(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1つの機能性成分が、洗剤ビルダー、界面活性剤、腐食防止剤、水質調整剤、キレート剤、流動助剤及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
水酸化ナトリウムが組成物の10質量%〜50質量%を構成し、炭酸ナトリウムが組成物の30質量%〜70質量%を構成し、ポリカルボン酸ポリマー又はその塩がポリアクリレートポリマーであり、組成物の2.5質量%〜10質量%を構成し、水が組成物の1質量%〜5質量%を構成し、無水メタケイ酸塩が組成物の1質量%〜20質量%を構成し、及びキレート剤が組成物の5質量%〜25質量%を構成する、請求項10に記載の組成物。
前記固体洗剤組成物が、1つ若しくは複数のポリエチレングリコール、尿素及び/又は炭酸カリウムを含まない水和物の固体タブレットである、請求項10に記載の組成物。
固体洗剤組成物は、固体洗剤組成物のうち、ポリカルボン酸ポリマー又はその塩を0.1質量%〜15質量%、及びキレート剤を1質量%〜50質量%含む、請求項13に記載の方法。
水酸化ナトリウムが組成物の10質量%〜50質量%を構成し、炭酸ナトリウムが組成物の30質量%〜70質量%を構成し、ポリカルボン酸ポリマー又はその塩がポリアクリレートポリマー若しくは脂肪酸末端基によって変性されたポリアクリル酸ポリマー又はそれらの塩であり、組成物の2.5質量%〜10質量%を構成し、水が組成物の1質量%〜5質量%を構成し、無水メタケイ酸塩が組成物の1質量%〜20質量%を構成し、及びキレート剤が組成物の5質量%〜25質量%を構成する、請求項13に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態は、それらが、当業者によって理解されるよう、変更になる場合があるように、特定の固体洗剤組成物に限定されるものではない。本明細書中で使用される全ての専門用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためであり、いかなる方法又は範囲を制限することを意図するものではないことを更に理解すべきである。例えば、本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるように、内容が明らかに他を示さない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は、複数の指示対象を含み得る。また、全ての単位、接頭辞、及び記号をそのSI容認形態で表すことができる。本明細書内で規定される数値範囲は、その範囲を規定する数値を含み、そして規定されたその範囲内の各整数を含む。
【0019】
他に規定されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明の実施形態が関連する技術分野の当業者の内の一人によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似の、変更された、又は同等の多くの方法及び材料を、過度の実験なしに、本発明の実施形態の実施に使用することができ、好ましい材料及び方法は、本明細書に記載されている。本発明の実施形態の説明及び請求項において、以下の専門用語は下記の定義に従って使用され得る。
【0020】
本明細書中で使用される、用語「約」は、例えば、現実の世界で濃縮物又は使用溶液を作製するために使用される典型的な測定及び液体取り扱い手順によって;これらの手順の不注意による誤りによって;組成物を作製するために又は方法を実施するために使用される、製造、供給源、又は成分の純度の差異によって;などで発生し得る数量の変動を意図する。用語「約」によって修飾されたか否かにかかわらず、特許請求の範囲は、量に対する均等物を含み、発生し得る数量の変動に言及する。
【0021】
本明細書で使用される用語「寸法安定性」及び「寸法的に安定な」は、約3%未満、好ましくは約2%未満の増大指数を有する固体製品を意図する。
【0022】
本明細書で使用される用語「質量パーセント(weight percent)」、「質量%(wt-%)」、「質量によるパーセント(percent by weight)」、「質量による%(% by weight)」及びそれらの変形は、組成物全体の質量で割り算して100を掛けた物質の質量としての物質の濃度を意味する。ここで用いられるとき、「パーセント」、「%」などは、「質量パーセント」、「質量%」などと同義であることを意図していることが理解される。
【0023】
本発明の実施形態によれば、固体組成物は、水和可能な塩、アルカリ活性物質(例えば、アルカリ金属水酸化物)及び水を含有する、プレスされ、押し出され又はキャストされる固体組成物で用いる寸法的に安定な固体組成物を提供することによって、従来技術における必要性を克服する。好ましい態様では、寸法的に安定な固体組成物は、キャストされる固体組成物において使用されない。具体的には、組成物は、実質的にリンを含まず及びニトリロ三酢酸(NTA)を含まない製品である、寸法的に安定な苛性含有アルカリ性洗剤が望まれる、さまざまな状況のいずれかで使用し得る固体洗剤組成物を調製するのに有用であろう。実質的にリンを含まないとは、凝固マトリックスの総重量に基づいて、約0.5質量%未満、より具体的には約0.1質量%未満、及びさらにより具体的には約0.01質量%未満のリンを有する凝固マトリックスを意味する。NTAを含まないとは、凝固マトリックスの総重量に基づいて、約0.5質量%未満、約0.1質量%未満、及び多くの場合は約0.01質量%未満のNTAを有する凝固マトリックスを意味する。したって、本発明の実施形態は、環境に優しい固体洗剤を使用することが望ましい洗浄用途において特に有用である。
【0024】
本発明の凝固マトリックスは、寸法的に安定した固体製品が所望される多種多様の状況のいずれかで使用され得る。凝固マトリックスは、寸法的に安定であり、適切な凝固速度を有する。さらに、凝固マトリックスはリン及びNTAを含まなくてもよく、環境に優しい、固体のアルカリ性洗剤を使用することが望ましい洗浄用途において、凝固マトリックスを特に有用にする。このような用途としては、これらに限定されないが、コンビネーションオーブン、例えば、種々の食品サービス産業で使用されるものにおけるリン酸塩を含まないアルカリ性洗剤の使用を含む。さらなる用途としては、例えば、食器洗剤(a ware wash detergent)を採用する機械及び手動の食器洗浄(warewashing)、つけおき洗剤、フライアーボイルアウト(fryer boil outs)、パワーソークシンク(power soak sinks)及び関連する用途、ソークタンク(soak tanks)、器具の再加工、洗濯物及び布地の洗浄及び脱染、カーペットの洗浄及び脱染、車両の洗浄及びケア用途、表面の洗浄及び脱染、キッチン及び風呂の洗浄及び脱染、床の洗浄及び脱染、所定の位置の(in place)洗浄作業、一般的な目的の洗浄及び脱染、並びに/又は工業用若しくは家庭用洗剤を含み得る。凝固マトリックスを使用して固体洗剤組成物を調製するのに適した方法も提供される。
【0025】
凝固マトリックス及び固体洗剤組成物
凝固マトリックスは、一般に、アルカリ金属水酸化物のアルカリ源、炭酸ナトリウム(ソーダ灰)等の水和可能な塩、ポリカルボン酸ポリマー及び固体組成物を形成するための水装入物(water charge)を含む。凝固マトリックスは、キレート剤、腐食防止剤、追加の水質調整剤及び/又は追加のアルカリ供給源をさらに含んでもよい。凝固マトリックスは、アルカリ金属水酸化物、水和可能な塩、ポリカルボン酸ポリマー、キレート剤、追加のアルカリ及び/又は腐食防止剤供給源及び/又は水装入物を含む、これらからなる、及び/又はこれらから本質的になり得る。
【0026】
凝固マトリックスの適切な成分濃度は、アルカリ金属水酸化物のアルカリ分が約0.1質量%〜約90質量%、ポリカルボン酸ポリマーが約0.1質量%〜約15質量%、水が約0.1質量%〜約25質量%、及び炭酸ナトリウムが約20質量%〜約90質量%の範囲である。凝固マトリックスの特に適切な成分濃度は、アルカリ金属水酸化物のアルカリ分が約5質量%〜約70質量%、ポリカルボン酸ポリマーが1質量%〜約10質量%、水が約0.1質量%〜約10質量%、及び炭酸ナトリウムが約25質量%〜約90質量%の範囲である。凝固マトリックスのより特に適切な成分濃度は、アルカリ金属水酸化物のアルカリ分が約10質量%〜約50質量%、ポリカルボン酸ポリマーが2.5質量%〜約10質量%、水が約1質量%〜約5質量%、及び炭酸ナトリウムが約30質量%〜約70質量%の範囲である。意外にも、本発明によれば、寸法的に安定な固体組成物は、少なくとも30%若しくはそれよりも多くまで、好ましくは少なくとも40%若しくはそれよりも多くまで、又は少なくとも50%若しくはそれよりも多くまでのアルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム)の含有量を有し、当該技術分野における有意な限界を克服する。
【0027】
本発明のさらなる態様では、凝固マトリックスの成分濃度は、以下の、グルコン酸ナトリウム等のキレート剤が約0.1質量%〜50質量%、並びに第二アルカリ源及び/又は腐食防止剤が0.1質量%〜50質量%の範囲をさらに含む。特に適切な凝固マトリックスの成分濃度は、キレート剤が約1質量%〜50質量%、並びに第二アルカリ源及び/又は腐食防止剤が1質量%〜50質量%の範囲である。より特に適切な凝固マトリックスの成分濃度は、キレート剤が約5質量%〜25質量%、並びに第二アルカリ源及び/又は腐食防止剤が1質量%〜20質量%の範囲である。当業者は、凝固マトリックスの同程度の特性を得るための他の適当な成分濃度の範囲を認識するであろう。本発明の範囲に限定されることなく、本明細書に記載の全ての数値範囲は、範囲を規定する数値を含み、規定される範囲内の各整数を含む。
【0028】
アルカリ源
固体洗剤組成物は、基材の効果的な洗浄を提供し、固体洗剤組成物の汚れ除去性能を改善するための1つ又はそれよりも多くの有効な量のアルカリ源を含む。好ましくは、アルカリ源は、アルカリ金属水酸化物であり、基材の洗浄及び汚れの除去を改善するために有効な量で提供される。本発明の組成物は、少なくとも約1質量%、少なくとも約5質量%、又は少なくとも約10質量%の量でアルカリ源を含む。好ましい態様では、アルカリ源は、固体洗剤組成物の総重量の、約1質量%〜約90質量%、約5質量%〜約70質量%、約10質量%〜約50質量%、及び最も好ましくは約20質量%〜約40質量%を構成する。
【0029】
アルカリ源の有効量は、少なくとも約8、好ましくは少なくとも約10、及びより好ましくは少なくとも約12のpHを有する使用組成物を提供する量とみなされるべきである。使用組成物が約8〜約10のpHを有する場合、それは弱アルカリ性と考えることができ、そしてpHが約12よりも大きい場合、使用組成物は苛性アルカリと考えることができる。
【0030】
固体洗剤組成物の適切なアルカリ源の例としては、これらに限定されないが、アルカリ金属水酸化物を含む。使用することができる例示的なアルカリ金属水酸化物としては、これらに限定されないが、ナトリウム、リチウム、又はカリウムの水酸化物を含む。アルカリ金属水酸化物は、固体ビーズ、水溶液に溶解した形態、又はそれらの組み合わせを含む、当技術分野で公知の形態で組成物に添加され得る。アルカリ金属水酸化物は、約12〜100U.S.メッシュの範囲の粒子サイズが混合する顆粒固体(prilled solids)又はビーズの形態の固体として、又は水溶液として、例えば、45質量%及び50質量%の溶液として、市販されている。本発明によるアルカリ金属水酸化物は、顆粒固体又はビーズの形態で添加されることが好ましい。
【0031】
水和可能な塩
