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特許6374475重力補給式スプレー装置用の通気システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6374475
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】重力補給式スプレー装置用の通気システム
(51)【国際特許分類】
   B05B 7/26 20060101AFI20180806BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20180806BHJP
   F16K 15/14 20060101ALI20180806BHJP
【FI】
   B05B7/26
   B65D83/00 G
   B65D83/00 K
   F16K15/14 C
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-244354(P2016-244354)
(22)【出願日】2016年12月16日
(62)【分割の表示】特願2015-510259(P2015-510259)の分割
【原出願日】2013年3月8日
(65)【公開番号】特開2017-104862(P2017-104862A)
(43)【公開日】2017年6月15日
【審査請求日】2017年1月12日
(31)【優先権主張番号】61/641,181
(32)【優先日】2012年5月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/789,528
(32)【優先日】2013年3月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515198670
【氏名又は名称】カーライル フルイド テクノロジーズ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル エフ.マーサレク
(72)【発明者】
【氏名】マ−ビン ディー.バーンズ
【審査官】 増永 淳司
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/090857(WO,A1)
【文献】 特開平11−011591(JP,A)
【文献】 特開2007−257873(JP,A)
【文献】 米国特許第04388997(US,A)
【文献】 特開平06−007710(JP,A)
【文献】 特開2011−143967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 7/26
B65D 83/00
F16K 15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
容器カバーを含み、
容器カバーが、
液体容器内に延在するように構成された液体導管と;
バッファ室を取り囲み、外部環境から液体容器の内部容積を分離するように構成されている少なくとも1つの壁と;
少なくとも1つの壁に結合され、バッファ室と外部環境を流体的に結合するように構成されている第1の通気導管と;
少なくとも1つの壁に結合され、バッファ室と内部容積を流体的に結合するように構成されている第2の通気導管と;
完全に第1または第2の通気導管またはその組合せの中にある少なくとも1つの逆止弁と;
を含んでいる、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
液体導管が、スプレーガンの液体入口と結合するように構成されたスプレー装置マウントを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
スプレーガンマウントを介して容器カバーに結合するように構成されたスプレー装置を含む、ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
少なくとも1つの逆止弁が完全に第1の通気導管の中にある、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
少なくとも1つの逆止弁が完全に第2の通気導管の中にある、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
少なくとも1つの逆止弁が、第1または第2の通気導管の遠位端に結合されている、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
少なくとも1つの逆止弁が1つのダックビル弁を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
液体容器を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
第1および第2の通気導管が各々、液体流に抵抗する表面張力を有する、前記第1または第2の通気導管の遠位端に設けられた遠位開口部を含み、第1および第2の通気導管が各々、液体流に抵抗する内部表面張力を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
