(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記組成物は、額、口周囲、頤、眼窩周囲、鼻、頬の皮膚表面、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの顔の領域に塗布される、請求項1に記載の方法。
前記組成物は皮膚色調剤を更に含み、前記皮膚色調剤は、糖アミン、ビタミンB3化合物、アルブチン、デオキシアルブチン、1,3−ジヒドロキシ−4−アルキルベンゼン、バクコイル、ピレノイン、キビ(panicum miliaceum)種子抽出物、アーラトン(arlatone)二酸、ケイ皮酸、フェルラ酸、アクロマキシル(achromaxyl)、メチルニコチンアミド、油可溶性甘草抽出物、葉酸、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、チアミン(ビタミンB1)及びその塩酸塩、L−トリプトファン、ベンガルボダイジュ、フロロジン(ラミナリア)、ヒマワリ(helianthus annuus)及びブドウ(vitis vinifera)葉抽出物、カルノシン、ゲンチシン酸メチル、1,2−ヘキサンジオール及び1,2−オクタンジオール、イノシトール、デシレノイルフェニルアラニン、コウジ酸、ヘキサアミジン化合物、サリチル酸、レチノイド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
皮膚色調剤を更に含み、前記皮膚色調剤は、糖アミン、ビタミンB3化合物、アルブチン、デオキシアルブチン、1,3−ジヒドロキシ−4−アルキルベンゼン、バクコイル、ピレノイン、キビ(panicum miliaceum)種子抽出物、アーラトン(arlatone)二酸、ケイ皮酸、フェルラ酸、アクロマキシル(achromaxyl)、メチルニコチンアミド、油可溶性甘草抽出物、葉酸、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、チアミン(ビタミンB1)及びその塩酸塩、L−トリプトファン、ベンガルボダイジュ、フロロジン(ラミナリア)、ヒマワリ(helianthus annuus)及びブドウ(vitis vinifera)葉抽出物、カルノシン、ゲンチシン酸メチル、1,2−ヘキサンジオール及び1,2−オクタンジオール、イノシトール、デシレノイルフェニルアラニン、コウジ酸、ヘキサアミジン化合物、サリチル酸、レチノイド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項8〜10のいずれか一項に記載の剤。
【発明を実施するための形態】
【0012】
特に指定がない限り、本明細書において使用する全ての百分率及び比率は、組成物全体
の重量によるものであり、また、全ての測定は25℃でなされるものとする。全ての数範
囲はより狭い範囲を包含し、表現された上方及び下方範囲の限界値は互換可能であって、
明示されていない範囲を更に作り出す。
【0013】
本発明の組成物は、本明細書に記載の必須構成成分並びに任意成分を含み、それらから
本質的になり、又はそれらからなることができる。本明細書で使用するとき、「から本質
的になる」とは、組成物又は構成成分は追加成分を包含してもよいが、それら追加成分が
特許請求される組成物又は方法の基本的及び新規な特徴を実質的に変化させない場合に限
ることを意味する。
【0014】
組成物に関連して使用するとき、用語「塗布する」又は「塗布」は、本発明の組成物を
表皮等のヒトの体外皮膚表面上に局所的に塗布する又は広げることを意味する。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「皮膚科学的に許容可能な」は、記載される組成物又は
構成成分が、過度の毒性、不適応性、不安定性、アレルギー反応等がなく、ヒトの皮膚組
織と接触して使用するのに好適であることを意味する。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「有効量」は、ポジティブな利点を有意に誘導するのに
十分な化合物及び組成物の量を意味する。
【0017】
ヒトの顔の皮膚に関連して使用するとき、用語「肌理」又は「表面の肌理」はマクロの
肌理及びミクロの肌理の両方を含む。肌理は、皮膚の特定領域における表面のトポグラフ
ィーの物理的な平滑性(平坦性)及び/又は凸凹(非平坦性)に関する。いくらかの実施
形態では、「肌理」は、非円形、非楕円、不規則、及び/又は細長い表面の特徴を指し、
毛穴及び円形の斑点を一般に除外する。明確化するために、一般にセルライト(線維性結
合組織内の皮下脂肪のヘルニアによって引き起こされる)と呼ばれる皮膚の小さな凹み及
び小結節の領域は、本明細書で使用するとき、「肌理」の意味の範囲内に含まれないこと
を理解すべきである。
【0018】
用語「マクロの肌理」は、ヒトの肉眼で見ることができる典型的には小じわ及びしわと
呼ばれる顔の皮膚表面の特徴(例えば、くぼみ)を指す。本明細書で使用するとき、マク
ロの肌理の皮膚表面の特徴は、ミクロの肌理を特徴づけるものよりサイズが大きい。マク
ロの肌理は、毛穴及び他の概して円形の形状を一般に除外する。
【0019】
本明細書で使用するとき、用語「ミクロの肌理」は、マクロの肌理よりサイズが小さい
、小さい不規則な顔の特徴(例えば、くぼみ)を指す。ミクロの肌理の特徴は、従来の小
じわ及びしわよりサイズが小さく、毛穴及び他の概して円形の形状を一般に除外する。い
くらかの実施形態では、ミクロの肌理は、長さが5mm未満で幅が0.16mmより薄い
細長い又は不規則なくぼみ(すなわち、一般に「小じわ及びしわ」又は「マクロの肌理」
と呼ばれるものより大きな特徴)を指す。
【0020】
ヒトの顔の皮膚に関連して使用するとき、用語「顔の毛穴」又は「毛穴」は、肉眼で見
える顔の毛穴を一般に指すが、用語「顔の毛穴」は、肉眼で見えない毛穴も含み得る。顔
の毛穴は、毛穴の開口部、及び毛穴の可視の外観に影響を及ぼす開口部に直接隣接する皮
膚の両方を含む。場合によっては、顔の毛穴は、2.0mm
2、若しくは1.0mm
2、若
しくは0.1mm
2未満の毛穴領域、又は0.09mm
2未満、0.08mm
2未満、0.
