特許第6374278号(P6374278)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オリンパス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6374278-内視鏡システム 図000002
  • 特許6374278-内視鏡システム 図000003
  • 特許6374278-内視鏡システム 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6374278
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】内視鏡システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20180806BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20180806BHJP
   H02J 50/00 20160101ALI20180806BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20180806BHJP
【FI】
   A61B1/00 680
   G02B23/24 B
   H02J50/00
   H02J7/00 301D
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-184459(P2014-184459)
(22)【出願日】2014年9月10日
(65)【公開番号】特開2016-54968(P2016-54968A)
(43)【公開日】2016年4月21日
【審査請求日】2017年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
(74)【代理人】
【識別番号】100101661
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100135932
【弁理士】
【氏名又は名称】篠浦 治
(72)【発明者】
【氏名】春見 誠
(72)【発明者】
【氏名】田代 秀樹
【審査官】 牧尾 尚能
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−106752(JP,A)
【文献】 特開2010−239781(JP,A)
【文献】 特開2010−110533(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00−1/32
H02J 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線情報送信部と、無線電力受信部とを有するワイヤレス内視鏡本体と、
無線情報受信部と、無線電力送信部と、無線給電制御部とを有する給電装置と、を有し、
前記無線電力受信部は、受信電力値を検知する受信電力検知部と、電池残量値を検知する電池残量検知部とを備え、
前記無線情報送信部は、検知された前記受信電力値と前記電池残量値とを前記無線情報受信部を介して前記無線給電制御部に送信し、
前記無線給電制御部は、前記受信電力値及び前記電池残量値に基づいて前記無線電力送信部からの送信電力の容量を変更するとともに、前記電池残量値に基づいて電力送信の停止可否を判断し、
前記無線電力受信部は、前記電池残量値が第1の所定の値以上の場合、前記無線給電制御部による前記電力送信を停止させ、前記電池残量値が第1の所定の値より小さく、かつ、前記受信電力値が所定の電力値より小さい場合、前記無線給電制御部による前記送信電力の容量を増大させ、前記送信電力の容量を増大させて所定の時間経過後に、前記受信電力値が所定の電力値より小さい場合、給電経過時間を計測し、残りの使用可能時間を通知することを特徴とする内視鏡システム。
【請求項2】
前記無線電力受信部は、前記電池残量値が第2の所定の値以上、かつ、前記受信電力値が前記所定の電力値以上の場合、前記無線給電制御部による増大させた前記送信電力の容量を元に戻させることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項3】
