(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1の実施の形態]
図1〜
図7を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。
【0021】
(電源制御システムの構成例について)
図1は、第1の実施の形態に係る電源制御システムS1の回路構成の例を示す回路図である。
【0022】
本実施の形態に係る電源制御システムS1は、例えば車載の時計やセキュリティシステム等の複数の電子機器(図示せず)が行う動作をそれぞれ制御する稼働状態(ウェイク状態ともいう)と、前記制御を休止する省電力状態(スリープ状態ともいう)とに移行可能な複数系統(例えば、系統1〜系統3)の制御装置(ECU1〜ECU4、ECU10、11等。以下、制御装置をECUと称する)と、各系統のECU1〜ECU4に駆動電力を供給する所定数(
図1に示す例では2台)の電源装置(第1の電源装置P1,第2の電源装置P2)と、各電源装置に電力を供給するニッケル水素電池やリチウムイオン電池等で構成される二次電池300と、この二次電池300の充放電電流を検出する電流センサSNと、ECU1〜ECU4および電源装置P1,P2の駆動を制御する駆動制御手段(CPUまたはロジックIC等で構成される。なお、以降CPUと略記する)100とを備えるシステムである。
【0023】
さらに、
図1に示すように、各電源装置P1制御装置(ECU1〜ECU4等),P2は、制御装置(ECU1〜ECU4等)への電源供給(あるいは予備電源供給)を行う第1のスイッチ(SW0)と、制御装置(ECU1〜ECU4等)の系統分けを行う第2のスイッチ(SW1〜3)を備えている。
【0024】
より具体的には、第1の電源装置P1を例に説明する(即ち、第2の電源装置P2等の他の電源装置も同様の構成を有する)と、第1の電源装置P1の接続コネクタC3には電力線PL1を介して二次電池300が接続されている。電力線PL1は、電源装置P1内において分岐され、フューズ150および電力線PL2を介して外部の第2の電源装置P2に接続されている。
【0025】
また、フューズ150を介して延設される電力線には、ノードN1を介して第1のスイッチSW0および第2のスイッチSW1〜SW3が並列接続されている。
【0026】
なお、他の構成の詳細については後述する。
【0027】
そして、第1のスイッチSW0は、通常時においてオン状態を維持し各制御装置(ECU1〜ECU4等)に通電するように、第2のスイッチSW1〜SW3は所定の制御装置(ECU1〜ECU4等)に接続され各種状態に応じてオン・オフ状態が切り換えられるようにそれぞれ構成されている。
【0028】
また、第1のスイッチSW0は、当該第1のスイッチSW0を流れる電流を検出する電流検出手段400に接続されている。
【0029】
より具体的には、電流検出手段400は、第1のスイッチSW0に直列接続されるセンス抵抗Rと、センス抵抗Rの両端から延設される配線L1、L2を介して接続されるコンパレータ200とから構成される。そして、センス抵抗Rに流れる電流による電圧降下に基づいてコンパレータ200から出力される信号は、配線L4を介してCPU100のA/D(アナログ−デジタル変換)端子107に入力されるようになっている。この構成により、第1のスイッチSW0に流れる電流を検出することができる。ここで、電流検出手段400は必須ではない。即ち、後述するように電流検出手段400を備える場合には、系統(例えば、系統1〜3)の何れにおいて暗電流異常が発生しているかまで特定できるという効果が得られ、一方、電流検出手段400を備えない場合には、何れかのECU1〜ECU4で暗電流異常が発生しているか否かを判定できるという効果に留まる。なお、電流検出手段400を備えない構成については、第2の実施の形態として後述する。
【0030】
また、センス抵抗Rの第1のスイッチSW0と反対側には、ノードN2を介して逆流防止用ダイオードD1a〜D1cが接続され、ノードN4〜N6およびコネクタC4〜C6を介して、ECU1〜ECU4に接続されている。
【0031】
図1に示す例では、第1の電源装置P1の外部のノードN7で、ECU1とECUは接続され、同一系統に属するようになっている。
【0032】
また、ノードN1とN4との間には第2のスイッチSW1が接続されている。なお、第2のスイッチSW1が備える制御端子は、配線L5を介してCPU100の制御信号の出力端子104に接続されている。
【0033】
また、ノードN1とN5との間には第2のスイッチSW2が接続されている。なお、第2のスイッチSW2が備える制御端子は、配線L6を介してCPU100の制御信号の出力端子105に接続されている。
【0034】
また、ノードN1とN6との間には第2のスイッチSW3が接続されている。なお、第2のスイッチSW3が備える制御端子は、配線L7を介してCPU100の制御信号の出力端子106に接続されている。
