(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
回転することによって開放位置と閉塞位置とに切り替え可能な弁体と、前記弁体に連動連結される駆動機構と、前記開放位置の弁体を緊急時に閉塞位置へ切り替えるべく前記駆動機構を駆動するためのアクチュエータと、該アクチュエータに電力供給する電池と、前記閉塞位置の弁体を開放位置へ切り替えるべく該弁体を回転させる回転操作部と、前記駆動機構とアクチュエータと電池とを収容するケーシングとを備え、
前記回転操作部が、前記ケーシング内に回転自在に支持される回転軸と、該回転軸から前記ケーシング外へ突出する突出部とから構成され、
前記弁体と前記回転操作部の回転軸との間に、前記閉塞位置の弁体を開放位置へ切り替えるときにのみ、該回転軸の回転力を該弁体に伝達するワンウェイクラッチを設けたことを特徴とする遮断弁。
前記弁体が開放位置に位置すると、前記回転軸の回転力を前記弁体に伝達しないように前記ワンウェイクラッチを強制的に切り状態にする強制切断手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の遮断弁。
前記弁体は、回転自在な弁軸に取り付けられ、前記駆動機構が、ウォームが外嵌された駆動回転軸と、該ウォームが噛み合うヘリカルギヤとを備え、該ヘリカルギヤに前記弁軸が取り付けられ、前記駆動回転軸と前記回転軸とが前記ワンウェイクラッチを介して接続されていることを特徴とする請求項2に記載の遮断弁。
前記駆動回転軸の一端と前記回転軸の一端とを突き合わせ、前記回転軸が前記駆動回転軸から離間する側へ移動可能に構成され、前記駆動回転軸の駆動回転に伴って軸方向に移動する当接部材を該駆動回転軸に設け、前記閉塞位置の弁体を開放位置へ切り替えるときに前記当接部材が前記回転軸に当接して該回転軸を離間する側へ操作することで前記ワンウェイクラッチを強制的に切り状態にする前記強制切断手段を構成したことを特徴とする請求項3に記載の遮断弁。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の遮断弁の一実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態に係る遮断弁は、所定の震度を超える地震発生時に、各戸への給水(流体の一例)を遮断する緊急遮断弁(以下、単に遮断弁という)である。まず、
図1〜
図4を参照して、遮断弁1を備えた給水配管構造2の概略構造を説明する。
【0019】
給水配管構造2は、メータボックス3と、メータボックス3内に配置された止水栓部5と、遮断弁1とを備えている。メータボックス3内の水道水の仮想流路方向中心4(
図1ないし
図4の一点鎖線で示す、水平な一直線)において、止水栓部5が一次側(上流側)寄りに配置され、遮断弁1は二次側(下流側)寄りに配置されている。また、止水栓部5と遮断弁1との間に水道メータ6が配置される。
【0020】
メータボックス3は、平面視において矩形の底壁3Aと、底壁3Aの外周縁の四辺から上方へ立設された側壁3Bとを備え、底壁3Aおよび側壁3Bは一体的に形成されている。メータボックス3の上部は開放され、
図2における、仮想流路方向中心4方向であるメータボックス3の長手方向L及び仮想流路方向中心4と直交する水平方向であるメータボックス3の短手方向Sの両方向共に、下方ほど広げられている。
【0021】
メータボックス3の上流側の側壁3Bに流入管7を挿通させる上流側開口8が形成されている。メータボックス3の下流側の側壁3Bに流出管9を挿通させる下流側開口10が形成されている。上流側開口8は、不図示の一次側配管を接続するために、流入管7に比べて大径に形成されている。下流側開口10は、二次側配管を接続するために、流出管9に比べて大径に形成されている。
【0022】
流入管7、流出管9、止水栓部5、水道メータ6、および遮断弁1は、メータボックス3の短手方向S中心に配置されている。また、流入管7、止水栓部5、水道メータ6、および弁箱11の仮想流路方向中心4は略水平となるよう設定されている。止水栓部5は台座12を介して底壁3Aに支持され、水道メータ6は直接的に底壁3Aに着座、あるいはわずかに底壁3Aから浮くよう配置されている。メータボックス3の内部には、流入管7、止水栓部5、水道メータ6、遮断弁1および流出管9が接続されることによって、流体供給路(以下「給水路」と称する)14が形成されている。
