特許第6374300号(P6374300)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6374300
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】表皮材及び乗物用内装部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B68G 7/05 20060101AFI20180806BHJP
   A47C 31/02 20060101ALI20180806BHJP
   B60N 2/90 20180101ALN20180806BHJP
【FI】
   B68G7/05 B
   A47C31/02 B
   !B60N2/90
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-228785(P2014-228785)
(22)【出願日】2014年11月11日
(65)【公開番号】特開2016-87333(P2016-87333A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年9月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100188226
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 俊達
(72)【発明者】
【氏名】塩崎 裕由
【審査官】 井出 和水
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5356844(JP,B2)
【文献】 実開昭61−013687(JP,U)
【文献】 特開2004−057333(JP,A)
【文献】 米国特許第09216702(US,B1)
【文献】 実公平03−021649(JP,Y2)
【文献】 特開2011−121571(JP,A)
【文献】 米国特許第06592181(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B68G 7/05 − B68G 7/054
A47C 31/02 − A47C 31/06
B60N 2/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表皮片を縫い合わせてなる表皮材であって、
前記表皮片同士の縫合部に共縫いされると共に、それら表皮片同士の縫い目に沿って前記表皮片の外側へ延出する帯状のストラップを備えたことを特徴とする表皮材。
【請求項2】
前記縫合部に前記ストラップを共縫いする糸が、前記ストラップのうち前記表皮片の外側へ延出する部分にも縫い付けられていることを特徴とする請求項1に記載の表皮材。
【請求項3】
前記縫合部には、縫い目で裏側に折り返された縫い代を前記表皮片に縫い付ける装飾ステッチが形成され、
前記ストラップは、前記装飾ステッチによって前記縫合部に共縫いされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の表皮材。
【請求項4】
基材の表側面を請求項1乃至3のうち何れか1の請求項に記載の表皮材にて覆う乗物用内装部品の製造方法であって、
前記基材には、表側が凸となるようにL字状に折れ曲がったL型壁部が設けられ、
前記表皮材の前記縫合部が前記L型壁部の折れ目を横切るように前記表皮材を前記L型壁部の表側面に宛がい、前記ストラップを前記L型壁部の裏側へ引き込むことで、前記表皮材の端部を前記L型壁部の端部に巻きつけるようにして前記基材の裏側へと折り返し、その折り返し部分を前記基材に固定することを特徴とする乗物用内装部品の製造方法。
【請求項5】
前記L型壁部は、L字の一方の辺部が他方の辺部よりも短くなった形状に形成され、
前記L型壁部の短辺部の表側面に、前記縫合部を受容する受容凹部を形成しておき、
前記受容凹部に前記縫合部を受容させながら前記短辺部の表側面に前記表皮材を宛がい、前記短辺部に前記表皮材の端部を巻きつけることを特徴とする請求項4に記載の乗物用内装部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の表皮片を縫い合わせてなる表皮材及びそれを用いた乗物用内装部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の乗物用内装部品の製造方法として、箱状をなす基材の表側面を表皮材で覆い、基材からはみ出した表皮材の端部を基材の壁部に巻きつけるようにして基材の裏側へ折り返し、その折り返し部分を溶着やタッカー止めによって固定するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5356844号公報(段落[0005]〜[0007]、図7図8
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の表皮材では、表皮材の縫合部を基材の裏側に折り返す際、表皮片が重なった縫合部の基材からの浮き上がりを抑えようとすると手間がかかり、作業性が悪いという問題があった。
