(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記スレッド生成部は、ユーザが所持するモバイル装置から取得した当該モバイル装置の位置を示す情報に基づき、前記災害情報取得部が取得した災害情報が示す災害の規模が予め定められた規模以上であり、且つ災害が発生した地域が前記モバイル装置の位置を含む場合、前記電子掲示板を生成し、
前記安否問合せ部は、少なくとも前記災害が発生した地域に位置する前記モバイル装置のユーザに、前記安否を示す所定の選択肢のいずれかの入力を要求するメッセージを送信する
請求項1から3のいずれか一項に記載の危機管理情報共有装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、災害発生時に情報共有を行うためのシステムは提案されていたが、利用者のグループの管理者がメンバーの安否を把握することを目的としたものが多かった。また、情報の集約は物理的な地点で一元的になされがちであり、メンバーの各々が情報を共有し易いものにはなっていなかった。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、災害発生時における情報共有システムの利用性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る危機管理情報共有装置は、災害が発生した地域及び各地域における災害の規模のリストを含む災害情報を取得する災害情報取得部と、災害情報取得部が取得した災害情報が示す災害の規模が予め定められた規模以上であり、且つ災害が発生した地域が予め定められた地域を含む場合、発生した災害ごとにユーザの安否を示す情報を登録するための電子掲示板を生成するスレッド生成部と、記憶部に格納されているユーザの連絡先を示す情報を取得し、ユーザの安否を示す所定の選択肢のいずれかの入力を要求するメッセージを、取得したユーザの連絡先へ送信する安否問合せ部と、ユーザから所定の選択肢いずれかの入力を受ける情報収集部と、電子掲示板において、情報収集部が入力を受けた選択肢ごとに色分けしてユーザの安否を示す情報を表示する情報出力部とを備える。
【0008】
このようにすれば、予め定められた条件に合致する災害が発生した場合に速やかに安否の確認が行えると共に、安否の状況を色分けして表示することにより、確認時の視認性を向上させることができる。すなわち、災害発生時における情報共有システムの利用性を向
上させることができる。
【0009】
また、スレッド生成部は、発生した災害ごとに、地図上の座標と対応付けてユーザが登録する情報を表示する地図情報掲示板をさらに生成し、情報収集部は、地図上の座標、当該座標に対応付けて表示する地域情報、及び当該座標に関連付けて表示するマーカの色彩の入力をユーザから受け、情報出力部は、情報収集部が入力を受けた地域情報を、座標に基づいて地図上にマッピングして出力するようにしてもよい。このようにすれば、情報が関連する位置を認識し易くなると共に、例えば情報の内容によってマーカの色彩を設定すれば、情報の視認性を向上させることができる。
【0010】
また、安否問合せ部は、生成された電子掲示板並びにユーザ及び当該ユーザの安否を示す所定の選択肢の組み合わせごとに一意となるアクセス先を含むメッセージを生成し、ユーザの連絡先へ送信し、情報収集部は、アクセス先へのアクセスに基づき、当該アクセス先に対応する電子掲示板へ、当該アクセス先に対応するユーザの安否状況として、当該アクセス先に対応する選択肢を登録するようにしてもよい。このようにすれば、ユーザは電子メール等のメッセージから直接アクセス先にアクセスすることにより、データの通信量を抑制し且つ速やかに安否状況を回答できるようになる。
【0011】
また、スレッド生成部は、災害情報取得部が取得した災害情報が示す災害が地震であり、且つ余震である場合、電子掲示板を生成しないようにしてもよい。災害の発生ごとに電子掲示板が生成されると情報がうまく集約されないところ、上述のようにすれば、情報の発散を抑制できる。
【0012】
