【文献】
北村 善洋 他,2段トランスを用いた電磁ノイズによるSQUID特性劣化の抑制,2010年秋季第71回応用物理学会学術講演会講演予稿集,2010年 8月30日,11-101ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記真空断熱容器がガラス製真空断熱デュワと、前記ガラス製断熱デュワに長軸方向において溶接部により接続する二重管構造の中空円筒状のガラス製真空断熱デュワからなり、
前記センサ制御回路が前記二重管構造で中空円筒状のガラス製真空断熱デュワ中に収容されることを特徴とする請求項1に記載の探査装置。
前記センサ制御回路の近傍を通過し、前記液体窒素が気化した蒸発窒素を前記耐圧外囲器の外に排出するとともに、前記センサ制御回路を冷却する蒸発窒素排出管を有することを特徴とする請求項7に記載の探査装置。
前記センサ制御回路の近傍に配置され、前記センサ制御回路を冷却する冷媒を前記耐圧外囲器の外から循環供給する回路冷却用冷媒循環管を有することを特徴とする請求項7に記載の探査装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、本発明者等は海中および坑井内において使用する超電導量子干渉素子用耐圧容器として、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic)を用いた探査装置を用いている(例えば、特願2013−134809号参照)。
【0007】
図10は、本発明者が提案している探査装置の概略的構成図であり、CFRPを焼結した高耐圧フレーム41、先端キャップ部材42及びキャップ部材54を備えた高耐圧容器内に防振発泡ゲル43を介して真空断熱ガラスデュワ44を収容する。この真空断熱ガラスデュワ44に液体窒素45を注入し、この液体窒素45内にプローブ46の先端に取り付けたSQUID47を挿入して浸漬する。
【0008】
一方、通信ケーブル52で接続されたFLL(Flux Locked Loop)回路50や送受信回路51を備えたSQUID制御回路49は、真空断熱ガラスデュワ44の外に配置するクライオスタット構造を用いている。この構造は十分な耐圧性能を有しており、また、SQUID制御回路等の電子回路以外の個々の部品に関しては耐熱温度250℃で構成している。
【0009】
しかし、高耐圧容器を備えた探査装置を200℃環境に投入した場合、断熱保護されていない電子回路部は容易に100℃を超え、破損または動作不良となる。電子回路は通常の部品の保証温度が−20℃〜40℃である。そのため、通常の40℃耐熱の電子回路を、環境温度が40℃を超える環境で使用し続けた場合、電子回路の温度が40℃以上に上昇し、正常な動作が困難になる。
【0010】
ここで、
図11及び
図12を参照して、高耐圧容器を備えた耐圧容器を200℃環境に投入した場合の温度上昇状況を説明する。
図11は、本発明者が提案している探査装置の温度上昇試験の説明図であり、
図10に示した高耐圧容器を用いた探査装置をヒータを備えた加熱炉55内に挿入して、ヒータの温度を200℃まで上昇させて、各部の温度上昇を測定する。
【0011】
図12は、本発明者が提案している探査装置の温度上昇試験結果の説明図であり、ヒータは約100分で設定温度の200℃に到達し、それとともに、高耐圧フレーム、即ち、外壁の温度も約200分で200℃に到達する。一方、FLL回路部は、約30分で40℃を超えてしまう。なお、液体窒素中に浸漬されたSQUID部が250分程度の間は液体窒素の沸点である−196℃近傍の温度を維持し、液体窒素の気化による減少と共に温度が上昇する。また、液体窒素の液面の近傍に配置されている断熱材部は活発に液体窒素が蒸発している場合に−40℃程度まで下がり、その後、周囲の温度上昇にあわせて徐々に温度は上昇し、200分後には50℃に達した。このことは、電子回路をガラスデュワ内に内包することで、温度上昇を抑制できることを示唆している。
【0012】
なお、特に耐熱性能を持たせた素子で電子回路を構成した場合は電子回路の動作温度が―20℃〜80℃のものもある。このような特別な仕様の素子を使うことは回路設計の自由度を阻害し、高価となる上、それでも200℃に耐え得る電子回路の製作は困難である。
【0013】