07mm
2未満、若しくは0.05mm
2未満の毛穴領域、及び/又は0.02mm
2又は
0.04mm
2を超える毛穴領域を有してもよい。顔の毛穴は、一般に、しかし常時では
ないが、皮膚表面で一般に円形又は楕円の形状を有する。
【0021】
本明細書で使用するとき、用語「顔の皮膚」は、額、眼窩周囲、頬、口周囲、頤及び鼻
の皮膚表面のうちの1つ以上を指す。
【0022】
顔の皮膚の肌理に関連して使用するとき、用語「改善する」は、皮膚の肌理の外観を予
防する、遅れさせる、及び/又は減少させることを含む。「改善する」はしたがって、皮
膚表面のトポグラフィーの平滑性を増加させることも含む。改善の度合いは、定量的に(
例えば、本明細書で説明する肌理領域分画法によって)及び/又は定性的に(例えば、目
視検査)測定し得る。
【0023】
I.組成物
本発明は様々な組成物に関し、より詳細には、顔の皮膚表面に局所塗布するための組成
物に関する。組成物は、溶液、懸濁液、ローション、クリーム、ゲル、化粧水、スティッ
ク、ペンシル、スプレー、エアゾル、軟膏、クレンジング洗剤液およびクレンジング棒状
固形物(cleansing liquid washes and solid bars)、シャンプー及びヘアコンディショ
ナー、ペースト、フォーム、パウダー、ムース、髭剃りクリーム、ティッシュ、細片(st
rip)、パッチ、電気駆動パッチ、創傷被覆材及び粘着性包帯、ヒドロゲル、フィルム形
成製品、顔及び皮膚マスク(不溶性シートを有する及び有さない)、ファンデーション、
アイライナー及びアイシャドウ等の化粧品等が挙げられるがこれらに限定されない、非常
に様々な製品形態を有することができる。組成物の形態は、組成物中に存在する場合、選
択された皮膚科学的に許容可能な特定のキャリアに従い得る。
【0024】
A.ヘキシルデカノール
本発明の組成物は、有効量のヘキシルデカノールを含む。特定実施形態では、組成物は
、全組成物の1%重量〜10重量%、あるいは2.5重量%〜10重量%、あるいは2.
5重量%〜6重量%、あるいは4重量%〜6重量%のヘキシルデカノールを含んでもよい
。
【0025】
ヘキシルデカノールは、脂肪アルコールのINCI名称で、2−ヘキシルデカン−1−
オール(IUPAC名称)、2−ヘキシルデカノール、又は2−ヘキシル−1−デカノー
ルとしても知られる。(化学式:C
16H
34O、CAS番号2425−77−6)。ヘキシ
ルデカノールは、広く入手可能な化粧用溶媒で、Sigma−Aldrich(Milw
aukee,Wisconsin,USA)から市販されている。
【0026】
B.任意成分
本発明の組成物は、本発明の利益を受け入れ難いほど変更しなければ、様々な他の成分
を含有することができる。存在する場合、本発明の組成物は、組成物の約0.0001重
量%〜約50重量%、約0.001重量%〜約20重量%、又は代替的に約0.01重量
%〜約10重量%の任意構成成分を含有することができる。本明細書に列挙した量は規準
としてのみ使用されるべきであり、組成物中に使用される任意構成成分の最適な量は、そ
れらの効力がかなり多様であるため、選択される特定の活性物質に依存するであろう。し
たがって、本発明において有用ないくつかの任意構成成分の量は、本明細書に列挙した範
囲外であり得る。
【0027】
組成物中に組み込まれる場合、任意成分は、過度の毒性、不適応性、不安定性、アレル
ギー反応等を示すことなく、ヒトの皮膚組織に接触させて用いるのに好適でなければなら
ない。本発明の組成物は、抗挫創活性物質、落屑活性物質、抗セルライト剤、キレート剤
、フラボノイド、日焼け活性物質、非ビタミン酸化防止剤及びラジカルスカベンジャー、
育毛調整剤、しわ防止活性物質、抗皮膚萎縮防止活性物質、鉱物、フィトステロール及び
/又は植物ホルモン、N−アシルアミノ酸化合物、抗菌活性物質又は抗真菌活性物質、並
びに他の有用なスキンケア活性物質等の任意構成成分を含有してもよく、これらは、米国
特許出願公開第2006/0275237(A1)号及び同第2004/0175347
(A1)号に更に詳細に記載されている。
【0028】
Personal Care Product Council’s Interna
tional Cosmetic Ingredient Dictionary an
d Handbook,Thirteenth Editionには、皮膚ケア産業にお
いて通常使用されている非常に様々な非限定的な美容及び医薬成分が記載され、それらは
本発明の組成物中で使用するのに好適な任意構成成分である。これらの成分クラスの例と
しては、研磨材、吸収剤、芳香剤等の美容構成成分、色素、顔料/着色剤、精油、アンチ
ケーキング剤、消泡剤、抗菌剤、結合剤、生物学的添加剤、緩衝剤、充填剤、キレート化
剤、化学的添加剤、着色剤、美容収斂剤、美容殺生物剤、変性剤、薬物収斂剤、皮膚軟化
剤、外用鎮痛剤、フィルム形成剤又は材料、乳白剤、pH調整剤、保存剤、噴霧剤、還元
剤、捕捉剤、皮膚冷却剤、皮膚保護剤、増粘剤粘度調節剤、ビタミン及びそれらの組み合
わせが挙げられる。
【0029】
任意成分のいくつかのクラスは以下でより詳細に議論される。
【0030】
1.皮膚色調剤
いくらかの実施形態では、ヘキシルデカノールと組み合わせて、組成物中に皮膚色調剤
も含ませることが望ましい場合がある。本明細書で使用するとき、「皮膚色」は、色素沈
着過度の広汎領域及び/又は局部領域(すなわち、斑点、年齢による染み)を指す。本明
細書で使用するとき、「皮膚色の改善」は、色素沈着過度の領域の外観を予防する又は減
少させることを意味する。
【0031】
皮膚色調剤は、全体的な皮膚色調を更に改善するよう含められてもよい。存在する場合
、本発明の組成物は、組成物の約50重量%、40重量%、30重量%、20重量%、1
0重量%、5重量%又は3重量%迄の皮膚色調剤を含有する。存在する場合、本発明の組
成物は、組成物の少なくとも約0.001重量%、0.01重量%、0.1重量%、0.
