(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
反応器内において、フェノール性化合物(M)と芳香族溶媒(A)と触媒(C)とを含む重合溶液に、酸素含有ガス(O)を通気して、前記フェノール性化合物を酸化重合させる重合工程を有し、
該重合工程は、
前記反応器における気相部の絶対圧力を0.098MPa超0.392MPa以下の第一の圧力に制御して重合させる第一の重合工程と、
前記第一の重合工程の後、前記絶対圧力を前記第一の圧力よりも小さくかつ0.098MPa以上0.392MPa未満である第二の圧力に制御して重合させる第二の重合工程と、
を有する、ポリフェニレンエーテルの製造方法。
前記フェノール性化合物(M)と前記芳香族溶媒(A)との合計を100質量部として、前記重合溶液が、前記フェノール性化合物(M)10〜25質量部と前記芳香族溶媒(A)75〜90質量部と前記触媒(C)0.1〜10質量部とを含む、請求項1又は2に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
前記フェノール性化合物(M)が、2,6−ジメチルフェノール、又は2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの混合物を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
前記芳香族溶媒(A)が、トルエン、キシレン及びエチルベンゼンからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
前記触媒(C)が、銅化合物と、臭素化合物と、ジアミン化合物、3級モノアミン化合物及び2級モノアミン化合物からなる群より選択される1種以上とを含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
前記酸素含有ガス(O)が酸素と窒素とを含み、当該酸素含有ガス(O)の酸素濃度が8〜12容量%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
前記酸素含有ガス(O)の酸素分圧が、0.0147MPa以上0.0883MPa以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について、詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
【0012】
〔ポリフェニレンエーテルの製造方法〕
本実施形態のポリフェニレンエーテルの製造方法は、反応器内において、フェノール性化合物(M)と芳香族溶媒(A)と触媒(C)とを含む重合溶液に、酸素含有ガス(O)を通気して、前記フェノール性化合物を酸化重合させる重合工程を有する。さらに、本実施形態のポリフェニレンエーテルの製造方法において、上記重合工程は、前記反応器における気相部の絶対圧力を0.098MPa超0.392MPa以下の第一の圧力に制御して重合させる第一の重合工程と、前記第一の重合工程の後、前記絶対圧力を前記第一の圧力よりも小さくかつ0.098MPa以上0.392MPa未満である第二の圧力に制御して重合させる第二の重合工程と、を有する。このように構成されているため、本実施形態のポリフェニレンエーテルの製造方法によれば、酸化重合初期の発泡を十分に抑制しつつ重合時間を短縮できる。すなわち、本実施形態のポリフェニレンエーテルの製造方法によれば、重合反応の活性を低下させることなく、重合溶液の発泡を抑制することができるので、重合時間の短縮を実現できる。
【0013】
〔第一の重合工程から第二の重合工程への切り替え〕
第一の重合工程から第二の重合工程に移るときには、反応器気相部の絶対圧力を0.098MPaより大きく0.392MPa以下の第一の圧力から、0.098MPa以上0.392MPa未満の第二の圧力に変更する。このように、フェノール性化合物の酸化重合前期に、反応器気相部の圧力を上げておくことによって、重合溶液の発泡を抑制することができる。また、フェノール性化合物の酸化重合後期において反応器気相部の圧力を下げることによって、重合後期の重合活性の低下を防止できる。なお、本明細書において、「前期」とは本実施形態における第一の重合工程に対応する期間を示し、「後期」とは本実施形態における第二の重合工程に対応する期間を示す。この製造方法により、発泡を抑制することで反応器の容量を十分に活用することと、重合時間の短縮化が可能となる。第二の圧力は第一の圧力より小さければよいが、10%以上落圧させることが好ましい。換言すると、第二の圧力が、第一の圧力の90%未満であることが好ましい。さらに、第一の圧力より第二の圧力を15%以上落圧させて酸化重合を継続することがより好ましく、20%以上落圧させて酸化重合を継続することがさらに好ましい。なお、本実施形態における絶対圧力は後述する実施例に記載の要領で測定することができる。