【0023】
流入管7と止水栓部5とは継手部15を介して接続され、止水栓部5と水道メータ6とは継手部16を介して接続され、水道メータ6と遮断弁1とは継手部17を介して接続され、遮断弁1と流出管9とは継手部18を介して接続されている。
【0024】
次に、遮断弁1の構成を説明する。
図3〜
図6及び
図10に示すように、遮断弁1は、回転自在な弁軸19に取り付けられ、開放位置(
図3参照)と閉塞位置(
図4参照)とに切り替え可能な弁体13と、弁軸19に連動連結される駆動回転軸37を有する駆動機構21と、開放位置の弁体13を緊急時に閉塞位置へ操作すべく駆動機構21を駆動するためのアクチュエータとしてのモータMと、モータMに電力供給する複数(ここでは2個であるが、1個でも3個以上でもよい)の電池D,Dと、モータMの電動力により閉塞位置へ操作された弁体13を開放位置へ切り替えるべく駆動機構21を操作するための回転操作部24と、駆動機構21とモータMと電池D,Dとを収容するケーシングKとを備えている。
【0025】
ケーシングKは、
図10〜
図12に示すように、駆動機構21を収容する第一のケース22と、モータM及び電池D,Dを収容する第二のケース23とを備えている。また、第二のケース23を上から被せて密閉度を上げるための水密用カバー25を更に備えている。
【0026】
図3及び
図4に戻って、弁体13は、弁箱11に収容される。その弁箱11には、給水路14の一次側端に一次側開口26が形成され、二次側端に二次側開口27が形成されている。給水路14は仮想流路方向中心4上に設定される。弁箱11において、その給水路14の途中部分である一次側端および二次側端の間に、一次側部および二次側部に対して拡径された弁体収容部28が形成されている。弁体13は、弁体収容部28に収容されている。
【0027】
二次側開口27の弁体収容部28寄りの内周面に、環状の弁台29がシール部材m9を介して嵌着されている。弁台29の中心部には、給水路14上に位置する連通開口部30が形成されている。連通開口部30は、仮想流路方向中心4を通るように弁箱11の内部に配置されている。具体的には、側面視において、連通開口部30の中心は、仮想流路方向中心4と一致され、平面視において、連通開口部30の中心は、仮想流路方向中心4に対して位置ずれされている。
【0028】
弁軸19は、上下方向に沿う軸であり、弁体収容部28における二次側寄りには、弁軸19をその上部および下部で外嵌して支持すべく、上下方向に離間した一対の筒状の膨出部31,32が形成されている。弁軸19は、上側の膨出部31にシール部材m10を介して挿通されている。
【0029】
そして、弁軸19が、上下軸芯周りで一方側に回転することによって、弁体13を
図3の開放位置に切り替えることができる。このときの駆動機構21は、
図7(b)及び
図8の状態である。また、弁軸19が、上下軸芯周りで他方側に回転し、弁体13を
図4の閉塞位置に切り替えることができる。このときの駆動機構21は、
図5及び
図6の状態である。
【0030】
図10に示すように、駆動機構21は、第一のケース22の内部にまとめられて収納され(組付けられ)、ユニット化されている。駆動機構21の駆動を制御するための電子部品群33が設けられ、その電子部品群33は、第一のケース22とは別体の第二のケース23の内部にまとめられて収納され(組付けられ)、ユニット化されている。第一のケース22は、弁箱11上に配置され、第二のケース23は、第一のケース22上に着脱自在に取付けられている。つまり、下から弁箱11、第一のケース22、第二のケース23の順に積み重ねられた状態で一体化されている。
【0031】
図5〜