2重量%、0.5重量%又は1重量%の皮膚色調剤を含有する。好適な範囲は、組成物の
約0.1重量%〜約50重量%、約0.2重量%〜約20重量%、又は約1重量%〜約1
0重量%の皮膚色調剤の好適な範囲を含む、下限及び上限の任意の組み合わせを含む。皮
膚色調剤の効力がかなり多様であるため、皮膚色調剤の最適な量は選択される特定の活性
物質に依存することにより、本明細書に列挙した量は、規準としてのみ使用されるべきで
ある。
【0032】
好適な皮膚色調剤には、糖アミン、ビタミンB3化合物、アルブチン、デオキシアルブ
チン、ヘキシルレゾルシノール等の1,3−ジヒドロキシ−4−アルキルベンゼン、バク
コイル(4−[(1E,3S)−3−エテニル−3,7−ジメチル−1,6オクタジエニ
ル]フェノール又はモンテルペンフェノール)、ピレノイン(Biotech Mari
ne,Franceから入手可能)、キビ(panicum miliaceum)種子抽出物、アーラト
ン(arlatone)二酸、ケイ皮酸、フェルラ酸、アクロマキシル(achromaxyl)、メチルニ
コチンアミド、油可溶性甘草抽出物、葉酸、ウンデシレン酸(即ち、ウンデセン酸)、ウ
ンデシレン酸亜鉛、チアミン(ビタミンB1)及びその塩酸塩、L−トリプトファン、ベ
ンガルボダイジュ、フロロジン(ラミナリア)、ヒマワリ(helianthus annuus)(サンフラワー)及びブドウ(vitis vinifera)(グレープ)葉抽出物、カルノシン(即ち、ドラゴシン)、ゲンチシン酸メチル、1,2−ヘキサンジオール及び1,2−オクタンジオール(即ち、Symrise AG(Germany)によりSymdiol 68として販売されている組み合わせ)、イノシトール、デシレノイルフェニルアラニン(例えば、Seppic(France)により商標名Sepiwhiteで販売)、コウジ酸、ヘキサアミジン化合物、サリチル酸、並びにレチノール及びプロピオン酸レチニルを含むレチノイドが挙げられるがこれらに限定されない。
【0033】
所定の実施形態において、追加の皮膚色調剤はビタミンB3化合物、糖アミン、ヘキサ
ミジン化合物、サリチル酸、ヘキシルレゾルシノール等の1,3−ジヒドロキシ−4−ア
ルキルベンゼン、及びレチノイドからなる群から選択される。本明細書で使用するとき、
「ビタミンB
3化合物」とは、次式を有する化合物を意味する:
【0034】
【化1】
式中、Rは、−CONH
2(即ち、ナイアシンアミド)、−COOH(即ち、ニコチン
酸)、又は−CH
2OH(即ち、ニコチニルアルコール);これらの誘導体;及び前述の
いずれかの塩である。本明細書で使用するとき、「糖アミン」には、その異性体及び互変
異性体、並びにその塩(例えば、HCl塩)及びその誘導体が含まれる。糖アミンの例と
しては、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、マンノサミン、N−アセチルマンノ
サミン、ガラクトサミン、N−アセチルガラクトサミン、これらの異性体(例えば、立体
異性体)、及びこれらの塩(例えば、HCl塩)が挙げられる。本明細書で使用する場合
、「ヘキサミジン化合物」とは、次式を有する化合物を意味する:
【0035】
【化2】
式中、R
1及びR
2は任意であるか、又は有機酸(例えば、スルホン酸など)である。一
実施形態において、ヘキサミジン化合物はジイセチオン酸ヘキサミジンである。
【0036】
2.抗炎症剤
組成物は抗炎症剤を更に含んでもよい。存在する場合、本発明の組成物は、組成物の約
20重量%、10重量%、5重量%、3重量%又は1重量%迄の抗炎症剤を含有する。存
在する場合、本発明の組成物は、組成物の少なくとも約0.001重量%、0.01重量
%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.5重量%又は1重量%の抗炎症剤
を含有する。好適な範囲は、下限と上限との任意の組み合わせを含む。好適な抗炎症剤に
は、非ステロイド系の抗炎症剤(イブプロフェン、ナプロキセン、フルフェナム酸、エト
フェナマート、アスピリン、メフェナム酸、メクロフェナム酸、ピロキシカム及びフェル
ビナクが挙げられるが、これらに限定されないNSAIDS)、グリシルリジン酸(グリ
シルリジン、グリシルリキシン酸(glycyrrhixinic acid)及びグリシルレチン酸グリコ
シドとしても知られている)及びグリシルリジン酸二カリウム等の塩、グリシルレテン酸
(glycyrrhetenic acid)、甘草抽出物、ビサボロール(例えば、αビサボロール)、マ
ンジスタ(キイチゴ属の植物、特にクルマバアカネ(Rubia cordifolia)から抽出される
)、及びガッグル(guggal)(コミフォラ属の植物、特にコミフォラムクリ(Commiphora
mukul)から抽出される)、コーラノキ抽出物、カミツレ、ムラサキツメクサ抽出物、及
びムチサンゴ(sea whip)抽出物(ヤギ目の植物からの抽出物)、上記のいずれかの誘導
体、及びこれらの混合物を含むがこれらに限定されない。
【0037】
3.日焼け止め活性物質
本発明の組成物は、1つ以上の日焼け止め活性物質(日焼け止め剤)及び/又は紫外線
吸収剤を含んでよい。本明細書において「日焼け止め活性物質」には、集合的に日焼け止
め活性物質、日焼け止め剤、及び/又は紫外線吸収剤が含まれる。日焼け止め活性物質に