また、スレッド生成部は、ユーザが所持するモバイル装置から取得した当該モバイル装置の位置を示す情報に基づき、災害情報取得部が取得した災害情報が示す災害の規模が予め定められた規模以上であり、且つ災害が発生した地域がモバイル装置の位置を含む場合、電子掲示板を生成し、安否問合せ部は、少なくとも災害が発生した地域に位置するモバイル装置のユーザに、安否を示す所定の選択肢のいずれかの入力を要求するメッセージを送信するようにしてもよい。このようにすれば、ユーザが例えば通常の行動範囲から外れた外出先で被災したような場合においても、適切に安否の確認を行い、情報を共有することができるようになる。
【0013】
なお、課題を解決するための手段に記載の内容は、本発明の課題や技術的思想を逸脱しない範囲で可能な限り組み合わせることができる。また、課題を解決するための手段の内容は、コンピュータ等の装置若しくは複数の装置を含むシステム、コンピュータが実行する方法、又はコンピュータに実行させるプログラムとして提供することができる。なお、このようなプログラムを格納した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供するようにしてもよい。
【0014】
ここで、コンピュータが読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータから読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体の内コンピュータから取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R/W、DVD、DAT、8mmテープ、メモリカード等がある。また、コンピュータに固定された記録
媒体としてハードディスクやROM(Read Only Memory)等がある。
【発明の効果】
【0015】
災害発生時における情報共有システムの利用性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、実施形態に示す構成は例示であり、本発明は下記の構成に限定されない。
【0018】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係るシステムの一例を示す図である。
図1のシステムは、危機管理情報共有装置1と、災害情報公開装置2と、モバイル装置3とを含み、これらがインターネット等のネットワーク4を介して接続されている。危機管理情報共有装置1は、災害の発生や予測に関する情報を取得してユーザに通知したり、各ユーザの安否やその他の情報を収集及び公開するサーバである。災害情報公開装置2は、例えば気象庁が発表する警報や特別警報を公開するサーバである。本実施形態における災害情報とは、例えば、地震、津波、火山噴火、大雨、洪水、大雪、暴風、暴風雪、波浪、又は高潮に関する特別警報や警報の発表を示す情報である。災害情報公開装置2は、災害情報をネットワーク4上に公開し、危機管理情報共有装置1は災害情報の公開と連携してユーザへ安否確認のための電子メールを送信したり、発生した災害ごとに情報を集約して公開するための電子掲示板を生成したりする。モバイル装置3は、本システムのユーザが携帯するコンピュータである。モバイル装置3は、例えば携帯電話網を介してネットワーク4と接続されており、危機管理情報共有装置1へ、安否確認に対する回答や周辺地域に関する情報、その他の情報を送信したり、危機管理情報共有装置1が公開する情報を受信及び表示したりする。なお、
図1の例では1つのモバイル装置3を示しているが、モバイル装置3は複数のユーザがそれぞれ1台以上所持しており、ネットワーク4に複数接続されているものとする。
【0019】
<機能構成>
図2は、本実施形態に係る危機管理情報共有装置1の一例を示す機能ブロック図である。
図2の危機管理情報共有装置1は、災害情報取得部11と、スレッド生成部12と、記憶部13と、安否問合せ部14と、情報収集部15と、情報出力部16とを有する。災害情報取得部11は、ネットワーク4を介して災害情報公開装置2へアクセスし、前回のアクセス後に発生した災害情報があれば取得する。災害情報とは、災害の種別、発生した日時、発生した地域(例えば、行政区画)及び災害の程度(震度、波の高さ、噴火警報レベル、降水量、風速等)を含むものとする。また、スレッド生成部12は、災害情報取得部11が取得した災害情報が、予め設定された監視対象の災害に該当する場合、ユーザが安否情報を登録するための電子掲示板や、発生した災害に関する様々な情報を登録するための電子掲示板、周辺地域等の情報を登録するための地図情報掲示板を、発生した災害ごとに生成し、公開する。記憶部13は、ユーザに安否確認を行うべき災害の種別及びその程
