特許第6374270号(P6374270)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6374270
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】印刷が施されてなる積層布帛
(51)【国際特許分類】
   D06M 17/00 20060101AFI20180806BHJP
   D04H 3/11 20120101ALI20180806BHJP
   B32B 5/26 20060101ALI20180806BHJP
【FI】
   D06M17/00 H
   D04H3/11
   B32B5/26
【請求項の数】6
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-171708(P2014-171708)
(22)【出願日】2014年8月26日
(65)【公開番号】特開2016-44381(P2016-44381A)
(43)【公開日】2016年4月4日
【審査請求日】2017年8月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004503
【氏名又は名称】ユニチカ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】松永 篤
(72)【発明者】
【氏名】村社 咲希
(72)【発明者】
【氏名】南村 昇
【審査官】 小石 真弓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−197539(JP,A)
【文献】 特開2012−132117(JP,A)
【文献】 特許第5309268(JP,B1)
【文献】 特開平8−232152(JP,A)
【文献】 特開平10−183451(JP,A)
【文献】 特表2013−540613(JP,A)
【文献】 特開2002−161479(JP,A)
【文献】 特開昭61−252339(JP,A)
【文献】 特開2005−009008(JP,A)
【文献】 特開2013−241718(JP,A)
【文献】 特開昭53−061766(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06M 17/00
B32B 5/26
D04H 1/00−18/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アトラス編により構成された開口部を有するメッシュ状の経編地からなる表面層と、
前記経編地の片面に積層一体化した短繊維ウェブからなる裏面層により構成される積層布帛であって、
経編地は、マルチフィラメント糸により構成され、
短繊維ウェブは、コットン繊維を主体とする短繊維により構成され、
経編地と短繊維ウェブとは、短繊維ウェブを構成する短繊維が経編地を構成するマルチフィラメント糸に絡むことにより一体化しており、
短繊維ウェブは、短繊維ウェブを構成する短繊維同士が互いに交絡することにより形態を保持してなり、
短繊維同士の交絡および短繊維の経編地への交絡は、高圧水流が施されることによってなされたものであり、
短繊維ウェブにおいて、経編地の開口部に存在する短繊維の量に比べて、経編地のマルチフィラメント糸が存在する箇所に存在する短繊維の量が少なく、
経編地の開口部内に押し込められた短繊維が表面側に露出してなる積層布帛であり、
該積層布帛の表面側に顔料による印刷が施されており、該印刷は、積層布帛表面に印刷用の表面処理が施されることなく、積層布帛表面に直接印刷がなされたものであり、表面層である経編地および経編地の開口部分において表面側に露出してなる短繊維ウェブ表面に印刷が施されていることを特徴とする印刷が施されてなる積層布帛。
【請求項2】
積層布帛表面に施された印刷が、インクジェット捺染方式による印刷であることを特徴とする請求項1記載の印刷が施されてなる積層布帛
【請求項3】
交絡のための高圧水流は、短繊維ウェブ側からのみ施されたものであることを特徴とする請求項1または2記載の印刷が施されてなる積層布帛。
【請求項4】
経編地が、2枚の筬が用いられて編成されてなり、フロント筬およびバック筬がいずれも2イン2アウトでそれぞれのマルチフィラメント糸が供給されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の印刷が施されてなる積層布帛。
【請求項5】
短繊維不織ウェブの目付が、30〜150g/mであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の印刷が施されてなる積層布帛。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかの積層布帛によって構成されるインテリア用品の表装材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布帛と短繊維ウェブ層とが積層されて一体化してなる積層布帛に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、建築物の内装や自動車等の乗り物の内装材として不織布や織物等の繊維製品からなる布帛が多く用いられている。例えば、特許文献1には、建物、船舶、車両等の天井材や壁面材その他の内装材、家具やパーテイション等の屋内装置品の表面材等に適した二重布帛が紹介されている。しかし、織物であることからクッション性に乏しい。
