特許第6374407号(P6374407)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6374407
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】異種網を利用した通話システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/00 20060101AFI20180806BHJP
   H04M 15/00 20060101ALI20180806BHJP
   H04L 12/903 20130101ALI20180806BHJP
   H04L 12/70 20130101ALI20180806BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20180806BHJP
【FI】
   H04M3/00 B
   H04M15/00 G
   H04L12/903
   H04L12/70 A
   H04M11/00 302
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-555923(P2015-555923)
(86)(22)【出願日】2014年2月5日
(65)【公表番号】特表2016-511972(P2016-511972A)
(43)【公表日】2016年4月21日
(86)【国際出願番号】KR2014000960
(87)【国際公開番号】WO2014123342
(87)【国際公開日】20140814
【審査請求日】2015年8月4日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0013715
(32)【優先日】2013年2月7日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2013-0086766
(32)【優先日】2013年7月23日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515010372
【氏名又は名称】オープンヴァックス・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】OPENVACS CO., LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】515213526
【氏名又は名称】ジョウン,ヤン・ミン
【氏名又は名称原語表記】JEOUNG,YOUNG MIN
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ジョウン,ヤン・ミン
【審査官】 山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−219268(JP,A)
【文献】 特開2009−005177(JP,A)
【文献】 特開2008−211665(JP,A)
【文献】 特表2007−537621(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0268828(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04L 12/00−12/26
12/50−12/955
H04M 3/00
3/16− 3/20
3/38− 3/58
7/00− 7/16
11/00−11/10
15/00−15/38
H04W 4/00− 8/24
8/26−16/32
24/00−28/00
28/02−72/02
72/04−74/02
74/04−74/06
74/08−84/10
84/12−88/06
88/08−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
MNO(Mobile Network Operator)およびプライベートモバイルネットワーク(Privatemobile network)のいずれかを含むIP網およびPSTN(PublicSwitched Telephone Network)を利用してmVOIP(mobile Voice over Internet Protocol)環境を実現し、これにより、音声通話をサポートするアプリ(App)がインストール可能な発信者端末および受信者端末にネットワーク接続され、
前記アプリ(App)が前記発信者端末にインストールされる場合、前記発信者端末が前記受信者端末に呼接続を要求するとき、前記アプリ(App)を介して前記発信者端末の接続網、前記接続網の状態および音声通話オプションの少なくとも一つを含む網状態情報を獲得し、
前記網状態情報に基づいて前記発信者端末と前記受信者端末との間の最低コストルートおよび最適品質ルートのいずれかを通信ルートとして設定し、
前記通信ルートは、前記発信者端末と前記受信者端末とのネットワーク接続をそれぞれの側において前記IP網および前記PSTNのいずれを介して行うかの選択を含む前記IP網および前記PSTNの選択的組み合わせによって形成されることを特徴とする、異種網を利用した通話システム。
【請求項2】