度の設定や、生成された電子掲示板、当該掲示板へ投稿されたデータ等を記憶する。そして、安否問合せ部14は、生成した電子掲示板へ安否を示す情報の登録を促すメッセージをユーザに送信する。また、情報収集部15は、ユーザが携帯するモバイル装置3から、ユーザの安否を示す情報や、地図上の位置に関連付けられた地域に関する情報、その他の情報の入力を受け、記憶部13に記憶させる。また、情報出力部16は、例えばモバイル装置3からの要求を受け、要求に応じた情報を記憶部13から抽出してモバイル装置3へ出力する。
【0020】
<装置構成>
なお、危機管理情報共有装置1、災害情報公開装置2及びモバイル装置3は、
図3に示すようなコンピュータである。
図3は、コンピュータの一例を示す装置構成図である。例えば、コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)1001、主記憶装置10
02、補助記憶装置1003、通信IF(Interface)1004、入出力IF(Interface)1005、ドライブ装置1006、通信バス1007を備えている。CPU1001は、プログラムを実行することにより本実施の形態で説明する処理を行う。主記憶装置1002は、CPU1001が読み出したプログラムやデータをキャッシュしたり、CPUの作業領域を展開したりする。主記憶装置は、具体的には、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等である。補助記憶装置1003は、CPU1001により実行されるプログラムや、本実施の形態で用いる設定情報などを記憶する。補助記憶装置1003は、具体的には、HDD(Hard-disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等である。主記憶装置1002や補助記憶装置1003は、嗜好情報記憶部103、観光情報記憶部107、予定情報記憶部108等として働く。通信IF1004は、他のコンピュータ装置との間でデータを送受信する。通信IF1004は、具体的には、有線又は無線のネットワークカード等である。入出力IF1005は、入出力装置と接続され、ユーザから入力を受け付けたり、ユーザへ情報を出力したりする。入出力装置は、具体的には、カメラ等の撮像装置、キーボード、マウス、ディスプレイ、タッチパネル、又はGPS受信機や磁気センサ、加速度センサ等のセンサ等である。ドライブ装置1006は、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)等の記憶媒体に記録されたデータを読み出したり、記憶媒体にデータを書き込んだりする。以上のような構成要素が、通信バス1007で接続されている。なお、これらの構成要素は複数設けられていてもよいし、一部の構成要素(例えば、ドライブ装置1006)を設けないようにしてもよい。また、入出力装置がコンピュータと一体に構成されていてもよい。そして、ドライブ装置で読み取り可能な可搬性の記憶媒体や、USBメモリのような補助記憶装置、ネットワークIFなどを介して、本実施の形態で実行されるプログラムが提供されるようにしてもよい。そして、CPU1001がプログラムを実行することにより、上記のようなコンピュータを危機管理情報共有装置1、災害情報公開装置2、又はモバイル装置3として働かせる。
【0021】
<災害発生時の処理>
図4は、災害発生時にシステムが行う処理の一例を示す処理フロー図である。例えば地震等の災害が発生すると、災害情報公開装置2は災害の発生を検知し、災害の発生を示す災害情報を公開する(
図4:S1)。災害情報公開装置2は、例えば気象庁や民間企業が管理するサーバであり、例えば全国に設置された地震計から得られる情報に基づき、地震の発生を検知すると共に、その規模や震源等を算出する。また、気象衛星や気象レーダーから得られる情報に基づき、天候に関する警報等の情報を公開するものであってもよい。