【0014】
重合反応の前半(前期)においては、反応の進行とともに泡の高さが増加した後に急激に減少し、重合反応の後半(後期)では泡は消失している。第一の重合工程から第二の重合工程に切り替えるタイミングは、泡の高さが減少に転じる時点以降であればよく、完全に消泡した時点の前後10分の間が好ましい。具体的には、泡の高さが減少し始めてから約10分間で完全に消泡する。
【0015】
本実施形態における重合(反応)の前期及び後期における重合時間の比については、本実施形態所望の効果を確保できる限り特に限定されるものではないが、後期の重合時間を短縮するという観点から、後期の重合時間が前期の重合時間の92%以下であることが好ましく、より好ましくは82%以下であり、さらに好ましくは54%以下である。以下に限定されないが、例えば、「前期の重合時間:後期の重合時間」が55:45となる場合や、65:35となる場合が典型的な好ましい態様といえる。
【0016】
反応器気相部の絶対圧力を変更する方法は特に限定されないが、工業的に実施し易いのは、反応器気相部の圧力調整弁で、反応器の絶対圧力を変更させる方法である。あわせて、第一の重合工程と第二の重合工程における酸素含有ガス(O)の通気量を変更してもよいし、窒素含有ガスと空気の通気量を変更してもよい。
【0017】
第一の圧力及び第二の圧力を、それぞれ0.098MPa超0.392MPa以下、0.098MPa以上0.392MPa未満に制御する際に、通気する酸素含有ガスに含まれる酸素分圧は、絶対圧力で0.0147MPa以上0.0883MPa以下であることが好ましい。反応器気相部の絶対圧力をA(MPa)とすると、Aの範囲は0.098≦A<0.392であり、酸素含有ガス中の酸素濃度の下限値は[(0.0147/A)×100](%)で表される値を採用し、酸素濃度の上限値は[(0.0883/A)×100](%)で表される値を採用することが、上記反応器気相部の状態を達成する観点から好ましい。
【0018】
〔第一の重合工程及び第二の重合工程〕
本実施形態においては、フェノール性化合物(M)、芳香族溶媒(A)、及び触媒(C)を含む重合溶液を調製して反応器中に収容し、反応器中で重合溶液に酸素含有ガス(O)を通気して、フェノール性化合物(M)を酸化重合することで、ポリフェニレンエーテルを得ることができる。
【0019】
<ポリフェニレンエーテル>
本実施形態のポリフェニレンエーテルの製造方法における重合工程で製造されるポリフェニレンエーテルについて以下に説明する。重合工程によって製造されるポリフェニレンエーテルは、特に限定されないが、具体的には、下記式(1)で表される繰り返し単位を有する単独重合体又は共重合体である。
【0021】
前記式(1)において、R
1、R
4は、それぞれ独立して、水素、第一級又は第二級の低級アルキル、フェニル、アミノアルキル、及び炭化水素オキシからなる群より選ばれるいずれかを表わす。また、式(1)において、R
2、R
3は、それぞれ独立して、水素、第一級又は第二級の低級アルキル、及びフェニルからなる群より選ばれるいずれかを表わす。
【0022】
ポリフェニレンエーテルの単独重合体としては、特に限定されないが、具体的には、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル等が挙げられる。この中でも、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが、原料が安価であり、入手が容易であるという観点から好ましい。
【0023】
ポリフェニレンエーテルの共重合体とは、フェニレンエーテル単位を単量体単位として含む共重合体である。ポリフェニレンエーテルの共重合体としては、特に限定されないが、具体的には、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、2,6−ジメチルフェノールとo−クレゾールとの共重合体、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとo−クレゾールとの共重合体等が挙げられる。この中でも、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体が、原料が安価であり、入手が容易であるという観点から好ましい。
【0024】
<フェノール性化合物(M)>
上記ポリフェニレンエーテルは、下記式(2)のフェノール性化合物(M)を酸化重合させることにより製造できる。
【0026】
前記式(2)において、R
5、R
7は、それぞれ独立して、水素、第一級又は第二級の低級アルキル、フェニル、アミノアルキル、及び炭化水素オキシからなる群より選ばれるいずれかを表わす。また、式(2)において、R
6、R
