特許第6374290号(P6374290)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6374290ガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6374290
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】ガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 69/00 20060101AFI20180806BHJP
   C08J 5/08 20060101ALI20180806BHJP
   C08K 7/14 20060101ALI20180806BHJP
【FI】
   C08L69/00
   C08J5/08
   C08K7/14
【請求項の数】6
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-215130(P2014-215130)
(22)【出願日】2014年10月22日
(65)【公開番号】特開2016-79355(P2016-79355A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2017年8月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】396001175
【氏名又は名称】住化ポリカーボネート株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】四之宮 忠司
【審査官】 三原 健治
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/065519(WO,A1)
【文献】 特開2008−144056(JP,A)
【文献】 特許第2842965(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L
C08J
C08K
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリカーボネート樹脂(A)35〜49重量%及びガラス繊維(B)65〜51重量%を含有する樹脂組成物であって、該樹脂組成物中のガラス繊維の重量平均長さが260μm以上であり、該樹脂組成物を成形してなる厚さ4mmの試験片を用いて、ISO178に基づき測定した曲げ強度が240MPa以上であり、曲げ弾性率が18GPa以上であることを特徴とする、ガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項2】
前記樹脂組成物を成形してなる厚さ4mmの試験片を用いて、ISO178に基づき測定した曲げ強度が260MPa以上であり、かつ曲げ弾性率が20GPa以上である、請求項1に記載のガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項3】
コア−シェル構造の衝撃補強剤と、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体を含まない、請求項1または2に記載のガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項4】
前記樹脂組成物に添加され溶融混和されるガラス繊維の数平均繊維長が1〜8mmである、請求項1〜3の何れかに記載のガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項5】
ガラス繊維の重量平均長さが298μm以下である、請求項1〜4の何れかに記載のガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1〜の何れかに記載のガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械的強度や剛性に優れたガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物およびその樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリカーボネート樹脂は優れた機械的強度、耐熱性、熱安定性等に優れた熱可塑性樹脂であることから、電気電子分野や自動車分野等広く工業的に利用されている。
【0003】
ポリカーボネート樹脂は、機械的強度や剛性に優れることから電気機器や電子機器の筐体や電動工具の筐体等に利用されている。近年、スマートフォン等の携帯端末は、その製品を持ち歩きすることから軽量化が要望されている。それら製品の筐体や電機電子部品の内部シャーシ等は更なる薄肉化を達成するため、より一層機械的強度や剛性に優れた成形材料が求められている。従来のポリカーボネート樹脂組成物は、未だ機械的強度や剛性が不十分なことから、この組成物から得られた成形品へ外部力が印加された場合に、当該成形品が撓み、成形品内部に収納される電子部品が損傷するといった不具合を発生しやすいといった問題点があった。
【0004】
従来、ポリカーボネート樹脂組成物の機械的強度や剛性を向上させるためにポリカーボネート樹脂にガラス繊維を含有させる方法が複数知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0005】
例えば、特許文献1には、ポリカーボネート樹脂に数平均アスペクト比4〜10のガラス繊維50〜80重量部からなるガラス繊維強化樹脂成形品が提案されている。特許文献2には、特定の粘度平均分子量のポリカーボネート樹脂にL/D≧3の繊維状充填剤を50〜240重量部からなるガラス繊維強化ポリカーボネートが提案されている。しかしながら、これら特許文献1及び特許文献2は、いずれも所望の曲げ強度、曲げ弾性率を達成できるものではなく、さらなる剛性改良の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3041905号公報