は、日焼け止め剤と物理的日焼け防止剤の双方が含まれる。日焼け止め活性物質は、有機
又は無機であってよい。好適な日焼け止め活性物質の例は、「日焼け止め剤」としてPe
rsonal Care Product Council’s Internatio
nal Cosmetic Ingredient Dictionary and H
andbook,Thirteenth Editionに開示されている。特に好適な
日焼け止め活性物質は、2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート(PARSOL
(商標)MCXとして市販)、4,4’−t−ブチルメトキシジベンゾイル−メタン(P
ARSOL(商標)1789として市販)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、オクチルジメチル−p−アミノ安息香酸、ジガロイルトリオレエート、2,2−ジヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、エチル−4−(ビス(ヒドロキシプロピル))
アミノ安息香酸、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸、2
−エチルヘキシル−サリチル酸、グリセリル−p−アミノ安息香酸、3,3,5−トリ−
メチルシクロヘキシルサリチル酸、メンチルアントラニル酸、p−ジメチル−アミノ安息
香酸又はアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ジメチル−アミノ−安息香酸、
2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸、2−(p−ジメチルアミノフェニル
)−5−スルホニクベンゾオキサゾ酸、オクトクリレン、酸化亜鉛、ベンジリデンショウ
ノウ及びその誘導体類、二酸化チタン、並びにこれらの混合物である。
【0038】
一実施形態において、組成物は、組成物の約1重量%〜約20重量%、代替的に約2重
量%〜約10重量%の日焼け止め活性物質を含有してもよい。正確な量は、選択された日
焼け止め活性物質と、当業者の知識の範囲内である所望の太陽光線保護指数(SPF)に
応じて変動するであろう。
【0039】
C.皮膚科学的に許容可能なキャリア
本発明の組成物は、組成物用の皮膚科学的に許容可能なキャリア(「キャリア」と称し
てもよい)も含有し得る。本明細書で使用するとき、「皮膚科学的に許容可能なキャリア
」という語句は、キャリアが皮膚への局所塗布に好適であり、良好な審美特性を有し、組
成物中の活性物質と適合性があり、安全性又は毒性についていかなる不当な問題も起こさ
ないことを意味する。一実施形態において、キャリアは、組成物の約50重量%〜約99
重量%、約60重量%〜約98重量%、約70重量%〜約98重量%、又は代替的に約8
0重量%〜約95重量%のレベルで存在する。
【0040】
担体は多様な形態をとりうる。非限定例には、単純な溶液(例えば、水性、有機溶媒又
は油ベースの)、乳濁液、及び固体形態(例えば、ゲル、スティック、流動性固体、又は
無定形材料)が挙げられる。特定の実施形態において、皮膚科学的に許容可能な担体は、
エマルションの形状である。エマルションは、一般に、連続水相(例えば水中油型及び水
中油中水型)、又は連続油相(例えば油中水型及び油中水中油型)を有するものとして分
類され得る。本発明の油相には、シリコーンオイル、非シリコーンオイル(炭化水素油、
エステル類、エーテル類など)、及びこれらの混合物が含まれうる。
【0041】
水相は典型的に、水を含む。しかしながら、別の実施形態では、水相は、水溶性保湿剤
、コンディショニング剤、抗菌剤、湿潤剤、及び/又は他の水溶性スキンケア活性物質が
挙げられるが、これらに限定されない水以外の構成成分を含み得る。一実施形態では、組
成物の非水構成成分は、グリセリン及び/又は他のポリオール等の湿潤剤を含む。しかし
ながら、組成物は、実質的に(即ち、1%未満の水)又は完全に無水であってもよいこと
を理解するべきである。
【0042】
所望の製品形態を得るために、好適なキャリアが選択される。更に、構成成分(例えば
、ヘキシルデカノール、日焼け止め活性物質、追加の構成成分)の可溶性又は分散性は、
キャリアの形態及び特性に影響し得る。一実施形態では、水中油又は油中水型の乳濁液が
好ましい。
【0043】
乳濁液は、更に乳化剤を含み得る。組成物は、キャリアを十分乳状にする任意の好適な
百分率の乳化剤を含有してもよい。好適な重量範囲は、組成物の、約0.1重量%〜約1
0重量%又は約0.2重量%〜約5重量%の乳化剤を含む。乳化剤は、非イオン性、アニ
オン性、又はカチオン性であり得る。好適な乳化剤は、例えば、米国特許第3,755,
560号、同第4,421,769号、及びMcCutcheon’s Deterge
nts and Emulsifiers,North American Editi
on,pages 317〜324(1986)に開示されている。好適なエマルション
は、所望の製品形態に応じて、幅広い粘度を有し得る。
【0044】
キャリアは、当業者に周知であるように増粘剤を更に含有して、好適な粘度及び流動学
的特性を有する組成物を提供してもよい。
【0045】
II.例示的な組成物
