステルおよび特にポリグリセロール ポリリシノレート、ポリグリセロールポリ−12−ヒドロキシヒドロキシステアレートまたはポリグリセロール ダイメレート イソステアレートなどのポリグリセロールエステル。
これらの種類のうちのいくつかの混合物もまた適切である:
・2〜15molの酸化エチレンのヒマシ油および/または硬化ヒマシ油への付加生成物;
・直鎖、分岐、不飽和または飽和C
6/22脂肪酸、リシノール酸および12−ヒドロキシステアリン酸、およびグリセロール、ポリグリセロール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリスリトール、糖アルコール(例えばソルビトール、アルキルグルコシド(例えばメチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)およびポリグルコシド(例えばセルロース)系の部分エステル;
・リン酸モノ−、ジ−およびトリアルキルおよびPEG−モノ−、ジ−およびトリアルキル−リン酸エステルおよびその塩);
・羊毛ろうアルコール;
・ポリシロキサン/ポリアルキルポリエーテルコポリマーおよび相当する誘導体;
・ペンタエリスリトール、脂肪酸、クエン酸および脂肪アルコールの混合エステルおよび/またはC
6−22脂肪酸、メチルグルコースおよびポリオール(好ましくはグリセロールまたはポリグリセロール)との混合エステル;
・ポリアルキレングリコール、および;
・グリセロールカーボネート。
【0088】
酸化エチレンおよび/または酸化プロピレンの、脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、脂肪酸のグリセロールモノ−およびジエステルならびにソルビタン モノ−およびジエステルへの付加生成物またはヒマシ油ジエステルへの付加生成物は、既知の市販品である。これらは、アルコキシル化度の平均が酸化エチレンの数および/または酸化プロピレンの数と添加反応との間の比率に対応する、添加反応に用いるホモログ混合物および基板である。酸化エチレンのグリセリンへの付加生成物のC
12/18脂肪酸モノエステルおよびジエステルは、化粧品配合物に対する脂質層増強剤として知られている。好適な乳化剤の更なる詳細を以下に示す:
【0089】
部分グリセリド 好適な部分グリセリドは代表例として以下を含む:ヒドロキシステアリン酸モノグリセリド、ヒドロキシステアリン酸ジグリセリド、イソステアリン酸モノグリセリド、イソステアリン酸ジグリセリド、オレイン酸モノグリセリド、オレイン酸ジグリセリド、リシノール酸モノグリセリド、リシノール酸ジグリセリド、リノール酸モノグリセリド、リノール酸ジグリセリド、リノレン酸モノグリセリド、リノレン酸ジグリセリド、エルカ酸モノグリセリド、エルカ酸ジグリセリド、酒石酸モノグリセリド、酒石酸ジグリセリド、クエン酸モノグリセリド、クエン酸ジグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド、リンゴ酸ジグリセリド、およびこれらの工業用混合物で製造工程から少量のトリグリセリドを含むものもまた好適である。1〜30mol、好ましくは5〜10molの酸化エチレンの上述の部分グリセリドへの付加生成物もまた好適である。
【0090】
ソルビタンエステル 好適なソルビタンエステルは以下を含む:ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンセスキイソステアレート、ソルビタンジイソステアレート、ソルビタントリイソステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノエルケート、ソルビタンセスキエルケート、ソルビタンジエルケート、ソルビタントリエルケート、ソルビタンモノリシノレート、ソルビタンセスキリシノレート、ソルビタンジリシノレート、ソルビタントリリシノレート、ソルビタンモノヒドロキシステアレート、ソルビタンセスキヒドロキシステアレート、ソルビタンジヒドロキシステアレート、ソルビタントリヒドロキシステレート、ソルビタンモノタートレート、ソルビタンセスキタートレート、ソルビタンジタートレート、ソルビタントリタートレート、ソルビタンモノシトラート、ソルビタンセスキシトラート、ソルビタンジシトラート、ソルビタントリシトラート、ソルビタンモノマレエート、ソルビタンセスキマレエート、ソルビタンジマレエート、ソルビタントリマレエートおよびこれらの工業用混合物。1〜30mol、好ましくは5〜10molの酸化エチレンの上述の部分グリセリドへの付加生成物もまた好適である。
【0091】
ポリグリセロールエステル 好適なポリグリセロールエステルは代表例として以下を含む:ポリグリセリル−2 ジポリヒドロキシステレート(Dehymuls(登録商標)PGPH))、ポリグリセリル−3−ジイソステアレート(Lame form(登録商標)TGI))、ポリグリセリル−4 イソステアレート(Isolan(登録商標)GI34))、ポリグリセリル−3 オレエート、ジイソステアロイル ポリグリセリル−3 ジイソステアレート(Isolan(登録商標)PDI))、ポリグリセリル−3 メチルグルコース ジステアレート(TegoCare(登録商標)450))、ポリグリセリル−3 蜜蝋(Cera Bellina(登録商標))、ポリグリセリル−4 カプレート(Polyglycerol Caprate T2010/90)、ポリグリセリル−3 セチルエーテル(Chimexane(登録商標)NL)、ポリグリセリル−3 ジステアレート(Cremophor(登録商標)GS 32)およびポリグリセリン ポリリシノレート(Admul(登録商標)WOL 1403)、ポリグリセリルダイメレートイソステアレート、ならびにそれらの混合物。好適なポリオールエステルの他の例は以下のものを含む:トリメチロールプロパンまたはペンタエリスリトールと、ラウリン酸、ヤシ油脂肪酸、獣脂脂肪酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸などとのモノ、ジおよびトリエステルであって、場合によりエチレンオキシド1〜30molと反応したもの等を挙げることができる。
【0092】
アニオン性乳化剤 アニオン性乳化剤の代表的な例としては、例えば脂肪族C
12−22脂肪酸であり、例えばパルミチン酸、ステアリン酸またはベヘン酸、および例えば、C
12−22ジカルボン酸、例えばアゼライン酸またはセバシン酸がある。
【0093】
両性乳化剤 他の好適な乳化剤としては、両性あるいは双イオン性界面活性剤がある。双イオン性界面活性剤は、分子中に少なくとも一つの第四級アンモニウム基、少なくとも一つのカルボキシラートおよび一つのスルホン酸塩を含む、界面活性化合物である。特に好適な双イオン性界面活性剤としては、いわゆるベタイン、例えばN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココナツアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N−アシルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばココナツアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、および8〜18個の炭素原子のアルキルまたはアシル基を有する2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチル イミダゾリンおよびココナツアシルアミノエチルヒドロキシエチル カルボキシメチルグリシネートがある。コカミドプロピルベタインというCTFA名で知られている脂肪酸アミド誘導体が特に好ましい。両性界面活性剤も好適な乳化剤である。両性界面活性剤としては、C
8/18アルキルまたはアシル基に加え、分子内に少なくとも一つの遊離アミノ基および少なくとも一つの−COOH−または−SO
3H−基を有し、分子内塩を形成する界面活性化合物である。好適な両性界面活性剤は、例として次のものを含む:約8〜18個の炭素原子のアルキル基を有するN−アルキルグリシン、N−アルキルプロピオン酸、N−アルキルアミノ酪酸、N−アルキルイミノジプロピオン酸、N−ヒドロキシエチル−N−アルキルアミドプロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン、2−アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸。特に好ましい両性界面活性剤は、N−ココナツアルキルアミノプロピオン酸、ココナツアシルアミノエチルアミノプロピオン酸およびC
12/18アシルサルコシンである。
【0094】
過脂肪剤およびコンシステンシーファクター(粘度調整物質)
過脂肪剤は、例えば、ラノリンおよびレシチン、更にポリエトキシル化またはアシル化したラノリンおよびレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリドおよび脂肪酸アルカノールアミド(後者は、発泡安定剤としても作用する)等から選択されて良い。
【0095】
好適な粘度調整物質としては、主に12〜22個、好ましくは16〜18個の炭素原子を含む脂肪アルコールまたはヒドロキシ脂肪アルコール、更に部分グリセリド、脂肪酸またはヒドロキシ脂肪酸が挙げられる。これらの物質と、アルキルオリゴグルコシドおよび/または同じ鎖長の脂肪酸N−メチルグルカミドおよび/またはポリグリセロールポリ−12−ヒドロキシステアレートとの組合せが好ましい。
【0096】
増粘剤およびレオロジー添加物
好適な増粘剤は、例えば、Aerosil(登録商標)グレード(親水性シリカ)、多糖、特にキサンタンガム、グアー、寒天、アルギン酸塩およびチロース、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース、更に比較的高分子量の脂肪酸ポリエチレングリコールモノエステルおよびジエステル、ポリアクリレート(例えば、Carbopol(登録商標)(Goodrich);Synthalens(登録商標)(Sigma));ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン、エトキシル化脂肪酸グリセリドなどの界面活性剤、脂肪酸とペンタエリトリトールまたはトリメチロールプロパンなどのポリオールとのエステル、狭い同族体分布を有する脂肪アルコールエトキシレートならびに塩化ナトリウムおよび塩化アンモニウムなどの電解質である。