【特許文献2】特許第2842965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前述の諸問題を解決した、すなわち、従来のガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物が達成出来なかった、優れた機械的強度や剛性を発現するガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物およびその樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、ポリカーボネート樹脂に特定配合量のガラス繊維を配合し、樹脂組成物中のガラス繊維の重量平均長さを260μm以上とすることにより、驚くべきことに、得られた成形品の剛性(曲げ強度及び曲げ弾性率)を著しく改善でき、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、 本発明は、ポリカーボネート樹脂(A)35〜49重量%及びガラス繊維(B)65〜51重量%を含有する樹脂組成物であって、該樹脂組成物中のガラス繊維の重量平均長さが260μm以上であり、該樹脂組成物を成形してなる厚さ4mmの試験片を用いて、ISO 178に基づき測定した曲げ強度が240MPa以上であり、曲げ弾性率が14GPa以上であることを特徴とする、ガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物およびその樹脂組成物を成形してなる樹脂成形品に関するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂が本来備える優れた耐熱性や熱安定性を維持しつつ、機械的強度や剛性を飛躍的に向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について実施形態及び例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は、以下に示す実施形態及び例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施することができる。
【0012】
本発明にて使用されるポリカーボネート樹脂(A)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
【0013】
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類が挙げられる。
【0014】
これらは単独または2種類以上混合して使用されるが、これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
【0015】
さらに、上記のジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−〔4,4−(4,4′−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル〕−プロパンなどが挙げられる。
【0016】
ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は、特に制限はないが、成形加工性、強度の面より通常10000〜100000、より好ましくは12000〜30000、さらに好ましくは14000〜26000の範囲である。また、かかるポリカーボネート樹脂を製造するに際し、分子量調整剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。
【0017】
ポリカーボネート樹脂(A)の配合量は、35〜49重量%である。49重量%を越えると曲げ強度、曲げ剛性に劣り、35重量%未満では混練性に劣ることから好ましくない。より好ましい配合量は、35〜45重量%、最も好ましくは40〜45重量%である。
【0018】
本発明にて使用されるガラス繊維(B)は通常熱可塑性樹脂に使用されているガラス繊維であれば、いずれも使用出来る。ガラス繊維に用いられるガラスは無アルカリガラス(Eガラス)が好ましい。ガラス繊維の直径は6μm以上のものが好ましく、最適範囲は6〜20μmである。
更にガラス繊維の数平均繊維長は1〜8mmが好ましい。これらは従来公知の任意の方法に従い製造される。
【0019】
カラス繊維(B)の直径が6〜20μmの範囲であれば、剛性に優れるため好ましい。また、数平均繊維長が1mm以下では機械的強度の改良が十分でなく、8mmを越えるポリカーボネート樹脂を製造する際、ポリカーボネート樹脂中へのガラス繊維の分散性に劣ることからガラス繊維が樹脂から脱落する等して生産性が低下しやすい。市販にて入手可能なガラス繊維としては、直径6μmのものや13μmのものがあり、こららの数平均長さは2〜6mmとなっている。
【0020】
ガラス繊維(B)は、ポリカーボネート樹脂との密着性を向上させる目的でアミノシラン、エポキシシラン等のシランカップリング剤などにより表面処理を行う事が出来る。また、ガラス繊維を取り扱う際、取り扱い性を向上させる目的でウレタンやエポキシ等の集束材などにより集束させることが出来る。
【0021】
ガラス繊維(B)の配合量は、65〜51重量%である。65重量%を越えると混練性に劣り、51重量%未満では強度、剛性に劣るため好ましくない。より好ましい配合量は、55〜65重量%、最も好ましくは55〜60重量%である。
【0022】
本発明は、ポリカーボネート樹脂とガラス繊維を混練するとき、溶融混練された樹脂組成物中のガラス繊維の重量平均長さが260μm以上となっていることが必要であり、このような重量平均長さのガラス繊維を含有するポリカーボネート樹脂組成物からISO試験法に準じた試験片を成形して作成し、得られた試験片を用いてISO 178に基づき測定した際には、曲げ強度が240MPa以上であり、曲げ弾性率が14GPa以上の優れた剛性を得ることが出来ることを新規に知見したものである。
【0023】
本発明のガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物において、上記の所定の重量平均長さのガラス繊維を残存させるためには、ポリカーボネート樹脂を第一フィーダー(原料供給口)から押出機バレル内に供給し、樹脂を十分に溶融した後にガラス繊維を第二フィーダー(充填剤供給口)から押出機バレル内に供給した後、混練に用いるスクリューに一般的に入手可能な公知のディスク(例えば、ニーディングディスク)等を適用し、公知の手法によりこのディスクをスクリュー構成として複数用いたり、ディスクの配置を適宜変えたりする等により調整して混練を行うことにより可能である。
