(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記所定の種類の施設は、前記車両の駆動源に供給される動力源を補給可能なサービスステーション又は駐車場であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車載装置。
前記車両位置判定部は、前記車両の前記動力源の量が増加した情報に基づいて、前記車両の前記サービスステーション内の存在を特定することを特徴とする請求項5に記載の車載装置。
レンズ汚れが通知された後に、前記付着物診断部は、前記車両のイグニッションスイッチがOFF状態とON状態との両方で撮像された画像を比較して、前記レンズ汚れが除去されたかどうかを判定し、前記レンズ汚れが除去されていない場合は再度前記レンズ汚れを通知することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の車載装置。
レンズ汚れが通知された後に、前記車両が停車した直後に撮像された画像と直近に撮像された画像とを逐次比較して、前記汚れ状態が除去されていない場合は、前記カメラの取付位置に応じて車両に設けられた灯火器類を点灯又は点滅させ、汚れが除去された場合には、前記灯火器類を消灯することを特徴とする請求項7に記載の車載装置。
前記車両に備えるフロントガラス用ワイパが連続動作している場合は、前記レンズ又はレンズの保護部材が汚れていることを通知しないことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の車載装置。
前記レンズ又はレンズの保護部材の汚れの種別に応じて、前記汚れ度合いの変化を監視する監視時間の設定値を変えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の車載装置。
前記監視時間の設定値は、汚れの種別が、透過性の低い付着物の場合に短時間に設定され、汚れの種別が、透過性の高い付着物や白濁の場合に長時間に設定されることを特徴とする請求項10に記載の車載装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のように、カメラの汚れの存在を単に知らせるだけでは、場所やタイミングによっては、必ずしもカメラの汚れを除去できる状況とは限らないため、通知自体の煩わしさを感じたり、通知されたことを失念してしまう場合がある。
また、特許文献2のように、車外に居るユーザーにカメラの汚れを通知する場合に、ユーザーが常に携帯装置を携帯しておく必要があり、更に、カメラECUに携帯装置との通信機能が必要となり、システムが煩雑になるとともに、コストが高くなるといった課題もある。
本発明は、上記の課題を鑑みて創案されたものであって、サービスステーションや自宅駐車場など、ユーザーがカメラの汚れを除去しやすい場所で、しかも、ユーザーが車内に居る状態で、カメラの汚れの除去が必要であることを通知することができる車載用撮像装置
を含む車載装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明は、車両の外部に搭載されるカメラのレンズ又はレンズの保護部材に付着した汚れの状態を診断する付着物診断部と
、前記汚れを除去可能な所定の種類の施設と前記車両との位置情報に基づいて汚れの通知の有無を判定する汚れ通知判定部と、を具備し、前記付着物診断部により、前記カメラのレンズ又はレンズの保護部材の汚れ度合いが所定値以上と判断され、かつ
、目的地への経路が設定され、かつ、前記汚れ通知判定部により、前記経路から所定距離範囲に前記施設が存在すると判定された場合に、前記車両に備える表示装置及び/又はスピーカー装置によって前記カメラのレンズ又はレンズの保護部材が汚れていることをユーザーに通知す
ることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、カメラのレンズ又はレンズの保護部材に付着した汚れを除去するための備品(例えば、洗浄ブラシ、スポンジ、雑巾、バケツなど)や水栓等の設備が整っている環境又はその近傍で、レンズ又はレンズの保護部材が汚れていることを通知できるため、通知の煩わしさを抑え、効果的にカメラのレンズ又はレンズの保護部材の汚れを除去することができる。更に、所定の種類の施設に到着してユーザーが降車する際にカメラが汚れていることに気付く可能性が高いため、汚れ除去行為を失念しにくくすることができる。
【0008】
また、車両に備える表示装置及び/又はスピーカー装置によってレンズ又はレンズの保護部材が汚れていることが通知されるため、乗員が車内に居る状態で通知を受けることができ、従来のような携帯装置が必要なく、更に表示装置、スピーカー装置として車両に備えるものを流用するので、撮像装置の簡素化が図れ、コストを抑えることができる。
また、ナビゲーション装置の経路案内を利用して、所定の種類の施設を容易に探索することができ、汚れ除去を迅速に行うことが可能になる。
【0009】
また、本発明は、車両の外部に搭載されるカメラのレンズ又はレンズの保護部材に付着した汚れの状態を診断する付着物診断部と
、前記汚れを除去可能な所定の種類の施設と前記車両との位置情報に基づいて汚れの通知の有無を判定する汚れ通知判定部と、を具備し、前記付着物診断部により、前記カメラのレンズ又はレンズの保護部材の汚れ度合いが所定値以上と判断され、かつ
、前記汚れ通知判定部により、前記車両から所定距離範囲に前記施設が存在すると判定された場合に、前記車両に備える表示装置及び/又はスピーカー装置によって前記カメラのレンズ又はレンズの保護部材が汚れていることをユーザーに通知す
ることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、カメラのレンズ又はレンズの保護部材に付着した汚れを除去するための備品(例えば、洗浄ブラシ、スポンジ、雑巾など)が整っている環境又はその近傍で、レンズ又はレンズの保護部材が汚れていることを通知できるため、通知の煩わしさを抑え、効果的にカメラのレンズ又はレンズの保護部材の汚れを除去することができる。更に、所定の種類の施設に到着してユーザーが降車する際にカメラが汚れていることに気付く可能性が高いため、汚れ除去行為を失念しにくくすることができる。
【0011】
また、車両に備える表示装置及び/又はスピーカー装置によってレンズ又はレンズの保護部材が汚れていることが通知されるため、従来のような携帯装置が必要なく、更に表示装置、スピーカー装置として車両に備えるものを流用するので、撮像装置の簡素化が図れ、コストを抑えることができる。
また、車両位置特定部によって所定の種類の施設を容易に探索することができ、汚れ除去を迅速に行うことが可能になる。
【0012】
また、本発明は、車両の外部に搭載されるカメラのレンズ又はレンズの保護部材に付着した汚れの状態を診断する付着物診断部と