図9に示すように、第一のケース22は、平面視において矩形状の底壁22Aと、底壁22Aの四方から立設された側壁22Bとを備えて上方を開放部22Cとした直方体形状に形成されている。この直方体形状の第一のケース22は、メータボックス3の横幅方向に長辺方向が沿うように配置されている。開放部22Cは、板状の蓋体34で被覆されている。第一ケース22と蓋体34とは、シール部材m1を介して組付けられている。底壁22Aは弁箱11の上面11aに載置され、第一のケース22は、第一のケース22の内部から底壁22Aおよび弁箱11の上面11aに挿通するボルトB1によって、上面11aに着脱自在に取付けられている。底壁22Aと上面11aとは、シール部材m2を介して取付けられている。
図9に示す底壁22Aには、弁軸19を挿通する挿通穴22aが形成されている。また、弁軸19は、挿通穴22aにシール部材m5を介して組付けられている。
【0032】
図7(a)、
図9〜
図12に示すように、蓋体34は矩形状に形成され、矩形状の受台板34Aと、四辺から立設される支持枠34Bとを備える。受台板34Aには、後述する第二のケース23の嵌合部23B(
図13参照)が内嵌される被嵌合部34aが形成されている。被嵌合部34aは、蓋体34の片側寄り(
図7(a)では右端寄り)に配置されている。被嵌合部34aは円筒状に形成され、蓋体34の板面に対して下方および上方に突出するよう形成されている。被嵌合部34aの直下に、後述する従動傘歯車35が配置されている。支持枠34Bの外周面部には、シール部材m3が嵌合されている。
【0033】
図5〜
図10を参照しつつ、駆動機構21の構成を説明する。駆動機構21は、従動傘歯車35を有する歯車機構36と、歯車機構36に連動連結された駆動回転軸37と、駆動回転軸37に外嵌固定されたウォーム38と、ウォーム38に噛合して弁軸19に動力を伝達するヘリカルギヤ39とを備える。駆動回転軸37と後述する回転操作部24の回転軸24Aとの間には、ワンウェイクラッチ40が配置されている。また、ウォーム38とヘリカルギヤ39とから減速機構を構成して、弁軸19を確実に回転させて弁体13を閉塞位置にするためのトルクを得ることができるようにしている。前記のようにウォーム38が噛み合うヘリカルギヤ39に弁軸19が取り付けられているから、水圧によって閉塞位置に位置している弁体13が開放位置側へ動いてしまうことを防止しつつ、弁体13を閉塞位置から開放位置へ切り替えたい場合には、ワンウェイクラッチ40を入りにして確実に開放位置に弁体13を切り替えることができる。
【0034】
歯車機構36は、従動傘歯車35と、従動傘歯車35とのギヤ比を変えるための複数(
図5では2個)の平歯車41とを備える。従動傘歯車35は、仮想流路方向中心4と直交する方向である短手方向Sに沿う方向の中心軸回りに回転するもので、その軸部35Aに一方の平歯車41が噛合するよう構成されている。ウォーム38は、短手方向Sを長手方向とする駆動回転軸37に一体回転するように外嵌固定されている。ウォーム38は、駆動回転軸37の軸方向途中部分に配置されている。
【0035】
図5及び
図7(a)に示すように、第一のケース22の底壁22Aの上面から複数本の支持柱42が立設され、支持柱42に上側を開放した断面コ字形のブラケット43の底壁43Aが支持されている。駆動回転軸37の軸方向両端部側が、ブラケット43の縦壁43Bに回転自在に支持されている。また、ウォーム38と噛み合うヘリカルギヤ39は、
図6及び
図8に示すように、弁軸19の上端に一体回転自在に取り付けられ、平面視において扇状に形成されている。
【0036】
ワンウェイクラッチ40は、回転操作部24の回転軸24Aの回転力を弁軸19に伝達しないために設けられたものである。このワンウェイクラッチ40は、
図5〜
図8に示すように、駆動回転軸37の一端と回転操作部24の回転軸24Aとが突き合わされた突き合わせ端部間に設けられている。具体的には、駆動回転軸37の先端側(歯車機構36とは反対側の端部側、
図5では左端部側)に一体回転自在に取り付けられた回転体40Aの外周に一体形成された複数(図では2個)の係止部としての係止爪40aと、回転操作部24の回転軸24Aの駆動回転軸37側の端部に一体回転自在に取り付けられ、かつ、前記回転体40Aよりも大径に構成された円板状部材40Bの端面40bに周方向に間隔を置いて一体形成された複数(
図6では2個のみ図示)の係止部40cとを備えている。従って、
図5及び
