(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
第1の実施形態における記憶装置10について、
図1に基づき説明する。
図1は、記憶装置10の構成を示すブロック図である。例えば、記憶装置10は、録画装置である。
【0011】
記憶装置10は、電源供給部20と、電源部25と、記憶機器30と、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)35と、録画監視部40と、データ取得部45と、AV入出力部50と、外部ペリフェラル入出力部55と、制御部60とを備えている。また、電源部25は、電源監視部26と、接続設定部27と、バッテリ28とを備えている。また、記憶機器30は、第1の記憶部31と、第2の記憶部32と転送部33とを備えている。
【0012】
電源供給部20は、電源部25と接続されている。電源供給部20は、商用電源の入力を受ける。商用電源とは、電力会社等から電力消費者に届けられる電力を指す。電源供給部20は、商用電源をバッテリ28に供給する。具体的には、電源供給部20は、入力された商用電源を、所定の電圧に変換してバッテリ28へ出力する。これにより、バッテリ28が充電される。
【0013】
電源部25は、電源供給部20と接続されている。また、電源部25は、接続設定部27が後述する第2の接続設定を設定しているとき、第2の記憶部32と、SDRAM35と、録画監視部40と、データ取得部45と、制御部60と接続する。
【0014】
電源監視部26は、商用電源の電圧が所定の値以下であることを検出した際、接続設定部27と録画監視部40とに電源断信号を出力する。一方で、電源監視部26は、商用電源の電圧が所定の値以下であることを検出した際、接続設定部27と制御部60とに電源断信号を出力してもよい。さらに、電源監視部26は、商用電源の電圧が所定の値を上回ることを検出した際、接続設定部27と録画監視部40に電源入信号を出力する。一方で、電源監視部26は、商用電源の電圧が所定の値を上回ることを検出した際、接続設定部27と制御部60とに電源入信号を出力してもよい。電源監視部26は、常に、例えば電源供給部20から電源部25へ出力される商用電源の電圧を監視している。これによって、電源監視部26は、常に商用電源の電圧が所定の値を上回るのか、所定の値以下であるのかを検出する。例えば、停電が発生したとき、商用電源の電圧の値は0となる。また、電源供給部26は、商用電源の電力を監視していても良い。この場合、電源監視部26は、常に商用電源の電力が所定の値を上回るのか、所定の値以下であるのかを検出する。
【0015】
接続設定部27は、第1の接続設定と、第2の接続設定とのどちらかを設定する。第1の接続設定とは、第1の記憶部31、第2の記憶部32及び転送部33との各々をバッテリ28に接続する設定である。また、第2の接続設定は、第2の記憶部32をバッテリ28に接続し、第1の記憶部31及び転送部33をバッテリ28に接続しない設定である。また、接続設定部27は、電源監視部26が電源断信号を出力するまでは第1の接続設定を設定する。また、接続設定部27は、電源監視部26が電源断信号を出力すると、第1の接続設定から第2の接続設定へ切り換える。さらに、接続設定部27は、電源入信号が入力されると、第2の接続設定から第1の接続設定へ切り換える。
図1の例では、第1の接続設定は、第1の記憶部31と、第2の記憶部32と、転送部33と、SDRAM35と、録画監視部40と、データ取得部45と、AV入出力部50と、外部ペリフェラル入出力部55と、制御部60とにバッテリ28を接続する設定である。また第2の接続設定は、第2の記憶部32と、SDRAM35と、録画監視部40と、データ取得部45と、制御部60とにバッテリ28を接続する設定である。接続設定部27は、図示しない複数の電源遮断用のスイッチを備えてもよい。この場合、電源遮断用のスイッチのそれぞれは、第1の記憶部31、第2の記憶部32、転送部33、SDRAM35、録画監視部40、データ取得部45、AV入出力部50、外部ペリフェラル入出力部55及び制御部60毎に設けられている。また、電源遮断用のスイッチの各々は、上述の第1の記憶部31等とバッテリ28とが接続された状態か、接続されていない状態かを個別に切換えられるように設けられている。
【0016】
バッテリ28は、所定の電源から供給される商用電源によって充電され、電力を出力する。
