(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る電子部品ユニット、及び電気接続箱の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、下記の実施形態における構成要素は、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【0012】
[実施形態1]
まず、実施形態1に係る電子部品ユニット、及び電気接続箱について説明する。
図1は、実施形態1に係る電子部品ユニット及び電気接続箱の概略構成を表す部分斜視図である。
図2は、実施形態1に係る電子部品ユニットの分解斜視図である。
図3は、実施形態1に係る電子部品ユニットの断面図である。
図4は、実施形態1に係る電子部品ユニットの断面図である。ここで、
図3は
図1におけるS−S断面図であり、
図4は
図1におけるR−R断面図である。また、各図のX方向は、本実施形態における電子部品ユニットの長手方向である。Y方向は、本実施形態における電子部品ユニットの幅方向であり、長手方向と直交する方向である。Z方向は、本実施形態における電子部品ユニットの上下方向であり、幅方向、及び長手方向と直交する方向である。Z1方向は、上方向である。Z2方向は、下方向である。
【0013】
電気接続箱100は、筐体101と、筐体101によって形成される筐体内部空間部102を有する。電気接続箱100は、
図1に示すように、筐体内部空間部102に電子部品ユニット1を少なくとも1つ収容して、自動車に配索される図示しないワイヤハーネスに組み込まれ、電線等の接続処理用部品を構成する端子金具、リレー、抵抗等の電装品を集約して内部に収容するものである。電気接続箱100は、バッテリなどの電源から供給された電力を車両内の各種電子機器に分配する。なお、電気接続箱100は、ジャンクションボックス、ヒューズボックス、リレーボックスなどとも呼ばれる場合があるが、本実施形態ではこれらを総称して電気接続箱と呼ぶ。
【0014】
本実施形態における電子部品ユニット1は、図示しない電源から供給された電力を車両内の各種電子機器に分配する電力分配回路の一部を構成するものである。電子部品ユニット1は、収容部材2と、バスバー3と、複数の端子4と、複数の電子部品5と、を備える。
【0015】
収容部材2は、バスバー3、端子4、電子部品5を内部に収容する部材である。収容部材2は、電気接続箱100に収容される前に、バスバー3、端子4、電子部品5を予め内部に組み付けておくことで、取扱いを容易にするものである。収容部材2は、例えば、合成樹脂製であり、
図1及び
図4に示すように、内部空間部2aと、周壁20と、位置決め底板21と、仕切板22と、端子仕切板23と、突起部24と、隔壁25とを有する。
【0016】
内部空間部2aは、電源空間部2bと、収容空間部2cとを有する。周壁20は、収容空間部2cを形成するものである。周壁20は、複数の壁部から構成され、壁部が互いに連なって、略ロの字型の筒状を形成する。収容部材2は、周壁20により収容空間部2cを上下方向の両端部において外部に連通させ、下方側に形成された開口部である下側開口部(第1開口部)2dと、上方側に形成された開口部である上方側開口部(第2開口部)2eと、を有する。周壁20は、電源空間部2bと収容空間部2cとの境界となる壁部にスリットが形成されており、電源空間部2bと収容空間部2cとがスリットを介して連通される。収容空間部2cには、位置決め底板21と、仕切板22と、端子仕切板23と、突起部24と、隔壁25とが設けられている。
【0017】
位置決め底板21は、
図3及び
図4に示すように、収容空間部2cに収容された電子部品5の下方側端部と接して、電子部品5の上下方向(Z方向)の位置を決定するものである。位置決め底板21は、平板状に形成され、長手方向(X方向)における両端部が周壁20の長手方向において対向する内壁面20aと内壁面20bとに連結して形成される。位置決め底板21は、幅方向(Y方向)における内壁面20c側(バスバー3側)の端部が内壁面20cと連結し、内壁面20d側(端子4側)の端部が内壁面20dと離間して形成される。位置決め底板21の幅方向における幅は、端子4側の端部と内壁面20dとの間を端子4が貫通することができる幅に形成されている。位置決め底板21は、上下方向において、