したがって、特別仕様の素子を用いることなく40℃以上の環境温度で電子回路が動作可能な探査装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
開示する一観点からは、環境温度40℃以上で使用するセンサと、前記センサを制御する制御回路及び送受信回路を含むセンサ制御回路と、前記センサを液体窒素中に浸漬して収容するとともに、前記センサ制御回路を前記液体窒素の液面より上部に収容する真空断熱容器と、前記真空断熱容器を収容する耐圧外囲器とを有することを特徴とする探査装置が提供される。
【発明の効果】
【0015】
開示の探査装置によれば、特別仕様の素子を用いることなく40℃以上の環境温度で電子回路の動作が可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここで、
図1を参照して、本発明の実施の形態の探査装置を説明する。
図1は、本発明の実施の形態の探査装置の説明図である。本発明の探査装置は、環境温度40℃以上で使用するセンサ8と、センサ8を制御する制御回路及び送受信回路を含むセンサ制御回路9と、液体窒素7を収容する真空断熱容器6と、真空断熱容器6を収容する耐圧外囲器1を有している。本発明においては、センサ8及びセンサ制御回路9は真空断熱容器6内に収容され、センサ8は液体窒素7中に浸漬して収容するとともに、センサ制御回路9は液体窒素7の液面より上部に収容する。なお、センサ8としては、高温超電導SQUID(量子干渉計)が典型的なものである。
【0018】
耐圧外囲器1は、中空円筒状フレーム2と、先端キャップ部材3と後端キャップ部材4を備えている。この中空円筒状フレーム2は、非磁性のものであれば良いが、環境耐圧が10MPaの部材、特に、CFRP焼結体で形成した中空円筒状フレームが望ましい。また、先端キャップ部材3及び後端キャップ部材4は耐熱温度が200℃以上の素材で形成することが望ましく、例えば、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)剤やPPS(ポリフェニルサルファイド)、RENY(結晶性エンジニアリングプラスチック:登録商標)等の耐熱性の高いプラスチックが望ましい。
【0019】
真空断熱容器6としては、ステンレス製真空断熱デュワでも良いし、ガラス製真空断熱デュワでも良い。ステンレス製真空断熱デュワの場合には、設計形状の自由度が大きいとともに機械的強度は十分であるものの、断熱性が十分ではない。一方、ガラス製真空断熱デュワの場合には断熱性は十分であるもものの、設計形状の自由度が小さいとともに機械的強度が十分ではなく、100cm以上の長さのガラス製真空断熱デュワを製造することは困難である。
【0020】
また、断熱性を高めるために、液体窒素7の液面の上部に断熱材10を設けても良い。この断熱材10としてはスタイロフォームやメラミンフォームを用いれば良い。さらに、断熱性を高めるためには、センサ制御回路9の上方及び下方にガラス製の二重管構造の中空円筒状の真空断熱部材を設けても良い。これらのガラスには、パイレックス(登録商標)の他、石英ガラスなどを使用することができる。この場合、真空断熱容器6がガラス製真空断熱デュワの場合には、センサ制御回路9が過剰に冷却される可能性があるので、センサ制御回路9の近傍に温度制御用加熱手段を設けても良い。
【0021】
また、100cm以上の長さの断熱性に優れた真空断熱用器6を形成するためには、2つの真空断熱デュワを用いた分離構造にする。例えば、液体窒素7を収容するガラス製真空断熱デュワに、このガラス製断熱デュワに長軸方向において二重管構造の中空円筒状のステンレス製真空断熱デュワを接続させても良い。この場合には、センサ制御回路9は二重管構造の中空円筒状のステンレス製真空断熱デュワ中に収容する。
【0022】
或いは、液体窒素7を収容するガラス製真空断熱デュワに、このガラス製断熱デュワに長軸方向に二重管構造の中空円筒状のガラス製真空断熱デュワを溶接により接続しても良い。この場合には、センサ制御回路9は、二重管構造の中空円筒状のガラス製真空断熱デュワ中に収容する。これらの分離構造の場合には、貫通真空断熱デュワの内径をガラス製真空断熱デュワの内径より大きくしても良く、貫通真空断熱デュワ内に蒸発窒素排気管や冷却用冷媒循環管を設ける場合に、配置自由度を大きくすることができる。
【0023】