第1および第2の通気導管がオフセット距離だけ互いから離隔されており、オフセット距離が、第1および第2の通気導管の軸との関係において軸方向オフセットと側方オフセットを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
第1の通気導管の遠位端に設けられている遠位開口部が、バッファ室を取り囲む少なくとも1つの壁の内側表面の近位に位置付けされている、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
少なくとも1つの壁が、バッファ室を取り囲む内側壁と外側壁とを含み、
液体導管が外側壁と内側壁に対して結合され、
第1の通気導管が外側壁に結合され、第1の通気導管が外側壁からバッファ室内へ内向きに、外側壁と内側壁の間の第1の遠位位置まで突出し、
第2の通気導管が内側壁に結合され、第2の通気導管がバッファ室および内側壁から離れるように、内側壁からオフセットさせられた第2の遠位位置まで突出している、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
システムであって、
容器カバーを含み、
容器カバーが、
外部環境から液体容器の内部容積を分離するように構成された少なくとも1つの壁と;
少なくとも1つの壁に結合され、スプレー装置の液体入口に取付けるように構成されている液体導管と;
少なくとも1つの壁に結合された少なくとも1つの通気導管であって、完全に前記少なくとも1つの通気導管の中にある少なくとも1つの逆止弁を含む、少なくとも1つの通気導管と;を含んでいる、
ことを特徴とするシステム。
【請求項14】
液体導管と液体入口の連結を介して容器カバーに結合するように構成されたスプレー装置を含む、ことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
少なくとも1つの逆止弁が、少なくとも1つの通気導管の遠位端に結合され、遠位端が、少なくとも1つの壁から離れるオフセット距離のところに配置されている、ことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
少なくとも1つの逆止弁が1つのダックビル弁を含む、ことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
液体容器を含む、ことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
少なくとも1つの壁が、外部環境から液体容器の内部容積を分離するように構成されたバッファ室を取り囲み、少なくとも1つの通気導管がバッファ室に対して流体的に結合されている、ことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
システムであって、
液体入口を有するスプレー装置と、
重力補給式容器アセンブリと、を含み、
重力補給式容器アセンブリが
液体容器と、
容器カバーと、を含み、
容器カバーが、
液体容器に結合するように構成され、液体容器の内部容積と外部環境の間の通気経路に沿って少なくとも1つの逆止弁であって、完全に前記通気経路の中にある少なくとも1つの逆止弁を含み、かつ、
スプレー装置の液体入口に結合するように構成された液体導管を含んでいる、ことを特徴とするシステム。
【請求項20】
容器カバーの壁から突出する通気導管を含み、少なくとも1つの逆止弁が通気導管の遠位端に結合されている、ことを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にスプレー装置、そしてより詳細にはスプレー装置用の液体供給容器向けの通気システムに関する。
【0002】
本出願は、全体が参照により本明細書に援用されている2012年5月1日出願の「重力補給式スプレー装置用の通気システム」という名称の米国仮特許出願第61/641,181号(US.Provisional Patent Application No.61/64,181)に対する優先権およびその利益を主張し、全体が参照により本明細書に援用されている2013年3月7日出願の「重力補給式スプレー装置用の通気システム」という名称の米国非仮特許出願第13/789,528号(US.Non−Provisional Patent Application No.13/789,528)に対する優先権およびその利益を主張するものである。
【背景技術】
【0003】
スプレー塗装装置は、さまざまな標的物体に対してスプレー塗装を適用するために使用される。
スプレー塗装装置は、多くの場合、重力補給式スプレー装置上に液体塗装材料(例えばペンキ)を保持するための容器などの多くの再利用可能な構成要素を含んでいる。
残念なことに、これらの再利用可能な構成要素を清浄するのに莫大な時間が費やされている。
さらに、液体塗装材料は多くの場合、混合カップから重力補給式スプレー装置に結合された容器まで移送される。
ここでもまた、液体塗装材料を移送するのに莫大な時間が費やされる。