表1は、本発明の組成物の非限定的な実施例を示す。これらの実施例は単に説明のため
に示すものであり、本発明を限定するものと解釈すべきでなく、本発明の趣旨及び範囲か
ら逸脱することなく、多くの改変が可能であり、当業者にはこれらのことが理解されよう
。実施例においては、特に指定のない限り、全ての濃度が重量%として列挙されており、
希釈剤、充填剤などの微量物質は除外し得る。そのため、列挙した配合は、列挙した成分
及びこのような成分に関連するいかなる微量物質をも含む。当業者にとって明白なように
、このような微量物質の選択は、本明細書に記載したように本発明を作るために選択した
特定成分の物理的及び化学的特質によって変わることになる。
【0046】
実施例は全て、顔の肌理の1つ以上の領域の外観を改善するために使用されてもよい。
【0047】
【表1】
*1−Sigma−Aldrich(USA)から入手可能なヘキシルデカノール。
*2−SEPPIC(France)から入手可能なSepiwhite。
*3−Cognis GmbHから入手可能なEmulgade PL 68/50。
*4−SEPPIC(France)から入手可能なSepigel 305。
*5−Dow Corning,Inc.(Midland,MI)から入手可能なD
ow Corning DC1503。
【0048】
本発明の組成物は、一般に、局所塗布組成物を製造する技術分野において既知であるよ
うな従来の方法によって調製される。このような方法は、通常、加熱、冷却、真空の適用
などを用いて又は用いずに、成分を1つ以上の工程で混合して比較的均一な状態にするも
のである。一般に、乳濁液は、最初に水相物質を脂肪相物質とは別個に混合し、その後2
相を適宜組み合わせて、所望の連続層を得ることにより調製される。組成物は、好ましく
は、安定性(物理的安定性、化学的安定性、光安定性)、及び/又は活性物質の送達を最
適化するように調製される。この最適化には、適切なpH(例えば7未満)、活性剤と錯
体になり、ひいては安定性又は分配にマイナスの影響を与え得る物質の排除(例えば汚染
鉄の排除)、錯体形成を防止する手法(例えば適切な分散剤又は二重区画包装)の使用、
適切な光安定性の手法(例えば日焼け止め剤/日焼け防止剤の組み込み、不透明包装の使
用)の使用などが含まれてもよい。
【0049】
III.処置方法
処置、塗布、調節又は改善の様々な方法として、前述した組成物を使用することができ
る。一実施形態では、本方法は、組成物により改善するために顔の肌理を識別する工程を
含む。顔の肌理は、使用者、又は例えば皮膚科医、美容師、若しくは他の介護者等の第三
者により識別されてもよい識別は、外観に基づいて、処置を必要とする顔の肌理がないか
皮膚を目視検査することにより行われてもよい。識別はまた、VISIA(登録商標)C
omplexion Analysisシステム(Canfield Scientif
ic,Inc.(Fairfield,NJ)から入手可能)等の市販の撮像装置により
行われてもよい。装置は、皮膚の画像を収集し、顔の肌理を識別することが可能である。
場合によっては、本方法は、組成物により処置するために複数の顔の肌理領域を識別する
工程を含む。顔の肌理の識別は、額、口周囲、頤、眼窩周囲、鼻、及び/又は頬の皮膚表
面を含む顔の任意の皮膚表面上で行われてもよい。
【0050】
本方法は、既に識別された可能性がある顔の肌理に組成物を塗布する工程を含んでもよ
い。組成物を顔の肌理に塗布する多数の処置計画が存在する。組成物は、処置期間中、少
なくとも1日1回、1日2回、又は1日により頻繁に塗布されてもよい。1日2回塗布さ
れる場合、第1及び第2の塗布は、少なくとも1〜12時間の間隔を空ける。一般に、組
成物は、朝及び/又は就寝前の夜に塗布され得る。
【0051】
処置期間は、顔の肌理の外観を改善をもたらすのに十分な時間が理想的である。処置期
間は、少なくとも約1週間であり得る。処置期間は、少なくとも約4週間又は約8週間の
間継続する場合がある。所定の実施形態では、処置期間は、数ヶ月(即ち3〜12ヶ月)
又は数年間にわたり延長するであろう。一実施形態において、組成物は少なくとも約4週
間又は少なくとも約8週間の間の処置期間中、少なくとも1日1回顔の肌理に塗布される
。一実施形態において、組成物は少なくとも約4週間又は少なくとも約8週間の間の処置
期間中、1日2回顔の肌理に塗布される。
【0052】
組成物を顔の肌理に塗布する工程は、局部的塗布により行われてもよい。組成物の塗布
に関連して、用語「局部的な」、「局部」又は「局部的に」は、組成物が標的範囲(顔の
肌理の領域等)に送達される一方、処置を必要としない皮膚表面への送達を最小限にする
ことを意味する。組成物は顔の肌理に塗布され、軽くマッサージされてもよい。局部的塗
布によって適度の量の組成物が顔の肌理に隣接した範囲に塗布される(即ち、組成物が、
幾分拡がることなく顔の肌理の境界線内に塗布される、又は境界線内に留まるとは考えに
くい)ことが理解される。組成物又は皮膚科学的に許容可能なキャリアの形態は、局部的
塗布を容易にするように選択されるべきである。本発明の特定の実施形態は、組成物を顔
の肌理に局部的に塗布することを意図するが、本発明の組成物は、顔の1つ以上の皮膚領
域内の顔の肌理の外観を低減するためにそれらの顔の皮膚表面により全般的に、つまり広
く塗布され得ることがを認識されるであろう。