図1の例では、バッテリ28は、電源供給部20から供給される商用電源の一部によって充電される。そして、バッテリ28は、供給される商用電源の残部と充電による放電電力とを、バッテリ28の接続先へ出力する。供給される商用電源の残部とは、電源供給部20から供給される商用電源のうち、充電に使用されなかった部分を指す。また、バッテリ28は、接続設定部27の接続設定に応じて、第1の記憶部31と、第2の記憶部32と、転送部33と、SDRAM35と、録画監視部40と、データ取得部45と、AV入出力部50と、外部ペリフェラル入出力部55と、制御部60と個別に接続される。
【0017】
第1の記憶部31は、制御部60と接続されている。また、第1の記憶部31は、接続設定部27の接続設定に応じて、バッテリ28と接続される。第1の記憶部31は、転送データを記憶する。
図1の例では、第1の記憶部31は、接続設定部27が第1の接続設定に設定しているとき、転送部33によって第2の記憶部32から転送される転送データを記憶する。また、第1の記憶部31は、制御部60から入力される制御信号に従って動作する。第1の記憶部31は、例えばHDD等である。
【0018】
第2の記憶部32は、制御部60と接続されている。また、第2の記憶部32は、接続設定部27の接続設定に応じて、バッテリ28と接続される。第2の記憶部32は、画像データと音声データとの少なくとも一方を含む取得データを記憶する。また、第2の記憶部32は、第1の記憶部31より少ない消費電力で動作し、第1の記憶部よりも速い速度で、取得データを記憶するように設定されている。
図1の例では、第2の記憶部32は、データ取得部45から入力された取得データを記憶する。また、第2の記憶部32は、制御部60から入力される制御信号に従って動作する。第2の記憶部32は、フラッシュメモリ等である。
【0019】
転送部33は、第2の記憶部31が記憶した取得データを転送データとして転送する。具体的には、転送部33は、接続設定部27が第1の接続設定に設定しているとき、第2の記憶部32が記憶した取得データを転送データとして第1の記憶部31に転送する。転送部33は、DMAC(Direct Memory Access Controller)等である。
【0020】
SDRAM35は、制御部60と電源部25とに接続されている。また、SDRAM35は、制御部60から入力される制御信号に従って動作する。SDRAM35は、制御部60がデコード処理等の各種処理を行う際に用いるメモリである。例えば、SDRAM35は、制御部60がデコード処理を行う際に取得データを一時的に記憶する。
【0021】
録画監視部40は、制御部60とバッテリ28とに接続されている。また、録画監視部40は、制御部60から入力される制御信号に従って動作する。録画監視部40は、現在の時刻を監視する。そして、録画監視部40は、現在の時刻が録画を開始する時刻又は終了する時刻であるか否かを判定する。例えば、録画監視部40は、ユーザから番組録画の入力を受け付けると、録画番組の開始時間、終了時間、チャンネル(局番)などの録画情報を取得する。そして、録画監視部40は、現在の時刻と前述の録画情報を参照して、録画を開始する時刻であるか否かを判定する。そして、録画監視部40は、録画を開始する時刻であると判定したとき、制御部60に録画の開始を指示する。また、録画監視部40は、電源監視部26から電源断信号が入力されたとき、制御部60に電源の断絶を通知する。さらに、録画監視部40は、電源監視部26から電源入信号が入力されたとき、制御部60に電源の入力を通知する。
【0022】
データ取得部45は、制御部60とバッテリ28と接続されている。データ取得部45は、画像データと音声データとの少なくとも一方を取得データとして取得する。データ取得部45は、第2の記憶部32へ取得データを出力する。
図1の例では、データ取得部45は、制御部60を介して、デコード処理後の取得データを第2の記憶部32へ取得データを出力する。データ取得部45は、制御部60からの制御信号に従って動作する。また、データ取得部45は、例えばデジタル放送信号を受信するチューナ等である。
【0023】
AV入出力部50は、制御部60と接続されている。また、AV入出力部50は、接続設定部27の接続設定に応じて、バッテリ28と接続される。AV入出力部50は、制御部60からの制御信号に従ってAVデータの入出力を行う。AV入出力部50は、外部機器に対して画像や音声のAVデータを入出力するインタフェースである。例えば、AV入出力部50は、図示しないモニタやスピーカ、マイクなどに接続されている。そして、AV入出力部50は、録画したAVデータをモニタ等に出力する。AV入出力部50は、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)端子、D4端子、及びコンポジット端子等の少なくとも一つを備えている。