真空断熱容器6が長くなると、液体窒素7の液面より上部に収容したセンサ制御回路9の温度が上昇しやすくなる。そこで、センサ制御回路の近傍を通過するように、液体窒素7が気化した蒸発窒素を耐圧外囲器1の外に排出するとともに、センサ制御回路9を冷却する蒸発窒素排出管を設けても良い。
【0024】
或いは、センサ制御回路9の近傍にセンサ制御回路9を冷却する冷媒を耐圧外囲器1の外から循環供給する回路冷却用冷媒循環管を設けても良い。或いは、最近は200℃の環境で動作するペルチェ効果素子が登場したので、センサ制御回路9に、ペルチェ効果素子を接触させた状態で固定して必要に応じてセンサ制御回路9を冷却しても良い。なお、センサ制御回路9の近傍が適正動作温度より低い場合には、ペルチェ効果素子に流す電流の向きを逆にして加熱するようにしても良い。
【0025】
このように、本発明の実施の形態においては、真空断熱容器6の内部にセンサ制御回路9を収容しているので、環境温度が40℃以上であっても、動作保証温度が−20℃〜40℃の通常の電子回路を用いたセンサ制御回路9が適正に動作する。
【0026】
その結果、高温超電導SQUIDを含む地下資源探査および地中モニタリング用センサが40℃以上の高温の環境下でも駆動できる高耐圧耐熱クライオスタットを提供することができる。延いては、石油、天然ガス、EOR(石油増進回収技術)をはじめとする資源、エネルギー分野へ極めて高い技術的貢献をすることができる。
【実施例1】
【0027】
次に、
図2を参照して、本発明の実施例1の探査装置を説明する。
図2は本発明の実施例1の探査装置の概略的構成図であり、CFRP焼結体からなる高耐圧フレーム11に先端キャップ部材12をネジ嵌合部及びOリング(いずれも図示は省略)を介して嵌合して高耐圧外囲器を形成する。この高耐圧外囲器内に防振発泡ゲル13を介してステンレス真空デュワ14を挿入する。このステンレス真空デュワ14内に液体窒素15を注入し、この液体窒素15中に、プローブ16の先端に取り付けられたSQUID17を浸漬する。
【0028】
また、液体窒素15の液面の上部をスタイロフォームを用いた断熱材18で断熱し、ステンレス真空デュワ14の断熱材18より上の領域に、FLL回路20及び送受信回路21を含むSQUID制御回路19を配置して通信ケーブル22で接続する。次いで、断熱シール材23を介してキャップ部材24をネジ嵌合部及びOリング(いずれも図示は省略)を利用して嵌合する。
【0029】
このように、本発明の実施例1においては、ステンレス真空デュワ14の液体窒素15の液面より上部にSQUID制御回路19を収容しているので、環境温度が40℃以上に上昇しても、SQUID制御回路19の温度を通常の電子回路の動作保証温度である−20℃〜40℃に保つことができる。
【0030】
また、真空断熱容器としてステンレス真空デュワを用いているので、設計形状に自由度があり、取り扱いも容易になる。一方、熱の回り込みはガラスデュワには劣るため、比較的低温環境での使用に向いている。
【実施例2】
【0031】
次に、
図3を参照して、本発明の実施例2の探査装置を説明する。
図3は本発明の実施例2の探査装置の概略的構成図であり、CFRP焼結体からなる高耐圧フレーム11に先端キャップ部材12をネジ嵌合部及びOリング(いずれも図示は省略)を介して嵌合して高耐圧外囲器を形成する。この高耐圧外囲器内に防振発泡ゲル13を介してステンレス真空デュワ14を挿入する。このステンレス真空デュワ14内に液体窒素15を注入し、この液体窒素15中に、プローブ16の先端に取り付けられたSQUID17を浸漬する。
【0032】
また、液体窒素15の液面の上部をメラミンフォームを用いた断熱材18で断熱し、ステンレス真空デュワ14の断熱材18より上の領域に、FLL回路20及び送受信回路21を含むSQUID制御回路19を配置して通信ケーブル22で接続する。次いで、断熱シール材23を介してキャップ部材24をネジ嵌合部及びOリング(いずれも図示は省略)を利用して嵌合する。この時、SQUID制御回路19を上下から挟み込むように、ガラス製の二重管構造で中空円筒状の真空断熱部材25,26を設ける。
【0033】
このように、本発明の実施例2においても、ステンレス真空デュワ14の液体窒素15の液面より上部にSQUID制御回路19を収容しているので、環境温度が40℃以上に上昇しても、SQUID制御回路19の温度を通常の電子回路の動作保証温度である−20℃〜40℃に保つことができる。