【0053】
いくつかの実施形態では、組成物は局部的及び全般的な塗布に適した様々なアプリケー
ターにより送達されてもよい。別の実施形態では、組成物は、1つ以上の顔の肌理の領域
に、及びより一般的には、1つ以上の顔の皮膚表面に同時に(即ち、30分未満の時間に
わたって、より典型的には5分未満の時間にわたって)塗布される。本明細書に記載する
いくつかの方法は、本発明の組成物をアプリケーターで塗布することを想定しているが、
アプリケーターは必要なく、本発明の組成物は人の指で直接、又は他の従来の様式で塗布
できることが認識されるであろう。
【0054】
皮膚表面、特に顔の皮膚表面に全般的に塗布するにおいて、組成物の投与量は、塗布当
たり(即ち、皮膚表面に対する1回の塗布当たり)約1〜約50uL/cm
2であっても
よい。
【0055】
顔の肌理の外観を改善する1つの好適な方法は、有効量のヘキシルデカノールを含有す
る組成物を皮膚表面上の顔の肌理に局所的に塗布する工程を含み、組成物は、ヘキシルデ
カノールが顔の肌理の外観を改善するのに十分な期間塗布される。顔の肌理の外観を改善
する別の好適な方法は、皮膚表面上の顔の肌理を識別する工程と、有効量のヘキシルデカ
ノールを含有する組成物を皮膚表面上の顔の肌理に塗布する工程と、を含み、組成物は、
ヘキシルデカノールが顔の肌理の外観を改善するのに十分な期間塗布される。
【0056】
VI.作用機序
上述のように角質層は、しっかりと調節された表皮透過性バリアで、化学的侵襲及び生
物学的侵襲に対して物理的かつ選択的なバリアとして機能するとともに、身体の水分が外
部環境に失われるのを防ぐ透過性バリアとして作用する。角質層の細胞は、バリア間の水
、イオン、及びタンパク質の移動を調節することでこれらのバリアをコントロールする。
顔の皮膚の健康及び得られる美容的外観は、皮膚のバリア機能及び透過性と緊密に関係し
ている。
【0057】
本発明者らは、ヒアルロン酸(「HA」)の産生を刺激することで顔の肌理の外観を改
善できることを発見した。HAは皮膚の水分量に影響するとして知られており、水中で自
体の重量の1000倍まで結合する水分を吸い取るものとして作用するが、細胞外及び細
胞内のHAサイクルを構成する酵素の工程はまだ完全に理解されていない。HAの産生は
、良好な湿潤レベルを維持することによって皮膚表面を「引き締める」ことに役立ち得る
。したがって、本発明者らは、HAの産生を調節する物質の有効量を塗布することで、顔
の肌理の外観も改善できることも発見した。いくらかの実施形態では、ヘキシルデカノー
ルはHAの産生を調節する物質として使用される。
【0058】
いくつかの実施形態によって、顔の皮膚の肌理の外観を改善させる方法は、ヒアルロン
酸(HA)の産生を調節する物質の有効量を含有する組成物を顔の皮膚の領域に局所的に
塗布する工程を含み、組成物は該物質が顔の肌理の外観を改善するのに十分な期間塗布さ
れる。
【0059】
他の実施形態では、顔の皮膚の肌理の外観を改善させる方法は、(a)顔の皮膚表面上
の肌理の領域を識別する工程、及び(b)ヒアルロン酸(HA)の産生を調節する物質の
有効量を含有する組成物を顔の皮膚表面上の肌理の領域に塗布する工程、を含み、組成物
は、該物質が顔の肌理の外観を改善するのに十分な期間塗布される。
【0060】
V.顔の肌理の生体内試験
330の被験者を使用して、ラウンドロビン、ビヒクル調整、スプリットフェース(sp
lit face)設計を用いて、1週間の標準化期間を含む9週間のインビボでの試験を行った
。
【0061】
処置計画−計画は、1週間のウォッシュアウト期間により開始した。毎朝、被験者は顔
面を好適な洗浄剤(例えば、Olay Natural Science Deep P
urify Cleanser、The Procter & Gamble Comp
any(Cincinnati,OH)から入手可能)で洗浄し、タオルで穏やかに乾燥
し、適切な顔面側に保湿剤原料(stock moisturizer)(例えば、3%グリセリン、パン
テノールなし、0.3% EDTA二ナトリウムを含有する表2に記載したビヒクル)を
塗布し、5分間待機した後、紫外線遮断ローション(例えば、Olay Complet
e All Day Moisturizing Lotion SPF 15、The
Procter & Gamble Company(Cincinnati,OH)
から入手可能)を塗布する。毎晩、被験者は顔面を好適な洗浄剤(例えば、Olay N
atural Science Deep Purify Cleanser、The
Procter & Gamble Company(Cincinnati,OH)か
ら入手可能)で洗浄し、タオルで穏やかに乾燥し、保湿剤原料を塗布する。
【0062】
各被験者は、顔の左又は右側のいずれかに、2つのコード化試験製剤の1日2回の塗布
を受ける。毎朝、被験者は顔を好適な洗浄剤(例えば、Olay Natural Sc
ience Deep Purify Cleanser、The Procter &
Gamble Company(Cincinnati,OH)から入手可能)で洗浄
し、タオルで穏やかに乾燥し、適切な顔面側に試験製剤を塗布し、5分間待機した後、紫
外線遮断ローション(例えば、Olay Complete All Day Mois
turizing Lotion SPF 15、The Procter & Gam