【0035】
また、CPU100の通信用端子101には、インターフェースI/F201、コネクタC1およびデータ線DL1を介して電流センサSNが接続され、二次電池300の充放電電流の検出結果を受信するようになっている。
【0036】
また、CPU100の通信端子102には、インターフェースI/F202、コネクタC2およびデータ線DL2を介して第2の電源装置P2が接続されている。
【0037】
なお、系統(系統1〜系統3)の具体例については、
図6を参照して後述する。
【0038】
そして、CPU100は、電流センサSNによる二次電池300の放電電流の検出結果と、第1のスイッチSW0および第2のスイッチSW1〜SW3のオン・オフ状態と、電流検出手段400による検出結果とに基いて、系統(系統1〜系統3)の何れに暗電流の異常が発生しているかを判定するようになっている。なお、暗電流異常の判定の仕方の詳細については後述する。
【0039】
また、CPU100は、暗電流の異常が発生していると判定された系統への電力供給を遮断するように第1のスイッチSW0または第2のスイッチSW1〜SW3のオン・オフ状態の切換えを制御するようになっている。これにより、二次電池300からの不要な電力供給が防止され、二次電池300の消耗(いわゆるバッテリ上がりの状態)を未然に抑制することができる。よって、本実施の形態に係る電源制御システムS1を車両等に搭載した場合に、バッテリ上がりによりエンジンを始動できないなどの事態の発生を抑制することができる。
【0040】
さらに、CPU100は、暗電流の異常が発生していると判定された系統に属する制御装置(ECU1〜ECU4等)について正常状態へ復帰させる初期化(パワーオンリセット)を行うように制御するようになっている。なお、各制御の処理手順については後述する。
【0041】
このような構成の電源制御システムS1によれば、通信に接続されていないECUに異常が発生した場合にも検知することができるという効果がある。また、系統ごとの電流値に基いて異常を判定することができる。さらに、パワーオンリセットにより、異常復帰動作を行うことができるなどの効果を得ることができる。
【0042】
さらに、本実施の形態に係る電源制御システムS1において、電流センサSNは、二次電池300の充放電電流の検出結果を当該二次電池300の充電状態を監視する監視装置(例えば、外部に設置されるサーバ等)に送信するように構成してもよい。
【0043】
また、電流センサSNによって、所定の車両暗電流よりも大きい消費電流を検知した場合には、通信により電源装置P1,P2または制御装置(ECU1〜ECU4等)を起動させるように構成してもよい。
【0044】
また、電流センサSNによる暗電流異常検知により、ECU1〜ECU4等が起動した場合には、ECU1〜ECU4等は各電源装置P1,P2に暗電流異常の発生を通知するように構成することもできる。
【0045】
そして、電源装置P1,P2は、暗電流異常の発生信号を受信した場合には、第1のスイッチSW0と第2のスイッチSW1〜3のオン・オフ状態を制御するようにしてもよい。
【0046】
また、電源装置P1,P2またはECU1〜ECU4等は、パワーオンリセットを実行した後、電流センサSNに対してスリープ状態への移行するよう制御するようにしてもよい。
【0047】
また、電源装置P1,P2は、暗電流異常が発生していない状態における各系統の電流値を検出して不揮発性メモリ等に記録し、その記録結果と検出した電流値との差分を基準にして暗電流異常が発生した系統の判定を行うようにしてもよい。これにより、電流検出の高精度化を不要としてコストの低廉化等を図ることができる。
【0048】
以上のような構成によれば、長期間の駐車等により、暗電流が正常範囲であってもバッテリ上がりでエンジン始動が不可となるような場合には、第1のスイッチSW0と第2のスイッチSW1〜3をオフにして、かかる事態の発生を未然に抑制することができる。
【0049】
(電源制御システムの全体構成について)
図2は、実施の形態に係る電源制御システムS1の全体構成の例を示す構成図である。
【0050】
図2には、4台の電源装置P1〜P4により電源制御システムS1が構成される例を示す。なお、電源装置の台数は、
図1のように2台、
図2のように4台の場合に限定されず、任意の数とすることができる。
【0051】
各電源装置P1〜P4は、
図1に示した電源装置P1と同様の構成を有している。
【0052】
図2に示す例では、電力系については、二次電池300および電源装置P1〜P4が、電力線PL1〜PL4を介して接続されている。
【0053】
また、信号系については、電流センサSNおよび各電源装置P1〜P4が備えるCPU100が、データ線DL1〜DL4を介して接続されている。
【0054】