8は、それぞれ独立して、水素、第一級又は第二級の低級アルキル、及びフェニルからなる群より選ばれるいずれかを表わす。
【0027】
前記フェノール性化合物(M)としては、特に限定されないが、具体的には、2,6−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2−エチル−6−n−プロピルフェノール、2−メチル−6−クロルフェノール、2−メチル−6−ブロモフェノール、2−メチル−6−イソプロピルフェノール、2−メチル−6−n−プロピルフェノール、2−エチル−6−ブロモフェノール、2−メチル−6−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−n−プロピルフェノール、2−エチル−6−クロルフェノール、2−メチル−6−フェニルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ビス−(4−フルオロフェニル)フェノール、2−メチル−6−トリルフェノール、2,6−ジトリルフェノール等が挙げられる。これらのフェノール性化合物(M)はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。また、重合溶液として使用される芳香族溶媒(A)が少量のフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,4−ジメチルフェノール、2−エチルフェノール等を不純物として含んでいてもフェノール性化合物(M)の一部として重合反応により消費されてポリフェニレンエーテル内に組み込まれるので、実質上差し支えない。
【0028】
これらのなかでも、フェノール性化合物(M)としては、2,6−ジメチルフェノール、又は2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの混合物であることが好ましく、2,6−ジメチルフェノールがより好ましい。
【0029】
<芳香族溶媒(A)>
芳香族溶媒(A)としては、特に限定されないが、具体的には、低分子量のフェノール性化合物(M)を溶解し、触媒(C)の一部又は全部を溶解するものを用いることができる。
【0030】
このような芳香族溶媒(A)としては、以下に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、トリクロルベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;ニトロベンゼン等のニトロ化合物等を挙げられる。このなかでも、芳香族溶媒(A)が、トルエン、キシレン、及びエチルベンゼンからなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、トルエンがより好ましい。
【0031】
必要に応じて、芳香族溶媒(A)には、水と相溶する性質を持つ溶媒を混在させることができる。水と相溶する性質を持つ溶媒としては、特に限定されないが、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、ギ酸エチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられる。これらの溶媒は、1種以上、必要であればさらに2種以上を混合して使用することができる。
【0032】
重合工程で用いる芳香族溶媒(A)としては、実質的に水と相溶しないものを好ましく用いることができる。実質的に水と相溶しないものとしては、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素溶媒が好ましい。
【0033】
また、本実施形態における重合の形態は、フェノール性化合物(M)を酸化重合させて得られる重合体であるポリフェニレンエーテルに対する良溶媒と貧溶媒との比率の選択によって変化する。具体的には、良溶媒の比率を大きくすることで溶液重合法になり、貧溶媒の比率を大きくすることで反応の進行とともに重合体が反応溶媒中に粒子として析出する沈殿重合法になる。本実施形態における重合の形態は特に限定されず、必要に応じて芳香族溶媒(A)に添加する貧溶媒の量を調整して、所望とする重合形態を適宜選択することができる。
【0034】
<触媒(C)>
触媒(C)は、フェノール性化合物(M)、芳香族溶媒(A)及び触媒(C)を含む重合溶液に、酸素含有ガス(O)を通気することにより、フェノール性化合物(M)を効率的に酸化重合し、ポリフェニレンエーテルを製造するために有効な酸化触媒である。
【0035】
触媒(C)としては、特に限定されないが、具体的には、銅化合物と、臭素化合物と、ジアミン化合物、3級モノアミン化合物及び2級モノアミン化合物からなる群より選択される1種以上と、を含むことが好ましく、銅化合物、臭素化合物、ジアミン化合物、3級モノアミン化合物及び2級モノアミン化合物を必須成分として含有することがより好ましい。
