(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6374310
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】エポキシ、硬化剤、および後で組み立てられる対象物の部品の3次元(3D)印刷
(51)【国際特許分類】
B29C 64/112 20170101AFI20180806BHJP
B29C 64/209 20170101ALI20180806BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20180806BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20180806BHJP
【FI】
B29C64/112
B29C64/209
B33Y10/00
B33Y30/00
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-247041(P2014-247041)
(22)【出願日】2014年12月5日
(65)【公開番号】特開2015-120343(P2015-120343A)
(43)【公開日】2015年7月2日
【審査請求日】2017年12月4日
(31)【優先権主張番号】14/136,563
(32)【優先日】2013年12月20日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・ディー・レヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド・エム・パングラッツィオ
【審査官】
今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2002/0093115(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0073068(US,A1)
【文献】
特開2004−268591(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/190817(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00 − 64/40
B33Y 10/00
B33Y 30/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造体を形成するシステムであって、
3次元(3D)プリンタを含み、前記3次元(3D)プリンタが、
ポリマーを含む第1の容器と、
接着剤を含む第2の容器と、
プラットフォーム上にポリマーを分配して3Dサブ構造体を形成するよう設定される第1のノズルと、
前記3Dサブ構造体上に接着剤を分配するよう設定される第2のノズルと、
前記接着剤の印刷後、前記接着剤を覆い、前記接着剤の空気への露出を少なくし、それによって前記接着剤の硬化速度を下げるように設定される膜被覆を形成する手段と、
を含むシステム。
【請求項2】
ポリマーを分配するよう設定される前記第1の容器および前記第1のノズルを含む第1の印刷ヘッドと、
接着剤を分配するよう設定される前記第2の容器および前記第2のノズルを含む第2の印刷ヘッドと、をさらに含む請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記接着剤が、エポキシ樹脂成分とエポキシ硬化剤成分のうちの1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記膜被覆を形成する手段は、
前記膜被覆の原料であるシーラを含む第3の容器と、
前記シーラを分配するよう設定される第3のノズルと、
を含む請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の容器と前記第2の容器とを含むプリントヘッドをさらに含み、
前記接着剤が、ポリウレタン、アクリル、シアノアクリレート、熱可塑性物質、および熱硬化性物質のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記システムは、供給リールと、巻き取りリールと、テープ組立体とを含むテープおよびリール組立体をさらに含み、
前記テープ組立体は、複数のあらかじめ作られたソリッドな前記膜被覆の構成材料を含み、