図6において駆動回転軸37を左端側から見た状態で時計回りに回転させた場合には、係止爪40aが係止部40cを乗り越えるだけで係止爪40aが係止部40cに係止されない。これにより駆動回転軸37の回転力が回転操作部24の回転軸24Aへ伝達されることがない。これに対して、
図7(a)及び
図8において回転操作部24の回転軸24Aを左端側から見た状態で反時計回りに手動操作ハンドル45を用いて回転させた場合には、係止部40cが係止爪40aに係止して駆動回転軸37を一体的に回転させる。これによって、閉塞位置の弁体13を手動操作力で開放位置に切り替えることができる。
【0037】
回転操作部24は、
図7(a)及び
図11に示すように、ワンウェイクラッチ40を介して駆動回転軸37に手動回転力を伝達するための回転軸24Aと、回転軸24Aに一体回転自在に連結され側壁22B外へ突出する突出部を構成する手動操作ハンドル45(
図11参照)とを備えている。この手動操作ハンドル45には、回転軸24Aに着脱自在に外嵌される軸部45Aを備えている。また、回転軸24Aは、第一のケース22の側壁22Bに、短手方向Sに突出するよう形成された円筒状部44に隙間なく内嵌されている。また、回転軸24Aの軸方向途中部には、ケース22との回転抵抗となる防水用のシール部材m4が外嵌され、第一のケース22の円筒状部44にシール部材m4を介して回転自在に支持されている。従って、手動操作ハンドル45を
図7(a)及び
図11の左端から見て反時計周りに回転させることによって、前述したようにワンウェイクラッチ40を構成する係止部40cが係止爪40aに係止して回転軸24Aが駆動回転軸37を一体的に回転させる。これによって、閉塞位置の弁体13を開放位置に強制的に切り替えることができる。また、回転軸24Aは、駆動回転軸37から離間する側、つまりケース22の外部へ移動可能に構成されており、後述する当接部材49によって、駆動回転軸37から離間する側へ操作されてワンウェイクラッチ40が強制的に切り状態にされる。
【0038】
前記のようにワンウェイクラッチ40を強制的に切り状態にする強制切断手段を備えている。この強制切断手段は、弁体13が開放位置に位置すると、回転軸24Aの回転力を弁軸19に伝達しないようにするための手段である。具体的には、強制切断手段は、
図7(a),(b)及び
図8に示すように、駆動回転軸37の回転軸24A側の端部の外面に形成された螺子37Nに螺合する当接部材49と、駆動回転軸37の回転力を当接部材49の軸方向への移動力へ変換するための変換機構とを備えている。当接部材49は、螺子37Nに螺合する螺子部を内面に形成した小径円筒部49Aと、小径円筒部49Aよりも大径な大径円筒部49Bと、小径円筒部49Aと大径円筒部49Bとを径方向で連結する連結部49Cとを備えている。変換機構は、第一のケース22の底壁22Aにメータボックス3の短手方向Sへ延びるように設けられた一対の縦壁50,50と、当接部材49の回転時に縦壁50,50に当接するように当接部材49に備えた一対の当接部49D,49Dとから構成されている。一方の当接部49Dは、大径円筒部49Bの幅方向一方側の下部に第一のケース22の底壁22Aまで延びる縦壁部49dから構成されている。また、他方の当接部49Dは、大径円筒部49Bの幅方向他方側の下部に第一のケース22の底壁22Aまで延びる縦壁部49dと縦壁部49dの下端から水平方向に延びる板状の水平部49eとから構成されている。従って、駆動回転軸37を一方に回転させた場合には、一方の縦壁50にこれに対応する当接部49Dが当たって当接部材49の回転が阻止される。これにより当接部材49を回転させる回転力が当接部材49の軸方向への移動力に変換されて、軸方向一方側に当接部材49を移動させる。換言すれば、この当接部材49は、電動モータMの駆動により弁体13が開放位置から閉塞位置へ切り替えられることによって、軸方向一方側(
図5では右側)に変換機構で自動的に移動する。これに対して、駆動回転軸37を他方に回転させた場合には、他方の縦壁50にこれに対応する当接部49Dが当たって当接部材49の回転が阻止される。これにより当接部材49を回転させる回転力が当接部材49の軸方向への移動力に変換されて、軸方向他方側に当接部材49を移動させる。換言すれば、この当接部材49は、