前記無線電力受信部は、前記電池残量値が第3の所定の値より小さく、かつ、前記受信電力値が前記所定の電力値より小さい場合、エラー通知を発行することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡システムに関し、特に、内視鏡に対して無線給電を行う内視鏡システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、被検体の内部の被写体を撮像する内視鏡、及び、内視鏡により撮像された被写体の観察画像を生成するプロセッサ等を具備する内視鏡システムが、医療分野及び工業分野等において広く用いられている。
【0003】
このような内視鏡は、一般的に、プロセッサとケーブルで接続されているが、ケーブルが断線したり、内視鏡とプロセッサとを接続するケーブルが他のケーブルと絡まること等により、医療従事者にとってストレスとなっている。これを解決するものとして、内視鏡とプロセッサとを接続するケーブルを無くしたワイヤレス内視鏡が存在する。
【0004】
このようなワイヤレス内視鏡を実現するためには、ケーブル内に設けられている電源ラインに代わりバッテリを用いる必要がある。現在のバッテリのエネルギー密度では、長時間の手技に耐えることができないため、ワイヤレス内視鏡は、手技中にバッテリを交換できる構造、または、無線により常時給電できる構成にする必要がある。
【0005】
例えば、特許文献1には、超音波プローブの長時間の連続稼働を可能するために、超音波プローブに対して無線給電することができる超音波診断装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−161561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、無線給電を行う内視鏡システムでは、固定的に設置された送信側コイルに対し、ワイヤレス内視鏡に設置されている受信側コイルは、手技に応じて様々な位置及び向きとなるため、必ずしも常時適正な充電状態を確保することができない状態となる。すなわち、無線給電の受信状況を決定するワイヤレス内視鏡の位置及び向きによっては、適正な充電状態を確保することができず、継続的な手技を行うことができない状況に陥る虞がある。
【0008】
また、無線給電の受信状態が良好な状態では、バッテリの電池残量が増大するが、このような無線給電の受信状態が良好な状態が続く時に、一方的に無線給電を続けることは、無駄なエネルギー消費となるため経済的ではないという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、無線給電の受信状況及びバッテリの状態に応じて、無線給電の給電能力を最適に調整することができる内視鏡システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様の内視鏡システムは、無線情報送信部と、無線電力受信部とを有するワイヤレス内視鏡本体と、無線情報受信部と、無線電力送信部と、無線給電制御部とを有する給電装置と、を有し、前記無線電力受信部は、受信電力値を検知する受信電力検知部と、電池残量値を検知する電池残量検知部とを備え、前記無線情報送信部は、検知された前記受信電力値と前記電池残量値とを前記無線情報受信部を介して前記無線給電制御部に送信し、前記無線給電制御部は、前記受信電力値及び前記電池残量値に基づいて前記無線電力送信部からの送信電力の容量を変更するとともに、前記電池残量値に基づいて電力送信の停止可否を判断し、前記無線電力受信部は、前記電池残量値が第1の所定の値以上の場合、前記無線給電制御部による前記電力送信を停止させ、前記電池残量値が第1の所定の値より小さく、かつ、前記受信電力値が所定の電力値より小さい場合、前記無線給電制御部による前記送信電力の容量を増大させ、前記送信電力の容量を増大させて所定の時間経過後に、前記受信電力値が所定の電力値より小さい場合、給電経過時間を計測し、残りの使用可能時間を通知する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の内視鏡システムによれば、無線給電の受信状況及びバッテリの状態に応じて、無線給電の給電能力を最適に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態に係る内視鏡システムの全体構成を示す図である。
図2】各装置の詳細な構成を説明するための図である。
図3】内視鏡システム1による無線給電の管理の流れの例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0014】
まず、図1及び図2を用いて一実施形態の内視鏡システムの構成について説明する。図1は、一実施形態に係る内視鏡システムの全体構成を示す図であり、図2は、各装置の詳細な構成を説明するための図である。
【0015】
