(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明を実施するための形態(以下、実施形態という)について、図面を参照して詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0010】
(実施形態1)
以下、本発明に係る実施形態1を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、実施形態1に係る液晶表示装置1の全体斜視図であり、
図2は、実施形態1に係る液晶表示装置1の分解斜視図であり、そして、
図3は、実施形態1に係る液晶表示装置1の断面図である。
【0011】
図1及び
図2に示すように、液晶表示装置1は、バックライトユニット2と、液晶パネル3と、表示カバーとしてのカバーガラス4とを備えている。バックライトユニット2は、基台5と、導光板6と、光学シート7とを備えている。
【0012】
図4は基台5の斜視図である。基台5は、矩形状かつ板状の底部8と、第1の側壁部51と、第2の側壁部52と、第3の側壁部53と、第4の側壁部54とを備える。第1の側壁部51は、底部8の外縁であって長辺側の一方の辺81から底部8と平行な面と交差する方向に延伸し、延伸した方向の先端に端面51uを有する。第2の側壁部52は、底部8の外縁であって短辺側の一方の辺82から底部8と平行な面と交差する方向に延伸し、延伸した方向の先端に端面52uを有する。第3の側壁部53は、底部8の外縁であって長辺側の他方の辺83から底部8と平行な面と交差する方向に延伸し、延伸した方向の先端に端面53uを有する。第4の側壁部54は、底部8の外縁であって短辺側の他方の辺84から底部8と平行な面と交差する方向に延伸し、延伸した方向の先端に端面54uを有する。
【0013】
第1の側壁部51、第2の側壁部52、第3の側壁部53及び第4の側壁部54の底部8と平行な面と垂直方向に延伸する長さはそれぞれ同一(公差を含む)であり、底部8から端面51u、52u、53u及び54uまでの高さは同一(公差を含む)である。基台5は、例えばアルミニウム等の金属材料等から製造されるが、これに限られない。また、底部8は矩形状であるが、これに限られず、例えば、正方形であってもよい。本実施形態において、底部8と平行な面と、第1の側壁部51、第2の側壁部52、第3の側壁部53及び第4の側壁部54とが交差するは角度90度であるが、これに限定されない。また、基台5は1つの部品からなっているが、例えば2つなど、複数の部品から構成されていてもよい。
【0014】
基台5の内部であって、底部8と、第1の側壁部51、第2の側壁部52、第3の側壁部53及び第4の側壁部54とに囲まれる空間91には、導光板6と、光学シート7と、液晶パネル3とが、底部8からこの順で積層されている。また、
図3に示すように、基台5の端面51u、52u、53u及び54uには、カバーガラス4が対接されている。基台5の端面51u、52u、53u及び54uと、カバーガラス4とは、例えば接着剤又は両面テープで接着され、固定されている。なお、詳しくは後述するが、第1の側壁部51の端面51uの一部は、FPC9を介してカバーガラス4と対接し、接着によって固定されている。このように、実施形態1においては、カバーガラス4は、底部8の外縁に沿った全周にわたって、端面51u、52u、53u及び54uに対接して固定されている。
【0015】
図3に示すように、第1の側壁部51の空間91側の側面である内面51iには、基板11が取り付けられている。基板11は、例えばFPC(Flexible Printed Circuits、フレキシブルプリント基板)であるが、これに限られず、例えばPCB(Printed Circuit Board、プリント回路板)又はPWB(Printed Wiring Board、プリント配線板)であってもよい。基板11をFPCとした場合、基板11の基台5への取り付けが容易となる。基板11には、光源としてのLED12が取り付けられている。LED12は、基板11を通じて電気信号を受け取り、電気信号に応じて発光する。なお、実施形態1ではLED12は複数個取り付けられている。また、光源としては、LEDに限られず、例えば、蛍光灯、冷陰極管なども適用することができる。基板11は、基板11と電気的に接続されており、制御信号を送信してLED12の点灯を制御する制御装置としての外部機器に接続される。
【0016】