図1及び
図4に示すように、電子部品5を収容空間部2cに収容したとき、電子部品5の上方側端面が上方側開口部2eから突出するように形成される。ここで、収容空間部2cは、位置決め底板21によって、位置決め底板21を境界に、上方側空間部2fと下方側空間部2gに区画される。位置決め底板21は、
図3及び
図4に示すように、スリット21aが形成される。スリット21aは、上下方向において、位置決め底板21を貫通して形成され、上方側空間部2fと下方側空間部2gとがスリット21aを介して連通される。スリット21aは、内壁面20aから内壁面20bまで、長手方向全体に亘って形成される。スリット21aの幅方向における幅は、バスバー3を収容空間部2cに挿入したとき、バスバー3の後述する矩形部30が貫通することができる幅に形成されている。
【0018】
仕切板22は、
図4に示すように、下方側空間部2gに設けられる。仕切板22は、幅方向において、下方側空間部2gをバスバー3が挿入されるバスバー側空間部2hと、端子4が挿入される端子側空間部2iとに、区画するものである。仕切板22は、平板状に形成され、長手方向における両端部が内壁面20aと内壁面20bとに連結して形成される。仕切板22は、位置決め底板21の端子4側の端部から下方側開口部2dまで、下方向に延在して形成される。つまり、収容空間部2cには、幅方向から見た場合に、位置決め底板21及び仕切板22により、内壁面20cから突出した逆L字状の板(壁)が、長手方向全体に亘って形成されている。従って、バスバー側空間部2hと上方側空間部2fとは位置決め底板21より区画されるが、端子側空間部2iと上方側空間部2fとは区画されない。
【0019】
端子仕切板23は、
図4に示すように、端子側空間部2iに設けられる。端子仕切板23は、長手方向において、複数形成されており、端子側空間部2iを長手方向において分割して、複数の端子側分割空間部2jを形成するものである。本実施形態における各端子側分割空間部2jは、長手方向において等間隔に形成されており、端子4が個々に収容される。端子仕切板23は、平板状であり、幅方向において仕切板22と内壁面20dと連結して形成される。端子仕切板23は、上下方向において、仕切板22の上方側端部から下方側開口部2dまで、下方向に延在して形成される。
【0020】
突起部24は、
図4に示すように、各端子側分割空間部2jにそれぞれ設けられる。突起部24は、位置決め底板21とともに、収容空間部2cに収容された電子部品5の下方側端部と接して、電子部品5の上下方向の位置を決定するものである。突起部24は、端子仕切板23の上方側端部において、上下方向から見た場合に、端子側分割空間部2jに突出して形成されている。本実施形態における突起部24は、内壁面20dにも連結する。突起部24は、端子仕切板23から、隣り合う端子側分割空間部2jにそれぞれ突出して形成されている。つまり、1つの端子側分割空間部2jには、長手方向において対向して2つの突起部24が形成されている。突起部24の幅方向における幅は、突起部24のバスバー3側の端部と仕切板22との間を端子4が貫通することができる幅に形成されている。
【0021】
隔壁25は、
図2及び
図3に示すように、上方側空間部2fに設けられる。隔壁25は、収容空間部2cに収容する電子部品5の数に応じて、長手方向において、複数形成されている。各隔壁25は、上方側空間部2fを長手方向において分割して、分割空間部2kを形成するものである。本実施形態における各隔壁25は、長手方向において等間隔に形成されており、電子部品5が個々に収容される。隔壁25は、平板状に形成され、幅方向において、周壁20の
幅方向において対向する内壁面20cと内壁面20dとを連結して形成される。隔壁25は、上下方向において、位置決め底板21及び端子仕切板23の上方側端面から上方側に向かって突出し、上方側開口部2eまで、延在して設けられる。つまり、隔壁25は、上下方向において、端子仕切板23と連続しており、端子仕切板23と一枚の平板を形成する。
【0022】
