(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6374376
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】容器キャリア
(51)【国際特許分類】
B65D 67/02 20060101AFI20180806BHJP
【FI】
B65D67/02 G
【請求項の数】20
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-510505(P2015-510505)
(86)(22)【出願日】2013年5月6日
(65)【公表番号】特表2015-515951(P2015-515951A)
(43)【公表日】2015年6月4日
(86)【国際出願番号】US2013039710
(87)【国際公開番号】WO2013166495
(87)【国際公開日】20131107
【審査請求日】2016年4月13日
(31)【優先権主張番号】61/642,853
(32)【優先日】2012年5月4日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/770,803
(32)【優先日】2013年2月19日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ イー.ワルド,ザ セカンド
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ジェイ.ルドウィック
(72)【発明者】
【氏名】レスリー エス.マルコ
【審査官】
宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−159263(JP,A)
【文献】
特開2007−238115(JP,A)
【文献】
実開平04−038969(JP,U)
【文献】
特開2003−146359(JP,A)
【文献】
特開平08−268423(JP,A)
【文献】
特開2000−153890(JP,A)
【文献】
特開2001−055265(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 67/00−79/02
B65D 81/18−81/30
B65D 81/38
B65D 25/20
G09F 1/00− 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の容器を担持するキャリアであって、
プラスチック材料の平面シートであって、縦列および横列をなして配置される複数の容器受容穴を有する平面シートと、
前記シートと一体成形されるパネルであって、前記シートの縁から外方に延設され、製品名、製品特性、商標、商品名および英数字のうちの少なくとも1つを形成するようにダイカットされるパネルとを備えるキャリア。
【請求項2】
長手方向のパネル長さは、長手方向のシート長さよりも短い請求項1に記載のキャリア。
【請求項3】
容器受容穴の縦列間に位置する一体型把手を更に備える請求項1に記載のキャリア。
【請求項4】
前記一体型把手は、前記パネルとして前記製品名、前記製品特性、前記商標、前記商品名および前記英数字のうちの対応する少なくとも1つを形成するようにダイカットされる請求項3に記載のキャリア。
【請求項5】
前記パネルと一体となった把手を更に備える請求項1に記載のキャリア。
【請求項6】
前記ダイカットは非対称形状を有する請求項1に記載のキャリア。
【請求項7】
少なくとも2枚のパネルであって、各パネルは前記複数の容器受容穴のうちの1つの容器受容穴に関連付けられる、少なくとも2枚のパネルを備える請求項1に記載のキャリア。
【請求項8】
2枚以上のダイカットされるパネルはそれぞれ、容器受容穴の2つ以上の横列のうちの1つの横列に関連付けられる請求項7に記載のキャリア。
【請求項9】
前記パネルは、前記容器の縁取りを形成するようにダイカットされる請求項1に記載のキャリア。
【請求項10】
前記パネルと前記縦列の容器受容穴との間に位置する把手を更に備える請求項1に記載のキャリア。
【請求項11】
複数の容器のパッケージであって、
プラスチック材料の平面シートであって、縦列および横列をなして配置される複数の容器受容穴を有する平面シートと、
前記複数の容器受容穴のうちの対応する容器受容穴内に配置される複数の容器と、
前記シートと一体成形されるパネルであって、前記シートの縁から外方に前記複数の容器のうちの1本または複数の容器にわたるように延設され、製品名、製品特性、商標、商品名および英数字のうちの少なくとも1つを形成するようにダイカットされるパネルとを備えるパッケージ。
【請求項12】
前記パネルは、購入前の前記パネルに広告掲示板スペースを依然として提供しつつ、該パネル内に、通されて把持される場合手で握る部分を提供する1または複数の弱化エリアを有する請求項11に記載のパッケージ。
【請求項13】
2枚以上のパネルが前記パッケージにわたって位置し、各パネルは、容器受容穴の前記横列のうちの1列と合致する請求項11に記載のパッケージ。
【請求項14】
把手を更に備える請求項11に記載のパッケージ。
【請求項15】
前記把手は、製品名、製品特性、商標、商品名および英数字のうちの少なくとも1つを形成するようにダイカットされる請求項14に記載のパッケージ。
【請求項16】
複数の容器を担持するキャリアであって、
プラスチック材料の平面シートであって、縦列および横列をなして配置される複数の容器受容穴を有する平面シートと、
前記シートと一体成形される把手であって、前記シートから延設され、製品名、製品特性、商標、商品名および英数字のうちの少なくとも1つを形成するようにダイカットされる把手とを備えるキャリア。
【請求項17】
前記把手は、前記容器受容穴の縦列間から延設される請求項16に記載のキャリア。
