【実施例】
【0049】
本発明の範囲を限定することなしに、下記実施例は、本発明の種々様々な実施態様がどのように形成及び/又は使用されることができるかを例示する。
【0050】
[実施例1]
下記構成要素及び組み立てプロセスを用いて、
図1と同様のシール器具を製造した。
【0051】
下記特性を有する、延伸膨張ポリテトラフルオロエチレン材料を得た。
メタノール泡立ち点 6.89KPa(1psi)
質量/面積 2.2グラム/平方メートル
長手方向最大荷重 0.063kg/mm(1.6kg/インチ)
厚さ 0.0076mm(0.0003インチ)
長手方向最大引張り強度 634MPa(92000psi)
【0052】
下記試験方法及び設備を用いて、上述の特性を測定した。メタノール泡立ち点は、直径が25.4mm(1インチ)のフット、ランプ速度1.37KPa/秒(0.2psi/秒)、及びメタノールの液状媒体を有するカスタムメイドの機械を使用して測定した。材料の長さ及び幅は金属ルーラを使用して測定した。質量/面積は、914×127mm(36×5インチ)の試料で、はかり(Model GF-400 Top Loader Balance, ANG, San Jose CA.)を使用して測定した。長手方向最大荷重は10kgのロードセルを備えた材料試験機械(Model 5564, Instron, Grove City, PA)を使用して測定した。ゲージ長は25.4mm(1インチ)であり、クロスヘッド速度は25mm/分であった。試料幅は25.4mm(1インチ)であった。長手方向引張り試験測定値は材料の長さ方向において求めた。フット直径6.35mm(1/4インチ)の厚さゲージ(Mitutoyo Digital Indicator 547-400)を使用して厚さを測定した。長手方向マトリックス引張り強度(MTS)は次の等式を使用して計算し、密度は式:密度=質量/体積を用いて計算した。
【表1】
【0053】
下記特性を有する、FEP(フッ素化エチレンプロピレン)材料薄層を有する延伸膨張ポリテトラフルオロエチレンを得た。
質量/面積 36.1グラム/平方メートル
最大荷重 長手方向0.496kg/mm(12.6kg/インチ)
最大荷重 横方向0.0118kg/mm(0.3kg/インチ)
厚さ 0.0305mm(0.0012インチ)
【0054】
下記試験方法及び設備を用いて、上述の特性を測定した。試料面積が914×25mm(36x1インチ)試料の精密分析はかり(Model GF-400 Top Loader Balance, ANG, San Jose CA.)を用いて材料を秤量した。材料の長さ及び幅は金属ルーラを使用して測定した。材料厚はフット直径6.35mm(1/4インチ)の厚さゲージ(Mitutoyo Digital Indicator 547-400)を使用して測定した。横方向最大荷重は10kgのロードセルを備えた材料試験機械(Model 5564, Instron, Grove City, PA)を使用して測定した。試料幅は25.4mm(1インチ)、ゲージ長は25.4mm(1インチ)、そしてクロスヘッド速度は25mm/分であった。長手方向最大荷重は200kgのロードセルを備えた材料試験機械(Model 5564, Instron, Grove City, PA)を使用して測定した。試料幅は25.4mm(1インチ)、ゲージ長は25.4mm(1インチ)、そしてクロスヘッド速度は25mm/分であった。長手方向引張り試験測定値は材料の長さ方向において求め、そして横方向引張り試験測定値は長さ方向に対して直交方向において求めた。
【0055】
直径約0.23mmの所定の長さの10%白金ドローン−フィルド型ニチノールワイヤ(Fort Wayne Metals, Fort Wayne, IN)を先ず入手することによって、遠位側アイレットを形成した。このワイヤを「第1ワイヤ」とラベル付けした。第1ワイヤの自由端を二重にすることにより、オープンエンドループを形成し、このオープンエンドループをボタン内に挿入した。次いで、ボタンをキー付き中心ピン上に挿入した。ボタンは、キー付き中心ピンを収容するための、中心を通る開口を有するように、そして巻込み治具内に確実に位置するのを可能にする構成要件を有するように成形した。キー付き中心ピン(長軸約0.51mm及び短軸約0.25mm、並びに長さ約10.16mm)を次いで巻込み治具の中心に挿入した。キー付き中心ピンは高強度鋼(Super Cobalt HSS Tool Bit, MSC#56424278, Seco Fagersta)から製作した。鋼を製造業者の指示書に従って1時間にわたって1475°Fで調質した。巻込み治具及びボタンを耐食性工具鋼から自社で製作した。