前記音声通話オプションは最低通話コストオプション、無料通話オプションおよび最適通話品質オプションのいずれか一つであることを特徴とする、請求項1に記載の異種網を利用した通話システム。
【請求項3】
前記異種網を利用した通話システムは、
前記IP網および前記PSTNのいずれかを介して前記発信者端末と通信を行う第1メディアゲートウェイと、
前記IP網および前記PSTNのいずれかを介して前記受信者端末と通信を行う第2メディアゲートウェイと、
前記発信者端末が前記受信者端末に呼接続を要求するとき、前記発信者端末および前記受信者端末のいずれかに対してユーザー登録およびログイン接続のいずれか一つを処理するVOIPサーバーと、
前記発信者端末から前記網状態情報を獲得するメッセージ処理サーバーと、
前記メッセージ処理サーバーから獲得した前記網状態情報を用いて前記発信者端末と前記受信者端末との間の通信ルートを形成するルートおよびコール処理サーバーとを含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の異種網を利用した通話システム。
【請求項4】
前記第1メディアゲートウェイは、
前記発信者端末にIP網を介して接続されるVOIPゲートウェイと、
前記発信者端末に電話網を介して接続されるPSTNゲートウェイとを含んでなることを特徴とする、請求項3に記載の異種網を利用した通話システム。
【請求項5】
前記第2メディアゲートウェイは、
前記受信者端末にIP網を介して接続されるVOIPゲートウェイと、
前記受信者端末に電話網を介して接続されるPSTNゲートウェイとを含んでなることを特徴とする、請求項3に記載の異種網を利用した通話システム。
【請求項6】
前記VOIPゲートウェイは、
H.323、SIP(Session Initiation Protocol)、MGCP(Media Gateway Control Protocol)、IAX(Inter−AsteriskeXchange)、WebRTC(Web Real−Time Communication)、RTP(Real−Time Transport Protocol)、SRTP(Secure Real−Time Transport Protocol)およびRTCP(RTPControl Protocol)のうちの少なくとも一つのプロトコルに応じて、前記発信者端末または前記受信者端末と音声通信を行い、
前記PSTNゲートウェイは、
No.7(SS7)、ISDN BRI、ISDN PRI、E1/T1 MFC−R2、E1/T1CAS、T1 Robbed−Bit、AnalogLoop Start、AnalogGround Start、AnalogKool Start、GSM(登録商標)、CDMA、WCDMA(登録商標)、LTE、およびLTEAdvancedのうちの少なくとも一つのプロトコルに応じて、前記発信者端末または前記受信者端末と音声通信を行うことを特徴とする、請求項4または5に記載の異種網を利用した通話システム。
【請求項7】
前記受信者端末は、
フィーチャーフォン、スマートフォン、有線電話およびインターネット電話のいずれか一つであることを特徴とする、請求項1に記載の異種網を利用した通話システム。
【請求項8】
発信者端末とのIP網を介したネットワーク接続および前記発信者端末とのPSTNを介したネットワーク接続が可能であり、前記発信者端末に前記IP網および前記PSTNのいずれかを介してネットワーク接続される第1メディアゲートウェイと;
受信者端末とのIP網を介したネットワーク接続および前記受信者端末とのPSTNを介したネットワーク接続が可能であり、前記受信者端末に前記IP網および前記PSTNのいずれかを介してネットワーク接続される第2メディアゲートウェイと;
前記発信者端末および前記受信者端末のいずれかにインストールされるアプリ(App)を介して前記発信者端末および前記受信者端末のいずれか一つの接続網、網状態および音声通話オプションを含む網状態情報を獲得するメッセージ処理サーバーと;
前記網状態情報を参照して通信コストおよび通話品質のいずれかによる通信ルートを形成するルートおよびコール処理サーバーと;を含み、
前記通信ルートは、前記発信者端末と前記受信者端末とのネットワーク接続をそれぞれの側において前記IP網および前記PSTNのいずれを介して行うかの選択を含む前記IP網および前記PSTNの選択的組み合わせによって形成されることを特徴とする、異種網を利用した通話システム。
【請求項9】
前記網状態情報は、
前記発信者端末または前記受信者端末が属する通信網、前記通信網の品質および音声通話オプションのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項8に記載の異種網を利用した通話システム。
【請求項10】
前記音声通話オプションは、