隔壁25は、スリット25aが形成されている。スリット25aは、バスバー3の矩形部30が挿入されるものである。スリット25aは、上下方向において、隔壁25の下方側端部から、上方向に向かって形成される。スリット25aは、長手方向において、隔壁25を貫通して形成されており、隣り合う分割空間部2kがスリット25aを介して連通する。スリット25aは、幅方向において、位置決め底板21と対向して形成されており、スリット21aと連通して形成される。スリット25aの上方側端部は、バスバー3を収容空間部2cに挿入したとき、バスバー3の上方側の移動を規制するため、隔壁25の上方側端部より下方側の位置に形成される。
【0023】
ここで、バスバー側空間部2hには、バスバー保持部26及びバスバー規制部27a,27bが設けられる。バスバー保持部26は、
図3及び
図4に示すように、内壁面20cからバスバー側空間部2hに突出して形成される。バスバー保持部26は、バスバー3がバスバー側空間部2hに収容されたとき、バスバー3の矩形部30の下方側端部と接触し、スリット25aとともにバスバー3の上下方向における移動を規制することで、バスバー3の矩形部30がスリット25aに挿入された状態で、バスバー3を保持する。バスバー保持部26は、上下方向において、下方側から上方側に向かって、内壁面20cから離間した状態で突出して、弾性変形可能に形成される。バスバー規制部27a,27bは、幅方向において対向して形成され、長手方向において等間隔に形成される。バスバー規制部27a,27bは、バスバー3が間に挿入されることで、バスバー3の幅方向に対する移動を規制するものである。バスバー規制部27aは、内壁面20cに対応する壁部に形成され、位置決め底板21の下方側端面から下方側開口部2dまで、下方向に延在して形成される。バスバー規制部27bは、仕切板22に形成され、位置決め底板21の下方側端面から下方側開口部2dまで、下方向に延在して形成される。バスバー規制部27a,27bの下方側端部には、バスバー3の挿入を容易にするための傾斜面がそれぞれ形成され、傾斜面の幅方向における面間距離が下方側に向かって長くなる。
【0024】
各端子側分割空間部2jには、端子保持部28及び端子規制部29a,29bがそれぞれ設けられる。端子保持部28は、
図4に示すように、内壁面20dから端子側分割空間部2jに突出して形成される。端子保持部28は、端子4が各端子側分割空間部2jに収容されたとき、端子4の凹部に挿入され、仕切板22との間で、端子4の上下方向における移動を規制することで、端子4を保持する。端子保持部28は、上下方向において、下方側から上方側に向かって、内壁面20dから離間した状態で突出して、弾性変形可能に形成される。端子規制部29a,29bは、幅方向において対向して形成され、長手方向において等間隔に形成される。端子規制部29a,29bは、端子4が間に挿入されることで、端子4の幅方向に対する移動を規制するものである。端子規制部29aは、仕切板22に形成され、仕切板22の途中から下方側開口部2dまで、下方向に延在して形成される。端子規制部29bは、内壁面20dに対応する壁部に形成され、突起部24の下方側端面から下方側開口部2dまで、下方向に延在して形成される。端子規制部29a,29bの下方側端部には、端子4の挿入を容易にするための傾斜面がそれぞれ形成され、傾斜面の幅方向における面間距離が下方側に向かって長くなる。
【0025】
バスバー3は、
図2、
図3に示すように、電子部品5と電気的に接続される。本実施形態におけるバスバー3は、図示しない電源から供給された電力を各電子部品5及び各端子4を介して、バスバー3と電気的に接続される車両に搭載された各種電子機器に分配供給するものである。バスバー3は、矩形部30と、電源側保持部31とを有する。バスバー3は、平板状に形成され、矩形部30及び電源側保持部31が一体として形成される。バスバー3は、内部空間部2aに収容されたとき、矩形部30が電源空間部2b及び収容空間部2cに収容され、電源側保持部31が電源空間部2bに収容される。さらに、矩形部30は、スリット21aを介してスリット25aに挿入され、各分割空間部2kにそれぞれ露出する。矩形部30は、上方側端部が上方向に向かって細くなるように形成される。矩形部30は、各分割空間部2kの内部で、各電子部品5と電気的に接続されることで、バスバー3におけるタブ部として機能する。矩形部30は、電源空間部2bに位置する部分に、貫通孔30aが形成される。貫通孔30aには、図示しない電源に電気的に接続されるスタッドボルトが挿入される。電源側保持部31は、貫通孔30aに挿入されたスタッドボルトに接続される電線等を固定するものである。