本発明による固体洗剤組成物は、少なくとも1つの水和可能な塩を含む。一実施形態では、水和可能な塩は、炭酸ナトリウム(別名、ソーダ灰又は灰)及び/又は炭酸カリウム(別名、カリ)である。好ましい態様では、水和可能な塩は、炭酸ナトリウムであり、炭酸カリウムを除外する。水和可能な塩は、水和可能な塩、例えば、炭酸ナトリウムが約20質量%〜約90質量%、好ましくは約25質量%〜約90質量%、及びより好ましくは約30質量%〜約70質量%の範囲で提供される。当業者は、凝固マトリックスの同程度の特性を得るための他の適当な成分濃度の範囲を認識するであろう。
【0032】
他の実施形態では、水和可能な塩は、他の凝固剤と共に混ぜ合わされてもよい。例えば、水和可能な塩は、本質的に無機である追加の凝固剤と共に使用されてもよく、また、アルカリ源としての機能も任意に果たし得る。ある特定の実施形態では、第二凝固剤は、これらに限定されないが、追加的なアルカリ金属水酸化物、無水炭酸ナトリウム、無水硫酸ナトリウム、無水酢酸ナトリウム、及び他の公知の水和可能な化合物又はそれらの組み合わせを含み得る。好ましい実施形態によれば、第二の水和可能な塩は、メタケイ酸ナトリウム及び/又は無水メタケイ酸ナトリウムを含む。凝固を達成するのに必要な第二凝固剤の量は、用いられる正確な凝固剤、組成物中の水の量、及び他の洗剤成分の水和能力を含むいくつかの要因に依存する。ある特定の実施形態では、第二凝固剤は、追加のアルカリ源として働くこともできる。
【0033】
ポリカルボン酸ポリマー類
本発明による固体アルカリ性洗剤組成物は、ポリカルボン酸ポリマー又はその塩若しくは誘導体を含む。本明細書で言及されるように、ポリカルボン酸ポリマーへの言及は、本発明による固体アルカリ性洗剤組成物で用いる適切なポリマーでもあるようなそれらの塩又は誘導体をさらに包含する。特に適切なポリカルボン酸ポリマー類の例としては、これらに限定されないが、ポリアクリル酸ポリマー類、脂肪酸末端基によって変性されたポリアクリル酸ポリマー類(「変性ポリアクリル酸ポリマー類」)、ポリマレイン酸ポリマー類及びこれらのポリマー材料の組み合わせを含む。ポリカルボン酸ポリマー類のそれぞれの塩は、固体アルカリ性洗剤組成物にさらに採用され得る。
【0034】
ポリカルボン酸ポリマー塩類の非限定的な例としては、水溶性のアクリルポリマー類のようなポリアクリル酸の塩類及び誘導体類を含む。このようなポリマーとしては、これらに限定されないが、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸、アクリル酸−メタクリル酸共重合体、ポリマレイン酸、加水分解されたポリアクリルアミド、加水分解されたメタクリルアミド、加水分解されたアクリルアミド−メタクリルアミド共重合体、加水分解されたポリアクリロニトリル、加水分解されたポリメタクリロニトリル、加水分解されたアクリロニトリルメタクリロニトリル共重合体など、又はそれらの組合せ若しくは共重合体を含む。これらのポリマーの水溶性の塩又は部分的な塩、例えば、それらそれぞれのアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム、又はそれらの組み合わせ)又はアンモニウムの塩はまた、本発明に従って使用され得る。
【0035】
特に適切なポリアクリル酸ポリマー類及び変性ポリアクリル酸ポリマー類並びにその塩及び誘導体の例としては、約1,000〜約100,000の分子量を有するものを含む。より特に適切なポリマレイン酸ポリマー類並びにその塩及び誘導体の例としては、約500〜約5,000の分子量を有するものを含む。特に適切な市販のポリアクリル酸ポリマー並びにその塩及び誘導体の例としては、これに限定されないが、Rohm&Haas LLC、フィラデルフィア、PAから入手可能なAcusol 445NDを含む。特に適切な市販の変性ポリアクリル酸ポリマーの例としては、これに限定されないが、Alco Chemical、チャタヌーガ、TNから入手可能なAlcosperse 325を含む。特に適切な市販のポリマレイン酸ポリマー類の例としては、これらに限定されないが、Houghton Chemical Corporation、ボストン、MAから入手可能なBelclene 200及びAlco Chemical、チャタヌーガ、TNから入手可能なAquatreat AR−801を含む。
【0036】
一実施形態では、本発明の凝固マトリックスは、少なくとも1つのポリアクリル酸ポリマー又はその塩若しくは誘導体を含む。例えば、凝固マトリックスは、約0.1質量%〜15質量%、より具体的には約0.5質量%〜15質量%のポリアクリル酸ポリマーを含んでもよく、約0.1質量%〜10質量%、約1質量%〜10質量%、より具体的には約2.5質量%〜10質量%含んでもよい。本発明の範囲に限定されることなく、本明細書に記載の全ての数値範囲は、範囲を規定する数値を含み、規定される範囲内の各整数を含む。
【0037】
別の実施形態では、凝固マトリックスは、ポリマレイン酸ポリマー及び異なる分子量を有する少なくとも2つのポリアクリル酸ポリマーを含むことができる。さらなる実施形態では、凝固マトリックスは、少なくとも1つのポリカルボン酸ポリマーに加えて、少なくとも1つのカルボン酸塩を含む。適切なカルボン酸塩は、例えば、酢酸、グルコン酸、リンゴ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、酒石酸、クエン酸、又はそれらの組み合わせのような直鎖飽和カルボン酸塩類を含む。一例では、凝固は、約0.1質量%〜10質量%のカルボン酸塩、例えばクエン酸塩を含む。
【0038】
水
本発明の態様によれば、水は、独立して凝固マトリックスに添加されてもよく、及び/又は洗剤組成物に添加される水性材料におけるその存在の結果として凝固マトリックス中に提供されてもよい。好ましくは、第二アルカリ源(例えば、ケイ酸塩又はメタケイ酸塩)は無水ケイ酸塩として提供されるため、凝固マトリックスに水を導入しない。しかしながら、洗剤組成物に添加される残りの成分は、水を含み得るか、又は凝固マトリックスの1つ若しくは複数の成分との反応に利用可能な水性プレミックス中で調製され得る。水は凝固マトリックス中に導入され、所望の凝集力又は圧縮性を有する凝固マトリックスを提供し、かつ、凝固(例えば、本発明の態様に従う水酸化物及び/又は灰の水和)の所望の速度を提供する。加えて、固体として濃縮物を形成することが望まれるとき、水性媒体は凝固プロセスに役立つことが期待される。水はまた、脱イオン水として又は軟水として提供されてもよい。
【0039】
得られる固体洗剤組成物中の水の量は、固体洗剤組成物のために用いられる成形方法(例えば、加工成形技術)に依存するであろう。本発明の方法及び組成物が、キャスティングにおける使用に対して好ましいものではないとき(容器内で起こる凝固)、少ない量の水が使用される。成形技術の使用は、キャスティング技術と比較して凝固に対し比較的少ない量の水を含む。成形技術によって固体洗剤組成物を調製する場合、水は、約1質量%〜約25質量%、特には約1質量%〜約20質量%、及びより具体的には約2質量%〜約10質量%の範囲で存在し得る。本発明の範囲に限定されることなく、本明細書に記載の全ての数値範囲は、範囲を規定する数値を含み、規定される範囲内の各整数を含む。
【0040】
凝固マトリックスは、固体洗剤組成物をより環境的に有益にするためにリン及び/又はニトリロ三酢酸(NTA)を含まなくてよい。リンを含まないとは、凝固マトリックスの総重量に基づき、約0.5質量%未満、より具体的には約0.1質量%未満、及びさらにより具体的には約0.01質量%未満のリンを有する凝固マトリックスを意味する。NTAを含まないとは、凝固マトリックスの総重量に基づき、約0.5質量%未満、約0.1質量%未満、及び多くの場合には約0.01質量%未満のNTAを有する凝固マトリックスを意味する。凝固マトリックスがNTAを含まない場合、凝固マトリックス及び得られる固体洗剤組成物はまた、再付着防止及び汚れ除去剤として機能する、塩素と相溶性がある。
【0041】
追加の機能性材料
凝固マトリックスの成分は、固体洗剤組成物を形成するために使用される種々の機能性成分と混合することができる。いくつかの実施形態において、例えば、その中に配置した追加の機能性材料をほとんど又は全く有さない態様において、アルカリ金属水酸化物、第二アルカリ源、キレート剤、ポリカルボン酸ポリマー、水、及び炭酸ナトリウムを含む凝固マトリックスが、洗剤組成物の総重量の大部分の量を又は実質的に全てさえも構成する。これらの実施形態では、凝固マトリックスに対して上記で提供された成分の濃度範囲は、洗剤組成物におけるこれらの同じ成分の範囲を表す。例えば、このような組成物は、約5質量%〜70質量%のアルカリ金属水酸化物、0.1質量%〜15質量%のポリカルボン酸ポリマー、約0.1質量%〜約10質量%の水、約20質量%〜90質量%の炭酸ナトリウム、約1質量%〜50質量%の第二アルカリ源、及び約1質量%〜50質量%のキレート剤を含むことができ、組成物の残余は追加の機能性成分を含む。本発明の範囲に限定されることなく、本明細書に記載の全ての数値範囲は、範囲を規定する数値を含み、規定される範囲内の各整数を含む。
【0042】
機能性材料は、固体洗剤組成物に所望の特性及び機能を提供する。本出願の目的のために、用語「機能性材料」とは、使用及び/又は濃縮液、例えば、水溶液において分散又は溶解された場合に、特定の使用において有益な特性を提供する材料を含む。機能性材料のいくつかの特定の例が以下でより詳細に検討され、検討される特定の材料は、実施例のみを経て与えられるが、幅広い種類の他の機能性材料を使用してもよいことが検討される。例えば、以下で検討される機能性材料の多くは、洗浄及び/又は脱染用途で使用される材料に関係する。しかしながら、他の実施形態は、他の用途で用いる機能性材料を含んでもよい。
【0043】
第二アルカリ源
固体洗剤組成物は、アルカリ性を提供する及び/又は基材の洗浄を強化する及び/又は固体洗剤組成物の汚れ除去性能を改善するために、有効量の1つ又はそれよりも多くの第二アルカリ源を含むことができる。アルカリ金属水酸化物のアルカリ源と同様に、第二アルカリ源は、濃縮物の形態で提供され得る。
【0044】
固体洗剤組成物の適切な第二のアルカリ源の例としては、これらに限定されないが、ナトリウム又はカリウムの、炭酸塩、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、及びそれらの混合物などのアルカリ金属炭酸塩類;ナトリウム又はカリウムのケイ酸塩又はメタケイ酸塩、及びそれらの混合物などの金属ケイ酸塩類;ナトリウム又はカリウムのホウ酸塩、及びそれらの混合物などの金属ホウ酸塩類;並びにエタノールアミン類及びアミン類、及びそれらの混合物を含む。このような第二アルカリ剤は、水様又は粉末のいずれかの形態で一般に入手可能であり、このうちのいずれかが、本発明の固体洗剤組成物を処方するのに有用である。本発明の好ましい実施形態によれば、第二アルカリ剤は固体の形態で提供される。
【0045】
一態様では、ケイ酸塩類は、第二アルカリ源として使用するのが好ましい。ケイ酸塩類は、アルカリ性を提供することに加えて腐食抑制及び/又は抗再付着効果の従来の利点のために知られている。本発明の一態様では、ケイ酸塩の第二アルカリ源は、アルカリ金属水酸化物成分を含む凝固組成物の結果として、金属保護(即ち、腐食抑制)に対する十分な量で提供されない。例示的なケイ酸塩類は、これらに限定されないが、ケイ酸ナトリウム及びケイ酸カリウムを含む。本明細書で言及されるように、ケイ酸塩類は、メタケイ酸塩類(例えば、カリウム又はナトリウムのメタケイ酸塩)をさらに含むことができる。ケイ酸塩類及び/又はメタケイ酸塩類は、粉末、微粒子又は顆粒状のケイ酸塩類及び/又はメタケイ酸塩類として提供することができる。また、ケイ酸塩類及び/又はメタケイ酸塩類は無水であるか又は水和水を含むことができる。本発明の好ましい態様では、ケイ酸塩類及び/又はメタケイ酸塩類は無水である。
【0046】