【0056】
第2長さの同じタイプのドローン−フィルド型ニチノールワイヤを入手し、これを「第5ワイヤ」とラベル付けした。第1ワイヤ、第5ワイヤ、及びさらなる3本のワイヤを、ワイヤ端部に錘を取り付けることにより緊張させた。次いで第1ワイヤ及び第5ワイヤを、第1ワイヤの自由端部の周りに1回転完全に巻き付けた。3本のさらなるワイヤを巻込み治具に導入し、5本すべてのワイヤを第1ワイヤの自由端部の周りに、約1.98mmの高さまで巻き付けた。
【0057】
次いで、5本のワイヤを分離して巻込み治具の周縁に設けられた半径方向溝内にこれらを固定することにより、遠位側ディスクを形成した。半径は15mmの寸法で形成した。それぞれのワイヤは遠位側ディスクの1つの花弁部を形成した。花弁部の曲率半径は、ワイヤ内の曲げ鋭角を最小限に抑えるために最大化した。
【0058】
ワイヤを1つにまとめ、そして第1ワイヤの自由端部及びキー付き中心ピンの周りにこれらを約1.98mmの高さまで巻き付けることにより、中央アイレットを形成した。次いでこれらワイヤを分離し、巻込み治具の周縁に設けられた半径方向溝内に固定して、半径15mmの近位側ディスクを形成した。
【0059】
再び5本のワイヤを1つにまとめ、そして第1ワイヤの自由端部及びキー付き中心ピンの周りにこれらを約1.98mmの高さまで巻き付けることにより、近位側アイレットを形成した。次いで5本のワイヤを分離し、そしてステンレス鋼板をワイヤの上側に設置し、プレートをねじでロックすることによって固定した。次いで、第1ワイヤの自由端を、直径約3.18mmのステンレス鋼ピンの周りに1回転だけ巻き付け、そして他の5本のワイヤと同様に固定した。
【0060】
シール器具を含む治具を次いで安定化固定具から取り外し、そして炉(Blue M SPX Electric Forced Air Convection Oven)内に入れ、そしてワイヤを当技術分野において広く知られているように熱的に形状セットした。器具及び治具を次いで水で急冷した。固定されたワイヤを固定板から解放し、器具を冷却して治具及びキー付き中心ピンから取り出した。次いで、器具を、偏平PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)片上に設置し、そして遠位側アイレットの外径まで手でトリミングした。ロックループを、完全な1回転をちょうど超える点まで手でトリミングし、そして近位側アイレット及び中央アイレットを通して引張った。
【0061】
器具をPEEKマンドレルから、楕円横断面を有するキー付きステンレス鋼プロセスマンドレル上に押し出した。このマンドレルは、近位側アイレットと中央アイレットとの間に45°時計回りねじりを有し、そして中央アイレットと遠位側アイレットとの間に第2の45°時計回りねじりを有するように、楕円横断面の偏平ステンレス鋼ワイヤ(Ft. Wayne Metals, Fort Wayne, IN)から製造した。
【0062】
次いで、プロセスマンドレル及び器具を、FEP粉体コーター(C-30, Electrostatic Technology, Inc., Bradford, CN)内に配置された安定化固定具に設置し、完全に塗布されるまで処理した。過剰なFEP粉体を器具から除去した。FEPはロックループ、プロセスマンドレル及びバンパからバキューミングした。プロセスマンドレル及び器具を安定化固定具から取り出し、炉内に入れ、そして当技術分野において広く知られているようにFEP塗膜を硬化させるようにベーキングした。
【0063】