最低通話コストオプション、無料通話オプションおよび最適通話品質オプションのいずれかであることを特徴とする、請求項9に記載の異種網を利用した通話システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通話システムに係り、さらに詳しくは、携帯端末にボイストークのためのアプリがインストールされていない状態でも、プライベートモバイルネットワーク、MNO(Mobile Network Operator)およびPSTNを組み合わせて音声通話をサポートする、異種網を利用した通話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話およびスマートフォンで広く利用されているインスタントメッセンジャーサービスとしてカカオトーク(Kakao talk)が広く用いられており、現在、音声通信を無料で提供するボイストーク(Voice talk)も発売されている。インスタントメッセンジャーサービスやボイストークなどのVOIPベースのサービスは、カカオアプリのように、インスタントメッセージや音声パケットを送受信するための専用アプリが発信者側と受信者側の携帯端末にインストールされていなければならない。専用アプリは、図1に示すように、通信会社が提供するMNO(Mobile Network Operator)を用いてインスタントメッセージや音声パケットを送受信し、発信者の通信会社と受信者の通信会社とが異なる場合、互いに異なる通信会社に所属するMNOが連携されてインスタントメッセージや音声パケットを送受信することができる。
【0003】
すなわち、従来のインスタントメッセージや音声パケットは、発信者と受信者側の携帯端末に同じ専用アプリがインストールされなければならず、専用アプリが両方の携帯端末にインストールされている場合にのみインスタントメッセージや音声パケットを交換することができる。
【0004】
専用アプリに対する問題を解決するために、韓国特許公開2001−0061989号は、メッセージ受信者の電話番号を知っているとき、発信者が受信者の電話番号をアカウントのように用いてインスタントメッセージを受信者に提供するインスタントメッセンジャーシステムを提案している。ところが、 韓国特許公開2001−0061989号は、受信者の電話番号をアカウントとして用いてショートメッセージを交換することができても、mVOIPベースの無料音声通話をサポートすることはできない。
【0005】
現在、インスタントメッセンジャーサービスを提供するカカオ(株)からボイストークを提供しており、無料で音声通話を行うことができるようにしているが、これもまた、同じ専用アプリがインストールされた携帯端末同士の間のみで可能であるという限界がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国特許公開2001−0061989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、発信者と受信者の携帯端末の両方に専用アプリがインストールされなくても、mVOIPベースの無料通話および高品質の音声通話を実現することができる、異種網を利用した通話システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明によれば、MNO(Mobile Network Operator)およびプライベートモバイルネットワーク(Private mobile network)のいずれかを含むIP網とPSTN(Public Switched Telephone Network)を利用してmVOIP(mobile Voice over Internet Protocol)環境を実現し、これにより、音声通話をサポートするアプリ(App)がインストールされる発信者端末および受信者端末にネットワーク接続され、前記アプリ(App)が前記発信者端末にインストールされる場合、前記発信者端末が前記受信者端末に呼接続を要求するとき、前記アプリ(App)を介して前記発信者端末の接続網、前記接続網の状態および音声通話オプションの少なくとも一つを含む網状態情報を獲得し、前記網状態情報に基づいて前記発信者端末と前記受信者端末との間の最低コストルートおよび最適品質ルートのいずれかを通信ルートとして設定し、前記通信ルートは前記IP網および前記PSTNの選択的組み合わせによって形成される、異種網を利用した通話システムを提供する。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明によれば、発信者端末にIP網およびPSTNのいずれかを介してネットワーク接続される第1メディアゲートウェイと;受信者端末にIP網およびPSTNのいずれかを介してネットワーク接続される第2メディアゲートウェイと;前記発信者端末および前記受信者端末のいずれかにインストールされるアプリ(App)を介して前記発信者端末および前記受信者端末のいずれかの接続網、網状態および音声通話オプションを含む網状態情報を獲得するメッセージ処理サーバーと;前記網状態情報を参照して通信コストおよび通話品質のいずれかによる通信ルートを形成するルートおよびコール処理サーバーと;を含んでなり、前記通信ルートは前記IP網および前記PSTNの選択的組み合わせによって形成される、異種網を利用した通話システムを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る異種網を利用した通話システムは、発信者端末と受信者端末をIP網とPSTNを選択的に組み合わせて通信ルートを形成することにより、無料通話優先、通話品質優先および最適コスト優先の条件のうちいずれか一つを満たしながら、音声通話を行うことができるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】従来の通話システムの網接続を示す参照図である。
