(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
案内スロット(12)は、測定ストリップ(13)を係合解除した後にさらに回転されたとき案内スロット(12)の外へ係合区間(11.1)を案内する傾斜路(12.4)を含む、請求項1に記載の分配機構(6)。
線ばね(11)は、略直線の内側区間(11.2)が2つの略直線の外側区間(11.3)に連結された略Z字状であり、それぞれの係合区間(11.1)が、各外側区間(11.3)の端部に配置され、係合区間(11.1)は、内側区間(11.2)および外側区間(11.3)が配置される平面から略直角を指すように屈曲している、請求項3に記載の分配機構(6)。
外側区間(11.3)は、それぞれの湾曲区間(11.4)を通って内側区間(11.2)に連結され、かつ/または係合区間(11.1)は、それぞれの湾曲区間(11.4)によって外側区間(11.3)に連結される、請求項4に記載の分配機構(6)。
案内スロット(12)は、ストリップカートリッジ(7)の表面(7.1)内に配置され、傾斜路(12.4)は、係合区間(11.1)を案内スロット(12)から表面(7.1)上へ案内するように配置される、請求項2〜7のいずれか1項に記載の分配機構(6)。
第1の区間(12.1)は、係合区間(11.1)が第1の区間(12.1)を通って並進運動するときばね(11)内にエネルギーを蓄積するように略直線であり、その結果、第2の区間(12.2)に到達した後、蓄積されたエネルギーは解放され、係合区間(11.1)を測定ストリップ(13)から係合解除する、請求項4または5に記載の分配機構(6)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、測定ストリップを分配するための改善された分配機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1に記載の分配機構によって実現される。
【0007】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項に与えられる。
【0008】
本発明によれば、測定ストリップを分配する分配機構は:
− 複数の測定ストリップおよび一度に1枚の測定ストリップを分配する分配スロットを保持する囲壁を有するストリップカートリッジと、
− ストリップカートリッジに対して回転可能に配置されたばねであって、ばねが回転されたとき、一度に測定ストリップの1枚に係合して分配スロットの外へ出すように適用された少なくとも1つの係合区間を含むばねと、
− ばねが回転されるにつれてばねの係合区間を案内するようにストリップカートリッジ内に配置された案内スロットとを含む。
【0009】
使用者は、ばねを回転させて測定ストリップを分配することができる。従来の分配器とは異なり、使用者は、次の測定ストリップを準備するために分配ボタンの方向を逆にする必要はない。代わりに、次の測定ストリップを分配するには、ばねをさらに回転させるだけで十分である。
【0010】
分配機構は、血糖測定ストリップまたは医療用もしくは非医療用の他のタイプの測定ストリップに使用することができる。
【0011】
例示的な実施形態では、案内スロットは、測定ストリップに平行かつその近傍に位置する第1の区間を含み、その結果、係合区間は、第1の区間内にあるとき血糖測定ストリップの1枚に係合し、第1の区間は、その後に第2の区間が続き、第2の区間は、係合区間が測定ストリップから係合解除されることを可能にするように向けられる。案内スロットのこの設計は、分配機構に一方向の特徴を提供し、ばねの係合区間が案内スロットの第2の区間に到達した後は使用者がばねの回転方向を逆にするのを防止する。
【0012】
例示的な実施形態では、案内スロットは、測定ストリップを係合解除した後にさらに回転されたとき案内スロットの外へ係合区間を案内する傾斜路を含む。これにより、係合区間は異なる平面内で測定ストリップの経路を交差することが可能になり、したがって使用者が測定ストリップを分配機構から取り外すことができる位置に測定ストリップが配置された後は、さらなる干渉を回避する。
【0013】
例示的な実施形態では、ばねは、線ばねとして配置される。線ばねは、略直線の内側区間が2つの略直線の外側区間に連結された略Z字状とすることができ、それぞれの係合区間が、各外側区間の端部に配置され、係合区間は、内側区間および外側区間が配置される平面から略直角を指すように屈曲している。これにより、ばねを180°回転させることによって1枚の測定ストリップを分配することが可能になる。
【0014】