【請求項18】
前記縦列の容器受容穴の縁から延設されるパネルを更に備える請求項16に記載のキャリア。
【請求項19】
前記パネルは、前記把手のダイカットに対応するダイカットを有し、製品名、製品特性、商標、商品名および英数字のうちの少なくとも1つを形成する請求項18に記載のキャリア。
【請求項20】
前記パネルは、前記キャリアから個々の容器を解放するように剥離要素に沿って分離可能であり、前記剥離要素は、前記製品名、前記製品特性、前記商標、前記商品名および前記英数字の一体部分を形成する請求項18に記載のキャリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所望の本数の容器をユニット化する容器キャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
容器キャリアは、2本以上の容器を結束して、丈夫なユニット化パッケージ、すなわち、容器の「マルチパック」にする。キャリアは、通常は熱可塑性シート材料から形成される、概ね平面配列のリングであり、場合によって「6パックキャリア」と称される。キャリアは、様々なサイズおよび形状の容器に適用される。
【0003】
従来の容器キャリアは多くの場合、缶、ボトル、広口瓶および箱等の、複数の同様サイズの容器をユニット化するのに用いられるが、他のパッケージまたは容器をユニット化することができる。プラスチックリングキャリアおよびボックスキャリアが、そのような従来の容器キャリアのうちの2つである。
【0004】
プラスチックリングキャリアは、少ない材料を用いて容器のユニット化パッケージをつくり出す。しかしながら、単独で用いられた場合は、広告または販売促進上の印刷のスペースがほとんどないかまたは全くない。逆に、ボックスキャリアは一般的に、販売促進上の図画のための比較的大きなエリアを有している。不都合なことに、ボックスキャリアは、比較的大量の材料を必要とし、直立位置に維持されなければボトルが抜け落ちてしまい、通常、実際の容器の多くの部分を覆っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、リングキャリアの安定性および経済性とボックスキャリアの販売促進上の特性とを取り入れたパッケージの必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数の容器をユニット化するキャリアであって、パッケージに関する追加情報を呈する形状にされる一体型パネルおよび/または一体型把手とともに構成された複数の容器受容穴を有する、キャリアに関する。
【0007】
本発明による容器キャリアは、缶またはボトル等の複数の容器を担持する。キャリアは、複数の容器受容穴を有して成形される、好ましくはプラスチックの平面シートを備える。容器受容穴は、縦列および横列をなして形成される。
【0008】
パネルは、シートのパネル縁から外方に延設するようにシートと一体成形されることが好ましい。パネルは、製品名、製品特性、販売促進上の形状、商標、商品名、英数字、記号、および/または、製品に注意を引かせることを意図した凝ったデザインのうちの少なくとも1つを呈する形状にされることが好ましい。
【0009】
代替的にまたは付加的に、別個の把手を、製品名、製品特性、販売促進上の形状、商標、商品名、英数字、記号、および/または、製品に注意を引かせることを意図した凝ったデザインのうちの少なくとも1つを呈するように同様に構成することができる。
【0010】
さらにまた、把手はパネルと一体成形することができ、かつ、製品名、製品特性、販売促進上の形状、商標、商品名、英数字、記号、および/または、製品に注意を引かせることを意図した凝ったデザインのうちの少なくとも1つを呈するように同様に構成することができる。
【0011】
容器が各容器受容穴内に配置されて、パネルおよび/または把手を有するパッケージがつくられ、パネルおよび/把手は、パッケージに対して目立っており、消費者には、その定形化したフォームが、意図した製品イメージを投影しているように見える。パネルおよび/または把手のそのような構成により、広告、情報、図画および他のマーケティング情報のための目立った表示エリアすなわち「広告掲示板」を有する、容器のパッケージが得られる。
【0012】
本発明の上述の特徴および目的並びに本発明の他の特徴および目的は、図面と併せて以下の詳細な説明からよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の1つの好ましい実施形態による可撓性キャリアの上面図である。
【
図2】本発明の1つの好ましい実施形態による可撓性キャリアの上面図である。
【
図3】本発明の1つの好ましい実施形態によるパッケージの正面図である。
【
図4】本発明の1つの好ましい実施形態によるパッケージの正面図である。
【
図5】本発明の1つの好ましい実施形態によるパッケージの正面図である。
【
図6】本発明の1つの好ましい実施形態によるパッケージの正面斜視図である。
【
図7】
図6に示すパッケージに用いる可撓性キャリアの上面図である。
【
図8】本発明の1つの好ましい実施形態によるパッケージの正面斜視図である。
【
図9】
図8に示すパッケージに用いる可撓性キャリアの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1〜
図9は、本発明の種々の好ましい実施形態によるキャリア10およびパッケージ80を示す。
図3〜
図5および
図6、8に示す容器20は、ボトルであることが好ましい。ボトルが
図3〜
図5および
図6、8に示すが、缶または任意の他の一般的にユニット化される容器20を本発明によるキャリア10とともに用いることができる。容器20は、パッケージ80を形成するように単一のキャリア10内に収まる類似サイズであることが好ましい。