【0003】
また、特許文献2には、車両用成型天井に関するものであり、表装材であるトリコットとその裏面側に積層する天井基材との間に不織布を積層し、トリコットと不織布とが、トリコットの表面側よりニードリングによって一体化してなる成形天井が開示されている。この構成によって、表装材となるトリコットの外観が向上すると記載されている。この技術によれば、ウレタン樹脂シート等のバッキング材を必要としないため、樹脂による表装側への染み出しの恐れはないが、表装側よりニードリングするため、ニードリングによる孔が形成され、また、部分的に裏面の不織布が表装部に飛び出すため、外観的に良好であるとはいい難い。
【0004】
また、外観の意匠性を向上させる方法として、表面に印刷を施すことが挙げられる。しかし、不織布等の布帛は、繊維径による凹凸が必ず存在するため、その状態で印刷基材として用いることはできない。なぜなら、表面が平滑ではなく凹凸が存在するため、よほど大柄で単純なデザインでなければ、デザインや文字の線が正確に印刷されず鮮明性に劣るからである。そのため、不織布等の布帛に印刷する場合は、印刷面に目止め層を設けることにより表面を平滑にし、さらにインキ定着層を設けて印刷がなされている。しかしながら、凹凸をなくすために樹脂コーティングによる目止め層を設ける方法では、繊維の風合いや柔軟性、表面外観が失われてしまい、繊維独特の暖かみのある素材感が失われてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−247787号公報
【特許文献2】特開2000−95036号公報 請求項2、0013
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、意匠性を具備する良好な外観を呈しながら、クッション性も併せ持ち、かつインテリア用品の表装材に好適に用いることができる積層布帛を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、アトラス編により構成された開口部を有するメッシュ状の経編地からなる表面層と、
前記経編地の片面に積層一体化した短繊維ウェブからなる裏面層により構成される積層布帛であって、
経編地は、マルチフィラメント糸により構成され、
短繊維ウェブは、コットン繊維を主体とする短繊維により構成され、
経編地と短繊維ウェブとは、短繊維ウェブを構成する短繊維が経編地を構成するマルチフィラメント糸に絡むことにより一体化しており、
短繊維ウェブは、短繊維ウェブを構成する短繊維同士が互いに交絡することにより形態を保持してなり、
短繊維同士の交絡および短繊維の経編地への交絡は、高圧水流が施されることによってなされたものであり、
短繊維ウェブにおいて、経編地の開口部に存在する短繊維の量に比べて、経編地のマルチフィラメント糸が存在する箇所に存在する短繊維の量が少なく、
経編地の開口部内に押し込められた短繊維が表面側に露出してなる積層布帛であり、
該積層布帛の表面側に顔料による印刷が施されており、該印刷は、積層布帛表面に印刷用の表面処理が施されることなく、積層布帛表面に直接印刷がなされたものであり、表面層である経編地および経編地の開口部分において表面側に露出してなる短繊維ウェブ表面に印刷が施されていることを特徴とする印刷が施されてなる積層布帛を要旨とする。
【0008】
以下、本発明について、詳細に説明する。
【0009】
本発明の積層布帛は、メッシュ状の経編地からなる表面層と、前記経編地の片面に積層一体化した短繊維ウェブからなる裏面層により構成される。
【0010】
本発明に用いられる経編地は、アトラス編により編成され、メッシュ状の開口を有する。具体的には、編機を用い、2枚の筬を用いて編成される。例えば、フロント筬に供給された糸が左側の針へ所定針本数分振られた後に、右側へ所定針本数分振られて往復運動する。一方、バック筬に供給された糸は右側へ所定針本数分振られた後に、左側へ所定針本数分振られて往復運動する。フロント筬とバック筬が、それぞれジグザグに逆方向に往復運動することにより、菱形状の開口が形成される。往復する針の数は、開口の大きさを決定する要因にもなる。編機のゲージや供給する糸の太さにもよるが、本発明においては、フロント筬およびバック筬における針の振り数は、4〜8本であることが好ましい。このときの編機のゲージは28〜32ゲージが好ましい。針の振り数が4未満であると、開口の大きさが小さくなるため、開口を設ける効果を十分に奏せず、意匠性を発揮しにくい。一方、針の振り数が8本を超えると、開口が大きくなるため、短繊維ウェブを構成する短繊維が経編地の開口部から経編地よりも表側に飛び出しやすく、そうすると積層布帛の表面を構成する編地が、短繊維によって所々覆われる箇所が存在することとなり、経編地によるメッシュ状の外観が短繊維によって部分的に覆われることにより損なわれ、積層布帛の外観を損ねる恐れがある。