例示的な実施形態では、外側区間は、それぞれの湾曲区間を通って内側区間に連結され、かつ/または係合区間は、それぞれの湾曲区間によって外側区間に連結される。湾曲区間と直線区間はどちらも、これらの区間を変形させることによってばね内にエネルギーを蓄積することを可能にする。
【0015】
例示的な実施形態では、ばねにサムホイールが回転するように連結される。サムホイールは、使用者の親指またはその他の指によってより容易に係合することができるため、ばねの回転を容易にする。
【0016】
例示的な実施形態では、線ばねの内側区間は、サムホイール内の横断スロットまたは孔内に保持される。
【0017】
例示的な実施形態では、案内スロットは、ストリップカートリッジの表面内に配置され、傾斜路は、係合区間を案内スロットから表面上へ案内するように配置される。表面は、係合区間が複数の測定ストリップの周りを回転するまで、係合区間が複数の測定ストリップに干渉しうる平面の外で係合区間を維持する。
【0018】
例示的な実施形態では、第1の区間は、係合区間が第1の区間を通って並進運動するときばね内にエネルギーを蓄積するように略直線であり、その結果、第2の区間に到達した後、蓄積されたエネルギーは解放され、係合区間を測定ストリップから係合解除する。係合区間は回転するとき自然に円形の経路をたどるはずであるが、案内スロットの第1の区間内に位置する限り線形の経路をたどるように強いられるため、エネルギーはばね内に蓄積される。
【0019】
例示的な実施形態では、複数の測定ストリップを案内スロットに向かって付勢するように第2のばねが配置され、したがって先行する測定ストリップがばねの係合区間および/または使用者によって通路から出されるとすぐ、新しい測定ストリップが自動的に定位置に入る。
【0020】
例示的な実施形態では、ストリップカートリッジ内に体積インジケータが開口部または窓として配置される。これにより、使用者は、測定ストリップの供給がどれだけ長く続くかを推定することが可能になる。
【0021】
例示的な実施形態では、サムホイールは、サムホイールの取扱いを改善するための把持プロファイルを含む。
【0022】
例示的な実施形態では、分配機構は、測定デバイスに組み立てられるように配置されたキャップ内に配置される。したがって、測定ストリップの供給部は、測定デバイスとは別個に収納された供給部とは異なり、使用者にとって容易に利用可能になる。
【0023】
例示的な実施形態では、測定デバイスは、分配機構を有するキャップを含む血糖測定デバイスである。
【0024】
本発明のさらなる適用可能範囲は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかし、詳細な説明および特有の例は本発明の好ましい実施形態を示すが、本発明の精神および範囲内の様々な変更および修正がこの詳細な説明から当業者には明らかになるため、例示のみを目的として与えられることを理解されたい。
【0025】
本発明は、以下の詳細な説明および添付の図面からより詳細に理解される。これらは、例示のみを目的として与えられ、したがって本発明を限定するものではない:
【発明を実施するための形態】
【0027】
すべて図において、対応する部分は同じ参照記号で示す。
【0028】
図1は、本体2および取り外し可能キャップ3を含む血糖測定デバイス1の例示的な実施形態の概略図である。血糖測定デバイス1は、注射針4を取り付けるように配置された薬物送達デバイスと一体化される。さらに、血糖測定デバイス1は、血糖測定に関係する情報を使用者に表示して使用者が血糖測定デバイス1を動作させることを可能にするインターフェース5を含む。インターフェース5は、タッチスクリーンとして配置することができる。血糖測定デバイス1は、血糖測定ストリップを挿入して分析するスロットまたはポート(図示せず)をさらに含む。
【0029】
図2は、血糖測定ストリップ用の一体化された分配機構6を有するキャップ3の例示的な実施形態の概略斜視図である。分配機構6は、複数の血糖測定ストリップを含むストリップカートリッジ7を保持するように配置される。キャップ3の外面内の開口部9を通って、サムホイール8が横方向に突出する。キャップ3内には、一度に1枚の血糖測定ストリップを分配するように分配スロット10が横方向に配置される。サムホイール8は、使用者が指、たとえば親指でサムホイール8を回転させることを有効にするようなプロファイルである。この回転の結果、分配スロット10から単一の血糖測定ストリップが放出される。
【0030】
図3は、分配機構6の概略斜視図である。サムホイール8は、線ばね11に回転可能に連結される。サムホイール8が回転すると、線ばね11の1つの係合区間11.1が、サムホイール8に面するストリップカートリッジ7の表面7.1内の案内スロット12に入り、