【0022】
一方、危機管理情報共有装置1の地震検知部11は、災害情報公開装置2と連携して新たに公開された災害情報を取得する(S2)。例えば、危機管理情報共有装置1は、定期的に災害情報公開装置2にアクセスしたり、災害情報公開装置2から通知を受けたりすることにより、災害情報公開装置2がXML形式等で配信する災害情報を取得する。
【0023】
また、危機管理情報共有装置1のスレッド生成部12は、取得した災害情報が所定の条件を満たすか判断する(S3)。本ステップでは、取得した災害情報と関連付けて、ユーザが安否情報等を登録するための電子掲示板を生成するか否か判断する。なお、危機管理情報共有装置1記憶部13には、電子掲示板を生成してユーザに安否確認を行う対象となる災害の種別、規模、地域等の情報が予め設定されているものとする。
【0024】
図5は、記憶部13に記憶されるユーザ情報テーブルの一例を示す図である。ユーザ情報テーブルは、ユーザID、画像、グループID、連絡先、及び現在地の項目を含む。ユーザIDのフィールドには、本システムのユーザを一意に特定するための識別情報が登録される。画像のフィールドには、ユーザが登録した自身の画像の保存先が登録される。グループIDのフィールドには、勤務先や学校等のようなユーザが属するグループを示す識別情報が登録される。連絡先のフィールドには、ユーザの電子メールアドレスやSNS(Social Networking System)のアカウント等のようなユーザの連絡先を示す情報が登録される。また、現在地のフィールドには、例えばユーザが所持するモバイル端末3がGPS(Global Positioning System)受信機等を利用して取得したユーザの位置を示す情報が
所定のタイミングで登録される。なお、ユーザ情報テーブルは、現在地の項目を有していなくてもよい。
【0025】
図6は、記憶部13に記憶されるグループ情報テーブルの一例を示す図である。グループ情報テーブルは、グループID、地域、災害種別、及び災害レベルの項目を含む。グループIDのフィールドには、ユーザ情報テーブルのグループと対応する識別情報が登録される。また、地域のフィールドには、例えば勤務先や学校の所在地など、当該地域に災害が発生した場合に、グループに属するユーザに安否の確認を行う基準となる地域(例えば、行政区画)を示す情報が登録される。災害種別のフィールドには、地震、津波、火山噴火、大雨、洪水、大雪、暴風、暴風雪、波浪、高潮等の、発生した場合に、グループに属するユーザに安否の確認を行う対象となる災害の種別を示す情報が登録される。災害レベルのフィールドには、震度、波の高さ、噴火警報レベル、降水量、風速等のように、発生した災害の程度が当該レベル以上である場合に、グループに属するユーザに安否の確認を行う対象となる災害の程度を示す情報が登録される。
【0026】
スレッド生成部12は、S1で取得した災害情報が示す災害が、グループ情報テーブルの「地域」フィールドに登録された地域で発生し、且つ「災害種別」フィールドに登録された種別の災害であって、「災害レベル」フィールドに登録された災害レベル以上の規模である場合、S3において所定の条件を満たすと判断する。なお、災害情報が所定の条件を満たさないと判断された場合(図示せず)、危機管理情報共有装置1は処理を終了し、新たな災害情報が公開されるまで待機する。
【0027】
一方、災害情報が所定の条件を満たす場合(S3:YES)、スレッド生成部12は、取得した災害情報と関連付けて、電子掲示板を記憶部13に生成する(S4)。具体的には、例えば特定の日時に発生した地震に関して、「安全」、「困難」、「危険」等のような安否の状況を示す選択肢によってユーザが各自の状況を登録できる電子掲示板のスレッドを生成する。また、安否確認のための掲示板だけでなく、地図上にマーカを配置すると共に当該マーカに対応付けてユーザが文字や画像を投稿できる地図情報掲示板のスレッドをさらに生成してもよい。
【0028】
また、危機管理情報共有装置1の安否問合せ部14は、S4で生成した電子掲示板に安否を示す情報の登録を要求するメッセージをユーザに送信する(S5)。