【0024】
外部ペリフェラル入出力部55は、制御部60と接続されている。また、外部ペリフェラル入出力部55は、接続設定部27の接続設定に応じて、バッテリ28と接続される。外部ペリフェラル入出力部55は、制御部60からの制御信号に従って動作する。外部ペリフェラル入出力部55は、外部機器と各種制御データを入出力するインタフェース(I/F)である。外部ペリフェラル入出力部55は、USB端子、LAN(Local Area Network)端子(例えば、無線LAN端子等)等の少なくとも一つを備えている。
【0025】
制御部60は、バッテリ28と、第1の記憶部31と、第2の記憶部32と、転送部33と、SDRAM35と、録画監視部40と、データ取得部45と、AV入出力部50と、外部ペリフェラル入出力部55と接続されている。制御部60は、接続設定部27が第1の接続設定に設定しているとき、少なくとも、第1の記憶部31と第2の記憶部32と転送部33を制御する。また、制御部60は、接続設定部27が第2の接続設定に設定しているとき、第1の記憶部31と転送部33を制御しない。
図1の例では、制御部60は、接続設定部27が第1の接続設定に設定しているとき、第1の記憶部31と、第2の記憶部32と、転送部33と、SDRAM35と、録画監視部40と、データ取得部45と、AV入出力部50と、外部ペリフェラル入出力部55とを制御する。
図1の例では、制御部60は、電源監視部26が電源断信号を出力するまでと、電源監視部26が電源入信号を出力した後において、接続設定部27が第1の接続設定を設定していると判断する。一方で、制御部60は、録画監視部40が電源の断絶を通知するまでと、録画監視部40が電源の入力を通知した後において、接続設定部27が第1の接続設定を設定していると判断してもよい。また、制御部60は、接続設定部27が第2の接続設定を設定しているとき、第2の記憶部32と、SDRAM35と、録画監視部40と、データ取得部45とを制御する。
図1の例では、制御部60は、電源監視部26が電源断信号を出力してから電源入信号を出力するまで、接続設定部27が第2の接続設定を設定していると判断する一方で、制御部60は、録画監視部40が電源の断絶を通知してから電源の入力を通知するまで、接続設定部27が第2の接続設定を設定していると判断しても良い。制御部60は、例えばMPEG(Motion Picture Experts Group)デコーダLSI(Large Scale Integration)である。制御部60は、データ取得部45が取得した取得データを復号して、AVデータに変換する。AVデータは録画番組の映像データと音声データを含んでいる。例えば、制御部60は、データ取得部45が取得したフルセグメント(12セグ)の放送信号を、MPEG−2/H.264方式でデコード処理する。さらに、制御部60は、外部ペリフェラル入出力部55やAV入出力部50とのデータの受け渡しを行う。
【0026】
制御部60は、データ取得部45が取得した取得データを、SDRAM35を用いてデコード処理する。デコード処理の詳細は、後述する動作の説明で示す。そして、制御部60は、デコード処理後の取得データを出力する。制御部60は、デコード処理後の取得データを第2の記憶部32へ出力する。
【0027】
また、制御部60は、制御ブロック60a〜60gを備えている。制御ブロック60a〜60hのそれぞれは、第1の記憶部31と、第2の記憶部32と、転送部33と、SDRAM35と、録画監視部40と、データ取得部45と、AV入出力部50と、外部ペリフェラル入出力部55と個別に接続されている。制御部60は、制御ブロック60a〜60hを介して、制御ブロック60a〜60hのそれぞれの接続先(例えば、第1の記憶部31等)へ制御信号を出力する。さらに、複数の制御ブロック60a〜60hは、それぞれが図示しない制御信号遮断スイッチを備えている。制御部60は、制御信号遮断スイッチがONになったとき、ONになった制御信号遮断スイッチの接続先に対する制御信号の出力を停止する。例えば、制御部60は、制御ブロック60aが備える制御信号遮断スイッチがONになったとき、第1の記憶部31に対する制御信号の出力を停止する。また、制御部60は、制御ブロック60a〜60hの各制御信号遮断スイッチがOFFになったとき、OFFになった制御信号遮断スイッチを備える制御ブロックの接続先へ制御信号を出力する。例えば、制御部60は、制御ブロック60aの制御信号遮断スイッチがOFFになったとき、第1の記憶部31に対する制御信号を出力する。