図3に部分的に見られる単一の血糖測定ストリップ13の裏面に作用する。
【0031】
図4は、第1の位置にある分配機構6の概略詳細図である。線ばね11は、略直線の内側区間11.2が2つの略直線の外側区間11.3に連結された略Z字状である。それぞれの係合区間11.1が、外側区間11.3の端部に配置される。内側区間11.2および外側区間11.3は、実質的に1つの平面内に配置されるが、係合区間11.1は、この平面から案内スロット12内へ略直角を指すように屈曲している。外側区間11.3は、それぞれの湾曲区間11.4を通って内側区間11.2に連結することができる。係合区間11.1は、同様に、それぞれの湾曲区間11.4によって外側区間11.3に連結することができる。内側区間11.2は、サムホイール8のハブ15(
図3参照)内の横断スロット14または孔内に保持され、したがって内側区間11.2は、回転中にサムホイール8に連結される。
【0032】
案内スロット12は、複数の血糖測定ストリップ13に対して平行に複数の血糖測定ストリップ13近傍でハブ15に対して接線方向Tを指す略直線の第1の区間12.1を含み、その結果、係合区間11.1は、第1の区間12.1内にあるとき血糖測定ストリップ13の1枚に係合する。第1の区間12.1は、その後に第2の区間12.2が続き、第2の区間12.2は実質的に外方方向Oを指し、すなわち実質的に第1の区間12.1に対して横断方向に配置され、係合区間11.1が弛緩して血糖測定ストリップ13から離れて係合解除されることを可能にする。第2の区間12.2を横断方向に配置することで、一方向の特徴を提供し、サムホイール8および線ばね11が回転方向Rとは逆に回転するのを防止する。一方向の機能性は、直角ではなく第1の区間12.1(図示の通り)に対して鋭角に第2の区間12.2を向けることによって改善することができる。
【0033】
第2の区間12.2は、その後に第1の区間12.1に対して平行である第3の区間12.3が続く。第3の区間12.3は、サムホイール8によってさらに回転されたとき係合区間11.1を案内スロット12からストリップカートリッジ7の表面7.1上へ案内する傾斜路12.4を含む。
【0034】
見やすいように、
図4〜7ではサムホイール8が省略されている。
【0035】
図4では、サムホイール8は回転方向Rに回転し、それによって線ばね11の係合区間11.1の1つを案内スロット12に入れ、複数の血糖測定ストリップ13のうちハブ15に対して最も遠い血糖測定ストリップである血糖測定ストリップ13の1枚に係合させる。他の係合区間11.1は、ストリップカートリッジ7の表面7.1上に位置する。
【0036】
使用者は、サムホイール8を引き続き回転させ、それによって線ばねの係合区間11.1は血糖測定ストリップ13とともに第1の区間12.1を移動する。第1の区間12.1が直線であるため、係合区間11.1は、弛緩しているときは自然にたどるはずの円形の経路をたどることができない。代わりに、内側区間11.2、外側区間11.3、および湾曲区間11.4の少なくとも1つが弾性的に変形し、したがって線ばね11内にエネルギーが蓄積される。係合区間11.1は、第1の区間12.1に沿って移動するにつれて、使用者が把持することができるのに十分なほど遠くへ血糖測定ストリップ13を分配スロット10から押し出す。
【0037】
図5は、第2の位置にある分配機構6の概略詳細図である。係合区間11.1は、案内スロット12の第1の区間12.1を移動して、第2の区間12.2に到達している。線ばね11内に蓄積されたエネルギーにより、係合区間11.1は少なくとも部分的に弛緩し、第2の区間12.2に沿って外方方向Oに移動して、血糖測定ストリップ13を係合解除し、第1の区間12.1をあけて、後の血糖測定ストリップ13が定位置に入り、たとえば第2のばねによって付勢されることを可能にする。係合区間11.1が第3の区間12.3に到達するとすぐに、線ばね11内に蓄積された残りのエネルギーにより、係合区間11.1は第3の区間12.3に沿って接線方向Tに動いた後、傾斜路12.4に到達する。
【0038】
図6は、第3の位置にある分配機構6の概略詳細図であり、係合区間11.1は傾斜路12.4に到達している。サムホイール8を引き続き回転させることで、係合区間11.1は外方方向Oとは逆に傾斜路12.4を進み、その結果、係合区間11.1は、案内スロット12から出て表面7.1上へ導かれ、したがって隣接する外側区間11.3、係合区間11.1、および関連する湾曲区間11.4を偏向させて、線ばね11内にエネルギーを蓄積する。