ble Company(Cincinnati,OH)から入手可能)を塗布する。毎
晩、被験者は顔面を好適な洗浄剤(例えば、Olay Natural Science
Deep Purify Cleanser、The Procter & Gamb
le Company(Cincinnati,OH)から入手可能)で洗浄し、タオル
で穏やかに乾燥し、適切な顔面側に試験製剤を塗布する。参加者は、顔の各側に、0.5
gの適切な試験製剤を塗布しなければならない。試験製剤は、指により穏やかな圧力を用
いて円形動作で塗布される必要がある。試験製剤は、ビヒクルコントロール、及びビヒク
ル+ヘキシルデカノール5%を含む。これらの試験製剤を表2に示す。
【0063】
【表2】
*A−Sigma−Aldrich(USA)又はCognis(Germany)か
ら入手可能なヘキシルデカノール。
*B−SEPPIC(France)から入手可能なSepigel 305。
*C−Dow Corning(Midland,MI)から入手可能なDow Co
rning 1503 Fluid。
*D−Cognis GmbH(Germany)から入手可能なEmulglade
PL 68/50。
*E−Momentive Performance Materials(Alba
ny,NY)から入手可能なTospearl 2000。
【0064】
顔面処置部位の画像は、ベースライン(第0週)、及び処置から4週後並びに8週後に
取り込み、顔の肌理の変化に関して分析する。画像収集前に、参加者の顔を、上記に引用
した洗浄剤で洗浄し、乾燥させる(およそ20分間)。参加者の顔の右側及び左側の画像
を収集する。ヘッドポジショニングを装着した標準照明ボックスに取り付けられた、顔の
画像化に好適なレンズ(例えば、60mm Nikorレンズ)装備のディジタルカメラ
(例えば、Fuji F2 Pro digital SLR)を使用して、画像を収集
する。カメラの前のGretagMacbethニュートラル8.0のグレー色板紙を使
って、カメラを毎日校正した。顔の左右のビューは標準化された。即ち、カメラのレンズ
から顔までの焦点距離が同じ、同じ倍率、カメラアングルが顔の表面に対して同じである
ように同じヘッドポジション、照明がまったく同じである。画像を好適なカメラ分解能に
て、RAWフォーマット等の好適なファイルフォーマットで保存する。照明は、フラッシ
ュ源(例えば、約5327℃(5600K)の色温度を備える1000Wのストロボ)で
提供される。カメラ及び照明に偏光フィルターが装備されて、鏡面反射を低減する。
【0065】
関心領域(ROI)、この場合は上頬部領域、を頬の周りの事前定義の12の顔の目印
、例えば、目の隅、鼻橋部、口の隅に基づいて手で印をつけた。表面の特徴ごとに自動的
に検出し、5mmより短く幅0.16mm未満の顔の特徴の合計数、長さ及び領域を定量
化し、ピクセルデータを実際の長さ及び領域データに変換するために使用した既知の倍率
を定量化する、Optimusソフトウェアプラットフォームに基づいた画像解析アルゴ
リズムを使用して、ROIの肌理を有する皮膚の度合いを客観的に定量化した。閾値は「
臨床的に重要な」顔の肌理に基づいた。即ち、「小じわ及びしわ」の項目に入る5mmよ
り長く0.16mmより幅広の線を除外する。
【0066】
ROIは形状及びサイズが異なるので、全体的な肌理を有する領域は、合計ROIサイ
ズに基準化され、肌理領域分画(TAF)が得られる。即ち、分画したROI領域は顔の
肌理で占められる。群統計的解析は、各被験者の顔の左右両側のTAF平均値を使用した
。Stata 8.1(Stata Corp(Lakeway Drive Coll
ege Station,Texas,USA))を統計的解析に使用した。多変量ロジ
スティック回帰分析で論理和の最尤推定量及び対応する95%信頼区間が得られた。画像
から収集したデータを使用して、存在する肌理のレベルを表す肌理領域分画を計算する。
肌理領域分画が小さいほどより滑らかな肌理を表す。
【0067】
ヘキシルデカノールは8週間の間で最良に働き、対照よりも優れて肌理領域分画を有意
に(p<=0.10)下げた。
図1はこれらの結果を要約する。この試験はBeijin
g,Chinaで行なわれた。
【0068】
VI.試験方法
以下の方法は、本発明の様々な実施形態の所定の特徴及び利点を説明するために提供さ
れ、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0069】
A.ヒアルロン酸(HA)シンターゼ発現
1.ケラチノサイト培養:
個々の実験(バッチと呼ばれる)は、6つのビヒクル対照試料、2つの陽性対照試料、
及び52つの個々の検査物質試料を含む60のAffymetrix GeneChip
s(登録商標)(「実例」と呼ばれる)から一般になる。検査物質の複製をバッチ全体で
行う。GeneChip(登録商標)分析に十分なRNA(2〜4ugの合計RNA収量
/ウェル)を提供するために、生体外試験を6ウェルプレートで行う。テロメル化したヒ
トケラチノサイトを、コラーゲンIコート済み細胞培養フラスコ及びプレート(Bect
on Dickinson)上に1Xヒトケラチノサイト増殖サプリメント(Invit
rogen)を加えたEpiLife(登録商標)培地で増殖させる。化学暴露前の24