【0097】
ポリマー
好適な陽イオン性ポリマーは、例えば以下を含む:陽イオン性セルロース誘導体、例えば第四級化したヒドロキシエチルセルロース(AmercholからPolymer JR 400(登録商標)の名称で入手できる)、陽イオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドのコポリマー、第四級化したビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えばLuviquat(登録商標)(BASF)、ポリグリコールとアミンの縮合生成物、第四級化したコラーゲンポリペプチド、例えばラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lamequat(登録商標)L、Gruenau)、第四級化したコムギポリペプチド、ポリエチレンイミン、陽イオン性シリコーンポリマー、例えばアミドメチコーン、アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンのコポリマー(Cartaretin(登録商標)、Sandoz)、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドのコポリマー(Merquat(登録商標)550、Chemviron)、ポリアミノポリアミドおよびその架橋した水溶性ポリマー、陽イオン性キチン誘導体、例えば第四級化したキトサン(選択的に微結晶分散して良い)、ジブロモブタンなどのジハロアルキルとビス−ジメチルアミノ−1,3−プロパンなどのビスジアルキルアミンとの縮合生成物、Celanese社製のJaguar(登録商標)CBS、Jaguar(登録商標)C−17、Jaguar(登録商標)C−16などの陽イオン性グアーガム、Miranol社製のMirapol(登録商標)A−15、Mirapol(登録商標)AD−1、Mirapol(登録商標)AZ−1)などの第四級化したアンモニウム塩ポリマー、ならびにRheocare(登録商標)CCあるいはUltragel(登録商標)300の名称で市場において入手できる種々のポリクォータニウム(例えば、6、7,32、または37)。
【0098】
好適なアニオン性、双性イオン性、両性および非イオン性ポリマーは、例えば、酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/アクリル酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル/マレイン酸ブチル/アクリル酸イソボルニルコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーおよびそのエステル、未架橋のポリアクリル酸およびポリオール架橋したポリアクリル酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/メタクリル酸メチル/tert−ブチルアミノエチルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルカプロラクタムターポリマーおよび所望により誘導体化したセルロースエーテルおよびシリコーンである。
【0099】
真珠色化ワックス
好適な真珠色化ワックスの例は、アルキレングリコールエステル、特にエチレングリコールジステアレート;脂肪酸アルカノールアミド、特にヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、特にステアリン酸モノグリセリド;多塩基性の所望によりヒドロキシ置換されたカルボン酸と、6〜22個の炭素原子を含む脂肪アルコールとのエステル、特に酒石酸の長鎖エステル;合計して少なくとも24個の炭素原子を含む脂肪化合物、例えば、脂肪アルコール、脂肪ケトン、脂肪アルデヒド、脂肪エーテルおよび脂肪カーボネート、特にラウロンおよびジステアリルエーテル;脂肪酸、例えばステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸またはベヘン酸;12〜22個の炭素原子を含むオレフィンエポキシドの、12〜22個の炭素原子を含む脂肪アルコールおよび/または2〜15個の炭素原子および2〜10個のヒドロキシ基を含むポリオールによる開環生成物、ならびにこれらの混合物である。
【0100】
シリコーン
好適なシリコーン化合物は、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環式シリコーン、ならびに、アミノ−、脂肪酸−、アルコール−、ポリエーテル−、エポキシ−、フッ素−、グリコシド−および/またはアルキル−修飾したシリコーン化合物であり、これらは、室温で液体または樹脂形態のいずれかとして存在することができる。また、他の好適なシリコーン化合物として、200〜300のジメチルシロキサン単位の平均鎖長を有するジメチコーンと水素化シリケートの混合物であるシメチコーンが挙げられる。
【0101】
ワックスおよび安定剤
本形態において用いる天然油に加え、前記製剤中には以下のワックスが存在して良い:特に天然ワックス、例えばキャンデリラワックス、カルナバワックス、木蝋、アフリカハネガヤワックス、コルクワックス、グアルマワックス、コメ胚油ワックス、サトウキビワックス、オウリキュリーワックス、モンタンワックス、蜜蝋、セラックワックス、鯨蝋、ラノリン(羊毛)ワックス、尾羽脂、セレシン、オゾケライト(地蝋)、ペトロラタム、パラフィンワックスおよび微結晶ワックス;化学修飾したワックス(硬ワックス)、例えばモンタンエステルワックス、サゾールワックス、水素化ホホバワックスならびにポリアルキレンワックスおよびポリエチレングリコールワックスなどの合成ワックスである。
【0102】
脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸またはリシノール酸のマグネシウム、アルミニウムおよび/または亜鉛塩などを安定剤として用いることができる。
【0103】
冷却剤
前記組成物はまた、生理学的冷却作用を有する一つまたは複数の物質(冷却剤)を含んでいても良く、本形態において好ましくは以下に列挙したものから選択される:メントールおよびメントール誘導体(例えばL−メントール、D−メントール、ラセミメントール、イソメントール、ネオイソメントール、ネオメントール)、メントングリセリンアセタール(商品名:Frescolat(登録商標)MGA)、メンチルラクテート(商品名:Frescolat(登録商標)ML)(メンチルラクテートは好ましくはL−メンチル−L−ラクテートであり、特にL−メンチル−L−ラクテートである)、メンチルエチルアミドオキサレート(Frescolat(登録商標)X−Cool)、メンチルエーテル(例えば(l−メントキシ)−1,2−プロパンジオール、(l−メントキシ)−2−メチル−1,2−プロパンジオール、l−メンチル−メチルエーテル)、メンチルエステル(例えばメンチルホルミエート、メンチルアセテート、メンチルイソブチレート、メンチルラクテート、L−メンチル−L−ラクテート、L−メンチル−D−ラクテート、メンチル−(2−メトキシ)アセテート、メンチル−(2−メトキシエトキシ)アセテート、メンチルピログルタメート)、メンチルカーボネート(例えばメンチルプロピレングリコールカーボネート、メンチルエチレングリコールカーボネート、メンチルグリセロールカーボネートまたはその混合物)、メントールとジカルボン酸またはその誘導体との半エステル(例えばモノメンチルスクシネート、モノメンチルグルタレート、モノメンチルマロネート、O−メンチルコハク酸エステル−N,N−(ジメチル)アミド、O−メンチルコハク酸エステルアミド)、メンタンカルボン酸アミド(この場合好ましくは、米国特許第4,150,052号に記載されているメンタンカルボン酸−N−エチルアミド[WS3]またはNα−(メンタンカルボニル)グリシンエチルエステル[WS5]、国際特許出願公開第2005/049553号に記載されているメンタンカルボン酸−N−(4−シアノフェニル)アミドまたはメンタンカルボン酸−N−(4−シアノメチルフェニル)アミド、メタンカルボン酸−N−(アルコキシアルキル)アミド)、メントンおよびメントン誘導体(例えばL−メントングリセロールケタール)、2,3−ジメチル−2−(2−プロピル)−酪酸誘導体(例えば2,3−ジメチル−2−(2−プロピル)−酪酸−N−メチルアミド[WS23])、イソプレゴールまたはそのエステル(l(−)−イソプレゴール、l−(−)−イソプレゴールアセテート)、メンタン誘導体(例えばp−メンタン−3,8−ジオール)、クベボールまたはクベボールを含有する合成または天然混合物、シクロアルキルジオン誘導体のピロリドン誘導体(例えば3−メチル−2(1−ピロリジニル)−2−シクロペンテン−1−オン)またはテトラヒドロピリミジン−2−オン(例えば国際特許出願公開第2004/026840号に記載されているイシリンまたは関連化合物)、更にはカルボキサミド(例えばN−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)−3−p−メンタンカルボキサミドまたは関連化合物)、(1R,2S,5R)−N−(4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−(1−イソプロピル)シクロヘキサン−カルボキサミド[WS12]、オキサメート(好ましくは欧州特許出願公開第2 033 688号に記載されているもの)。
【0104】
前記活性冷却化合物を用いる場合の使用濃度は、物質にもよるが、好ましくは(すぐに使用可能な皮膚用)化粧品完成製剤および医薬品完成製剤の全質量に対して0.01〜20重量%の濃度範囲、より好ましくは0.1〜5重量%の濃度範囲である。ここに記載の質量、比率および割合は、別段の記載の無い限り、前記製剤の重量および全部の質量または重量に基づくものである。