【0028】
本実施形態において、制御部60は、接続設定部27が第1の接続設定を設定しているときにおいて、制御ブロック60a〜60hに電源を供給する。このとき、制御部60は、第1の記憶部31と、第2の記憶部32と、転送部33と、SDRAM35と、録画監視部40と、データ取得部45と、AV入出力部50と、外部ペリフェラル入出力部55とに、制御信号を出力する。また、制御部60は、接続設定部27が第2の接続設定を設定しているときにおいて、制御ブロック60b、60d〜60fに電源を供給する。このとき、制御部60は、第2の記憶部32と、SDRAM35と、録画監視部40と、データ取得部45とに、制御信号を出力する。
【0029】
次に
図2、
図3及び
図4を用いて、記憶装置10の動作を説明する。
図2〜
図4は、記憶装置10の動作を示す図である。
【0030】
まず、
図2〜
図4に示す動作フローを説明する下記の動作は、バッテリ28が、電源供給部20から供給される商用電源によって充電されていることを前提とする。また、電源供給部20に所定の値を上回る電圧の商用電源が入力されると、電源監視部26は、接続設定部27と録画監視部40とに電源入信号を出力するものとする。
【0031】
電源供給部20に所定の値を上回る電圧の商用電源が入力されると、電源監視部26は、接続設定部27と録画監視部40とに電源入信号を出力し、接続設定部27は、第1の接続設定を設定する(S101)。これにより、接続設定部27は、第1の記憶部31と第2の記憶部32と転送部33とSDRAM35と録画監視部40とデータ取得部45とAV入出力部50と外部ペリフェラル入出力部55と制御部60とを、バッテリ28に接続する。
【0032】
バッテリ28は、第1の記憶部31と、第2の記憶部32と、転送部33と、SDRAM35と、録画監視部40と、データ取得部45と、AV入出力部50と、外部ペリフェラル入出力部55と、制御部60とに電源を出力する(S102)。具体的には、バッテリ28は、電源供給部20より供給される商用電源のうち、充電に使用しなかった部分を出力する。なお、バッテリ28は、充電による放電電力を出力しても良い。
【0033】
録画監視部40は、現在の時刻が録画を開始する時刻であるかを判定する(S103)。
【0034】
録画監視部40は、現在の時刻が録画を開始する時刻であると判定されなかった場合(S103のNo)、所定の時間の経過後、もう一度判定を行う(S103)。
【0035】
録画監視部40が現在の時刻が録画を開始する時刻であると判定した場合(S103のYes)、電源監視部26は、商用電源の電圧が所定の値以下であるか否かを判定する(S104)。
【0036】
電源監視部26が商用電源の電圧が所定の値以下であることを検出した場合(S104のYes)、電源監視部26は、接続設定部27と録画監視部40に電源断信号を出力する(
図3のS201)。
【0037】
制御部60は、電源監視部26が商用電源の電圧が所定の値以下であることを検出しなかった場合(S104のNo)、制御ブロック60a〜60hのそれぞれの接続先に制御信号を出力する。そして、データ取得部45は、制御部60を介して、デコード処理後の取得データを第2の記憶部32へ出力する(S105)。そして、転送部33は、第2の記憶部32が記憶した取得データを転送データとして、第1の記憶部31へ出力する(S105)。このとき、制御部60は、制御ブロック60a〜60hを介して、第1の記憶部31と、第2の記憶部32と、転送部33と、SDRAM35と、録画監視部40と、データ取得部45と、AV入出力部50と、外部ペリフェラル入出力部55とに制御信号を出力する。このステップにおける動作は、具体的には次のように行われる。データ取得部45が、デジタル信号である取得データを制御部60へ出力する。次に、制御部60は、デジタル信号である取得データをSDRAM35に記憶させる。そして、制御部60は、SDRAM35が記憶している取得データに対してデコード処理を行い、AVデータに変換する。制御部60は、変換した取得データを、SDRAM35から取り出して、第2の記憶部32へ出力する。このとき、SDRAM35は、記憶している取得データを削除する。第2の記憶部32は、出力された取得データを記憶する。最後に、転送部33は、第2の記憶部32が記憶した取得データを転送データとして、第1の記憶部31へ転送する。
