特許第6374260号(P6374260)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6374260
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】フューエルフィラーパイプ
(51)【国際特許分類】
   B60K 15/04 20060101AFI20180806BHJP
【FI】
   B60K15/04 E
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-157796(P2014-157796)
(22)【出願日】2014年8月1日
(65)【公開番号】特開2016-34781(P2016-34781A)
(43)【公開日】2016年3月17日
【審査請求日】2017年7月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】野村 伸一
(72)【発明者】
【氏名】岡 慶一
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼杉 英裕
(72)【発明者】
【氏名】角谷 高志
(72)【発明者】
【氏名】角谷 佳弘
(72)【発明者】
【氏名】堀野 裕記
(72)【発明者】
【氏名】田畑 健作
【審査官】 林 政道
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−067388(JP,A)
【文献】 特開2006−088951(JP,A)
【文献】 実開平05−041929(JP,U)
【文献】 特開2001−071763(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料を燃料タンクに導くためのインレットパイプを備え、
該インレットパイプの一端部には、少なくとも一部を前記燃料タンク内に挿入して配置された燃料流出部が設けられ、
該燃料流出部は、直線状に形成された直管部と、該直管部に接続され、先端に燃料流出口が開口形成され、かつ、該燃料流出口に向かって水平方向に対する傾斜が徐々に大きくなる円筒状の傾斜管部とを有し、
該傾斜管部の前記燃料流出口には、該燃料流出口を開閉する弁体を有する逆止弁が設けられ、
該逆止弁の前記弁体は、前記傾斜管部の前記燃料流出口に対する開き角度が規制され、かつ、開弁状態において前記傾斜管部の前記燃料流出口から流出する燃料を案内し、
水平方向に対して、前記直管部の中心軸の傾斜角をA、前記燃料流出口面における前記傾斜管部の中心軸の傾斜角をB、前記開き角度が最大のときの前記逆止弁の前記弁体の傾斜角をCとした場合、A<B<Cであることを特徴とするフューエルフィラーパイプ。
【請求項2】
前記傾斜角Cは、25°〜140°の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のフューエルフィラーパイプ。
【請求項3】
前記傾斜角Aは、0°〜45°の範囲内であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフューエルフィラーパイプ。
【請求項4】
前記傾斜管部の前記燃料流出口に対する前記逆止弁の前記弁体の最大開き角度Dは、40°以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフューエルフィラーパイプ。
【請求項5】
前記傾斜管部は、曲率一定の円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフューエルフィラーパイプ。
【請求項6】
前記インレットパイプは、パイプ本体部と、該パイプ本体部と別体で設けられ、該パイプ本体部の一端に接続された前記燃料流出部とを有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のフューエルフィラーパイプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フューエルフィラーパイプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両等の燃料タンクにガソリン等の燃料を注入するためのフューエルフィラーパイプが知られている(特許文献1参照)。