【0005】
本発明は、縫合部の基材からの浮き上がりを抑えつつ作業性の向上を図ることが可能な表皮材及びそれを用いた乗物用内装部品の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る表皮材は、複数の表皮片を縫い合わせてなる表皮材であって、表皮片同士の縫合部に共縫いされると共に、それら表皮片同士の縫い目に沿って表皮片の外側へ延出する帯状のストラップを備えたところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の表皮材において、縫合部にストラップを共縫いする糸が、ストラップのうち表皮片の外側へ延出する部分にも縫い付けられているところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の表皮材において、縫合部には、縫い目で裏側に折り返された縫い代を表皮片に縫い付ける装飾ステッチが形成され、ストラップは、装飾ステッチによって縫合部に共縫いされているところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明に係る乗物用内装部品の製造方法は、基材の表側面を請求項1乃至3のうち何れか1の請求項に記載の表皮材にて覆う乗物用内装部品の製造方法であって、基材には、表側が凸となるようにL字状に折れ曲がったL型壁部が設けられ、表皮材の縫合部がL型壁部の折れ目を横切るように表皮材をL型壁部の表側面に宛がい、ストラップをL型壁部の裏側へ引き込むことで、表皮材の端部をL型壁部の端部に巻きつけるようにして基材の裏側へと折り返し、その折り返し部分を基材に固定するところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4に記載の乗物用内装部品の製造方法において、L型壁部は、L字の一方の辺部が他方の辺部より短くなった形状に形成され、L型壁部の短辺部の表側面に、縫合部を受容する受容凹部を形成しておき、受容凹部に縫合部を受容させながら短辺部の表側面に表皮材を宛がい、短辺部に表皮材の端部を巻きつけるところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0011】
[請求項1,4の発明]
本発明では、表皮材を基材の表側面に宛がい、基材から飛び出した表皮材の端部を基材の裏側へ折り返して固定することで乗物用内装部品が得られる。その際、基材に、表側が凸となるようにL字状に折り曲げられたL型壁部が形成されると共に、このL型壁部の折り目を横切るように縫合部が配置されると、縫合部の基材からの浮き上がりが問題となり得る。ここで、本発明の表皮材では、縫合部に共縫いされると共に、表皮片同士の縫い目に沿って表皮片の外側へ延出する帯状のストラップを備えているので、ストラップをL型壁部の裏側に引き込むことで、表皮材の端部をL型壁部の端部に巻きつけるようにしてL型壁部の裏側へ折り返すことが可能となる。このように、本発明では、ストラップを引っ張るだけで、表皮材の折り返しが可能となるので、作業性の向上が図られる。しかも、ストラップは縫合部に縫い付けられているので、縫合部の基材からの浮き上がりを抑えることが可能となる。
【0012】
[請求項2の発明]
請求項2の発明によれば、ストラップの強度を向上することが可能となり、ストラップを薄くすることが可能となる。また、表皮材の縫合部にストラップを共縫いする際にストラップの補強が可能となるので、ストラップを補強する工程を別途設ける必要がなくなる。
【0013】
[請求項3の発明]
請求項3の発明によれば、ストラップが表皮片と共に縫い目で折り返されることがなくなり、ストラップによって縫合部が厚くなることを抑制可能となる。
【0014】
[請求項5の発明]
請求項5の発明によれば、表皮片が幾重にも重なった縫合部が、L型壁部の表側面に形成された受容溝に受容されるので、L型壁部からの表皮材の浮き上がりを抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係るアームレストの分解斜視図
図2】表皮材及び基材の断面図
図3】表皮材を裏側から見た斜視図
図4】縫合部の断面図
図5】折り返し工程前の表皮材及びL側壁部を裏側から見た斜視図
図6】(A)折り返し工程前の表皮材及びL型壁部の断面図、(B)折り返し工程後の表皮材及びL型壁部の断面図
図7】(A)変形例に係る表皮材における縫合部の断面図、(B)変形例に係る表皮材における縫合部の断面図
図8】変形例に係るアームレストの分解斜視図
図9】変形例に係るアームレストの分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を図1図6に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態に係る表皮材10は、基材51の表側面51Mを被覆して、本発明に係る「乗物用内装部品」としてのアームレスト50を構成する。