、前記汚れを除去可能な所定の種類の施設と前記車両との位置情報に基づいて汚れの通知の有無を判定する汚れ通知判定部と、を具備し、前記付着物診断部により、前記カメラのレンズ又はレンズの保護部材の汚れ度合いが所定値以上と判断され、かつ
、前記汚れ通知判定部により、前記車両が前記施設内に停車したと判定した場合に、前記車両に備える表示装置及び/又はスピーカー装置によって前記カメラのレンズ又はレンズの保護部材が汚れていることをユーザーに通知することを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、カメラのレンズ又はレンズの保護部材に付着した汚れを除去するための備品(例えば、洗浄ブラシ、スポンジ、雑巾など)が整っている環境又はその近傍で、レンズ又はレンズの保護部材が汚れていることを通知できるため、通知の煩わしさを抑え、効果的にカメラのレンズ又はレンズの保護部材の汚れを除去することができる。更に、所定の種類の施設に到着してユーザーが降車する際にカメラが汚れていることに気付く可能性が高いため、汚れ除去行為を失念しにくくすることができる。
【0014】
また、車両に備える表示装置及び/又はスピーカー装置によってレンズ又はレンズの保護部材が汚れていることが通知されるため、従来のような携帯装置が必要なく、更に表示装置、スピーカー装置として車両に備えるものを流用するので、撮像装置の簡素化が図れ、コストを抑えることができる。
また、車両位置特定部によって車両の現在位置を特定し、この現在位置とデータベースとに基づいて車両を所定の種類の施設に停車させることで、汚れ除去を迅速に行うことが可能になる。
【0015】
上記構成において、前記施設は、前記車両の駆動源に供給される動力源を補給可能なサービスステーション又は駐車場であっても良い。この構成によれば、サービスステーションは、車両を洗浄する洗浄スペースや洗浄用の備品、水栓などの設備が整っているので、カメラのレンズ又はレンズの保護部材の汚れを除去するのに好適な環境であり、汚れを容易に落とすことができる。また、駐車場は、車両の乗員に関係する建物(自宅等)が近くに存在する可能性が高く、汚れを除去するための備品を得やすい環境であるため、汚れを容易に落とすことができる。
【0016】
また、本発明は、車両の外部に搭載されるカメラのレンズ又はレンズの保護部材に付着した汚れの状態を診断する付着物診断部と、前記動力源を補給する補給口を覆うために車両に設けられたリッドを開けたこと、前記車両が非接触給電装置上に停車したこと、又
はサービスステーションに設置され
た狭域無線通信装置との通信が前記車両にて成立したことの少なくとも一つの条件をトリガーとして、前記車両の前記サービスステーション内の存在を判定する車両位置判定部と、を具備し、前記付着物診断部によって、前記カメラのレンズ又はレンズの保護部材の汚れ度合いが所定値以上と判断され、かつ、前記車両位置判定部によって、前記車両が前記サービスステーション内に存在すると特定された場合に、前記車両に備える表示装置及び/又はスピーカー装置によって、前記カメラのレンズ又はレンズの保護部材が汚れていることをユーザーに通知することを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、動力源を補給する補給口を覆うリッド(例えば、ガソリン車の場合は給油口を塞ぐヒューエルリッド、電気自動車の場合は給電口を塞ぐリッドなど。)を開けたとき、車両に備える非接触給電装置の受電側が、非接触給電装置の送電側の上に停車したとき、又は、車両側でサービスステーションに設置された無線LANやDSRC等の狭域無線通信装置への通信が成立したときは、車両のサービスステーション内の存在を特定することができる。これにより、カメラのレンズ又はレンズの保護部材に付着した汚れを除去するための備品(例えば、洗浄ブラシ、スポンジ、雑巾、バケツなど)や設備が整っている環境で通知できるため、通知の煩わしさを抑え、効果的にカメラの汚れを除去することができる。
【0018】
上記構成において、前記車両位置判定部は、前記車両の前記動力源の量が増加した情報に基づいて、前記車両の前記サービスステーション内の存在を特定するようにしても良い。この構成によれば、動力源の量が増加したことを検知した場合に、サービスステーションで動力源の補給が行われたと判断することができ、車両のサービスステーション内の存在を特定することができる。
【0019】
また、上記構成において、レンズ汚れが通知された後に、前記付着物診断部は、前記車両のイグニッションスイッチがOFF状態とON状態との両方で撮像された画像を比較して、前記レンズ汚れが除去されたかどうかを判定し、前記レンズ汚れが除去されていない場合は再度前記レンズ汚れを通知するようにしても良い。この構成によれば、カメラ部で撮像された画像を比較してレンズ汚れが除去されたかどうかを判定するため、特別にレンズ汚れが除去されたかどうかを検出する装置等を設ける必要がなく、コストを抑えることができる。
【0020】
また、上記構成において、レンズ汚れが通知された後に、前記車両が停車した直後に撮像された画像と直近に撮像された画像とを逐次比較して、前記汚れ状態が除去されていない場合は、前記カメラの取付位置に応じて車両に設けられた灯火器類を点灯又は点滅させ、汚れが除去された場合には、前記灯火器類を消灯するようにしても良い。この構成によれば、ユーザーが車外に居る状態でも、汚れが除去されたかどうかを容易に確認することができる。
【0021】
また、上記構成において、前記車両に備えるフロントガラス用ワイパが連続動作している場合は、前記レンズ又はレンズの保護部材が汚れていることを通知しないようにしても良い。この構成によれば、フロントガラス用ワイパが連続動作していることを、降雨状態であってレンズ又はレンズの保護部材の汚れが継続する可能性が高いと判断し、無駄に通知することを回避することができる。
また、上記構成において、前記レンズ又はレンズの保護部材の汚れの種別に応じて、前記汚れ度合いの変化を監視する監視時間の設定値を変えるようにしても良い。この構成によれば、効率良く汚れの通知を行うことができる。
【0022】