このような構成の電源制御システムS1により、各電源装置P1〜P4において、通信に接続されていないECUに異常が発生した場合にも検知することができる。また、系統ごとの電流値に基いて異常を判定することができ、また、パワーオンリセットを行うことにより、ECUの異常復帰動作を行うことができるなどの効果を奏することができる。
【0055】
(暗電流異常発生時処理)
図3から
図5に示すフローチャートを参照して、本実施の形態に係る電源制御システムS1で実行される暗電流異常発生時処理の処理手順の例について説明する。
【0056】
ここで、
図3は本実施の形態に係る電源制御システムS1で実行される暗電流異常発生時処理の処理手順の例を示すフローチャートである。
【0057】
また、
図4は暗電流異常系統検出処理に係るサブルーチンの処理手順の例を示すフローチャート、
図5はパワーオンリセット処理に係るサブルーチンの処理手順の例を示すフローチャートである。
【0058】
なお、説明の便宜上、電源制御システムS1は車載され、暗電流異常発生時処理は、
図1に示す電源装置P1のCPU100で実行されているものとする。
【0059】
図3のフローチャートに示す暗電流異常発生時処理が開始されると、まずステップS10で暗電流異常の発生信号を受信したか否かが判定される。即ち、二次電池300が備える電流センサSNが、予め設定される車両暗電流よりも大きな消費電流を検出した場合(暗電流異常が発生している場合)に、その検出結果がデータ線DL1を介してCPU100に送信されるが、当該検出結果の信号(暗電流異常の発生信号)を受信したか否かが判定される。
【0060】
そして、判定結果が「No」の場合にはそのまま処理を終了し、「Yes」の場合にはステップS11に移行する。
【0061】
ステップS11では、暗電流異常系統検出処理のサブルーチンが実行される。
【0062】
ここで、
図4のフローチャートを参照して、暗電流異常系統検出処理の処理手順について説明する。なお、暗電流異常系統検出処理の実行時における各スイッチ(第1のスイッチSW0、第2のスイッチSW1〜3)のオン・オフ状態は、
図6に示す図表の通りである。
【0063】
ステップS1101では、第1のスイッチSW0のオン(ON)再設定処理が行われる。これにより、
図6に示すように、各系統(系統1〜系統3)における暗電流異常系統検出処理においてSW0は「ON」状態を維持する。
【0064】
次いで、ステップS1102では、第2のスイッチSW1〜n(nは整数。
図1に示す例ではn=3)についてオン(ON)設定処理が行われる。これにより、一旦、全ての第2のスイッチSW1〜nはON状態に設定される。
【0065】
次にステップS1103では、系統番号「i」を1に設定(系統i=1)してステップS1104に移行する。
【0066】
ステップS1104では、SWiのオフ(OFF)設定処理が実行される。これにより、
図6における「系統1」について、第2のスイッチSW1のみがオフ状態となり、他の第1のスイッチSW0、第2のスイッチSW2、SW3がオンされた状態となる。
【0067】
ステップS1105では、第1のスイッチSW0に接続された電流検出手段400の検出結果を用いた電流検出処理が実行され、ステップS1106では、電流検出結果に基いて暗電流異常判定処理が実行される。即ち、電流検出手段400による検出結果が、予め設定された暗電流異常の閾値を超えた場合を「異常」、超えていない場合を「正常」と判定する。
【0068】
そして、「異常」と判定された場合にはステップS1107に移行して、異常系統記録処理を行う。即ち、系統1で「異常」と判定された場合には、その旨を例えばCPU100に接続される不揮発性メモリ(図示せず)等に格納してステップS1108に移行する。
【0069】
また、ステップS1106で「正常」と判定された場合にはステップS1108に移行して、SWi(即ち、SW1)のON設定処理を実行してステップS1109に移行する。
【0070】
ステップS1109では、i≧nとなったか否かを判定する異常系統判定の終了確認処理が行われる。そして、未だi≧nではないと判定された場合(「No」の場合)にはステップS1110に移行し、系統番号「i」を「1」インクリメントしてからステップS1104に移行する。これにより、系統番号「i」が所定数(
図1に示す構成ではi=3)に達するまで、ステップS1104〜1109までの処理が繰り返して実行される。
【0071】
即ち、
図6に示すように、「系統2」について、第2のスイッチSW2のみがオフ状態となり、他の第1のスイッチSW0、第2のスイッチSW1、SW3がオンされた状態における暗電流異常に有無の判定処理等、「系統3」について、第2のスイッチSW3のみがオフ状態となり、他の第1のスイッチSW0、第2のスイッチSW1、SW2がオンされた状態における暗電流異常に有無の判定処理等が順次実行される。
【0072】
これにより、何れの系統に暗電流異常が発生しているかを漏れなく検出することができる。
【0073】