さらに、使い捨てのまたは再利用可能な構成要素は、液体塗装材料を漏出させるかまたは流出させて、塗布をより高価で効率の低い不便なものにする。
【発明の概要】
【0004】
第1の実施形態において、
システムは、液体容器内に延在するように構成された液体導管と;
バッファ室を取り囲み、外部環境から容器の内部容積を分離するように構成されている少なくとも1つの壁と;
バッファ室内に延在し、カバーの壁と接合されている第1の通気導管と;
バッファ室から液体容器の内部容積まで延在し、容器の壁と結合されている第2の通気導管と;
第1および/または第2の通気導管に結合された少なくとも1つの逆止弁と、
を有する容器カバーを含む。
【0005】
第2の実施形態において、
システムは、
液体容器の内部容積を外部環境から分離するように構成された少なくとも1つの壁と;
スプレー装置の液体入口に取付けるように構成され、容器の壁に結合された液体導管と;
少なくとも1つの逆止弁を有し、カバーの壁に結合された少なくとも1つの通気導管と、を有する容器カバーを含む。
【0006】
第3の実施形態においては、
システムは、液体入口を伴うスプレー装置と、液体容器と、液体容器に結合するように構成された容器カバーを含む重力補給式容器アセンブリとを有する。
さらに容器カバーは、内部容積と外部環境の間の通気経路に沿って少なくとも1つの逆止弁を有する。
容器カバーは、同様に、スプレー装置の液体入口と結合するように構成された液体導管も有している。
【0007】
本発明のこれらのおよび他の特徴、態様そして利点は、添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことでより良く理解される。
なお添付図面中、同じ文字は、図面全体を通して同じ部品を表わす。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】独特の重力補給式容器アセンブリを有するスプレー塗装システムの一実施形態を示すブロック図である。
図2図1の独特の重力補給式容器アセンブリを利用するスプレー塗装プロセスの一実施形態を示す流れ図である。
図3図1の独特の重力補給式容器アセンブリに結合されたスプレー塗装装置の一実施形態の断面側面図である。
図4】カバーアセンブリに結合されたスプレーガンアダプタアセンブリを示す、図3の独特の重力補給式容器アセンブリの一実施形態の部分断面図である。
図5】カバーアセンブリから分解されたスプレーガンアダプタアセンブリを示す、図3の独特の重力補給式容器アセンブリの一実施形態の部分分解組立斜視図である。
図6】カバー側を上にした位置に配向された容器とカバーアセンブリを示す、図1の独特の重力補給式容器アセンブリの一実施形態の断面側面図である。
図7】カバー側を下にした位置に配向された容器とカバーアセンブリを示す、図1の独特の重力補給式容器アセンブリの一実施形態の断面側面図である。
図8】突出する部分に隣接してテーパーの付いた通気導管を有するバッファ室を示す、図1の独特の重力補給式容器アセンブリのカバーアセンブリの一実施形態の切り取り斜視図である。
図9】カバー側を下にした位置に配向された容器とカバーアセンブリを示す、図1の独特の重力補給式容器アセンブリの一変形実施形態の断面側面図である。
図10】ダックビル弁を示す、図3、6、7および9の逆止弁の一実施形態の断面側面図である。
図11】アンブレラ弁を示す、図3、6、7および9の逆止弁の一変形実施形態の断面側面図である。
図12】ボール弁を示す、図3、6、7および9の逆止弁の別の変形実施形態の断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下で詳細に説明する通り、液体の漏出を阻止しながら容器を通気するために、少なくとも逆止弁(例えば一方向弁)を含む独特の毛管作用による通気システムが提供される。詳細には、毛管作用による通気システムは、少なくとも1つの逆止弁と1つ以上の毛細管を含む。
例えば、通気システムは、外部環境から内部容積を分離する壁、毛細通気管および少なくとも1つの逆止弁を含む。
逆止弁は、流体(液体または気体)が弁を通って一方向のみに流れることを可能にする。
逆止弁は、空気が容器内に入るための通気経路を可能にしながら、液体の漏出を阻止する。
一部の実施形態において、通気システムは、いずれか一方または両方の毛細管の遠位端を含む通気システム内の任意の点に置かれた1つ以上の逆止弁を伴う互いにオフセットされた2本の毛細管およびバッファ室を含んでいてよい。
2本の毛細管の間のオフセットは、空気のための中間通気経路を提供する一方で、毛細管の1本から漏出した液体を全て格納するための容積をも提供している。
各毛細管は、容器から外への液体流に抵抗し、こうして液体を実質的に容器内部に格納するように構成されている。
例えば各毛細管の遠位開口部は、メニスカスすなわち表面張力の形成によって液体流に抵抗している場合がある。
一部の実施形態において、遠位開口部は、表面張力によって流体流にさらに抵抗するように表面の近位に位置付けされてもよい。
さらなる例によると、各々の毛細管の内部が、表面張力によって液体流に抵抗する場合もある。