図1に示すように、内視鏡システム1は、ワイヤレス内視鏡2と、トロリー3に搭載された複数の医療機器と、ワイヤレス内視鏡2に無線給電を行う給電装置4とを備えて構成されている。
【0016】
トロリー3には、複数の医療機器として、ワイヤレス内視鏡2からの撮像信号に所定の画像処理を行い、内視鏡画像信号を生成するプロセッサ5と、プロセッサ5により生成された内視鏡画像信号を内視鏡画像として表示するモニタ6と、プロセッサ5により生成された内視鏡画像信号を動画または静止画として記録するレコーダ7と、プロセッサ5により生成された内視鏡画像信号を内視鏡画像としてプリントするプリンタ8と、患者の腹部内等に炭酸ガスを供給するための気腹装置9とが搭載されている。
【0017】
給電装置4は、給電送信コイル11と、給電送信コイル11を制御する、例えばパーソナルコンピュータ等の給電制御システム12とにより構成される。なお、給電装置4は、給電送信コイル11と給電制御システム12とが別体の構成となっているが、これに限定されることなく、給電送信コイル11と給電制御システム12とが一体となっている装置であってもよい。
【0018】
また、プロセッサ5には、ワイヤレス内視鏡2から無線により送信された撮像信号を受信するためのカメラコネクタ型受信機13が装着可能になっている。カメラコネクタ型受信機13は、図2に示すように、アンテナ14と、無線部15と、コネクタI/F16とを有して構成されている。
【0019】
ワイヤレス内視鏡2は、挿入部21と、挿入部21の基端側に設けられた操作部22とを有して構成されている。挿入部21及び操作部22内には、挿入部21の先端まで照明光を伝達するための図示しないライトガイド等が挿通されている。挿入部21の先端部21aには、被写体を撮像するためのCCDあるいはCMOS等の撮像素子23が設けられている。
【0020】
また、ワイヤレス内視鏡本体としての操作部22は、光源24と、制御部25と、無線部26と、アンテナ27と、給電受信コイル28と、電源変換部29と、バッテリ部30とを有して構成されている。
【0021】
さらに、給電装置4の給電制御システム12は、電源部31と、アンテナ32と、無線部33と、制御部34と、無線給電制御部35とを有して構成されている。この電源部31は、例えば外部のコンセント等から電力が供給され、給電制御システム12内の各回路に電源を供給する。
【0022】
光源24は、制御部25の制御により、照明光を出射する。この照明光は、ライトガイドの入射端に入射され、挿入部21の先端面に設けられた出射端から被写体に出射される。撮像素子23は、制御部25からの駆動信号に基づいて、照明光で照明された被写体を撮像し、その撮像信号を制御部25に出力する。
【0023】
制御部25は、撮像素子23からの撮像信号を無線部26に出力する。無線部26は、この撮像信号をアンテナ27を介してカメラコネクタ型受信機13に無線送信する。
【0024】
無線送信された撮像信号は、カメラコネクタ型受信機13のアンテナ14により受信される。無線部15は、アンテナ14により受信された撮像信号をコネクタI/F16を介してプロセッサ5に供給する。上述したように、プロセッサ5は、この撮像信号から内視鏡画像信号を生成し、モニタ6、レコーダ7及びプリンタ8に出力する。
【0025】
制御部25は、バッテリ部30を監視し、電池残量を定期的に算出し、電池残量値が所定の値より小さくなると、給電を開始するためのコマンドを発行する。このコマンドは、無線部26の制御により、アンテナ27から給電装置4に送信される。無線情報受信部としての無線部33は、給電制御システム12のアンテナ32により受信されたコマンドを制御部34を介して無線給電制御部35に出力する。
【0026】
無線給電制御部35は、給電を開始するためのコマンドを受け取ると、給電送信コイル11に電流を流し、無線給電を開始する。給電送信コイル11は、無線給電制御部35の制御により電流が流れることで磁束を発生する。これにより、給電受信コイル28にも磁束が発生し、給電受信コイル28にも電流が流れる。電源変換部29は、給電受信コイル28で発生した電流を電気的エネルギーに変換し、バッテリ部30に給電する。
【0027】
なお、本実施形態の無線給電は、電磁誘導方式として説明するが、これに限定されることなく、他の方式(例えば、電磁界共鳴方式、または、電波方式)であってもよい。
【0028】
制御部25は、電源変換部29を監視することで、現在受信している受信電力量を定期的に算出する。また、制御部25は、バッテリ部30を監視することで、現在のバッテリ部30の電池残量を定期的に算出する。そして、制御部25は、算出した受信電力値及び電池残量値に基づいて、無線給電の管理を行う。なお、この無線給電の管理については、図3を用いて詳細に説明する。