【0011】
本発明においては、フロント筬とバック筬に、編地を構成する糸をそれぞれ2イン2アウトで供給して編成することが好ましい。2イン2アウトで供給することにより、開口を構成する菱形状の各辺が2本の編目によって構成され、経編地の形態が安定する効果があるとともに、短繊維がより経編地を構成する糸に良好に絡みやすく、経編地よりも表側に短繊維が飛び出し表面側からの編目を短繊維に覆いにくい。
【0012】
本発明における経編地は、マルチフィラメント糸によって構成される。マルチフィラメント糸は、複数の連続繊維によって1本の糸が構成されているため、短繊維ウェブを構成する短繊維が、マルチフィラメント糸によって構成されてなる編目部分に良好に絡むことができる。マルチフィラメント糸の総繊度は、60〜110dtex程度が好ましく、構成繊維数は、15〜40フィラメント程度が好ましい。
【0013】
次に、経編地の片面に積層一体化してなる短繊維ウェブからなる裏面層について説明する。短繊維ウェブは、主としてコットン繊維によって構成されるが、その他のレーヨン短繊維、リヨセル短繊維、ポリエステル短繊維、ポリアミド短繊維等が若干量含まれていてもよい。裏面層を構成する短繊維ウェブの構成繊維は、経編地を構成するマルチフィラメント糸へ絡みついている。この交絡は、短繊維ウェブ側から高圧水流を施すことにより形成される。また、短繊維ウェブを構成する短繊維同士も交絡することにより、形態を保持している。短繊維同士の交絡も、短繊維ウェブ側から高圧水流を施すことにより形成されたものである。この高圧水流は、一般的に、孔径0.05〜2.0mmの噴射孔が、噴射間隔0.05〜10mmで一列または複数列配列されてなる噴射装置を用いて、2〜10MPaの圧力で水が噴射されて得られるものである。
【0014】
積層布帛は、以下のような製造工程を経ることにより得ることができる。まず、前記した経編地を準備する。そして、経編地に、主としてコットン繊維が集積されてなる短繊維ウェブを積層する。この二層積層ウェブに、短繊維ウェブ側から高圧水流を施して、短繊維ウェブを構成している短繊維と経編地を構成するマルチフィラメント糸とを交絡するとともに、短繊維同士を交絡させ、二層が一体化した積層物を得る。
【0015】
また、高圧水流が施されることにより、短繊維は、移動しながら交絡する。すなわち、経編地の編目が存在する箇所から開口部へ移動しやすく、開口部に押し込められる。この移動によって、開口部に存在する短繊維の量が増え、開口部に存在する短繊維の量に比べて、経編地のマルチフィラメント糸が存在する箇所(編目部分)に存在する短繊維の量が少なくなる。短繊維が開口部に押し込められることから、得られた積層布帛の表側からの外観は、編地の編目部分と、開口部に押し込められた短繊維が菱形の開口から露出しかつ盛り上がったような部分とが観察され、マルチフィラメント糸により構成される編目部分と開口部分に押し込められて存在する短繊維ウェブの部分とのコントラストによって、美観性を有する積層布帛となる。本発明の積層布帛は、メッシュ状の経編地と、メッシュ状の開口部分からは短繊維ウェブの存在が良好に確認できるため、経編地と短繊維ウェブとの素材の違いから、良好な外観を呈する。
【0016】
短繊維ウェブの目付は、積層布帛の用途に応じて適宜選択すればよいが、表面からの外観、クッション性、吸湿性や吸音性を考慮して、例えば、30〜150g/mであることが好ましい。
【0017】
本発明の積層布帛の表面側に顔料による印刷が施されている。印刷は、意匠性を考慮した各種模様や絵柄等のデザインであっても、文字や商標等が印刷されたものであっても、どんなものであってもよい。
【0018】
従来から、一般に、印刷される基材(被印刷物)は、表面が平滑であることが要される。表面が平滑でなく、凹凸が存在すると、デザインや文字の線が明瞭に印刷できず鮮明性に劣ってしまい、所望の印刷を施すことができないからである。また、例えば、不織布を被印刷物とする場合は、不織布が多数の繊維を堆積したものであるため、できる限り均一に堆積させたとしても、不織布表面には、構成繊維の繊維径による凹凸が生じることは避けられず、さらには、不織布表面に繊維が毛羽として発生することもあるため、鮮明な印刷を要する場合には、通常、不織布の印刷面には印刷用の表面処理、すなわち、表面平滑にするために目止め層(アンダーコート層)を設けて印刷する、あるいは、目止め層の上にさらにインキ定着層を設けて印刷することが行われている。本発明においては、積層布帛の表面側である、経編地による編目および経編地の開口部に押し込まれて裏面層から表面側へ開口部内にて露出してなる短繊維ウェブに印刷する。このとき、編目を構成するマルチフィラメント糸による凹凸や、編目と開口部に存在する短繊維ウェブとの凹凸、また開口部内における短繊維ウェブの構成繊維同士間による凹凸や毛羽を有するような状態の布帛表面に印刷するものであるが、目止め層を設ける等の印刷用の表面処理を施すことなく、積層布帛の上に直接印刷を施す。直接印刷を施すことにより、布帛の本来の風合いや柔軟性、コットン繊維独特の温かみのある表面観を保持することができるのである。