【0038】
電源監視部26は、S105の処理と並行して、商用電源の電圧が所定の値以下であるか否かを判定する。(S106)
電源監視部26が商用電源の電圧が所定の値以下であることを検出した場合(S106のYes)、電源監視部26は
図3に記載のS201の処理を行う。
【0039】
録画監視部40は、電源監視部26が商用電源の電圧が所定の値以下であることを検出しなかった場合(S106のNo)、現在の時刻が録画を終了する時刻であるか否かを判定する(S107)。
【0040】
録画監視部40が現在の時刻が録画を終了する時刻でないと判定した場合(S107のNo)、制御部60及び転送部33は、S105の処理を継続する。
【0041】
録画監視部40が現在の時刻が録画を終了する時刻であると判定した場合(S107のYes)、バッテリ28によるバッテリ28の接続先への電源の出力は停止される(S108)。さらに、制御部60は、データ取得部45によるデータの出力及び転送部33による転送を停止する(S108)。すなわち、S102の処理及びS105の処理は停止される。
【0042】
なお、本実施形態における
図2に示す動作では、S104とS106との処理において電源監視部26は、商用電源の電圧が所定の値以下であることを検出した場合、S201の処理を行うとした。しかし、前述の通り、電源監視部26は、常に商用電源の電圧が所定の値を上回るのか、所定の値以下であるのかを監視する。これにより、S101〜S106の処理のいずれかの間で、電源監視部26は、商用電源の電圧が所定の値以下であることを検出した場合、S201の処理を行うとしてもよい。
【0043】
電源監視部26が接続設定部27と録画監視部40に電源断信号を出力すると(S201)、接続設定部27は、第1の接続設定から第2の接続設定へ切り換える(S202)。すなわち、接続設定部27は、第2の記憶部32と、SDRAM35と、録画監視部40と、データ取得部45と、制御部60とにバッテリ28を接続する。
【0044】
バッテリ28は、第2の記憶部32とSDRAM35と録画監視部40とデータ取得部45と制御部60とに電源を供給する(S203)。具体的には、バッテリ28は、充電による放電電力を出力する。
【0045】
データ取得部45は、取得データを第2の記憶部32へ出力する(S204)。このとき制御部60は、制御ブロック60b、60d〜60fを介して、それぞれの接続先に制御信号を出力する。このステップにおける処理は、具体的には次のように行われる。データ取得部45が、デジタル信号である取得データを制御部60へ出力する。次に制御部60は、デジタル信号である取得データをSDRAM35に記憶させる。次に、制御部60は、SDRAM35が記憶している取得データに対してデコード処理を行い、AVデータに変換する。次に制御部60は、変換した取得データを、SDRAM35から取り出して、第2の記憶部32へ出力する。そして、SDRAM35は、記憶している取得データを削除する。最後に、第2の記憶部32は取得データを記憶する。このようにして、データ取得部45は、制御部60を介して、取得データを第2の記憶部32へ出力する。
【0046】
電源監視部26は、S204の処理と並行して、商用電源の電圧が所定の値を上回ることが検出されるか否かを判定する(S205)。
【0047】
電源監視部26が商用電源の電圧が所定の値を上回ることを検出した場合(S205のYes)、電源監視部26は、接続設定部27と録画監視部40とに電源入信号を出力する(
図4のS301)。
【0048】
録画監視部40は、電源監視部26が商用電源の電圧が所定の値を上回ることを検出しなかった場合(S205のNo)、現在の時刻が録画を終了する時刻であるか否かを判定する(S206)。
【0049】
録画監視部40が現在の時刻が録画を終了する時刻であると判定しなかった場合(S206のNo)、記憶装置10は、S204の処理を継続する。
【0050】
録画監視部40が現在の時刻が録画を終了する時刻であると判定した場合(S206のYes)、バッテリ28による接続先への電源の出力を停止する(S207)。さらに、制御部60は、データ取得部45による取得データの出力を停止する(S207)。すなわち、S203の処理及びS204の処理は停止される。
【0051】
なお、記憶装置10は、S205において電源監視部26が商用電源の電圧が所定の値を上回ることを検出した場合、