各毛細管は、円筒状または円錐状などの中空環状幾何形状を有していてよい。
円錐形の毛細管は、小さい方の端部における開口部の直径の減少によって液体流に対する追加の抵抗を提供する。
さらに、各毛細管は、管のいずれかの端部および/または管に沿った中間位置に配置された1つ以上の逆止弁を含む。
【0010】
ここで図面を見ると、図1は、標的物体14に対して所望の塗装液体を塗布するための独特の重力補給式容器アセンブリを有するスプレー塗装ガン12を含む例示的スプレー塗装システム10を示す流れ図である。
スプレー塗装ガン12は、さまざまな供給および制御システム、例えば独特の重力補給式容器アセンブリを有する液体供給部16、空気供給部18および制御システム20に結合されてよい。
制御システム20は、液体および空気供給部16および18の制御を容易にし、スプレー塗装ガン12が標的物体14上に許容可能な品質のスプレー塗装を提供することを保証する。
例えば、制御システム20は、自動化システム22、位置付けシステム24、液体供給部コントローラー26、空気供給部コントローラー28、コンピュータシステム30およびユーザーインターフェース32を含んでいてよい。
制御システム20は同様に、位置付けシステム24にも結合されてよく、こうして、スプレー塗装ガン12との関係における標的物体14の運動が容易になる。
したがって、スプレー塗装システム10は、コンピュータ制御された塗装液体混合、液体および空気の流量およびスプレーパターンを提供してよい。
【0011】
図1のスプレー塗装システム10は、多様な利用分野、液体、標的物体、およびスプレー塗装ガン12のタイプ/形態に応用可能である。
例えば、ユーザーは、金属および木材などのさまざまな材料用として、異なる塗装タイプ、色、テクスチャおよび特性を含み得る複数の異なる塗装液体42の中から所望の液体40を選択してよい。
ユーザーは同様に、異なる材料および製品タイプなどのさまざまな異なる物体38の中から所望の物体36を選択してよい。
スプレー塗装ガン12は同様に、ユーザーによって選択された標的物体14および液体供給部16に対応するためのさまざまな異なる構成要素およびスプレー形成機構を含んでいてよい。
例えば、スプレー塗装ガン12は、空気噴霧器、回転噴霧器、静電噴霧器または他のあらゆる好適なスプレー形成機構を含んでいてよい。
【0012】
図2は、標的物体14に対して所望のスプレー塗装液体を塗布するための例示的なスプレー塗装プロセス50の流れ図である。
図示されている通り、プロセス50は、所望の液体を塗布するための標的物体14を識別することにより進行する(ステップ52)。
プロセス50は次に、標的物体14のスプレー表面に対する塗布用の所望の液体を選択することで次に進む(ステップ54)。
次にユーザーは、識別された標的物体14および選択された液体40向けにスプレー塗装ガン12を構成するよう進行する(ステップ56)。
ユーザーがスプレー塗装ガン12を作動させるにつれて、プロセス50は次に、選択された液体40の噴霧状スプレーを作り出すように進む(ステップ58)。
このときユーザーは、標的物体14の所望の表面全体にわたり噴霧状スプレーの塗装を適用してよい(ステップ60)。
プロセス50は次に、所望の表面上に塗布された塗装の硬化/乾燥段階に進む(ステップ62)。
選択された液体の追加塗装をユーザーが質問ステップ64において所望した場合には、プロセスはステップ58、60および62内を進み、選択された液体40をもう一回塗装する。
ユーザーが質問ステップ64において選択された液体の追加塗装を所望しない場合には、プロセス50は質問ステップ66まで進んで、新しい液体の塗装をユーザーが所望するか否かを決定する。
ユーザーが質問ステップ66において新しい液体の塗装を所望する場合には、プロセス50は、スプレー塗装のために新たに選択された液体を用いてステップ54、56、58、60、62および64内を進行する。
ユーザーが質問ステップ66において新しい液体の塗装を所望しない場合には、プロセス50はステップ68で終了する。
【0013】
図3は、液体供給部16に結合されたスプレー塗装ガン12の一実施形態を示す断面側面図である。
図示されているように、スプレー塗装ガン12は、本体82に結合されたスプレー先端アセンブリ80を含む。
スプレー先端アセンブリ80は、本体82の受け口86内に取り外し可能な形で挿入されてよい液体送出先端アセンブリ84を含む。
例えば、複数のさまざまなタイプのスプレー塗装装置を、液体送出先端アセンブリ84を受入れ使用するように構成してよい。
スプレー先端アセンブリ80は同様に、液体送出先端アセンブリ84に結合されたスプレー形成アセンブリ88も含んでいる。
スプレー形成アセンブリ88は、さまざまなスプレー形成機構、例えば空気式、回転式および静電噴霧式機構を含んでいてよい。
ただし、図示されたスプレー形成アセンブリ88は、空気噴霧キャップ90を含み、これは保持ナット92を介して本体82に取外し可能な形でしっかり固定されている。
空気噴霧キャップ90は、液体送出先端アセンブリ84に帰属する液体先端出口96を中心にして配置された中央噴霧オリフィス94などのさまざまな噴霧オリフィスを含む。