一方、ステップS1109で、i≧nとなったと判定された場合(「Yes」の場合)にはステップS1111に移行して、全ての第2のスイッチSW1〜SWnをOFF設定する処理を実行してから
図3のメイン処理にリターンする。
【0074】
図3のフローチャートに戻って、次いでステップS12で暗電流異常系統が検出されたか否かが判定される。そして、検出されなかったと判定された場合(「No」の場合)には、そのまま処理を終了する。一方、検出されたと判定された場合(「Yes」の場合)には、ステップS13に移行してパワーオンリセット処理のサブルーチンが実行される。
【0075】
ここで、
図5のフローチャートを参照して、パワーオンリセット処理の処理手順について説明する。なお、パワーオンリセット処理の実行時における各スイッチ(第1のスイッチSW0、第2のスイッチSW1〜3)のオン・オフ状態は、
図7に示す図表の通りである。
【0076】
ステップS1301では、第2のスイッチSW1〜n(nは整数。
図1に示す例ではn=3)についてオン(ON)設定処理が行われる。これにより、一旦、全ての第2のスイッチSW1〜nはON状態に設定される。
【0077】
次いで、ステップS1302では、第1のスイッチSW0のオフ(OFF)設定処理が行われる。
【0078】
次にステップS1303では、系統番号「i」を1に設定(系統i=1)してステップS1304に移行する。
【0079】
ステップS1304では、系統i(即ち、ここでは系統1)=異常系統であるか否かが判定される。
【0080】
判定結果が「No」の場合にはステップS1308に移行し、「Yes」の場合にはステップS1305に移行する。
【0081】
ステップS1305では、SWi(ここではSW1)のオフ(OFF)設定処理を実行する。
【0082】
これにより、
図7に示すように、系統1については、第1のスイッチSW0と第2のスイッチSW1がOFF、第2のスイッチSW2,SW3がONの状態とされる。
【0083】
ステップS1306では、所定時間(パワーオンリセット時間)が経過したかを判定する時間経過確認処理が実行され、パワーオンリセット時間に達するまで待機し、パワーオンリセット時間に達するとパワーオンリセットを実行してステップS1307に移行する。
【0084】
ステップS1307では、SWiのON設定処理を行ってからステップS1308に移行する。
【0085】
ステップS1308では、i≧nとなったか否かを判定するパワーオンリセットの終了確認処理が行われる。
【0086】
そして、未だi≧nではないと判定された場合(「No」の場合)にはステップS1309に移行し、系統番号「i」を「1」インクリメントしてからステップS1304に移行する。これにより、系統番号「i」が所定数(
図1に示す構成ではi=3)に達するまで、ステップS1304〜1308までの処理が繰り返して実行される。
【0087】
即ち、
図7に示すように、「系統2」について、第1のスイッチSW0と第2のスイッチSW2がOFF、第2のスイッチSW1,SW3がONの状態におけるパワーオンリセット、「系統3」について、第1のスイッチSW0と第2のスイッチSW3がOFF、第2のスイッチSW1,SW2がONの状態におけるパワーオンリセットが順次実行される。
【0088】
これにより、暗電流異常が発生している系統に属するECUについて漏れなくパワーオンリセットを実行することができる。
【0089】
一方、ステップS1308で、i≧nとなったと判定された場合(「Yes」の場合)にはステップS1310に移行して、第1のスイッチSW0のオン設定処理を実行してからステップS1311に移行する。
【0090】
ステップS1311では、全ての第2のスイッチSW1〜SWnをOFF設定する処理を実行してから
図3のメイン処理にリターンして処理を終了する。
【0091】
以上述べたように、本実施の形態に係る電源制御システムS1によれば、通信に接続されていないECUに異常が発生した場合にも検知することができる。また、系統ごとの電流値に基いて異常を判定することができ、さらに、パワーオンリセットにより異常復帰動作を行うことができるなどの効果を得ることができる。
【0092】
また、電源装置P1等において、暗電流異常が発生していない状態における各系統の電流値を検出して不揮発性メモリ等に記録し、その記録結果と検出した電流値との差分を基準にして暗電流異常が発生した系統の判定を行うようにした場合には、電流検出の高精度化を不要としてコストの低廉化等を図ることができる。
【0093】
[第2の実施の形態]
図9〜
図11を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0094】
(電源制御システムの構成例について)
図9は、第2の実施の形態に係る電源制御システムS2の回路構成の例を示す回路図である。
【0095】
なお、第2の実施の形態において、上述の第1の実施の形態と同様の構成については、同一符号を付して重複した説明は省略する。