また、上記構成において、前記監視時間の設定値は、汚れの種別が、透過性の低い付着物の場合に短時間に設定され、汚れの種別が、透過性の高い付着物や白濁の場合に長時間に設定されるようにしても良い。この構成によれば、汚れの種別が、透過性の低い付着物の場合には、透過性が回復する可能性が低いため、監視時間を短く設定することで、汚れの通知を早く行うことができる。また、汚れの種別が、透過性の高い付着物や白濁の場合には、透過性が回復する可能性が高いため、監視時間を長く設定することで、確実に透過性が回復した後に汚れの通知解除を行うことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、車両の外部に搭載されるカメラのレンズ又はレンズの保護部材に付着した汚れの状態を診断する付着物診断部と、前記車両の位置を特定する車両位置特定部、地図及び周辺施設情報を含むデータベースを備えたナビゲーション装置に予め決められた施設であって前記汚れを除去可能な所定の種類の施設と前記車両との位置情報に基づいて汚れの通知の有無を判定する汚れ通知判定部と、を具備し、前記付着物診断部によって、前記カメラのレンズ又はレンズの保護部材の汚れ度合いが所定値以上と判断され、かつ、前記ナビゲーション装置にて目的地への経路が設定され、かつ、前記汚れ通知判定部によって、前記経路から所定距離範囲に前記施設が存在すると判定された場合に、前記車両に備える表示装置及び/又はスピーカー装置によって、前記カメラのレンズ又はレンズの保護部材が汚れていることをユーザーに通知するとともに前記施設の候補を前記表示装置に表示するので、カメラのレンズ又はレンズの保護部材に付着した汚れを除去するための備品(例えば、洗浄ブラシ、スポンジ、雑巾、バケツなど)や水栓等の設備が整っている環境又はその近傍で、レンズ又はレンズの保護部材が汚れていることを通知できるため、通知の煩わしさを抑え、効果的にカメラのレンズ又はレンズの保護部材の汚れを除去することができる。更に、所定の種類の施設に到着してユーザーが降車する際にカメラが汚れていることに気付く可能性が高いため、汚れ除去行為を失念しにくくすることができる。
【0024】
また、車両に備える表示装置及び/又はスピーカー装置によってレンズ又はレンズの保護部材が汚れていることが通知されるため、乗員が車内に居る状態で通知を受けることができ、従来のような携帯装置が必要なく、更に表示装置、スピーカー装置として車両に備えるものを流用するので、撮像装置の簡素化が図れ、コストを抑えることができる。
また、ナビゲーション装置の経路案内を利用して、所定の種類の施設を容易に探索することができ、汚れ除去を迅速に行うことが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の撮像装置10を示すブロック図である。
撮像装置10は、車両の周辺を撮像する複数のカメラ部11A,11B,11C,11Dと、複数のカメラ部11A,11B,11C,11Dで撮像された画像に基づいてカメラ部11A,11B,11C,11Dの汚れ状態を乗員へ通知するための制御を行うECU(Electronic Control Unit)部12とを備える。
カメラ部11Aは、レンズを通過した光を電気信号に変換する撮像素子からなる撮像部14と、撮像部14を制御する撮像素子制御部15と、撮像部14から出力された信号を撮像素子制御部15から出力された制御信号により映像信号に変換する映像信号処理部16と、映像を映像信号処理部16からECU部12へ出力するために映像信号処理部16、ECU部12間を接続するI/F(インターフェース)17と、撮像素子制御部15とECU部12との通信を行う外部通信部18とを備える。
【0027】
カメラ部11B,11C,11Dは、カメラ部11Aと同一構造であり、カメラ部11Aと同じようにECU部12に電気的に接続されている。
カメラ部11A,11B,11C,11Dは、例えば、フロントガラスの近傍に設けられたフロントカメラ部、車体の左側に設けられた左サイドカメラ部、車体の右側に設けられた右サイドカメラ部、リアガラスの近傍に設けられたバックビューカメラ部から構成される。
カメラ部11A,11B,11C,11Dは、車室外に設けられるため、カメラ部11A,11B,11C,11Dに備えるレンズ(又は、レンズを保護するためにレンズの前方を覆う保護ガラス)には、水滴、泥、融雪剤等が付着するので、レンズ(又は保護ガラス)の透過性を確保するため、付着した汚れとなる付着物を除去する必要がある。レンズ(又は保護ガラス)の汚れ度合い(汚れの指標値)が所定値(閾値)以上となった場合には、撮像装置10のECU部12は、車両が、汚れ除去のための備品、設備を有するサービスステーションや自宅の駐車場等、又はそれらの近傍に到着した時点でレンズ(又は保護ガラス)が汚れていることを乗員に通知し、その汚れの除去を促す。
【0028】
ECU部12は、CPU(Central Processing Unit)21と、CPU21からの指令を受けて処理を行う付着物診断部22、汚れ通知判定部23、車両位置判定部24、外部通信部26と、CPU21に接続されたRAM(Random Access Memory)27及びFlash ROM(Flash Read Only Memory)28とを備える。
【0029】
CPU21は、ECU部12の各部に各種処理の指令を出すとともに、後述するナビゲーション装置31がECU部12に接続されているかどうかを判断する。
付着物診断部22は、カメラ部11A,11B,11C,11Dのレンズ(又はレンズの保護ガラス)に付着した汚れの状態を、カメラ部11A,11B,11C,11Dで撮像された画像から診断する。具体的には、汚れ度合い(汚れの程度を表す指標値)が所定値以上であるかどうか判断する。
【0030】
汚れ通知判定部23は、ナビゲーション装置31のGPS31a及びデータベース31bから、経路案内情報、経路案内状態、自車位置、施設位置、自車と施設との距離等のナビゲーション情報を取得する。これにより、汚れ通知判定部23は、カメラ部11A,11B,11C,11Dのレンズ又は保護ガラスの汚れが除去可能なサービスステーション等の施設や自宅に自車が到着したかどうか、あるいは案内中の経路から所定距離範囲にサービスステーション等の施設があるかどうか、あるいは自車から所定距離範囲に施設があるかどうかを判定することで、レンズ又はレンズの保護ガラスが汚れていることを通知すべきかどうかを判定する。
そして、自車が施設や自宅に到着した、あるいは、自車又は経路から所定距離範囲に施設がある場合には、その判定に基づいて、CPU21が汚れ通知を行う。
【0031】
車両位置判定部24は、(1)車両の動力源を補給するために車両に設けられた補給口を覆う開閉可能なリッドを開けた事、(2)モータ搭載車両が非接触給電装置上に停車した事、(3)サービスステーションに設置された無線LANやDSRC等の境域無線通信が車両側と成立した事の少なくとも一つの条件をトリガーとして、車両がサービスステーション内に位置することを判定する。
車両の動力源とは、エンジンのみを搭載した車両では、ガソリン、軽油等の燃料であり、モータ搭載車両(電動車、ハイブリッド車)では、電力であり、燃料電池車両では、水素等の燃料である。また、補給口とは、エンジンのみを搭載した車両では給油口、モータ搭載車両では給電口、燃料電池車両では水素供給口である。
【0032】
モータ搭載車両に関わる非接触給電装置は、モータ搭載車両の底部に備える受電部と、駐車スペースに設置された送電部とから構成され、送電部の上方に受電部を近接させることで、車両外部から車両への給電が可能になる。
外部通信部26は、ECU部12と、後で詳述する車両側に設けられた各種機器との間で、車両通信ライン46を介して通信を行う。