【0036】
触媒(C)の成分として用いる銅化合物としては、特に限定されないが、具体的には、第一銅化合物、第二銅化合物又はそれらの混合物を使用することができる。第一銅化合物としては、特に限定されないが、具体的には、酸化第一銅、塩化第一銅、臭化第一銅、硫酸第一銅、硝酸第一銅等が挙げられる。また第二銅化合物としては、特に限定されないが、具体的には、塩化第二銅、臭化第二銅、硫酸第二銅、硝酸第二銅等が挙げられる。これらの中で好ましい化合物は、第一銅,第二銅化合物については、酸化第一銅、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅である。また、これらの銅塩は、酸化銅、炭酸銅炭酸塩、及び水酸化銅等と、これらと対応するハロゲン又は酸とから使用時に合成してもよい。例えば、酸化第一銅と臭化水素(の溶液)とを混合することにより臭化第一銅が得られる。銅化合物として好ましいものは第一銅化合物である。これら銅化合物は単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0037】
触媒(C)の成分として用いる臭素化合物としては、特に限定されないが、具体的には、臭化水素、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム等が挙げられる。また、これら臭素化合物は水溶液や適当な溶媒を用いた溶液にした状態で使用してもよい。これらの臭素化合物は、単独で用いてもよく、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
【0038】
上述した銅化合物と臭素化合物との好ましい組み合わせは、酸化第一銅と臭化水素との水溶液である。これらの化合物の使用量は特に限定されないが、銅原子のモル量に対して臭素原子として2倍モル以上10倍モル以下が好ましい。また、フェノール性化合物(M)100モルに対して銅原子としては0.02モル〜0.6モルの範囲であることが好ましい。
【0039】
触媒(C)の成分として用いるジアミン化合物は、特に限定されないが、具体的には、下記式(3)で表されるジアミン化合物等が挙げられる。式(3)で表されるジアミン化合物のなかでも、N,N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミンが好ましい。ジアミン化合物の使用量は特に限定されないが、通常使用される銅原子のモル数に対して0.5倍モル量以上とすることができ、上限は特に限定されない。
【0041】
前記式(3)において、R
1、R
2、R
3、R
4は、それぞれ独立して、水素又は炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状アルキル基であり、全てが同時に水素ではない。また、R
5は炭素数2〜5の直鎖状又はメチル分岐を持つアルキレン基である。
【0042】
触媒(C)の成分として用いる3級モノアミン化合物としては、特に限定されないが、脂環式3級アミンを含めた脂肪族3級アミン等が挙げられる。3級モノアミン化合物としては、特に限定されないが、具体的には、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、アリルジエチルアミン、ジメチル−n−ブチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン等が挙げられる。これらの第3級モノアミンは、単独で用いてもよく、2種類以上組み合わせて用いてもよい。3級モノアミン化合物の使用量は、特に限定されないが、フェノール性化合物(M)100モルに対して0.1モル〜15モルの範囲が好ましい。
【0043】
触媒(C)の成分として用いる2級モノアミン化合物としては、特に限定されないが、具体的には、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−i−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−i−ブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジペンチルアミン類、ジヘキシルアミン類、ジオクチルアミン類、ジデシルアミン類、ジベンジルアミン類、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルブチルアミン、シクロヘキシルアミン、N(置換又は非置換フェニル)アルカノールアミン、N−炭化水素置換アニリン等が挙げられる。
【0044】