図7(a)において手動操作ハンドル45を左端側から見た状態で反時計回りに回転させて弁体13が閉塞位置から開放位置へ切り替えられることによって、軸方向他方側(
図7では左側)に変換機構で自動的に移動する。
【0039】
具体的には、閉塞位置の弁体13を開放位置へ切り替えるべく、
図7(a)において回転操作部24の回転軸24Aに外嵌された手動操作ハンドル45を左端側から見た状態で反時計回りに回転させることによって、係止部40cが係止爪40aに係止して駆動回転軸37を一体的に回転させる。これによって、閉塞位置の弁体13を開放位置に強制的に切り替えることができるだけでなく、
図7(a)及び
図8に示すように、当接部材49が左側へ移動して円板状部材40Bに当接する。この当接状態から更に当接部材49が左側へ移動して円板状部材40Bを押すことによって、
図7(b)に示すように、回転体40Aから回転軸24Aを離間させることができる(尚、
図7(b)では、手動操作ハンドル45を省略している)。このように、当接部材49が円板状部材40Bに当接して回転軸24Aを離間する側へ操作することでワンウェイクラッチ40を強制的に切り状態にする。このようにしておけば、緊急時に開放位置の弁体13を閉塞位置に切り替えるときに、ワンウェイクラッチ40の係止部40a,40c同士が不測に当接してしまい、駆動回転軸37に回転負荷がかかるといったことを確実に回避することができ、その分、小さな電力で閉塞位置に弁体13を切り替えることができる。また、当接部材49が円板状部材40Bに当接して回転軸24Aを離間する側へ操作されることによって、係止部40cと係止爪40aとの係止が解除される。このように、弁体13が開放位置に位置すると、強制切断手段がワンウェイクラッチ40を強制的に切り状態にすることから、ワンウェイクラッチ40を切り状態にすることを忘れるといったことがない。更に、前記のように係止が解除されることにより、手動操作ハンドル45を回転操作しても、駆動回転軸37が回転操作されることがないから、手動操作ハンドル45の過剰回転操作による駆動機構21の損傷を招くことがなく、信頼性の高い遮断弁とすることができる。また、手動操作ハンドル45を回転操作しても、駆動回転軸37が回転操作されることがないから、第3者により弁体13が勝手に開閉操作されることを防止することができ、悪戯防止においても有効である。尚、閉塞位置の弁体13を開放位置へ切り替えるときには、前記のように係止部40cと係止爪40aとの係止が解除されている状態であるため、係止部40cと係止爪40aとの係止が可能となるように手動操作ハンドル45を駆動回転軸37側へ少し押し込んだ後、手動操作ハンドル45を回転操作することになる。尚、
図6では、係止部40cが係止爪40aに係止した状態を示しており、
図7(b)では、係止部40c(
図6参照)が係止爪40aに係止しないように両者が離間した状態になっている。
【0040】
なお、円筒状部44は、第一のケース22の側壁22Bから突出するよう形成され、回転軸24Aは、円筒状部44の奥まった位置に配置され、手動操作ハンドル45の軸部45Aが、円筒状部44に挿入されて回転軸24Aに連結される。この構成により、手動操作ハンドル45の軸部45Aと回転軸24Aとの連結部分を砂利や泥から保護することができ、しかも円筒状部44に手動操作ハンドル45の柄が挿入されていることにより円筒状部44がガイドとなって、手動操作ハンドル45を円滑に回転させることができる。
【0041】
図9に示すように、弁軸19は上部が挿通穴22aに挿通され、挿通穴22aに挿通する弁軸19の軸方向途中部分には、シール部材m5が外嵌されている。なお、弁軸19において、挿通穴22aに挿通して第一のケース22の内部に挿入された部分は、段付面19aを介して上部が下部に比べて小径となるよう形成されている。
【0042】
ヘリカルギヤ39の中心部は、段付面19aまで挿入されており、ヘリカルギヤ39は、抜止め手段によって弁軸19から抜止めされている。抜止め手段は、弁軸19の上面とヘリカルギヤ39の上面に亘るアーム状の押え部材47と、押え部材47を弁軸19の上端面に固定させる取付ボルト48とを備えている。取付ボルト48が押え部材47を挿通して、弁軸19の上端面に螺合されている。