図7は、本ステップで送信されるメッセージの一例である電子メールを説明するための図である。S5では、例えば、S4において生成した電子掲示板に登録する選択肢ごとに、リンク先へ接続
することによりユーザが各選択肢を登録するためのURI(Uniform Resource Identifier)を本文に含む電子メールを送信する。
図7の例では、「安全」、「困難」、「危険」
といった選択肢の各々に対し、クリックして接続することにより安否確認に対する回答ができるリンクを含む。URIの少なくとも一部は、災害(電子掲示板のスレッド)、ユーザ及び選択肢の組み合わせに対して一意(ユニーク)であってランダムな文字列によって構成される。安否問合せ部14がこのようなURIを生成し、メッセージ内に選択肢を提示することにより、モバイル装置3のユーザは、例えばインターネットブラウザで電子掲示板のスレッドを表示させる必要なく、メッセージ内のリンクへアクセスすることにより回答を直接登録することができるようになる。
【0029】
一方、モバイル装置3は、安否問合せのメッセージを受信する(S6)。本ステップでは、例えば、
図7に示したような電子メールを受信し、ユーザの操作によってモバイル装置3のディスプレイに表示する。また、モバイル装置3は、ユーザの操作を受け、ユーザの安否を示す情報を危機管理情報共有装置1へ送信する(S7)。本ステップでは、例えば
図7に示したリンク(URI)のいずれかをユーザが選択(クリック、タップ等)することにより、危機管理情報共有装置1へアクセスすることにより回答を送信する。
【0030】
また、危機管理情報共有装置1の情報収集部15は、モバイル装置3からユーザの安否情報を受信し、記憶部13に登録する(S8)。本実施形態では、上述のようにユニークなURIを発行するため、情報収集部15は、モバイル装置3からのアクセス先のURIによって、回答を登録すべき災害、回答者であるユーザ、及び安否の状況を示す選択肢の組み合わせを特定することができる。
【0031】
図8は、ユーザから回答を受けた安否の状況を登録するための安否情報テーブルの一例を示す図である。
図8の安否情報テーブルは、災害ID、投稿日時、ユーザID、及び安否の項目を含む。災害IDのフィールドには、発生した災害を一意に特定するための識別情報が登録される。投稿日時のフィールドには、ユーザから回答を受信した日時を示す情報が登録される。ユーザIDのフィールドには、ユーザを一意に特定するための識別情報が登録される。また、安否のフィールドには、ユーザが選択した安否の状況を示す選択肢のいずれかを特定するための情報が登録される。なお、安否のフィールドについては、状況の変化に伴いユーザが登録内容を更新できるものとする。
【0032】
<電子掲示板の表示及び情報の投稿>
図9は、ユーザが安否の状況を示す情報を登録又は更新するためのウェブページの一例を示す図である。安否の回答は、
図7に示したようなメッセージからでなく、所定のウェブページに表示された選択肢のいずれかを選択することにより登録又は更新できるようにしてもよい。
図9のウェブページには、「安全」、「困難」、及び「危険」の選択肢を示すボタンが表示されており、ユーザがいずれかをクリックまたはタップすることにより回答を選択することができる。ここで、選択肢のボタンに付されたハッチングは、色彩を表すものとする。本実施形態では、選択肢の各々に異なる色彩を割り当てることにより、回答の視認性を向上させる。例えば、「安全」は緑色、「困難」は黄色、「危険」は赤色で表示する。
【0033】
図10は、危機管理情報共有装置1の情報出力部16が出力するユーザの安否一覧を示すウェブページの一例を示す図である。本実施形態では、発生した災害ごとに
図10に示すような安否の一覧を表示するウェブページが生成及び更新される。情報出力部16は、
図4のS4において電子掲示板のスレッドを生成した後、モバイル装置3から当該スレッドへのアクセスを受けた場合、ユーザから登録された安否情報を一覧にして表示するウェブページを出力する。
図8の例では、ウェブページを閲覧するユーザが選択したグループに属するユーザと安否を示す情報が一覧表示されている。ここで、安否を示す情報は、各
ユーザの左側に表示された長方形部分の色彩で示す。
図9の例と同様に、