いくつかの態様において、第二アルカリ源は、固体洗剤組成物の総重量の、約0.1質量%〜約50質量%、約0.5質量%〜約50質量%、約1質量%〜約50質量%、約1質量%〜約25質量%、及び約5質量%〜約15質量%の量で提供される。本発明の範囲に限定されることなく、本明細書に記載の全ての数値範囲は、範囲を規定する数値を含み、規定される範囲内の各整数を含む。
【0047】
界面活性剤
固体洗剤組成物は、界面活性剤又は界面活性剤系を含む少なくとも1つの洗浄剤を含むことができる。種々の界面活性剤が固体洗剤組成物に使用され、これらに限定されないが、アニオン性、非イオン性、カチオン性、及び両性イオン性界面活性剤を含む。界面活性剤は、固体洗剤組成物の任意成分であり、濃縮物から除外することができる。使用することができる例示的な界面活性剤は、多くの供給源から市販されている。界面活性剤の記載については、その全体が本明細書中に参考として援用される、Kirk−Othmer、Encyclopedia of Chemical Technology、Third Edition、Volume 8、pages 900〜912を参照のこと。固体洗剤組成物が洗浄剤を含む場合、洗浄剤は、洗浄の所望のレベルを提供するのに有効な量で提供される。固体洗剤組成物は、濃縮物として提供される場合、約0.05質量%〜約20質量%、約0.5質量%〜約15質量%、約1質量%〜約15質量%、約1.5質量%〜約10質量%、及び約2質量%〜約8質量%の範囲で洗浄剤を含むことができる。濃縮物中での界面活性剤のさらなる例示的な範囲は、約0.5質量%〜約8質量%、及び約1質量%〜約5質量%を含む。本発明の範囲に限定されることなく、本明細書に記載の全ての数値範囲は、範囲を規定する数値を含み、規定される範囲内の各整数を含む。
【0048】
固体洗剤組成物において有用なアニオン性界面活性剤の例としては、これらに限定されないが、アルキルカルボキシレート類及びポリアルコキシカルボキシレート類、アルコールエトキシレートカルボキシレート類、ノニルフェノールエトキシレートカルボキシレート類等のカルボキシレート類;アルキルスルホネート類、アルキルベンゼンスルホネート類、アルキルアリールスルホネート類、スルホン化脂肪酸エステル類等のスルホネート類;硫酸化アルコール類、硫酸化アルコールエトキシレート類、硫酸化アルキルフェノール類、アルキルサルフェート類、スルホサクシネート類、及びアルキルエーテルサルフェート等のサルフェート類を含む。典型的なアニオン性界面活性剤としては、これらに限定されないが、ナトリウムアルキルアリールスルホネート、α−オレフィンスルホネート、及び脂肪アルコールサルフェートを含む。
【0049】
固体洗剤組成物中で有用な非イオン性界面活性剤の例としては、界面活性剤分子の一部分としてポリアルキレンオキサイドポリマーを有するものを含むが、これらに限定されない。このような非イオン性界面活性剤は、これらに限定されないが、塩素−、ベンジル−、メチル−、エチル−、プロピル−、ブチル−及び他の類似のアルキル−キャップされた、脂肪アルコール類のポリエチレングリコールエーテル類;アルキルポリグリコシド類等のポリアルキレンオキサイドを含まない非イオン性物;ソルビタン及びスクロースエステル類及びそれらのエトキシレート類;アルコキシル化エチレンジアミン等のアルコキシル化アミン類;アルコールエトキシレートプロポキシレート類、アルコールプロポキシレート類、アルコールプロポキシレートエトキシレートプロポキシレート類、アルコールエトキシレートブトキシレート類等のアルコールアルコキシレート類;ノニルフェノールエトキシレート、ポリオキシエチレングリコールエーテル;脂肪酸類の、グリセロールエステル類、ポリオキシエチレンエステル類、エトキシル化及びグリコールエステル類等のカルボン酸エステル類;ジエタノールアミン縮合物、モノアルカノールアミン縮合物、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド類等のカルボン酸アミド類;及びポリアルキレンオキサイドブロックコポリマーを含む。市販されているエチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロックコポリマーの例としては、これに限定されないが、BASF Corporation、Florham Park、NJから入手可能であるPLURONIC(登録商標)を含む。市販されているシリコーン界面活性剤の例としては、これに限定されないが、Goldschmidt Chemical Corporation、Hopewell、VAから入手可能であるABIL(登録商標)B8852を含む。
【0050】
固体洗剤組成物中で使用可能であるカチオン性界面活性剤の例としては、これらに限定されないが、C
18アルキル又はアルケニル鎖を有する第1級、第2級及び第3級のモノアミン類、エトキシル化アルキルアミン類、エチレンジアミンのアルコキシレート類等のアミン類、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン、2−アルキル−1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン等のイミダゾール類;並びに第4級アンモニウム塩類、例えば、n−アルキル(C
12〜C
18)ジメチルベンジルアンモニウムクロライド、n−テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライドモノ水和物、及びジメチル−1−ナフチルメチルアンモニウムクロライド等のナフチレン置換第4級アンモニウムクロライド等のアルキル第4級アンモニウムクロライド界面活性剤を含む。カチオン性界面活性剤は、消毒特性を提供するのに使用できる。
【0051】
固体洗剤組成物に使用され得る両性イオン性界面活性剤例としては、これらに限定されないが、ベタイン類、イミダゾリン類、及びプロピオネート類を含む。
【0052】
固体洗剤組成物は、自動の皿若しくは食器洗浄機又はコンビネーションオーブンで使用することを意図としているので、任意の界面活性剤が使用される場合、選択された界面活性剤は、皿若しくは食器洗浄機又はコンビネーションオーブン内で使用される場合、発泡の許容レベルを提供するものであり得る。自動の皿若しくは食器洗浄機での使用のための固体洗剤組成物は、一般的に低発泡性組成物であると考えられる。洗剤の活性の所望のレベルを提供する低発泡性界面活性剤は、発泡の大量の存在が問題となり得る皿洗浄機などの環境において有利である。低発泡性界面活性剤を選択することに加えて、消泡剤も泡の発生を低減するために利用され得る。したがって、低発泡性界面活性剤と考えられている界面活性剤を用いることができる。また、他の界面活性剤は、発泡のレベルを制御するために消泡剤と共に使用され得る。
【0053】
キレート剤、ビルダー(builders)及び/又は水質調整剤
固体洗剤組成物は、これらに限定されないが、アミノカルボン酸、又はポリアクリレートを含む、キレート剤又は金属イオン封鎖剤(例えば、ビルダー)とも呼ばれる、1つ又はそれよりも多くのビルディング剤(building agents)を含むことができる。一般に、キレート剤は、天然水に一般的に見られる金属イオンを配位(即ち、結合)可能な分子であり、金属イオンが洗浄組成物の他の洗浄性成分の作用を妨害するのを防ぐ。キレート剤又は金属イオン封鎖剤でもあり得るビルダーの好ましい添加レベルは、約0.1質量%〜約70質量%、約1質量%〜約60質量%、又は約1.5質量%〜約50質量%である。固体洗剤が濃縮物として提供される場合、濃縮物は、約1質量%〜約60質量%、約3質量%〜約50質量%、及び約6質量%〜約45質量%のビルダーを含むことができる。ビルダーのさらなる範囲は、約3質量%〜約20質量%、約6質量%〜約15質量%、約25質量%〜約50質量%、及び約35質量%〜約45質量%を含む。本発明の範囲に限定されることなく、本明細書に記載の全ての数値範囲は、範囲を規定する数値を含み、規定される範囲内の各整数を含む。
【0054】
好ましい態様では、キレート剤(例えば、グルコン酸ナトリウム)は、固形洗剤組成物の総重量の、約0.1質量%〜約50質量%、約0.5質量%〜約50質量%、約1質量%〜約50質量%、約1質量%〜約25質量%、及び約5質量%〜約25質量%の量で提供される。本発明の範囲に限定されることなく、本明細書に記載の全ての数値範囲は、範囲を規定する数値を含み、規定される範囲内の各整数を含む。
【0055】
非リン酸塩アルカリ洗剤組成物で使用するのに好ましいキレート剤の例としては、クエン酸塩、酒石酸塩又はグルコン酸塩等のカルボン酸塩類を含む。好ましい態様においては、グルコン酸ナトリウムが、固体アルカリ性洗剤組成物のためのキレート剤として使用される。
【0056】
固体洗剤組成物は、非リン系ビルダーを含むことができる。種々の成分は、微量のリンを含んでもよいが、リンを含まないと考えられている組成物は、意図的に添加される成分として、リン酸塩若しくはホスホン酸塩のビルダー又はキレート成分を一般的に含まない。クエン酸塩、酒石酸塩又はグルコン酸塩などのカルボン酸塩類が適切である。ほとんど又は全くNTAを含まない有用なアミノカルボン酸材料は、これに限定されないが、N−ヒドロキシエチルアミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、N−ヒドロキシエチル−エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、及びカルボン酸置換基とアミノ基を有する他の類似の酸を含む。
【0057】
水質調整ポリマーは、リンを含有しないビルダーとして使用できる。例示的な水質調整ポリマーは、ポリカルボキシレート類を含むがこれに限られない。ビルダー及び/又は水質調整ポリマーとして使用できる例示的なポリカルボキシレート類としては、これらに限定されないが、ポリアクリル酸、マレイン酸等のペンダントカルボキシレート(−CO
2−)基を有するもの、マレイン酸/オレフィンコポリマー、スルホン化コポリマー又はターポリマー、アクリル酸/マレイン酸コポリマー、ポリメタクリル酸、アクリル酸メタクリル酸コポリマー、加水分解されたポリアクリルアミド、加水分解されたポリメタクリルアミド、加水分解されたポリアミド−メタクリルアミドコポリマー、加水分解されたポリアクリロニトリル、加水分解されたポリメタクリロニトリル、及び加水分解されたアクリロニトリル−メタクリロニトリルコポリマーを含む。キレート剤/金属イオン封鎖剤のさらなる記載については、Kirk−Othmer、Encyclopedia of Chemical Technology、Third Edition、Volume 5、pages 339〜366及びVolume 23、pages 319〜320(その開示を参照により本明細書に取り込む)を参照のこと。これらの材料はまた、結晶改質剤として機能するように半化学量論レベルで使用され得る。
【0058】
硬化剤
固体洗剤組成物はまた、ビルダーに加えて、又はビルダーの形態で硬化剤を含むことができる。硬化剤は、組成物の均一の凝固に著しく寄与する化合物又は化合物の系、有機又は無機である。好ましくは、硬化剤は、水酸化ナトリウムの活性アルカリを含む洗浄剤、及び組成物の他の活性成分と相溶性があり、加工された組成物に有効量の硬度及び/又は水溶解度を提供することができる。硬化剤は、使用中の固体洗剤組成物からの洗浄剤の均一な溶解を提供するために混合及び凝固された場合に、洗浄剤及び他の成分を有する均質なマトリックスを形成できた方がよい。
【0059】
固体洗剤組成物に含まれる硬化剤の量は、これらに限定されないが、調製される固体洗剤組成物のタイプ、固体洗剤組成物の成分、組成物の意図される使用、使用中に時間をかけて固体組成物に適用される分配(dispensing)溶液の量、分配溶液の温度、分配溶液の硬度、固体洗剤組成物の物理的サイズ、他の成分の濃度、及び組成物中の洗浄剤の濃度を含む因子によって変化するであろう。固体洗剤組成物中に含まれる硬化剤の量は、洗浄剤と組成物の他の成分とを混合して、連続的な混合条件下及び硬化剤の溶融温度又はそれ未満の温度で均質な混合物を生成するのに効果的であることが好ましい。
