特許第6374386号(P6374386)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6374386タッチリンクオプションを具備するネットワーク探索
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6374386
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】タッチリンクオプションを具備するネットワーク探索
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/16 20090101AFI20180806BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20180806BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20180806BHJP
【FI】
   H04W48/16 110
   H04W84/10 110
   H04W84/18
【請求項の数】12
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-527992(P2015-527992)
(86)(22)【出願日】2013年8月15日
(65)【公表番号】特表2015-530039(P2015-530039A)
(43)【公表日】2015年10月8日
(86)【国際出願番号】IB2013056663
(87)【国際公開番号】WO2014030103
(87)【国際公開日】20140227
【審査請求日】2016年8月9日
(31)【優先権主張番号】61/691,852
(32)【優先日】2012年8月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ファン レーウェン フランシスクス ウィルヘルムス アドリアヌス アルフォンスス
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/069956(WO,A1)
【文献】 特表2009−545924(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/078948(WO,A2)
【文献】 国際公開第2012/080881(WO,A1)
【文献】 特表2011−520359(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッシュネットワークのネットワーク探索を制御するための装置であって、前記装置は、複数の異なるチャネルの各々において当該装置からビーコン要求コマンドを送信し、前記複数の異なるチャネルの各々における第1の期間においてビーコン応答を待つため前記複数の異なるチャネルにおけるネットワーク探索のためのサーチスキャンを開始するように構成され、前記装置は、前記サーチスキャンの間、前記装置が、他の装置による装置探索のためのスキャン要求コマンドの受信を可能にするため、第2の期間において、所定のチャネル上をリッスンするリッスンモードへの少なくとも1つの間欠動作スイッチングを開始するように構成される、装置。
【請求項2】
前記装置は、セカンダリチャネルセットが次にあるプライマリチャネルセットにおいて前記サーチスキャンを開始する、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記装置は、メディアアクセス制御接続を得るために前記ネットワーク探索を実行する、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記装置は、前記所定のチャネル上の前記他の装置による一連のスキャン要求コマンドのシーケンスのブロードキャストの少なくとも1つを受信するために選択された第3の期間の後、前記リッスンモードへの間欠動作スイッチングを繰り返す、請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記第3の期間は、前記シーケンスの期間と前記第2の所定期間との合計に実質的に対応する、請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記装置は、前記サーチスキャンを同時に実行している間、前記リッスンモードをアクティブにできるように構成される、請求項1記載の装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の装置を有する、無線装置。