【0034】
また、SQUID制御回路19を上下から挟み込むように、ガラス製の二重管構造で中空円筒状の真空断熱部材25,26を設けて、SQUID制御回路19の配置領域の断熱性を向上している。その結果、環境温度が上昇しても、SQUID制御回路19の温度上昇をより効率的に抑制することができる。
【実施例3】
【0035】
次に、
図4を参照して、本発明の実施例3の探査装置を説明するが、この実施例3は上記の実施例2のステンレス真空デュワを真空断熱ガラスデュワに置き換えるとともに、SQUID制御回路の近傍にヒータを設けたものである。
図4は本発明の実施例3の探査装置の概略的構成図であり、CFRP焼結体からなる高耐圧フレーム11に先端キャップ部材12をネジ嵌合部及びOリング(いずれも図示は省略)を介して嵌合して高耐圧外囲器を形成する。この高耐圧外囲器内に防振発泡ゲル13を介して真空断熱ガラスデュワ27を挿入する。この真空断熱ガラスデュワ27内に液体窒素15を注入し、この液体窒素15中に、プローブ16の先端に取り付けられたSQUID17を浸漬する。
【0036】
また、液体窒素15の液面の上部をメラミンフォームを用いた断熱材18で断熱し、真空断熱ガラスデュワ27の断熱材18より上の領域に、FLL回路20及び送受信回路21を含むSQUID制御回路19を配置して通信ケーブル22で接続する。次いで、断熱シール材23を介してキャップ部材24をネジ嵌合部及びOリング(いずれも図示は省略)を利用して嵌合する。この時、SQUID制御回路19を上下から挟み込むように、ガラス製の二重管構造で中空円筒状の真空断熱部材25,26を設けるとともに、SQUID制御回路19の近傍に温度制御用ヒータ28を配置する。
【0037】
この実施例3においては、上述の実施例1に比べてより環境温度の高い状況で使用することを前提としているので、先端キャップ部材12としては、耐熱温度が260℃のPPS製の先端キャップ部材を用いる。また、その他の防振発泡ゲル13や断熱シール材23等としても、耐熱温度が200℃以上の素材を用いる。
【0038】
このように、本発明の実施例3においても、真空断熱ガラスデュワ27の液体窒素15の液面より上部にSQUID制御回路19を収容しているので、環境温度が40℃以上に上昇しても、SQUID制御回路19の温度を通常の電子回路の動作保証温度である−20℃〜40℃に保つことができる。
【0039】
但し、断熱性が良好であるため、SQUID制御回路19の配置領域の温度が電子回路の適正動作温度より下がりすぎる虞がある。その場合には、温度制御用ヒータ28により加熱して、SQUID制御回路19を訂正動作温度の範囲に保つことができる。
【実施例4】
【0040】
次に、
図5を参照して、本発明の実施例4の探査装置を説明するが、真空断熱容器を2段階の分離構造にしたものである。
図5は本発明の実施例4の探査装置の概略的構成図であり、CFRP焼結体からなる高耐圧フレーム11に先端キャップ部材12をネジ嵌合部及びOリング(いずれも図示は省略)を介して嵌合して高耐圧外囲器を形成する。この高耐圧外囲器内に防振発泡ゲル13を介して真空断熱ガラスデュワ29を挿入するとともに、二重管構造の貫通真空断熱ステンレスデュワ30を真空断熱ガラスデュワ29の上部に接合する。この真空断熱ガラスデュワ29内に液体窒素15を注入し、この液体窒素15中に、プローブ16の先端に取り付けられたSQUID17を浸漬する。
【0041】
また、液体窒素15の液面の上部をメラミンフォームを用いた断熱材18で断熱し、貫通真空断熱ステンレスデュワ30内に、FLL回路20及び送受信回路21を含むSQUID制御回路19を配置して通信ケーブル22で接続する。次いで、断熱シール材23を介してキャップ部材24をネジ嵌合部及びOリング(いずれも図示は省略)を利用して嵌合する。
【0042】
この実施例4においても、上述の実施例1に比べてより環境温度の高い状況で使用することを前提としているので、先端キャップ部材12としては、耐熱温度が260℃のPPS製の先端キャップ部材を用いる。また、その他の防振発泡ゲル13や断熱シール材23等としても、耐熱温度が200℃以上の素材を用いる。
【0043】