導光板6は、光を透過させる矩形の板である。導光板6に用いられる材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂)等が挙げられる。導光板6は、一方の表面である反射面63と、他方の表面である出光面62とを有する。導光板6は、長辺側の側面である側面61がLED12に向くように基台5内に設置されている。導光板6は、側面61から入射したLED12からの光を、面内方向に拡げつつ、出光面62から出射させる。導光板6の出光面62から出射した光は、基台5内で導光板6よりも基台5の底部8から離れた位置に設けられた液晶パネル3に、液晶パネル3の画像表示面110とは反対側の背面111から入射する。
【0017】
導光板6の反射面63には、複数個の散乱部64が形成されている。導光板6内に入射した光が散乱部64と接触すると様々な方向に反射し、散乱光が発生する。この散乱光の一部が導光板6の出光面62から出射する。散乱部64は、例えば、塗料を導光板6の反射面33にドット状又はストライプ状に印刷して形成される。印刷方法としては、例えば、シルクスクリーン印刷又はインクジェット印刷等が挙げられる。なお、散乱部64の個数、形状、色及び配置パターン等は、これらに限られず、目的に応じて適宜選択される。また、導光板6の反射面63と基台5の底部8との間に、反射面63内に入射した光を反射する反射シートが設けられていてもよい。
【0018】
光学シート7は、導光板6の出光面62上に積層される。光学シート7は、導光板6の出光面62から出射した光の光学特性を調整するものであり、調光シート、拡散シート又はプリズムシート等を使用できる。光学シート7は、1枚のみでもよいし、複数枚積層されたものを使用してもよい。
【0019】
このように、基台5と、導光板6と、光学シート7とを備えるバックライトユニット2は、いわゆるエッジライト方式であるが、例えば底部8に光源を設置した直下型のバックライトユニットであってもよい。
【0020】
液晶パネル3は、2枚の透明基板31と32の間に液晶層を形成している。本実施形態の液晶パネル3は、FFS(Fringe Field Switching)型の液晶ディスプレイであり、一方の透明基板に駆動電極(共通電極)と、画素に対応して形成されたマトリクス状に配置された画素電極が積層されている。また、透明基板31と32との少なくとも一方には、例えば、R(赤)、G(緑)及びB(青)等のフィルタが画素に対応して配置されたカラーフィルタが設けられている。液晶パネル3は、画素電極と駆動電極(共通)のいずれか一方に開口が形成されており、開口から漏れた電界(フリンジ電界)で液晶を駆動させる。
【0021】
液晶パネル3は、画像信号に基づいて、各画素での光の透過と遮断を切り換えることで、画像を表示させる。液晶パネル3は、マトリクス状に画素が配置された面、つまり面積が最も大きい面(パネル面、表面)がバックライトユニット2の照射面と略平行に配置されている。液晶パネル3は、FFS型であるが、IPS(In−Plane Switching)型、TN(Twisted Nematic)型、OCB(Optically Compensated Bend、Optically Compensated Birefringence)型、ECB(Electrically Controlled Birefringence)型の液晶としてもよい。また、液晶パネル3は、電圧がかかっていない状態で光を透過せず表示が黒になるノーマリーブラック、電圧がかかっていない状態で光を透過し表示が白になるノーマリーホワイトのいずれの方式も用いることができる。また、透明基板32は、透明基板31と対向する側の面であって、透明基板31と対接していない部分である接続部33を有している。詳しくは後述するが、接続部33には、フレキシブルプリント基板としてのFPC9が電気的に接続されている。
【0022】
カバーガラス4は、液晶パネル3の画像表示面110側に配置されるように、液晶パネル3の画像表示面110を覆って保護する透明なガラス部材である。また、カバーガラス4は、板面における外周部に、液晶パネル3からの光を遮断する遮光領域41が形成され、遮光領域41で囲まれた領域、つまり、遮光領域41の内側に液晶パネル3からの光を透過させる表示領域42が形成されている。カバーガラス4は、板状のガラス基板を基材とし、ガラス基板の液晶パネル3側から、外周部の領域に遮光部材をスクリーン印刷等によって印刷して遮光領域41を形成している。
図1においては、カバーガラス4の外面に遮光部材が配置されているように示しているが、スクリーン印刷等によりカバーガラス4の光源側の面に遮光部材を配置することが好ましい。また、上述のように、カバーガラス4は、基台5の端面51u、52u、53u及び54uに対接して固定されている。カバーガラス4と液晶パネル3とは、接着されていなくてもよい。