【0105】
抗菌剤
好適な抗菌剤は基本的に、例として以下を含む、グラム陽性菌に対し有効な全ての物質である:4−ヒドロキシ安息香酸ならびにその塩およびエステル、N−(4−クロロフェニル)−N’−(3,4−ジクロロフェニル)ウレア、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール、2,2’−メチレンビス(6−ブロモ−4−クロロフェノール)、3−メチル−4−(1−メチルエチル)フェノール、2−ベンジル−4−クロロフェノール、3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート、クロロヘキシジン、3,4,4’−トリクロロカルバニリド(TTC)、抗細菌芳香物質、チモール、タイム油、オイゲノール、チョウジ油、メントール、ミント油、ファルネソール、フェノキシエタノール、グリセロールモノカプレート、グリセロールモノカプリレート、グリセロールモノラウレート(GML)、ジグリセロールモノカプレート(DMC)、およびN−オクチルサリチルアミドまたはN−デシルサリチルアミドなどのサリチル酸N−アルキルアミド。
【0106】
酵素阻害剤
好適な酵素阻害剤は、例えばエステラーゼ阻害剤である。これらは、好ましくは、例えばクエン酸トリメチル、クエン酸トリプロピル、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリブチルなどのクエン酸トリアルキルであり、特にクエン酸トリエチル(Hydagen(登録商標)CAT)である。エステラーゼ阻害剤は、酵素活性を阻害することにより、臭気の生成を抑制する。その他の好適なエステラーゼ阻害剤である物質としては、ステロールスルフェートまたはホスフェート、例えばラノステロール−、コレステロール−、カンペステロール−、スチグマステロール−およびシトステロール−スルフェートまたはホスフェート、ジカルボン酸およびそのエステル、例えばグルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸およびマロン酸ジエチルエステル、ヒドロキシカルボン酸およびそのエステル、例えばクエン酸、リンゴ酸、酒石酸または酒石酸ジエチルエステル、およびグリシン酸亜鉛が挙げられる。
【0107】
臭気吸収剤および制汗活性剤
好適な臭気吸収剤は、臭気生成化合物を吸収し、概ね保持することのできる物質である。このような臭気吸収剤は、各成分の分圧を低減させ、それにより各成分の拡散率を低減させる。この過程で香料が損なわれず維持されることが重要である。臭気吸収剤は細菌に対して有効ではない。臭気吸収剤は例えば、リシノール酸の錯亜鉛塩、または所定の、広く中性臭気香料「fixative(固定剤)」として当業者に知られるもの、例えばラブダナムまたはエゴノキの抽出物、または所定のアビエチン酸誘導体を主成分として含有する。臭気マスキング剤は、臭気マスキング剤としての機能に加えて、防臭剤に香気を付与する香料または香油である。例えば天然および合成香料の混合物が香油として記載し得る。天然香料は、花、茎および葉、果実、果皮、根、木、草、針葉および枝、樹脂およびバルサムの抽出物を包含する。動物性原料、例えばシベットおよびカストリウムを使用してもよい。典型的な合成香料化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素型の生成物である。エステル型香料化合物の例は、ベンジルアセテート、p−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルメート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネート、およびベンジルサリチレートである。エーテルは例えば、ベンジルエチルエーテルを包含し、アルデヒドは例えば、8〜18個の炭素原子を有する直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラル、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラル、リリアールおよびブルゲオナールを包含する。ケトンは例えば、イオノン類、およびメチルセドリルケトンであり、アルコールは、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコールおよびテルピネオールであり、炭化水素は主として、テルペン類およびバルサム類を包含する。しかしながら、共同で快い香を発する種々の香料化合物の混合物を使用することが好ましい。芳香成分として用いられることの多い比較的低揮発性の精油もまた、香油として適している。その例は、セージ油、カモミール油、丁子油、メリッサ油、ミント油、シナモン葉油、リンデン花油、ジュニパーベリー油、ベチベル油、乳香油、ガルバヌム油、ラブダナム油およびラバンジン油である。下記のものを単独で、または混合物として使用することが好ましい:ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α−ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサムブレンフォルテ(Boisambrene Forte)、アンブロキサン(Ambroxan)、インドール、ヘジオン(hedione)、サンデリス(sandelice)、レモン油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロベルタル(cyclovertal)、ラバンジン油、クラリーセージ油、β−ダマスコン、ゼラニウム油バーボン、シクロヘキシルサリチレート、バートフィックスクール(Vertofix Coeur)、イソ−イー−スーパー(Iso−E−Super)、フィクソリドNP(Fixolide NP)、エベルニル、イラルデイン(iraldein)ガンマ、フェニル酢酸、ゲラニルアセテート、ベンジルアセテート、ローズオキシド、ロミレート(romilat)、イロチル(irotyl)およびフロラメート(floramat)。
【0108】
好適なアストリンゼン制汗活性成分は、主として、アルミニウム、ジルコニウムまたは亜鉛の塩である。このような好適な制汗活性成分は、例えば、塩化アルミニウム、アルミニウムクロロヒドレート、アルミニウムジクロロヒドレート、アルミニウムセスキクロロヒドレート、およびこれらと例えば1,2−プロピレングリコールとの錯化合物、アルミニウムヒドロキシアラントイネート、アルミニウムクロリドタートレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロヒドレート、およびこれらと例えばグリシンなどのアミノ酸との錯化合物である。
【0109】
被膜剤およびフケ防止活性成分
標準的な被膜剤は、例えばキトサン、微結晶キトサン、第四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、アクリル酸系ポリマー、第四級セルロース誘導体、コラーゲン、ヒアルロン酸またはその塩、ならびに同様の化合物である。
【0110】
好適なフケ防止活性成分は、ピロクトンオラミン(1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2−(1H)−ピリジノンモノエタノールアミン塩)、Baypival(登録商標)(Climbazole)、Ketoconazol(登録商標)(4−アセチル−1−{4−[2−(2,4−ジクロロフェニル) r−2−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ジオキシラン−c−4−イルメトキシフェニル}−ピペラジン)、ケトコナゾール、エルビオール、二硫化セレン、コロイドイオウ、イオウポリエチレングリコールソルビタンモノオレエート、イオウリシノールポリエトキシレート、イオウタール蒸留物、サリチル酸(またはヘキサクロロフェンとの組合せ)、ウンデシレン酸、モノエタノールアミドスルホスクシネートNa塩、Lamepon(登録商標)UD(蛋白質/ウンデシレン酸縮合物)、ジンクピリチオン、アルミニウムピリチオン、およびマグネシウムピリチオン/ジピリチオンマグネシウムスルフェートである。
【0111】
担体および液体担体物質
好適な化粧品担体材料は、25℃および1,013mbarで固体または液体であり(非常に粘稠な物質を含む)、以下を含む:グリセロール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エタノール、水および前記液体担体材料の2つ以上と水との混合物。選択的に、本発明のこれらの製剤は、防腐剤または可溶化剤を用いて生成してもよい。他の好ましい前記液体単体材料で本発明の製剤の成分であり得るものは、以下を含む群から選択される:植物油、中性油、および鉱油。
【0112】
本発明による製剤の成分であり得る好ましい固体担体材料は以下を含む:親水コロイド、例えばデンプン、分解したデンプン、化学的にまたは物理的に変性したデンプン、デキストリン、(粉末状)マルトデキストリン(好ましくは5〜25、より好ましくは10〜20のデキストロース相当値を有する)、ラクトース、二酸化ケイ素、グルコース、変性セルロース、アラビアゴム、ガッチゴム、トラガント、カラヤゴム、カラゲナン、プルラン、カードラン、キサンタンガム、ゲランゴム、グアーフラワー、イナゴマメフラワー、アルギン酸塩、寒天、ペクチンおよびイヌリンおよびこれらの固形物、特にマルトデキストリン(好ましくは15〜20のデキストロース相当値を有する)、ラクトース、二酸化ケイ素および/またはグルコースの2つ以上の混合物。
【0113】
また、流動性状の向上のため、ヒドロトロープ、例えばエタノール、イソプロピルアルコールまたはポリオールを用いてもよい。好適なポリオールは、好ましくは2〜15個の炭素原子および少なくとも2個のヒドロキシ基を含有する。これらポリオールは、他の官能基、特にアミノ基を含有することができ、また、窒素で修飾することもできる。その代表例は、次の通りである:
・グリセロール;
・アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、および、ポリエチレングリコール(100〜1,000ダルトンの平均分子量を有する);