中空コアフィルムマンドレル(35.99mm外径、76.2cm長のステンレス鋼)を入手した。スリット幅22.22mmの膨張延伸ポリテトラフルオロエチレン材料を入手し、スパイラルラッピング機械に装着した。機械は、任意の所望の角度、張力及び速度でPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)材料をラッピングするように自社で製作した。マンドレルをラッピング機械上に装着し、そして中空コアマンドレルの周面に3回ラッピングした。次いで材料をマンドレルの長さに対応して約8°の角度でマンドレルにラッピングした。ラッピング方向を逆転して、同じ角度で材料をオーバーラッピングした。継ぎ目をオフセットしながら、第3及び第4の層を同様にラッピングした。マンドレルをラッピング機械から取り出し、炉内に挿入し、そして45分間にわたって370℃でベーキングした。ラッピングされたマンドレルを炉から取り出し、そして室温まで冷やしておいた。結果として得られたPTFEチューブをマンドレルから取り出した。
【0064】
次いでPTFEチューブを約140mmに切断し、そして手で所望の長さ155mmまで延伸させた。次いでPTFEチューブをフレームを覆うように引張った。次いでPTFEチューブを中央アイレット上にクリンピングし、次いで遠位側及び近位側のアイレット上にクリンピングした。
【0065】
次いで、中央アイレットから始めてアイレットの周りに4回、FEP(フッ素化エチレンプロピレン)薄層を含む延伸膨張ポリテトラフルオロエチレンをラッピングした。ラッピングされたアイレットをはんだごてで所定の場所に留めた。次いでPTFEチューブを320℃で3分間にわたってヒートセットし、そして近位側及び遠位側のエアレットの最外点までトリミングした。器具をマンドレルから取り出した。
【0066】
[実施例2]
下記構成要素及び組み立てプロセスを用いて、
図6と同様のシール器具を製造した。
【0067】
実施例1に記載されているのと同様の延伸膨張ポリテトラフルオロエチレン材料、及びFEP(フッ素化エチレンプロピレン)材料薄層を有する延伸膨張ポリテトラフルオロエチレンを得た。
【0068】
直径約0.23mmの所定の長さの10%白金ドローン−フィルド型ニチノールワイヤ(Fort Wayne Metals, Fort Wayne, IN)を先ず入手することによって、遠位側アイレットを形成した。このワイヤを「第1ワイヤ」とラベル付けした。第1ワイヤの自由端を二重にすることにより、オープンエンドループを形成し、このオープンエンドループをボタン内に挿入した。次いで、ボタンをキー付き中心ピン上に挿入した。ボタンは、キー付き中心ピンを収容するための、中心を通る開口を有するように、そして巻込み治具内に確実に位置するのを可能にする構成要件を有するように成形した。キー付き中心ピン(長軸約5.79mm及び短軸約0.25mm、並びに長さ約10.16mm)を次いで巻込み治具の中心に挿入した。キー付き中心ピンは高強度鋼(Super Cobalt HSS Tool Bit, MSC#56424278, Seco Fagersta)から製作した。巻込み治具及びボタンを耐食性工具鋼から自社で製作した。
【0069】
第2長さの同じタイプのドローン−フィルド型ニチノールワイヤを入手し、これを「第5ワイヤ」とラベル付けした。第1ワイヤ、第5ワイヤ、及びさらなる3本のワイヤを、ワイヤ端部に錘を取り付けることにより緊張させた。次いで第1ワイヤ及び第5ワイヤを、第1ワイヤの自由端部の周りに1回転完全に巻き付けた。3本のさらなるワイヤを巻込み治具に導入し、5本すべてのワイヤを第1ワイヤの自由端部の周りに、約1.98mmの高さまで巻き付けた。
【0070】
次いで、5本のワイヤを分離して巻込み治具の周縁に設けられた半径方向溝内にこれらを固定することにより、器具を形成した。半径は15mmの寸法で形成した。それぞれのワイヤは巻込み治具の周りに完全に1回転させた。
【0071】
再び5本のワイヤを1つにまとめ、そして第1ワイヤの自由端部及びキー付き中心ピンの周りにこれらを約1.981mmの高さまで巻き付けることにより、近位側アイレットを形成した。次いで5本のワイヤを分離し、そしてステンレス鋼板をワイヤの上側に設置し、プレートをねじでロックすることによって固定した。次いで、第1ワイヤの自由端を、直径約3.18mmのステンレス鋼ピンの周りに1回転だけ巻き付け、そして他の5本のワイヤと同様に固定した。
【0072】