【0023】
本実施形態の液晶表示装置1は、液晶パネル3の画像表示面110を保護する表示カバーとして、カバーガラス4を設けたが、これに限定されない。表示カバーは、液晶パネル3の表面を保護することができ、かつ、液晶パネル3に表示された画像を透過させることができればよく、板状でかつ光を透過する種々の表示カバーを用いることができる。表示カバーとしては、透明な樹脂部材又はタッチパネルを用いることができる。
【0024】
図3に示されるように、FPC9は、一方の端部としての端部9aが透明基板32の接続部33に電気的に接続されている。そして、FPC9の他方の端部としての端部9bは、基台5が有する空間91の外側に引き出されている。FPC9の端部9bは、液晶パネル3に制御信号を送信して表示動作を制御する制御装置としての外部機器に電気的に接続される。また、実施形態1では、カバーガラス4と第1の側壁部51の端面51uとは、対接部分55において、FPC9の端部9aと端部9bとの間の中間部9cを介して互いに対接している。FPC9の中間部9cは、対接部分55において、カバーガラス4と端面51uとの間に位置している。FPC9の中間部9cは、例えば接着剤又は両面テープ等により、対接部分55において、カバーガラス4に接着され、固定されている。なお、FPC9の中間部9cは、対接部分55において、第1の側壁部51の端面51uに接着され、固定されていてもよい。FPC9の中間部9cは、対接部分55において、カバーガラス4及び第1の側壁部51の少なくとも一方に固定されていてもよい。なお、端部9aから中間部9cまでの長さと、中間部9cから端部9bまでの距離は任意である。
【0025】
上述のように、カバーガラス4は、端面51u、52u、53u及び54uに対接して固定されている。言い換えれば、カバーガラス4は、基台5の外縁の全周にわたって、第1の側壁部51、第2の側壁部52、第3の側壁部53及び第4の側壁部54に固定されている。従って、実施形態1においては、カバーガラス4は基台5の外縁に沿って均一に支持されることとなり、カバーガラス4のたわみを抑制して、パネルムラの発生を抑制することができる。さらに、第1の側壁部51、第2の側壁部52、第3の側壁部53及び第4の側壁部54がカバーガラス4と対接するため、バックライトユニット2からの光漏れを抑制することができる。なお、カバーガラス4と第1の側壁部51、第2の側壁部52、第3の側壁部53及び第4の側壁部54とは、基台5の外縁の周方向の全ての領域において、対接して固定されていなくてもよい。言い換えれば、カバーガラス4は、基台5の外縁の全周にわたって基台5に固定されていれば、その一部においては第1の側壁部51、第2の側壁部52、第3の側壁部53及び第4の側壁部54と固定されていなくてもよい。例えば、端面51u、52u、53u及び54uの一部に切欠きが設けられていて、その切欠き部分においてはカバーガラス4と端面51u、52u、53u及び54uとが対接して固定されていなくてもよい。この場合端面51u、52u、53u及び54uは、それぞれの少なくとも一部とカバーガラス4とが対接して固定されている。このような場合においても、カバーガラス4は、基台5の外縁の全周にわたって基台5に固定されているため、カバーガラス4は基台5の外縁に沿って均一に支持される。
【0026】
また、実施形態1においては、FPC9の中間部9cは、カバーガラス4に固定されている。従って、カバーガラス4と液晶パネル3とは、FPC9を介して一体として固定される。そのため、液晶表示装置1が振動等した場合においても、カバーガラス4と液晶パネル3とは一体として動き、振動等によりFPC9へ加えられる力を抑制し、FPC9の断線を抑制することができる。
【0027】
なお、対接部分55は、FPC9を介してカバーガラス4と第1の側壁部51の端部51uとが対接している。そのため、FPC9の厚みの分、対接部分55と、カバーガラス4と端面51u、52u、53u及び54uとがFPC9を介さず直接対接している部分とは、段差が生じる可能性がある。係る場合、カバーガラス4と端面51u、52u、53u及び54uとが直接対接している部分においては、端面51u、52u、53u及び54uにクッション材等を設けたり、端面51uの対接部分55の位置の高さを低くしたりしてもよい。クッション材を設けることにより、対接部分55と、カバーガラス4と端面51u、52u、53u及び54uとが直接対接している部分とに生じる段差を解消することができ、カバーガラス4のたわみをより好適に抑制することができる。