図10においても各領域に施されたハッチングによって色彩を表すものとする。このようにすれば、ウェブページを閲覧するユーザは視覚的に他のユーザの状況を把握できるようになる。また、
図10のウェブページは、「全て」、「安全」、「困難」、「危険」、及び「未登録」のタブを有しており、閲覧するユーザはこれらのタブをクリック、タップ等することにより表示するユーザをフィルタリング(絞り込み)できる。このような機能によっても、ウェブページを閲覧するユーザは他のユーザの状況を把握し易くなる。
【0034】
図11は、情報出力部16が出力する災害掲示板の一例を示す図である。災害掲示板も、例えば
図4のS4において発生した災害ごとに生成され、ユーザからの投稿を受けることにより更新される。
図11の災害掲示板の上部には、ユーザが投稿する文章を入力するためのテキストボックスと、モバイル装置3に保存されている写真データ等を投稿に添付するための「添付」ボタンと、掲示板に入力データを送信するための「投稿」ボタンとを含む。
【0035】
図12は、記憶部13に記憶され、災害掲示板への投稿を保持する災害掲示板テーブルの一例を示す図である。情報収集部15は、
図11に示したような災害掲示板への投稿を受けると、
図12に示すような災害掲示板テーブルに投稿内容を登録する。
図12の災害掲示板テーブルは、災害ID、投稿日時、ユーザID、及び投稿内容の項目を含む。また、投稿内容は、テキストが登録されるコメントのフィールドと、写真データ等が登録される添付のフィールドとを含む。災害IDのフィールドには、発生した災害を一意に特定するための識別情報が登録される。投稿日時のフィールドには、ユーザから回答を受信した日時を示す情報が登録される。ユーザIDのフィールドには、ユーザを一意に特定するための識別情報が登録される。また、コメントのフィールドにはユーザが当該掲示板に書き込んだ文章が登録される。添付のフィールドには、ユーザが送信した写真データ等の添付ファイルの保存先が登録される。
【0036】
また、
図11に示した災害掲示板の下部には、例えば閲覧ユーザと同じグループに属するユーザが投稿した内容が時系列順に表示される。このような表示は、上述した災害掲示板テーブルや、ユーザ情報テーブル、グループ情報テーブル、安否情報テーブルに登録された内容に基づいて行われる。
図11の例でも、投稿された情報の左側には投稿したユーザの安否を示す情報が長方形状の領域の色彩によって示されている。また、災害掲示板のウェブページに表示される各投稿は、災害掲示板テーブルに保持されている投稿日時、ユーザ情報テーブルに保持されているユーザの画像、属するグループ、氏名、災害掲示板テーブルに保持されている投稿内容を含む。本実施形態では、所定の条件を満たす災害が発生した場合、
図4のS4においてこのような掲示板が自動的に生成されるため、ユーザは速やかに情報を共有することができるようになる。
【0037】
図13は、情報出力部16が出力する地図情報(地図掲示板とも呼ぶ)の一例を示す図である。地図掲示板も、例えば
図4のS4において発生した災害ごとに生成され、ユーザからの投稿を受けることにより更新される。地図情報は、ピン形状であって目印となるマーカを地図上に配置すると共に、マーカと関連付けてテキストや画像を登録することができる。また、マーカにも色彩を設定することができ、危険の程度によって色彩を選択したり、例えば水道や交通といった投稿内容の分類によって色彩を選択したりすることができる。このようなマーカの色彩によれば、ユーザにとって情報の視認性が向上する。
【0038】
図14は、記憶部13に記憶され、地図情報への投稿を保持する地図情報テーブルの一例を示す図である。情報収集部15は、
図13に示したような地図情報への投稿を受けると、
図14に示すような地図情報テーブルに投稿内容を登録する。
図14の地図情報テーブルは、災害ID、投稿日時、ユーザID、及び投稿内容の項目を含む。また、投稿内容