・1.5〜10の自己縮合度を有する工業用オリゴグリセロール混合物、例えば40〜50wt.%のジグリセロール含量を有する工業用ジグリセロール混合物;
・メチロール化合物、例えば特にトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトールおよびジペンタエリスリトール;
・低級アルキルグルコシド、特にアルキル基に1〜8個の炭素原子を含むもの、例えばメチルおよびブチルグルコシド;
・5〜12個の炭素原子を含む糖アルコール、例えばソルビトールまたはマンニトール;
・5〜12個の炭素原子を含む糖、例えばグルコースまたはスクロース;
・アミノ糖、例えばグルカミン;
・ジアルコールアミン、例えばジエタノールアミンまたは2−アミノ−1,3−プロパンジオール。
【0114】
防腐剤
好適な防腐剤は、例えば、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、バラベン、ペンタンジオールまたはソルビン酸、およびKosmetikverordnung(「化粧品規則」)のパートAおよびBの付録6に記載の別の化合物の分類である。
【0115】
香油および香料
香油としては、天然および合成香料の混合物が挙げられる。天然香料としては、例えば、花(例:ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イラン−イラン等)、茎および葉(例:ゼラニウム、パチョリ、プチグレン等)、果実(例:アニス、コリアンダー、キャラウェー、ビャクシン等)、果皮(例:ベルガモット、レモン、オレンジ等)、根(例:ナツメグ、アンゼリカ、セロリ、カルダモン、コスタス、アヤメ、ショウブ等)、木(例:マツ、ビャクダン、グアヤク、シーダー、シタン等)、ハーブおよび草(例:タラゴン、レモングラス、セージ、タイム等)、針葉および枝(例:トウヒ、モミ、マツ、低木マツ等)、樹脂およびバルサム(例:ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、乳香、オポパナクス等)などの抽出物が挙げられる。動物性原料、例えばシベットおよびカストリウムを使用してもよい。典型的な合成香料化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素型の生成物である。エステル型香料化合物の例は、ベンジルアセテート、フェノキシエチルイソブチレート、p−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、ジメチルベンジルカルボニルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルメート、エチルメチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネートおよびベンジルサリチレートである。エーテルは例えば、ベンジルエチルエーテルを包含し、アルデヒドは例えば、8〜18個の炭素原子を有する直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラル、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラル、リリアールおよびブルゲオナールを包含する。好適なケトンは例えば、イオノン類、−イソメチルイオノンおよびメチルセドリルケトンである。好適なアルコールは、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオルゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコールおよびテルピネオールである。炭化水素は主として、テルペン類およびバルサム類を包含する。しかしながら、共同で快い香を発する種々の香料化合物の混合物を使用することが好ましい。別の好適な香油としては、芳香成分として用いられることの多い比較的揮発性の低い精油が挙げられる。好適な香油の例としては、セージ油、カモミール油、丁子油、メリッサ油、ミント油、シナモン葉油、ライム花油、ジュニパーベリー油、ベチベル油、乳香油、ガルバヌム油、ラブダヌム油およびラバンジン油が挙げられる。好ましくは以下を単独であるいは混合物として用いても良い:ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、ライラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサムブレンフォルテ(Boisambrene Forte)、アンブロキサン(Ambroxan)、インドール、ヘジオン(Hedione)、サンデリス(Sandelice)、シトラス油、マンダリン油、オレンジ油、アリルペンチルグリコレート、シクロバータル(Cyclovertal)、ラバンジン油、クラリー油、ダマスコン、ゼラニウム油バーボン、シクロヘキシルサリチレート、バートフィックスクール(Vertofix Coeur)、イソ−イー−スーパー(Iso−E−Super)、フィクソリドNP(Fixolide NP)、エベルニル、イラルデイン(iraldein)ガンマ、フェニル酢酸、ゲラニルアセテート、ベンジルアセテート、ローズオキシド、ロミレート(romilat)、イロチル(irotyl)およびフロラメート(floramat)。
【0116】
染料
好適な染料は、例えば刊行物“Kosmetische Faerbemittel”、Farbstoffkommission der Deutschen Forschungsgemeinschaft、Verlag Chemie、Weinheim(「化粧品用染料」、ドイツ研究振興協会顔料委員会編、化学出版社、ヴァインハイム(1984))、81〜106ページに記載のような化粧用に適当で承認された物質である。その例は、コチニールレッドA(C.I.16255)、パテントブルーV(C.I.42051)、インジゴチン(C.I.73015)、クロロフィリン(C.I.75810)、キノリンイエロー(C.I.47005)、二酸化チタン(C.I.77891)、インダントレンブルーRS(C.I.69800)、およびマダーレーキ(C.I.58000)を包含する。蛍光染料としてルミノールも使用し得る。有利な着色顔料は、例えば、二酸化チタン、マイカ(雲母)、酸化鉄(例えば、Fe
2O
3、Fe
3O
4、FeO(OH))および/または酸化スズである。有利な染料は、例えばカルミン、ベルリンブルー(紺青)、塩化クロムグリーン、ウルトラマリンブルー、および/またはマンガンバイオレットである。
【0117】
好ましい本発明の組成物は皮膚や毛髪の手入れ、保護、ケア、およびクレンジングのための製品を含む群から選択され、あるいはメークアップ製品として好ましくはリーブオンタイプとして選択される(リーブオンタイプとはすなわち、リンスオフ製品に比して式(1)の化合物のうち一つまたは複数が皮膚および/または毛髪に対しより長時間残留するものであり、前記化合物の湿潤および/またはアンチエイジングおよび/または創傷治癒促進作用がより顕著な製品を指す)。
【0118】
本発明の製剤は、好ましくは、エマルション、例えば、W/O(油中水型)、O/W(水中油型)、W/O/W(水中油中水型)、O/W/O(油中水中油型)エマルション、PITエマルション、ピッカリングエマルション、低油分エマルション、マイクロエマルションまたはナノエマルション、溶液、例えば油(脂肪油または脂肪酸エステル、特にC
6−C
32脂肪酸C
2−C
30エステルの)またはシリコーン油中、分散液、懸濁液、クリーム、ローションまたはミルク、製造法および成分によってはゲル(ヒドロゲル、水分散体ゲル、オレオゲルを含む)、スプレー(例えばポンプスプレーまたは噴霧剤を有するスプレー)またはフォームまたは拭き取り用の含浸液、清浄剤、例えば石鹸、合成清浄剤、液体洗浄液、シャワーおよびバス用製品、浴用剤(カプセル、オイル、錠剤、塩、入浴剤、石鹸等)、発泡製品、スキンケア製品、例えば上述のエマルション、軟膏、ペースト、上述のゲル、油、バルサム、血清、パウダー(例えば、フェースパウダー、ボディパウダー)、マスク、ペンシル、スティック、ロールオン、ポンプ、エアゾール(発泡性、非発泡性または後発泡性のもの)、デオドラントおよび/または制汗剤、マウスウォッシュおよびマウスリンス、フットケア製品(角質溶解剤、脱臭剤を含む)、防虫剤、日焼け止め、アフターサン製剤、シェービング製品、アフターシェーブバーム、プレシェーブローション、アフターシェーブローション、脱毛剤、ヘアケア製品、例えば2−in−1シャンプー、フケ防止シャンプー、ベビーシャンプー、頭皮乾燥対策シャンプー、濃縮シャンプー、コンディショナー、ヘアトニック、ヘアウォーター、ヘアリンス、スタイリングクリーム、ポマード、パーマローション、セットローション、ヘアスプレー、ヘアスタイリングエイド(例えば、ゲルまたはワックス)、ヘアスムージング剤(デタングリング剤、リラクサ)、ヘアダイ、一時的に直接染めるヘアダイ、半永久的なヘアダイ、永続的なヘアダイ、ヘアコンディショナー、ヘアムース、アイケア製品、メーキャップ、メーキャップリムーバーまたはベビー製品の形である。
【0119】
本発明に係る製剤は、特に好ましくはエマルションの形で、特にW/O、O/W、W/O/W、O/W/Oエマルション、PITエマルション、ピッカリングエマルション、低油分エマルション、マイクロエマルションまたはナノエマルション、ゲル(ヒドロゲル、水分散体ゲル、オレオゲルを含む)、溶液、例えば油(脂肪油または脂肪酸エステル、特にC
6−C
32脂肪酸C
2−C
30エステル)またはシリコーン油中、またはスプレー(例えばポンプスプレーまたは噴霧剤を有するスプレー)の形である。
【0120】
補助物質および添加剤は、製剤の全質量に対して5〜99重量%、好ましくは10〜80重量%の量にて含まれて良い。各場合において用いられる化粧用または皮膚用助剤および添加剤および香料の質量は、具体的な製品の種類によっては、通常の試行錯誤により当業者が容易に測定し得る。
【0121】