【0028】
また、FPC9の端部9aに、UV(ultraviolet)硬化樹脂(紫外線硬化樹脂)などを塗布してもよい。UV硬化樹脂は、紫外線の光エネルギーに反応して液体から固体に化学的に変化する合成樹脂である。FPC9は端部9aにおいて液晶パネル3に接続されている。そのため、端部9aは回路が外部にむき出しになっている場合があり、端部9aは強度的に弱い。端部9aにUV硬化樹脂を塗布することで、端部9aの強度が上昇する。なお、端部9aの強度を補強するものであれば、端部9aに塗布するものは、UV硬化樹脂に限られない。
【0029】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について、図面を参照して詳細に説明する。
図5は、実施形態2に係る液晶表示装置1aの要部断面図である。
図6は、実施形態2に係る基台5aの斜視図である。実施形態2は、次の点で実施形態1と異なる。すなわち、実施形態2に係る基台5aは、スリット56を有し、FPC9の中間部9cは、スリット56内に位置する。他の構成は実施形態1と共通するため、説明を省略する。
【0030】
基台5aは、矩形状かつ板状の底部8aと、第1の側壁部51aと、第2の側壁部52aと、第3の側壁部53aと、第4の側壁部54aとを備える。第1の側壁部51aは、底部8aの外縁であって長辺側の一方の辺81aから底部8aと平行な面と交差する方向に延伸し、延伸した方向の先端に端面51auを有する。第2の側壁部52aは、底部8aの外縁であって短辺側の一方の辺82aから底部8aと平行な面と交差する方向に延伸し、延伸した方向の先端に端面52auを有する。第3の側壁部53aは、底部8aの外縁であって長辺側の他方の辺83aから底部8aと平行な面と交差する方向に延伸し、延伸した方向の先端に端面53auを有する。第4の側壁部54aは、底部8aの外縁であって短辺側の他方の辺84aから底部8aと平行な面と交差する方向に延伸し、延伸した方向の先端に端面54auを有する。基台5aには、底部8aと第1の側壁部51a、第2の側壁部52a、第3の側壁部53a及び第4の側壁部54aとに囲まれる空間91aが設けられている。
【0031】
第1の側壁部51aには、スリット56が設けられている。
図5に示すように、スリット56は、第1の側壁部51aの空間91a側の側面である内面51aiと、第1の側壁部51aの空間91a側と反対側の側面である外面51aoとを貫通して設けられている。スリット56は、空間91aと、基台5aの外部とを貫通する。スリット56の開口面積は、FPC9の中間部9cがスリット56内に位置できる程度の大きさであればよい。
【0032】
実施形態1と同様に、実施形態2に係るFPC9は、一方の端部としての端部9aが透明基板32の接続部33に電気的に接続されている。FPC9の他方の端部としての端部9bは、基台5aが有する空間91aの外側に引き出されている。実施形態2においては、FPC9の端部9aと端部9bとの間の中間部9cは、スリット56内に位置している。端部9aから中間部9cまでの長さと、中間部9cから端部9bまでの距離は任意である。FPC9は、中間部9cにおいて、基台5aの第1の側壁部51aと接着して固定されていてもよい。
【0033】
実施形態2においても、カバーガラス4と、基台5aの端面51au、52au、53au及び54auとは対接して固定される。つまり、カバーガラス4は、基台5aの外縁の全周にわたって、基台5aに固定されている。従って、実施形態2においても、実施形態1と同様に、カバーガラス4は基台5aの外縁に沿って均一に支持されることとなり、カバーガラス4のたわみを抑制して、パネルムラの発生を抑制することができる。
【0034】
実施形態2においては、FPC9はスリット56を経由して空間91aの外側に引き出されている。FPC9はカバーガラス4と基台5aの端面51au、52au、53au及び54auとが対接して固定される部分に位置しない。従って、実施形態2においては、カバーガラス4と基台5aの端面51au、52au、53au及び54auとは、FPC9を介さず直接対接し、固定されている。そのため、カバーガラス4と基台5aの端面51au、52au、53au及び54auとが対接する部分に段差が生じることが抑制され、好適にパネルムラの発生を抑制することができる。
【0035】
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について、図面を参照して詳細に説明する。