時間、細胞を20,000細胞/cm2で6ウェルプレートに播種する。t=−24時間
でT−75フラスコから細胞をトリプシン処理し、基本増殖培地で6ウェルプレートに蒔
いた。t=0で培地を取り除き、実験計画法に従って適切な投与溶液と置換した。投与溶
液を、前日殺菌済み4mlのFalconスナップキャップチューブに調製した。6時間
の化学暴露後に、細胞を調べ画像化した。次に、細胞をβ−メルカプトエタノール(Qi
agen)入りの350ul/ウェルのRLT緩衝液で溶解し、96ウェルプレートに移
し、−20℃で保存した。
【0070】
2.転写スクリーニング−遺伝子チップで分析されたRNA
トータルRNA分離:細胞を〜350ulのRNEasy RLT緩衝液(QIAge
n(Hilden,Germany))とβ−メルカプトエタノール、並びに400ul
のAgencourt RNAClean常磁性ビーズ(Beckman Coulte
r Genomics(Danvers,MA))に懸濁した。Affymetrix(
Santa Clara,CA)GCAS装置の自動化に最適化されたRNEasyの手
順の修正を使用してRNAを精製した。
【0071】
GeneChip標的合成及びGeneChip処理:1ugの精製トータルRNAを
、Ambion(Austin,TX)製MessageAmp IIキット及び提供さ
れたプロトコルを使用して、cRNA GeneChip標的に変換した。20ugのc
RNA標的を断片化して、Affymetrix U133plus2.0アレイとハイ
ブリッド形成させた。Affymetrix Expression Analysis
プロトコルに従って、ハイブリッド形成、洗浄、及び走査を行った。標的合成及びGen
eChip処理のための完全なプロトコルは、Affymetrixのウェブサイトに見
出だすことができる(2010年11月15日現在www.affymetrix.co
m)。参照マニュアルは、P/N 702232 Revision 3著作権2005
〜2005である。
【0072】
GeneChip解析:GeneChip走査をAffymetrix MAS5アル
ゴリズムを使用して表形式データに変換するが、これもAffymetrixのウェブサ
イト(www.affymetrix.com)に記載されている。
【0073】
データの出所及び特徴に応じて、t−検定、双散布図(scatter biplots)、及び主成
分分析を含む様々な統計尺度を使用してデータの品質を判定した。
【0074】
データ分析:Affymetrixプローブセットをp−値によって順位序列をつけ、
p−値>0.1で変化を示すプローブは有意でないとみなされるので分析から除外する。
プローブセットはAffymetrixデータベースのバッチクエリで遺伝子アノテーシ
ョンデータと結合させる。得られるアノテーション付きの転写変化を目視検査することで
関心遺伝子を見つけ出す。顔の肌理用に、ヒアルロン酸シンターゼ2の転写物を選んだ。
【0075】
結果:上述の方法を一般に使用して、10マイクロモル濃度のヘキシルデカノールを投
与したケラチノサイト細胞培養を6つのAffymetrix GeneChipsのマ
イクロアレイ解析によって処理した。HAS−2遺伝子(ヒアルロン酸シンターゼ−2遺
伝子)に関連するプローブセットIDの転写発現レベルは、平均倍率変化1.336(p
−値=0.0366)であった。
【0076】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものとし
て理解されるべきでない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法はそれぞれ、記載
された値及びその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「
40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0077】
相互参照されるか又は関連する全ての特許又は特許出願を含む、本願に引用される全て
の文書を、特に除外又は限定することを明言しない限りにおいて、その全容にわたって本
願に援用するものである。いずれの文献の引用も、こうした文献が本願で開示又は特許請
求される全ての発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、あるいは、こ
うした文献が、単独で、又は他の全ての参照文献とのあらゆる組み合わせにおいて、こう
した発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。
更に、本文書において、ある用語の任意の意味又は定義の範囲が、援用文献中の同じ用語
の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中でその用語に与えられる意味又は定
義が優先するものとする。
【0078】
以上、本発明の特定の実施形態を例示、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱す
ることなく他の様々な変更及び改変を行いうる点は、当業者には明らかであろう。したが
って、本発明の範囲に含まれるそのような全ての変更及び改変を添付の特許請求の範囲に
おいて網羅するものとする。