シール器具を含む治具を次いで安定化固定具から取り外し、そして炉(Blue M SPX Electric Forced Air Convection Oven)内に入れ、そしてワイヤを当技術分野において広く知られているように熱的に形状セットした。器具及び治具を次いで水で急冷した。固定されたワイヤを固定板から解放し、器具を冷却して治具及びキー付き中心ピンから取り出した。ロックループを、完全な1回転をちょうど超える点まで手でトリミングし、そして近位側アイレット及び中央アイレットを通して引張った。
【0073】
器具をPEEKマンドレルから、楕円横断面を有するキー付きステンレス鋼トランスファーマンドレル上に押し出した。このマンドレルは、楕円横断面の偏平ステンレス鋼ワイヤ(Ft. Wayne Metals, Fort Wayne, IN)から製造した。次いで、器具をトランスファーマンドレルの一方の端部から部分的に取り出した。取り出された器具の端部をほぼ180°時計回りにねじり、そしてトランスファーマンドレルに再配置した。器具及びトランスファーマンドレルを炉(Blue M SPX Electric Forced Air Convection Oven)内に入れ、そしてワイヤを当業者に広く知られているように熱的に形状セットした。
【0074】
次いで、トランスファーマンドレル及び器具を、FEP粉体コーター(C-30, Electrostatic Technology, Inc., Bradford, CN)内に配置された安定化固定具に設置し、完全に塗布されるまで処理した。過剰なFEP粉体を除去した。FEPはロックループ、プロセスマンドレル及びバンパからバキューミングした。次いでトランスファーマンドレル及び器具を安定化固定具から取り出し、炉内に入れ、そして当技術分野において広く知られているようにFEP塗膜を硬化させるようにベーキングした。
【0075】
中空コアフィルムマンドレル(35.99mm外径、76.2cm長のステンレス鋼)を入手した。スリット幅22.24mmのePTFE材料を入手し、スパイラルラッピング機械に装着した。機械は、任意の所望の角度、張力及び速度でPTFEフィルムをラッピングするように自社で製作した。マンドレルをラッピング機械上に装着し、そして中空コアマンドレルの周面に3回ラッピングした。次いで材料をマンドレルの長さに対応して約8°の角度でマンドレルにラッピングした。ラッピング方向を逆転して、同じ角度で材料をオーバーラッピングした。継ぎ目をオフセットしながら、第3及び第4の層を同様にラッピングした。マンドレルをラッピング機械から取り出し、炉内に挿入し、そして45分間にわたって370℃でベーキングした。ラッピングされたマンドレルを炉から取り出し、そして室温まで冷やしておいた。結果として得られたePTFEチューブをマンドレルから取り出した。
【0076】
次いでePTFEチューブを約140mmに切断し、そして手で所望の長さ155mmまで延伸させた。次いでePTFEチューブをフレームを覆うように引張った。次いでePTFEチューブを中央アイレット上にクリンピングし、次いで遠位側及び近位側のアイレット上にクリンピングした。次いで、アイレットの周りに4回、FEP(フッ素化エチレンプロピレン)薄層を含むePTFEをラッピングした。ラッピングされたアイレットをはんだごてで所定の場所に留めた。次いでePTFEチューブを320℃で3分間にわたってヒートセットし、そして近位側及び遠位側のエアレットの最外点までトリミングした。次いで器具をマンドレルから取り出した。
【0077】
[実施例3]
下記構成要素及び組み立てプロセスを用いて、
図8と同様のシール器具を製造した。
【0078】
ハンドル組立体のための構成要素を、射出成形法を用いて製作した。Lustran(登録商標) 348を使用してContour Plastics (Baldwin, WI)によって部品を製作した。この材料は、医療器具において使用するのに適しており、引張り強度48.2MPa及び引張り係数2.62GPaが公表されている。この射出成形法及びLustran(登録商標)348を用いて9つの部品を製作した。部品は、第2リニアアクチュエータ、フラッシングガスケット保持器、第1リニアアクチュエータ、回収コードロック、マンドレル制御レバー、左ボディハウジング、サイジング挿入体、右ボディハウジング、及びロック解放アクチュエータを含んだ。
【0079】