【0096】
第2の実施の形態に係る電源制御システムS2が、第1の実施の形態に係る電源制御システムS1と異なる点は、各電源装置(P1等)における電流検出手段400を省略した点である。
【0097】
即ち、電流検出手段400を構成していた第1のスイッチSW0に直列接続されていたセンス抵抗Rと、コンパレータ200とを省いた構成となっている。
【0098】
このように、電流検出用の抵抗(センス抵抗R)が無いので、第1のスイッチSW0の系統からECU(ECU1等)の動作に必要な電力を供給することができる。これにより、第2のスイッチSW1〜SW3に異常が発生した際には、第1のスイッチSW0からの電源供給(バックアップ)を行うことが可能となるという効果を得ることができる。
【0099】
なお、本実施の形態では、暗電流異常が発生している系統の判断は行わず、暗電流異常が発生した時点で、各系統をパワーオンリセット処理して、暗電流異常からの復帰処理を行うようにしている。
【0100】
(暗電流異常発生時処理)
図10および
図11に示すフローチャートを参照して、本実施の形態に係る電源制御システムS2で実行される暗電流異常発生時処理の処理手順の例について説明する。
【0101】
ここで、
図10は本実施の形態に係る電源制御システムS2で実行される暗電流異常発生時処理の処理手順の例を示すフローチャートである。
【0102】
また、
図11はパワーオンリセット処理に係るサブルーチンの処理手順の例を示すフローチャートである。
【0103】
なお、説明の便宜上、電源制御システムS2は車載され、暗電流異常発生時処理は、
図9に示す電源装置P1のCPU100で実行されているものとする。
【0104】
図10のフローチャートに示す暗電流異常発生時処理が開始されると、まずステップS20で暗電流異常の発生信号を受信したか否かが判定される。即ち、二次電池300が備える電流センサSNが、予め設定される車両暗電流よりも大きな消費電流を検出した場合(暗電流異常が発生している場合)に、その検出結果がデータ線DL1を介してCPU100に送信されるが、当該検出結果の信号(暗電流異常の発生信号)を受信したか否かが判定される。
【0105】
そして、判定結果が「No」の場合にはそのまま処理を終了し、「Yes」の場合にはステップS21に移行してパワーオンリセット処理のサブルーチンが実行される。
【0106】
ここで、
図11のフローチャートを参照して、パワーオンリセット処理の処理手順について説明する。
【0107】
ステップS2101では、第2のスイッチSW1〜n(nは整数。
図9に示す例ではn=3)についてオン(ON)設定処理が行われる。これにより、一旦、全ての第2のスイッチSW1〜nはON状態に設定される。
次いで、ステップS2102では、第1のスイッチSW0のオフ(OFF)設定処理が行われる。
【0108】
次にステップS2103では、系統番号「i」を1に設定(系統i=1)してステップS2104に移行する。
【0109】
ステップS2105では、所定時間(パワーオンリセット時間)が経過したかを判定する時間経過確認処理が実行され、パワーオンリセット時間に達するまで待機し、パワーオンリセット時間に達するとパワーオンリセットを実行してステップS2106に移行する。
ステップS2106では、SWi(即ち、SW1)のON設定処理を実行してステップS2107に移行する。
【0110】
ステップS2107では、i≧nとなったか否かを判定する異常系統判定の終了確認処理が行われる。そして、未だi≧nではないと判定された場合(「No」の場合)にはステップS2108に移行し、系統番号「i」を「1」インクリメントしてからステップS2104に移行する。これにより、系統番号「i」が所定数(
図1に示す構成ではi=3)に達するまで、ステップS2104〜2107までの処理が繰り返して実行される。
【0111】
これにより、暗電流異常が発生している系統に属するECUについて漏れなくパワーオンリセットを実行することができる。
【0112】
一方、ステップS2107で、i≧nとなったと判定された場合(「Yes」の場合)にはステップS2109に移行して、第1のスイッチSW0のオン設定処理を実行してからステップS2110に進む。
【0113】
ステップS2110では、全ての第2のスイッチSW1〜SWnをOFF設定する処理を実行してから
図10のメイン処理にリターンして処理を終了する。
【0114】
以上述べたように、本実施の形態に係る電源制御システムS2によれば、何れかのECU1〜ECU4で暗電流異常が発生しているか否かを判定(検知)することができる。また、パワーオンリセットにより暗電流異常が発生したECU1〜ECU4の異常復帰動作を行うことができるなどの効果を得ることができる。
【0115】
以上、本発明の電源制御システムを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。