RAM27は、カメラ部11A,11B,11C,11Dから入力される時系列の画像データ及びその他のデータを一時的に記憶する。記憶された画像データは、付着物診断部22によって各種処理が行われて汚れ状態の判断に利用される。
Flash ROM28には、ECU部12内の指令、診断、判定等の各種処理を行うためのデータが記憶されている。
【0033】
車両は、ナビゲーション装置31、表示装置32、スピーカー装置33、狭域無線通信装置34、非接触給電装置(受電部)36、灯火器類37、車速センサ41、シフトポジションセンサ42、リッド開閉センサ43、燃料残量計44を備え、それぞれ車両通信ライン46に接続され、データ・情報のやり取りが行われる。
ナビゲーション装置31は、自車の現在位置や目的地への経路の案内を行うために、GPS(Global Positioning System)31aと、地図や周辺施設情報等のデータベース31bとを備える。表示装置32は、レンズ(又はレンズの保護ガラス)が汚れていることを表示により通知する。スピーカー装置33は、レンズ(又はレンズの保護ガラス)が汚れていることを音声により通知する。
ナビゲーション装置31、表示装置32及びスピーカー装置33は、ECU部12に直接に接続されて、ECU部12から各種信号が入力される。
狭域無線通信装置34は、サービスステーション等の施設に設けられた狭域無線通信装置とで無線LANやDSRC等の狭域無線通信を行う。
【0034】
非接触給電装置(受電部)36は、上記したように、車両がモータ搭載車両である場合に、車両外部から車両への非接触による電力供給を可能にする。灯火器類37は、複数の灯火器として、例えば、ヘッドランプ、フォグランプ、左右のウインカ、ブレーキランプ、バックランプ等からなる。車速センサ41は、車両の速度(車速)を検知する。シフトポジションセンサ42は、車両の変速機のシフトポジション位置、例えば、パーキングポジション「P」を検出する。リッド開閉センサ43は、車両の動力源がガソリン、軽油、アルコール、水素等の燃料である場合に、車両の燃料タンクに燃料を供給するための補給口(又は補給口を塞ぐキャップ)を覆うリッドの開閉を検出する。燃料残量計44は、燃料の残量を検出する。
また、モータ搭載車両である場合は、リッド開閉センサ43は、車両のバッテリに電力を供給するための補給口(給電口)を覆うリッドの開閉を検出する。また、モータ搭載車両では、燃料残量計44に代えて、バッテリの蓄電残量を検出するためのバッテリ残量計を備える。
【0035】
次に、以上に述べた撮像装置10の作用を次に説明する。
図2は、撮像装置10の各種処理を示すフローチャートである。
まず、初期化処理を行い(ステップS1)、前回車両のイグニッションスイッチをONにした際に撮像装置10で行われた各種処理において、設定された変数、フラグの値やタイマーの経過時間等をリセットし、また、メモリに記憶された画像等を削除する。
次に、カメラ部のレンズ(又は保護ガラス)の表面に、除去すべき汚れが付着したかどうか、あるいは、その汚れが継続して付着しているかどうかを、汚れ判定処理によって判定する(ステップS2)。除去すべき汚れが付着している場合は、その内容を車両の乗員に通知する。この処理を、
図3で詳述する。
【0036】
そして、除去すべき汚れが付着している場合に、例えば、車両にナビゲーション装置が接続されていれば、ナビゲーション装置の経路案内を利用して、汚れを除去可能な洗浄用ブラシ、洗浄用スポンジ、雑巾、バケツ等の備品や水栓等の設備が整ったサービスステーションに立ち寄り、車両の乗員に汚れの除去を促す汚れ通知処理を行う(ステップS3)。この処理を、
図4で詳述する。
また、汚れ通知処理では、例えば、車両にナビゲーション装置が接続されていなければ、サービスステーションや自宅の駐車場等に到着したときに車両から得られる情報を利用して乗員に汚れの除去を促す。この処理を、
図5で詳述する。
更に、乗員へ汚れの通知をした後に、乗員によって汚れが除去されたかどうか、及びレンズ(又は保護ガラス)の透過性が確保されたかどうかを診断する払拭診断処理を行う(ステップS4)。この処理を、
図6で詳述する。
【0037】
図3は、撮像装置10の汚れ判定処理を示すフローチャートである。(以下説明中の符号については、
図1参照。)
まず、タイマーをONにし、経過時間tをt=0とする(ステップS11)。
次に、付着物診断部22は、カメラ部のレンズ(又は保護ガラス)の汚れ度合いを表す指標値が所定値(閾値)以上である汚れが、レンズ(又は保護ガラス)に付着したかどうか判断する(ステップS12)。
カメラ部のレンズ(又は保護ガラス)の汚れ度合いを求めるには、汚れ種別を判別し、その汚れの付着量を求める方法がある。
汚れ種別とは、(a)透過性の高い付着物(雨水等の透明又は透明に近い水分で、粘性が低いもの)、(b)(a)の付着物によりも透過性の低い付着物(泥、融雪剤等の乾燥したもの、又は水分を含む泥、融雪剤等で粘性の高いもの)、(c)レンズ表面の全体的な白濁した汚れ((a)の付着物よりも透過性が低い汚れ)である。白濁とは、水分中に含まれる不純物が乾燥することによって、その不純物が析出し、レンズ表面に堆積して白い汚れになることをいう。
【0038】
(a)の透過性の高い付着物については、例えば、画像を各ブロックに分割し、分割されたブロック毎に画像周波数(空間周波数)を算出する。レンズ面に雨滴が付着した画像では、雨滴が付着していない画像と比較して画像がぼやけた状態となり、画像周波数が低くなる特性がある。本方法は、この特性を利用して画像周波数を算出することで、レンズ面への雨滴(透過性の高い付着物)の有無及び付着量を求めることが可能になる。
【0039】
(b)の透過性の低い付着物については、例えば、(A)特開2014−30188号公報に記載されているように、入力画像を複数のブロックに分割し、入力画像のエッジ抽出を行ってエッジ画像を生成し、ブロック毎に平均輝度を算出する。泥汚れが付着しているブロックの平均輝度値は、泥汚れが付着していないブロックの平均輝度値より低くなる傾向がある。この傾向を泥汚れの特徴として利用し、泥汚れの有無、泥の付着量を求めることが可能になる。また、上記公報(A)の他の実施形態を利用しても良い。
【0040】
(c)レンズ表面の全体的な白濁については、例えば、(B)特開2014−7686号公報に記載されているように、入力画像の所定の二点から、輝度差と、二点間の画素数とを求め、これらの輝度差と画素数とから輝度勾配を算出する。レンズ表面の白濁度合いが高いほど、入力画像内の明るい像は散乱して広がるため、輝度勾配は小さくなる。このような特性を利用して、レンズ面の白濁の有無及び白濁した付着物の付着量を求めることが可能になる。また、上記公報(B)の他の実施形態を利用しても良い。
また、汚れ度合いの時間的変化、閾値については、
図7のグラフで説明する。
【0041】