真空断熱ガラスデュワは端部のみで内側のガラスと外側のガラスを結合した構造であるため、長さ方向に大型になると強度的に弱くなる。例えば外径55mm、内径40mmのガラスデュワでは、長さ1mが限界である。しかし、本発明の実施例4においては、貫通真空断熱ステンレスデュワ30を用いて分離構造にしているので、1m以上の長い真空断熱容器を作成することができる。
【0044】
また、分離構造にしているので、メンテナンスが容易になる。また、SQUID制御回路19の配置部とプローブ16の配置部の断熱容器の径を変えることも容易になり、クライオスタットの設計自由度が広がる。なお、その他の作用効果は上記の実施例1と同様である。
【実施例5】
【0045】
次に、
図6を参照して、本発明の実施例5の探査装置を説明するが、真空断熱容器をガラス製の2段階の分離構造にしたものである。
図6は本発明の実施例5の探査装置の概略的構成図であり、CFRP焼結体からなる高耐圧フレーム11に先端キャップ部材12をネジ嵌合部及びOリング(いずれも図示は省略)を介して嵌合して高耐圧外囲器を形成する。この高耐圧外囲器内に防振発泡ゲル13を介して真空断熱ガラスデュワ29と貫通真空断熱ガラスデュワ31を溶接部32で溶接して一体化した真空断熱容器を挿入する。この真空断熱ガラスデュワ29内に液体窒素15を注入し、この液体窒素15中に、プローブ16の先端に取り付けられたSQUID17を浸漬する。
【0046】
また、液体窒素15の液面の上部をメラミンフォームを用いた断熱材18で断熱し、貫通真空断熱ガラスデュワ31内に、FLL回路20及び送受信回路21を含むSQUID制御回路19を配置して通信ケーブル22で接続する。次いで、断熱シール材23を介してキャップ部材24をネジ嵌合部及びOリング(いずれも図示は省略)を利用して嵌合する。
【0047】
この実施例5においても、上述の実施例1に比べてより環境温度の高い状況で使用することを前提としているので、先端キャップ部材12としては、耐熱温度が260℃のPPS製の先端キャップ部材を用いる。また、その他の防振発泡ゲル13や断熱シール材23等としても、耐熱温度が200℃以上の素材を用いる。
【0048】
また、真空断熱容器を真空断熱ガラスデュワ29と貫通真空断熱ガラスデュワ31とを溶接して形成しているので、1m以上の長さの真空断熱容器を実現することができる。また、上段部を貫通真空断熱ガラスデュワで形成しているので、上記の実施例4に比べてSQUID制御回路19の配置部の断熱性をより向上することができる。
【実施例6】
【0049】
次に、
図7を参照して、本発明の実施例6の探査装置を説明するが、実施例6は上記の実施例5に蒸発窒素排出管を設けたもので、その他の構造は上記の実施例5と同様である。
図7は本発明の実施例6の探査装置の概略的構成図であり、CFRP焼結体からなる高耐圧フレーム11に先端キャップ部材12をネジ嵌合部及びOリング(いずれも図示は省略)を介して嵌合して高耐圧外囲器を形成する。この高耐圧外囲器内に防振発泡ゲル13を介して真空断熱ガラスデュワ29と貫通真空断熱ガラスデュワ31を溶接部32で溶接して一体化した真空断熱容器を挿入する。この真空断熱ガラスデュワ29内に液体窒素15を注入し、この液体窒素15中に、プローブ16の先端に取り付けられたSQUID17を浸漬する。
【0050】
また、液体窒素15の液面の上部をメラミンフォームを用いた断熱材18で断熱し、貫通真空断熱ガラスデュワ31内に、FLL回路20及び送受信回路21を含むSQUID制御回路19を配置して通信ケーブル22で接続する。次いで、断熱シール材23を介してキャップ部材24をネジ嵌合部及びOリング(いずれも図示は省略)を利用して嵌合する。
【0051】
この実施例6においては、液体窒素15が蒸発して低温窒素を高耐圧容器外に排出するための蒸発窒素排出管33をSQUID制御回路19の配置部においてコイル状に巻回した形状にする。蒸発した低温窒素は蒸発窒素排出管33を通過する途中でSQUID制御回路19を適正動作温度に効率的に冷却することができる。なお、蒸発窒素排出管33の形状は、コイル状に巻回した形状でも、蛇行した形状でも良い。
【0052】
高温環境でシステムを長時間運用させるためには、断熱とともに廃熱も重要である。SQUIDの場合は否応無しに液体窒素を内包しているが、センサそのものが低温への冷却を必要としない場合でも、液体窒素をあえて内包させ、廃熱に利用することが可能である。SQUIDの場合のように、自然蒸発の窒素を利用する場合の他、温度制御のために液体窒素内にヒータを入れ、強制的に蒸発させて冷却を行うことも可能である。