【0026】
端子4は、
図1に示すように、電子部品5と電気的に接続されるものである。端子4は、電線の一方の端部に取り付けられており、電線の他方の端部と電気的に接続される車両に搭載された各種電子機器と電気的に接続するものである。端子4は、電線が取り付けられた状態で、収容空間部2c、すなわち各端子側分割空間部2jにそれぞれ収容される。端子4は、例えば、金属製であり、矩形状に形成された平板状の端子タブ部4aと、端子タブ部4aから電線の配線方向に連結される筒状の電線圧着部4bとを有する。端子タブ部4aは、電子部品5に挿入されることで、負荷側接続部53と電気的に接続される。電線圧着部4bは、内部に配置した電線を圧着することで、端子4に対して電線を電気的に接続した状態で、固定する。端子タブ部4aは、上方側端部(先端部)が上方向に向かって細くなるように形成される。
【0027】
電子部品5は、バスバー3と端子4とを電気的に接続するものであり、ここでは種々の機能を発揮する素子である。本実施形態における電子部品5は、接続部にスリット形状を有するメス型のヒュージブルリンク51である。ヒュージブルリンク51は、電力分配回路の一部に組み込まれ、過電流が流れたときに電力分配回路を遮断するものである。ヒュージブルリンク51は、
図4に示すように、バッテリなどの電源側の端子として機能するバスバー3に接続される電源側接続部52と、車両内の各種電子機器の負荷側の端子4と接続される負荷側接続部53とを有する。電源側接続部52及び負荷側接続部53は、導電性を有する板状の可溶体を介して、電気的に接続される。ここで、可溶体は、例えば、幅を狭めた帯状の導電部に低融点金属チップを溶着させた構成で、過電流が流れたときに溶断し、電源側接続部52と負荷側接続部53との電気的な接続を遮断する。可溶体の過電流とは、例えば、予め設定された定格以上の電流であり、予め設定された定格以上の電流が可溶体に流れたときに、可溶体が溶断する。各接続部は、接続される各端子に応じて、様々な形状を有する。本実施形態において、各接続部は、ヒュージブルリンク51の内部において二股端子が配置されるため、スリット形状が形成される。ヒュージブルリンク51は、分割空間部2kに収容される際に、電源側接続部52にバスバー3が挿入され、負荷側接続部53に端子タブ部4aが挿入される。
【0028】
次に、本実施形態における電子部品ユニット1の組み立て手順について説明する。まず、作業員は、バスバー3の貫通孔30aに、スタッドボルトを挿入し固定するとともに、電源側保持部31によりスタッドボルトに接続される電線等を固定する。これにより、バスバー3は、電源と電気的に接続される。次に、作業員は、バスバー3を収容部材2の下方側開口部2dからバスバー側空間部2hに、上方向に向かって挿入する。このとき、バスバー3は、矩形部30の一部が収容空間部2cの内部に位置し、電源側保持部31が電源空間部2bに位置する。作業員は、バスバー3をさらに上方向に向かって挿入する。これにより、バスバー3の上方側端部、すなわち、矩形部30の上方側端部がスリット21aを介してスリット25aに挿入され、矩形部30の一部がスリット25aに挿入され、一部が隣り合うスリット25aの間、すなわち分割空間部2kに位置する。このとき、バスバー3は、バスバー保持部26を弾性変形させつつ、バスバー保持部26を乗り越え、バスバー保持部26の上方側に位置する。これにより、バスバー3は、矩形部30が各分割空間部2kの内部に露出した状態で、収容部材2に対して保持される。
【0029】
次に、作業員は、各端子4を収容部材2の下方側開口部2dから各端子側分割空間部2jに、上方向に向かってそれぞれ挿入する。作業員は、各端子4をさらに上方向に向かって挿入する。これにより、端子4の上方側端部、すなわち、端子タブ部4aが位置決め底板21と、内壁面20dとの間を介して、各分割空間部2kに位置する。このとき、端子4は、端子保持部28を弾性変形させつつ、端子タブ部4aが端子保持部28を乗り越え、凹部に端子保持部28が位置する。これにより、端子4は、端子タブ部4aが分割空間部2kの内部に露出した状態で、収容部材2に対して保持される。