【0060】
混合を中断し、そして混合物が、約1分未満の範囲内、又は約1分〜約3時間、特に約2分未満〜約2時間、及び特に約5分未満〜約1時間の範囲内で混合システムから分配された後に、約30℃〜約50℃、特に約35℃〜約45℃の周囲温度下で、固体の形態に硬化させ得る硬化剤が、クリーニング剤及び他の成分を有するマトリックスを形成するのが好ましい。外部の供給源からの最小量の熱が混合物に適用されて、混合物の加工を促進し得る。固体洗剤組成物中に含まれる硬化剤の量は、使用の間に凝固させた組成物からの洗浄剤の所望の分配速度を達成するために水性媒体中に配置された場合に、加工された組成物の所望の硬度及び所望の制御された溶解速度を提供するのに効果的であることが好ましい。
【0061】
硬化剤は、有機又は無機の硬化剤であってもよい。本発明の一態様によれば、本発明の実施例10−23に示されるように、有機硬化剤は、ポリエチレングリコール(PEG)化合物ではないことが好ましい。ポリエチレングリコール類の例としては、これらに限定されないが、一般式H(OCH
2CH
2)
nOH(式中、nは15超、特に種々の分子量を有する約30〜約1700である。)の固体ポリエチレングリコール類を含む。硬化剤は、尿素及び/又は尿素粒子でないことがさらに好ましい。
【0062】
好ましい無機硬化剤は、これらに限定されないが、硫酸塩類及び重炭酸塩類を含む、水和可能な無機塩類である。無機硬化剤は、約50質量%まで、特に約1質量%〜約25質量%、及びより具体的には約5質量%〜約15質量%の濃度で存在する。本発明の範囲に限定されることなく、本明細書に記載の全ての数値範囲は、範囲を規定する数値を含み、規定される範囲内の各整数を含む。
【0063】
漂白剤
基材を明るくする(lightening)又は増白するための固体洗剤組成物での使用に好適な漂白剤は、典型的には、洗浄工程の間に直面する条件下で、Cl
2、Br
2、−OCl
−及び/又は−OBr
−等の活性ハロゲン種を遊離できる漂白化合物を含む。固体洗剤組成物で用いる好適な漂白剤は、塩素類、次亜塩素酸塩類、又はクロラミン類等の塩素含有化合物を含むが、これらに限定されない。例示的なハロゲン放出化合物は、アルカリ金属ジクロロイソシアヌレート類、塩素化リン酸三ナトリウム、アルカリ金属次亜塩素酸塩類、モノクロラミン、及びジクロラミンを含むが、これらに限定されない。封入された塩素源はまた、組成物中の塩素源の安定性を高めるために使用できる(例えば、米国特許第4,618,914号明細書及び米国特許第4,830,773号明細書(その開示を参照により本明細書に取り込む)を参照のこと)。漂白剤はまた、テトラアセチルエチレンジアミン等の活性化剤を有する及び有しない、過酸化水素、過ホウ酸塩、炭酸ナトリウム過酸化水素化物、過モノ硫酸カリウム、及び過ホウ酸ナトリウム一及び四水和物等の過酸化又は活性酸素源であってもよい。
【0064】
濃縮物が漂白剤を含む場合、それは、約0.1質量%〜約60質量%、約1質量%〜約20質量%、約3質量%〜約8質量%、及び約3質量%〜約6質量%の量で含むことができる。本発明の範囲に限定されることなく、本明細書に記載の全ての数値範囲は、範囲を規定する数値を含み、規定される範囲内の各整数を含む。
【0065】
充填剤
固体洗剤組成物は、それ自体洗浄剤として機能しないが、洗浄剤と協力して組成物の全体的な洗浄能力を高める有効量の洗剤充填剤を含むことができる。本願の洗浄組成物中で用いる好適な洗剤充填剤の例としては、硫酸ナトリウム及び塩化ナトリウムを含むが、これらに限定されない。濃縮物が洗剤充填剤を含む場合、それは約50質量%まで、約1質量%〜約30質量%、又は約1.5質量%〜約25質量%の量で含まれ得る。本発明の範囲に限定されることなく、本明細書に記載の全ての数値範囲は、範囲を規定する数値を含み、規定される範囲内の各整数を含む。
【0066】
消泡剤
泡の安定性を低下させるための消泡剤はまた、食器洗浄組成物に含まれてもよい。消泡剤の例としては、Pluronic N−3の名称の元で入手可能なもの等のエチレンオキサイド/プロピレンブロックコポリマー;ポリジメチルシロキサン中に分散したシリカ等のシリコーン化合物、ポリジメチルシロキサン、及びAbil B9952の名称の元で入手可能なもの等の官能化されたポリジメチルシロキサン;脂肪アミド類、炭化水素ワックス類、脂肪酸類、脂肪エステル類、脂肪アルコール類、脂肪酸石鹸類、エトキシレート類、鉱油類、ポリエチレングリコールエステル類、及びモノステアリルホスフェート等のアルキルリン酸塩エステルを含むが、これらに限定されない。
【0067】
消泡剤の検討は、例えば、Martinらの米国特許第3,048,548号明細書、Brunelleらの米国特許第3,334,147号明細書、及びRueらの米国特許第3,442,242号明細書(参照によりそれらの開示を本明細書中に取り込む)に見いだすことができる。濃縮物が消泡剤を含む場合、消泡剤は、約0.0001質量%〜約10質量%、約0.001質量%〜約5質量%、又は約0.01質量%〜約1.0質量%の量で提供され得る。本発明の範囲に限定されることなく、本明細書に記載の全ての数値範囲は、範囲を規定する数値を含み、規定される範囲内の各整数を含む。
【0068】
再付着防止剤
固体洗剤組成物は、洗浄溶液中の汚れの持続した懸濁を促進し、かつ、除去された汚れが洗浄される基材上に再堆積されるのを防ぐための再付着防止剤を含むことができる。好適な再付着防止剤の例としては、ポリアクリレート類、スチレン無水マレイン酸コポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びカルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体を含むが、これらに限定されない。濃縮物が、再付着防止剤を含む場合、再付着防止剤は、約0.5質量%〜約10質量%、及び約1質量%〜約5質量%の量で含まれ得る。本発明の範囲に限定されることなく、本明細書に記載の全ての数値範囲は、範囲を規定する数値を含み、規定される範囲内の各整数を含む。
【0069】
安定化剤
固体洗剤組成物は安定剤も含むことができる。好適な安定剤の例としては、ホウ酸塩、カルシウム/マグネシウムイオン類、プロピレングリコール、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。濃縮物は安定剤を含む必要はないが、濃縮物が安定剤を含む場合には、それは濃縮物の所望のレベルの安定性を提供する量で含まれ得る。安定剤の例示的な範囲は、約20質量%まで、約0.5質量%〜約15質量%、及び約2質量%〜約10質量%を含む。本発明の範囲に限定されることなく、本明細書に記載の全ての数値範囲は、範囲を規定する数値を含み、規定される範囲内の各整数を含む。
【0070】
分散剤
固体洗剤組成物は分散剤も含むことができる。固体洗剤組成物中で使用され得る好適な分散剤の例としては、マレイン酸/オレフィンコポリマー、ポリアクリル酸、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。濃縮物は分散剤を含む必要はないが、分散剤が含まれる場合には、それは所望の分散特性を提供する量で含まれ得る。濃縮物中での分散剤の例示的な範囲は、約20質量%まで、約0.5質量%〜約15質量%、及び約2質量%〜約9質量%であり得る。本発明の範囲に限定されることなく、本明細書に記載の全ての数値範囲は、範囲を規定する数値を含み、規定される範囲内の各整数を含む。
【0071】
酵素
固体洗剤組成物中に含まれ得る酵素は、澱粉及び/又はタンパク質のしみの除去を助ける酵素を含む。例示的な酵素の種類としては、プロテアーゼ類、α−アミラーゼ類、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。使用され得る例示的なプロテアーゼ類としては、バチルスリケニフォルミス(Bacillus licheniformix)、バチルスレヌス(Bacillus lenus)、バチルスアルカロフィルス(Bacillus alcalophilus)、及びバチルスアミロリケファシンス(Bacillus amyloliquefacins)から誘導されるものを含むが、これらに限定されない。例示的なα―アミラーゼ類としては、バチルスズブチリス(Bacillus subtiles)、バチルスアミロリケファセインス(Bacillus amyloliquefaceins)、及びバチルスリケニフォルミス(Bacillus licheniformis)を含む。濃縮物は、酵素を含む必要はないが、濃縮物が酵素を含む場合には、それは固体洗剤組成物が使用組成物として提供されるときに、所望の酵素活性を提供する量で含まれ得る。濃縮物中での酵素の例示的な範囲は、約15質量%まで、約0.5質量%〜約10質量%、及び約1質量%〜約5質量%を含む。本発明の範囲に限定されることなく、本明細書に記載の全ての数値範囲は、範囲を規定する数値を含み、規定される範囲内の各整数を含む。
【0072】
ガラス及び金属の腐食防止剤
固体洗剤組成物は、約50質量%まで、約1質量%〜約40質量%、又は約3質量%〜約30質量%の量で金属腐食防止剤を含むことができる。本発明の範囲に限定されることなく、本明細書に記載の全ての数値範囲は、範囲を規定する数値を含み、規定される範囲内の各整数を含む。
【0073】
腐食防止剤は、腐食防止剤がないことを除けば他の点で同一である使用溶液に対するガラスの腐食及び/又はエッチングの速度より小さいガラスの腐食及び/又はエッチングの速度を示す使用溶液を提供するのに充分な量で固体洗剤組成物中に含まれる。使用溶液は、所望の腐食抑制特性を提供するために、少なくとも約6百万分の1(ppm)の腐食防止剤を含み得ることが予期される。より大量の腐食防止剤が、有害な効果なしに使用溶液中で使用され得ることが予期される。ある点では、腐食防止剤濃度の増加と共に増加した腐食及び/又はエッチング耐性の添加物の効果は失われ、そして追加の腐食防止剤は、固体洗剤組成物を使用するコストを単に増加させるであろうことが予期される。使用溶液は、約6ppm〜約300ppmの腐食防止剤、及び約20ppm〜約200ppmの腐食防止剤を含むことができる。好適な腐食防止剤の例としては、アルミニウムイオン源と、亜鉛イオン源との組み合わせ、及びアルカリ金属ケイ酸塩又はそれらの水和物を含むが、これらに限定されない。
【0074】
腐食防止剤は、アルミニウムイオン源と亜鉛イオン源との組み合わせと言うことができる。固体洗剤組成物が使用溶液の形態で提供される場合、アルミニウムイオン源及び亜鉛イオン源は、それぞれ、アルミニウムイオン及び亜鉛イオンを提供する。腐食防止剤の量は、アルミニウムイオン源と亜鉛イオン源との合計量に基づいて計算される。使用溶液中でアルミニウムイオンを提供するものは全てアルミニウムイオン源ということができ、そして使用溶液中に提供された場合に亜鉛イオンを提供するものは全て亜鉛イオン源ということができる。アルミニウムイオン源及び/又は亜鉛イオン源が反応して、アルミニウムイオン及び/又は亜鉛イオンを生成することは必要ではない。アルミニウムイオン類は、アルミニウムイオン源と考えることができ、そして亜鉛イオン類は、亜鉛イオン源と考えることができる。アルミニウムイオン源及び亜鉛イオン源は、有機塩類、無機塩類、及びそれらの混合物として提供され得る。例示的なアルミニウムイオン源としては、アルミン酸ナトリウム、臭化アルミニウム、塩素酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、ギ酸アルミニウム、酒石酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、オレイン酸アルミニウム、臭素酸アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウム亜鉛、及びリン酸アルミニウム等のアルミニウム塩類を含むが、これらに限定されない。例示的な亜鉛イオン源は、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、ヨウ化亜鉛、チオシアン酸亜鉛、フルオロケイ酸亜鉛、二クロム酸亜鉛、塩素酸亜鉛、亜鉛酸ナトリウム、グルコン酸亜鉛、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、クエン酸亜鉛、乳酸亜鉛、ギ酸亜鉛、臭素酸亜鉛、臭化亜鉛、フッ化亜鉛、ケイフッ化亜鉛、及びサリチル酸亜鉛等の亜鉛塩類を含むが、これらに限定されない。