空気噴霧キャップ90は同様に、スプレー整形オリフィス98などの1つ以上のスプレー整形用空気オリフィスを有していてよく、これらのオリフィスは、空気ジェットを用いてスプレーに強制的に所望のスプレーパターン(例えば平坦なスプレー)を形成させる。
プレー形成アセンブリ88は同様に、所望のスプレーパターンおよび液滴分布を提供するためのさまざまな他の噴霧機構を含んでいてよい。
【0014】
スプレー塗装ガン12の本体82は、スプレー先端アセンブリ80のためのさまざまな制御機構および供給機構を含む。
図示される通り、本体82は、液体入口カップリング104から液体送出先端アセンブリ84まで延在する液体通路102を有する液体送出アセンブリ100を含む。
液体送出アセンブリ100は同様に、液体通路102を通って液体送出先端アセンブリ84までの液体流を制御するための液体弁アセンブリ106も含んでいる。
図示された液体弁アセンブリ106は、液体送出先端アセンブリ84と液体弁調整装置110との間で本体84を通って可動な形で延在するニードル弁108を有する。
液体弁調整装置110は、ニードル弁108の後部部分114と液体弁調整装置110の内部部分116との間に配置されたバネ112に対して回転可能な形で調整できる。
ニードル弁108は同様に、枢動継手120を中心にして反時計回り方向にトリガ118が回転させられるにつれて、ニードル弁108が液体送出先端アセンブリ84から離れるように内向きに移動し得るような形で、トリガ118に結合されている。
ただし、内向きまたは外向きに開放可能な好適な弁アセンブリであれば、現在の技術の範囲内で使用してよい。
液体弁アセンブリ106は同様に、さまざまなパッキンおよびシールアセンブリ、例えばニードル弁108と本体82との間に配置されたパッキンアセンブリ122も含んでいてよい。
【0015】
本体82内には、スプレー形成アセンブリ88における噴霧を容易にするために空気供給アセンブリ124も配置される。
図示されている空気供給アセンブリ124は、空気入口カップリング126から空気通路128および130を介して空気噴霧キャップ90まで延在する。
空気供給アセンブリ124は同様に、スプレー塗装ガン12を通る空気の圧力および流量を維持し調節するためのさまざまなシールアセンブリ、空気弁アセンブリおよび空気弁調整装置も含んでいる。
例えば、図示された空気供給アセンブリ124は、トリガ118に結合された空気弁アセンブリ132を含み、こうして、枢動継手120を中心としたトリガ118の回転が空気弁アセンブリ132を開放して空気通路128から空気通路130への空気の流れを可能にするようになっている。
空気供給アセンブリ124は同様に空気弁調整装置134も含み、空気噴霧キャップ90への空気の流れを調節する。
図示されているように、トリガ118は、液体弁アセンブリ106と空気弁アセンブリ132の両方に結合され、こうしてトリガ118が本体82の握り136に向かって引張られた時点で、液体と空気が同時にスプレー先端アセンブリ80まで流れるようになっている。
ひとたび作動させられると、スプレー塗装ガン12は、所望のスプレーパターンおよび液滴分布を有する噴霧状スプレーを生成する。
【0016】
図3に示された実施形態では、空気供給部18は空気導管138を介して空気入口カップリング126に結合される。
空気供給部18の実施形態には、空気圧縮機、圧縮空気タンク、圧縮不活性ガスタンク、またはそれらの組合せが含まれてよい。
図示された実施形態において、液体供給部16は、スプレー塗装ガン12に直接取付けられている。
図示された液体供給部16は、容器アセンブリ140を含み、このアセンブリには容器142とカバーアセンブリ144が含まれる。
一部の実施形態において、容器142は、ポリプロピレンなどの好適な材料でできた可撓性カップであってよい。
さらに、容器142は、ユーザーが使用後に容器142を廃棄できるように、使い捨てであってよい。
【0017】
カバーアセンブリ144は、液体導管146と通気システム148を含む。
通気システム148は、外側カバー152と内側カバー154の間に配置されたバッファ室150を含む。
液体導管146は内側および外側カバー152および154に結合され、バッファ室150と連通するいかなる液体開口部も無く、バッファ室150を通って延在する。
通気システム148は同様に、外側カバー152に結合されバッファ室150内部で終結する第1の通気導管156と、内側カバー154に結合され容器142内部のバッファ室150の外で終結する第2の通気導管158とを含む。
換言すると、第1および第2の通気導管156および158は、バッファ室150を介して互いに連通する開口部を有する。以下で論述する通り、通気導管156および158の一方または両方が、少なくとも1つの逆止弁168を含み、流体の漏出を阻止し、通気を可能にしている。
【0018】
一部の実施形態においては、容器アセンブリ140の構成要素の全てまたは一部が、使い捨ておよび/または再利用可能材料、例えば透明または半透明のプラスチック、繊維質またはセルロース系材料、非金属材料またはこれらのいくつかの組合せで作られていてよい。