【0030】
次に、作業員は、各分割空間部2kの内部に矩形部30及び端子タブ部4aが露出した状態で、電子部品5としての各ヒュージブルリンク51を上方側開口部2eから各分割空間部2kに下方向に向かってそれぞれ挿入する。このとき、ヒュージブルリンク51は、電源側接続部52及び負荷側接続部53が露出状態のバスバー3及び端子タブ部4aと上下方向において対向した状態で、下方向に向かってそれぞれ挿入される。作業員は、各ヒュージブルリンク51をさらに下方向に向かって挿入する。これにより、電源側接続部52に矩形部30が挿入され、負荷側接続部53に端子タブ部4a、すなわち端子4が挿入される。作業員は、各ヒュージブルリンク51をさらに下方向に向かってさらに挿入して、ヒュージブルリンク51の下方側端部を位置決め底板21及び突起部24と接触させる。これにより、電子部品5は、収容空間部2cに収容される。以上の手順により、収容部材2の収容空間部2cにて、バッテリ等の電源と、バスバー3と、電子部品5と、端子4と、各種電子機器とが電気的に接続され、電子部品ユニット1が構成される。なお、端子4は、バスバー3を収容部材2に収容した後で、収容部材2に収容される組み立て手順としたが、先に収容部材2に収容させる組み立て手順としてもよい。
【0031】
以上のように、本実施形態に係る電子部品ユニット1は、収容部材2における隣り合う分割空間部2kに挟まれた隔壁25に、バスバー3の矩形部30を挿入するスリット25aを設けるので、スリット25aに矩形部30を挿入した状態で、バスバー3を保持することで、矩形部30が隔壁25を貫通し、隔壁25を挟んで隣り合う分割空間部2kの内部に矩形部30を露出させることができる。従って、各分割空間部2kにおいて収容される各電子部品5をバスバー3の1つの矩形部30と、それぞれ電気的に接続することができる。つまり、バスバー3は、1つの矩形部30がタブ部と接続部として機能するため、各タブ部がそれぞれ独立し、各タブ部が接続部と連結される形状のバスバーと比較して、外形を1つの矩形形状とすることができるので、外形形状を簡易化させることができる。これにより、各分割空間部2kの内部でバスバー3を各電子部品5と電気的にそれぞれ接続することができるとともに、バスバー3の外形形状を簡易化することができる。
【0032】
バスバー3の外形形状を簡易化することにより、バスバー3を成型する金型の転写形状をも簡易化することができるので、金型の製造コストやメンテナンスコストを削減することができる。また、1つの矩形部30によりタブ部と接続部とを一体化させているので、各タブ部がそれぞれ独立し、各タブ部が接続部と連結される形状のバスバーと比較して、上下方向におけるタブ部を形成するための長さが不要となるので、上下方向の長さを小さくすることができる。また、タブ部としての形状に制約がないので、各タブ部がそれぞれ独立し、各タブ部が接続部と連結される形状のバスバーと比較して、分割空間部2kに収容される電子部品5の大きさ、特に、X方向における幅に依存したタブ部の形状とすることがない。従って、収容部材2の大きさが同じで、収容される電子部品5のX方向における幅が異なっても(収容部材2に形成される分割空間部2kの数が変更しても)、同一のバスバー3を用いることができるので、バスバー3の汎用性が向上でき、製造コストを削減することができる。また、バスバー3において、電子部品5が電気的に接続されている部分(タブ部相当部分)に着目すると、各タブ部が独立して形成されている場合と比較して、隣り合うタブ部相当部分との隙間が埋められているため、バスバー3の体積を大きくすることができる。これにより、電子部品5に電力が供給されることで、電子部品5が発熱しても、熱がバスバー3により多く移動することができる。また、移動した熱のバスバー3における放熱性を向上させることができる。また、複数のタブ部を1つの矩形部30とするので、バスバー3の強度を向上することができる。
【0033】
また、本実施形態に係る電気接続箱100は、スリット25aに矩形部30を挿入した状態で、バスバー3を保持することで、隔壁25を挟んで隣り合う分割空間部2kの内部に矩形部30を露出させることができるので、各分割空間部2kの内部でバスバー3を各電子部品5と電気的にそれぞれ接続することができるとともに、バスバー3の外形形状を簡易化することができる。