本製剤はまた、製剤の全質量に基づいて、99重量%、好ましくは5〜80重量%の量で水を含有し得る。なお、化粧品化合物における添加物およびその質量の範囲についての記述はまた医薬品用または皮膚用製剤についても有効である。
【0122】
抗刺激剤
補助活性剤の重要なグループは次のものを含む:抗炎症剤、例えばコルチコステロイド型のステロイド系抗炎症物質、例えばヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン誘導体、例えばヒドロコルチゾン17−ブチレート、デキサメタゾン、デキサメタゾンホスフェート、メチルプレドニゾロンまたはコルチゾン;非ステロイド系抗炎症物質、特にオキシカム、例えばピロキシカムまたはテノキシカム、サリチレート、例えばアスピリン、ジサルシド、ソルプリンまたはフェンドサル、酢酸誘導体、例えばジクロフェナク、フェンクロフェナク、インドメタシン、スリンダク、トルメチンまたはクリンダナク、フェナム酸、例えばメフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸またはニフルム酸;プロピオン酸誘導体、例えばイブプロフェン、ナプロキセンまたはベノキサプロフェン、またはピラゾール、例えばフェニルブタゾン、オキシフェニルブタゾン、フェブラゾンまたはアザプロパゾン。あるいは、天然の抗炎症物質または発赤および/またはそう痒を改善する物質を用いても良い。植物抽出物、所定の高活性植物抽出物蒸留物および植物抽出物から単離した高純度活性物質を用いて良く、特に好ましいこれら抽出物、画分および活性物質は次のものを含む:アロエベラ、コミフォラ(Commiphora)種、ルビア(Rubia)種、ルバス(Rubus)種、ヤナギ、ツツジ、ヤナギソウ、オート麦、カレンジュラ、アルニカ、セントジョーンズワート、ハニーサックル、ショウガ、カモミール、ローズマリー、セージ、メリッサ、パスシフロラ・インカルナタ(Passiflora incarnata)、エンジュ(Sophora japonica)、ウィッチヘーゼル、プエラリア、ナデシコ、またはエキナセアからの抽出物または画分、および純物質、例えば特にビサボロール、アピゲニン、アピゲニン−7−グルコシド、ロスマリン酸、ボスウェル酸、フィトステロール、グリチルリチン酸、グラブリジン、リコカルコンA、[6]−パラドール、およびアントラニル酸アミド、例えば特にアベナンスラミドまたはジアントラミド。本発明に係る製剤または製品の総質量に対する、各製剤または製品中の抗刺激剤の合計量は好ましくは0.0001〜20重量%、好ましくは0.0001〜10重量%、特に好ましくは0.001〜5重量%の範囲である。
【0123】
特に有用な補助活性剤は以下を含む群から選択される:抗真菌剤および鎮痛剤、特に以下を含む群から選択されるもの:エリスロマイシン、ジメチンデン、ベタメタゾン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ジクロフェナク、メトロニダゾール、アシクロビル、イミキモド、テルビナフィン、ドコサノール、シクロピロクスオラミンおよびこれらの混合物。
【0124】
エリスロマイシンはペニシリンと同等のあるいはわずかに広い抗菌スペクトルを有するマクロライド抗生物質であり、ペニシリンアレルギーを持つ人のためによく用いられる。
【化1】
【0125】
また最近の研究により、エリスロマイシンは弱い抗うつ剤として用い得ることが分かっている。気道感染症については、エリスロマイシンはマイコプラズマおよびレジオネラを含む非定型微生物に対し広く作用する。またエリスロマイシンはイーライリリー・アンド・カンパニーにより初めて市販されたもので、今日では一般にEES(エリスロマイシンエチルスクシネート、一般的に投与されているエステルプロドラッグ)として知られている。その構造としては、この大環状化合物は十個の不斉中心と二つの糖(L−クラジノースおよびD−デソサミン)とを有する14員環のラクトン環を含んでいるため、この化合物を合成法により製造することは非常に困難である。エリスロマイシンは放線菌であるサッカロポリスポラ・エリスラエア(Saccharopolyspora erythraea、(米国特許第2,653,899号(イーライリリー社)参照)の株から生成する。
【0126】
ジメチンデン(別名:フェニスティル)(RS−ジメチル(2−(3−[ピリジン−2−イル)エチル]−1H−インデン−2−イル)エチル)アミン)は経口かつ局所的に止痒剤として用いる抗ヒスタミン剤/抗コリン作動薬である。
【化2】
【0127】
ベタメタゾン(8S,9R,10S,11S,13S,14S,16S,17R)−9−フルオロ−11,17−(2−ヒドロキシアセチル)−10(13,16−トリメチル−6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17−ドデカヒドロ−3H−シクロペンタ(α)−フェナントレン−3−オン)は抗炎症および免疫抑制特性を有する強力なグルココルチコイドステロイドである。
【化3】
【0128】
これらの効果を有する他の薬剤とは異なり、ベタメタゾンは保水性を有さない。ベタメタゾンは、痒みを止めるために局所用のクリーム、軟膏、フォーム、ローションまたはゲルとして塗布される。リン酸ベタメタゾンナトリウムは、場合により、ウルシツタや同類の植物(米国特許第3,053,865号(Merck社)を参照)に対するアレルギー反応を含む種々の疾患による痒み用に筋肉内注射(筋注:I.M.)として処方される。
【0129】
イブプロフェン (RS)−2−(4−(2−メチルプロピル)フェニル)プロパン酸)、(命名法による物質名:iso−butyl−propanoic−phenolic acid)は、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)であり、関節炎や発熱などの症状の鎮静に、特に炎症性成分および月経困難に対する鎮痛薬(鎮痛剤)として用いられている。
【化4】
【0130】
イブプロフェンが抗血小板効果を有することは知られているが、アスピリンなどの他のより良く知られている抗血小板薬と比べるとこの効果は比較的弱く、持続時間も短めである。またイブプロフェンはシクロオキシゲナーゼ−2酵素により生成される、血管拡張性を有するプロスタサイクリンを主に阻害するので、
通常血管収縮薬としても作用、冠動脈や他のいくつかの血管を収縮させることが証明されている。イブプロフェンは1960年代にBoots Groupの研究部門により誘導され、1961年に特許化された。イブプロフェンは当初はBrufenという製品名で市販されたが、現在ではMotrin、Nurofen、AdvilおよびNuprin(米国特許第3,385,886号(Boots社)を参照)などの種々のよく知られた商標により入手可能である。
【0131】
ケトプロフェン (RS)2−(3−ベンゾイルフェニル)−プロピオン酸は、鎮痛薬および解熱作用を有する非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)のプロピオン酸系のもう一つの物質である。
【化5】
【0132】
ケトプロフェンは体内におけるプロスタグランジンの産生に対する阻害作用を有する(米国特許第3,641,127号(ローヌ・プーラン社)を参照)。
【0133】
ジクロフェナクもまた炎症軽減のため用いられる非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)であり、所定の条件下で痛みを和らげるために用いる鎮痛剤である。
【化6】
【0134】
ジクロフェナクという名称はその化学名2−(2,6−ジクロロアニリノ)フェニル酢酸から命名された。イギリス、インド、ブラジルおよびアメリカにおいては、ジクロフェナクはナトリウムまたはカリウム塩として供給されており、中国では多くの場合ソーダ塩として、また他のいくつかの国ではカリウム塩としてのみ供給されている。ジクロフェナクは、多くの製剤の後発品として入手可能である。通常の感染症に伴う軽い痛みや発熱の処置用として店頭市販医薬(OTC)としての使用を許可している国もある(米国特許第3,558,690号(チバガイギー社)を参照)。
【0135】
メトロニダゾール (2−(2−メチル−5−ニトロ−1H−イミダゾール−1−イル)エタノール)は、特に嫌気性菌および原虫に用いるニトロイミダゾール抗生物質剤である。
【化7】
【0136】
メトロニダゾールは抗生物質、抗アメーバ薬および抗原虫薬である。またメトロニダゾールは軽症から中症のクロストリジウム・ディフィシル感染症を発症した場合の第一選択肢である。アメリカではファイザーから、また世界的にはSanofiunderからFlagylという製品名で市販されており、またパキスタンとバングラデシュではStar LaboratoriesからNidagylという製品名で、更にタイではNakhorn PatanaからMepagylという製品名で市販されている。またイギリスではMilpharmおよびAlmus Pharmaceuticalsから市販されている。メトロニダゾールは1960年に開発された。またメトロニダゾールは皮膚症、例えば酒さ性ざ瘡および肉芽腫性腫瘍(米国特許第2,944,061号(ローヌ・プーラン社)を参照)治療用のゲル製剤として用いられる。
(VIII)アシクロビルまたはアシクロビル(USAN、旧BAN)(化学名:アシクログアノシン(2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−((2−ヒドロキシエトキシ)メチル)−6H−プリン−6−オン)は略称をACVというグアノシン類似体抗ウイルス薬であり、Cyclovir、Herpex、Acivir、Acivirax、ZoviraxおよびXovirなどの商品名で市販されている。この固体活性剤の水(硬度:20°dH)への溶解度は20℃で5g/L未満である。
【化8】
【0137】
アシクロビルは最も一般的に用いられる抗ウイルス薬の一つであり;主に単純ヘルペスウイルス感染症、水痘帯状疱疹(水痘)および帯状ヘルペス(帯状疱疹)の治療に用いられる(米国特許第4,199,574号(Wellcome社)参照)。
【0138】
イミキモド (3−(2−メチルプロピル)−3,5,8−トリアザトリシクロ[7.4.0.0.