【請求項8】
前記装置は、ZigBee Light Linkシステムの装置である請求項7記載の無線装置。
【請求項9】
前記他の装置は、タッチリンクイニシエータ装置であり、前記無線装置は、タッチリンクターゲット装置である、請求項8記載の無線装置。
【請求項10】
請求項7、8又は9記載の無線装置を少なくとも1つ有する、無線メッシュネットワーク。
【請求項11】
メッシュネットワークのネットワーク探索を制御するための方法であって、前記方法は、
複数の異なるチャネルの各々において装置からビーコン要求コマンドを送信し、前記複数の異なるチャネルの各々における第1の期間においてビーコン応答を待つために、前記複数の異なるチャネルにおけるネットワーク探索のためのサーチスキャンを実行し
前記サーチスキャンの間、前記装置が、他の装置による装置探索のためのスキャン要求コマンドの受信を可能にするため、第2の期間において、所定のチャネル上をリッスンするリッスンモードへの少なくとも1つの間欠動作スイッチングを開始する、方法。
【請求項12】
コンピュータ装置上で実行された場合に、請求項11記載の方法の各ステップを生成するコード手段を有するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、これに限定されないが、インテリジェント照明ソリューションのためのZigBee Light Link (ZLL)などのメッシュネットワークのネットワーク探索を実行するための装置、方法、及び、コンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
メッシュネットワーク(トポロジ)は、各(ネットワーク)ノードが、各自のデータを取得、拡散しなければならないだけでなく、他のノードのリレーとして機能しなければならない、つまり、ネットワークにおいてデータを伝搬させるために協力しなければならないタイプのネットワークである。
【0003】
図1は、複数のノード10を有する例示的なメッシュネットワーク構造を示している。メッシュネットワークは、フラッディング技術又はルーティング技術を用いて設計され得る。ルーティング技術を用いた場合、メッセージは、宛先に到達するまで、ノードからノードへ移動することにより、パスに沿って伝搬する。全てのパスが利用可能であることを保証するために、ルーティングネットワークは、自己治癒アルゴリズムを用いて、壊れた又は遮断されたパスの周囲で、連続的な接続及び再構成を可能としなければならない。
【0004】
ZigBee(登録商標)は、コーディネータと呼ばれるネットワーク装置に大きく頼るメッシュネットワークである。かかるコーディネータは、常に利用可能であり、従って、常に給電されているものと想定されている。消費者市場における家庭向け照明システムでは、このことは、大きな制約である。このため、コーディネータを持つ必要なく、ZigBeeネットワーク機能(特にルーティング機能)から恩恵を受けるために、他の方法が発見された。上記他の方法及び他のネットワーク動作は、インターPAN(Personal Area Network)メッセージに大きく頼っている。インターPANメッセージは、同一チャネル上にある装置間で転送されることができる。当該メッセージ中の特別フラグは、ZigBeeネットワーク層をバイパスすることを示しており、このため、2つの通信装置は、同一のZigBeeネットワークの一部である必要がない。
【0005】
ZigBee仕様書([ZigBee] 053474r19、2012年10月)は、3.6.1.2項において、装置が、どのようにして、メディアアクセス制御(MAC)接続を通じてネットワークに参加すべきかについて記述している。かかるMAC接続を行なう前に、装置は、上記ZigBee仕様書の3.6.1.3項において説明されるように、ネットワーク探索を実行すべきである。典型的には、まだネットワークに参加していない装置は、自局が参加することができる「オープンな」ネットワークを探す。
【0006】
図2は、PANにおける接続を得るための従来のZigBeeネットワーク探索手続きの概略的なフロー図を示している。
【0007】