ハンドルの組み立てに必要となる他の材料は、購入品であった。当業者に広く知られているレイアップ法で形成されるカテーテルチューブを、内径0.048mm及び外径0.33mmであり、また遠位先端の端部近くに白金イリジウムマーカーバンドが配置されるように注文したTeleflex medical, Jaffrey, NH)。カテーテルチューブの主ボディは、PTFEライナー及びステンレス鋼ブレイズ(65PPI)を有するPebax(登録商標)7233チューブであり、またカテーテルチューブの最遠位20.32mmは、6333 Pebax(登録商標)(内径0.027mm及び外径0.033mm)及び遠位端の湾曲(半径39.98mm)から成った。レーザーによって掲載されたガイドワイヤポートをマーカーバンドの近位側のカテーテルチューブ内に配置した。シリコーンから形成されたフラッシングガスケット又はU字カップ型ガスケット(22.99mm深さ、内径2.89mmから1.85mmへテーパ、内径6.71から7.75mmへテーパ)をApple Rubber of Lancaster, NYから調達した。外径3.18mmの雌ルアーコネクタを備えた約152mm(6インチ)の可撓性PVC(ポリ塩化ビニル)チューブを有するフラッシングポート(Merit Medical, South Jordan, UT)を自社在庫から支給した。シアノアクリレート瞬間接着剤を自社在庫から支給した。ステンレス鋼ハイポチューブをSmall Parts, Inc.から注文した(外径1.45mm、内径1.30mm、長さ30.48cm)から注文した。スライダロッド(PTFE被覆ステンレス鋼ハイポチューブ、外径3.18mm、内径1.65mm、長さ33.02cm)をApplied Plasticsから調達した。制御ばね(PTFE被覆ステンレス鋼板ばね、厚さ0.10mm、副フランジ長5.33mm、主フランジ長10.11mm、全長15.88mm)をIncodema, Ithaca, NYから注文した。
【0080】
構成要素の残りは、自社在庫から支給するか又は自社で製造した。20%の硫酸バリウムを含むPebax(登録商標)7233からすべての三重管腔チューブを製造した。両三重管腔チューブの外径O.D.は0.25mmであった。一方の三重管腔チューブは、2つの内径I.D.が0.035mmであり、また1つの内径が0.15mmである円形管腔であった。一方の三重管腔チューブは、2つの内径I.D.が0.036mmであり、また1つの内径が0.127×0.07mmである楕円形断面を有する1つの管腔であった。ステンレス鋼PTFE被覆(ポリテトラフルオロエチレン)プロセスマンドレルを自社で製造した。1つのプロセスマンドレルは円形(外径0.16mm)から楕円形(外径0.14×0.07mm)へ移行する断面形状を有した。PTFE被覆ステンレス鋼ワイヤを自社在庫から調達した(外径0.03mm)。標準的なルアー取り付け具を自社在庫から入手した。外径1.27×0.69mmの楕円形断面を有するPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)第2チューブ押し出し物を自社在庫から入手した。
【0081】
第1チューブを次のように形成した。円形管腔を有する一方の三重管腔押し出しチューブを入手した。別の三重管腔押し出しチューブを、1つの管腔が楕円断面を有する状態で入手した。円形(外径1.52mm)から楕円形(外径1.39×0.81mm)へ移行する断面形状を有するステンレス鋼プロセスマンドレルも入手した。両押し出しチューブをマンドレルに、マンドレルが両チューブより大きい管腔を通って挿入された状態で装着した。PTFEでカバーされた2本の小さなステンレス鋼ワイヤを両押し出しチューブのより小さな管腔を通して挿入した。マンドレル及びチューブをRF(高周波)ダイ(内径2.51mm、長さ4.45mm、D2工具鋼から製作)内に挿入した。2つのカテーテルの接合部を、RFダイの中心に配置した。RFダイ及びマンドレルを、RF溶接機(Hot Shot I, Ameritherm Inc., Scottsville, NY)のRFコイルの真ん中に配置し、当業者に広く知られているように溶接した。構成要素がリフローしたら、押し出しチューブの各端部に圧力を加えることにより、チューブの接合部を溶融した。次いでダイを圧縮空気で噴霧することによりダイを冷却し、そしてPebax(登録商標)を硬化させた。押し出しチューブ及びダイをRF機械から取り出し、そして押し出しチューブをダイから取り出した。プロセスマンドレル及びワイヤを押し出しチューブの管腔から取り出した。