図7は、実施形態3に係る液晶表示装置1bの要部断面図である。
図8は、実施形態3に係る基台5bの平面図である。実施形態3は、実施形態2と同様に基台5bにスリットを有するが、スリットが設けられる位置が実施形態2とは異なる。他の構成は実施形態1と共通するため、説明を省略する。
【0036】
基台5bは、矩形状かつ板状の底部8bと、第1の側壁部51bと、第2の側壁部52bと、第3の側壁部53bと、第4の側壁部54bとを備える。第1の側壁部51bは、底部8bの外縁であって長辺側の一方の辺81bから底部8bと平行な面と交差する方向に延伸し、延伸した方向の先端に端面51buを有する。第2の側壁部52bは、底部8bの外縁であって短辺側の一方の辺82bから底部8bと平行な面と交差する方向に延伸し、延伸した方向の先端に端面52buを有する。第3の側壁部53bは、底部8bの外縁であって長辺側の他方の辺83bから底部8bと平行な面と交差する方向に延伸し、延伸した方向の先端に端面53buを有する。第4の側壁部54bは、底部8bの外縁であって短辺側の他方の辺84bから底部8bと平行な面と交差する方向に延伸し、延伸した方向の先端に端面54buを有する。基台5bには、底部8bと第1の側壁部51b、第2の側壁部52b、第3の側壁部53b及び第4の側壁部54bとに囲まれる空間91bが設けられている。
【0037】
底部8bには、スリット57が設けられている。
図7及び8に示すように、スリット57は、底部8bの空間91b側の面である上面8buと、底部8bの空間91b側と反対側の面である下面8bdとを貫通して設けられている。スリット57は、空間91bと、基台5bの外部とを貫通する。スリット57の開口面積は、FPC9の中間部9cがスリット57内に位置できる程度の大きさであればよい。
【0038】
実施形態1と同様に、実施形態3に係るFPC9は、一方の端部としての端部9aが透明基板32の接続部33に電気的に接続されている。FPC9の他方の端部としての端部9bは、基台5bが有する空間91bの外側に引き出されている。実施形態3においては、FPC9の端部9aと端部9bとの間の中間部9cは、スリット57内に位置している。端部9aから中間部9cまでの長さ及び中間部9cから端部9bまでの長さは任意である。また、FPC9は、中間部9cにおいて、基台5bの底部8bと接着して固定されていてもよい。
【0039】
実施形態3においても、カバーガラス4と、基台5bの端面51bu、52bu、53bu及び54buとは対接して固定される。つまり、カバーガラス4は、基台5bの外縁の全周にわたって、基台5bに固定されている。従って、実施形態3においても、実施形態1と同様に、カバーガラス4は基台5bの外縁に沿って均一に支持されることとなり、カバーガラス4のたわみを抑制して、パネルムラの発生を抑制することができる。
【0040】
実施形態3においては、FPC9はスリット57を経由して空間91bの外側に引き出されている。FPC9はカバーガラス4と基台5bの端面51bu、52bu、53bu及び54buとが対接して固定される部分に位置しない。従って、実施形態3においては、カバーガラス4と基台5bの端面51bu、52bu、53au及び54buとは、FPC9を介さず直接対接し、固定されている。そのため、カバーガラス4と基台5bの端面51bu、52bu、53bu及び54buとが対接する部分に段差が生じることが抑制され、好適にパネルムラの発生を抑制することができる。また、実施形態3においては、第1の側壁部51bを貫通するスリットが設けられていない。そのため、第1の側壁部51bは、実施形態2よりも、カバーガラス4の自重などに対する強度が高くなる。
【0041】
(変形例1)
次に、実施形態3の変形例1について図面を参照して詳細に説明する。
図9は、変形例1に係る液晶表示装置1cの要部断面図である。
図10は、変形例1に係る基台5cの平面図である。変形例1は、実施形態3と同様に基台の底部にスリットが設けられているが、スリットが設けられる位置が実施形態3とは異なる。他の構成は実施形態3と共通するため、説明を省略する。
【0042】