【0043】
図8及び
図9に示すように、押え部材47は、駆動回転軸37及びウォーム38に接することなく水平面内(駆動回転軸37の上方)で延長されて杆状に形成されている。押え部材47は、ヘリカルギヤ39とともにヘリカルギヤ39の中心(弁軸19の中心でもある)回りに、歯部39Aが形成された範囲内で回動可能に構成されている。さらに詳しくは、後述するように、モータMを駆動する時間内で、歯部39Aが形成された範囲内で回動可能に構成されている。なお、押え部材47の先端部上面には、永久磁石Hが装着されている。
【0044】
図10〜
図13に示すように、第二のケース23は、直方体形状に形成されている。第二のケース23は、第一のケース22の蓋体34に着脱自在に取付けられる。第二のケース23は、平面視において矩形状の底壁23Aと、底壁23Aを上方から被覆する被覆体51とを備えている。底壁23Aと被覆体51とは、シール部材m6を介して組付けられている。底壁23Aの短手方向一端側には、被嵌合部34aに内嵌する前記嵌合部23Bが形成されている。嵌合部23Bは、円筒状に形成され、底壁23Aの壁面に対して下方へ向けて突出されている。嵌合部23Bの外周面には、シール部材m7が外嵌されている。嵌合部23Bで囲繞される底壁23Aの中心には、後述する駆動伝達部である駆動傘歯車52の、駆動軸52Aが挿通される挿通孔54が形成されている。この駆動軸52Aは、上下方向に沿う軸である。
【0045】
電子部品群33は、第二のケース23に内装されており、電子部品として、モータ(直流電動機)Mと、モータMに電力を供給するための二つの電池(外部から給電を受けない蓄電池)D,Dと、所定の震度以上の地震を検知する地震検知器53と、地震検知器53からの震度信号の入力により電池D,DからモータMへ電力を供給するよう制御する機能を有する一組の制御基板(図示せず)とを備えている。制御基板は図示されてないが、例えば電池D,Dと第二のケース23の奥側壁との間にあって、電池D,Dに沿って直立するよう配置されている。
【0046】
駆動伝達部は、駆動傘歯車52とモータMとを備える。さらに、第二のケース23には、永久磁石Hの磁力で反応する磁気センサとLEDが内装されている。この磁気センサは、永久磁石Hと上下方向で対応すると、押え部材47が回動したことを検出するものである。この検出により弁体13の開閉状態を報知するために、制御基板の制御回路を介して、LEDに点灯、あるいは点滅信号が出力される。
【0047】
図12に示すように、電子部品群33(
図13参照)に対する水密性を確保するために、第二のケース23は、水密用カバー25で上方から被覆されている。すなわち、第二のケース23と水密用カバー25とで二重にシールされた構成により、電子部品群33に対する水密性が確保されている。水密用カバー25は下側が開放された箱状に形成されている。水密用カバー25の四方(
図12では3方のみ図示)の側壁25Bは、蓋体34の支持枠34Bに嵌合されたシール部材m3に対して外側から嵌合するよう構成されている。
【0048】
水密用カバー25は、天壁25Aを備えている。また、水密用カバー25は、蓋体34の支持枠34Bに嵌合した状態では、天壁25Aの裏面が第二のケース23の上面に当接するよう構成されている。更に、水密用カバー25は、不測に支持枠34Bから容易に外れないよう固定するための取付杆57を備えている。取付杆57は、水密用カバー25の内側で第二のケース23の外側を通って、第一のケース22(例えば
図10の受台板34A)に螺合している。
【0049】
これにより、第二のケース23は、水密用カバー25により第一のケース22に押えられるようにして装着されている。取付杆57は、その頭部が回転被操作部57Aに構成されている。前記回転軸24Aから手動操作ハンドル45を取り外し、その手動操作ハンドル45を、
図12の仮想線で示すように、回転被操作部57Aに外嵌する。この状態で手動操作ハンドル45を回転させることによって、回転被操作部57Aを回転させて取付杆57を螺合したり、螺合解除することができる。回転被操作部57Aの天壁25Aを挿通する部分に、シール部材m8が外嵌されている。
【0050】