図4のS301の処理を行うとした。しかし、前述の通り、電源監視部26は、常に、電源供給部20から電源部25へ出力される商用電源の電圧又は電力を監視している。これにより、録画監視部40は、S301〜S305のいずれかの処理の間で、電源監視部26が商用電源の電圧が所定の値を上回ることを検出した場合、
図4のS301の処理を行うとしても良い。
【0052】
接続設定部27は、電源監視部26によって電源入信号が出力されると(S301)、第2の接続設定から第1の接続設定へ切り換える(S302)。
【0053】
バッテリ28は、第1の記憶部31と、第2の記憶部32と、転送部33と、SDRAM35と、録画監視部40と、データ取得部45と、AV入出力部50と、外部ペリフェラル入出力部55と、制御部60とに電源を出力する(S303)。
【0054】
S303の処理が完了すると、記憶装置10は、
図2のS105の処理を行う。
【0055】
以上、第1の実施形態に係る記憶装置10の動作について説明した。
【0056】
以上のように、本実施形態に記載の記憶装置10は、第1の記憶部31と、第2の記憶部32と、転送部33と、バッテリ28と、電源監視部26と、接続設定部27とを備える。第1の記憶部31は、転送データを記憶する。第2の記憶部32は、第1の記憶部31より少ない消費電力で動作し、第1の記憶部31よりも速い速度で、画像データと音声データとの少なくとも一方を含む取得データを記憶する。転送部33は、第2の記憶部32が記憶した取得データを転送データとして転送する。バッテリ28は、所定の電源から供給される商用電源によって充電され、電源を出力する。電源監視部26は、商用電源の電圧が所定の値以下であることを検出した際、電源断信号を出力する。接続設定部27は、第1の接続設定と第2の接続設定のどちらかを接続する。第1の接続設定は、第1の記憶部31、第2の記憶部32及び転送部33をバッテリ27に接続する設定である。第2の接続設定は、第2の記憶部32をバッテリ28に接続し、第1の記憶部31及び転送部33をバッテリ28に接続しない設定である。接続設定部27は、電源監視部26が電源断信号を出力するまでは、第1の接続設定に設定し、電源監視部26が電源断信号を出力したとき、接続設定部27は第1の接続設定から第2の接続設定へ切り換える。
【0057】
このように、電源監視部26による電源断信号の出力が無い間、接続設定部27は第1の接続設定を設定する。これによって、バッテリ28は、第1の記憶部31と、第2の記憶部32及び転送部33に接続される。そして、一方、電源監視部26による電源断信号の入力があると、接続設定部27は第2の接続設定を設定する。これによって、第1の記憶部31及び転送部33とをバッテリ28に接続しない。したがって、電源監視部26が電源断信号を出力したとき、接続設定部27が第1の接続設定から第2の接続設定へ切り換えることにより、記憶装置10の消費電力を抑制することができる。
【0058】
また、接続設定部27が第1の接続設定を設定しているとき、バッテリ28は、第2の記憶部32へ電源を出力する。一方で、接続設定部27が第2の接続設定を設定しているときも、バッテリ28は、第2の記憶部32に電源を出力する。すなわち、接続設定部27が第1の接続設定を設定しているときと第2の接続設定を設定しているときとの両方の場合において、バッテリ28は、第2の記憶部32に電源を出力している。このため、第1の接続設定から第2の接続設定に切り替えられる瞬間も、第2の記憶部32は、電源が出力されている。これにより、電源の瞬断によるデータの欠落は生じない。また、取得データは、接続設定部27が第1の接続設定を設定しているときと第2の接続設定を設定しているときとの両方の場合において、第2の記憶部32に記憶される。これにより、記憶部の切り換えによるデータの欠落は生じない。この結果、第1の記憶部31が記憶する転送データと、第2の記憶部32が記憶する取得データの間に、データの欠落は生じない。
【0059】
よって記憶装置10によれば、停電が発生しても、消費電力を抑制しつつ、データの欠落を防いでデータを記憶することができる。
【0060】
また、記憶装置10は、電源監視部26が商用電源の電圧が所定の値を上回ることを検出した際、電源入信号を出力する。そして、電源監視部26が電源入信号を出力したとき、接続設定部27は、第2の接続設定から第1の接続設定へ切り換える構成を備えている。この構成により、記憶装置10は、商用電源の電圧が所定の値を上回ることをきっかけに、消費電力の少ない第2の記憶部32から消費電力の多い第1の記憶部31へ切り替える。これによって、記憶装置10は、商用電源の電圧が所定の値以下である場合においては消費電力を抑制し、商用電源の電圧が所定の値を上回る場合には消費電力を抑制せずに動作できる。