【0039】
この係合区間11.1が傾斜路12.4を移動して表面7.1上に位置するとき、他の係合区間11.1は、案内スロット12の第1の区間12.1に入るところであり、したがってサムホイール8を180°回転させた後、
図4に示す第1の位置に達する。表面7.1上に位置する係合区間11.1は、表面7.1を横切って移動した後に表面7.1の縁部に到達して係合区間11.1を表面7.1から動かすことを可能にすることによって第1の位置に到達し、したがって線ばね11のそれぞれの部材は弛緩することができる。ストリップカートリッジ7上の湾曲部分7.2は、係合区間11.1がストリップカートリッジ7と干渉しないでストリップカートリッジ7の周りを第1の位置に向かって移動することを可能にするように配置することができる。
【0040】
図示の実施形態では、線ばね11は、2つの係合区間11.1を有し、したがって、単一の血糖測定ストリップ13を放出するには、サムホイールを2分の1回転させるだけで十分である。しかし、血糖測定ストリップ13ごとにサムホイール8のより小さい回転を実現するために、より複雑なばね配置を使用することもできることが想定されよう。
【0041】
図7は、体積インジケータ16を有する分配機構6の例示的な実施形態の概略斜視図である。見やすいように、サムホイール8および線ばね11は省略されている。ストリップカートリッジ7は、複数の積み重ねた血糖測定ストリップ13および第2のばね17を収容する囲壁を含む。第2のばね17は、複数の血糖測定ストリップ13を外方方向Oに付勢するように配置され、前の血糖測定ストリップが分配スロット10から取り外された後に新しい血糖測定ストリップ13が定位置に確実に入るようにする。
【0042】
ストリップカートリッジ7は、キャップ3内に取り外し可能に配置することができ、したがって血糖測定ストリップ13がなくなったとき、使用者がこのストリップカートリッジ7を新しいストリップカートリッジに交換することを可能にする。ストリップカートリッジ7は、血糖測定デバイス1の本体2に係合するように適用されたキャップ3内の開口部3.1を通ってアクセス可能とすることができる。
【0043】
同様に、ストリップカートリッジ7は、新しい血糖測定ストリップ13の挿入を可能にするように開けられるように配置することができる。同様に、分配スロット10または代替の開口部を通って新しい血糖測定ストリップ13をストリップカートリッジ7内へ供給することができる。
【0044】
ストリップカートリッジ7がキャップ3内に取り外し可能に配置されている場合、ストリップカートリッジ7の挿入および取り外しを行うためのプッシュプッシュ機構を配置することができる。これにより、ストリップカートリッジ7の挿入および取り外しを簡略化することができる。
【0045】
図7に示す例示的な実施形態では、ストリップカートリッジ7は、ストリップカートリッジ7内に血糖測定ストリップ13がどれだけ残っているかを表示するために、体積インジケータ16を含む。体積インジケータ16は、表面7.1内に開口部または窓として配置され、目盛り18を有し、使用者が内部の血糖測定ストリップ13を見ることを可能にする。血糖測定ストリップ13が1枚ずつ取り外されると、開口部を通して残りの血糖測定ストリップ13の数を見ることができる。
図7では、ストリップカートリッジ7は、完全な1組の血糖測定ストリップ13を収容している。
【0046】
図1に示す実施形態では、血糖測定デバイス1は、注射針3を取り付けるように配置された薬物送達デバイスと一体化されている。しかし、これは必須ではない。血糖測定デバイス1は、同様に、薬物送達デバイスなしで配置することもできる。
【0047】
本明細書で使用する用語「薬物」または「薬剤」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで、一実施形態において、薬学的に活性な化合物は、最大1500Daまでの分子量を有し、および/または、ペプチド、タンパク質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体もしくはそのフラグメント、ホルモンもしくはオリゴヌクレオチド、または上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチの処置および/または予防に有用であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病または糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置および/または予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)もしくはその類似体もしくは誘導体、またはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4もしくはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4の類似体もしくは誘導体を含む。