フューエルフィラーパイプは、燃料給油口から燃料タンクへ燃料を導くインレットパイプを備えている。インレットパイプの一端に形成された燃料流出口は、燃料タンク内に開口している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−71763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のフューエルフィラーパイプでは、次のような問題がある。すなわち、特許文献1のフューエルフィラーパイプは、インレットパイプの燃料流出口を燃料タンクの底面(下方)に向かって開口させ、燃料流出口の周縁部に燃料を下向きに案内する球状面が設けられている。ところが、インレットパイプの傾斜が大きいため、燃料流の向きを十分に制御することができない。
【0005】
そのため、燃料給油時に、インレットパイプの燃料流出口から燃料タンク内に流出する燃料が飛散し、燃料タンク内で発生したベーパーや飛散した燃料が燃料タンク内の圧抜きポートを閉塞すること等によって燃料タンク内の圧力が急激に上昇する。これにより、給油初期時において、給油ガンのオートストップセンサが反応し、給油が停止してしまう現象(初期オートストップ)が生じる。また、燃料タンク内の圧力の急激な上昇により、給油終了時や追加給油時において、インレットパイプの燃料給油口から燃料漏れが発生する。
【0006】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、インレットパイプから燃料タンク内に流出する燃料の飛散を抑制し、燃料タンク内の圧力上昇を抑制できる、給油性に優れたフューエルフィラーパイプを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、燃料を燃料タンクに導くためのインレットパイプを備え、該インレットパイプの一端部には、少なくとも一部を前記燃料タンク内に挿入して配置された燃料流出部が設けられ、該燃料流出部は、直線状に形成された直管部と、該直管部に接続され、先端に燃料流出口が開口形成され、かつ、該燃料流出口に向かって水平方向に対する傾斜が徐々に大きくなる傾斜管部とを有し、該傾斜管部の前記燃料流出口には、該燃料流出口を開閉する弁体を有する逆止弁が設けられ、該逆止弁の前記弁体は、前記傾斜管部の前記燃料流出口に対する開き角度が規制され、かつ、開弁状態において前記傾斜管部の前記燃料流出口から流出する燃料を案内し、水平方向に対して、前記直管部の中心軸の傾斜角をA、前記傾斜管部の中心軸の傾斜角をB、前記開き角度が最大のときの前記逆止弁の前記弁体の傾斜角をCとした場合、A<B<Cであることを特徴とするフューエルフィラーパイプにある。
【0008】
前記フューエルフィラーパイプにおいて、インレットパイプの一端部に設けられた燃料流出部は、直管部と傾斜管部とを有している。また、傾斜管部の燃料流出口には、逆止弁が設けられている。そして、水平方向に対する直管部の中心軸の傾斜角A、傾斜管部の中心軸の傾斜角B、開き角度が最大のときの逆止弁の弁体の傾斜角CがA<B<Cの関係を満たす。
【0009】
そのため、燃料流出部の直管部及び傾斜管部と逆止弁とにより、燃料流の向きを段階的に変化させることができる。また、水平方向に対する燃料流の傾斜を段階的に大きくすることができる。そして、燃料給油時において、燃料をインレットパイプの燃料流出口から燃料タンク内に円滑に導入できる。
【0010】
また、逆止弁の弁体は、燃料流出口に対する開き角度が規制されている。そのため、逆止弁の弁体によって、燃料流出口から流出する燃料を所望の方向(例えば燃料タンクの底面)に良好に案内することができる。また、燃料圧力が変化した場合でも、逆止弁の弁体によって燃料流の向きを十分に制御できる。
【0011】
これにより、燃料給油時において、インレットパイプの燃料流出口から燃料タンク内に流出する燃料の飛散を抑制し、燃料タンク内でのベーパー発生量を低減できる。よって、燃料タンク内の圧力の上昇を抑制し、前述の初期オートストップを防止できる。また、給油終了時や追加給油時において、インレットパイプの燃料給油口からの燃料漏れを抑制できる。
【0012】
このように、本発明によれば、インレットパイプから燃料タンク内に流出する燃料の飛散を抑制し、燃料タンク内の圧力上昇を抑制できる、給油性に優れたフューエルフィラーパイプを提供することができる。