【0075】
出願人らは、使用溶液中での亜鉛イオンに対するアルミニウムイオンの比を制御することによって、いずれかの成分の単独での使用と比較して、ガラス製品及びセラミックの減少した腐食及び/又はエッチングを提供し得ることを見いだした。すなわち、アルミニウムイオンと亜鉛イオンとの組み合わせは、腐食及び/又はエッチングの減少において相乗作用を提供できる。亜鉛イオン源に対するアルミニウムイオン源の比は、相乗効果を提供するために制御され得る。一般的に、使用溶液中での亜鉛イオンに対するアルミニウムイオンの重量比は、少なくとも約6:1であり得、約1:20未満であり得、及び約2:1〜約1:15であり得る。
【0076】
有効量のアルカリ金属ケイ酸塩又はそれらの水和物は、本発明の組成物及び方法の中で用いられ、金属保護能力を有する安定な固体洗剤組成物を形成できる。本発明の組成物中で用いられるケイ酸塩は、固体洗剤調合物中で通常使用されているものである。例えば、典型的なアルカリ金属ケイ酸塩は、無水であるか、又は好ましくは水和水(約5質量%〜約25質量%、特に約15質量%〜約20質量%の水和水)を含む、これらの粉末化した、粒子状の又は顆粒状のケイ酸塩である。これらのケイ酸塩は、好ましくはケイ酸ナトリウムであり、そして約1:1〜約1:5のNa
2O:SiO
2比をそれぞれ有し、そして典型的には、約5質量%〜約25質量%の量で利用できる水を含む。一般的に、ケイ酸塩は、約1:1〜約1:3.75、特に約1:1.5〜約1:3.75及び最も具体的には約1:1.5〜約1:2.5のNa
2O:SiO
2比を有する。約1:2のNa
2O:SiO
2比及び約16質量%〜約22質量%の水和水を有するケイ酸塩が最も好ましい。例えば、このようなケイ酸塩は、PQ Corporation、Valley Forge、PAから、GDケイ酸塩として粉末形態で及びBritesil H−20として顆粒状形態で入手可能である。これらの比は、単一のケイ酸塩組成物で又は組み合わせによって好ましい比をもたらすケイ酸塩の組み合わせで得られてもよい。好ましい比(約1:1.5〜約1:2.5のNa
2O:SiO
2比)の水和ケイ酸塩は、最適な金属保護を提供し、かつ固体洗剤を急速に形成することが見いだされている。水和ケイ酸塩が好ましい。
【0077】
ケイ酸塩類は、固体洗剤組成物中に含まれ、金属保護を提供することができるが、アルカリ性及び再付着防止剤としての追加的機能を提供することがさらに知られている。例示的なケイ酸塩類は、ケイ酸ナトリウム及びケイ酸カリウムを含むが、これらに限定されない。固体洗剤組成物は、ケイ酸塩類なしで提供され得るが、ケイ酸塩類が含まれる場合、それらは所望の金属保護を提供する量で含まれ得る。濃縮物は、少なくとも約1質量%、少なくとも約5質量%、少なくとも約10質量%、及び少なくとも約15質量%の量でケイ酸塩類を含むことができる。さらに、濃縮物中の他の成分のための充分な余地を提供するために、ケイ酸塩成分は、約35質量%未満、約25質量%未満、約20質量%未満、及び約15質量%未満のレベルで提供され得る。本発明の範囲に限定されることなく、本明細書に記載の全ての数値範囲は、範囲を規定する数値を含み、規定される範囲内の各整数を含む。
【0078】
香料及び染料
種々の染料、香水を含む着臭剤、及び他の美観増強剤(aesthetic enhancing agents)も組成物中に含まれ得る。組成物の外観を変更するために含まれ得る好適な染料は、Mac Dye−Chem Industries、Ahmedabad、Indiaから入手可能であるDirect Blue 86;Mobay Chemical Corporation、Pittsburgh、PAから入手可能であるFastusol Blue;American Cyanamid Company、Wayne、NJから入手可能であるAcid Orange 7;Sandoz、Princeton、NJから入手可能であるBasic Violet 10及びSandolan Blue/ Acid Blue 182;Chemos GmbH、Regenstauf、Germanyから入手可能であるAcid Yellow 23;Sigma Chemical、St.Louis、MOから入手可能であるAcid Yellow 17;Keyston Analine and Chemical、Chicago、ILから入手可能であるSap Green及びMetanil Yellow;Emerald Hilton Davis、LLC、Cincinnati、OHから入手可能であるAcid Blue 9;Capitol Color and Chemical Company、Newark、NJから入手可能であるHisol Fast Red 及びFluorescein;並びにCiba Specialty Chemicals Corporation、Greenboro、NCのAcid Green 25を含むが、これらに限定されない。
【0079】
組成物中に含まれ得る香料又は香水は、シトロネロール等のテルペノイド類、アミルシンナムアルデヒド等のアルデヒド類、ClS−ジャスミン又はジャスマル等のジャスミン、及びバニリンを含むが、これらに限定されない。
【0080】
流動助剤
種々の流動助剤も組成物に含み得る。流動助剤は、さらに、キャリヤー及び/又は流動促進剤と呼ばれてもよく、一般的に、本発明に従う固体洗剤組成物などの組成物の処理を改善することで知られている。本発明に従う均質な粉末成分の流動性を向上するための適切な成分は、例えば、無機又は有機の剤を含み得る。一態様によれば、無機の剤が好ましく、例えば、シリカ類、ホウ酸塩類、酢酸塩類、硫酸塩類などを含む。例えば沈降又はヒュームド形を含むシリカ類(例えば、Sipernat(登録商標)、Aerosil(登録商標)、CAB−O−SIL(登録商標))を採用することができ、例えば、Evonik Industriesから市販されている。
【0081】
製造及び使用方法
本発明の特定の理論に制限されることなく、実際の凝固メカニズムは、水酸化物の水和反応、例えば、水と水酸化ナトリウム(又は他のアルカリ金属水酸化物)との相互作用を介して発生する場合がある。ポリカルボン酸ポリマーに加えて、水酸化ナトリウム及び第二アルカリ源(例えば、メタケイ酸ナトリウム)の組み合わせは、凝固工程の動力学及び熱力学を制御する働きをし、かつ、追加の機能性材料が結合されて機能性の固体組成物を形成し得るといった凝固マトリックスを提供することが考えられる。例えば、ポリカルボン酸ポリマー及び他の機能性成分は、遊離水のドナー及び/又はアクセプターとして作用することにより、水酸化物を安定化する効果を有し得る。
【0082】
本発明の他の態様では、灰の水和、例えば、水と水和可能な塩との相互作用の結果としての凝固の態様があり得る。例えば、そのような実施形態によれば、炭酸塩は、遊離水のドナー及び/又はアクセプターとして作用することにより水和する。
【0083】
本発明の態様によれば、灰及び/又は水酸化物のアルカリ源の水和に対する水の移動速度を制御することにより、洗剤組成物の凝固速度が制御され、得られる固体洗剤組成物の製品に対する加工及び寸法安定性を提供し得る。凝固マトリックスがあまりに速く凝固する場合、組成物は、混合及び停止処理中に凝固する場合があるので、凝固速度は重要である。凝固マトリックスがあまりにもゆっくりと凝固する場合、貴重な加工時間が失われる。
【0084】
本発明の特定の理論に制限されることなく、一態様では、ポリカルボン酸ポリマーは、水酸化ナトリウム及び第二アルカリ源(例えば、メタケイ酸ナトリウム)を含む固体製品が膨潤しないことを確実にすることによって、最終製品に寸法安定性を提供するのに役立ち得る。固体製品が凝固した後に膨張する場合、種々の問題が発生し、これらに限定されないが、低下した密度、完全性、及び外観;並びに固体製品を分配又はパッケージする能力の欠如を含む。一般に、固体製品は、約3%未満、特に約2%未満の増大指数を有する場合に寸法安定性を有すると考えられる。増大指数は、通常の輸送/貯蔵条件下で凝固した後の一定期間にわたる、製品の増大又は膨潤の割合を意図する。洗剤製品に対する通常の輸送/貯蔵条件は、多くの場合、高温にさらされる洗剤組成物をもたらすので、固体洗剤製品の増大指数は、100°F〜120°Fの加熱前後の製品の1つ又はそれよりも多くの寸法を測定することによって決定され得る。測定した1つの寸法又は複数の寸法は、固体製品の形状及びそれが膨潤する方法に依存する。タブレットについては、直径と高さの両方の変化が一般的に測定され、増大指数を決定するために一緒に追加される。カプセルについては、単に直径が通常測定される。
【0085】
一般に、本発明の凝固マトリックスを使用する固体洗剤組成物は、アルカリ金属水酸化物のアルカリ源(例えば、水酸化ナトリウム)、第二アルカリ源(例えば、無水メタケイ酸ナトリウム)、ポリカルボン酸ポリマー、炭酸ナトリウム、水及び追加の機能性成分を組み合わせること、並びに前記成分が相互作用及び凝固を許容することによって作り出され得る。
【0086】
例えば、第1の実施形態では、固体洗剤組成物は、水酸化ナトリウム、無水メタケイ酸ナトリウム、ポリカルボン酸ポリマー、水装入物、炭酸ナトリウム、キレート剤、及び任意の機能性成分を含むことができる。例示的な実施形態では、固体洗剤組成物は、約1質量%〜90質量%のアルカリ金属水酸化物のアルカリ分、約0.1質量%〜約15質量%のポリカルボン酸ポリマー、約0.1質量%〜約25質量%の水、約20質量%〜約90質量%の炭酸ナトリウム、約0.1質量%〜約50質量%のグルコン酸ナトリウム等のキレート剤、並びに約0.1質量%〜約50質量%の第二アルカリ源及び/又は腐食防止剤を含む。別の例示的な実施形態では、固体洗剤組成物は、約5質量%〜70質量%のアルカリ金属水酸化物のアルカリ分、1質量%〜約10質量%のポリカルボン酸ポリマー、約0.1質量%〜約10質量%の水、約25質量%〜約90質量%の炭酸ナトリウム、約1質量%〜約50質量%のキレート剤、並びに1質量%〜50質量%の第二アルカリ源及び/又は腐食防止剤を含む。さらに別の例示的な実施形態では、固体洗剤組成物は、約10質量%〜50質量%のアルカリ金属水酸化物のアルカリ分、2.5質量%〜約10質量%のポリカルボン酸ポリマー、約1質量%〜約5質量%の水、約30質量%〜約70質量%の炭酸ナトリウム、約1質量%〜約50質量%のキレート剤、並びに1質量%〜50質量%の第二アルカリ源及び/又は腐食防止剤を含む。本発明の範囲に限定されることなく、本明細書に記載の全ての数値範囲は、範囲を規定する数値を含み、規定される範囲内の各整数を含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、水酸化ナトリウム、水及びポリカルボン酸ポリマーの相対量は、組成物内で制御される。凝固マトリックス及び追加の機能性成分は、水酸化ナトリウム及び水(水酸化物の水和)、及び/又は水と炭酸ナトリウム(灰の水和)の化学反応に起因して固体形態に硬化する。凝固マトリックスが凝固するとき、バインダー組成物が形をなして成分を結合及び固化し得る。成分の残りが固体組成物の残余を形成すると同時に、少なくとも成分の一部が会合してバインダーを形成する。凝固の工程は、これらに限定されないが、形成される組成物のサイズ、組成物の成分、及び組成物の温度を含む要因に応じて、数分から約6時間続く場合がある。
【0088】