【0048】
インスリン類似体は、たとえば、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、およびDes(B30)ヒトインスリンである。
【0049】
インスリン誘導体は、たとえば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、およびB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0050】
エキセンジン−4は、たとえば、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドであるエキセンジン−4(1−39)を意味する。
【0051】
エキセンジン−4誘導体は、たとえば、以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);または
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
(ここで、基−Lys6−NH2が、エキセンジン−4誘導体のC−末端に結合していてもよい);
【0052】
または、以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2(AVE0010)、
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desMet(O)14,Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
または前述のいずれか1つのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
から選択される。
【0053】
ホルモンは、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に列挙されている脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストである。
【0054】
多糖類としては、たとえば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、たとえば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。
【0055】
抗体は、基本構造を共有する免疫グロブリンとしても知られている球状血漿タンパク質(約150kDa)である。これらは、アミノ酸残基に付加された糖鎖を有するので、糖タンパク質である。各抗体の基本的な機能単位は免疫グロブリン(Ig)単量体(1つのIg単位のみを含む)であり、分泌型抗体はまた、IgAなどの2つのIg単位を有する二量体、硬骨魚のIgMのような4つのIg単位を有する四量体、または哺乳動物のIgMのように5つのIg単位を有する五量体でもあり得る。
【0056】
Ig単量体は、4つのポリペプチド鎖、すなわち、システイン残基間のジスルフィド結合によって結合された2つの同一の重鎖および2本の同一の軽鎖から構成される「Y」字型の分子である。それぞれの重鎖は約440アミノ酸長であり、それぞれの軽鎖は約220アミノ酸長である。重鎖および軽鎖はそれぞれ、これらの折り畳み構造を安定化させる鎖内ジスルフィド結合を含む。それぞれの鎖は、Igドメインと呼ばれる構造ドメインから構成される。これらのドメインは約70〜110個のアミノ酸を含み、そのサイズおよび機能に基づいて異なるカテゴリー(たとえば、可変すなわちV、および定常すなわちC)に分類される。これらは、2つのβシートが、保存されたシステインと他の荷電アミノ酸との間の相互作用によって一緒に保持される「サンドイッチ」形状を作り出す特徴的な免疫グロブリン折り畳み構造を有する。
【0057】
α、δ、ε、γおよびμで表される5種類の哺乳類Ig重鎖が存在する。存在する重鎖の種類により抗体のアイソタイプが定義され、これらの鎖はそれぞれ、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM抗体中に見出される。
【0058】