【0082】
第2チューブに潤滑塗膜を施すことができる。シリコーン離型噴霧剤(Nix Stix X-9032A, Dwight products, Inc., Lyndhurst NJ)を第2チューブの遠位側約30cmに噴霧し、そしてヒュームフード下で周囲温度で乾燥させておくことができる。
【0083】
第3チューブサブアセンブリを次のように形成した。カテーテルチューブを、カテーテルチューブの近位端からほぼ6.35cmのところで真っ直ぐのカミソリで両断した。雄及び雌のインラインルアーコネクタ(Qosina, Edgewood, NY)を入手し、内径3.45mmまで穿孔した。UV(紫外線)硬化型接着剤(Locite 3041)を、カテーテルチューブの両断された端部に塗布し、穿孔されたルアー取り付け具を取り付けた。接着剤を製造業者の指示書に従って硬化させ、そしてルアー取り付け具同士をねじ結合した。
【0084】
第2リニアアクチュエータのサブアセンブリを次のように形成した。第2リニアアクチュエータ、フラッシングポート、フラッシングガスケット保持器、及びシリコーンフラッシングガスケットを入手した。フラッシングガスケットを第2リニアアクチュエータの背後に、フラッシングガスケットのU字形部分が遠位側に面した状態で挿入した。フラッシングガスケット保持器を、第2リニアアクチュエータの内側の上部に被せた。ガスケット保持器の周りにシアノアクリレート接着剤を塗布することにより、ガスケット保持器を所定の場所に保持した。フラッシングポートを、第2リニアアクチュエータのアパーチャ内に配置し、そしてUV硬化型接着剤を塗布して製造業者の指示書に従って硬化させた。
【0085】
第1チューブを入手し、そして端部から2.54cmバンドの円形カテーテル内径区分の外面にシアノアクリレートを塗布した。次いで、カテーテルが制御シャトルの背後と整合するようになるまで、カテーテルを制御シャトルの遠位端に挿入した。2つの小さな管腔が水平方向に、そして丸い管腔の上側部分に位置するように、カテーテルを配向する。回収コードロックを制御シャトル上にスナップ結合した。
【0086】
第2チューブサブアセンブリを次のように製造した。第2チューブ押出し物内に、直径0.033mmのニチノールワイヤの102mm(4インチ)片を挿入した。ワイヤ挿入体を含む第2チューブ押し出し物を、ハイポチューブ内に挿入した。ハイポチューブの遠位端を手で3回クリンピングした。
【0087】
第1チューブの遠位端をマンドレル制御レバーの上側に手繰り通し、そしてマンドレル制御レバーの遠位端に設けられた上側アパーチャに手繰り通した。第2チューブの遠位端を制御カテーテルの近位端内に手繰り込んだ。ハイポチューブの約102mm(約4インチ)が制御カテーテルの端部から突出するまで、第2チューブを第1チューブ内に押し込んだ。ハイポチューブの近位端に約12.7mm区分にわたって、シアノアクリレート接着剤を塗布した。マンドレル制御レバーの背後と整合するまで、マンドレル制御レバーの近位端の上側アパーチャ内に、この区分を挿入した。次いで、第1チューブの遠位端を、第2リニアアクチュエータの近位端内に手繰り込んだ。第2リニアアクチュエータを、制御カテーテル上の最も後ろ側の位置に動かした。
【0088】
次いで、サイジング挿入体を左ボディシェル内に嵌め込んだ。サイジング挿入体内の溝が左シェルの尾根部に被さるように、サイジング挿入体を配向した。カテーテルサブアセンブリを左ボディシェル内に入れることにより、マンドレル制御レバーがサイジング挿入体内に嵌入し、そして第2制御アクチュエータが左ボディシェルの遠位端のスロット内に嵌入するようにした。サイジング挿入体、マンドレル制御レバー、制御シャトル、及び第2リニアアクチュエータの開口を通してスライダロッドを挿入した。スライダロッドを、左ボディシェルの2つの支持体上に載置させた。制御ばねを右ボディシェル内に挿入することにより、これが対向する歯列内に嵌入するようにした。右ボディシェルを次いで左ボディシェル内に挿入し、そしてこれら2つを互いにスナップ結合した。左ボディシェルに設けられた利用可能なアパーチャ内に2つのねじ(#4-24 x 1/2インチ、ねじ山形成鍋頭)を挿入し、これらねじを締め付けた。ロック解放アクチュエータを、これが確実に取り付けられた状態を保つように一滴のシアノアクリレート接着剤とともに、第2リニアアクチュエータの右タブの所定の場所にスナップ結合した。