前記システムは、前記接着剤の印刷後、前記複数のあらかじめ作られたソリッドな膜被覆の構成材料を前記接着剤上に分配して前記膜被膜を形成し、前記接着剤の空気への露出を少なくし、それによって前記接着剤の硬化速度を下げるようにさらに設定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数のあらかじめ作られたソリッドな膜被覆の構成材料は、前記接着剤から前記膜被覆を取り除く助けとなるタブ部を含む、請求項6に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本教示は3次元(3D)印刷に関し、より具体的には、3D構造体の印刷、および3D印刷された構造体と、その他の3D印刷された構造体、またはその他の技術を用いて加工された構造体との組立てに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の加工技術の使用はデジタル加工の方向へと急速に向かっている。付加加工または除去加工(本明細書では、集合的に3D印刷と呼ぶ)は、従来の加工技術に対して数多くの優位性を有する。例えば、従来の技術を用いてもかつては加工が不可能だった複雑な構造の設計も、3D印刷を用いれば加工が可能となる。さらに、3D印刷により、単一ユニットと同じくらい小さなバッチサイズを加工するための、費用効率が高い方法が提供される。設計はエンドユーザがコンピュータ支援設計(CAD)のソフトウェアを用いて作ることができる、あるいは家庭または小さな会社からユーザが必要な修理部品または所望される装飾用の構造体を作るための、ウェブベースのソフトウェアの命令をダウンロードすることが可能である。異なる印刷ヘッドにより、加工される対象物に複数の異なる材料を取り付けることができる(例えば、ゴム、プラスチック、紙、ポリウレタン類似材料、金属など)。
【0003】
3D印刷されたサブ構造体の中には、印刷終了後に別のサブ構造体と一緒に組み立てなければならないものもあり得る。例えば、接着剤を用いて3D印刷されたサブ構造体を1つ以上の別の3D印刷されたサブ構造体に、または1つ以上の従来通り加工されたサブ構造体に、あるいはその両方に取り付けることができる。組み立てるために、2つ以上の3D印刷された構造体を、印刷終了後、組立ステーションに搬送することができ、そこで一方または両方のサブ構造体に手作業で接着剤が塗布される。次いで、これらの構造体が接着剤を用いて組み立てられて、2つ以上の構造体が一緒に固定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
より素早くまたは手軽に部品を組み立てることができる3D印刷された構造体および方法が所望される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下に、本教示の一つ以上の実施形態のうちのいくつかの態様の基本的な理解を提供するための簡略化した概要を提示する。この概要は、広い範囲に及ぶ概略ではなく、またそれは、本教示の主要な要素または重要な要素を識別すること、および本開示の範囲を線引きすることを意図しているものでもない。この概要の主な目的は、むしろ、下記の記載する詳細な説明の前置きとして、簡略化した形態で1つ以上の概念を単に提示するだけである。
【0006】
本教示の実施形態では、構造体を形成するシステムが提供され得、このシステムは3次元(3D)プリンタを含む。この3Dプリンタは、ポリマーを含む第1の容器と、接着剤を含む第2の容器と、プラットフォーム上にポリマーを分配して3Dサブ構造体を形成するよう設定されるノズルと、3Dサブ構造体上に接着剤を分配するよう設定されるノズルと、を含むことができる。
【0007】
別の実施形態では、構造体を形成する方法が提供され、この方法は、3次元(3D)プリンタを提供するステップを含むことができ、このプリンタは、ポリマーを含む第1の容器と、接着剤を含む第2の容器とを含む。この方法は、3Dプリンタを用いて、ポリマーを第1の容器からノズルを通して分配して、3Dサブ構造体を印刷するステップと、3Dプリンタを用いて、接着剤を第2の容器からノズルを通して3Dサブ構造体上に分配するステップと、をさらに含むことができる。
【0008】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付図面は、本明細書とともに、本教示の実施形態を例示し、本教示の原理を説明するのに役立つ。これらの図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本教示の実施形態に従った、製造過程の構造を示す概略断面図である。
【
図2】
図2は、本教示の実施形態に従った、製造過程の構造を示す概略断面図である。
【
図3】
図3は、本教示の実施形態に従った、製造過程の構造を示す概略断面図である。
【
図4】
図4は、本教示の実施形態に従った、製造過程の構造を示す概略断面図である。
【
図5】
図5は、本教示の実施形態に従った、製造過程の構造を示す概略断面図である。
【
図6】
図6は、本教示の実施形態に従った、方法のフローチャートである。
【
図7】
図7は、本教示の実施形態に従った、システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
尚、これらの図面のいくらかの詳細は簡略化されており厳密な構造的な正確さ、詳細、および縮尺を維持するよりはむしろ本教示の理解を容易にするように描かれている。
【0011】