図2】本発明に係る異種網を利用した通話システムで発信者端末と受信者端末との間に音声パケットが移動する経路を示す概念図である。
図3】本発明に係る通話システムを示すブロック概念図である。
図4】プライベートモバイルネットワークとMNOとが通信ルートで接続される方式を示す参照図である。
図5】本発明の一実施形態に係る通話システムの呼処理および接続過程を示す流れ図である。
図6】本発明の一実施形態に係る通話システムの呼処理および接続過程を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書で言及される発信者端末と受信者端末は、携帯電話やスマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯機器であるか、一般有線電話やインターネット電話などの通信機器である。アプリ(App)のインストールが可能なものとしては携帯電話、スマートフォンおよびPDAがあり、有線電話やインターネット電話はアプリのインストールが困ることがある。
【0013】
一方、発信者端末と受信者端末が両方ともスマートフォンであるとしても、これらのうち、受信者端末には専用アプリ(App)がインストールされないこともある。この場合、受信者端末は、アプリのインストールが要求されないので、一般有線電話、スマートフォン、フィーチャーフォン、インターネット電話、およびその他の音声通話ができる様々な装置であってもよい。特に限定はしない。
【0014】
本明細書において、参照符号30、40は、MNO(Mobile Network Operator)またはMVNO(Mobile Virtual Network Operator)であってもよい。
【0015】
本明細書で言及されるVOIPゲートウェイは、H.323、SIP(Session Initiation Protocol)、MGCP(Media Gateway Control Protocol)、IAX(Inter−Asterisk eXchange)、WebRTC(Web Real−Time Communication)、RTP(Real−Time Transport Protocol)、SRTP(Secure Real−Time Transport Protocol)およびRTCP(RTP Control Protocol)のうち少なくとも一つのプロトコルに応じて、発信者端末または受信者端末と音声通信を行うことができる。
【0016】
本明細書で言及されるPSTNゲートウェイは、No.7(SS7)、ISDN BRI、ISDN PRI、E1/T1 MFC−R2、E1/T1 CAS、T1 Robbed−Bit、Analog Loop Start、Analog Ground Start、 Analog Kool Start、GSM(登録商標)、CDMA、WCDMA(登録商標)、LTE、LTE Advancedのうち少なくとも一つのプロトコルに応じて、発信者端末または受信者端末と音声通信を行うことができる。特に限定はしない。
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明を詳細に説明する。
図2は本発明に係る異種網を利用した通話システムで発信者端末と受信者端末との間に音声パケットが移動する経路を示す概念図である。
【0018】
図2を参照すると、本発明の異種網を利用した通話システム(以下、「通話システム」という。)は、MNO(Mobile Network Operator)30、40とプライベートモバイルネットワーク50、60とを選択的に組み合わせて発信者端末10と受信者端末20との間に音声パケット通路を形成することができる。プライベートモバイルネットワーク50、60は、ワイファイ(Wi−Fi)やワイブロ(WiBro)をサポートする形態のプライベート無線ルーターまたは企業で運用する小規模無線網である。
【0019】
MNO30、40は、発信者端末10と受信者端末20との間に無線音声通話をサービスする通信会社に属し、2G、3G、4G、Wi−Fi、WiBro、WiMax規格の無線通信を提供するシステムを意味することができる。同様に、プライベートモバイルネットワーク50、60も2G、3G、4G、Wi−Fi、WiBro、WiMax規格のいずれか一つの無線通信をサポートすることができる。本発明に係る通話システムは、プライベートモバイルネットワーク50、60とMNO30、40を選択的に利用して通信ルートを形成することができる。例えば、本発明に係る通話システムは、発信者端末10がMNO30、40を介して受信者端末20と呼接続を行うこともでき、発信者端末10がMNO30およびプライベートモバイルネットワーク60を介して受信者端末20と呼接続を行うこともできる。また、発信者端末10は、MNO40およびプライベートモバイルネットワーク60を介して受信者端末20と呼接続を行うこともできる。このように、本発明に係る通話システムは、MNO30、40とプライベートモバイルネットワーク50、60とを選択的に接続して通話品質に優れた通信ルートを形成するか、無料通話を中心に通信ルートを形成するか、或いは最低コストの通信ルートを形成することができる。
【0020】