【0061】
また、記憶装置10は、第1の記憶部31と第2の記憶部32と転送部33とを制御する制御部60を備える。そして、接続設定部27が第1の接続設定に設定しているとき、制御部60は、第1の記憶部31と第2の記憶部32と転送部33とを制御する。また、制御部60は、接続設定部27が第2の接続設定に設定しているとき、第1の記憶部31と転送部33とを制御しない。この構成により、記憶装置10は、商用電源の電圧が所定の値以下である場合に、制御部60による制御対象を変更する。これによって、記憶装置10は、停電時において、制御部60による制御に必要な消費電力を抑制することができる。さらに、記憶装置10は、転送部33と制御部60とを備えている。すなわち、記憶装置10は、第1の記憶部31と第2の記憶部32と転送部33とを制御する動作と、第2の記憶部32が記憶した取得データを転送データとして転送する動作とが制御部60と転送部33によって別々に行われている。したがって、制御部60に高い負荷がかかっている場合であっても、転送部33による転送は安定して実施できるため、転送する動作の不具合によるデータの欠落が生じない。
【0062】
また本実施形態に記載の記憶装置10に関連する記憶方法は、第1の記憶部31と、第2の記憶部32と、転送部33と、バッテリ28と、電源監視部26と、接続設定部27とを備えた記憶装置の記憶方法である。記憶装置10に関連する記憶方法は、第1接続ステップと、第2接続ステップと、を含む記憶方法である。第1接続ステップでは、第1の記憶部31と、第2の記憶部32及び転送部33との各々をバッテリ28に接続する第1の接続設定に設定する。第2の接続ステップでは、商用電源の電圧が所定の値以下であるとき、第1の接続設定から、第2の記憶部32をバッテリ28に接続し、第1の記憶部31及び転送部33をバッテリ28に接続しない第2の接続設定へ切り換える。
【0063】
記憶装置10に関連する記憶方法は、記憶装置10と同等の効果を奏することができる。
【0064】
また、本実施形態に記載の記憶装置10に関連するプログラムは、第1の記憶部31と、第2の記憶部32と、転送部33と、バッテリ28と、電源監視部26と、接続設定部27とを備えた記憶装置の制御プログラムである。記憶装置10に関連する記憶プログラムは、第1接続ステップと、第2接続ステップと、を含む記憶プログラムである。
【0065】
記憶装置10に関連するプログラムは、記憶装置10と同等の効果を奏することができる。
【0066】
(第2の実施形態)
次に
図5を用いて、第2の実施形態に係る記憶装置10Aを説明する。
図5は、記憶装置10Aの構成を示すブロック図である。なお、
図5では、
図1で示した各構成要素と同等の構成要素には、
図1に示した符号と同等の符号を付している。
【0067】
図5に示されるように記憶装置10Aは、電源監視部26と、接続設定部27と、バッテリ28と、第1の記憶部31と、第2の記憶部32と、転送部33とを備えている。
【0068】
電源監視部26は、商用電源の電圧が所定の値以下であることを検出した際、電源断信号を出力する。
【0069】
接続設定部27は、第1の接続設定と、第2の接続設定とのどちらかを設定する。第1の接続設定とは、第1の記憶部31、第2の記憶部32及び転送部33との各々をバッテリ28に接続する設定である。また、第2の接続設定は、第2の記憶部32をバッテリ28に接続し、第1の記憶部31及び転送部33をバッテリ28に接続しない。また、接続設定部27は、電源監視部26が電源断信号を出力するまでは第1の接続設定を設定する。
【0070】
バッテリ28は、所定の電源から供給される商用電源によって充電され、電力を出力する。
【0071】
第1の記憶部31は、転送データを記憶する。
【0072】
第2の記憶部32は、第1の記憶部31より少ない消費電力で動作し、第1の記憶部31よりも速い速度で、画像データと音声データとの少なくとも一方を含む取得データを記憶する。
【0073】
転送部33は、第2の記憶部32が記憶した取得データを転送データとして転送する。
【0074】
次に、
図6を用いて、記憶装置10Aの動作を説明する。
図6は、記憶装置10Aの動作フローを示す図である。
図6に示す動作フローを説明する下記の動作は、バッテリ28が、所定の電源から供給される商用電源の一部によって充電されていることを前提とする。