【0013】
前記フューエルフィラーパイプにおいて、前記傾斜角Cは、25°〜140°の範囲内であることが好ましく、35°〜90°の範囲内であることがより好ましい。この場合には、逆止弁の弁体によって、インレットパイプの燃料流出口から流出する燃料を所望の方向(例えば燃料タンクの底面)に良好に案内することができる。これにより、インレットパイプの燃料流出口から燃料タンク内に流出する燃料の飛散を抑制し、燃料タンク内でのベーパー発生量を低減するという本発明の効果を十分に得られる。
【0014】
また、前記傾斜角Aは、0°〜45°の範囲内であることが好ましい。この場合には、燃料流出部における直管部の傾斜が無い又は緩やかとなる。これにより、インレットパイプの燃料流出口から燃料タンク内に流出する燃料の飛散を十分に抑制し、燃料タンク内でのベーパー発生量を十分に低減できる。なお、傾斜角Aは0°を含む。傾斜角A=0°とは、水平方向に対する直管部の中心軸の傾斜が無いことをいう。
【0015】
また、前記傾斜管部の前記燃料流出口に対する前記逆止弁の前記弁体の最大開き角度Dは、40°以上であることが好ましい。この場合には、燃料給油時の燃料流に対する弁体の抵抗の増大を抑制できる。また、燃料給油時の燃料タンク内の必要燃料容量を確保できる。つまり、弁体の最大開き角度が小さいと、燃料給油時の燃料流に対する弁体の抵抗が大きくなり、燃料流の圧力が低下することにより、燃料タンク内の圧力が増大した際に弁体が早期に閉じてしまう。また、弁体が閉じる際のストローク量が小さくなり、弁体が早期に閉じてしまう。したがって、弁体の最大開き角度Dを40°以上とすることにより、このような問題を解消し、燃料給油時の燃料タンク内の必要燃料容量を確保できる。なお、前記最大開き角度Dは、傾斜管部の燃料流出口から流出する燃料を逆止弁の弁体によって案内するという点から90°以下であることが好ましい。
【0016】
また、前記傾斜管部は、曲率一定の円弧状に形成されていてもよい。この場合には、燃料流出部の傾斜管部において、燃料流の向きを滑らかに変化させることができる。これにより、インレットパイプの燃料流出口から燃料タンク内に流出する燃料の飛散をさらに抑制し、燃料タンク内でのベーパー発生量をより低減できる。
【0017】
また、前記インレットパイプは、パイプ本体部と、該パイプ本体部と別体で設けられ、該パイプ本体部の一端に接続された前記燃料流出部とを有していてもよい。この場合には、所望の形状の燃料流出部を容易に製造することができる。また、パイプ本体部と燃料流出部とを別々の材料で構成することもできる。
【0018】
また、前記インレットパイプは、前記パイプ本体部と前記燃料流出部とを一体的に構成してもよい。この場合には、パイプ本体部及び燃料流出部を有するインレットパイプを金属パイプから容易に成形(一体成形)することができる。これにより、インレットパイプの製造が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態1のフューエルフィラーパイプを示す説明図である。
図2】実施形態1のインレットパイプを示す一部断面説明図である。
図3】(A)は実施形態1の燃料流出部の斜視図であり、(B)は実施形態1の燃料流出部の側面図であり、(C)は実施形態1の燃料流出部の正面図である。
図4】実施形態2のインレットパイプを示す一部断面説明図である。
図5】実施形態3のインレットパイプを示す一部断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(実施形態1)
図1図3に示すように、本実施形態のフューエルフィラーパイプ1は、燃料を燃料タンク5に導くためのインレットパイプ2を備えている。インレットパイプ2の一端部(下流端部)には、一部を燃料タンク5内に挿入して配置された燃料流出部22が設けられている。燃料流出部22は、直線状に形成された直管部23と、直管部23に接続され、先端(下流端)に燃料流出口202が開口形成され、かつ、燃料流出口202に向かって水平方向Xに対する傾斜が徐々に大きくなる傾斜管部24とを有している。
【0021】