図3において、汚れ度合いが所定値以上である汚れがレンズ(又は保護ガラス)に付着していない(ステップS12、No)場合は、この処理(ステップS12)を繰り返す。
汚れ度合いが所定値以上である汚れがレンズ(又は保護ガラス)に付着した(ステップS12、Yes)場合は、CPU21は、第1の通知として、車両のメータパネルに設けられたインジケータ(警告灯)を点灯させ、警告表示させる(ステップS13)。
上記の警告表示としては、CPU21は、車両のメータパネルやナビゲーション装置に備えるディスプレイに、例えば「バックビューカメラが汚れています」などと表示させて通知させたり、車両に備えるスピーカー装置から音声で通知させる。表示装置32及びスピーカー装置33については、
図8で詳述する。
【0042】
次に、CPU21は、車両のフロントガラス用ワイパが連続動作中であるかどうか判断する(ステップS14)。
車両のフロントガラス用ワイパが連続動作中である(ステップS14、Yes)場合は、この処理(ステップS14)を繰り返す。これは、汚れ通知判定部23が、フロントガラス用ワイパが連続動作していることを、降雨状態であって汚れが継続する可能性が高いと判断したことによる。従って、更なる処理(汚れの通知等)は行わない。
車両のフロントガラス用ワイパが連続動作中でない(ステップS14、No)場合は、CPU21は、経過時間tが所定時間tstに達したかどうか判断する(ステップS15)。タイマーを使用して所定時間、汚れ度合いの変化を監視する。
上記の所定時間(監視時間の設定値)tstは、汚れの種別に応じて変更される。汚れの種別が、透過性の低い付着物の場合には、透過性が回復する可能性が低いため、短時間(例えば、所定時間tst=tst1=5分間)に設定される。汚れの種別が、透過性の高い付着物や白濁の場合には、透過性が回復する可能性が高いため、長時間(例えば、所定時間tst=tst2=30分間)に設定される。
【0043】
t<tstである(ステップS15、No)場合は、この処理(ステップS15)を繰り返す。
t≧tstである(ステップS15、Yes)場合は、付着物診断部22は、汚れ度合いが所定値以下かどうか判断する(ステップS16)。
汚れ度合いが所定値以下である(ステップS16、Yes)場合は、CPU21は、第1の通知のインジケータの警告を解除する(ステップS17)。
汚れ度合いが所定値以下でない(ステップS16、No)場合は、CPU21は、車両にナビゲーション装置が接続されているかどうかを示すナビ有無フラグflg1が0(ゼロ:ナビゲーション装置が接続されていない)か、又は1(ナビゲーション装置が接続されている)かを判断する(ステップS18)。
ナビ有無フラグflg1=1である場合は、
図4に示す汚れ通知処理1を実行する(ステップS18、=1→結合子C1)。ナビ有無フラグflg1=0である場合は、
図5に示す汚れ通知処理2を実行する(ステップS18、=0→結合子C2)。
【0044】
図4は、汚れ通知処理1を示すフローチャートである。(以下説明中の符号については、
図1参照。)
CPU21によって車両、詳しくは撮像装置10にナビゲーション装置31が接続されていると判断された場合、汚れ通知判定部23は、まず、ナビゲーション装置31で経路案内中かどうか判断する(ステップS21)。
経路案内中である(ステップS21、Yes)場合は、汚れ通知判定部23は、案内中の経路から所定距離範囲内(例えば、1km以内)に、予め決められた施設、即ちレンズ(又は保護ガラス)の汚れを落とせる備品や水栓などを備えたサービスステーション等の施設が存在するかどうか判断する(ステップS22)。
その施設が存在する場合には、汚れ通知判定部23は、その施設を立ち寄り場所として追加するかをディスプレイ等に表示して、乗員に問い合わせる(ステップS23)。例えば、表示又は音声で「案内経路付近に○○があります。立ち寄り地点に設定しますか。」のように問い合わせる。このとき、施設の候補が複数存在する場合には、それらの複数の施設を表示する。
【0045】
また、ナビゲーション装置で、経路案内中でない(ステップS21、No)場合は、汚れ通知判定部23は、自車から所定距離範囲内(例えば、1km以内)に、予め決められたサービスステーション等の施設が存在するかどうか判断する(ステップS24)。
施設が存在しない(ステップS24、No)場合は、再度ステップS21を実行する(ステップS24、No→結合子C1)。
施設が存在する(ステップS24、Yes)場合は、汚れ通知判定部23は、その施設を目的地として設定するかをディスプレイ等に表示して、乗員に問い合わせる(ステップS25)。例えば、表示又は音声で「周辺に○○があります。目的地に設定しますか。」のように問い合わせる。このとき、施設の候補が複数存在する場合には、それらの複数の施設を表示する。
【0046】
そして、汚れ通知判定部23は、乗員が、ナビゲーション装置にその候補の施設を立ち寄り場所又は目的地として追加したかどうか判断する(ステップS26)。
ナビゲーション装置にその施設を追加した(ステップS26、Yes)場合は、汚れ通知判定部23は、自車の現在位置が設定された地点かどうか判断する(ステップS27)。
自車の現在位置が設定された地点でない(ステップ27、No)場合は、この処理(ステップ27)を繰り返す。自車の現在位置が設定された地点である(ステップ27、Yes)場合は、汚れ通知判定部23は、車速Vが車速所定値Vstより小さい(V<Vst)か、又は車両の変速機のシフトポジションが「P(パーキング)」であるか、のいずれかを判断する(ステップS28)。車速所定値Vstは、例えば、1km/hである。
【0047】
V<Vst及びシフトポジション=「P」のいずれでもない(ステップS28、No)場合は、再度ステップS27を実行する。
V<Vst、又はシフトポジション=「P」のいずれかである(ステップS28、Yes)場合は、CPU21は、第2−1の通知として、乗員にレンズ汚れを通知する(ステップS29)。例えば、ディスプレイへの表示や音声で「○○付近に到着しました。バックビューカメラの汚れを除去して下さい。」と通知する、あるいは、ディスプレイに汚れているカメラ部で撮像された映像を映し出したり、インジケータを点灯・点滅させたりするなどの通知を行う。
【0048】
また、サービスステーション等の施設を立ち寄り場所又は目的地として追加しない(ステップS26、No)場合には、汚れ通知判定部23は、自車の現在地が予め定められた施設かどうか判断する(ステップS30)。
現在地が予め定められた施設ではない(ステップS30、No)場合は、この処理(ステップS30)を繰り返す。現在地が予め定められた施設である(ステップS30、Yes)場合は、汚れ通知判定部23は、V<Vst、又はシフトポジション=「P」のいずれかを判断する(ステップS31)。
【0049】
V<Vst及びシフトポジション=「P」のいずれでもない(ステップS31、No)場合は、再度ステップS30を実行する。