基台5cは、矩形状かつ板状の底部8cと、第1の側壁部51cと、第2の側壁部52cと、第3の側壁部53cと、第4の側壁部54cとを備える。第1の側壁部51cは、底部8cの外縁であって長辺側の一方の辺81cから底部8cと平行な面と交差する方向に延伸し、延伸した方向の先端に端面51cuを有する。第2の側壁部52cは、底部8cの外縁であって短辺側の一方の辺82cから底部8cと平行な面と交差する方向に延伸し、延伸した方向の先端に端面52cuを有する。第3の側壁部53cは、底部8cの外縁であって長辺側の他方の辺83cから底部8cと平行な面と交差する方向に延伸し、延伸した方向の先端に端面53cuを有する。第4の側壁部54cは、底部8cの外縁であって短辺側の他方の辺84cから底部8cと平行な面と交差する方向に延伸し、延伸した方向の先端に端面54cuを有する。基台5cには、底部8cと第1の側壁部51c、第2の側壁部52c、第3の側壁部53c及び第4の側壁部54cとに囲まれる空間91cが設けられている。
【0043】
第1の側壁部51cには、切欠き部58が設けられている。切欠き部58は、第1の側壁部51cの空間91c側の側面である内面51ciから、第1の側壁部51cの空間91cと反対側の側面である外面51coに向かって、第1の側壁部51cを切り欠いている。ただし、切欠き部58は、内面51ciから外面51coに向かって貫通しない。また、切欠き部58は、第1の側壁部51cの端面51cuから、底部8cの空間91c側とは反対側の面である下面8cdへ向かって、第1の側壁部51c及び底部8cを切り欠いている。切欠き部58は、第1の側壁部51cの端面51cuと、底部8cの空間91c側とは反対側の面である下面8cdとを貫通し、スリット59を形成する。スリット59の開口面積は、FPC9の中間部9cがスリット59内に位置できる程度の大きさであればよい。
【0044】
実施形態3と同様に、変形例1におけるFPC9は、一方の端部としての端部9aが透明基板32の接続部33に電気的に接続されている。そして、FPC9の他方の端部としての端部9bは、基台5cが有する空間91cの外側に引き出されている。また、変形例1においては、FPC9の端部9aと端部9bとの間の中間部9cは、スリット59内に位置している。なお、端部9aから中間部9cまでの長さと、中間部9cから端部9bまでの距離は任意である。また、FPC9は、中間部9cにおいて、基台5cの底部8c又は第1の側壁部51cと接着して固定されていてもよい。
【0045】
また、変形例1においては、第1の側壁部51cを貫通するスリットが設けられていない。そのため、第1の側壁部51cは、実施形態2よりも、カバーガラス4の自重などに対する強度が高くなる。また、変形例1においては、第1の側壁部51cに切り欠き部58を設けて、スリット59を形成している。従って、液晶表示装置1cの組み立ての際には、FPC9の端面9bを切欠き部58に突き当ててからFPC9の端部9bを空間91cの外側に引き出すことができる。従って、変形例1は、液晶表示装置1cの組み立てが容易になる。
【0046】
(変形例2)
次に、実施形態3の変形例2について図面を参照して詳細に説明する。
図11は、変形例2に係る液晶表示装置1dの要部断面図である。変形例2は、FPC9が、更に液晶パネル3に固定されている部分を有する点で、実施形態3と異なる。他の構成は実施形態3と共通するため、説明を省略する。
【0047】
実施形態3と同様に、変形例2に係る基台5bには、底部8bにおいてスリット57が設けられている。実施形態3と同様に、変形例2におけるFPC9は、一方の端部としての端部9aが透明基板32の接続部33に電気的に接続されている。そして、FPC9の他方の端部としての端部9bは、基台5bが構成する空間91bの外側に引き出されている。また、FPC9の端部9aと端部9bとの間の中間部9cは、スリット57内に位置している。なお、端部9aから中間部9cまでの長さと、中間部9cから端部9bまでの距離は任意である。
【0048】
変形例2において、FPC9は、固定部9dにおいて、透明基板32の透明基板31と対向する面と反対側の面である下面34に固定されている。固定部9dは、端部9aと中間部9cとの間に位置する。固定部9dと下面34とは、例えば接着剤又は両面テープ等により、固定されている。なお、端部9aから固定部9dまでの長さ及び固定部9dから中間部9cまでの長さは任意である。
【0049】
このように変形例2においては、FPC9は、固定部9dにおいて、液晶パネル3に固定されている。従って、液晶表示装置1dが振動等した場合においても、液晶パネル3とFPC9とは一体として動き、振動等によりFPC9へ加えられる力を抑制し、FPC9の断線を抑制することができる。
【0050】
(適用例)
次に、
図12から
図20を参照して、実施形態1、2及び3並びに変形例1及び2で説明した液晶表示装置の適用例について説明する。以下、実施形態1、2及び3並びに変形例1及び2を本実施形態として説明する。
図12から