【0053】
蒸発窒素排出管33には銅、アルミ、真鍮など、熱伝導に優れた非磁性金属、またはカーボンチューブなどを用いることができる。さらに、配管を巡らす方法の他、回路に対してノズル構造を設け、効率的に冷却を促すようにしても良い。
【実施例7】
【0054】
次に、
図8を参照して、本発明の実施例7の探査装置を説明するが、実施例7は上記の実施例5に外部から冷媒を提供する回路冷却用冷媒循環管を設けたもので、その他の構造は上記の実施例5と同様である。
図8は本発明の実施例7の探査装置の概略的構成図であり、CFRP焼結体からなる高耐圧フレーム11に先端キャップ部材12をネジ嵌合部及びOリング(いずれも図示は省略)を介して嵌合して高耐圧外囲器を形成する。この高耐圧外囲器内に防振発泡ゲル13を介して真空断熱ガラスデュワ29と貫通真空断熱ガラスデュワ31を溶接部32で溶接して一体化した真空断熱容器を挿入する。この真空断熱ガラスデュワ29内に液体窒素15を注入し、この液体窒素15中に、プローブ16の先端に取り付けられたSQUID17を浸漬する。
【0055】
また、液体窒素15の液面の上部をメラミンフォームを用いた断熱材18で断熱し、貫通真空断熱ガラスデュワ31内に、FLL回路20及び送受信回路21を含むSQUID制御回路19を配置して通信ケーブル22で接続する。次いで、断熱シール材23を介してキャップ部材24をネジ嵌合部及びOリング(いずれも図示は省略)を利用して嵌合する。
【0056】
この実施例7においては、外部から冷媒を循環供給する回路冷却用冷媒循環管34をSQUID制御回路19の配置部においてコイル状に巻回した形状にする。この回路冷却用冷媒循環管34内に冷媒として純水を循環させることによって、SQUID制御回路19を適正動作温度に効率的に冷却することができる。なお、回路冷却用冷媒循環管34の形状は、コイル状に巻回した形状でも、蛇行した形状でも良い。
【0057】
回路冷却用冷媒循環管34には銅、アルミ、真鍮など、熱伝導に優れた非磁性金属、またはカーボンチューブなどを用いることができる。また、冷媒としては、純水の他に、錆止め材を添加した純水等を用いても良い。
【0058】
液体窒素に対する断熱性能を向上させれば、それだけ蒸発窒素は少なくなり、回路の冷却を行うために十分な窒素を確保できない場合も生じる。しかし、本発明の実施例7においては、回路冷却用冷媒循環管34を設けて地上からの冷媒を送り込んで循環させているので、構造的には複雑になるが、最も長時間耐熱性を保証することができる。
【実施例8】
【0059】
次に、
図9を参照して、本発明の実施例8の探査装置を説明するが、実施例8は上記の実施例5におけるSQUID制御回路にペルチェ効果素子を固着したもので、その他の構造は上記の実施例5と同様である。
図9は本発明の実施例8の探査装置の概略的構成図であり、CFRP焼結体からなる高耐圧フレーム11に先端キャップ部材12をネジ嵌合部及びOリング(いずれも図示は省略)を介して嵌合して高耐圧外囲器を形成する。この高耐圧外囲器内に防振発泡ゲル13を介して真空断熱ガラスデュワ29と貫通真空断熱ガラスデュワ31を溶接部32で溶接して一体化した真空断熱容器を挿入する。この真空断熱ガラスデュワ29内に液体窒素15を注入し、この液体窒素15中に、プローブ16の先端に取り付けられたSQUID17を浸漬する。
【0060】
また、液体窒素15の液面の上部をメラミンフォームを用いた断熱材18で断熱し、貫通真空断熱ガラスデュワ31内に、FLL回路20及び送受信回路21を含むSQUID制御回路19を配置して通信ケーブル22で接続する。次いで、断熱シール材23を介してキャップ部材24をネジ嵌合部及びOリング(いずれも図示は省略)を利用して嵌合する。
【0061】
この実施例8においては、FLL回路20及び送受信回路21にペルチェ効果素子35,36を固着してFLL回路20及び送受信回路21を適宜冷却する。近年、200℃以上の環境温度下でも動作可能なペルチェ効果素子が登場しているので、このような高温動作可能なペルチェ効果素子を用いることで、200℃以上の環境温度下においても、SQUID制御回路19を適正動作温度に保持することができる。その結果、長時間耐熱性を保証することができる。