【0017】
基材51は、下端が開口した箱状をなし、天井壁51Aと前面壁51Bと側壁51C,51Cとを備えている。そして、天井壁51Aと前面壁51Bとによって、本発明に係るL型壁部52が形成されている。なお、前面壁51Bの上下方向の長さは、天井壁51Aの前後方向の長さよりも短くなっていて、前面壁51BがL型壁部52におけるL字の短辺部を構成し、天井壁51AがL型壁部52におけるL字の長辺部を構成している。
【0018】
表皮材10は、例えば、本革製の表皮片11を複数縫い合わせてなり、基材51の外形とほぼ同じ形状に縫製されている。具体的には、複数の表皮片11には、基材51の天井壁51Aと前面壁51Bとを表側から覆う第1表皮片11Aと、基材51の側壁51C,51Cを表側から覆う第2表皮片11B,11Bとが備えられている。
【0019】
図2に示すように、第1表皮片11Aと第2表皮片11Bとは、縫合糸13によって縫い合わされている。第1表皮片11Aと第2表皮片11Bの縫い代12,12は、表皮材10の裏側へ入り込むように折り返されている。そして、表皮材10を表側から見たときに、第1表皮片11Aと第2表皮片11Bの間に境界線11Lが形成されている。
【0020】
縫い代12,12は、第1表皮片11A側に倒され、縫い付け糸17によって第1表皮片11Aに縫い付けられている。縫い付け糸17は、縫合糸13により形成される縫い目13Lに沿って延びて装飾ステッチ14を形成する。そして、縫い代12,12と、第1表皮片11Aのうち縫い代12,12が重ね合わされた部分とによって、本発明の縫合部15が形成されている。このように、本実施形態では、縫合部15の厚さが、表皮片11を3枚重ねた厚さとほぼ同じになっている。
【0021】
図1に示すように、表皮材10の下端部からは、帯状のストラップ20が下方に延びている。具体的には、ストラップ20は、表皮材10のうち基材51の前面壁51Bを覆う部分から装飾ステッチ14に沿って下方へ延びている。ここで、装飾ステッチ14は縫い目13L(図2参照)に沿って延びているので、ストラップ20は、縫い目13Lに沿って延びることになる。なお、図1の例では、ストラップ20が表皮材10の両側部に1つずつ配置されているが、一方の側部にのみ配置されてもよい。
【0022】
図3及び図4に示すように、ストラップ20は、例えば、不織布又は布地によって構成され、装飾ステッチ14によって縫合部15に共縫いされている。即ち、装飾ステッチ14を形成する縫い付け糸17が、本発明の「縫合部にストラップを共縫いする糸」に相当する。
【0023】
図3に示すように、縫い付け糸17は、ストラップ20のうち表皮片11より外側に延出した延出部20Aにも縫い付けられている。別の言い方をすれば、装飾ステッチ14は、延出部20Aまで延長されている。なお、装飾ステッチ14は、ストラップ20の幅方向の中央部に配置されている。
【0024】
表皮材10の構造に関する説明は以上である。次に、表皮材10を用いたアームレスト50の製造方法について説明する。
【0025】
アームレスト50を製造するには、まず、基材51の表側面51Mに表皮材10が宛がわれる。このとき、表皮材10は、基材51のL型壁部52(天井壁51A及び前面壁51B)を表側から覆い、表皮材10の縫合部15が、L型壁部52の折れ目、即ち、天井壁51Aと前面壁51Bとの間の境界部分を横切るように配置される(図1参照)。また、前面壁51Bの表側には、図1及び図5に示すように、上下方向に延びた受容溝53(本発明の「受容凹部」に相当する。)が形成されていて、この受容溝53に表皮材10の縫合部15が受容される。これにより、表皮材10の縫合部15が前側に膨出することが抑えられている。
【0026】
ここで、表皮材10のうち前面壁51Bを覆う部分(以下、「前面カバー部10Z」という)の長さは、前面壁51Bの高さよりも長くなっていて、基材51の表側面51Mが表皮材10で覆われると、図5及び図6(A)に示すように、前面カバー部10Zの下端部が前面壁51Bよりも下方に飛び出る。そして、前面カバー部10Zの下端部から、ストラップ20がさらに下方に飛び出た格好となる。
【0027】
表皮材10が基材51の表側面51Mに宛がわれると、表皮材10の下端部を基材51の裏側へと折り返す。このとき、ストラップ20をL型壁部52の裏側に引き込むことで、図6(A)から図6(B)への変化に示すように、表皮材10の前面カバー部10Zを前面壁51Bの下端部を支点として折り曲げ、前面壁51Bに巻きつける。すると、前面カバー部10ZがL型壁部52の裏側へと折り返される。このように、本実施形態のアームレスト50の製造方法では、ストラップ20を基材51の裏側へ引き込むことにより、表皮材10の下端部を基材51の裏側へ容易に折り返すことが可能となる。
【0028】
次いで、表皮材10のうち基材51の裏側に折り返された部分を、溶着やタッカー止め等によって基材51に固定する。図6(B)には、表皮材10がタッカー61によって基材51に固定される例が示されている。これにより、アームレスト50が完成する。なお、ストラップ20の延出部20Aは、基材51の裏側に溶着やタッカー止め等によって固定されてもよいし、切除されてもよい。