図20は、本実施形態に係る液晶表示装置を適用する電子機器の一例を示す図である。本実施形態に係る液晶表示装置は、携帯電話、スマートフォン等の携帯端末装置、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、ビデオカメラ、或いは、車両に設けられるメータ又はカーナビゲーションシステムなどのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、本実施形態に係る液晶表示装置は、外部から入力された映像信号或いは内部で生成した映像信号を、画像或いは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。電子機器は、液晶表示装置に映像信号を供給し、液晶表示装置の動作を制御する制御装置を備える。例えば、制御装置は、外部機器としてFPC9の端部9bと接続され、液晶パネル3に映像信号を送信して表示動作を制御する。
【0051】
(適用例1)
図12に示す電子機器は、本実施形態に係る液晶表示装置が適用されるテレビジョン装置である。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル511及びフィルターガラス512を含む映像表示画面部510と、映像表示画面部510を制御する制御装置513を有している。この映像表示画面部510は、本実施形態に係る液晶表示装置である。
【0052】
(適用例2)
図13及び
図14に示す電子機器は、本実施形態に係る液晶表示装置が適用されるデジタルカメラである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部521、表示部522、メニュースイッチ523、シャッターボタン524及び表示部522を制御する制御装置526を有しており、その表示部522は、本実施形態に係る液晶表示装置である。
図13に示すように、このデジタルカメラは、レンズカバー525を有しており、レンズカバー525をスライドさせることで撮影レンズが現れる。デジタルカメラは、その撮影レンズから入射する光を撮像することで、デジタル写真を撮影することができる。
【0053】
(適用例3)
図15に示す電子機器は、本実施形態に係る液晶表示装置が適用されるビデオカメラの外観を表すものである。このビデオカメラは、例えば、本体部531、この本体部531の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ532、撮影時のスタート/ストップスイッチ533、表示部534及び表示部534を制御する制御装置535を有している。そして、表示部534は、本実施形態に係る液晶表示装置である。
【0054】
(適用例4)
図16に示す電子機器は、本実施形態に係る液晶表示装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体541、文字等の入力操作のためのキーボード542、画像を表示する表示部543及び表示部543を制御する制御装置544を有しており、表示部543は、本実施形態に係る液晶表示装置である。
【0055】
(適用例5)
図17及び
図18に示す電子機器は、本実施形態に係る液晶表示装置が適用される携帯電話機である。
図17は携帯電話機を開いた状態での正面図である。
図18は携帯電話機を折りたたんだ状態での正面図である。当該携帯電話機は、例えば、上側筐体551と下側筐体552とを連結部(ヒンジ部)553で連結したものであり、ディスプレイ554、サブディスプレイ555、ピクチャーライト556、カメラ557及びディスプレイ554を制御する制御装置558を有している。当該ディスプレイ554は、本実施形態に係る液晶表示装置が取り付けられている。このため、当該携帯電話機のディスプレイ554は、画像を表示する機能の他に、タッチ動作を検出する機能を有していてもよい。
【0056】
(適用例6)
図19に示す電子機器は、携帯型コンピュータ、多機能な携帯電話、音声通話可能な携帯コンピュータ又は通信可能な携帯コンピュータとして動作し、いわゆるスマートフォン、タブレット端末と呼ばれることもある、情報携帯端末である。この情報携帯端末は、例えば筐体561の表面に表示部562を有しており、さらに、表示部562を制御する制御装置563を有している。この表示部562は、本実施形態に係る液晶表示装置である。
【0057】
(適用例7)
図20は、本実施形態に係る車両に搭載されるメータユニット及びカーナビゲーションシステムの概略構成図である。
図20に示す電子機器は、車両に搭載されるメータユニット及びカーナビゲーションシステムである。