2,6]トリデカ−1(9),2(6),4,7、10、12−ヘキサエン−7−アミン、INN)は、免疫応答修飾物質として作用する処方薬である。
【化9】
【0139】
イミキモドはMeda AB、Graceway PharmaceuticalsおよびiNova PharmaceuticalsからAldaraおよびZyclaraという商品名で、また持田製薬よりベセルナという商品名で市販されている。別名R−837ともいう(米国特許第4,689,338号(Riker社)参照)。
【0140】
テルビナフィン、すなわち塩酸テルビナフィン[(2E)−6,6−ジメチルヘプト−2−エン−4−イン−1−イル](メチル)(ナフタレン−1−イルメチル)アミン)は、ノバルティスファーマ社市販の合成アリルアミン抗菌剤である。テルビナフィンは元来親油性が高く、皮膚、爪および脂肪組織に蓄積する傾向を有する。
【化10】
【0141】
テルビナフィンは、アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、エジプト、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、アイルランド、イスラエル、メキシコ、パキスタン、ペルー、ニュージーランド、ノルウェー、ルーマニア、ロシア、スロベニア、南アフリカ、スウェーデン、イギリス、アメリカおよびベネズエラではLamisilという商品名で、またトルコではCorbinal、Terbisilという商品名で、またポーランドではundofen creamという商品名で市販されている。ジェネリック薬としては、Zabelという商品名で、オーストラリアで市販されている。またテルビナフィンはアメリカ、イギリス、ベルギー、スイスおよびブラジルではジェネリック医薬品として用いられている。インドではテルビナフィン塩酸塩がSebifin(Ranbaxy Labs社)、Zimig(GSK Pharma社)およびmycoCeaze(Progres Laboratories社)という商標名にて局所製剤として入手可能である。Apricus Biosciences社創薬のMycoVaはテルビナフィンとDDAIPとを含有する局所用ネイルソリューションであり、爪甲真菌症治療薬として3つのフェーズIIIの治験を終えている(米国特許第4,755,534号(Sandoz社)参照)。
【0142】
別名ベヘニルアルコールと呼ばれるドコサノールは伝統的に化粧品分野では軟化薬、乳化剤および増粘剤として、また栄養補給剤(個別の製剤としておよびポリコサノールの成分)として用いる飽和脂肪アルコールであり、近年では単純ヘルペスウイルスにより生じる口辺ヘルペスの持続期間短縮のための抗ウイルス剤として食品医薬品庁(FDA)の認可を得たAbrevaに用いられている。
【0143】
別名Batrafen、Loprox、Mycoster、PenlacおよびStieproxともいうシクロピロクスオラミン(6−シクロヘキシル−1−ヒドロキシ−4−メチルピリジン−2(1H)−1)は、表在性真菌症の皮膚病学的局所治療用合成抗真菌薬である。
【化11】
【0144】
シクロピロクスオラミンは癜風治療に最も有用である(米国特許第3,883,545号(Marck社)参照)。
【0145】
抗セルライト剤
【0146】
抗セルライト剤の活性を増強またはブーストする薬剤、特にC神経線維を刺激し、および/または脱分極させる薬剤は好ましくは、カプサイシンとその誘導体、バニリル−ノニルアミドとその誘導体、L−カルニチン、コエンザイムA、イソフラボノイド、大豆抽出物、アナナス属(パイナップル)抽出物および共役リノール酸から成る群より選択される。
【0147】
脂肪増強剤
【0148】
本発明に係る配合物および製剤はまた、一つまたは複数の脂肪増強剤および/または脂肪生成剤ならびに脂肪増強剤の活性を増強あるいはブーストする物質を含んでもよい。脂肪増強剤は、例えばヒドロキシメトキシフェニルプロピルメチルメトキシベンゾフラン(商品名:Sym3D
TM)である。
【0149】
発毛活性剤または阻害剤
【0150】
本発明に係る配合物および製剤はまた、一つまたは複数の発毛活性剤、すなわち発毛刺激剤を含んでもよい。好ましい発毛活性剤は、ピリミジン誘導体、例えば2,4−ジアミノピリミジン−3−オキシド(Aminexil)、2,4−ジアミノ−6−ピペリジノピリミジン−3−オキシド(Minoxidil)およびその誘導体、6−アミノ−1,2−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2−イミノ−4−ピペリジノピリミジンおよびその誘導体、キサンチンアルカロイド、例えばカフェイン、テオブロミンおよびテオフィリンおよびその誘導体、クエルセチンおよび誘導体、ジヒドロクエルセチン(タキシホリン)および誘導体、カリウムチャネル開口薬、抗アンドロゲン剤、合成または天然5−還元酵素阻害剤、ニコチン酸エステル、例えばトコフェリルニコチネート、ベンジルニコチネートおよび
C1−C6アルキルニコチネート、タンパク質、例えばトリペプチドLys−Pro−Val、ジフェンシプレン、ホルモン、フィナステリド、デュタステライド、フルタミド、ビカルタミド、ブレグナン誘導体、プロゲステロンおよびその誘導体、シプロテロンアセテート、スピロノラクトンおよび他の利尿薬、カルシニューリン阻害剤、特にFK506(タクロリムス、フジマイシン)およびその誘導体、シクロスポリンAおよびその誘導体、亜鉛および亜鉛塩、ポリフェノール、プロシアニジン、プロアントシアニジン、フィステロール、例えばベータ−シトステロール、ビオチン、オイゲノール、(±)−ベータ−シトロネロール、パンテノール、グリコーゲン(例えばムラサキイガイ由来のもの)、微生物、藻類、植物および植物部位からのエキス、特にタンポポ属(レオントドンまたはタラキサクム)、オルトシホン、ビテックス、コフィア、パウリニア、テオブロマ、アジアサルム、ククルビタ属(Cucurbita)またはエンジュ属(Styphnolobium)、セレノア・レペンス(Serenoa repens)(ソーパルメット)、ソホラ・フラベセンス(Sophora flavescens)、ピジウム・アフリカヌム(Pygeum africanum)、パニクム・ミリアセウム(Panicum miliaceum)、シミシフガ・ラセモサ(Cimicifuga racemosa)、グリシンマックス(Glycine max)、オイゲニア・カリオフィラタ(Eugenia caryophyllata)、コティヌス・コッギグリア(Cotinus coggygria)、ヒビスクス・ロサ−シネンシス(Hibiscus rosa−sinensis)、カメリア・シネンシス(Camellia sinensis)、イレクス・パラグアリエンシス(Ilex paraguariensis)、リコリス(licorice)、ブドウ、リンゴ、オオムギおよびホップまたは/およびコメもしくはコムギの水解物からなる群より選ばれる。
【0151】
あるいは、本発明に係る製剤および製品は一つ以上の(上述の)発毛阻害剤(すなわち、発毛抑制または防止剤)を含んで良い。好ましい発毛阻害剤は以下を含む群から選択される:アクチビン、アクチビン誘導体またはアクチビン作動薬、オルニチン脱炭酸酵素阻害剤、例えばアルファ−ジフルオロメチルオルニチンまたは五環系トリテルペン、例えばウルソル酸、ベツリン、ベツリン酸、オレアノール酸およびその誘導体、5α−還元酵素阻害剤、アンドロゲン受容体遮断薬、S−アデノシルメチオニンデカルボキシラーゼ阻害剤、ガンマ−グルタミルトランスペプチダーゼ阻害剤、トランスグルタミナーゼ阻害剤、大豆由来セリン蛋白質分解酵素阻害薬、および微生物、藻類およびそれとは異なる微細藻類、植物および植物部位由来の抽出物または例えば特にマメ科(Leguminosae)、ナス科(Solanaceae)、イネ科(Graminae)、ガガイモ科(Asclepiadaceae)またはウリ科(Cucurbitaceae)、コンドルス属(Chondrus)、グロイオペルティス(Gloiopeltis)、セラミウム(Ceramium)、ヅルビレア(Durvillea)、グリシンマックス(Glycine max)、サングイソルバ・オフィシナリス(Sanguisorba officinalis)、カレンデュラ・オフィシナリス(Calendula officinalis)、ハマメリス・バージニアナ(Hamamelis virginiana)、アルニカ・モンタナ(Arnica montana)、サリクスアルバ(Salix alba)、ハイペリカム・パーフォラタム(Hypericum perforatum)およびギムネマ・シルベスタ(Gymnema sylvestre)からなる群より選ばれる。
【0152】
溶質
本発明に係る製剤および製品は一つまたは複数の適合溶質を含んでよい。好ましい適合溶質は例えば国際特許出願公開第2001/76572号に記載のものであり、特にジミオ−イノシトールリン酸(DIP)、ジグリセリンリン酸(DGP)、ジ−ミオ−イノシトールリン酸(DIP)、環状2,3ジホスホグリセレート(cDPG)、1,1−ジ−グリセロールリン酸(DGP)、β−マンノシルグリセレート(フィロイン(firoin))、β−マンノシルグリセルアミド(フィロイン−A)、およびジ−マンノシル−ジ−リン酸イノシトール(DMIP)、ならびにエクトインおよびエクトイン誘導体(欧州特許出願公開第0 553 884号、欧州特許出願公開第0 671 161号および国際特許出願公開第94/15923号に記載)(特に(S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)およびヒドロキシエクトイン((S,S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−5−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)である。
【0153】
適合溶質の合計量は、製剤または製品の全質量に対して好ましくは0.05〜10重量%の範囲であり、より好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。
【0154】
溶媒
医薬品組成物は、例えば脂肪アルコールまたは1,2−アルカンジオールまたはもちろん単に水を含んでよい。
【0155】
1,2−アルカンジオール 好適な1,2−アルカンジオールは、1,2−ブタジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、1,2−ウンデカンジオール、1,2,ドデカンジオールおよびこれらの混合物を含む。好適な1,2−アルカンジオールは1,2−ペンタンジオールである。
【0156】
脂肪アルコール 好適な脂肪アルコールは、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール異性体およびこれらの混合物を含む群から選択される。好ましい種はエタノールであり、特に少なくとも95%の純度のものが好ましい。
【0157】
顔料
本発明に係る化粧品製剤および/または医薬品製剤は、必須では無いものの有利には、微細分散金属酸化物系無機顔料および/または水溶性もしくは水にやや難溶の他の金属化合物、特二酸化チタン(TiO
2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化鉄(例えばFe
2O
3)、酸化ジルコニウム(ZrO
2)、シリコン酸化物(SiO
2)、酸化マンガン(例えばMnO)、酸化アルミニウム(A1
2O