同図に示すように、傾斜管部24の燃料流出口202には、燃料流出口202を開閉する弁体31を有する逆止弁3が設けられている。逆止弁3の弁体31は、傾斜管部24の燃料流出口202に対する開き角度が規制され、かつ、開弁状態において傾斜管部24の燃料流出口202から流出する燃料を案内する。そして、水平方向Xに対して、直管部23の中心軸231の傾斜角をA、傾斜管部24の中心軸241の傾斜角をB、開き角度が最大のときの逆止弁3の弁体31の傾斜角をCとした場合、A<B<Cである。以下、これを詳説する。
【0022】
図1に示すように、フューエルフィラーパイプ1は、自動車用の部品であって、金属製又は樹脂製の燃料タンク5に燃料(同図の矢印F等)を注入するために用いられるものである。フューエルフィラーパイプ1は、インレットパイプ2、ブリーザチューブ4等を備えている。
【0023】
同図に示すように、インレットパイプ2は、燃料給油口201から燃料タンク5へ燃料(ガソリン等)を導くための燃料供給経路を形成する円筒状のパイプである。インレットパイプ2(後述するパイプ本体部21)の上流端部には、拡径された注入部211が形成されている。注入部211には、エアフィルタ(図示略)が設けられている。また、注入部211には、インレットパイプ2とは別部品の金属製のリテーナ29が挿入して配置されている。リテーナ29は、給油ガンのノズル7が挿入される筒状部品である。
【0024】
また、インレットパイプ2の下流端部は、燃料タンク5に接続されている。具体的には、インレットパイプ2の下流端部は、燃料タンク5内に挿入して配置されている。インレットパイプ2の下流端に形成された燃料流出口202は、燃料タンク5内に開口している。また、燃料流出口202には、逆止弁3が設けられている。インレットパイプ2の下流端部の詳細については後述する。
【0025】
同図に示すように、ブリーザチューブ4は、燃料タンク5内の燃料蒸気を含む空気、いわゆるベーパーをインレットパイプ2の上流側へ導き、燃料タンク5の内圧を低減させるためのエア抜き経路を形成する円筒状の金属製のパイプである。ブリーザチューブ4の上流端部は、インレットパイプ2の上流端部に接続されている。また、ブリーザチューブ4の下流端部は、燃料タンク5に接続されている。
【0026】
同図に示すように、燃料タンク5は、ベーパー配管61を介してキャニスタ6に接続されている。キャニスタ6内には、活性炭等の吸着材(図示略)が充填されている。また、キャニスタ6は、大気開放配管62を介して外部(大気側)に開放されている。
【0027】
燃料給油時に燃料タンク5内に発生したベーパー(図1の点線矢印V1)は、ベーパー配管61を介してキャニスタ6に導入される。そして、キャニスタ6内に充填された吸着材に液体燃料の状態で吸着される。燃料が除去された空気(図1の点線矢印G)は、大気開放配管62を介して外部(大気側)に排出される。
【0028】
また、燃料タンク5内に発生したベーパー(図1の点線矢印V2)は、ブリーザチューブ4を介してインレットパイプ2の上流側へ導かれる。そして、ベーパーは、一方でインレットパイプ2の注入部211に設けられたエアフィルタ(図示略)を介して外部に排出され(図1の点線矢印V21)、他方で給油中の燃料に巻き込まれる空気に含ませて燃料タンク5に再度送られる(図1の点線矢印V22)。
【0029】
図2に示すように、インレットパイプ2の下流端部には、燃料流出部22が設けられている。本実施形態では、インレットパイプ2は、パイプ本体部21と、パイプ本体部21と別体で設けられた金属製の燃料流出部22とを有している。パイプ本体部21は、燃料流出部22に接続される接続部212と、接続部212以外の部分とが別体で構成されている。接続部212は樹脂(ゴム)製であり、接続部212以外の部分は金属製である。接続部212としては、樹脂(ゴム)等の弾性体を用いることができる。燃料流出部22は、パイプ本体部21の接続部212に接続されている。
【0030】
また、燃料流出部22は、その一部を燃料タンク5内に挿入して配置されている。具体的には、燃料流出部22は、燃料タンク5に形成された接続口51に挿通して配置されている。燃料流出部22の上流端部(後述する直管部23)は、燃料タンク5の接続口51の周辺部において、燃料タンク5に溶接されている。パイプ本体部21の接続部212は、燃料タンク5の外部において、燃料流出部22の上流端部の外側に嵌め込まれている。
【0031】