V<Vst、又はシフトポジション=「P」のいずれかである(ステップS31、Yes)場合は、CPU21は、第2−2の通知として、レンズ汚れを通知する(ステップS32)。例えば、「○○付近に停車しました。バックビューカメラの汚れを除去して下さい。」と通知する、あるいは、ディスプレイに汚れているカメラ部で撮像された映像を映し出したり、インジケータを点灯・点滅させたりするなどの通知を行う。
上記したように、予め決められた施設に到着した後に、レンズ汚れ通知(第2−1の通知及び第2−2の通知)を行ったが、これに限らず、経路又は自車から所定距離範囲に、予め決められた施設が存在することが判明した時点で、レンズ汚れ通知や施設の候補の表示を行っても良い。
【0050】
図5は、汚れ通知処理2を示すフローチャートである。(以下説明中の符号については、
図1参照。)
車両にナビゲーション装置が接続されていない場合、車両位置判定部24は、まず、V<Vst、又はシフトポジション=「P」のいずれかを判断する(ステップS41)。
V<Vst及びシフトポジション=「P」のいずれでもない(ステップS41、No)場合は、この処理(ステップS41)を繰り返す。
V<Vst、又はシフトポジション=「P」のいずれかである(ステップS41、Yes)場合は、車両位置判定部24は、動力源を補給するためのリッドをオープンしたかどうか判断する(ステップS42)。
【0051】
リッドをオープンしていない(ステップS42、No)場合は、車両位置判定部24は、車両が、非接触給電装置(送電部)の上に停車したかどうか判断する(ステップS43)。送電部上に車両側の受電部が配置されたことがセンサで検知され、給電が自動又は手動で行われる。
車両が非接触給電装置の送電部上に停車していない(ステップS43、No)場合は、車両位置判定部24は、無線LANやDSRC等の狭域無線通信が成立したかどうか判断する(ステップS44)。サービスステーション等では、無線LANやDSRC等が行える狭域無線通信装置を設置している。
【0052】
狭域無線通信が成立しない(ステップS44、No)場合は、車両位置判定部24は、イグニッションスイッチがOFF時点からON時点、又はシフトポジションが「P以外」のポジションにあった時点から「P」のポジションに変更された時点で、動力源量(燃料残量又はバッテリ残量)が増えたかどうか判断する(ステップS45)。
動力源量が増えていない(ステップS45、No)場合は、再度ステップS41を実行する。
また、V<Vst、又はシフトポジション=「P」のいずれかである(ステップS41、Yes)場合、リッドをオープンした(ステップS42、Yes)場合、車両が非接触給電装置上に停車した(ステップS43、Yes)場合、狭域無線通信が成立した(ステップS44、Yes)場合、動力源量が増えた(ステップS45、Yes)場合は、CPU21は、第2−3の通知として、レンズが汚れていること及び汚れ除去を促す内容を表示装置、スピーカー装置、インジケータで通知する(ステップS46)。
【0053】
図6は、払拭診断処理を示すフローチャートである。(以下説明中の符号については、
図1参照。)
この払拭診断処理については、車両のイグニッションスイッチがOFFの状態でも、OFFされてから所定時間(例えば、10分間)ECU部12に通電を継続され、ECU部12によって処理が行われる。
例えば、CPU21は、レンズ汚れを通知する際に「レンズ汚れを払拭しますか」というメッセージを表示してその回答を求めたときに、乗員がレンズ汚れを払拭する意志があるかどうかを示すレンズ汚れ払拭意志フラグflg2が0(ゼロ:レンズ汚れを払拭する意志がない、又は車両のドアがオープンした)か、又は1(レンズ汚れを払拭する意志がある)かのいずれの回答があったか判断する(ステップS51)。
【0054】
レンズ汚れ払拭意志フラグflg2=0(ステップS51、=0)の場合は、処理を終了する。レンズ汚れ払拭意志フラグflg2=1(ステップS51、=1)の場合は、CPU21は、汚れているカメラ部の取付位置に応じて各灯火器類の中から所定の灯火器類を選択して点灯させる(ステップS52)。これは、第3−1の通知として、灯火器類による汚れ通知である。
例えば、フロントカメラ部の汚れに対してはヘッドランプ又はフォグランプ、左サイドカメラ部の汚れに対しては左のウインカ、右サイドカメラ部の汚れに対しては右のウインカ、バックビューカメラ部の汚れに対してはブレーキランプ又はバックランプを点灯させる。
【0055】
そして、CPU21は、汚れているカメラ部で撮像された映像をメモリ(RAM27)に画像Aとして保存する(ステップS53)。
次に、CPU21は、車両のドアがオープンしたかどうか判断する(ステップS54)。車両の乗員(運転者又は同乗者)が降車してカメラ部の汚れを払拭したかどうかを判断するものである。
ドアがオープンしない場合は、処理を繰り返す(ステップS54、No)。ドアがオープンした(ステップS54、Yes)場合は、CPU21は、汚れているカメラ部で撮像された映像を取得し、画像Bとしてメモリ(RAM27)に保存する(ステップS55)。
【0056】
次に、付着物診断部22は、上記した画像Aと画像Bとを比較してカメラ部の汚れが除去されたかどうかを診断する(ステップS56)。この処理を複数のカメラ部のそれぞれについて行う。画像の比較による汚れ状態の診断は、
図9にて詳述する。
カメラ部の汚れが除去されない(ステップS56、No)場合は、再度ステップS55を実行する。カメラ部の汚れが除去された(ステップS56、Yes)場合は、CPU21は、汚れ除去後のカメラ部の取付位置に応じて各灯火器類の内の所定の灯火器類を消灯させる(ステップS57)。これは、第3−2の通知として、灯火器類による汚れ解除通知である。そして、付着物診断部22は、全てのカメラ部の汚れが除去されたかどうか判断する(ステップS58)。
全てのカメラ部の汚れが除去されない(ステップS58、No)場合は、再度ステップS55を実行する。全てのカメラ部の汚れが除去された(ステップS58、Yes)場合は、処理を終了する。
【0057】
図7は、カメラのレンズ又は保護ガラスにおける汚れ度合いの時間的変化と閾値を示すグラフである。
グラフの縦軸は汚れ度合い(汚れの程度を表す指標値)、横軸は時間を表している。
時間T=0では、汚れ度合いは0、即ち汚れが無い状態である。
汚れ度合いは、T=0から時間Tが経過するにつれて次第に大きくなり、T=T1で、レンズ又は保護ガラスが汚れていることを通知する通知閾値SK1に達する。更に時間Tが経過すると、汚れ度合いも上昇し、時間T2で汚れ度合いは最大値MAXとなる。更に時間Tが経過すると、汚れ度合いは次第に減少する。時間T=T3では、汚れ度合いは、通知閾値SK1を下回っているが、汚れの付着している状態が継続しているので、レンズ又は保護ガラスの払拭を促す通知を行う。
【0058】