【0034】
[実施形態2]
次に、実施形態2に係る電子部品ユニット及び電気接続箱について説明する。
図5は、実施形態2に係るバスバーの斜視図である。
図6は、実施形態2に係るバスバーの模式図である。実施形態2に係る電子部品ユニットが実施形態1に係る電子部品ユニット1となる点は、バスバー6の形状である。なお、上述した実施形態1と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略する。
【0035】
バスバー6は、電子部品5及び図示しない電子部品と電気的に接続される。本実施形態におけるバスバー6は、
図5、
図6に示すように、平板状に形成され、第1矩形部60と、第2矩形部61と、二股端子部62とを備える。
【0036】
第1矩形部60は、実施形態1における矩形部30に相当するものであり、長手方向のうち、第2矩形部61側の端部において第2矩形部61と連結される。第1矩形部60は、長手方向のうち、第2矩形部61側と反対側の上方向端部において二股端子部62と連結される。ここで、本実施形態におけるバスバー6では、第1矩形部60及び第2矩形部61が、上下方向から見た場合に直交しているか、交差していればよい。
【0037】
第2矩形部61は、バスバー保持部26により収容部材2に対して保持された、バスバー6を係止するものである。第2矩形部61は、幅方向のうち、第1矩形部60側の端部において第1矩形部60と連結される。第2矩形部61は、幅方向の途中において、第1壁面61aと第2壁面61bとを貫通する係止孔61cが形成される。
【0038】
二股端子部62は、図示しない電子部品を狭持することで、バスバー6と図示しない電子部品とを電気的に接続するものである。二股端子部62は、一対の延在部62aと、スリット62bとを有する。一対の延在部62aは、長手方向において離間して、かつ第1矩形部60の上方側端部から上方向に向かって延在して形成される。スリット62bは、一対の延在部62aとの間の空間であり、図示しない電子部品が挿入される部分である。
【0039】
収容部材2は、バスバー6、端子4、電子部品5、図示しない電子部品を内部に収容する部材である。収容部材2は、
図6に示すように、本体部200と、延在部201とを有する(同図二点差線)。
【0040】
本体部200は、実施形態1における収容空間部2cが形成され、隔壁25により複数の分割空間部2kが形成されるものであり、第1矩形部60を収容するものである。本体部200は、長手方向のうち、延在部201側の端部において延在部201と連結される。ここで、バスバー6がバスバー保持部26により保持された保持状態において、第1矩形部60の上下方向の長さよりも、バスバー保持部26とスリット25aの上方側端部との間の距離が長く設定されている。つまり、バスバー6は、保持状態において、第1矩形部60がバスバー保持部26と接触していると、第1矩形部60の上方側端部とスリット25aの上方側端部との間に隙間が形成されることとなる。
【0041】
延在部201は、バスバー6の一部、すなわち第2矩形部61を収容するものである。延在部201は、第1壁部202と、第2壁部203と、延在空間部204と、図示しない係止突起と、移動抑制部205と、を有する。第1壁部202は、延在部201の延在方向、すなわち幅方向に延在して形成される。第1壁部202は、バスバー6が収容部材2に収容された収容状態において、第2矩形部61の第2壁面61bと長手方向において対向する。第2壁部203は、第1壁部202と平行に、幅方向に延在して形成される。第2壁部203は、収容状態において、第2矩形部61の第1壁面61aと長手方向において対向する。ここで、第1壁部202と第2壁部203との間に、延在空間部204が形成される。
【0042】