ネットワーク探索のための手続きが開始(S)された後、ステップS210において、第1のチャネルが決定され、ステップS220において、スキャニングシステムが、決定されたチャネルに切り替えられる。次いで、ステップS230において、ビーコン要求コマンドを送信し、ビーコン応答のための時間を待つことによって、PANとの接続のための単一チャネルのネットワーク探索が実行される。ステップS240において、現在のチャネルがスキャンされるべき最後のチャネルかどうかをチェックする。現在のチャネルがスキャンされるべき最後のチャネルでない場合、上記手続きは、ステップS250へ進み、次のチャネルが決定される。次に、手続きは、ステップS220へ続き、新たな単一チャネルのネットワーク探索が開始される。ステップS240において、現在のチャネルがスキャンされるべき最後のチャネルであると決定された場合、ネットワーク探索手続きは終了(E)する。この全体の手続きは、一度実行されてもよいし、場合によっては無期限に繰り返されてもよい。
【0008】
ZLLプロファイルは、市販の消費者向け照明アプリケーション分野における装置及び機能に対処している。ZLLプロファイルは、ZigBee-Proに基づいており、ZigBeeクラスタライブラリで定められたクラスタを利用している。ZLL仕様書は、タッチリンクコミッショニングと呼ばれる、追加的な、ネットワークへの参加方法について記述している。典型的には、ユーザは、ZLL照明装置又はアプリケーションを「タッチリンク」するために、ZLLリモートコントロールを使用してもよい。これは、ZLL装置又はアプリケーションに対して、新たなネットワークを開始するか、又は、ZLLリモートコントロールの既存のネットワークに参加するように、指示している。
【0009】
このため、タッチリンクコミッショニングメカニズムは、装置同士を接続する際、消費者に対して、簡単且つ感覚的な経験を付与する。タッチリンクは、受信した信号強度に基づいて、近隣の装置を発見する方法である。タッチリンク動作は、ユーザにとって、理解が簡単であり、コミッショニングを機能させるために必要な装置上のボタンを取り替えることができる。タッチリンク動作は、装置探索と、ネットワーク設定の転送との2つの部分に分けられる。
【0010】
図3は、上記ZLL仕様書の8.4.1.1項に従ったタッチリンクイニシエータ手続きに基づく装置探索手続きの概略的なフロー及びシグナリング図を示している。
【0011】
図3の図では、「t」で付される矢印に示されるように、時間が上から下に進む。タッチリンクターゲット装置(TT)は、固定チャネル(例えば、チャネル20(CH20))に留まり、スキャン要求コマンドをリッスンする(ステップS310)。タッチリンクイニシエータ装置(TI)は、まず、チャネル11(CH11)に切り替え、(タッチリンクターゲット装置(TT)からのインターPANスキャン応答コマンドフレームを受信できるように、)0.25sの持続間隔(aplcScanTimeBaseDuration)で5つの連続したインターPANスキャン要求コマンドフレーム(SR)をブロードキャストし、次いで、0.25sの持続間隔(aplcScanTimeBaseDuration)で他のZLLプライマリチャネル15,20,25(CH15、CH20、CH25)の各々において単一のブロードキャストを行なう。従って、タッチリンクターゲット装置(TT)は、同一のチャネル20(CH20)上で発行されたスキャン要求コマンドを検出又は認識し、ステップS320において、スキャン要求コマンドを処理する。より具体的には、タッチリンクターゲット装置は、タッチリンクイニシエータ装置が受信する、インターPANスキャン応答コマンドを送信することによって、スキャン要求コマンドに応答する。ここで、タッチリンクイニシエータ装置は、タッチリンク手続きにおける次のステップのため、タッチリンクターゲット装置を選択するために十分な情報を持っている。ステップS320における処理は、タッチリンクイニシエータ装置が次のチャネル(この例では、CH25)に切り替わる前に完了すべきである。
【0012】
ZigBeeネットワークにまだ参加していない、ZLL仕様書に従って実装された装置は、一般的に、(MAC接続を通じて)参加するためのネットワークを探すが、同時に、ユーザは、リモートコントロール装置などを用いて、上記タッチリンクイニシエータ手続きにより、装置を探索しようとしてもよい。従って、この場合、上記装置は、ZLLタッチリンクターゲット装置としても機能する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、PAN接続のためのこれらのネットワーク探索、及び、タッチリンク手続きのための装置探索は、互いに干渉し、一方又は両方の失敗を発生させる。一般的に、このことは、(ユーザが開始した動作である)タッチリンク手続きを失敗させ、ユーザをいらいらさせ、製品品質の低評価につながる。