本発明の一態様によれば、水和可能な塩(例えば、炭酸ナトリウム)、第二アルカリ源(例えば、無水メタケイ酸ナトリウム)及び少なくとも1つの追加的な機能性成分は、均質な粉末混合物に混ぜ合わされる。水の供給源は、洗剤組成物に組み込む前に均質な粉末混合物に添加され、固体水和物として提供され得る。本発明の一態様によれば、均質な粉末混合物への水の添加は、本願明細書では水「装入物」と呼ぶ。水装入物は、水酸化ナトリウム(及び必要に応じて、ポリカルボン酸ポリマー)とのその後の組み合わせのために凝固マトリックス中に含まれる。一態様では、水装入物は、約10%未満が好ましく、約1%〜約10%、又は約2%〜約10%である。
【0089】
その後、次いで、固体の水和物は、水酸化ナトリウム(及び任意にポリカルボン酸ポリマー)と混ぜ合わされる。洗剤組成物に添加される場合、本発明の方法に従って洗剤組成物を効果的に凝固させるために、水酸化ナトリウムは水及び炭酸ナトリウムのマトリックスと混ぜ合わされる。一般的には、水酸化ナトリウム及び炭酸ナトリウムの有効量は、水酸化物の水和工程及び/又は灰の水和工程への水の割合及び動きを制御することにより、凝固系の動力学及び熱力学を効果的に制御する量を意図する。
【0090】
凝固マトリックスを使用して形成された固体洗剤組成物は、バッチ又は連続的混合システムを使用して生成される。例示的な実施形態では、タブレットプレスの加工方法は、本発明の方法に従って均質の混合物からタブレットを形成するために使用される。いくつかの実施形態において、加工温度は、成分の溶融温度又は未満である。加工された混合物を成形、又は他の適切な手段により混合機から分配することができ、そうすると、洗剤組成物は固体形態に硬化する。マトリックスの構造は、その硬度、融点、材料分布、結晶構造、及び当該技術分野において公知の方法による他の類似の特性により特徴付けられ得る。一般に、本発明の方法に従って処理された固体洗剤組成物は、その塊全体にわたる成分の分布に関して実質的に均質であり、寸法的に安定である。
【0091】
具体的には、成形工程において、液体及び固体の成分は、最終的な混合システムに導入され、そして成分が実質的に均質の半固体混合物を生成し、その成分がその塊全体にわたって分散されるまで、連続的に混合される。例示的な実施形態において、成分は、少なくとも約5秒間混合システムで混合される。次いで、混合物は、混合システムから、ダイ若しくは他の成形手段の中に、又はそれらを介して排出される。次いで、生成物はパッケージ化される。例示的な実施形態では、形成された組成物は、1分未満、又は約1分〜約3時間の間に固体形態に硬化し始める。特に、形成された組成物は、数秒〜約1分の間に固体形態に硬化し始める。より具体的には、形成された組成物は、数秒〜約2分の間に固体形態に硬化し始める。
【0092】
用語「固体形態」に関して言えば、硬化した組成物は流動せず、かつ、適度なストレス又は圧力又は単なる重力下でその形状を実質的に保持するであろうことを意味する。固体組成物の硬度は、比較的緻密で硬い融合した固体生成物、例えば、コンクリートのようなものから、硬化したペーストであるとして特徴付けられる粘稠度のものに及び得る。さらに、「固体」という用語は、固体洗剤組成物の貯蔵及び使用の予想される条件下での洗剤組成物の状態を意図する。一般には、約100°Fまで、及び特に約120°Fを超える温度に曝されたときに、洗剤組成物が固体の形態で残るであろうことが予期される。
【0093】
得られた固体洗剤組成物は、押し出された、成型された若しくは成形された固体のペレット、ブロック、タブレット、粉末、顆粒、フレークを含む形態をとり得るが、これらに限定されず;あるいは、形成された固体は、その後、粉末、顆粒、若しくはフレークに粉砕又は形成され得る。本発明の実施形態では、固体洗剤組成物は、キャストされた固体生成物ではない。例示的な実施形態では、凝固マトリックスによって形成された押し出されたペレット材料は、約50グラム〜約250グラムの重量を有し、凝固マトリックスによって形成された押し出された固体は、約100グラム又はそれよりも多くの重量を有し、及び凝固マトリックスによって形成された固体ブロック洗剤、約0.25〜約10キログラムの質量を有する。固体組成物は機能性材料の安定化供給源を提供する。いくつかの実施形態では、固体組成物は、例えば、水媒体又は他の媒体に溶解され、濃縮及び/又は使用溶液を作り得る。前記溶液は、後の使用及び/又は希釈のために貯蔵容器に向けられてもよく、又は使用の場所に直接適用されてもよい。
【0094】
ある特定の実施形態では、固体洗剤組成物は単位用量の形態で提供される。単位用量は、全ての単位が単一の洗浄サイクルの間に使用されるようにサイズ化された固体洗剤組成物単位を意味する。本発明の態様によれば、固体洗剤組成物が単位用量として提供される場合、それは典型的には、約1グラム〜約250グラムのサイズを有する押し出されたペレット、又はタブレットとして提供される。
【0095】
他の実施形態において、固体洗剤組成物は、ブロック又は複数のペレット等の、多様な使用固体の形態で提供され、かつ、多様な洗浄サイクルのための水性洗剤組成物を生成するために繰り返し使用され得る。ある特定の実施形態では、固体洗剤組成物は、約5グラム〜約10キログラムの質量を有する、押し出されたブロック、又はタブレットとして提供される。ある特定の実施形態では、固体洗剤組成物の多様な使用形態は、約1キログラム〜約10キログラムの質量を有する。さらなる実施形態では、固体洗剤組成物の多様な使用形態は、約5キログラム〜約8キログラムの質量を有する。他の実施形態では、固体洗剤組成物の多様な使用形態は、約5グラム〜約1キログラム、又は約5グラムから約500グラムの質量を有する。
【0096】
洗剤組成物は固体製品に形成されるものとして説明されているが、洗剤組成物はまた、ペーストの形態で提供され得る。濃縮物がペーストの形態で提供される場合、洗剤組成物の完全な凝固が排除されるように、十分な水が洗剤組成物に添加される。また、分散剤及び他の成分が、成分の所望の分布を維持するために、洗剤組成物に組み込まれてもよい。
【0097】
本発明の種々の凝固マトリックスを多種多様な洗浄用途に使用することができる。いくつかの態様では、本発明の固形洗剤組成物は、環境に優しい、固体アルカリ性洗浄剤を必要とする用途で用いるのに適している。このような用途としては、これらに限定されないが、種々の食品サービス産業で使用されるもののような、コンビネーションオーブンにおけるリン酸塩を含まないアルカリ性洗剤の使用を含む。さらなる用途としては、例えば、食器洗浄用洗剤を採用する食器洗浄機、つけ置き洗剤、フライアーボイルアウト、パワーソークシンク及び関連する用途、ソークタンク、器具の再加工、洗濯物及び布地の洗浄及び脱染、カーペットの洗浄及び脱染、車両の洗浄及びケア用途、表面の洗浄及び脱染、キッチン及び風呂の洗浄及び脱染、床の洗浄及び脱染、所定の位置の洗浄作業、一般的な目的の洗浄及び脱染、並びに/又は工業用若しくは家庭用洗浄剤を含み得る。
【0098】
好ましい態様では、固体洗剤組成物が、コンビネーションオーブンを洗浄するのに特に適している。コンビネーションオーブンの種々の記載が、米国特許第5,368,008号明細書、米国特許第5,640,946号明細書、及び米国特許第6,410,890号明細書、欧州特許出願公開第0652405号明細書及び独国特許出願公開第2842771号明細書に開示され、それらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。例えば、コンビネーションオーブンは、ダブルオーブンスチーマー、ダブルオーブンボイラーを有するか、又は少なくとも1つのオーブンチャンバーとスチーム発生器及び/又はボイラーとを有する器具を意図し得る。本発明の固体洗剤組成物は、当技術分野で公知のコンビネーションオーブン器具の洗浄のために提供され得る。
【0099】
いくつかの態様では、例えば、米国特許第5,640,946号明細書で記載及び描かれているように、コンビネーションオーブンのスチーマー及び/又はボイラーの構成部品にアクセスしなければならないことの代わりに、固体洗剤組成物は、漏斗又は他の部材を介して、コンビネーションオーブン装置に直接添加され得る。これら及び本発明に従う固形洗剤組成物を供給するための他の注入ポイントは、当業者によって容易に確認することができるであろう。いくつかの態様において、本発明に従う固体洗剤組成物は、本発明に従う洗浄のためのコンビネーションオーブンへの送達用の水溶液又は懸濁液を生成するために最初に使用され得る。その後、液体組成物は、スプレーノズル及び/又はスプレージェット等の使用によって、装置の内部表面に適用される。
【0100】
本発明の固体洗剤組成物を用いる洗浄方法は、1つ又はそれよりも多くのリンス工程、脱灰工程、予備洗浄工程、及び/又は浸漬工程さらに含み得る。
【実施例】
【0101】
本発明の範囲内の多数の改変及び変化は当業者に明らかであろうから、本発明は、例示のみとして意図される以下の実施例でより具体的に記載される。特に断りのない限り、以下の例において報告されている全ての部、パーセンテージ、及び比は、重量基準であり、そして例において使用される全ての試薬は、下記の化学品供給業者から得られ、若しくは入手可能であり、又は従来技術によって合成され得る。
【0102】
以下の試験方法は、実施例1、2、及び3並びに比較例A及びBで製造された組成物を特徴づけるために使用された。
【0103】
成形品の寸法安定性試験
凝固マトリックスの一部としてポリカルボン酸ポリマーを用いる製品の約50グラムのバッチを、約20秒間、平方インチ(psi)あたり約1000ポンドでダイの中で最初にプレスし、タブレットを形成した。タブレットの直径及び高さを測定して記録した。タブレットを1日の間室温で維持し、次いで約120°Fの温度でオーブンに配置した。タブレットをオーブンから取り出した後、タブレットの直径及び高さを再度測定して記録した。加熱後のタブレットの直径及び高さの累積的な変化に基づく増大を測定することにより増大指数をタブレットに対して決定した。
【0104】
実施例1,2、及び3並びに比較例A及びB
実施例1,2、及び3は、凝固マトリックスの一部としてポリカルボン酸ポリマーを用いた本発明の組成物である。特に、実施例1,2、及び3の組成物は、凝固マトリックスの一部として、それぞれ、ポリアクリル酸ポリマー、変性ポリアクリル酸ポリマー、及びポリマレイン酸ポリマーを使用した。さらに、実施例1,2、及び3の組成物はまた、表1で提供されるように、炭酸ナトリウム(ソーダ灰又は重灰)、重炭酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、ビルダー、界面活性剤、消泡剤、水酸化ナトリウム及び水の成分濃度(重量パーセント)を含んだ。炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、ビルダー、界面活性剤、及び消泡剤を予備混合して粉末プレミックスを形成し、そしてポリカルボン酸ポリマー、水酸化ナトリウム及び水を予備混合して液体プレミックスを形成した。次いで、粉末プレミックスと液体プレミックスを一緒に混合して組成物を形成した。約50グラムの組成物を、約20秒間、約1000psiでタブレットにプレスした。
【0105】
比較例Aの組成物は、ポリカルボン酸ポリマーを含まないことを除き、比較例Aの組成物を実施例1、2、及び3のように調製した。
【0106】
メチルグリシン二酢酸(MGDA)粉末である、トリロンMパウダーの添加を除き、比較例Bの組成物を実施例1のように調製した。表1は、実施例1、2、及び3並びに比較例Aの組成物に対する成分濃度を提供する。表2は、比較例Bの成分濃度を提供する。
【0107】
【表1】
【0108】
【表2】
【0109】
次いで、加熱後の組成物の寸法安定性を観察するために、上述したように、実施例1、2、及び3並びに比較例Aの組成物を、成形品に対し寸法安定性試験に供した。その結果を以下の表3に示す。
【0110】
【表3】