【0075】
電源断信号の入力がない間、接続設定部27は、第1の接続設定を設定する(S1001)。
【0076】
バッテリ28は、第1の記憶部31と、第2の記憶部32及び転送部33とに電源を供給する(S1002)。
【0077】
第2の記憶部32は、取得データを記憶する(S1003)。さらに、転送部33は、第2の記憶部32が記憶した取得データを転送データとして第1の記憶部31へ転送する(S1003)。
【0078】
電源監視部26は、商用電源の電圧が所定の値以下であるかどうかを判定する(S1004)。
【0079】
記憶装置10Aは、電源監視部26が商用電源の電圧が所定の値以下であることを検出しなかったとき(S1004のNo)、S1003の処理を継続する(S1005)。
【0080】
接続設定部27は、電源監視部26が商用電源の電圧が所定の値以下であることを検出したとき(S1004のYes)電源断信号を出力され、第1の接続設定から第2の接続設定へ切り換える(S1006)。
【0081】
バッテリ28は、第2の記憶部32に接続され、第1の記憶部31及び転送部33に接続されな。これにより、バッテリ28は、第1の記憶部31及び転送部33への電源出力を停止する(S1007)。
【0082】
第2の記憶部32は、取得データを記憶する(S1008)。
【0083】
以上、記憶装置10Aの動作について説明した。
【0084】
以上のように、本実施形態に記載の記憶装置10Aは、第1の記憶部31と、第2の記憶部32と、転送部33と、バッテリ28と、電源監視部26と、接続設定部27とを備える。第1の記憶部31は、転送データを記憶する。第2の記憶部32は、第1の記憶部31より少ない消費電力で動作し、第1の記憶部31よりも速い速度で、画像データと音声データとの少なくとも一方を含む取得データを記憶する。転送部33は、第2の記憶部32が記憶した取得データを転送データとして転送する。バッテリ28は、所定の電源から供給される商用電源によって充電され、電源を出力する。電源監視部26は、商用電源の電圧が所定の値以下であることを検出した際、電源断信号を出力する。接続設定部27は、第1の接続設定と第2の接続設定のどちらかを接続する。第1の接続設定は、第1の記憶部31、第2の記憶部32及び転送部33をバッテリ27に接続する設定である。第2の接続設定は、第2の記憶部32をバッテリ28に接続し、第1の記憶部31及び転送部33をバッテリ28に接続しない設定である。接続設定部27は、電源監視部26が電源断信号を出力するまでは、第1の接続設定に設定し、電源監視部26が電源断信号を出力したとき、接続設定部27は第1の接続設定から第2の接続設定へ切り換える。
【0085】
このように、電源監視部26による電源断信号の出力が無い間、接続設定部27は第1の接続設定を設定する。これによって、バッテリ28は、第1の記憶部31と、第2の記憶部32及び転送部33に接続される。そして、一方、電源監視部26による電源断信号の入力があると、接続設定部27は第2の接続設定を設定する。これによって、第1の記憶部31及び転送部33とをバッテリ28に接続しない。したがって、電源監視部26が電源断信号を出力したとき、接続設定部27が第1の接続設定から第2の接続設定へ切り換えることにより、記憶装置10の消費電力を抑制することができる。
【0086】
また、接続設定部27が第1の接続設定を設定しているとき、バッテリ28は、第2の記憶部32へ電源を出力する。一方で、接続設定部27が第2の接続設定を設定しているときも、バッテリ28は、第2の記憶部32に電源を出力する。すなわち、接続設定部27が第1の接続設定を設定しているときと第2の接続設定を設定しているときとの両方の場合において、バッテリ28は、第2の記憶部32に電源を出力している。このため、第1の接続設定から第2の接続設定に切り替えられる瞬間も、第2の記憶部32は、電源が出力されている。これにより、電源の瞬断によるデータの欠落は生じない。また、取得データは、接続設定部27が第1の接続設定を設定しているときと第2の接続設定を設定しているときとの両方の場合において、第2の記憶部32に記憶される。これにより、記憶部の切り換えによるデータの欠落は生じない。この結果、第1の記憶部31が記憶する転送データと、第2の記憶部32が記憶する取得データの間に、データの欠落は生じない。
【0087】
よって記憶装置10Aによれば、停電が発生しても、消費電力を抑制しつつ、データの欠落を防いでデータを記憶することができる。