【0029】
このように、無線電力受信部としての制御部25は、受信電力値を検知する受信電力検知部と、電池残量値を検知する電池残量検知部とを構成する。また、無線情報送信部としての無線部26は、制御部25が検知した受信電力値及び電池残量値を無線部33を介して無線給電制御部35に送信する。
【0030】
そして、無線給電制御部35は、送信された受信電力値及び電池残量値に基づいて、無線電力送信部を構成する給電送信コイル11からの送信電力の容量を変更するとともに、電池残量値に基づいて電力送信の停止可否を判断する。
【0031】
ここで、このように構成された内視鏡システム1の無線給電の管理について説明する。図3は、内視鏡システム1による無線給電の管理の流れの例を説明するためのフローチャートである。なお、図3のフローチャートは、ワイヤレス内視鏡2の電源がONされることにより開始され、電源がOFFされることにより終了する。
【0032】
まず、ワイヤレス内視鏡2の使用が開始されると、制御部25は、バッテリ部30の電池残量を定期的(例えば数分間隔)で算出する(ステップS1)。次に、制御部25は、ステップS1で算出したバッテリ部30の電池残量が規定値A以上か否かを判定する(ステップS2)。
【0033】
制御部25は、バッテリ部30の電池残量が規定値A以上でない場合(ステップS2:NO)、無線給電システムのONコマンドを発行する(ステップS3)。この無線給電システムのONコマンドは、無線部26及びアンテナ27を介して給電装置4に送信される。給電装置4に送信された無線給電システムのONコマンドは、アンテナ32、無線部33及び制御部34を介して無線給電制御部35に入力される。
【0034】
無線給電制御部35は、無線給電システムのONコマンドが入力されると、標準容量(第1の容量)での無線給電を開始する(ステップS4)。
【0035】
制御部25は、電源変換部29を監視することで、受信電力量を定期的(例えば、数分間隔)に算出する(ステップS5)。次に、制御部25は、バッテリ部30の電池残量を定期的(例えば、数分間隔)に算出する(ステップS6)。
【0036】
制御部25は、ステップS5で算出した受信電力値が規定値X以上か否かを判定する(ステップS7)。なお、この規定値Xは、ワイヤレス内視鏡2を使用している状態でも、バッテリ部30の電池残量が増大する値である。
【0037】
制御部25は、受信電力値が規定値X以上の場合(ステップS7:YES)、ステップS2に戻る。そして、制御部25は、ステップS2において、ステップS6で算出したバッテリ部30の電池残量値が規定値A以上か否かを判定する。
【0038】
制御部25は、ステップS2において、バッテリ部30の電池残量値が規定値A以上と判定した場合(ステップS2:YES)、無線給電システムのOFFコマンドを発行し(ステップS8)、ステップS1に戻り、同様の処理を繰り返す。この無線給電システムのOFFコマンドは、無線部26及びアンテナ27を介して給電装置4に送信される。給電装置4に送信された無線給電システムのOFFコマンドは、アンテナ32、無線部33及び制御部34を介して無線給電制御部35に入力される。給電装置4では、この無線給電システムのOFFコマンドを受け取ると、無線給電を終了する。
【0039】
一方、制御部25は、ステップS7において、受信電力値が規定値Xより小さいと判定した場合(ステップS7:NO)、給電容量増加の制御コマンドを発行する(ステップS9)。すなわち、受信電力値が規定値Xより小さい場合、ワイヤレス内視鏡2を使用している状態では、バッテリ部30の電池残量が減少するため、給電容量を増加するための制御コマンドが発行される。
【0040】
この給電容量増加の制御コマンドは、無線部26及びアンテナ27を介して給電装置4に送信される。給電装置4に送信された給電容量増加の制御コマンドは、アンテナ32、無線部33及び制御部34を介して無線給電制御部35に入力される。
【0041】
無線給電制御部35は、給電容量増加の制御コマンドを受け取ると、大容量(標準容量よりも大きい第2の容量)での無線給電を開始する(ステップS10)。
【0042】
制御部25は、電源変換部29を監視することで、受信電力量を定期的(例えば、数分間隔)に算出する(ステップS11)。次に、制御部25は、バッテリ部30の電池残量を定期的(例えば、数分間隔)に算出する(ステップS12)。
【0043】