【0111】
表3に示すように、実施例1,2、及び3の組成物の成形品は、比較例Aの組成物の成形品よりもかなり少ない膨潤を示した。特に、実施例1の組成物の製品は、直径でわずか0.6%増大及び高さで1.1%増大を有し、1.7%の増大指数をもたらした。実施例2の組成物の製品は、直径で0%増大及び高さで−0.6%増大を有し、プラスの増大指数をもたらさなかった。実施例3の組成物の製品は、直径で0.9%増大及び高さで1.2%増大のみを有し、2.1%の増大指数をもたらした。これと比較して、比較例Aの組成物の製品は、直径で2.7%増大及び高さで8.2%増大を有し、10.9%の増大指数をもたらした。
【0112】
実施例1、2、及び3並びに比較例Aの組成物における唯一の相違は、ポリカルボン酸ポリマーの存在であった。したがって、ポリカルボン酸ポリマーは、実施例1、実施例2、及び実施例3の組成物の製品の寸法安定性に役立ったと考えられる。比較例Aの組成物は、ポリカルボン酸ポリマーを含有しなかったので、該組成物は、固体製品内の水の動きを制御するためのメカニズムを含まなかった。
【0113】
比較例Bの組成物の6つのタブレットサンプルも膨潤試験を行った。このような各タブレットの直径及び高さを測定して記録した。タブレットを1日の間室温で維持し、次いで約120°Fの温度に加熱されたオーブンに配置した。最初のタブレットをオーブンから取り出したとき、タブレットは粉々に崩れ、寸法的に安定した製品の欠如を示した。残りのサンプルをオーブンからうまく取り出し、各タブレットの直径及び高さを測定し、以下の表4に記載されるように記録した。
【0114】
【表4】
【0115】
表4の結果によって理解し得るように、華氏120度にさらされた場合、MGDAを含むサンプル1、2、3、4、5及び6の各々は、安定ではなく及び/又は4.5%を超える増大を示した。
【0116】
キャスト製品に対する寸法安定性試験
凝固マトリックスの一部としてポリカルボン酸ポリマーを用いる製品の約4000グラムのバッチを最初にカプセルに注いだ。カプセルの直径を測定して記録した。カプセルを1日の間室温で維持し、2日間、約104°Fの温度のオーブン内に保持し、その後室温に戻した。カプセルを室温に戻した後、カプセルの直径を再び測定して記録した。加熱後の直径の変化に基づいて増大を測定することにより増大指数をカプセルに対して決定した。
【0117】
実施例4,5、及び6並びに比較例C
実施例4,5、及び6は、凝固マトリックスの一部としてポリカルボン酸ポリマーを用いる本発明の組成物である。特に、実施例4の組成物は、凝固マトリックスの一部としてポリアクリル酸ポリマーを使用し、実施例5の組成物は、凝固マトリックスの一部として変性ポリアクリル酸ポリマーを使用し、実施例6の組成物は、凝固マトリックスの一部としてポリマレイン酸ポリマーを使用した。実施例4,5、及び6の各々はまた、表3で提供されるように、軟水、ビルダー、水質調整剤、水酸化ナトリウム50%、炭酸ナトリウム(重灰)、アニオン性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤の成分濃度(重量パーセントで)を含む。前記液体(軟水、ビルダー、水質調整剤、ポリカルボン酸ポリマー、及び水酸化ナトリウム50%)を、液体プレミックスを形成するために予備混合し、かつ、前記粉末(炭酸ナトリウム、アニオン性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤)を、粉末プレミックスを形成するために予備混合した。次いで、液体プレミックス及び粉末プレミックスを混合して組成物を形成し、続いてこれをカプセルに注いだ。
【0118】
比較例Cの組成物は、ポリカルボン酸ポリマーを含まないが、同量の利用可能な水を含有することを除き、比較例Cの組成物を実施例4、5、及び6のように調製した。
【0119】
表5は、実施例4〜6及び比較例Cの組成物に対する成分濃度を提供する。
【0120】
【表5】
【0121】
実施例4、5、及び6及び比較例Cを形成した後、加熱後の組成物の寸法安定性を観察するために、上述のように、それらをキャスト製品に対し寸法安定性試験に供した。その結果を以下の表6に示す。
【0122】
【表6】
【0123】
表4に示されるように、実施例4、5、及び6の組成物のキャスト製品は、比較例Cの組成物のキャスト製品よりかなり少ない膨潤を示した。特に、実施例4の組成物の製品は、直径でわずか0.6%増大を経験し、0.6%の増大指数をもたらし、実施例5の製品は、直径でわずか1.3%増大を経験し、1.3%の増大指数をもたらし、及び実施例6の組成物の製品は、直径でわずか1.9%増大を経験し、1.9%の増大指数をもたらした。比較すると、比較例Cの組成物の製品は、直径で4.9%増大を有し、4.9%の増大指数をもたらす。
【0124】
実施例4、5、及び6並びに比較例Cの組成物中の唯一の相違は、ポリカルボン酸ポリマーの存在であった。したがって、ポリカルボン酸ポリマーは、実施例4、5、及び6の組成物の製品の寸法的な安定性に役立ったと考えられる。それに反して、比較例Cの組成物は、ポリカルボン酸ポリマーを含有しなかったので、該組成物は、固体製品内の水の動きを制御するためのメカニズムを含まなかった。
【0125】
実施例7、8及び9
実施例7、8及び9は、ポリマレイン酸及びポリアクリル酸の種々の組み合わせが利用されたときの洗浄性能を比較する。各実施例の組成物を表7に記載する。組成物を形成するために、炭酸ナトリウム、ビルダー、界面活性剤、及び二糖類を予備混合し、粉末プレミックスを形成し、そしてポリカルボン酸ポリマー、水酸化カリウム、ホスホン酸塩及び水を予備混合し、液体プレミックス形成した。次いで、粉末プレミックス及び液体プレミックスを一緒に混合して組成物を形成した。約1000グラムの組成物を、約20秒間、約1000psiでタブレットにプレスして固化させた。
【0126】
得られたタブレットを、17グレインの水を分配するAM−14自動食器洗浄機に採用した。次いで、ガラス製品を100回の洗浄及びリンスサイクルに供し、清浄度について試験した。清浄度を2つの方法で測定した。第一に、ガラス製品のデジタル光学画像を取得し、次いでコンピュータ分析により輝度値を分析することによって輝度値を決定した。輝度試験は、ガラス表面上に存在する膜の程度を示し、低い値はより少ない膜及びよりきれいなガラスを示す。第二に、目視評価を1〜5の評価尺度で測定し、より低い目視評価はよりきれいなガラスを示す。これらの試験の結果を表8に記載する。
【0127】
【表7】
【0128】
【表8】
【0129】
表8に記載された結果は、ポリマレイン酸及びポリアクリル酸の組み合わせが、ポリマレイン酸又はポリアクリル酸の単独に対して改善された洗浄性能を提供することを示している。
【0130】
実施例10〜23
本発明の目的に従う固体アルカリ性洗剤組成物を生成するための水酸化ナトリウムのアルカリ分の使用を評価するために、水、キレート剤、及びバインダーの異なる濃度及び供給源を使用する一連の実験を採用した。本発明に従う物理的に安定で耐久性の洗浄組成物を作製する方法を提供するために、固体の、リン酸塩を含まないアルカリ性洗剤のタブレットを作製するための種々の処方及び混合指示(mix instructions)を評価した。表9は、評価される成分を示し、炭酸カリウム(アルカリビルダー);硫酸ナトリウム(フィラー);グルコン酸ナトリウム(キレート剤);メタケイ酸二ナトリウム(アルカリ源、腐食防止剤);水酸化ナトリウム(活性洗浄剤、苛性);及びPEG(バインダー)を含む。
【0131】
【表9】
【0132】
良好なバッチ混合及び粉末移動が、実施例10〜23に対して観察された。粉末の外観はバッチによって異なり、粒子サイズの均一性はポリエチレングリコール(PEG)の含有量に依存した。目視評価は、その組成物中にPEGを含まない粉末が最も均一であったが、処方中のPEGの量が増加するにしたがって凝集体の形成が増加することを示した。溶融したPEGが混合中にバッチに添加されたときに凝集体を形成する。
【0133】
押出及びプレス固体に対する寸法安定性試験
2500、3000、及び4000ポンドでスクリーニングを行った。4000ポンドでのプレスが最高のタブレットを製造することを見出した。この負荷で作製されるタブレットは、良好で鮮明なエッジ、滑らかな表面及び高い圧縮強度を有した。他の2つの負荷で作製されたタブレットは、より多孔質な表面と弱いエッジを有した。全14回の実行に対するプレス型からのタブレットのリリースは不十分であった。プレスされた2〜3つのタブレット毎の後に、プレスヘッドを残留物がなくなるまで洗浄する必要があった。例えば、残留物が第三のタブレットの後に除去されなかった場合、その後、第四のタブレットは、プレスヘッドから離れないだろうし、鈍力又は水とタブレットを溶解させることのいずれかによって除去されるのみであろう。
【0134】
高アルカリ処方における潜在的なバインダーとしてPEG8000を使用することは、経時的にタブレットを褐色にした。色安定性は、PEGが処方においてどの程度含まれていたかに依存していた。実施例12及び19はPEGを含まず、経時的な変色を示さなかった。PEG8000を含有していた全ての実施例の場合、褐色は122°Fのチャンバー内で早ければ1日で観察された。
【0135】
寸法安定性
初期の高さ、直径、及び外観を記録した。次に、タブレットをプラスチック製のバッグに密封し、1週間2つの異なる環境チャンバー内に配置した。使用される2つの環境チャンバーは、雰囲気(72°F、相対湿度50%)及び122°F(相対湿度NA)であった。一週間後に、タブレットを再度測定し、外観を記録した。
【0136】
押出及びプレス製品の圧縮抵抗を決定するための手順
各バッチからの1つのタブレットを、作製されてから3時間以内に試験した。一週間の寸法安定性試験が完了した後、122°Fのタブレットを雰囲気条件に冷却し、次いで、圧縮強度を1組のタブレット両方に対して測定した。試験した製剤は、122°Fで物理的に安定ではなかった。タブレットは4%〜10%膨潤し、PEG8000と水酸化ナトリウムの両方を含有するタブレットは茶色に変わった。その結果は、本発明による組成物は、安定な、リン酸塩を含まないアルカリオーブン洗浄剤のタブレット組成物に対する好ましいバインダーとしてPEGを含まないことを示している。
【0137】
実施例24〜29
実施例10〜23の結果に基づいて、代替の凝固メカニズム、すなわち炭酸塩の水和をさらに評価した。水酸化カリウム及び炭酸ナトリウムを、異なるキレート剤を用いたタブレットの安定性に対する効果を決定するために評価した。
【0138】
表10は、評価される成分を示し、炭酸カリウム/カリ(アルカリビルダー);炭酸ナトリウム/灰(アルカリビルダー);クエン酸ナトリウム(キレート剤、バインダー);水酸化ナトリウム(活性洗浄剤、苛性、水和(50%));水(水和);メタケイ酸二ナトリウム(アルカリ源、腐食防止剤);及び硫酸ナトリウム(フィラー)を含む。
【0139】
【表10】
【0140】
炭酸カリウム、炭酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウムを、リボンブレンダーに加え、混合した。水酸化ナトリウム(50%)及び水を添加し、粉末が乾燥したように見えるまで混合した。メタケイ酸二ナトリウム、硫酸ナトリウム及び水酸化ナトリウムを添加し、粉末が均一に見えるまで混合した。実施例24〜29は、適切な混合を提供しなかった(粉末が湿っていて、塊状であり、及びリボンブレンダーから取り出すことが困難であった)。不十分な混合のため、粉末をタブレットにプレスせず、実験を終了した。
【0141】
実施例30〜38
実施例24〜29の結果に基づいて、炭酸カリウムの代わりに炭酸ナトリウムの使用を評価した。より物理的に安定なタブレット製剤を得るために、炭酸ナトリウム(重灰)の使用を組成物において評価した。
【0142】