図2図3に示すように、燃料流出部22は、直線状に形成された直管部23と、直管部23に接続された傾斜管部24とを有している。傾斜管部24の下流端には、燃料流出口202が開口形成されている。傾斜管部24は、直管部23側から燃料流出口202に向かって、水平方向Xに対する傾斜が徐々に大きくなるように形成されている。また、傾斜管部24は、曲率一定の円弧状に形成されている。すなわち、傾斜管部24は、その中心軸241が曲率一定の円弧を描くように形成されている。
【0032】
直管部23の中心軸231の水平方向Xに対する傾斜角Aは、直管部23全体において一定であり、0°〜45°の範囲内に設定されている。本実施形態では、傾斜角Aは5°である。また、傾斜管部24の中心軸241の水平方向Xに対する傾斜角Bは、傾斜角Aよりも大きい(A<B)。ここで、傾斜角Bとは、水平方向Xに対する傾斜管部24の任意の部位における中心軸241の傾斜角をいう。
【0033】
傾斜管部24の燃料流出口202には、燃料流出口202を開閉可能に構成された逆止弁3が設けられている。逆止弁3は、燃料流出口202を開閉する板状の弁体31と、弁体31に取り付けられたアーム部32と、アーム部32の回動支点となる軸部33とを有している。燃料給油時に、燃料の圧力が弁体31に対する付勢力を上回ると、弁体31が回動して燃料流出口202が開いた状態(開弁状態)となり、燃料流出口202から燃料タンク5内に燃料が流出する。
【0034】
逆止弁3の弁体31は、傾斜管部24の燃料流出口202に対する開き角度が所定の角度を超えないように規制されている。傾斜管部24の燃料流出口202に対する逆止弁3の弁体31の最大開き角度Dは、40°以上に設定されている。本実施形態では、最大開き角度Dは60°である。
【0035】
逆止弁3の弁体31は、開弁状態において傾斜管部24の燃料流出口202から流出する燃料を弁体31の燃料流出口202側の主面311に沿った方向に案内する。具体的には、燃料流出口202から流出する燃料を燃料タンク5の底面52に向かって下方(重力方向)に案内する。開き角度が最大(最大開き角度D)のときの逆止弁3の弁体31の水平方向Xに対する傾斜角Cは、傾斜角Bよりも大きく(B<C)、25°〜140°の範囲内に設定されている。本実施形態では、傾斜角Cは75°である。
【0036】
次に、本実施形態のフューエルフィラーパイプ1の作用効果について説明する。
本実施形態のフューエルフィラーパイプ1において、インレットパイプ2の一端部(下流端部)に設けられた燃料流出部22は、直管部23と傾斜管部24とを有している。また、傾斜管部24の燃料流出口202には、逆止弁3が設けられている。そして、水平方向Xに対する直管部23の中心軸231の傾斜角A、傾斜管部24の中心軸241の傾斜角B、開き角度が最大のときの逆止弁3の弁体31の傾斜角CがA<B<Cの関係を満たす。
【0037】
そのため、燃料流出部22の直管部23及び傾斜管部24と逆止弁3とにより、燃料流の向きを段階的に変化させることができる。また、水平方向Xに対する燃料流の傾斜を段階的に大きくすることができる。そして、燃料給油時において、燃料をインレットパイプ2の燃料流出口202から燃料タンク5内に円滑に導入できる。
【0038】
また、逆止弁3の弁体31は、燃料流出口202に対する開き角度が規制されている(最大開き角度D)。そのため、逆止弁3の弁体31によって、燃料流出口202から流出する燃料を所望の方向(例えば燃料タンク5の底面52)に良好に案内することができる。また、燃料圧力が変化した場合でも、逆止弁3の弁体31によって燃料流の向きを十分に制御できる。
【0039】
これにより、燃料給油時において、インレットパイプ2の燃料流出口202から燃料タンク5内に流出する燃料の飛散を抑制し、燃料タンク5内でのベーパー発生量を低減できる。よって、燃料タンク5内の圧力の上昇を抑制し、前述の初期オートストップを防止できる。また、給油終了時や追加給油時において、インレットパイプ2の燃料給油口201からの燃料漏れを抑制できる。
【0040】
また、本実施形態において、傾斜角Cは、25°〜140°の範囲内である。そのため、逆止弁3の弁体31によって、燃料流出口202から流出する燃料を所望の方向(例えば燃料タンク5の底面52)に良好に案内することができる。これにより、インレットパイプ2の燃料流出口202から燃料タンク5内に流出する燃料の飛散を抑制し、燃料タンク5内でのベーパー発生量を低減するという効果を十分に得られる。