【0014】
上記干渉の理由は、MAC接続のためのネットワーク探索手続きが、ZLL装置に対して、無線周波数チャネルのセットに亘るスキャンを要求するのに対し、ZLLタッチリンクターゲット装置に対しては、ZLL装置が、通常、固定チャネルにおいて留まるよう要求されるためである。
【0015】
図4は、タッチリンクイニシエータ装置(TI)による図3と同様の装置探索手続き、及び、ある装置(NDD)による共通のネットワーク探索手続きの概略的なシグナリング図に基づいて、上記干渉を示している。
【0016】
図4から分かるように、(上記ZLL仕様書に従ってチャネルを連続的に切り替え、各ビーコン要求コマンド(BR)をブロードキャストする)タッチリンクターゲット装置は、正しい瞬間において、スキャン要求コマンド(SR)を送信するためにタッチリンクイニシエータ装置が使用しているチャネルにいないので、タッチリンクターゲット装置(一般的には、ZLL照明装置)を発見しようとするタッチリンクイニシエータ装置(一般的には、ZLLリモートコントロール装置)は、タッチリンクターゲット装置を発見できない。チャネルは、任意の順序でスキャンされることができるが、ZLLプロファイル仕様書バージョン1.0([ZLL] 11-0037-09、2012年3月26日)は、上記ZLL仕様書の8.5.1項及び8.1.2項において記述されるように、まず、プライマリチャネルセット(チャネル11,15,20及び25)がスキャンされなければならず、次いで、セカンダリチャネルセット(チャネル12,13,14,16,17,18,19,21,22,23,24及び26)がスキャンされなければならないと述べている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の目的は、リモートコントロール又はタッチリンクを介して、同一の装置の共存する探索を可能にする装置のための改善されたネットワーク探索スキームを提供することである。
【0018】
上記目的は、請求項1に記載の装置、請求項7記載の無線装置、請求項11記載の方法、請求項12記載のコンピュータプログラム製品によって達成される。
【0019】
従って、提案されるネットワーク探索スキームは他の装置による装置探索のためのスキャン要求コマンドの受信を可能とするために、ネットワーク探索プロセスを行なっている装置が、所定の期間において、所定のチャネルをリッスンする、リッスンモードへの少なくとも1つの間欠動作スイッチング開始することによって改善される。このため、PAN接続のためのネットワーク探索とリモートコントロール又はタッチリンクのための装置探索との間における上記干渉が回避されることができ、結果、ランプ又は他の装置がオープンネットワークを動的に探索している場合、リモートコントロール又はタッチリンク手続きの信頼性が改善される。
【0020】
第1の態様によれば、上記装置は、プライマリチャネルセット、セカンダリチャネルセットと続く、プライマリチャネルセットにおいて、連続的な探索を開始するように構成されてもよい。リッスンモードへの間欠動作スイッチングが保証されるという事実のため、ネットワーク探索スキャンが、プライマリ及びセカンダリチャネルにおいて、他の装置による装置探索手続きに伴う干渉リスクを増加させずに、改善されることができる。
【0021】
上記第1の態様と組み合わせられてもよい第2の態様によれば、上記装置は、MAC接続を取得するためのネットワーク探索を実行するように構成されてもよい。MAC接続は、従って、他の装置による装置探索を妨害することなく、又は、他の装置による装置探索に干渉することなく、ネットワーク探索を通じて取得されることができる。
【0022】
第1及び第2の態様のいずれか一方と組み合わせられてもよい第3の態様によれば、上記装置は、所定のチャネル上で他の装置によってブロードキャストされる連続するスキャン要求コマンドの少なくとも1つを受信できるように選択される第3の期間の後に、リッスンモードへの間欠動作スイッチングを繰り返すように構成されてもよい。上記第3の期間は、連続したスキャン要求コマンドの1つが受信されることが保証され得るように、設定されることができる。上記第3の期間は、実質的に、上記シーケンスの期間と第2の所定の期間との合計に対応していてもよい。
【0023】
第1乃至第3の態様のいずれかと組み合わせられてもよい第4の態様によれば、上記装置は、サーチスキャンを同時に実行する間、リッスンモードを維持するように構成されてもよい。これにより、全体の処理が、タッチリンクのための装置探索とPAN接続のためのネットワーク探索とを並行して実行することによって、合理化され得る。