3)、酸化セリウム(例えばCe
2O
3)、対応する金属の混合物酸化物およびこれらの酸化物の混合物を含む。これらの顔料はX線アモルファスまたは非X線アモルファスである。X線アモルファス酸化物顔料はX線回折実験において結晶構造を示さないあるいは認識不能なものを示す金属酸化物または半金属酸化物である。このような顔料は通常炎色反応により得られ、例えばハロゲン化金属またはハロゲン化半金属を炎の中で水素および空気(または純酸素)と作用させることにより得られる。
【0158】
化粧品製剤および/または医薬品製剤において、X線アモルファス酸化物色素は増粘剤およびチキソトロープ剤、エマルション流動助剤および分散安定化剤、担体物質(例えば微粉を増量するための担体物質)として用いられる。既知でありかつ一般に化粧品製剤および/または医薬品製剤に用いられるX線アモルファス酸化物顔料は、例えば高純度二酸化ケイ素である。この高純度X線アモルファス二酸化ケイ素は好ましくは粒径の範囲が5〜40nmであって活性表面積(BET)が50〜400m
2/g、好ましくは150〜300m
2/gの範囲のものであり、その粒子が高度に均一な粒径を有する球状粒子とみなされるものである。二酸化ケイ素は肉眼では粗い白粉として認識可能である。二酸化ケイ素顔料は次の商品名で市販されている:Aerosil(登録商標)(CAS−番号7631−85−9)またはCarb−O−silという商品名で市販されている。
【0159】
有利なAerosilは、例えばAerosil(登録商標)0X50、Aerosil(登録商標)130、Aerosil(登録商標)150、Aerosil(登録商標)200、Aerosil(登録商標)300、Aerosil(登録商標)380、Aerosil(登録商標)MQX80、Aerosil(登録商標)MOX170、Aerosil(登録商標)COK84、Aerosil(登録商標)R202、Aerosil(登録商標)R805、Aerosil(登録商標)R812、Aerosil(登録商標)R972、Aerosil(登録商標)R974、Aerosil(登録商標)R976である。
【0160】
本発明において、化粧品製剤および医薬品製剤、好ましくは皮膚用製剤0.1〜20重量%、有利には0.5〜10重量%、より好ましくは、1〜5重量%のX線アモルファス酸化物顔料を含む。
【0161】
本発明において、非X線アモルファス無機顔料は有利には疎水物の形、すなわち撥水のため表層処理を施したものである。この表面処理は、既知のプロセスにより顔料に薄い疎水層を配することを含んで良い。このようなプロセスは例えば次式の反応により疎水層を生成して良い:
n TiO
2+m(RO)
3Si−R’ → n TiO
2(表面)
[式中、nおよびmは所定の化学量論パラメータであり、またRおよびR’は所定の有機ラジカルである。] 例えば独国特許出願公開第33 14 742号記載の方法と類似する方法により製造される疎水顔料が有利である。
【0162】
完成化粧品製剤および医薬品製剤、特に皮膚用製剤における無機顔料、特に疎水性無機マイクロ顔料の合計量は製剤の全質量に対し0.1〜30重量%、好ましくは0.1〜10.0重量%、より好ましくは0.5〜6.0重量%の範囲から有利に選択し得る。
【0163】
スキンライトニング成分
追加的容量のスキンライトニング成分を任意に化粧品製剤および医薬品製剤、好ましくは皮膚用製剤に含めて良い。このように用い得るスキンライトニング成分は次のものを含む(これらに限らない):コウジ酸(5−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−4−ピラノン)、コウジ酸誘導体、例えばコウジ酸ジパルミタート、アルブチン、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、ヒドロキノン、ヒドロキノン誘導体、スチリルレソルシノール誘導体(例えば4−1−フェニルエチル1,3−ベンゼンジオール、含硫黄分子、例えばグルタチオンまたはシステイン、例えばα−ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)およびそれらの誘導体、N−アセチルチロシンおよびその誘導体、ウンデセノイルフェニルアラニン、グルコン酸、クロモン誘導体、例えばアロエシン、フラボノイド、チモール誘導体、1−アミノエチルホスフィン酸、チオ尿素誘導体、エラグ酸、ニコチンアミド、亜鉛塩、例えばクロロ亜鉛または亜鉛グルコン酸塩、例えばスジャプリシンおよびその誘導体、トリテルペン、例えばマスリン酸、ステロール、例えばエルゴステロール、ベンゾフラノン、例えばセンキュノリド、ビニルグアヤコール、エチルグアヤコール、ジオン酸、例えばオクトデセンジオン酸および/またはアゼライン酸、酸化窒素合成阻害剤、例えばL−ニトロアルギニンおよびその誘導体、2,7−ジニトロインダゾールまたはチオシトルリン、金属キレート化剤(例えばα−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン、フミン酸、没食子酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン)、レチノイド、豆乳、大豆抽出物、セリンプロテアーゼ阻害剤もしくはリポ酸またはその他のスキンライトニング用およびヘアライトニング用合成活性成分あるいは天然活性成分、これら化合物はまた植物抽出物の形で用いられ、この植物抽出物は好ましくはクマコケモモ抽出物、コメ抽出物、パパイア抽出物、カンゾウ根抽出物またはその濃縮成分もしくは単離成分、例えばグラブリジンまたはリコカルコンA、アルトカルプス抽出物、ルメクス種およびラムルス種の抽出物、マツ種(マツ属)の抽出物およびヴィティス種(ブドウ)の抽出物、またはそれらから単離または濃縮されたスチルベン誘導体、ユキノシタ抽出物、クワ抽出物、スクテレリアおよび/またはブドウ抽出物の形でも用いられる。
【0164】
抗酸化剤
本発明に係る化粧品製剤および医薬品製剤、好ましくは皮膚用製剤は付加的量の抗酸化剤を含有することが通常好ましい。本発明において用い得る好ましい抗酸化剤は、化粧品製剤および医薬品製剤、好ましくは皮膚用製剤に一般にまたは好適に用いられるあらゆる抗酸化剤である。この抗酸化剤は有利には以下を含む群から選択され本発明において好適である:アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)およびその誘導体、ペプチド、例えばD,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよびその誘導体(例えばアンセリン)、カロテノイド、カロテン(例えばアルファ−カロテン、ベータ−カロテン、リコペン)およびその誘導体、クロロゲン酸およびその誘導体、リポ酸およびその誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびそのグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、ガンマ−リノレイル、コレステリル、およびグリセリルエステル)およびこれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびその誘導体(例えばエステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)およびスルホキシイミン化合物(例えばブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタチオニンスルホキイシイミン)をごく少量の許容量(例えばpmol〜μmol/kg)、また(金属)キレート化剤(例えばアルファ−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、アルファ−ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびその誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体(例えばガンマ−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールならびにそれらの誘導体、ビタミンCおよび誘導体(例えばアスコルビルパルミテート、Mgアスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート)、トコフェロールおよび誘導体(例えばビタミンEアセテート)、ビタミンAおよび誘導体(ビタミンAパルミテート)およびベンゾイン樹脂のコニフェリルベンゾエート、ルチン酸およびその誘導体、アルファ−グルコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤシン酸、ノルジヒドログアヤレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、亜鉛およびその誘導体(例えばZnO、ZnSO
4)、セレンおよびその誘導体(例えばセレンメチオニン)、スチルベンおよびその誘導体(例えばスチルベンオキシド、トランス−スチルベンオキシド)およびこれら列挙した成分の誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)、およびアセトフェノンの誘導体、例えばヒドロキシアセトフェノンおよびそのフェノキシエタノールとの混合物、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−カプリリルジオール。
【0165】
前記抗酸化剤(一つまたは複数の化合物)の製剤中の容量は製剤の全質量に対して好ましくは0.001〜30重量%、より好ましくは0.05〜20重量%、最も好ましくは1〜10重量%である。
【0166】
ビタミン
本発明に係る化粧品製剤および医薬品製剤、好ましくは皮膚用製剤の好ましい実施形態は、有利にはまたビタミンおよびビタミン前駆体を含み、これらビタミンおよびビタミン前駆体は全て、本発明に用いる化粧品製剤および医薬品製剤、特に皮膚用製剤に好適に用いることができる。ここで次のビタミンおよびビタミン前駆体が特に挙げられる:例えばトコフェロール、ビタミンA、ナイアシン酸およびナイアシンアミド、更にビタミンのB複合体、特にビオチン、ビタミンCおよびパンテノールならびにその誘導体、特にパンテノールのエステルおよびエーテル、カチオン誘導体化パンテノール、例えばパンテノールトリアセテート、パンテノールモノエチルエーテルおよびそのモノアセテートおよびカチオン性パンテノール誘導体。ビタミンEおよび/またはその誘導体を抗酸化剤として用いる場合、それぞれの濃度を製剤の全質量に対し0.001〜10重量%の範囲から選択すると有利である。ビタミンAもしくはビタミンA誘導体またはカロテンもしくはその誘導体を抗酸化剤として用いる場合、それぞれの濃度を製剤の全質量に対し0.001〜10重量%の範囲から選択すると有利である。
【0167】
脂質
本発明に係る化粧品製剤および医薬品製剤、特に皮膚用製剤の好ましい実施形態は以下を含む物質群から選択される脂質を含んで良い:
(i) 15個以上の炭素原子、特に18〜45個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖飽和パラフィン(鉱油);
(ii) 6〜30個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖脂肪酸、および3〜30個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖の飽和または不飽和モノ−、ジ−、またはトリオール、これらエステルは自由ヒドロキシル基を含まない;