添付図面に示されている例を参照して、本教示の例示的な実施形態を詳細に説明する。可能な限り、図面全体を通して用いられている同じ参照符号は、同じ部品または同様の部品を指す。
【0012】
接着剤を用いて、3D印刷されたサブ構造体を、別の3D印刷されたサブ構造体に、または1つ以上の従来通り製造されたサブ構造体、あるいはその両方に取り付ける場合、それらの印刷されたサブ構造体に接着剤を手作業で塗布しなければならない。手作業で接着剤を塗布すると、正確さを欠き、コストがかさみ、ミスが発生する可能性が生じる。
【0013】
本教示の実施形態では、例えば、下記に記載する実施形態のうちの1つを用いて、3D印刷されるサブ構造体の加工中に3Dプリンタ自身により1種類以上の接着剤を塗布することが可能である。3Dプリンタを用いて接着剤を塗布することにより、接着剤の塗布精度を向上させ、コストおよびミスの可能性を少なくすることが可能となる。本出願の目的に関して、「サブ構造体」または「サブ組立体」とは、完成した組立体(すなわち、上部構造体)を形成するために、その他のサブ構造体と取り付けられる構造体のことである。
【0014】
図1〜
図5の断面図には、本教示の実施形態に従った、3Dサブ構造体および接着剤を印刷する様子、および2つの3D印刷されたサブ構造体を組み立てて完成した組立体を形成する様子が示されている。
図1には、プラットフォーム10および複数の材料供給部14を含む3Dプリンタが示され、これらの複数の材料供給部14は、例えば、印刷される様々な液体(粘着)材料16〜20を供給する複数の容器である。これらの液体材料は異なる印刷ヘッドにより供給することができ、あるいは同じ印刷ヘッド内の異なる容器により供給することができ、その他の構成も考えることができる。ある実施形態では、ポリマーなどの材料18が、プリンタにより、容器14Bからノズル22Bを通ってプラットフォーム10上に分配される(例えば、吐出される)。ノズル22と容器14は印刷ヘッド24の一部でよい。印刷中、印刷ヘッド24はX、Y、およびZ方向に移動して、複数の層12A〜12Cをプラットフォーム10上に分配して3Dサブ構造体12を形成する。層12の厚さは約100μm以下でよい。構造体およびサブ構造体の3D印刷は、当技術分野では周知である。
【0015】
その後、
図2に示される通り、プリンタにより、接着剤16はノズル22Aを通ってサブ構造体12上に分配されて、分配された接着剤26が供給される。この分配された接着剤26は、空気硬化性接着剤、エポキシ(例えば、ポリウレタン、アクリル、シアノアクリレートなど)、熱可塑性物質、熱硬化性物質などでよい。この接着剤16は、
図2に示される通り、3Dサブ構造体12の凹部に分配され得る、あるいは平面またはその他の構造トポグラフィの上に分配され得る。接着剤16は3Dプリンタを用いて分配されるため、接着剤16の位置および体積は正確に制御可能である。別の実施形態では、サブ構造体12が完成する前に、例えば、層12Aおよび層12Bのうちの1つ以上が付着した後で、層12Cが付着する前に、接着剤16を分配可能であることは理解されよう。
【0016】
ある実施形態では、接着剤26は空気硬化性接着剤でよい。空気硬化性接着剤のうちの特定の種類は、特定の塗布に対して様々な望ましい特性を有しているものの、その作業時間は許容しがたいほど短い。ある実施形態では、
図3に示される通り、容器14Cからノズル22Cを通って上端層12C上に随意的にシーラ20を分配して、膜被覆30を形成し、この膜被覆30で分配された接着剤26を覆う。この膜被覆30により、接着剤26の空気への露出が少なくなり、したがって、接着剤26の硬化速度が落ちる。この膜被覆30は、膜被覆30を簡単に取り除くためのタブ部32を含んで形成することが可能である。3Dプリンタを用いて膜被覆30のタブ32を印刷することなどに必要とされる材料の突出し部の形成は、3D印刷の当業者により行うことができる。
【0017】
別の実施形態では、液体の粘着材料を用いて膜被覆30を印刷する代りに、このプリンタが供給リール36Aおよび巻取りリール36Bを含む、テープおよびリール組立体34を備えることができる。テープ組立体38は、複数のあらかじめ作られたソリッドな膜被覆30を含む。本実施形態では、
図3に示される通り、プリンタは、ソリッドな膜被覆30を上端層12C上に分配し、分配された接着剤26を覆うよう設定される。膜被覆が粘着材料で印刷され硬化される場合、あるいは膜被覆がソリッドなあらかじめ作られた部分30として分配される場合のどちらでも、サブ構造体12とサブ構造体40とを接続する前に、この膜被覆30を取り除いて接着剤26を露出させるが、これについては後程説明する。
【0018】
別の実施形態では、分配された接着剤26が膜被覆30の保護を用いることなく十分な圧締時間を有するように、接着剤16は、例えば、熱または紫外線(UV)光を用いて硬化可能な接着剤でよい。さらに、接着剤16はB段階接着剤でよく、付着後、接着剤26は組み立てる前に部分的に硬化する。その後、サブ構造体の組立後、B段階接着剤が完全に硬化する、例えば、熱硬化する数時間また数日後にサブ構造体を組み立てることができる。