【0089】
第2リニアアクチュエータ、制御シャトル、及びマンドレル制御レバーをこれらの最前方位置に動かした。第2リニアアクチュエータを引き戻し、次いでその前方位置に戻した。第1チューブの遠位端を、第3チューブの先端から測定して1.27mmのところまで、カミソリの刃を用いて手によってトリミングした。サイジング挿入体を前方に向かって押した。制御カテーテルの最遠位端から測定して約0.76mmの長さまで、第2チューブを、カミソリの刃を用いて手によってトリミングした。約102mm(約4インチ)長のニチノールワイヤ片(0.30mm直径)を入手した。第2チューブの先端内に、細長いアプリケータチップを用いて、シアノアクリレート接着剤を塗布した。ニチノールワイヤをロッキング部材の先端内に挿入し、そして別のワイヤ片を使用して、第2チューブ内にニチノールワイヤを約2mmだけ挿入した。シアノアクリレート接着剤を硬化させておいた。
【0090】
第2リニアアクチュエータを引き戻し、そしてスロットを制御カテーテルから打ち抜いた。スロットの幅は、カテーテルの楕円形管腔の小軸とほぼ同じ幅であった。カミソリを用いてスロットを約19.05mmの最終長さに削いだ。次いで、第2リニアアクチュエータ及びサイジング挿入体を前方位置に動かした。
【0091】
ほぼ3.05m長さの回収コード(外径0.25mmのPTFE繊維)と、1.52m(外径0.15mm)のニチノールワイヤとを入手した。第1チューブの0.04mm管腔のうちの1つの管腔内にニチノールワイヤを挿入し、そしてこれがハンドル内に現れるまで押し通す。ピンセットを使用して、ワイヤを把持し、ハンドル内のスロットからこれを引き出す。ワイヤの約76.2mmを制御カテーテルの遠位端から突出させる。制御カテーテルの遠位端で同じ管腔内に自由端部を挿入することにより、ワイヤにループを形成した。次いで、回収コードの約76.2mmを、結果として得られるループに手繰り通した。回収コードがハンドル内に突入するまで、ニチノールワイヤを、カテーテルを通して引っ張った。
【0092】
シール器具を入手した。裁縫用に一般に使用されているタイプの針を回収コードと一緒に手繰り込み、そして針を、PTFEバッグと対向するロックループを通るように、そしてシール器具の近位側アイレットの管腔を通るように挿入した。次いでニチノールワイヤを、第1チューブの空いたままの0.04mm管腔に、ワイヤのループ端部が遠位側を指した状態で手繰り通した。針を回収コードから取り出し、コードをニチノールワイヤのループに手繰り通した。次いで、回収コードを前述のようにカテーテルを通して引っ張った。
【0093】
制御シャトルを約12.7mmだけ後退させた。次いで、第2チューブを、器具のアイレットに手繰り通した。ピンセットを使用して回収コードを把持し、そしてハンドルの外側に引き込んだ。小さな直径のニチノールワイヤの一部にループを形成した。制御シャトルの上側の遠位部分に設けられたアパーチャを通して、ループを挿入した。回収コードをこのループに手繰り通し、そして制御シャトルの遠位部分のアパーチャを通して引っ張った。回収コードロックを制御シャトルから取り出し、回収コードの一方の自由端部を、回収コードロックの開口を通して底部から挿入した。コードに4つの止め結び(overhand knots)を形成した。過剰のコードを手でトリミングし、そして回収コードロックを制御シャトルに戻した。
【0094】
残りの自由な回収コードを、すべての弛みがなくなるまで引っ張った。回収コードの残りの自由端部を、制御シャトルの上側の前面に設けられた開口内に挿入した。回収コードを、教えられるまで引張り、そして回収コードロックをスナップ状に閉鎖した。コードを手で約20.32cmまでトリミングした。
【0095】
シャープな先端を備えたはんだごてを入手し、これを約500°Fまで加熱することにより、第2チューブをフレア状に広げた。直径がほぼ1.39mmであるフレアが形成されるまで、こての先端を第2チューブ内に挿入した。器具のロックループを冷却した。