図20に示すメータユニット(電子機器)570は、燃料計、水温計、スピードメータ、タコメータ等、複数の上述した本実施形態に係る液晶表示装置を表示装置571として備えている。また、メータユニット570は、表示装置571を制御する制御装置579を備えている。そして、複数の表示装置571は、ともに、一枚の外装パネル572に覆われている。
【0058】
図20に示す表示装置571それぞれは、表示手段としてのパネル573及びアナログ表示手段としてのムーブメント機構を互いに組み合わせた構成となっている。当該ムーブメント機構は、駆動手段としてのモータと、モータにより回転される指針574とを有している。そして、
図20に示すように、表示装置571では、パネル573の表示面に目盛表示、警告表示等を表示することができるとともに、ムーブメント機構の指針574がパネル573の表示面側において回転することが可能となっている。
【0059】
なお
図20では、一枚の外装パネル572に複数の表示装置571を設けた構成としたが、これに限定されない。外装パネル572によって囲まれた領域に1つの表示装置571を設け、当該表示装置571に燃料計、水温計、スピードメータ、タコメータ等を表示させてもよい。
【0060】
図20に示すように、例えば車両のダッシュボード577に、カーナビゲーション表示装置576が設置される。カーナビゲーション表示装置576は、本実施形態に係る液晶表示装置を表示部575として備えており、表示部575を制御する制御装置578を備えている。表示部575は、カーナビゲーションシステムにおけるナビゲーション表示、音楽操作画面の表示、又は、映画再生表示等に利用される。
【0061】
以上、各実施形態及び変形例について説明したが、これらの実施形態等の内容によりこれらの実施形態等が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態等の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0062】
(本開示の構成)
本開示は、次のような構成を採用することができる。
【0063】
(1)矩形状の底部と、前記底部のそれぞれの外縁から前記底部と交差する方向に延伸する側壁部と、を有する基台と、
前記底部と前記側壁部の内周面とに囲まれる空間に収納される液晶パネルと、
前記底部のそれぞれの外縁に沿った全周にわたって、前記側壁部が延伸した方向における前記側壁部の端面と対接して固定され、かつ、前記液晶パネルの表示面を覆う表示カバーと、
一方の端部が前記液晶パネルに電気的に接続され、かつ、他方の端部が前記空間の外側に引き出されるフレキシブルプリント基板と、
を含む液晶表示装置。
【0064】
(2)前記側壁部は、前記底部のそれぞれの外縁に沿って4つの側壁部を有しており、
前記4つの側壁部の端面は、それぞれの少なくとも一部と前記表示カバーとが対接して固定されている、
液晶表示装置。
【0065】
(3)前記一方の端部と前記他方の端部との間の前記フレキシブルプリント基板の中間部は、前記表示カバーと前記側壁部の端面とが対接する部分の、前記表示カバーと前記側壁部の端面との間に位置し、かつ、前記側壁部及び前記表示カバーの少なくとも一方に固定されている、
液晶表示装置。
【0066】
(4)前記基台には、前記空間と前記基台の外部とを貫通するスリットが設けられており、
前記一方の端部と前記他方の端部との間の前記フレキシブルプリント基板の中間部は、前記基台のスリット内に位置する、
液晶表示装置。
【0067】
(5)前記スリットは、前記基台の側壁部を貫通する、
液晶表示装置。
【0068】
(6)前記スリットは、前記基台の底部を貫通する、
液晶表示装置。
【0069】
(7)前記フレキシブルプリント基板は、前記一方の端部と前記中間部との間の部分が前記液晶パネルに固定されている、
液晶表示装置。
【0070】
(8)前記液晶表示装置と、
前記液晶表示装置を制御する制御装置とを含む、
電子機器。
【0071】
(9)前記液晶表示装置と、
前記液晶表示装置を制御する制御装置とを含む、
電子機器。
【0072】
(10)前記液晶表示装置と、
前記液晶表示装置を制御する制御装置とを含む、
電子機器。
【0073】
(11)前記液晶表示装置と、
前記液晶表示装置を制御する制御装置とを含む、
電子機器。
【0074】
(12)前記液晶表示装置と、
前記液晶表示装置を制御する制御装置とを含む、
電子機器。
【0075】
(13)前記液晶表示装置と、
前記液晶表示装置を制御する制御装置とを含む、
電子機器。