【0015】
キャリア10は、複数の容器20をユニット化して、
図3〜
図5に示すパッケージ80のようなパッケージ80をつくり出す。キャリア10は、プラスチック等の可撓性の弾性材料から構成されることが好ましい平面シート15を備える。本発明の1つの好ましい実施形態では、シート15は低密度ポリエチレンから作製される。
【0016】
材料シート15は、打抜きダイ等の、当業者に既知の手段を用いて、シート15内に複数の容器受容穴25を形成するように切り抜かれることが好ましい。シート15内に縦列および横列をなして6つ以上の容器受容穴25が形成されることが好ましい。容器受容穴25は、横列に3つ並んだ縦2列または横列に4つ並んだ縦2列をなして構成されることが好ましい。シート15は、所望されるパッケージ80のサイズに応じて他の構成の容器受容穴25を有することができる。
【0017】
本発明の1つの好ましい実施形態では、パネル50がシート15と一体成形される。パネル50は、シート15の全長よりも短い長手方向パネル全長を有することが好ましい。パネル50は、片面または両面に、購買ラベルのUPC(統一商品コード)およびプルーフ、図画、並びに、販売促進上の情報、および/またはパッケージ80の内容物および/または成分に関連した他の情報を載せていることが好ましい。
【0018】
パネル50は、シート15の長手方向縁から外方に延設することが好ましい。
図1〜
図5に示すように、パネル50は、各容器受容穴25の一部に沿って少なくとも部分的に成形される。
【0019】
パネル50は、パネル50がシート15の長手方向縁から外方に延設するようにシート15と一体成形されることが好ましい。パネル50は、製品名、製品特性、販売促進上の形状、商標、商品名、英数字、記号、および/または、製品に注意を引かせることを意図した凝ったデザインのうちの少なくとも1つを呈する形状にされることが好ましい。
【0020】
図3、4に示す本発明の好ましい一実施形態では、キャリア10は、容器受容穴25の列と列との間にまたはシート15の対向する長手方向縁に沿って位置する一体型把手60を更に備える。把手60は、多くの容器受容穴25を含むキャリア10の構成において、パッケージ80を取り扱いやすくするのに特に重要である。
【0021】
代替的にまたは付加的に、把手60は、製品名、製品特性、販売促進上の形状、商標、商品名、英数字、記号、および/または、製品に注意を引かせることを意図した凝ったデザインのうちの少なくとも1つを呈するように同様に構成することができる。把手60およびパネル50は双方とも、製品名、製品特性、販売促進上の形状、商標、商品名、英数字、記号および/または凝ったデザインを含む、同一または相補的な対応するダイカットを有することができる。
【0022】
さらにまた、把手60は、パネル50と一体成形することができ、かつ、製品名、製品特性、販売促進上の形状、商標、商品名、英数字、記号、および/または、製品に注意を引かせることを意図した凝ったデザインのうちの少なくとも1つを呈するように同様に構成することができる。
【0023】
図3〜
図5に示すように、容器20が各容器受容穴25内に配置されて、パッケージ80がつくられることが好ましい。パネル50は、概ね平坦であるとともに容器20に対して平行であり、パッケージ80に対して目立っていることが好ましい。パネル50が巻かれているかまたはパッケージ80に対して垂直位置に折り曲げられている場合、パネル上にある広告または他の重要事項を消費者が読みにくくなる。さらに、パッケージ80に対して突出しているパネル50は、隣接し合うパッケージ80のパネル50同士の干渉、および、パネル50と包装機器との干渉により、パッケージ80をパッケージングし、取り扱い、かつ積み重ねる際に、困難が生じる。
【0024】
図6、7に示す本発明の1つの好ましい実施形態によれば、パネル50は、装飾構成をなして同様に成形されるが、パネルを把持するカットアウトまたは同様のエリアは設けられない。代わりに、スリットおよび/またはミシン目等の1つまたは一連の弱化エリア85がパネル50に対して形成されており、これにより、売り場でユーザーが手をパネル50に通して把手を「つくり出す」ことが可能になる。このように、購入されるまでパネル50における広告掲示板スペースは最大限となる。1または複数のスリットおよび/またはミシン目はパネル50内の図画および/または装飾構成に直接突設することができ、したがって、消費者が購入を決めた後でしか開けられないように最良な位置にある。
【0025】
図8、9に示す本発明の1つの好ましい実施形態によれば、パネル50は、キャリア10とパッケージ80における一群の容器20とに対して、装飾部材がミシン目または引裂きストリップ等の剥離要素90の一部を形成するように成形されており、そのため、ユーザーは、パネル50と少なくとも1列の容器20との境界面に概ね沿ってパッケージ80から容器20を取り外すことができる。例えば、
図8、9に示すように、トカゲの尾を剥離要素90に沿って引いてパッケージ80から個々の容器20を取り外すことができる。このように、剥離要素90は、製品名、製品特性、販売促進上の形状、商標、商品名、英数字、記号、および、パネル50の凝ったデザインのうちの少なくとも1つの一体部分を形成することが好ましい。
【0026】
上述の明細書において、本発明をその或る特定の好ましい実施形態に関して説明し、多くの詳細を例示目的から記載してきたが、本発明は、更なる実施形態が可能であること、および、本明細書に記載されている詳細のうちの特定の幾つかは、本発明の基本原理から逸脱することなく著しく変えることができることが当業者には明らかであろう。
【符号の説明】
【0027】
10 キャリア
15 平面シート
20 容器
25 容器受容穴
50 パネル
60 把手
80 パッケージ
85 弱化エリア
90 剥離要素