異なる重鎖はサイズおよび組成が異なり、αおよびγは約450個のアミノ酸を含み、δは約500個のアミノ酸を含み、μおよびεは約550個のアミノ酸を有する。各重鎖は、2つの領域、すなわち定常領域(C
H)と可変領域(V
H)を有する。1つの種において、定常領域は、同じアイソタイプのすべての抗体で本質的に同一であるが、異なるアイソタイプの抗体では異なる。重鎖γ、α、およびδは、3つのタンデム型のIgドメインと、可撓性を加えるためのヒンジ領域とから構成される定常領域を有し、重鎖μおよびεは、4つの免疫グロブリン・ドメインから構成される定常領域を有する。重鎖の可変領域は、異なるB細胞によって産生された抗体では異なるが、単一B細胞またはB細胞クローンによって産生された抗体すべてについては同じである。各重鎖の可変領域は、約110アミノ酸長であり、単一のIgドメインから構成される。
【0059】
哺乳類では、λおよびκで表される2種類の免疫グロブリン軽鎖がある。軽鎖は2つの連続するドメイン、すなわち1つの定常ドメイン(CL)および1つの可変ドメイン(VL)を有する。軽鎖のおおよその長さは、211〜217個のアミノ酸である。各抗体は、常に同一である2本の軽鎖を有し、哺乳類の各抗体につき、軽鎖κまたはλの1つのタイプのみが存在する。
【0060】
すべての抗体の一般的な構造は非常に類似しているが、所与の抗体の固有の特性は、上記で詳述したように、可変(V)領域によって決定される。より具体的には、各軽鎖(VL)について3つおよび重鎖(HV)に3つの可変ループが、抗原との結合、すなわちその抗原特異性に関与する。これらのループは、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。VHドメインおよびVLドメインの両方からのCDRが抗原結合部位に寄与するので、最終的な抗原特異性を決定するのは重鎖と軽鎖の組合せであり、どちらか単独ではない。
【0061】
「抗体フラグメント」は、上記で定義した少なくとも1つの抗原結合フラグメントを含み、そのフラグメントが由来する完全抗体と本質的に同じ機能および特異性を示す。パパインによる限定的なタンパク質消化は、Igプロトタイプを3つのフラグメントに切断する。1つの完全なL鎖および約半分のH鎖をそれぞれが含む2つの同一のアミノ末端フラグメントが、抗原結合フラグメント(Fab)である。サイズが同等であるが、鎖間ジスルフィド結合を有する両方の重鎖の半分の位置でカルボキシル末端を含む第3のフラグメントは、結晶可能なフラグメント(Fc)である。Fcは、炭水化物、相補結合部位、およびFcR結合部位を含む。限定的なペプシン消化により、Fab片とH−H鎖間ジスルフィド結合を含むヒンジ領域の両方を含む単一のF(ab’)2フラグメントが得られる。F(ab’)2は、抗原結合に対して二価である。F(ab’)2のジスルフィド結合は、Fab’を得るために切断することができる。さらに、重鎖および軽鎖の可変領域は、縮合して単鎖可変フラグメント(scFv)を形成することもできる。
【0062】
薬学的に許容される塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩としては、たとえば、HClまたはHBr塩がある。塩基性塩は、たとえば、アルカリまたはアルカリ土類、たとえば、Na+、またはK+、またはCa2+から選択されるカチオン、または、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)(式中、R1〜R4は互いに独立に:水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル基、場合により置換されたC2〜C6アルケニル基、場合により置換されたC6〜C10アリール基、または場合により置換されたC6〜C10ヘテロアリール基を意味する)を有する塩である。薬学的に許容される塩のさらなる例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」17版、Alfonso R.Gennaro(編)、Mark Publishing Company、Easton、Pa.、U.S.A.、1985およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0063】
薬学的に許容される溶媒和物は、たとえば、水和物である。
【0064】
本発明の完全な範囲および精神から逸脱することなく、本明細書に記載する装置、方法、および/またはシステムの様々な構成要素、ならびに実施形態の修正(追加および/または削除)を加えることができ、本発明は、そのような修正およびそのあらゆる均等物を包含することが、当業者には理解されよう。