【0024】
第1乃至第4の態様のいずれかと組み合わせられてもよい第5の態様によれば、上記装置は、タッチリンクターゲット装置であり得る、ZLLシステムの照明装置又は他のZLL装置などの無線装置において供給されてもよい。リモートコントロールは、タッチリンクイニシエータ装置として機能し得る他の無線装置であってもよい。
【0025】
上記装置は、個別のハードウェアコンポーネントを有する個別のハードウェア回路、集積回路、チップモジュールの配置、又は、信号処理装置、あるいは、メモリに格納され、コンピュータ読み取り可能な媒体上に記録され、又は、インターネットなどのネットワークからダウンロードされる、ソフトウェアルーチン又はプログラムによって制御されるチップとして、実装されてもよいことに留意すべきである。
【0026】
更なる好適な実施形態が、以下に定められる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明は、添付の図面を参照する実施形態に基づき、例示的に、説明される。
図1図1は、無線メッシュネットワークの概略的なアーキテクチャを示している。
図2図2は、従来のZigBeeネットワーク探索手続きのフロー図を示している。
図3図3は、タッチリンクイニシエータ手続きに基づいた装置探索手続きの概略的なフロー図及びシグナリング図を示している。
図4図4は、MAC接続のためのネットワーク探索が、どのようにして、タッチリンク手続きと干渉するのかを示している。
図5図5は、第1の実施形態に従った改善されたネットワーク探索手続きの概略的なシグナリング図を示している。
図6図6は、第2の実施形態に従った改善されたネットワーク探索手続きのフロー図を示している。
図7図7は、第2の実施形態に従った改善されたネットワーク探索手続きの概略的なフロー図及びシグナリング図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の様々な実施形態が、MAC接続のためのネットワーク探索及びタッチリンクコミッショニングを具備するZLLシステムに基づいて、説明される。
【0029】
上記実施形態によれば、装置は、無線メッシュネットワークにおけるMAC接続のためのネットワーク探索を実行することが可能であると同時に、ZLLタッチリンクイニシエータ装置に応答することが可能である。ZLLタッチリンク実装において、このことは、オープンネットワークを探しているZLL装置が、ZLLリモートコントロール機能(即ち、タッチリンク)を用いることによって、タッチリンクされることができることを意味する。
【0030】
このことは、装置探索プロセスの修正された実装を用いることによって、達成される。この修正された実装は、リモート装置の装置探索プロセスの間に発行された全てのスキャン要求コマンドの少なくとも1つを受信すれば十分であるという仮定に基づいている。上記ZLL仕様書の8.4.1.2項に従ったタッチリンク実装のために、タッチリンクイニシエータ装置がブロードキャストした8個のスキャン要求インターPANコマンドの1つを受信すれば十分である。タッチリンクイニシエータ装置が、チャネル11上で、250ms間隔で5回、スキャン要求コマンドを送信するため、ターゲット装置は、自局の無線周波数(RF:radio frequency)受信器を、少なくとも250msの期間、チャネル11に切り替えることで十分である。従って、ネットワーク探索手続きの間、上記装置は、一時的に、潜在的なスキャン要求コマンドをリッスンするためのリッスンモードに切り替わる。
【0031】
図5は、第1の実施形態に従ったネットワーク探索手続きの概略的なフロー図及びシグナリング図を示しており、ここで、タッチリンクイニシエータ装置(TI、図5の左部分)は、チャネル11(CH11)に切り替わり、250msの時間間隔で、5個のスキャン要求コマンド(SR)を発行又はブロードキャストする。従って、上記スキャン要求コマンドのシーケンスの総期間は、1000msに達する。このため、タッチリンクターゲット装置(TT、図5の右部分)は、タッチリンクイニシエータ装置の最初のスキャン要求コマンドより前の250ms以内で最も早い可能なリッスンモード(E)を開始し、タッチリンクイニシエータ装置のチャネル11における最後のスキャン要求コマンドよりも遅くない最後の可能なリッスンモード(L)を開始する。提案される一時的なスイッチングは、従って、これらのスキャン要求コマンドの少なくとも1つを受信するために、1250ms(又は、これより早く)毎に繰り返される間欠動作スイッチングとして構成されてもよい。