【0041】
また、傾斜角Aは、0°〜45°の範囲内である。この場合には、燃料流出部22における直管部23の傾斜が緩やかとなる。これにより、インレットパイプ2の燃料流出口202から燃料タンク5内に流出する燃料の飛散を十分に抑制し、燃料タンク5内でのベーパー発生量を十分に低減できる。
【0042】
また、傾斜管部24の燃料流出口202に対する逆止弁3の弁体31の最大開き角度Dは、40°以上である。そのため、燃料給油時の燃料流に対する弁体31の抵抗の増大を抑制できる。また、燃料給油時の燃料タンク5内の必要燃料容量を確保できる。
【0043】
また、傾斜管部24は、曲率一定の円弧状に形成されている。そのため、燃料流出部22の傾斜管部24において、燃料流の向きを滑らかに変化させることができる。これにより、インレットパイプ2の燃料流出口202から燃料タンク5内に流出する燃料の飛散をさらに抑制し、燃料タンク5内でのベーパー発生量をより低減できる。
【0044】
また、インレットパイプ2は、パイプ本体部21と、パイプ本体部21と別体で設けられ、パイプ本体部21の一端(下流端)に接続された燃料流出部22とを有している。そのため、所望の形状の燃料流出部22を容易に製造することができる。また、パイプ本体部21と燃料流出部22とを別々の材料で構成することもできる。例えば、本実施形態のように、パイプ本体部21の接続部212を樹脂製とし、燃料流出部22を金属製とすることができる。
【0045】
このように、本実施形態によれば、インレットパイプ2から燃料タンク5内に流出する燃料の飛散を抑制し、燃料タンク5内の圧力上昇を抑制できる、給油性に優れたフューエルフィラーパイプ1を提供することができる。
【0046】
(実施形態2)
本実施形態は、図4に示すように、インレットパイプ2のパイプ本体部21を燃料タンク5に取り付けた例である。
【0047】
同図に示すように、インレットパイプ2のパイプ本体部21は、その全体が金属製であり、実施形態1の接続部212(図1図2参照)を有しない。パイプ本体部21は、燃料タンク5に形成された接続口51に挿通して配置されている。パイプ本体部21の下流端部は、燃料タンク5の接続口51の周辺部において、溶接により燃料タンク5に取り付けられている。燃料流出部22は、その全体が樹脂製であり、燃料タンク5内に配置されている。その他の基本的な構成及び作用効果は、実施形態1と同様である。
【0048】
(実施形態3)
本実施形態は、図5に示すように、インレットパイプ2の構成及び材質を変更した例である。
【0049】
同図に示すように、インレットパイプ2は、その全体が金属製であり、パイプ本体部21と燃料流出部22とを一体的に構成している。インレットパイプ2は、金属パイプからパイプ本体部21と燃料流出部22とを一体成形したものである。その他の基本的な構成は、実施形態2と同様である。
【0050】
本実施形態の場合には、パイプ本体部21及び燃料流出部22を有するインレットパイプ2を金属パイプから容易に成形(一体成形)することができる。これにより、インレットパイプ2の製造が容易となる。その他の基本的な作用効果は、実施形態1、2と同様である。
【0051】
(その他の実施形態)
なお、本発明は、前述の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
【0052】
(1)前述の実施形態では、燃料流出部22の傾斜管部24は、燃料流出口202に向かって水平方向に対する傾斜が連続的に大きくなっているが、例えば、水平方向に対する傾斜が段階的に大きくなっていてもよい。
【0053】
(2)本発明の各構成要素は概念的なものであり、前記実施形態に限定されない。例えば、1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、前記実施形態の構成の少なくとも一部を同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1…フューエルフィラーパイプ
2…インレットパイプ
202…燃料流出口
22…燃料流出部
23…直管部
231…中心軸(直管部の中心軸)
24…傾斜管部
241…中心軸(傾斜管部の中心軸)
3…逆止弁
31…弁体
5…燃料タンク
X…水平方向
図1
図2
図3
図4
図5