【0024】
更に、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明のポリカーボネート樹脂組成物に各種の樹脂、酸化防止剤、蛍光増白剤、顔料、染料、カーボンブラック、充填材、離型剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、ゴム、軟化材、展着剤(流動パラフィン、エポキシ化大豆油等)、難燃剤、有機金属塩等の添加剤、滴下防止用ポリテトラフルオロエチレン樹脂等を配合しても良い。
【0025】
各種の樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ABS、AES、AAS、AS、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド樹脂等が挙げられ、これらは一種もしくは二種以上で併用してもよい。
【0026】
酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤などが挙げられる。なかでも、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好適に使用され、例えば、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレン−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどが挙げられる。とりわけ、下記構造式に示される化合物が好適に用いられる。該酸化防止剤としてはチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製Irganox1076などが挙げられる。
【実施例】
【0027】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。ただし本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲においては、任意に変更乃至改変して実施することができる。なお、特に断りのない限り、実施例中の「%」及び「部」は、それぞれ重量基準に基づく「重量%」及び「重量部」を示す。
【0028】
使用した原料の詳細は以下のとおりである。
ポリカーボネート樹脂(A):
ビスフェノールAとホスゲンから合成されたポリカーボネート樹脂
(住化スタイロンポリカーボネート社製 カリバー200−20、粘度平均分子量
19000、以下、「PC」と略記)
ガラス繊維(B):
Eガラス繊維
(オーウェンスコーニングジャパンCS03 MA FT737
繊維径13μm、繊維長3mm / 以下「GF」と略記)
【0029】
(ポリカーボネート樹脂組成物ペレットの作成)
前述の各種配合成分を表1に示す配合比率にて、二軸押出機(神戸製鋼所製KTX37)を用いて、溶融温度300℃にて混練し、ガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物を得た。ガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂はポリカーボネート樹脂を第一フィーダー(原料供給口)から押出機バレル内に供給し、樹脂を十分に溶融した後にガラス繊維を第二フィーダー(充填剤供給口)から押出機バレル内に供給した後、混練を行い、ポリカーボネート樹脂組成物ペレットを得た。
【0030】
(成形品の曲げ強度、曲げ弾性率の評価)
上記で得られた各種樹脂組成物のペレットをそれぞれ120℃で4時間乾燥した後に、射出成型機(日本製鋼所製J−100E−C5)を用いて設定温度300℃、射出圧力1600kg/cm2にてISO試験法に準じた厚み4mmの試験片を作成し、得られた試験片を用いてISO 178に準じ曲げ強度および曲げ弾性率(剛性)を測定し、曲げ強度が240MPa以上、曲げ弾性率が14GPa以上を良好とした。
【0031】
(重量平均長さ)=重量平均GF長
上記で得られた各種樹脂組成物のペレットをるつぼに採り、電気炉を用いて500℃2時間加熱する事で樹脂分を完全に灰化させ、るつぼを冷却させた後、るつぼ内にアルコールを適量加えた。その後、るつぼを振って、るつぼ内のGFをアルコールに分散させた後、その分散アルコールをピペットによりガラス板に採取し、キーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX−1000を用いて700本以上のGF長を想定し、重量平均GF長を求めた。
【0032】
【表1】
【0033】
実施例1に示すように、本発明の構成要件を満足するものについては、要求性能を満たしていた。
一方、比較例1〜4に示すように、本発明の構成要件を満足しないものについては、それぞれ次のとおり欠点を有していた。
比較例1は、ガラス繊維(GF)の配合量が規定量よりも少ない場合で、曲げ強度、曲げ弾性率が不良となった。
比較例2は、重量平均長さが規定量よりも短い場合で、曲げ強度が不良となった。
比較例3は、重量平均長さが規定量よりも短い場合で、曲げ強度が不良となった。
比較例4は、ガラス繊維(GF)が規定量よりも多い場合で、造立が困難なことからガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂が得られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明のガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂が本来備える優れた耐熱性や熱安定性を維持しつつ、機械的強度や剛性を飛躍的に向上させることができるものであり、その産業上の利用価値は極めて高い。例えば、電気機器や電子機器に使用される薄肉筐体や内部シャーシに用いる金属製品の代替品への使用が可能であり、製品の軽量化が出来る。また、このような樹脂組成物から得られた成形品へ外部力が印加された場合に、当該成形品が撓み、成形品内部に収納される電子部品へ損傷を及ぼすといった不具合の発生が可及的に抑えられる。