【0032】
従って、タッチリンクターゲット装置が上記ZigBee仕様書の3.6.1.3項に従ったネットワーク探索を行なっている間、タッチリンクターゲット装置は、チャネル11においてブロードキャストされる5つのスキャン要求コマンドの少なくとも1つを受信することを保証するのに十分な頻度及び長さで、チャネル11に戻すように切り替え、結果、MAC接続手続きのためのネットワーク探索は、タッチリンクイニシエータ装置がタッチリンクターゲット装置を探索することを許容しながらも、実行されることができる。
【0033】
図6は、第2の実施形態に従った、より詳細なネットワーク探索手続きの概略的なフロー図を示している。
【0034】
PAN接続のためのネットワーク探索が開始(S)された後、ステップS610において、第1のチャネルが選択され、ステップS620において、関連するネットワーク装置のRF受信器が選択されたチャネルに切り替えられる。次いで、ステップS630において、ビーコン要求コマンドを送信し、ビーコン応答のために第1の所定期間待機することによって、単一チャネルネットワーク探索手続きが実行される。その後、ステップS640において、上記RF受信器は、任意のスキャン要求コマンドのための間欠リッスンモードに入るために、所定の固定チャネル(例えば、チャネル11)に切り替えられる。当該モードは、ステップS650の間、第2の所定期間(例えば、250ms)維持される。そして、ステップS660において、任意のスキャン要求コマンドを受信したかどうかをチェックする。任意のスキャン要求コマンドを受信した場合、上記手続きは、ステップS662へ進み、スキャン要求コマンドを処理するとともに、開始された装置探索手続きを許可するために、ネットワーク探索手続きは、終了する。一方、スキャン要求コマンドを受信していないと決定された場合、上記手続きは、ステップS670へ進み、ネットワーク探索手続きの最後のチャネルがスキャンされたかどうかがチェックされる。ネットワーク探索手続きの最後のチャネルがスキャンされていない場合、上記手続きは、ステップS672へ進み、次のチャネルが決定される。次いで、上記手続きは、ステップS620に戻り、上記受信器は、次のチャネルに切り替えられる。一方、最後のチャネルがスキャンされたと決定された場合、ネットワーク探索手続きは、完了し、上記手続きが、終了する。
【0035】
図7は、第2の実施形態に従ったネットワーク探索手続きの説明に用いられた図3図4図5と同様のシグナリング及びフロー図を示している。
【0036】
MAC接続のためのネットワーク探索を順次実行している、図7の右側のタッチリンクターゲット装置(TT(ND))は、ビーコン要求コマンド(BR)をブロードキャストし、任意のビーコン応答をリッスンするために、チャネル11及び15に切り替わる。第2の実施形態によれば、タッチリンクターゲット装置は、タッチリンクイニシエータ装置(TI)によってブロードキャストされ得る任意のスキャン要求コマンドのためにチャネル11をリッスンすべく、間欠的且つ周期的に、リッスンモードに切り替わる(ステップS710及びS720)。ネットワーク探索手続きのプライマリチャネルマスクの第1のチャネルは、チャネル11と同じであるので、上記手続きのチャネル11への最初の切り替えは、実際は、冗長であり、この例では、省略されてもよいことに留意すべきである。
【0037】
図7の左側では、図3に示されるように、チャネル11への切り替え及び他のチャネルが続く一連の5つのスキャン要求コマンドから開始する、タッチリンクイニシエータ装置の装置探索手続きのタイミングが示されている。図7から分かるように、タッチリンクターゲット装置がリッスンモードにあり、且つ、同一のチャネル11をリッスンしている期間において、タッチリンクイニシエータ装置によって、第3のスキャン要求コマンドが、ブロードキャストされる。従って、タッチリンクターゲット装置は、ネットワーク探索手続きを終了し、受信したスキャン要求コマンドを処理する。
【0038】
各実施形態は、例えば、チャネル11に戻る前に複数のチャネルにおいてPAN接続のためのネットワーク探索を実行するなど、様々な態様において、実装されることができることに留意すべきである。つまり、ビーコン要求の各ブロードキャスト後に、リッスンモードに入るわけではない。所定のリッスンモードチャネル(例えば、チャネル11)へ戻ることは、所定期間後(例えば、少なくとも1250ms毎)に、繰り返されてもよく、ターゲット装置は、スキャン要求コマンドの少なくとも1つが受信されるように、他の所定期間(例えば、少なくとも250ms)を待つことができる。実装は、偶発的な失敗を犠牲にして、これらの数を超えてなされてもよい。上記期間は、予め定められている必要はなく、代わりに、(特定の範囲における)それぞれランダムな長さを持っていてもよい。