水滴などの付着物は、時間Tが経過すると、乾いてレンズ又は保護ガラスの透過性が回復する場合がある。また、レンズに親水コーティングが施されていると、均一な水膜が形成され、レンズ又は保護ガラスの透過性が回復しやすい。汚れ度合いが、汚れの通知を解除する通知解除閾値SK2以下となれば、汚れの通知を解除する。
また、泥等の汚れは、時間Tが経過しても、汚れ度合いが低下しない。
上記したように、水滴など透過性の高い付着物は、一時的な透過性低下の場合があるので、汚れの種別を判別して、汚れの通知を行う又は通知を行わない、を判断しても良い。例えば、泥や白濁の場合は汚れの通知を行い、水滴の場合は汚れの通知を行わないようにしても良い。
【0059】
図8は、汚れの通知を行う表示装置及びスピーカー装置を説明する説明図である。
図8(A)はメータパネルを示す図、
図8(B)はナビゲーション装置のディスプレイの表示を示す図である。
図8(A)に示すように、メータパネル51は、左右に離間したスピードメータ52及びタコメータ53と、スピードメータ52及びタコメータ53のそれぞれの間に配置されたメータディスプレイ54とを備える。メータディスプレイ54には、カメラ部のレンズ(又は保護ガラス)が汚れていることを通知したりクリーンアップを促す文字又はアイコンが表示される。この表示と共に、メータパネル51に設けられたスピーカー装置56から汚れを通知したりクリーンアップを促す音声で発せられる。
上記のメータディスプレイ54は、表示装置32(
図1参照)の一部を構成している。また、スピーカー装置56は、スピーカー装置33(
図1参照)の一部を構成している。
【0060】
図8(B)に示すように、ナビゲーション装置31のナビディスプレイ60は、車両の及び複数のカメラ部による撮像領域を平面的に表示する車両撮像領域表示部61と、カメラ部により撮像された映像を表示する映像表示部62と、カメラ部のレンズ(又は保護ガラス)の汚れの通知を表示する通知表示部63とを備える。
車両撮像領域表示部61は、映像表示部62に表示された映像が車両の前方、左側方、右側方及び後方のどの領域を撮像したものであるかを太線で囲んで示す。図では、バックビューカメラ部によって車両後方の領域61aが撮像され、映像表示部62に車両後方の映像が映し出されていることが示されている。通知表示部63には、例えば、カメラ部のレンズ又は保護ガラスの汚れの払拭を促す「バックビューカメラを拭いてください」の文字が表示される。また、ナビゲーション装置31は、図示せぬスピーカー装置を備え、そのスピーカー装置から汚れの除去を促す音声が発せられる。
【0061】
このように、文字、アイコン、音声による通知に加えて、各カメラ部の映像を表示することで、どのカメラ部のレンズ又は保護ガラスが汚れているか、汚れ度合いはどうかを乗員が実感することができ、汚れの除去をより一層促すことができる。
上記したナビディスプレイ60の通知表示部63は、表示装置32(
図1参照)の一部を構成している。また、ナビゲーション装置31のスピーカー装置は、スピーカー装置33(
図1参照)の一部を構成している。
【0062】
図9は、画像の比較によるレンズ又は保護ガラスの汚れ状態の診断要領を示す説明図である。
前述の画像A及び画像Bから差分画像が求められる。図中の符号71はレンズ面に付着した付着物の像、72はレンズの縁の像を示している。
画像Aには複数の付着物の像71が写り、画像Bには全く付着物の像が写っておらず、差分画像には、画像Aと同一の複数の付着物の像71が写っている場合は、汚れ状態としては、(1)汚れが除去された、と判定される。
画像Aには複数の付着物の像71が写り、画像Bに画像Aよりも少ない数の付着物の像71が写り、差分画像には画像Aよりも少ない数の付着物の像71が写っている場合は、汚れ状態としては、(2)汚れが部分的に除去された、と判定される。
【0063】
画像Aには複数の付着物の像71が写り、画像Bには画像Aと同一の複数の付着物の像71が写り、差分画像には付着物の像71が写っていない場合は、汚れ状態としては、(3)汚れが除去されていない、と判定される。
(1)のように、差分画像に画像Aと同一の複数の付着物の像71が写っていて、汚れが除去された場合には、汚れ度合い(汚れの程度を表す指標値)が小さく、(3)のように、差分画像に付着物が写っておらず、汚れが除去されていない場合には、汚れ度合いが大きい。
汚れ度合いが、所定値未満であれば、「レンズ面がきれいになった(レンズ面の透過性が改善した)」と判断され、汚れ度合いが、所定値以上であれば、「再度クリーンアップが必要(レンズ面の透過性が改善しない)」と判断される。
【0064】
以上の
図1及び
図4に示したように、車両の外部に搭載されるカメラとしてのカメラ部11A,11B,11C,11Dのレンズ又はレンズの保護部材(保護ガラス)に付着した汚れの状態を診断する付着物診断部22と、車両の位置を特定する車両位置特定部としてのGPS31a、地図及び周辺施設情報を含むデータベース31bを備えたナビゲーション装置31から得られる予め決められた施設であって汚れを除去可能な所定の種類の施設と車両との位置情報に基づいて汚れの通知の有無を判定する汚れ通知判定部23と、を具備し、付着物診断部22により、カメラ部11A,11B,11C,11Dのレンズ又はレンズの保護ガラスの汚れ度合いが所定値としての通知閾値SK1以上と判断され、かつ、ナビゲーション装置31にて目的地への経路が設定され、かつ、汚れ通知判定部23により、経路から所定距離範囲に施設が存在すると判定された場合に、車両に備える表示装置32及び/又はスピーカー装置33によってカメラ部11A,11B,11C,11Dのレンズ又はレンズの保護ガラスが汚れていることをユーザーに通知するとともに施設の候補を表示装置32に表示する。
【0065】
この構成によれば、カメラ部11A,11B,11C,11Dのレンズ又はレンズの保護ガラスに付着した汚れを除去するための備品(例えば、洗浄ブラシ、スポンジ、雑巾、バケツなど)や水栓等の設備が整っている環境又はその近傍で、レンズ又はレンズの保護ガラスが汚れていることを通知できるため、通知の煩わしさを抑え、効果的にカメラ部11A,11B,11C,11Dのレンズ又はレンズの保護ガラスの汚れを除去することができる。更に、所定の種類の施設に到着してユーザーが降車する際にカメラ部11A,11B,11C,11Dが汚れていることに気付く可能性が高いため、汚れ除去行為を失念しにくくすることができる。
【0066】
また、車両に備える表示装置32及び/又はスピーカー装置33によってレンズ又はレンズの保護ガラスが汚れていることが通知されるため、乗員が車内に居る状態で通知を受けることができ、従来のような携帯装置が必要なく、更に表示装置32、スピーカー装置33として車両に備えるものを流用するので、撮像装置10の簡素化が図れ、コストを抑えることができる。
また、ナビゲーション装置31の経路案内を利用して、所定の種類の施設を容易に探索することができ、汚れ除去を迅速に行うことが可能になる。