は、座標、色、コメント、及び添付の項目を含む。災害IDのフィールドには、発生した災害を一意に特定するための識別情報が登録される。投稿日時のフィールドには、ユーザから回答を受信した日時を示す情報が登録される。ユーザIDのフィールドには、ユーザを一意に特定するための識別情報が登録される。また、座標のフィールドには、地図上の位置を示す緯度及び経度等の座標が登録される。色のフィールドには、予め定められた複数の色からユーザによって選択されたマーカの色が登録される。コメントのフィールドにはユーザが当該掲示板に書き込んだ文章が登録される。添付のフィールドには、ユーザが送信した写真データ等の添付ファイルの保存先が登録される。
【0039】
図13に示した地図情報は、地図情報テーブルに登録されたデータを地図上にマッピングすることにより表示される。また、
図13の地図の上部には、表示情報をフィルタリングするためのチェックボックスが配置されている。本実施形態では、チェックボックスにチェックが入っている情報が、地図上に表示されるものとする。なお、表示情報をフィルタリングするための手段は、チェックボックスに限らずプルダウンメニュー等様々な構成を採用することができる。このようなフィルタリングによっても、ユーザは必要な情報の抽出が容易にできるようになる。また、
図13に示す「災害備蓄倉庫」や「避難所」は、特定の災害に限らずすべての地図情報に共通して表示される情報である。このような共通情報を予め登録しておいたり、ユーザから追加及び変更できるようにしてもよい。
【0040】
<効果>
以上のように、本実施形態に係るシステムによれば、外部の装置が提供する災害情報と連携して速やかに安否の問合せを行ったり、情報を集約するための電子掲示板を生成することができる。このとき、ユーザは災害の種別や程度を登録しておくことにより、安否確認を行う対象を自由に設定できる。また、安否を問い合わせるメッセージは、アクセスすることにより回答の選択肢を登録できるリンクを含むため、ユーザはクリックやタップ等の操作だけで安否状況を登録することができる。災害の発生時においてはネットワーク4に輻輳が生じることもあるところ、安否状況を登録するためにまず専用のウェブページを表示させるような場合と比較して通信するデータ量を低減させることができるため、速やかに安否状況を登録できるようになる。また、安否情報や地図上のマーカを色分けして表示することにより、ユーザにとって情報の視認性が向上する。このように、ネットワーク上(クラウド上)に情報を集約することにより、すべてのメンバーが情報を共有できるようになる。すなわち、上述のようなシステムによれば、災害発生時における情報共有システムの利用性を向上させることができる。
【0041】
<変形例>
図4のS3では、さらに他の条件を判断するようにしてもよい。例えば、発生した災害が地震である場合において、当該地震が先に発生した地震の余震であるとき、スレッド生成部は電子掲示板を生成しないと判断するようにしてもよい。余震であるか否かの情報は、災害情報公開装置2から発信される情報に基づいて行われる。例えば今回の地震と前回の地震とを比較し、震源の距離及び発生日時がそれぞれ所定の閾値以下である場合に余震であると判断するようにしてもよい。このようにすれば、地震が頻発するような場合において、電子掲示板が複数生成されることにより情報が発散してしまうのを抑制できる。
【0042】
また、
図4のS3では、ユーザが属するグループに関連付けられている地域で災害が発生した場合に限らず、グループに属するユーザの現在地に基づき、災害が発生した場合においてグループに属するユーザのいずれかが災害が発生した地域にいる場合は、安否の問い合わせ及び電子掲示板の生成を行うようにしてもよい。すなわち、災害の種別や程度といった条件を満たす場合であって、S2において取得した災害情報に含まれる災害の発生地域に、グループに属するユーザの少なくともいずれかの現在地が含まれるときは、S3においてスレッドを生成すると判断する。このとき、当該地域にいるユーザ以外のメンバ
ーにも災害情報を発報する(例えば、安否の問い合わせを行う)ことにより、メンバーのいずれかが被災した可能性があることを認識できる。なお、各ユーザの現在地を示す情報は、例えばモバイル装置3が備えるGPS受信機によって取得され、定期的に危機管理情報共有装置1に送信されるものとする。このようにすれば、例えばユーザのいずれかが出張先や旅行先等で災害に遭った場合も、同一のグループに属するユーザは速やかに情報を共有することができるようになる。