【実施例】
【0038】
[
製造例1
(デキストリン粉末A)]
ワキシーコーンスターチ10kgに水を加えて混合して固形分38%のスラリーを調製し、水酸化ナトリウムにてpH6に調整した。次に、α−アミラーゼ(天野エンザイム社製:クライスターゼL−1)を3g添加し、90℃に加温して加水分解反応を行なった。その後、珪藻土ろ過、活性炭脱色、イオン交換処理を行い、スプレー乾燥してデキストリン粉末Aを得た。得られたデキストリン粉末AのDEは3.0であった。
【0039】
[
製造例2
(デキストリン粉末B)]
α−アミラーゼ(天野エンザイム社製:クライスターゼL−1)の量を7gとしたこと以外は、
製造例1と全く同様にしてデキストリン粉末Bを得た。得られたデキストリン粉末BのDEは7.6であった。
【0040】
[
製造例3
(デキストリン粉末C)]
コーンスターチ10kgに水を加えて混合し、固形分38%のスラリーを調製し、水酸化ナトリウムにてpH6に調整した。次に、α−アミラーゼ(天野エンザイム社製:クライスターゼL−1)を9g添加し、90℃に加温して加水分解反応を行なった。その後、珪藻土ろ過、活性炭脱色、イオン交換処理を行い、スプレー乾燥してデキストリン粉末Cを得た。デキストリン粉末CのDEは10.6であった。
【0041】
[
製造例4
(デキストリン粉末D)]
ワキシーコーンスターチ10kgに水を加えて混合して固形分38%のスラリーを調製し、水酸化ナトリウムにてpH6に調整した。次に、α−アミラーゼ(天野エンザイム社製:クライスターゼL−1)を3g添加し、90℃に加温して加水分解反応を行なった。その後、スプレー乾燥してデキストリン粉末Dを得た。デキストリン粉末DのDEは3.0であった。
【0042】
[実施例5
、8、比較例1、参考例1
、2]
生米750gを洗米し、水200gを加えて室温で1時間浸漬した。水切り後、全体の重量が1762.5gとなるように水を加え、電気炊飯器により炊飯、次いで蒸らしを行なって炊飯米を得た。ステンレスボウルに炊飯米400gを入れ、そこにデキストリン粉末4g(対米飯1%)を添加し、ゴムベラで30秒間混合し、デキストリン粉末を均一に分散させた。
その際の米飯のバラケ易さとゴムベラへの付着程度を、作製当日のほぐれ性として評価した。なお、デキストリン粉末を添加しない場合にも同様に評価した(比較例1)。結果を表1中に示した。
【0043】
さらに、得られた米飯をおにぎり成型用の型に80g詰め、三角形のおにぎりを作製した。成型したおにぎりの艶感および食感の柔らかさ、咀嚼時の「バラケ易さ」を評価した。おにぎりを密閉容器中で室温で1日間、15℃で1日間および2日間保管した後にも、同様の艶感と食感、「バラケ易さ」の評価を行ない、結果を表1に示した。
【0044】
【表1】
【0045】
<ほぐれ性>
◎:非常にほぐれ良い、○:ほぐれ良い、△:ほぐれ悪い、×:非常にほぐれ悪い
<艶>
◎:非常に艶がある、○:艶がある、△:艶がない、×:艶が無くくすんでいる
<食感>
◎:適度に軟らかい、○:やや軟らかい、△:やや硬い、×:非常に硬い
<バラケ易さ>
◎:非常にバラケ易い、○:バラケ易い、△:バラケ難い、×:非常にバラケ難い
【0046】
デキストリン粉末を添加すると、米飯のほぐれ性が良くなり、艶があって、軟らかく好ましい食感と咀嚼時のバラケ易さが得られた。また、室温および低温で保存した場合にもその効果が持続していることが分った。
【0047】
[実施例9〜11、比較例2、3]
実施例5と同様に炊飯米を作製し、ステンレスボウルに入れた炊飯米400gに対して、デキストリン粉末Aを2g、4g、12g(対米飯0.5%、1%、3%)添加して、実施例5〜8に記載のほぐれ性、艶、食感、バラケ易さの評価を行なった。また、デキストリン粉末を添加しない場合(比較例2)、デキストリン粉末Aを20g(対米飯5%)添加した場合(比較例3)にも同様の評価を行なった。結果を表2に示した。
【0048】
【表2】
【0049】
デキストリン粉末の添加量が0.5〜3%の場合には、米飯のほぐれ性が良くなり、艶があって、やわらかく好ましい食感と咀嚼時のバラケ易さが得られた。また、室温および低温で保存した場合にもその効果が持続していることが分った。
【0050】
[実施例12
、15、比較例4、参考例
3、4]
実施例5と同様に炊飯米を作製し、ステンレスボウルに入れた炊飯米400gに対して、デキストリン粉末4g(対米飯1%)、市販混ぜご飯の素(ミツカン製:おむすび山(登録商標)青菜)10gを添加して、実施例5
、8
、参考例1、2に記載のほぐれ性、艶、食感、バラケ易さの評価を行なった。デキストリン粉末を添加せずに混ぜご飯の素だけを添加した場合にも同様の評価を行なった(比較例4)。結果を表3に示した。
【0051】
【表3】
【0052】
表3に示される結果からも明らかなように、デキストリン粉末を添加すると、米飯のほぐれ性が良くなり、艶があって、やわらかく好ましい食感と咀嚼時のバラケ易さという品質改良効果が得られた。また、室温で保存した場合にもその効果が持続しており、家庭で混ぜご飯を作る際にもデキストリン粉末の添加が有効であることが判った。
【0053】
炊飯後の米飯にデキストリンを添加することにより、米飯特有の食感や食味を維持し、米飯のほぐれ性を向上させることができる。このことから、米飯加工品の大量生産時に生じる機械への付着や成型、計量の不良といった問題を解決でき、良質な米飯加工品の提供が可能となる。また、家庭用の混ぜご飯の素にデキストリンを添加することにより、ほぐれ易さや食感に優れた混ぜご飯を簡単に作ることができた。