【0019】
図4および
図5には、第1のサブ構造体12に第2のサブ構造体40を取り付ける様子が示されている。この第2のサブ構造体40は、複数の層40A〜40Cを含む別の3D印刷されたサブ構造体、または従来の技術(押出し成形、射出成形など)を用いて加工された部品でよい。本実施形態では、第1の接着剤42が3Dプリンタを用いて分配され、図示される通り、サブ構造体12内の凹部を部分的にだけ満たす。第2の接着剤44は3Dプリンタを用いて第2のサブ構造体40上に分配可能であり、この第2の接着剤44は第1の接着剤42と同じ種類でよい、あるいは異なる種類でよい。
図4の組立体は、その他の接着剤の層46をさらに含むことができ、この接着剤層46は接着剤42、44と同じ種類でよい、あるいは異なる種類でもよい。ある実施形態では、第1の接着剤42は二液エポキシの樹脂成分または硬化成分(すなわち、硬化剤)のうちのどちらか一方でよく、第2の接着剤は二液エポキシの樹脂成分または硬化剤成分のもう一方でよい。
【0020】
次に、1つ以上の接着剤42〜46を用いて、第1のサブ構造体12と第2のサブ構造体40とを一緒に接続して、
図5に示される組立体と類似する、完成した構造体または組立体を形成する。接着剤42および44が二液エポキシの接着剤の2つの異なる成分である実施形態では、これらの成分を組合せて、
図5に示される通り、エポキシ50を形成することができる。サブ構造体12および40の設計および公差によりX−Yスクラブ(scrub)が可能であれば、エポキシの成分42および44の混合は、2つのサブ構造体12および40のX−Yスクラブを用いて向上させ、改善させることができる。本教示の目的に関して、X−Yスクラブには、2つのサブ構造体12と40の間でX方向およびY方向への相対的平面運動を起こして、2つのサブ構造体12と40の間に挟まれた二液エポキシの成分42および44の混合状態を向上させることが含まれる。2つのサブ構造体12および40の接続では、接着剤42〜46のうちの1つ以上を凝固させるための、熱硬化またはUV光硬化などの硬化処理が含まれ得る。
【0021】
ある実施形態では、3D印刷されるサブ構造体の表面組織を粗くして、接着剤の位置での表面領域を増やすよう印刷することができる。これにより、最終組立者(人または機械)が例えば、組み立て前に手作業で、やすり掛けをすることにより表面を粗くする必要がなくなる。
【0022】
別の実施形態では、3D印刷処理を用いて、サブ構造体12、40と類似するサブ構造体を形成することができ、この3D印刷処理には、粉末化した固体をレーザ加熱すること、または原材料の体積を切削して余剰な材料を取り除く除去処理の使用が含まれる。次いで、上記に記載する通り、3Dプリンタを用いて、粘着性接着剤層26、42〜46、および膜被覆30をサブ構造体12、42に塗布することができる。
【0023】
したがって、本教示の実施形態では、組立体のための一連の部品を作成するために、単一ステップの加工動作において3D印刷技術を用いることができる。ある実施形態では、3Dプリンタを用いて、1つ以上の3D印刷されるサブ構造体を印刷し、次いで、3Dプリンタを用いて、3D印刷される部品上に直接接着剤を印刷し、3Dプリンタにより3D印刷される部品も印刷する。印刷動作の一部として組立体に接着剤を直接塗布することにより、組み立ての自動化を促進し、組立てのバラツキを抑えることができ、これにより、サイクル時間、諸経費、エネルギ入力、および部品の脱落率(part fall−out rate)を下げることができる。次いで、最終組立者(人または機械)が接着剤を選択し塗布する必要なく、サブ構造どうしをうまい具合に組み立て、一緒に固定することができる。1つ以上の3D印刷された接着剤を含む印刷された部品を、製造業者により、異なる場所のユーザ、例えば、外注業者の加工現場、建設現場、または後で組立てを行うためのその他の場所に発送することができる。本実施形態では、オリジナルの製造業者が接着剤の位置を規定し、正確な量の接着剤で印刷もする。したがって、最終組立者による、接着剤の塗布、接着剤の配合、および/または、接着剤の量に関するミスの可能性を削減することができる。
【0024】
いくつかの接着剤の硬化速度により、印刷された接着剤は接着剤の硬化速度に基づく有効期限を有し得る。3Dサブ構造体の印刷日時は印刷される接着剤の有効期限に基づいて、そのサブ構造体が製造業者により印刷・発送され、次いで、接着剤の有効期限より前に、ユーザにより組み立てられるようにする。
【0025】