(iii) 8〜20個の炭素原子を有する安息香酸、直鎖もしくは分岐鎖の飽和または不飽和モノアルカノールのエステル;
安息香酸および直鎖のエステルまたは分岐鎖、
(iv) 3〜30個の炭素原子を有するアルコールまたはナフタレン−モノカルボン酸もしくはナフタレン−ジカルボン酸のモノエステルまたはジエステル;特にナフタレンモノカルボン酸C
6−C
18エステルおよびナフタレンジカルボン酸ジ−C
6−C
18エステル;
(v) 直鎖または分岐鎖、飽和または不飽和のジ−C
6−C
18−アルキルエーテル;
(vi) シリコーン油;
(vii) 次式(3)の2−アルキル−1−アルカノール
【化12】
[式中、Q
1は6〜24個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基、Q
2は4〜16個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基である。]
【0168】
ケア特性を有する成分
本発明に係る化粧品製剤および医薬品製剤、好ましくは皮膚用製剤の好ましい実施形態は、必要に応じ、6〜30個の炭素原子を有する脂肪アルコールなどのケア特性を有する更なる成分を含んでよい。これは飽和脂肪アルコールと不飽和脂肪アルコールとのいずれでも良く、また直鎖および分岐鎖脂肪アルコールのいずれでもよい。更に、これら脂肪アルコールは、場合により、定義を満たせばフェーズIIIオイルの一部としてもよい。本発明に用い得るアルコールは、例えばデカノール、デセノール、オクタノール、オクテノール、ドデカノール、ドデセノール、オクタジエノール、デカジエノール、ドデカジエノール、オレイルアルコール、リシノレイルアルコール、エルシルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、アラキジルアルコール、カプリリルアルコール、カプリルアルコールリノレイルアルコール、リノレニルアルコールおよびベヘニルアルコール、更にそのゲルベアルコール、例えば2−オクチル−1−ドデカノールであり、このリストは関連する構造化学における更なるアルコールを必要に応じ追加して増大可能である。脂肪アルコールは好ましくは天然の脂肪酸由来のものであり、従来は脂肪アルコールの相当するエステルからの還元により調製していた。例えば牛脂、落花生油、ナタネ油、綿実油、大豆油、ひまわり油、パーム核油、亜麻仁油、とうもろこし油、ヒマシ油、なたね油、胡麻油、カカオバターおよびココナッツ脂肪から還元により形成される天然由来の脂肪アルコール画分を更に用い得る。
【0169】
本発明に係る化粧品製剤および医薬品製剤、好ましくは皮膚用製剤に有利に採用できるケア特性を持つ物質は更に次の物質を含んで良い:
・セラミド、セラミドとはN−アシルスフィンゴシン(アシルスフィンゴシンの脂肪酸アミド)またはこのような脂質の合成類似体(いわゆる擬似セラミド)を意味し、角質層の保水性能を大幅に向上させる。
・リン脂質、例えば大豆レシチン、卵レシチンおよびケファリン、
・脂肪酸
・フィトステロールおよびフィトステロール含有脂肪またはワックス
・ワセリン、パラフィン油およびシリコーン油;後者は特に、ジアルキル−およびアルキルアリールシロキサン(例えばジメチルポリシロキサンおよびメチルフェニルポリシロキサン)を含み、またそのアルコキシル化誘導体および第四級誘導体。
【0170】
アルコール
本発明に係る製剤の水性層は選択的に有利に次の物質を含む:アルコール、ジオールまたはポリオール(低級アルキル)およびそのエーテル、好ましくはエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、1,2−ヘキサンジオールと1,2−オクタンジオールとの混合物、1,2−ヘキサンジオールと1,2−デカンジオールとの混合物、1,2−オクタンジオールと1,2−デカンジオールとの混合物、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールと1,2−デカンジオールとの混合物、グリセリン、エチレングリコール−モノエチルまたはモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、−モノエチルまたはモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルまたは−モノエチルエーテルおよび類似製品、およびアルコール(低級アルキル)、例えばエタノール、1,2−プロパンジオール、グリセリン、および特に一つまたは複数の増粘剤で前記二酸化ケイ素の群から有利に選択されるもの、ケイ酸アルミニウム、多糖およびその誘導体(例えばヒアルロン酸、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、また特に有利にはポリアクリレート群から選択され、好ましくはいわゆるカルボマー群から選択されるポリアクリレート、例えば非限定的例としてCarbopol(登録商標)グレード980、981、1382、2984、5984が挙げられ、これらはいずれの場合も単独でまたは組合せにて用い得る。
【0171】
抗炎症化合物
本発明に係る化粧品製剤および医薬品製剤、特に皮膚用製剤の好ましい実施形態はまた、抗炎症活性化合物、発赤抑制化合物および/または鎮痒化合物(抗刺激剤)を含んで良い。本発明において、化粧品製剤、皮膚用製剤および医薬品製剤に好適なあらゆる抗炎症活性化合物、発赤抑制化合物および/または鎮痒化合物を用い得る。抗炎症活性化合物、発赤抑制化合物および/または鎮痒化合物としては、次のものを有利に採用し得る:副腎皮質ステロイド系ステロイド物質、例えばヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、デキサメタゾンホスフェート、メチルプレドニゾロンまたはコルチゾン、これらの例には他のステロイド系抗炎症薬を加え得る。また非ステロイド系抗炎症薬も用いることができる。ここで挙げられる例としては次のものがある:ピロキシカムまたはテノキシカムなどのオキシカム;アスピリン、ジサルシド、ソルプリン、またはフェンドサルなどのサリチル酸塩;ジクロフェナク、フェンクロフェナク、インドメタシン、スリンダク、トルメチンまたはクリンダナクなどの酢酸誘導体;メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸またはニフルム酸などのフェナム酸;イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェンまたはフェニルブタゾン、オキシフェニルブタゾン、フェブラゾンもしくはアザプロパゾンピラゾールなどのプロピオン酸誘導体。
【0172】
あるいは天然の抗炎症物質または発赤および/または鎮痒物質を用い得る。植物抽出物、所定の高活性植物抽出物画分および植物抽出物から単離した高純度活性物質を採用して良い。次の抽出物、画分および活性物質が特に好ましい:カモミール、アロエベラ、コンミフォラ種、ルビア種、ヤナギ、ツツジ、ヤナギソウ、オートムギ、また純物質、例えばビサボロール、アピゲニン−7−グルコシド、ボスウェル酸、フィトステロール、グリチルリジン、グラブリジンおよびリコカルコンAも特に好ましく用い得る。本発明に係る製剤はまた、2つ以上の抗炎症活性化合物の混合物を含んで良い。抗炎症物質または発赤および/または鎮痒物質としての本発明における使用には、ビサボロール、ボスウェル酸およびオートムギおよびエキナセアの抽出物ならびにそれらから単離した高純度活性化合物が特に好ましく、アルファ−ビサボロールならびにオートムギの抽出物およびオートムギから単離した高純度活性化合物がまた特に好ましい。
【0173】
製剤中の抗刺激物(一つまたは複数の化合物)の質量は、製剤の全質量に対し好ましくは0.0001%〜20重量%、特に好ましくは0.0001%〜10重量%、また更に特に好ましくは0.001%〜5重量%の範囲である。
【0174】
保湿調節剤
本発明に係る化粧品製剤および医薬品製剤、特に皮膚用製剤の好ましい実施形態はまた保湿調節剤を含むと有利である。例えば次の物質が保湿調節剤(保湿剤)として用いられる:乳酸ナトリウム、尿素、アルコール、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコール、炭素数
C5−C10の脂肪族1,2−ジオール、コラーゲン、エラスチンまたはヒアルロン酸、ジアシルアジペート、ペトロラタム、エクトイン、ウロカニン酸、レシチン、パンテノール、フィタントリオール、リコペン、藻類抽出物、セラミド、コレステロール、糖脂質、キトサン、コンドロイチン硫酸、ポリアミノ酸およびポリアミノ糖、ラノリン、ラノリンエステル、アミノ酸、α−ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)およびそれらの誘導体、糖(例えばイノシトール)、α−ヒドロキシ脂肪酸、フィトステロール、トリテルペン酸、例えばベツリン酸またはウルソル酸、藻類抽出物。
【0175】
植物抽出物
本発明に係る化粧品製剤および医薬品製剤、好ましくは皮膚用製剤の好ましい実施形態はまた、従来は全草からの抽出により調製していた植物抽出物を含有すると有利であり、また各場合により植物の花および/または葉、木、樹皮または根のみから調製しても良い。用い得る植物抽出物は、特にLeitfaden zur Inhaltsstoffdeklaration kosmetischer Mittel(化粧品組成物成分・材料申請ガイド)(Industrieverband Korperpflegemittel und Waschmittel e.V. (IKW),Frankfurt刊)の第3版44ページ記載の表に収載の抽出物である。次の抽出物が特に有利である:アロエ、アメリカマンサク、藻、オーク樹皮、キョウチクトウ、ヤナギソウ、イラクサ、オドリコソウ、ホップ、カモミール、ノコギリソウ、アルニカ、キンセンカ、ゴボウ根、トクサ、サンザシ、菩提樹の花、アーモンド、松葉、トチノキ、ビャクダン、ビャクシン、ココナッツ、マンゴー、アプリコット、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ、リンゴ、緑茶、グレープフルーツ種子、小麦、オート麦、オオムギ、セージ、タイム、イブキジャコウソウ、ローズマリー、カバノキ、ゼニアオイ、タネツケバナ、ヤナギ樹皮、ハリモクシュク、フキタンポポ、ハイビスカス、ヤクヨウニンジンおよびショウガの根。
【0176】
とりわけ、アロエベラ、カモミール、藻、ローズマリー、キンセンカ、ヤクヨウニンジン、キュウリ、セージ、イラクサ、菩提樹の花、アルニカおよびアメリカマンサクからの抽出物が特に好ましい。二種以上の植物抽出物の混合物を用いても良い。上述の植物抽出物製剤に用い得る抽出剤は特に、水、アルコールおよびこれらの混合物である。このアルコールの中でも特に低級アルコールが好ましく、例えばエタノールおよびイソプロパノール、また多価アルコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコールおよびブチレングリコールも好ましく、また特に単一の抽出剤としてもおよび水との混合物抽出剤としても好ましい。これら植物抽出物は純物質の形態でも希釈物の形態でも用い得る。
【0177】
図1から4の参照による本発明の説明
【0178】
本発明の更なる詳細を以下の実施例ならびに
図1から4を参照して説明する。