水密用カバー25の天壁25Aに、回転被操作部57Aをその外周部で覆う覆壁56が上方に突出するよう形成されている。常時的には、覆壁56に、キャップ55が被せられて回転被操作部57Aが隠蔽されている。前述のように取付杆57を取外す又は取り付ける作業を行う際には、キャップ55を取外し、作業終了後は、再度キャップ55を取り付けておくことになる。
【0051】
上記のように構成されたメータボックス3内の遮断弁1の動作について説明する。地震が発生する前の通常時では、
図3に示すように、弁体13は、弁箱11の内部の給水路14である、弁台29の連通開口部30を開放するよう開いている。すなわち、弁体13は給水姿勢W1であって、弁体13が仮想流路方向中心4から外れた位置で仮想流路方向中心4に沿っている。弁体13の給水姿勢W1では各戸に給水が可能となっている。弁体13の給水姿勢W1における駆動機構21は、
図7(b)及び
図8に示す状態であり、ヘリカルギヤ39は、弁軸19を中心として時計方向側に回転した状態にあって、これととともに押え部材47も弁軸19を中心として時計方向側に回転した状態にある。
【0052】
本実施形態の遮断弁1では、弁軸19と第一のケース22の底壁22Aとの嵌合部、第一のケース22と蓋体34との組付け部分、支持枠34Bと水密用カバー25との嵌合部分、水密用カバー25の天壁56Aと取付杆57との嵌合部分、第二のケース23の底壁23Aと被覆体51との組付け部分には、それぞれシール部材m1〜m10が設けられている。このように、異なる部材どうしは、シール部材を介して取付けられているため、仮にメータボックス3内に雨水等が侵入してきたとしても、第一のケース22及び第二のケース23の内部への水の浸入を阻止して、駆動機構21や電子部品群33が水に浸ることがないようにしている。
【0053】
所定の震度以上の地震が発生した場合、これを地震検知器53が検知して、震度信号が制御基板の制御回路に出力されると、制御回路は、地震検知器53からの震度信号の入力により電池D,DからモータMへ電力を供給するよう制御する。すると、モータMが駆動し、駆動傘歯車52がその軸心回りに回転をし、駆動傘歯車52に噛合している従動傘歯車35が軸部35A回りに回転し、軸部35Aに噛合している平歯車41が、その軸心回りに回転し、平歯車41に連結されている駆動回転軸37、および駆動回転軸37に外嵌しているウォーム38がその軸心回りに回転する。
【0054】
そうすると、ウォーム38に噛合しているヘリカルギヤ39が回転し、ヘリカルギヤ39に連結されている弁軸19がその軸心回りに回動し、給水姿勢W1にある弁体13が、弁台29の一次側面29Aに当接して、連通開口部30を閉じた給水遮断姿勢W2(
図4参照)となる。
【0055】
給水遮断姿勢W2では、給水路14における一次側流体供給路(以下「一次側給水路」と称する)と、二次側流体供給路(以下「二次側給水路」と称する)とが非連通とされ、弁箱11内での給水が遮断される。すなわち、各戸への給水が遮断される。なお、モータMの駆動は、例えばタイマー制御されており、所定時間だけ駆動を継続すると、弁体13が給水遮断姿勢W2となるよう設定されている。
【0056】
弁軸19が回動すると、弁軸19に固定されている押え部材47が弁軸19の軸心回りに反時計方向に回動して、駆動機構21は、
図5及び
図6に示す状態になる。ヘリカルギヤ39は、弁軸19を中心として反時計方向側に回転した状態にあって、これととともに押え部材47も弁軸19を中心として反時計方向側に回転した状態にある(
図6及び
図8の2点鎖線参照)。
図5及び
図6に示す状態になると、LEDが点灯、あるいは点滅するなどして、給水路14での給水が遮断されている状態を第3者に報知する。この場合、LEDの報知は、磁気センサの検出信号に基づいて行われる。
【0057】
本発明の遮断弁は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。上記実施形態では、ケーシングKを、3つのケース22,23,25から構成したが、1つのケース又は2つのケース、あるいは4つ以上のケースから構成することもできる。
【0058】