ある実施形態では、2つ以上のサブ構造体、1種類以上の接着剤(例えば、1種類以上の樹脂および硬化剤を含む1種類以上のエポキシ)、および全ての所望の膜被覆が設計中に、例えば、CADデータとして規定され、種々の要素を加工可能な3Dプリンタに送信される。ある実施形態では、例えば、メインのソフトウェアプログラムを通して、プラグイン式のインターフェース、またはアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を通して、CADのソフトウェアにより、部品が形成される材料の種類に基づいて、特定の接着剤を規定することができる。直接接続、ネットワーク、または無線(例えば、モバイル装置からの)により、CADデータおよび製造規格を提出することができる。3Dプリンタは、3D印刷法を用いて、部品を作成し、エポキシ、硬化剤、および被覆を好適に配置する。3Dプリンタは材料ごとに別々のヘッドを備えることができる、あるいは複数の材料を含む1つのヘッドを備えることができる。異なる材料をそれぞれ別々のノズルを通して印刷することができるが、別々の材料容器からの各材料を単一のノズルを通して印刷することも考えられる。各層が1ミクロンより薄い複数の層がプリンタにより順番に塗布されて、サブ構造体が積み上げられ、1種類以上のエポキシ、硬化剤、および被覆が分配される。3Dプリンタの仕様および能力によっては、それに関連するエポキシ、硬化剤、および被覆を含む個々の部品を単一の加工動作で作ることが可能である。各部品(すなわち、サブ構造体)を別々に印刷することができる、あるいは、いくつかのまたは全ての部品(およびそれらの関連するエポキシ、硬化剤、および被覆)を単一の加工動作で作成することができる。いくつかの実施形態では、例えば、これらの材料のうちの2つの以上が、3D空間内の同じ物理的平面内に存在するとき、サブ構造体に関する材料、エポキシ、硬化剤、および/または、被覆が同じ層または複数の層内に含まれ得る。
【0026】
ある実施形態では、エポキシ樹脂および硬化剤は、互いに接触すると、比較的素早く硬化するよう作られている。別の実施形態では、接着剤は、例えば、熱、UV光、化学的触媒などの触媒を加えると硬化し得る。ある実施形態では、3D印刷された接着剤を用い、その他の材料を用いることなしに、2つのサブ組立体を物理的に単に一緒に取り付ける。その他の実施形態では、スクリーン印刷された接着剤、吹き付けられた接着剤など、および/または、クランプ、またはラッチを3D印刷された接着剤と併せて用いてサブ組立体を一緒に保持することができる。
【0027】
図6は、本教示の実施形態に従った、完成した構造体を形成するための方法60のフローチャートである。ステップ62で、2つ以上の組み立てられるサブ構造体が設計され、ソフトウェア内に実装され得る。これらのサブ構造体のうちの少なくとも1つは、3Dプリンタを用いて印刷される部品である。ステップ64で、3D印刷されるサブ構造体上で接着剤を塗布する位置が規定され、ステップ66で、特定の接着剤(複数可)が規定される。取り付けられる材料、および/または、硬化時間、あるいは接着剤の硬化技術(空気硬化、UV硬化、温度硬化)に基づいて、接着剤を選択することができる。設計および接着剤に関する命令が3Dプリンタに送られ、ステップ68で、ステップ62で設計されたサブ構造体のうちの少なくとも1つが3Dプリンタを用いて印刷される。ステップ70で、ステップ68での部品(複数可)の印刷中または印刷終了後のどちらかで、ステップ66で規定された1種類以上の接着剤を、ステップ64で規定された位置に、3Dプリンタを用いて印刷する。次に、ステップ70で印刷された接着剤を用いて、ステップ62で設計された2つ以上のサブ構造体を、組み立てる(ステップ72)。
【0028】
図7は、本教示に従った、上記の実施形態を実施するために用いることができるシステム80を示すブロック図である。システム80は、3D印刷されるサブ構造体(
図4の12または40などの)および接着剤(
図4の42、44、および/または46などの)を形成するための方法を実施する電子システム、例えば、コンピュータシステムでよい。
図7のシステム80は、個々のコンピュータ、ネットワーク接続したコンピュータなどの1つ以上のワークステーション82を含むことができ、これらのワークステーション82が、ソフトウェア86を用いて設計を作成するエンジニア、技術者、またはCADレイアウト設計者からの、例えば、キーボード、マウスなどの入力装置84を通した人間による入力を受け取る。ワークステーション82は、1つの(または1つ以上)マイクロプロセッサ87、メモリ88などの電子部品を含むことができる。各ワークステーション82は、無線で、またはケーブルなどを介して(90)、1つ以上のコンピュータ、ミニコンピュータ、メインフレームなどのサーバ92と通信することができる。サーバ92は、一連の命令を実行するソフトウェア94、1つ以上のマイクロプロセッサ96、メモリ98などを含むことができる。このソフトウェア94は、設計(レイアウト)ソフトウェアを含むことができ、この設計ソフトウェアが、パターン生成を行って、この設計(CAD)ソフトウェア86を用いて作成された設計を座標データおよび命令に書き換え、無線で、またはケーブルなどを介して(100)、その命令を実行する3Dプリンタ102に転送する。上記の通り、この3Dプリンタ102は、サブ構造体の本体12、40を印刷するために用いられる材料18を含む1つ以上の材料の容器または印刷ヘッド14Bと、接着剤26、42〜46を含む1つ以上の接着剤の容器14Aとを含むことができる。この3Dプリンタ102はまた、1つ以上のマイクロプロセッサ104、メモリ106などの電子部品も含むことができる。したがって、システム80は、それに格納されたプログラムを有する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を含むことができ、このプログラムが、3Dプリンタに上記の1つ以上のサブ構造体12、40および接着剤26、42〜46の3D印刷を行うよう指示する。