延在空間部204は、幅方向から見た場合に、第2矩形部61の厚みよりも長く、すなわち広い間隔で形成されており、収容状態において、第2矩形部61と、第1壁部202及び第2壁部203との間に、隙間が形成されるように設定される。係止突起は、例えば、第2壁部203から延在空間部204に突出して形成され、係止孔61cに挿入されるものである。係止突起は、係止孔61cに挿入されることで、バスバー6が収容部材2から外れることを抑制するものであり、係止突起が係止孔61cに挿入された状態であっても、バスバー6は収容部材2に対して所定の範囲、相対移動することが可能である。なお、本実施形態では、第1壁部202及び第2壁部203は、本体部200側と反対側の端部で連結されている。
【0043】
移動抑制部205は、バスバー6の収容部材2の内部での収容部材2に対する相対移動を抑制するものである。移動抑制部205は、同一方向にあるバスバー6に図示しない電子部品の挿入力が作用する部分及びバスバー6を保持する部分に対して、同一方向と交差する方向において、バスバー6と離間した状態で、対向して設けられている。本実施形態における移動抑制部205は、長手方向に形成された二股端子部62及びバスバー保持部26に対して、直交する方向である幅方向において、第2矩形部61と長手方向において対向して形成されている。移動抑制部205は、第2矩形部61と第1壁部202との間に設けられており、第1壁部202の第2矩形部61と対向する壁面から第2矩形部61に向かって突出して形成される。移動抑制部205は、上下方向において、少なくとも第2矩形部61の第2壁面61bの下方側端部と長手方向において対向する第1壁部202の下方側端部に形成される。ここで、移動抑制部205は、後述するバスバー6がバスバー保持部26を中心に反時計回りに回転する際に、第1矩形部60がスリット25aの上方側端部と接触する前に、第2矩形部61と接触するように設定されている。
【0044】
次に、二股端子部62に図示しない電子部品が挿入された際の、バスバー6の動作について説明する。
図6に示すように、二股端子部62に電子部品を下方向に挿入すると、二股端子部62に下方向C1の挿入力が作用する。このとき、バスバー6は、挿入力により、下方向C1に外力が作用することとなり、バスバー保持部26とバスバー6とが接触することとなる。このとき、幅方向から見た場合に、下方向C1の挿入力が作用する二股端子部62と、バスバー6を下方向から保持するバスバー保持部26とは離間している。従って、バスバー保持部26が支点として機能して、幅方向から見た場合に、バスバー保持部26を中心に、バスバー6を回転しようとする回転力が作用する。これにより、長手方向から見た場合に、第1矩形部60のうち、バスバー保持部26よりも第2矩形部61側及び第2矩形部61は、反時計回りC2,C3に回転しようとする。
【0045】
第2矩形部61は、バスバー保持部26からの距離が最も長く、大きく変化する。従って、第2矩形部61の下方側端部は、上方向かつ長手方向の二股端子部62側と反対側に移動を開始しようとする。しかしながら、第2矩形部61の下方側端部は、長手方向において移動抑制部205と対向しているため、第2矩形部61が移動抑制部205と接触する。これにより、バスバー6のバスバー保持部26を中心とする反時計回りの回転が抑制される。つまり、下方向C1の挿入力を、バスバー6がバスバー保持部26を中心とする反時計回りの回転をするために用いられることを抑制できるため、図示しない電子部品を二股端子部62に挿入する際の挿入力が大きくなることを抑制することができる。従って、電子部品5をバスバー6に挿入することによるバスバー6の変形を抑制することができるので、電子部品5とバスバー6との接続信頼性を向上させることができる。
【0046】
なお、上記実施形態2では、保持状態において、第2矩形部61と移動抑制部205が離間しても設けられるが、接触していてもよい。また、移動抑制部205は、第2壁部203に形成されていてもよい。この場合、移動抑制部205は、上下方向において、少なくとも第2矩形部61の第1壁面61aの上方側端部と長手方向において対向する第2壁部203の上方側端部に形成される。また、移動抑制部205は、第1壁部202及び第2壁部203の双方に形成されていてもよい。この場合、2つの移動抑制部205は、幅方向から見た場合に、上下方向及び長手方向において対角状に第2矩形部61を挟むことになるので、バスバー6のバスバー保持部26を中心とする反時計回りの回転がさらに抑制され、バスバー6の変形をさらに抑制することができ、バスバー6と電子部品5との接続信頼性をさらに向上させることができる。