【0039】
さらに、図6の例において、リッスンモードは、ステップS640及びS650の間でのみアクティブである。しかしながら、第2の実施形態の修正例では、リッスンモードは、例えば、ステップS630などにおいて、他のステップが実行されている間もアクティブであってもよい。従って、単一チャネルネットワーク探索ステップS630を実行している間、リッスンモードが、オプションで、同様にアクティブであってもよい。リッスンモードは、常にアクティブであってもよく、サーチスキャンが実行された場合、受信器は、チャネルを切り替えてもよく、チャネルが偶然にもスキャン要求コマンドを受信するための正しいチャネルであることも起こり得る。
【0040】
さらに、図7によれば、チャネル11におけるスキャン要求コマンドは、RF回路が、ネットワーク探索中に、チャネル11にある場合であっても、第1のステップにおいて、受信されてもよい。第2の実施形態の他の修正例では、タッチリンクターゲット装置の最初の2ステップは、図7において結合されてもよく、結果、チャネル11への単一の切り替えのみが供給される。
【0041】
本発明は、ZLLプロファイルを実装する任意の装置において実装されることができる。一般的には、これらの装置は、動的にオープンネットワークを探し、同時に、ユーザが、タッチリンク手続きによる装置へアクセスできるようにする、ZLLランプ又はたのZLL装置などのユーザ制御を持たない。さらに、上記実施形態は、ネットワーク探索及び共存装置探索手続きを含む任意のメッシュネットワークトポロジに実装されてもよいが、チャネル及び期間は、各システムパラメータに適合されてもよい。図6の手続きは、プロセッサを制御するソフトウェアルーチンとして、任意の他のコンピュータシステムとして、ターゲット装置又はノード内に、あるいは、ターゲット装置又はノードに供給されたコンピューティング装置として、実装されてもよい。
【0042】
要約すれば、本発明は、無線メッシュネットワークのネットワーク探索を制御するための装置、方法、及び、コンピュータプログラム製品に関し、ここでは、ネットワーク探索プロセスの修正された実装が提案されている。タッチリンクターゲット装置のために、タッチリンクイニシエータ装置が所定のチャネル上の装置探索のためにブロードキャストする全てのスキャン要求コマンドの1つを受信すれば十分である。従って、タッチリンクターゲット装置にとって、その受信器を、スキャン要求コマンドの少なくとも1つを受信するために特定の期間、所定のチャネルに間欠的に切り替えることで十分である。
【0043】
本発明が、図面及び上記説明において、詳細に図示及び説明されてきたが、かかる図示及び説明は、例示的であって、限定的なものではないと考えられるべきである。本発明は、開示の実施形態に限定されない。本開示を読めば、他の修正例が、当該技術分野における当業者にとって明らかであろう。かかる修正例は、当該技術分野において既知の他の特徴、及び、上述した特徴の代わりに、又は、上述した特徴に加えて、用いられてもよい他の特徴を含んでいてもよい。
【0044】
開示の実施形態に対する変形が、図面、開示、及び、添付の請求項の研究から、当該技術分野における当業者によって、理解及び実現され得る。請求項中、「有する」なる用語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形は、複数の要素又はステップを除外しない。上述したように、ネットワーク探索手続きの機能は、例えば、図6の上記実施形態と協働して述べたように、光学記録媒体、あるいは、他のハードウェアとともに、又は、他のハードウェアの一部として供給されるソリッドステート媒体などの適切な媒体上に格納/配布され得るソフトウェアルーチン又はコンピュータプログラムとして実装されてもよいが、インターネット、あるいは、他の有線又は無線通信システムを介するなど、他の形式で配布されてもよい。特定の特徴が相互に異なる従属項において言及されているという単なる事実は、これらの特徴の組み合わせが好適に用いられないということを示すものではない。請求項中の任意の参照符号は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7