【0029】
本教示の広い範囲を規定する数値範囲およびパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の例で示される数値は可能な限り正確に報告されている。しかし、任意の数値には、必然的にそれぞれの試験計測で見出される標準偏差からやむをえず生じる特定の誤差が含まれる。さらに、本明細書で開示された全ての範囲は、その中に含まれる任意のおよび全ての部分範囲を包含することは理解されよう。例えば、「10未満」の範囲には、最小値ゼロと最大値10との間(およびそれらを含む)の任意および全ての部分範囲が含まれ得る。つまり任意および全ての部分範囲は、例えば、1〜5のように、ゼロ以上の最小値と、10以下の最大値とを有する。特定のケースでは、パラメータに関して規定された数値は負の値をとることができる。この場合、「10未満」として規定された範囲の例示的な値には、例えば、−1、−2、−3、−10、−20、−30などの負の値を受け入れることができる。
【0030】
本教示を1つ以上の実装形態に関して説明してきたが、説明された例に対する変更形態、および/または、修正形態を、付随する請求項の趣旨および範囲を逸脱することなく実施することは可能である。例えば、処理は一連の動作または事象として記載されているが、本教示は、このような動作または事象の順序により限定されないことは理解されよう。本明細書に記載されるものとは別に、いくつかの動作は異なる順序、および/または、その他の動作または事象と同時に行われる可能性がある。また、全ての処理の段階において、本教示の1つ以上の様態または実施形態に従った方法を実施する必要はない。構造部品および/または処理段階を追加することが可能である、あるいは構造部品および/または処理段階を取り除く、または修正することも可能であることは理解されよう。さらに、本明細書に記載される動作のうちの1つ以上を別の1つ以上の動作、および/または段階で実行することが可能である。さらに、用語「含む(including)」、「含む(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「有する(with)」またはそれらのバリエーションは詳細な説明および請求項で使用されている限り、このような用語は「含む(comprising)」という用語と同様に包括的であることを意図するものとする。「少なくとも1つの」という用語を用いて、選択することができる記載された項目の1つ以上を意味するものとする。さらに、本明細書の議論および請求項では、2つの材料に関して用いられる「上(on)」という用語、すなわち、その他の材料の「上(on)」のある材料とは、少なくとも材料の間のいくらかの接触を意味し、一方「上方(over)」とは、接触は可能性であるが必須ではないよう、材料が1つ以上の付加的な材料を介在させて近接していることを意味する。「上(on)」および「上方(over)」のどちらも、本明細書で使用される任意の指向性を示唆するものではない。「等角(conformal)」という用語は、下部材料の角度が等角の材料により保持された被覆材料のことを示す。「約(about)」という用語は記載されている値が若干変更されているが、その変更が図示された実施形態に対する処理または構造の不適合に繋がらない程度の値の変更を示す。最後に、「例示的(exemplary)」は、その説明が理想的なものを示唆するというよりはむしろ、例として用いられていることを示す。本教示のその他の実施形態は、明細書を考察すること、および本明細書の開示を実施することにより当業者には明らかとなるであろう。明細書および実施例は、この後に続く請求項により示される本教示の真の範囲および趣旨を有する例示としてのみ考慮されることを意図される。
【0031】
本出願で用いられる相対的な位置の用語は、加工物の向きとは関係なく加工物の従来の平面または加工面と平行な平面に基づいて規定される。本出願で使用される「水平な」または「横の」という用語は、加工物の向きとは関係なく、加工物の従来の平面または加工面と平行な平面として規定される。「垂直な」という用語とは、水平方向と垂直な方向のことを指す。「上(on)」、「側(side)」(「側壁」などの)、「より高い(higher)」、「より低い(lower)」、「上方(over)」、「上段(top)」および「下方(under)」などの用語は、加工物の向きとは関係なく加工物の上面上にある従来の平面または加工面に対して規定される。