【0067】
また、付着物診断部22によって、カメラ部11A,11B,11C,11Dのレンズ又はレンズの保護ガラスの汚れ度合いが通知閾値SK1以上と判断され、かつ、GPS31aによって特定された現在位置とデータベース31bの情報とから、汚れ通知判定部23によって、車両から所定距離範囲に施設が存在すると判定された場合に、車両に備える表示装置32及び/又はスピーカー装置33によって、カメラ部11A,11B,11C,11Dのレンズ又はレンズの保護ガラスが汚れていることをユーザーに通知するとともに施設の候補を表示する。
GPS31aによって所定の種類の施設を容易に探索することができ、汚れ除去を迅速に行うことが可能になる。
【0068】
また、付着物診断部22により、カメラ部11A,11B,11C,11Dのレンズ又はレンズの保護ガラスの汚れ度合いが通知閾値SK1以上と判断され、かつ、GPS31aによって特定された車両の現在位置とデータベースの情報とに基づいて、汚れ通知判定部23により、車両が施設内に停車したと判定した場合に、車両に備える表示装置32及び/又はスピーカー装置33によってカメラ部11A,11B,11C,11Dのレンズ又はレンズの保護ガラスが汚れていることをユーザーに通知する。
この構成によれば、GPS31aによって車両の現在位置を特定し、この現在位置とデータベースとに基づいて車両を所定の種類の施設に停車させることで、汚れ除去を迅速に行うことが可能になる。
【0069】
上記した施設は、車両の駆動源であるエンジン、モータ、燃料電池等に供給される動力源としての燃料、電力等を補給可能なサービスステーション又は駐車場であるので、サービスステーションにおいては、車両を洗浄する洗浄スペースや洗浄用の備品、水栓などの設備が整っているため、カメラ部11A,11B,11C,11Dのレンズ又はレンズの保護ガラスの汚れを除去するのに好適な環境であり、汚れを容易に落とすことができる。また、駐車場は、車両の乗員に関係する建物(自宅、知人宅、会社、事務所、店舗、工場等)が近くに存在する可能性が高く、汚れを除去するための備品を得やすい環境であるため、汚れを容易に落とすことができる。
【0070】
図1、
図5に示したように、車両の外部に搭載されるカメラ部11A,11B,11C,11Dのレンズ又はレンズの保護ガラスに付着した汚れの状態を診断する付着物診断部22と、動力源を補給する補給口を覆うために車両に設けられたリッドを開けたこと、車両が非接触給電装置36上に停車したこと、又は車両側で、サービスステーションに設置された無線LANやDSRC等の狭域無線通信装置34との通信が成立したことの少なくとも一つの条件をトリガーとして、車両のサービスステーション内の存在を判定する車両位置判定部24と、を具備し、付着物診断部22によって、カメラ部11A,11B,11C,11Dのレンズ又はレンズの保護ガラスの汚れ度合いが通知閾値SK1以上と判断され、かつ、車両位置判定部24によって、車両がサービスステーション内に存在すると特定された場合に、車両に備える表示装置32及び/又はスピーカー装置33によって、カメラ部11A,11B,11C,11Dのレンズ又はレンズの保護ガラスが汚れていることをユーザーに通知する。
【0071】
この構成によれば、動力源を補給する補給口を覆うリッド(例えば、エンジンのみを搭載した車両の場合は燃料を供給する給油口を覆うヒューエルリッド、電気自動車及びハイブリッド車の場合は給電口を覆うリッドなど。)を開けたとき、車両に備える非接触給電装置36の受電側が、非接触給電装置36の送電側の上に停車したとき、又は、サービスステーションに設置された無線LANやDSRC等の狭域無線通信装置34への通信が車両側で成立したときは、これらのうちの少なくとも一つの条件で車両のサービスステーション内の存在を特定することができる。これにより、カメラ部11A,11B,11C,11Dのレンズ又はレンズの保護ガラスに付着した汚れを除去するための備品や設備が整っている環境で通知できるため、通知の煩わしさを抑え、効果的にカメラの汚れを除去することができる。また、ナビゲーション装置が搭載されていない車両でも、サービスステーションの存在を容易に特定することができる。
【0072】
上記した車両位置判定部24は、車両の動力源の量が増加した情報に基づいて、車両のサービスステーション内の存在を特定するので、動力源の量が増加したことを検知した場合に、サービスステーションで動力源の補給が行われたと判断することができ、車両のサービスステーション内の存在を特定することができる。
【0073】
また、レンズ汚れが通知された後に、付着物診断部22は、車両のイグニッションスイッチがOFF状態とON状態との両方でそれぞれ撮像された画像を比較して、レンズ汚れが除去されたかどうかを判定し、レンズ汚れが除去されていない場合は再度レンズ汚れを通知するので、カメラ部11A,11B,11C,11Dで撮像された画像を利用してレンズ汚れが除去されたかどうかを判定するため、特別にレンズ汚れが除去されたかどうかを検出する装置等を特別に設ける必要がなく、コストを抑えることができる。
【0074】
また、
図1及び
図6に示したように、レンズ汚れが通知された後に、車両が停車した直後に撮像された画像と直近に撮像された画像とを逐次比較して、汚れ状態が除去されていない場合は、カメラの取付位置に応じて車両に設けられた灯火器類37を点灯又は点滅させ、汚れが除去された場合には、灯火器類37を消灯するので、ユーザーが車外に居る状態でも、汚れが除去されたかどうかを容易に確認することができる。
【0075】
また、
図1及び
図3に示したように、車両に備えるフロントガラス用ワイパが連続動作している場合は、レンズ又はレンズの保護部材が汚れていることを通知しないので、フロントガラス用ワイパが連続動作していることを、降雨状態であってレンズ又はレンズの保護部材の汚れが継続する可能性が高いと判断し、無駄に通知することを回避することができる。
また、レンズ又はレンズの保護部材の汚れの種別に応じて、汚れ度合いの変化を監視する監視時間の設定値である所定時間tstを変えるので、効率良く汚れの通知を行うことができる。
【0076】
また、所定時間tstは、汚れの種別が、透過性の低い付着物の場合に短時間である所定時間tst1に設定され、汚れの種別が、透過性の高い付着物や白濁の場合に長時間である所定時間tst2に設定されるので、汚れの種別が、透過性の低い付着物の場合には、透過性が回復する可能性が低いため、短い所定時間tst1に設定することで、汚れの通知を早く行うことができる。また、汚れの種別が、透過性の高い付着物や白濁の場合には、透過性が回復する可能性が高いため、長い所定時間tst2に設定することで、確実に透過性が回復した後に汚れの通知解除を行うことができる。
【0077】
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。