また、上記実施形態では、ウォーム38と、ウォーム38に噛合しているヘリカルギヤ39とから減速機構を構成したが、ウォームと、ウォームに噛合しているウォームホイールとから減速機構を構成してもよいし、ウォームギヤと、ウォームギヤに噛合している平歯車とから減速機構を構成してもよく、その具体構成は自由に変更可能である。
【0059】
また、上記実施形態では、弁体13を垂直方向(上下方向)に沿う弁軸19回りに回動する構成にしたが、水平方向に沿うように弁軸を配置し、水平方向に沿う弁軸回りに回動する構成であってもよい。
【0060】
上記実施形態では、モータMに電力供給をする電池として充電式電池である蓄電池を用いたが、充電不能な一次電池を用いてもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、駆動機構21を駆動するアクチュエータとしてモータMを用いたが、流体圧シリンダや電磁式アクチュエータ等を用いることができる。
【0062】
また、上記実施形態では、弁体13の開放位置において当接部材49により回転軸24Aを駆動回転軸37から離間させる構成としたが、バネや弾性体により回転軸24Aを駆動回転軸37から離間させる側へ移動付勢させる構成であってもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、遮断弁1をメータボックス3内の給水配管に配置した場合を説明したが、配水管から各戸の蛇口に至る間の給水配管(水道管)の適宜の場所に遮断弁1を設置してもよい。例えば遮断弁1を、マンション(あるいは、工場、病院等)に設備されたパイプシャフトに対して設置することも可能である。パイプシャフトは、左右横方向に配置されていたり、上下方向に配置されていたりする。
【0064】
また、上記実施形態では、所定の震度以上の地震を検知する地震検知器53を用い、地震を検知することで、弁体13を給水姿勢W1から給水遮断姿勢W2とするように構成した。この地震感知器53としては、感震器や加速度センサ等が用いられ、所定の震度や加速度を検知することで、弁体13を給水姿勢W1から給水遮断姿勢W2にする。しかしながら本発明は、地震を検知することで、弁体13を給水姿勢W1から給水遮断姿勢W2とする構成に限定されない。
【0065】
例えば、水道管(メータボックス3内およびそれ以外を含む)の管破断や不図示の給水ポンプ等の設備機器の異常に伴い水道水が所定の流量を超えた場合に、これを流量センサによって検知して、弁体13を給水姿勢W1から給水遮断姿勢W2とするように構成することが考えられる。あるいは、メータボック3に対して一次側に配置した弁や給水ポンプ等の設備機器の異常に伴い水道水が所定の圧力を超えた場合に、これを圧力センサによって検知して、弁体13を給水姿勢W1から給水遮断姿勢W2とするように構成することが考えられる。さらに、設備機器の異常に伴い水道水が所定の温度を超えた場合に、これを温度センサによって検知して、弁体13を給水姿勢W1から給水遮断姿勢W2とするように構成することが考えられる。
【0066】
また、上記実施形態では、流体の一例として水道水を挙げ、水道水の給水遮断を行うようにした遮断弁1を例に挙げた。しかしながら、本発明は水道水の給水遮断を行う遮断弁1に限定されず、他の流体の遮断を行う遮断弁として適用することもできる。他の流体である液体としては、工業用水、燃料油、清涼飲料、水薬等が挙げられる。
【0067】
また、上記実施形態では、回転操作部24の回転軸24Aを手動で回転させる場合を示したが、動力を用いて回転軸24Aを回転させる構成にしてもよい。この場合の動力は、
図10で示したモータMを用いてもよいし、他のアクチュエータを用いてもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、駆動機構21を多数のギヤ38,39,41から構成したが、これに代えて、弁軸19とモータM軸とをギヤで直結する構成としてもよい。この場合、回転軸24Aも弁軸にギヤで直結する構成としてもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、弁軸19と弁体13とを別々に構成し、それらが一体回転するように連結したが、両者を一体形成して弁体13としてもよい。