制御部25は、ステップS11で算出した受信電力値が規定値X以上か否かを判定する(ステップS13)。制御部は、受信電力値が規定値X以上の場合(ステップS13:YES)、バッテリ部30の電池残量値が規定値B以上か否かを判定する(ステップS14)。なお、この規定値Bは、ステップS2の規定値Aより小さい値(規定値A>規定値B)である。
【0044】
制御部25は、バッテリ部30の電池残量値が規定値B以上と判定した場合(ステップS14:YES)、ステップS3に戻り、無線給電システムのONコマンドを発行することで、標準容量での無線給電を開始する。一方、制御部25は、バッテリ部30の電池残量値が規定値Bより小さいと判定した場合(ステップS14:NO)、ステップS9に戻り、大容量での無線給電を継続する。
【0045】
一方、制御部25は、ステップS13において、受信電力値が規定値Xより小さいと判定した場合(ステップS13:NO)、給電経過時間を計測し(ステップS15)、ワイヤレス内視鏡2の残りの使用可能時間を通知する(ステップS16)。なお、残りの使用可能時間の通知は、残りの使用可能時間の情報をカメラコネクタ型受信機13を介してプロセッサ5に送信し、モニタ6上に表示するようにすればよい。
【0046】
次に、制御部25は、バッテリ部30の電池残量値が規定値C以上か否かを判定する(ステップS17)。なお、この規定値Cは、ステップS14の規定値Bより小さい値(規定値A>規定値B>規定値C)である。
【0047】
制御部25は、バッテリ部30の電池残量値が規定値C以上と判定した場合(ステップS17:YES)、ステップS9に戻り、大容量での無線給電を継続する。一方、制御部25は、バッテリ部30の電池残量値が規定値Cより小さいと判定した場合(ステップS17:NO)、エラー通知を発行する(ステップS18)。なお、このエラー通知は、エラー通知の情報をカメラコネクタ型受信機13を介してプロセッサ5に送信し、モニタ6上に表示するようにすればよい。
【0048】
このように、大容量での無線給電を行っている状態でも、バッテリ部30の電池残量が減少する状態(受信電力値が規定値Xより小さい)で、かつ、バッテリ部30の電池残量値が規定値C(規定値の中で一番小さい値)より小さい状態でワイヤレス内視鏡2を使用し続けると、バッテリ部30の電池残量がゼロになる虞がある。
【0049】
そのため、術者は、エラー通知を認識すると、ワイヤレス内視鏡2の使用を一旦停止する、あるいは、無線給電の受信状態が良くなるように、ワイヤレス内視鏡2の給電受信コイル28の位置及び/又は向きを変更するようにする。
【0050】
一般的に、無線給電の受信状態は、給電送信コイル11と給電受信コイル28との距離が短くなるほど良くなる。また、無線給電の受信状態は、給電送信コイル11の面と給電受信コイル28の面とが対向するように配置することで良くなる。そのため、術者は、エラー通知を認識すると、ワイヤレス内視鏡2の給電受信コイル28の位置を給電送信コイル11に近づける、あるいは、ワイヤレス内視鏡2の給電受信コイル28の面が給電送信コイル11の面と対向するように、給電受信コイル28の向きを変更し、無線給電の受信状態を改善すればよい。
【0051】
以上のように、内視鏡システム1は、バッテリ部30の電池残量値が規定値A以上の場合、無線給電をOFFにして、無駄なエネルギー消費を抑えるようにしている。また、内視鏡システム1は、バッテリ部30の電池残量値が規定値Aより小さい場合、受信電力値とバッテリ部30の電池残量値に応じて、無線給電の容量を変更するようにしている。
【0052】
この結果、本実施形態の内視鏡システム1によれば、無線給電の受信状況及びバッテリの状態に応じて、無線給電の給電能力を最適に調整することができる。
【0053】
なお、本明細書における各フローチャート中の各ステップは、その性質に反しない限り、実行順序を変更し、複数同時に実行し、あるいは実行毎に異なった順序で実行してもよい。
【0054】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【符号の説明】
【0055】
1…内視鏡システム、2…ワイヤレス内視鏡、3…トロリー、4…給電装置、5…プロセッサ、6…モニタ、7…レコーダ、8…プリンタ、9…気腹装置、10…給電送信コイル、12…給電制御システム、13…カメラコネクタ型受信機、14…アンテナ、15…無線部、16…コネクタI/F、21…挿入部、21a…先端部、22…操作部、23…撮像素子、24…光源、25…制御部、26…無線部、27…アンテナ、28…給電受信コイル、29…電源変換部、30…バッテリ部、31…電源部、32…アンテナ、33…無線部、34…制御部、35…無線給電制御部。
図1
図2
図3