ここで、無料通話は、発信者端末10と受信者端末20がワイファイ(Wi−Fi)のように無料通信を行うことが可能な領域に位置する場合に可能であるが、発信者端末10がMNO30、40を利用する場合にも可能である。通常、発信者端末10が携帯電話やスマートフォンなどの携帯端末であるとき、通信会社から無料通話時間が与えられる場合が多く、この場合、MNO30、40を経由する通信ルートもある程度の時間までは無料で音声通話が可能な無料通話が行われ得る。この場合、通話システムは、通信会社側のサーバーを介して発信者端末10が利用可能な無料通話時間についての情報を獲得することができる。
【0021】
発信者端末10に無料通話時間が与えられる場合、通話システム100は、MNO30、40を含む通信ルートを無料通話通信ルートとして形成することができ、このとき、通話システム100は、発信者端末10の無料通話時間をチェックしながら無料通話条件を満たすことができる。
【0022】
図3は通話システムを示すブロック概念図である。
図3を参照すると、通話システム100は、ルートおよびコール処理サーバー110、メッセージ処理サーバー120、VOIPサーバー130、第1メディアゲートウェイ140および第2メディアゲートウェイ150を含んで構成できる。
【0023】
第1メディアゲートウェイ140は、MNO30またはプライベートモバイルネットワーク50を介して発信者端末10にネットワーク接続され、MNO30との音声または画像データの送受信のためにPSTNゲートウェイまたはVOIPゲートウェイを含むことができ、MNO30にPSTNまたはIP網を介して接続できる。同様に、プライベートモバイルネットワーク50もPSTNまたはIP網を介して第1メディアゲートウェイ140に接続できる。
【0024】
第2メディアゲートウェイ150は、受信者端末20と連結されるMNO40またはプライベートモバイルネットワーク60に接続できる。第2メディアゲートウェイ150は、第1メディアゲートウェイ140と同様に、PSTNゲートウェイまたはVOIPゲートウェイを含むことができる。第1メディアゲートウェイ140と第2メディアゲートウェイ150は、MNO30、40およびプライベートモバイルネットワーク50、60のプロトコルに応じて、発信者端末10から受信者端末20へ向かう音声パケットを変換する必要がある。第1メディアゲートウェイ140と第2メディアゲートウェイ150は、VOIP関連プロトコルの場合、SIP(Session Initiation Protocol)、H.323、MGCP(Media Gateway Control Protocol)またはWebRTC(Web Real Time Communication)プロトコルを備えることができ、この他に、公衆電話網の音声処理関連プロトコルであるNO.7(SS7)、E1/T1 ISDN、E1/T1 MFC R2、Analog Loop Startプロトコルを備えることもできる。特に限定はしない。
【0025】
メッセージ処理サーバー120は、発信者端末10または受信者端末20から接続網が何なのか、網状態はどうなのか、発信者端末10または受信者端末20が設定した音声通話オプションは何なのかを判断し、状態情報を生成し、これをルートおよびコール処理サーバー110へ提供することができる。
【0026】
VOIPサーバー130は、発信者端末10と受信者端末20とが接続するとき、発信者端末10と受信者端末20のうち、発信者端末10、または発信者端末10と受信者端末20の両方に同じ専用アプリがインストールされる場合、専用アプリを介してインスタントメッセージまたは音声パケットを送受信するようにすることができる。ここで、専用アプリは無料音声通信をサポートするアプリを指し示すことができるが、一例として、本出願人のウェブサイト(http://www.playoto.com)で配布されるアプリを指し示すことができる。
【0027】
ルートおよびコール処理サーバー110は、発信者端末10または受信者端末20の接続網、網状態、および発信者端末10側の音声通話オプションを獲得し、音声通話オプションを参照して発信者端末10が通話品質を最優先にするか、無料通話を最優先にするかを判断し、判断結果に基づいて通信ルートを形成することができる。通信ルートは、MNO30、40、プライベートモバイルネットワーク50、60またはPSTNを選択的に組み合わせて形成することができる。このとき、発信者端末10に通信サービスを提供する通信会社サーバーが発信者端末10に提供する無料通信コストが存在する場合、通信ルートにMNO30、40が含まれていても無料通信に分類できるのである。
【0028】
すなわち、通信ルートを無料通信と設定する場合、MNO30、40が通信ルートに含まれても無料通話が可能であることを意味する。
【0029】
図4はプライベートモバイルネットワークとMNOとが通信ルートで接続される方式を示す参照図である。
【0030】
図4を参照すると、携帯端末80、81は、モバイルネットワークが可能な機種であり、付近の無線ルーターまたは企業用無線網に無線接続できる。無線ルーターまたは企業用無線網は有線ネットワークに接続できる。このような無線ルーターまたは企業用無線網はプライベートモバイルネットワークといえる。
【0031】
プライベートモバイルネットワークを利用して、携帯端末80、81は、MNO31にネットワーク接続でき、MNO31を介して受信者端末82にネットワーク接続できる。