【0019】
本発明においては、積層布帛の上に直接印刷を施すが、インクジェット捺染方式による印刷を採用する。具体的には、長瀬産業社のデジタル捺染システム「DENATEX(デナテックス)」を採用し、積層布帛の表面に印刷用の表面処理を施さず、直接印刷を行う。このデジタル捺染システムによれば、後処理として必須であった蒸気処理や水洗処理も不要となる。よって、積層布帛表面に、直接、印刷した後、熱処理をするだけで繊維製品独自の風合いを維持した状態で、鮮明な柄や文字を捺染することができる。また、被印刷物の表面に凹凸を有している場合であっても、鮮明な印刷が可能である。
【0020】
印刷方法として、具体的には、長瀬産業社のデジタル捺染システム「DENATEX(デナテックス)」を用いて、所望のデジタル画像をインクジェット捺染方式で、積層布帛表面に直接印刷し、その後、インクの定着と発色をより鮮明にするために、乾燥機にて乾燥する。乾燥機は、ピンテンター付き乾燥機、加熱ロール接触型の乾燥機等、一般に布帛の加工において乾燥目的で使用されている設備を使用すればよい。乾燥温度としては、インク定着と発色をさせるために、120℃〜150℃の範囲がよい。
【0021】
この印刷処理により、表面層である経編地および経編地の開口部分において表面側に露出してなる短繊維ウェブ表面に明瞭な印刷が施され、意匠性が格段に向上する。
【0022】
本発明の印刷が施された積層布帛は、経編地を表側面として使用する様々な用途に好適に用いることができる。特に、インテリア用品の表装材に好適に用いることができる。インテリア用品としては、人の居住空間である住まいやオフィス、公共の建物、あるいは車両や船舶等の乗り物等における天井材や壁面材その他の内装材、家具表面やパーテイション等の屋内装置品の表装材等に好適である。また、経編地は、メッシュ状であるため、一定の伸びを有し、裏面層である短繊維ウェブもまた、短繊維同士が交絡することにより一体化したものであるため、伸びやすいため、立体成型にも適する。このように、立体成型に適しているため、天井基材と接着剤等を介して積層して、天井材の表装材として好適に用いることができる。このとき、裏面のコットン繊維を主体とする短繊維ウェブが存在しているため、クッション性や嵩高性に優れるため、接着剤を吸収しやすく、表側に接着剤が染み出して外観を損ねるという恐れがないため好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、メッシュ状の織物の良好な外観を保持しながら、裏面層の短繊維がメッシュの開口部に裏側から押し込まれた形状を呈しており、表面から観察した際に、両者の構造の違い、コントラストによって、より良好な外観を呈する積層布帛を得ることができ、かつ、布帛表面に印刷用の表面処理を施すことなく、直接印刷したものであるため、繊維独特の風合いが保持され、さらに意匠性や美観性が向上する。
【実施例】
【0024】
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0025】
実施例
平均繊維長25mmのコットン繊維を用意し、パラレルカード機で開繊および集積してなる目付30g/mの短繊維ウエブを準備した。
一方、メッシュ状の経編地として、アトラス編のメッシュ状経編地(桐生トリコット社製 ♯390 ベージュ色に染色された編地)を準備した。このメッシュ状経編地は、カールマイヤー社製トリコット編機(32ゲージ、筬数2)を用い、ポリエステルマルチフィラメント糸(84dtex/24f)を、フロント筬に10/23/45/32の筬振り組織とし、バック筬に45/32/10/23の筬振り組織とし、いずれも2イン2アウトの糸配列として編成したものである。
【0026】
経編地に短繊維ウェブを積層し、経編地側がコンベア側となるように、#90メッシュのプラスチックワイヤー製コンベア上に担持して、短繊維ウェブ側から高圧水流を付与した。高圧水流は、1MPaの噴射圧力で予備処理した後、5MPaの噴射圧力で2回処理した。その後、乾燥させて積層布帛を得た。
【0027】
得られた積層布帛は、経編地と短繊維ウェブとが、短繊維が経編地を構成するマルチフィラメント糸に絡むことによって良好に一体化しており、また、経編地の開口部に短繊維が押し込まれて、経編地の開口部に存在する短繊維の量が、経編地の編目部分に存在する短繊維の量よりも多く、また、表側(経編地側)から観察した際に、メッシュ状の骨格(菱形状の4辺)を構成する編目部分が短繊維によって覆われることなく、開口部内において短繊維ウェブが露出し、両者の組織の違いによるコントラストが際立っていた。
【0028】
得られた積層布帛に、瀬産業社のデジタル捺染システム「DENATEX インク搭載インクジェットプリンター(DENATEX-IJ)」を用いて、幾何学模様がデザインされた模様のデジタル画像を印刷した。その後、150℃にて熱風処理を行った。この熱処理は、印刷顔料の定着と発色促進を目的とするものである。これにより、積層布帛表面上(表面層である経編地および経編地の開口部分において表面側に露出してなる短繊維ウェブ表面)に鮮明な模様が印刷された積層布帛を得た。印刷が施された積層布帛は、美的な外観を呈していた。