表11は、評価される成分を示し、炭酸ナトリウム(アルカリビルダー);クエン酸ナトリウム(キレート剤、バインダー);クエン酸塩溶液(33%);水酸化ナトリウム(活性洗剤、苛性、水和(50%));水(水和);メタケイ酸二ナトリウム(アルカリ源、腐食防止剤);及び硫酸ナトリウム(フィラー)を含む。
【0143】
【表11】
【0144】
実施例30〜36については、炭酸ナトリウムをリボンブレンダーに添加し、混合した。クエン酸ナトリウムをゆっくりと加えた。次いで、粉末が均一になるまで、水/クエン酸塩溶液及びメタケイ酸二ナトリウムを混合した。その後、60グラムのタブレットを、直径1.75”のタブレットダイ及びCarverプレスを使用して3秒間保持し、4000ポンド(約1600psi)及び2500ポンドでプレスした。次いで、タブレットを破壊するのに必要な力を測定した(要するより高い力/圧力は、より耐久性のあるタブレットに変換する)。次いで、タブレットを、室温及び122°Fで1週間の寸法安定性試験に配置した。
【0145】
実施例37〜38については、炭酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウムをリボンブレンダーに添加し、混合した。粉末が均一になるまで、水及びメタケイ酸二ナトリウムを添加し、混合した。次いで、60グラムのタブレットを、直径1.75”のタブレットダイ及びCarverプレスを使用して3秒間保持し、4000ポンド(約1600psi)及び2500ポンドでプレスした。タブレットを破壊するのに必要な力を測定した(要するより高い力/圧力は、より耐久性のあるタブレットに変換する)。次いで、タブレットを、室温及び122°Fで1週間の寸法安定性試験に配置した。
【0146】
試験した製剤は72°Fで物理的に安定していたが、製剤は122°Fで物理的に安定ではなかった。タブレットは9%〜18%膨潤し、圧縮強度は、実施例30〜38全てにおいて弱かった。実施例33は、他の実施例に比較して改善された圧縮強度及び寸法安定性を示したが、製剤は凝固及び寸法安定性に対するさらなる改善を要した。
【0147】
実施例39〜42
実施例30〜38の結果に基づいて、メタケイ酸ナトリウムの異なるグレードの使用を評価した。凝固及び寸法安定性の改善を評価するために、より低い水のレベルで炭酸カリウムを有する製剤において、無水メタケイ酸ナトリウムを使用した。表12は、実施例の組成物において評価される成分を示す。
【0148】
【表12】
【0149】
実施例39〜40については、炭酸カリウム及びクエン酸ナトリウムをリボンブレンダーに添加し、混合した。水をゆっくりと加えた。次いで、粉末が均一になるまで、メタケイ酸二ナトリウム、硫酸ナトリウム及び水酸化ナトリウムを混合した。その後、25グラムのタブレットを、直径1.25”のタブレットダイ及びCarverプレスを使用して3秒間保持し、2000ポンドでプレスした。次いで、タブレットを破壊するのに必要な力を測定した(要するより高い力/圧力は、より耐久性のあるタブレットに変換する)。次いで、タブレットを、室温及び122°Fで1週間の寸法安定性試験に配置した。
【0150】
実施例41〜42については、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム及び無水メタケイ酸塩をリボンブレンダーに添加し、混合した。水をゆっくりと加えた。次いで、粉末が均一になるまで水酸化ナトリウムを混合した。その後、25グラムのタブレットを、直径1.25”のタブレットダイ及びCarverプレスを使用して3秒間保持し、2000ポンドでプレスした。次いで、タブレットを破壊するのに必要な力を測定した(要するより高い力/圧力は、より耐久性のあるタブレットに変換する)。次いで、タブレットを、室温及び122°Fで1週間の寸法安定性試験に配置した。
【0151】
図1〜2に示されるように、無水メタケイ酸ナトリウムを有するタブレット組成物の製剤は、メタケイ酸二ナトリウム五水和物を用いる従来例よりも少ない膨潤を有するより強いタブレットを生成した。また、実施例は、混合中に使用される水装入物が約1%未満であるとき、炭酸カリウムの使用が寸法的に安定な固体組成物を得ることが可能であることを示している。しかしながら、炭酸ナトリウムを使用することの追加の利点、すなわち改善された洗浄性能は、炭酸カリウムにまさってその好ましい使用をもたらす。
【0152】
実施例43〜46
実施例39〜42の結果に基づいて、耐久性と物理的に安定なタブレット組成物を作製するために、水の種々の濃度及び供給源の使用を評価した。表13は、実施例の組成物において評価される成分を示している。
【0153】
【表13】
【0154】
実施例43〜46については、炭酸ナトリウム、d−グルコン酸、クエン酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム及び/又は無水メタケイ酸塩をリボンブレンダーに加え、混合した。水をゆっくりと加えた。次いで、粉末が均一になるまでポリアクリル酸ナトリウムポリマー、及び水酸化ナトリウムを混合した。その後、60グラムのタブレットを、直径1.75”のタブレットダイ及びCarverプレスを使用して3秒間保持し、4000ポンド(約1600psi)及び2500ポンドでプレスした。次いで、タブレットを破壊するのに必要な力を測定した(要するより高い力/圧力は、より耐久性のあるタブレットに変換する)。次いで、タブレットを、室温及び122°Fで1週間の寸法安定性試験に配置した。
【0155】
図3〜4で示されるように、液体の水装入物と共に混合された実施例の製剤は、遊離の水装入物を有しない実施例の製剤よりも高い圧縮強度を有していた。実施例45は、最小量の膨潤(最大の寸法安定性を示す)を有する最も硬いタブレットを産出した。
【0156】
本発明は、好ましい実施形態を参照して記載されたが、当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、変形が形態及び詳細においてなされ得ることを認識するであろう。
【0157】
種々の変更及び追加を、本発明の範囲から逸脱することなしに、検討された例示的な実施形態に対して行うことができる。例えば、上述の実施形態は特定の特徴を言及すると同時に、本発明の範囲は、上述した特徴の全てを含まない特徴及び実施形態の異なる組み合わせを有する実施形態も含む。
【0158】
本明細書における全ての刊行物及び特許出願は、本発明が属する当業者のレベルを示している。各個々の刊行物又は特許出願が具体的かつ個別に参照により示されたかのように全ての刊行物及び特許出願は、本明細書において同程度に参照することにより組み込まれる。
本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[20]に記載する。
[項目1]
アルカリ金属水酸化物のアルカリ源と、
炭酸ナトリウムと、
無水ケイ酸塩の第二アルカリ源と、
水と、
少なくとも1つの機能性成分と、を含む固体洗剤組成物であって、
前記固体洗剤組成物はリンを含まず、かつ、華氏120度の温度で加熱された場合、前記固体洗剤組成物は3%未満の増大指数を有する、寸法的に安定な水和物の固体である、固体洗剤組成物。
[項目2]
少なくとも1つの機能性成分が、第二アルカリ源、洗剤ビルダー、界面活性剤、腐食防止剤、水質調整剤、キレート剤、流動助剤及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、項目1に記載の組成物。
[項目3]
機能性成分が、ポリアクリル酸ポリマー又はその塩若しくは誘導体である、項目1に記載の組成物。
[項目4]
機能性成分が、ポリアクリル酸ポリマー又はポリアクリレートポリマーであるポリカルボン酸ポリマーであり、組成物の約0.1質量%〜約15質量%を構成する、項目1に記載の組成物。
[項目5]
炭酸ナトリウムが、組成物の約20質量%〜約90質量%を構成する、項目1に記載の組成物。
[項目6]
水が、組成物の約0.1質量%〜約10質量%を構成する、項目1に記載の組成物。
[項目7]
前記組成物が、1つ若しくは複数のポリエチレングリコール及び/又は尿素を含まない、項目1に記載の組成物。
[項目8]
アルカリ金属水酸化物が、水酸化ナトリウムであり、組成物の約5質量%〜70質量%を構成する、項目1に記載の組成物。
[項目9]
少なくとも1つの機能性成分が、第二アルカリ源であり、組成物の約1質量%〜50質量%を構成する、項目1に記載の組成物。
[項目10]
少なくとも1つの機能性成分が、キレート剤であり、組成物の約1質量%〜50質量%を構成する、項目1に記載の組成物。
[項目11]
前記組成物は、水和物の固体タブレットである、項目1に記載の組成物。
[項目12]
固体洗剤組成物の約5質量%〜約70質量%の水酸化ナトリウムと、
固体洗剤組成物の約20質量%〜約90質量%の炭酸ナトリウムと、
固体洗剤組成物の約0.1質量%〜約15質量%のポリカルボン酸ポリマー又はその塩若しくは誘導体と、
固体洗剤組成物の約0.1質量%〜約10質量%の水と、
固体洗剤組成物の約1質量%〜約50質量%の第二アルカリ源であって、前記アルカリ源が無水メタケイ酸塩である、第二アルカリ源と
固体洗剤組成物の約1質量%〜約50質量%のキレート剤と、から本質的になる固体洗剤組成物であって、前記固体洗剤組成物は、リンを含まない水和物の固体であり、前記固体は、華氏120度の温度で加熱された場合、寸法的に安定であり、かつ3%未満の増大指数を有する、固体洗剤組成物。
[項目13]
水酸化ナトリウムが組成物の約10質量%〜50質量%を構成し、炭酸ナトリウムが組成物の約30質量%〜70質量%を構成し、ポリカルボン酸ポリマー又はその塩若しくは誘導体がポリアクリレートポリマーであり、組成物の約2.5質量%〜10質量%を構成し、水が組成物の約1質量%〜5質量%を構成し、第二アルカリ源が組成物の約1質量%〜20質量%を構成し、及びキレート剤が組成物の約5質量%〜25質量%を構成する、項目12に記載の組成物。
[項目14]
前記組成物が、1つ若しくは複数のポリエチレングリコール、尿素及び/又は炭酸カリウムを含まない水和物の固体タブレットである、項目13に記載の組成物。
[項目15]
固体洗剤組成物の形成方法であって、該方法が、
炭酸ナトリウム、無水ケイ酸の第二アルカリ源及び少なくとも1つの追加の機能性成分を混ぜ合わせて、粉末プレミックスを形成する工程と、
前記粉末プレミックスを水供給源と混合して、固体水和物を形成する工程と、
前記固体水和物を水酸化ナトリウムの供給源及び必要に応じてポリカルボン酸ポリマー又はその塩若しくは誘導体と混ぜ合わせる工程と、を備え、
前記固体洗剤組成物がリンを含まず、かつ、華氏120度の温度で加熱された場合、前記固体洗剤組成物が寸法的に安定であり、3%未満の増大指数を有する、固体洗剤組成物の形成方法。
[項目16]
固体洗剤組成物がタブレットである、項目15に記載の方法。
[項目17]
固体洗剤組成物は、固体洗剤組成物のうち、水酸化ナトリウムを約5質量%〜約70質量%、炭酸ナトリウムを約20質量%〜約90質量%、ポリカルボン酸ポリマー又はその塩若しくは誘導体を0.1質量%〜約15質量%、水を約0.1質量%〜10質量%、第二アルカリ源を約1質量%〜約50質量%、及びキレート剤を約1質量%〜約50質量%含む、項目15に記載の方法。
[項目18]
約30℃〜約50℃の雰囲気温度で前記組成物を凝固させる工程をさらに備える、項目15に記載の方法。
[項目19]
固体洗剤組成物の寸法安定性が2%未満の増大指数を有する、項目15に記載の方法。
[項目20]
水酸化ナトリウムが組成物の約10質量%〜50質量%を構成し、炭酸ナトリウムが組成物の約30質量%〜70質量%を構成し、ポリカルボン酸ポリマー又はその塩若しくは誘導体がポリアクリレートポリマー又はその塩若しくは誘導体であり、組成物の約2.5質量%〜10質量%を構成し、水が組成物の約1質量%〜5質量%を構成し、第二アルカリ源が組成物の約1質量%〜20質量%を構成し、及びキレート剤が組成物の約5質量%〜25質量%を構成する、項目15に記載の方法。