前記N(置換又は非置換フェニル)アルカノールアミンとしては、特に限定されないが、具体的には、N−フェニルメタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−フェニルプロパノールアミン、N−(m−メチルフェニル)エタノールアミン、N−(p−メチルフェニル)エタノールアミン、N−(2’,6’−ジメチルフェニル)エタノールアミン、N−(p−クロロフェニル)エタノールアミン等が挙げられる。
【0045】
前記N−炭化水素置換アニリンとしては、特に限定されないが、具体的には、N−エチルアニリン、N−ブチルアニリン、N−メチル−2−メチルアニリン、N−メチル−2,6−ジメチルアニリン、ジフェニルアミン等が挙げられる。
【0046】
これらの2級モノアミン化合物は、単独で用いてもよく、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
【0047】
2級モノアミン化合物の使用量は特に限定されないが、一般的にフェノール性化合物(M)100モルに対し0.05モル〜15モルの範囲である。
【0048】
<その他の材料>
本実施形態のポリフェニレンエーテルの製造方法において、重合溶液が含みうるその他の材料としては、以下に限定されないが、例えば、テトラアルキルアンモニウム塩化合物、ポリエチレングリコール基含有アルキルアミン、及びポリエチレングリコール基含有アルキルアンモニウム塩化合物からなる群より選ばれる少なくともいずれかを挙げることができる。上記その他の材料の含有量としては、重合反応の効率の向上を図る観点から、0.1質量%を超えない範囲で含有されることが好ましい。上記その他の材料の具体例としては、下記式(4)、(5)又は(6)で表される構造の化合物が挙げられる。
【0050】
式(4)において、R
1、R
2、R
3、R
4は、それぞれ独立して炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状アルキル基であり、Xは対となる陰イオン、好ましくはCl
-、Br
-より選択される陰イオンである。
【0052】
式(5)において、R
5は、炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状アルキル基を表し、R
6はR
5に定義した基に加え、−(CH
2CH
2O)
n−H[nは1〜40の整数]で表される基であってもよく、R
7は−(CH
2CH
2O)
n−H[nは1〜40の整数]で表される基である。
【0054】
式(6)において、R
8、R
9は、炭素数1〜22の直鎖状又は分岐状アルキル基を表し、R
10は、R
8に定義した基に加え、−(CH
2CH
2O)
n−H[nは1〜40の整数]で表される基であってもよく、R
11は、−(CH
2CH
2O)
n−H[nは1〜40の整数]で表される基であり、Xは対となる陰イオン、好ましくはCl
-、Br
-より選択される陰イオンである。
【0055】
本実施形態のポリフェニレンエーテルの製造方法においては、上記その他の材料のより具体的な例として、Aliquat336(ヘンケル社製)やCapriquat(株式会社 同仁化学研究所製)の商品名で知られるトリオクチルメチルアンモニウムクロライドが好ましく用いられる。
【0056】
<重合溶液の調製>
重合溶液の調製は、フェノール性化合物(M)、芳香族溶媒(A)、触媒(C)の成分を、それぞれ単独に反応器に導入してもよく、また、フェノール性化合物(M)、触媒(C)を各々予め、芳香族溶媒(A)に溶解した後、反応器に導入してもよいが、まず、予め芳香族溶媒(A)の一部に溶解した触媒(C)を反応器に導入し、引続き、残りの芳香族溶媒(A)に溶解したフェノール性化合物(M)を反応器に導入する方法が好ましい。
【0057】
ポリフェニレンエーテルの重合工程における重合溶液の温度は、反応の進行と触媒の活性の観点から、0〜80℃に調整することが好ましく、10〜60℃に調整することがより好ましく、20〜50℃に調整することがさらに好ましい。重合工程の前半は温度を低めに、重合工程の後半は温度を高めに設定することが好ましい。これにより、重合反応の進行がより促進される傾向にある。
【0058】
重合溶液は、フェノール性化合物(M)10〜25質量部、芳香族溶媒(A)75〜90質量部、及び触媒(C)0.1〜10質量部の配合量で調製することが好ましい。ここで、フェノール性化合物(M)と芳香族溶媒(A)との合計の質量部は100質量部とする。このような配合量とすることにより、ポリフェニレンエーテル重合制御が安定する効果が得られる傾向にある。なお、重合溶液のフェノール性化合物(M)、芳香族溶媒(A)、触媒(C)の量は、フェノール性化合物(M)、芳香族溶媒(A)、触媒(C)の反応器への導入が完了した時点の質量比とする。
【0059】