【0029】
アームレスト50の製造方法に関する説明は以上である。次に、本実施形態の表皮材10及び表皮材10を用いたアームレスト50の製造方法の作用効果について説明する。
【0030】
本実施形態のアームレスト50の製造方法では、表皮材10を基材51の表側面51Mに宛がい、基材51から飛び出した表皮材10の下端部を基材51の裏側へ折り返して固定することでアームレスト50が得られる。ここで、基材51には、表側が凸となるようにL字状に折り曲げられたL型壁部52が形成され、このL型壁部52の折り目を横切るように縫合部15が配置されるため、縫合部15の基材51からの浮き上がりが問題となり得る。しかしながら、本実施形態の表皮材10では、縫合部15に共縫いされると共に、表皮片11,11同士の縫い目13Lに沿って表皮片11の外側へ延出する帯状のストラップ20を備えているので、ストラップ20をL型壁部52の裏側に引き込むことで、表皮材10の下端部をL型壁部52の下端部に巻きつけるようにしてL型壁部52の裏側へ折り返すことが可能となる。即ち、本実施形態では、縫合部15に縫い付けられたストラップ20を引っ張ることで、縫合部15の基材51(L型壁部52)からの浮き上がりを抑えることが可能となる。しかも、ストラップ20を基材51(L型壁部52)の裏側へ引き込むだけで、表皮材10の折り返しが可能となるので、作業性の向上が図られる。
【0031】
また、本実施形態では、縫合部15にストラップ20を共縫いする装飾ステッチ14が、ストラップ20のうち表皮片11の外側に延出した延出部20Aにも縫い付けられているので、装飾ステッチ14による延出部20Aの補強が図られ、ストラップ20の厚みを薄くすることが可能となる。しかも、縫合部15に装飾ステッチ14を形成するときに、延出部20Aにも装飾ステッチ14を形成するだけで、ストラップの補強が可能となるので、ストラップ20を補強する工程を別途設ける必要がなくなる。さらに、ストラップ20を引っ張るときには、装飾ステッチ14をストラップ20と一体に引っ張ることになるので、縫合部20を引っ張る力を安定させることが可能となる。
【0032】
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0033】
(1)上記実施形態では、縫合部15にストラップ20を共縫いする糸が装飾ステッチ14であったが、図7(A)に示すように、第1表皮片11Aと第2表皮片11Bとを縫い合わせる縫合糸13であってもよい。なお、上記実施形態のように、ストラップ20を装飾ステッチ14で縫い付ける構成とすれば、ストラップ20が表皮片11と共に縫い目13で折り返されることがなくなり、ストラップ20によって、縫合部15が厚くなることが抑えられる。
【0034】
(2)上記実施形態では、装飾ステッチ14が1つだけ形成された構成であったが、図7(B)に示すように、第1表皮片11Aと第2表皮片11Bの境界線11Lを挟むように2つの装飾ステッチ14,14が施された構成であってもよい。本構成においては、各表皮片11の縫い代12は互いに離れるように折り返され、第1表皮片11Aの縫い代12は第1表皮片11Aに、第2表皮片11Bの縫い代12は第2表皮片11Bに重ねられる。そして、それら縫い代12,12と、各表皮片11において縫い代12が重ねられた部分とによって、縫合部15が形成されている。ストラップ20は、第1表皮片11Aと第2表皮片11Bのうち何れか一方の表皮片11の縫い代12に、装飾ステッチ14によって共縫いされる。なお、ストラップ20は、上記(1)の構成のように、縫合糸13により共縫いされてもよい。
【0035】
(3)上記実施形態では、本発明をアームレストに適用した例を示したが、インストルメントルパネル、コンソールボックス、ドアトリム、ピラーガーニッシュ等に適用してもよい。
【0036】
(4)上記実施形態では、本発明の「受容凹部」は、基材51の前面壁51Bに形成された受容溝53で形成されていたが、図8に示すように、前面壁51Bの側部を凹ませて本発明の受容凹部54が形成されてもよい。
【0037】
(5)上記実施形態において、基材51の天井壁51Aにも、縫合部15を受容する受容溝が形成されてもよい。また、上記(4)の構成において、さらに、天井壁51Aの側部を凹ませて縫合部15を受容する構成としてもよい。
【0038】
(6)上記実施形態では、表皮材10の縫合部15がL型壁部52の側部に宛がわれる構成を例示したが、図9に示すように、L型壁部52の幅方向の中間部に宛がわれる構成であってもよい。
【符号の説明】
【0039】
10 表皮材
11 表皮片
12 縫い代
14 装飾ステッチ
15 縫合部
17 縫い付け糸
20 ストラップ
20A 延出部
50 アームレスト(乗物用内装部品)
51 基材
52 L型壁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9