【0032】
このようなネットワーク接続を介して、携帯端末80、81は、受信者端末82とVOIPベースで接続できる。このとき、通信会社サーバーに所属するMNO31が携帯端末80、81に無料データ利用時間を割り当てることが可能な場合、MNO31とプライベートモバイルネットワークとの組み合わせ形態でも、無料通話が可能な通信ルートを形成することができるのである。場合によっては、通信会社が提供する無料通話イベントを用いて、無料通話が可能な通信ルートを形成することもできる。このために、通話システムは、通信会社サーバーに接続されて通信会社サーバーを介して携帯端末80、81の無料通話時間とイベント情報を獲得することが好ましい。
【0033】
図5および図6は本発明に係る通話システムの呼処理および接続過程を示す流れ図である。
【0034】
まず、図5は通話品質を優先にする最適品質ルートに対する流れ図を示す。
図5を参照すると、発信者端末10と受信者端末20は、VOIPサーバー130にログインするか或いはユーザー登録を行うことができる。
【0035】
メッセージ処理サーバー120は、VOIPサーバー130に登録された(またはログインされた、以下省略する。)発信者端末10と受信者端末20から状態情報を獲得し、これをルートおよびコール処理サーバー110へ提供することができる。ここで、状態情報は、発信者端末10と受信者端末20がそれぞれ属する通信網、網の品質および音声通話オプションを含む情報であって、音声通話オプションは、通話品質が優先なのか、通話コストが優先なのかを設定する情報を意味することができる。通話品質が優先される場合、ルートおよびコール処理サーバー110は、発信者端末10と受信者端末20が高い通話コストを支払っても切れず、優れた音声識別力を有するMNO30、40およびプライベートモバイルネットワーク50、60を用いて通信ルートを形成しなければならず、通話コストが優先される場合、Wi−Fi、WiBroおよびその他の無料通話をサポートするネットワークを最大限活用して通信ルートを形成しなければならない。このとき、発信者端末10で設定された音声通話オプションに応じて、発信者端末10が負担すべき通信コストに関する情報がルートおよびコール処理サーバー110に提供できる。
【0036】
ルートおよびコール処理サーバー110に状態情報が提供されると、VOIPサーバー130は、発信者端末10と受信者端末20のログイン状態をルートおよびコール処理サーバー110に通報し、ルートおよびコール処理サーバー110は、データベース(図示せず)に発信者情報、発信者アプリ情報、課金情報、受信者(着信者は、以下省略する)情報、および呼処理情報を保存し、メッセージ処理サーバー120へPSTN、VOIP接続番号、課金情報、受信者情報を含むルート情報を提供することができる。メッセージ処理サーバー120は、発信者端末10にルート情報を提供し、発信者端末10が第1メディアゲートウェイ140にPSTNまたはVOIPに接続し、第1メディアゲートウェイ140は、ルートおよびコール処理サーバー110へ発信者端末10のコール接続情報を伝送することができる。その後、ルートおよびコール処理サーバー110は、発信者と受信者の情報を照会し、発信者端末10と受信者端末20の網状態を照会した後、最適の状態を持つ網を組み合わせて通信ルートを形成する。次いで、ルートおよびコール処理サーバー110は、通信ルートに関する情報(ルート情報)を第1メディアゲートウェイ140および第2メディアゲートウェイ150に提供し、これにより発信者端末10と受信者端末20との間に呼接続を行うことができる。
【0037】
図6は発信者端末のみに呼処理のための専用アプリがインストールされる場合に対する流れ図を示す。
【0038】
図6を参照すると、発信者端末10にはコール処理のための専用アプリがインストールされるが、受信者端末20にはインストールされない場合を示すもので、発信者端末10のみVOIPサーバー130にログイン(または登録)する。その後、発信者端末10はメッセージ処理サーバー120へ状態情報を提供し、メッセージ処理サーバー120はこれをルートおよびコール処理サーバー110へ伝達することができる。
【0039】
このとき、発信者端末10は、発信者情報、発信者アプリ情報、発信者電話番号および受信者電話番号を含む呼処理情報をメッセージ処理サーバー120を経由してルートおよびコール処理サーバー110へ伝達する。
【0040】
ルートおよびコール処理サーバー110は、発信者情報、発信者アプリ情報、課金情報および受信者情報を含む呼処理情報をデータベースに保存し、その後、メッセージ処理サーバー120を経由して発信者端末10へルート情報を提供することができる。発信者端末10はルート情報を参照して第1メディアゲートサーバー140に接続し、第1メディアゲートサーバー140はルートおよびコール処理サーバー110に発信者端末10のコール接続情報を伝達することができる。ルートおよびコール処理サーバー110は、発信者情報および受信者情報を照会し、発信者端末10と受信者端末20の網状態を照会し、呼接続のための対象、すなわちルート対象を決定することができる。以後は図5を介して上述したのと同様なので、これを準用するものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6