本実施形態においては、フェノール性化合物(M)12〜23質量部、芳香族溶媒(A)77〜88質量部、及び触媒(C)0.5〜9質量部を含む重合溶液を用いることがより好ましく、フェノール性化合物(M)13〜21質量部、芳香族溶媒(A)79〜87質量部、及び触媒(C)0.8〜8質量部を含む重合溶液がさらに好ましい。上記好ましい範囲とすることにより、ポリフェニレンエーテル重合制御がより安定する傾向にある。
【0060】
反応器気相部の絶対圧力は、0.098MPa以上であり、0.392MPa以下である。反応器気相部の絶対圧力が0.392MPaを超える場合は過大な設備を必要とすることになるので好ましくない。0.098MPaに満たない場合は大気圧より負圧の領域になるので、真空に対応した設備が必要になり好ましくない。
【0061】
<酸素含有ガス(O)の通気>
酸素含有ガス(O)の通気開始時期は特に限定されないが、重合溶液の調製において、フェノール性化合物(M)、芳香族溶媒(A)、触媒(C)のいずれかを反応器へ導入した後に、酸素含有ガス(O)の通気を開始することが好ましい。
【0062】
酸素含有ガス(O)としては、特に限定されないが、具体的には、酸素と任意の不活性ガスを混合したもの、空気、又は空気と任意の不活性ガスとを混合したものを用いることができる。不活性ガスとしては、特に限定されないが、具体的には、重合反応に対して影響が大きくなければ任意のものが使用できる。代表的な不活性ガスとしては、窒素を挙げることができる。
【0063】
酸素含有ガス(O)は、特に限定されないが、具体的には、酸素濃度が5〜25容量%であるものが好ましく、窒素含有ガスと空気とを含み、酸素濃度が6〜20容量%であるものがより好ましく、窒素含有ガスと空気とを含み、酸素濃度が8〜12容量%であるものがさらに好ましい。このような好ましい酸素濃度であれば、徐熱や重合速度等がより安定する傾向になる。
【0064】
また、通気後の酸素含有ガス(O)中の未反応ガスの酸素濃度が11.6%を超える場合には、使用溶媒の爆発を防止する観点から、反応器気相部に窒素等の不活性ガスを導入し、酸素濃度を11.6%以下にコントロールすることが好ましい。
【0065】
酸素含有ガス(O)の通気量は、特に限定されないが、重合反応に供するフェノール性化合物(M)1kgに対して0.5NL/min〜15NL/minが好ましく、3NL/min〜14NL/minがより好ましく、6NL/min〜13NL/minがさらに好ましい。0.5NL/min以上とすることにより、目的とするポリフェニレンエーテルが所望の分子量に達するのが早く、生産性が向上する傾向にある。一方15NL/min以下とすることにより、設備の過大化や排ガス量の増大という問題を回避でき、経済性に優れる傾向にある。
【0066】
(発泡層の除去)
一般的なポリフェニレンエーテル重合工程における酸化重合の初期には、発泡層が発生する場合がある。酸化重合を継続し重合溶液中のフェノール性化合物(M)が消費されると発泡が収まることから、酸化重合の初期に重合溶液が発泡する原因は、フェノール性化合物(M)が重合溶液中に多く存在することと発泡に関係があるものと推察される。
【0067】
本実施形態のポリフェニレンエーテルの製造方法においては、第一の重合工程に発生する発泡層の発生を反応器気相部の第一の圧力により抑制しながら、酸化重合を継続して行う。これにより反応器の単位体積あたりの生産効率の向上を図ることができる。なお、発泡層の発生については発泡量で評価することができ、当該発泡量は後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
【0068】
本実施形態のポリフェニレンエーテルの製造方法においては、第二の重合工程の絶対圧力を第一の圧力よりも下げて酸化重合を行う。これにより、重合活性を低下させず、反応時間の短縮が可能となる。なお、反応時間については後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
【0069】
反応器気相部の絶対圧力として、酸化重合初期の発泡量が反応器の許容範囲内であれば、特に限定されないが、具体的には、十分な発泡抑制の効果を確保する観点から、第一の圧力を0.294MPa以上とすることが好ましく、酸化重合設備の過大化を防ぐ観点から0.392MPa以下とする。
【0070】
本実施形態のポリフェニレンエーテルの製造方法においては、重合工程の初期に発生する発泡層の発生を抑制できるため、従来技術においては、重合溶液の発泡層部分のために余分に設計していた反応器の容量を活用することができる。
【0071】
上述のようにして重合工程を行った後、目的とする重合度に達した時点で重合反応を停止する。重合反応の停止方法は、特に限定されず、従来公知の方法を適用できる。通常の停止方法としては、塩酸や酢酸等の酸、又はエチレンジアミン4酢酸(EDTA)及びその塩、ニトリロトリ酢酸及びその塩等を反応液に加えて触媒を失活し、重合を停止することが挙げられる。重合停止の後、生成したポリフェニレンエーテルを分離して、メタノール等のポリフェニレンエーテルを溶解しない溶媒で洗浄し、乾燥してポリフェニレンエーテルを回収する。
【0072】
本実施形態のポリフェニレンエーテルの製造方法における好ましい形態としては、フェノール性化合物(M)として2,6−ジメチルフェノールを使用し、触媒成分(C)が銅化合物として酸化第一銅、臭素化合物として臭化水素(水溶液で使用)、ジアミン化合物としてN,N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミン、2級モノアミン化合物としてN,N−ジ−n−ブチルアミン、3級モノアミンとしてN,N−ジメチル−n−ブチルアミンの5成分を併用した形態であるものを使用することが挙げられるが、本実施形態のポリフェニレンエーテルの製造方法は、この形態に限定されるものではない。
【0073】
以上のとおり、本実施形態では、重合溶液中に重合反応に影響を与える消泡剤を存在させる必要がなく、これにより重合反応の活性を低下させることなく、重合溶液の発泡を抑制し、ポリフェニレンエーテルを製造することができる。
【実施例】
【0074】
以下、本実施形態について、具体的な実施例と、これとの比較例を挙げて具体的に説明するが、本実施形態は、以下の実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例に適用した、物性及び特性等の測定方法を下記に示す。
【0075】
〔液面の接触部の計測〕
反応器の側面にスケールを貼り、反応器下部を0点として液面の泡との接触部分(液相と泡の界面)までを測定した。すなわち、各例において、重合溶媒を反応器へ導入した直後から500rpmの一定速度で撹拌を開始し、酸化重合の開始から10分毎に測定を行うこととした。具体的には、重合溶液を攪拌する場合の攪拌状態における液面の高さを測定し、重合反応期間における最大値を各例の液面の高さとした。
【0076】
〔発泡量の計測〕
発泡量の計測は、上記スケールを用いて行うこととし、上記で測定された液面より発泡層の上面までの厚さの重合反応期間における最大値を発泡量とした。
【0077】
〔液粘度の計測と重合時間の計測〕
SEKONIC社製 振動式液粘度計(VISCOMATE VM−100A)を用い、後述するとおりにサンプリングされた各例の重合液を40℃に調整し、液粘度(単位:cP)を求めた。上記重合液に対し酸素含有ガス(O)の通気を開始した時点を酸化重合の開始時点とみなし、また、上記液粘度の値が45cPとなった時点を酸化重合の停止時点とみなし、酸化重合開始から酸化重合停止までの重合時間を計測した。
【0078】
〔実施例1〕
反応器として、反応液を入れる高さの上限が50cm、内径16cm円筒型の反応器であって、底部に酸素含有ガス(O)導入のためのスパージャー、攪拌タービン翼、及びサンプリング用の排出バルブを設け、反応器側部にバッフル、温度調整装置を設け、反応器上部に、重合溶液成分の導入口、及びベントガスラインに凝縮液分離のためのデカンターを付属した還流冷却器を備える、15リットルのジャケット付きSUS製の反応器を用いた。デカンターのベントガス排出口には、圧力調整弁と圧力測定器を設置した。
【0079】
(重合工程)
2,6−ジメチルフェノール0.85kg、トルエン5.59kg、及び触媒(C)(1.1gの酸化第一銅、8.2gの47%臭化水素水溶液、2.6gのジ−t−ブチルエチレンジアミン、12.7gのジ−n−ブチルアミン、38.6gのブチルジメチルアミン)63.2g、で構成される重合溶液を調製し、これを上記反応器に導入し、液温を40℃、反応器気相部の絶対圧力(第一の重合圧力)を0.301MPaに調整した後に、通気酸素含有ガス(O)として、絶対圧力が0.301MPaの酸素濃度が9%の酸素含有ガス(O)をスパージャーより重合溶液に通気して2,6−ジメチルフェノールの酸化重合を開始した(この酸素含有ガス(O)の酸素分圧は、0.301MPa×0.09=0.02709MPaであった)。上記酸化重合の開始以降、泡の発生が観測されたが、酸化重合開始から90分後に完全に消泡したものと認められたため、反応器気相部の絶対圧力(第二の重合圧力)を0.201MPaに変更し、酸化重合を継続した。酸化重合60分経過時点から5分毎に少量ずつサンプリングを実施し、液粘度が特定値に達するまでの必要時間(重合開始から液粘度=45cPに達するまでの重合時間)を重合時間とした。酸化重合開始後139分後にエチレンジアミン四酢酸4ナトリウム塩(同仁化学研究所試薬)の10%水溶液0.65kgを添加して酸化重合を停止し、メタノール7.65kgにて洗浄した後、140℃の温度条件で120分間乾燥処理を行い、実施例1のポリフェニレンエーテルを得た。また、酸化重合中の重合溶液の発泡量、液面の接触部の高さを測定した。結果を表1に示す。
【0080】
〔実施例2〕
第一の重合圧力を0.351MPa、第二の重合圧力を酸化重合開始後79分後に0.251MPaとしたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例2のポリフェニレンエーテルを得た。すなわち、本実施例では、酸化重合開始から79分後に完全に消泡したものと認められた。また、酸化重合中の重合溶液の発泡量、液面の接触部の高さを測定した。結果を表1に示す。
【0081】
〔実施例3〕
第一の重合圧力を0.351MPa、第二の重合圧力を酸化重合開始後80分後に0.301MPaとしたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例3のポリフェニレンエーテルを得た。すなわち、本実施例では、酸化重合開始から80分後に完全に消泡したものと認められた。また、酸化重合中の重合溶液の発泡量、液面の接触部の高さを測定した。結果を表1に示す。
【0082】
〔実施例4〕
芳香族溶媒(A)としてトルエンの代わりにキシレンを用い、第一の重合圧力を0.351MPa、第二の重合圧力を酸化重合開始後84分後に0.251MPaとしたこと以外は、実施例2と同様の操作を行い、実施例4のポリフェニレンエーテルを得た。すなわち、本実施例では、酸化重合開始から84分後に完全に消泡したものと認められた。また、酸化重合中の重合溶液の発泡量、液面の接触部の高さを測定した。結果を表1に示す。
【0083】
〔実施例5〕
芳香族溶媒(A)としてトルエンの代わりにエチルベンゼンを用い、第一の重合圧力を0.351MPa、第二の重合圧力を酸化重合開始後83分後に0.251MPaとしたこと以外は、実施例2と同様の操作を行い、実施例5のポリフェニレンエーテルを得た。すなわち、本実施例では、酸化重合開始から83分後に完全に消泡したものと認められた。また、酸化重合中の重合溶液の発泡量、液面の接触部の高さを測定した。結果を表1に示す。
【0084】
〔実施例6〕
2,6−ジメチルフェノール1.04kg、トルエン6.82kg、及び触媒(C)(1.3gの酸化第一銅、10.1gの47%臭化水素水溶液、3.2gのジ−t−ブチルエチレンジアミン、15.7gのジ−n−ブチルアミン、47.6gのブチルジメチルアミン)77.9g、で構成される重合溶液を用い、第一の重合圧力を0.351MPa、第二の重合圧力を酸化重合開始後78分後に0.251MPaとしたこと以外は、実施例2と同様の操作を行い、実施例6のポリフェニレンエーテルを得た。すなわち、本実施例では、酸化重合開始から78分後に完全に消泡したものと認められた。また、酸化重合中の重合溶液の発泡量、液面の接触部の高さを測定した。結果を表1に示す。
【0085】
〔実施例7〕
2,6−ジメチルフェノール0.85kg、トルエン5.48kg、及び触媒(C)(4.9gの酸化第一銅、36.8gの47%臭化水素水溶液、134.1gのジ−n−ブチルアミン)175.8g、で構成される重合溶液を用い、第一の重合圧力を0.301MPa、第二の重合圧力を酸化重合開始後92分後に0.201MPaとしたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、実施例7のポリフェニレンエーテルを得た。すなわち、本実施例では、酸化重合開始から92分後に完全に消泡したものと認められた。また、酸化重合中の重合溶液の発泡量、液面の接触部の高さを測定した。結果を表1に示す。
【0086】
〔比較例1〕
重合反応全期間における反応器気相部の絶対圧力を0.251MPaに設定して変更しなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較例1のポリフェニレンエーテルを得た。得られたポリフェニレンエーテルについて秤量し、還元粘度を求めた。また、酸化重合中の重合溶液の発泡量、液面の接触部の高さを測定した。結果を表1に示した。
【0087】
〔比較例2〕
重合反応全期間における反応器気相部の絶対圧力を0.351MPaに設定して変更しなかったこと以外は、比較例1と同様の操作を行い、比較例2のポリフェニレンエーテルを得た。また、酸化重合中の重合溶液の発泡量、液面の接触部の高さを測定した。結果を表1に示す。
【0088】
〔比較例3〕
芳香族溶媒(A)としてトルエンの代わりにキシレンを用いたこと以外は、比較例1と同様の操作を行い、比較例3のポリフェニレンエーテルを得た。また、酸化重合中の重合溶液の発泡量、液面の接触部の高さを測定した。結果を表1に示す。
【0089】
〔比較例4〕
芳香族溶媒(A)としてトルエンの代わりにエチルベンゼンを用いたこと以外は、比較例1と同様の操作を行い、比較例4のポリフェニレンエーテルを得た。また、酸化重合中の重合溶液の発泡量、液面の接触部の高さを測定した。結果を表1に示す。
【0090】
【表1】