例えば容器アセンブリ140は、完全にまたは実質的に(例えば75、80、85、90、95、99パーセント超)使い捨ておよび/または再生利用可能材料で作られていてよい。プラスチック容器アセンブリ140の実施形態には、本質的または完全にポリマー、例えばポリエチレンからなる材料組成が含まれる。
繊維質容器アセンブリ140の実施形態には、本質的にまたは完全に天然繊維(例えば植物繊維、木質繊維、動物繊維または鉱物繊維)または合成/人造繊維(例えばセルロース、鉱物またはポリマー)からなる材料組成が含まれる。
セルロース繊維の例としては、モダールまたは竹が含まれる。ポリマー繊維の例としては、ナイロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、アラミド、ポリウレタン、エラストマおよびポリウレタンが含まれる。
一部の実施形態において、カバーアセンブリ144は、一回使いきりの利用分野向けに設計されてよく、一方容器142は、異なるカバーアセンブリ144との使用の間に液体(例えば液体ペンキ混合物)を保管するために使用されてよい。
他の実施形態において、容器142およびカバーアセンブリ144は両方共使い捨てであってよく、かつ一回のみ使用または多数回使用してから廃棄されるように設計されていてよい。
【0019】
図3にさらに図示されている通り、容器アセンブリ140は、重力補給式構成でスプレー塗装ガン12の上部に結合されている。
設定の間、容器アセンブリ140に、スプレー塗装ガン12から分離したカバー側を上にした位置で、塗装液体(例えばペンキ)を充填し、次に、スプレー塗装ガン12との連結のためカバー側を下にした位置まで容器アセンブリ140を逆転させてよい。
容器142が逆転された時点で、塗装液体の一部分が通気導管158を通ってバッファ室150内に漏出または流入し、その結果、容器142内に第1の液体体積160がそしてバッファ室150内に第2の液体体積162がもたらされる。
しかしながら、液体の少なくとも一部は、容器142内の真空圧力、通気導管158内部の表面張力および通気導管158の遠位端開口部の表面張力によって通気導管158内にとどまる。
バッファ室150は、容器142がカバー側が上に向いた位置とカバー側が下に向いた位置の間で回転させられた場合でも容器142から漏出した液体体積162を保持するように構成されている。
スプレー塗装ガン12の使用中、塗装液体は、容器142から流体流経路164に沿ってスプレー塗装ガン12まで流れる。
同時に、空気が空気流経路166を介してまずは逆止弁168を通って容器142内に入り、その後通気システム148を通って続行する。
すなわち空気は、第1の通気導管内へ、逆止弁168を通り、バッファ室150を通り、第2の通気導管158を通り、そして容器142内へと流れる。
図3に示された実施形態において、逆止弁168は、第1の通気導管156の遠位端に配置されているが、通気システム148例えば第2の通気導管158の遠位端の内部、いずれか一方のまたは両方の通気導管156および158の内部、バッファ室150の内部のいずれかの場所、あるいは流体漏出を阻止するのに好適である通気システム148の内部の他の任意の場所に、置換的にまたは追加として配置されてもよい。
以下でさらに詳述する通り、逆止弁168、バッファ室150および通気導管156および158の配向は、漏出した塗装液体(例えば第2の液体体積162)を通気導管156および158内の開口部から離れたところに保持しながら、容器アセンブリ140およびスプレー塗装ガン12の全ての配向に空気流経路166(例えば通気経路)を維持する。
例えば、通気システムは、容器アセンブリ140が水平平面、垂直平面または他の任意の平面内でおよそ0〜360度回転した場合でも、空気流経路160を維持し、液体体積162をバッファ室150内に保持するように構成されている。
【0020】
図4は、カバーアセンブリ144に結合されたスプレーガンアダプタアセンブリ170を示す、図3の独特の重力補給式容器アセンブリ140の一実施形態の部分断面図である。
図示されている実施形態において、スプレーガンアダプタアセンブリ170は、テーパーのついた接合面181、通気アライメントガイド182および係合ロック機構183を介してカバーアセンブリ144に結合されたスプレーガンアダプタ180を含む。
例えば、テーパーの付いた接合面181は、液体導管146のテーパーの付いた外部表面172(例えば円錐形の外部)およびアダプタ180のテーパー付きの内部表面174(例えば円錐形の内部)により画定されるかもしれない。
さらなる例によると、通気アライメントガイド182は、アダプタ180上に配置された第1のアライメント機構176と外側カバー152上に配置された第2のアライメント機構178とによって画定されてよい。
さらなる例によると、係合ロック機構183は、液体導管146のテーパーの付いた外部表面172上に配置された雄側ロック機構(例えば半径方向突出部)と、アダプタ180のテーパーの付いた内部表面174上に配置された雌側ロック機構(例えば半径方向陥凹部)とを含んでいてよい。
【0021】
図示された実施形態において、液体導管146は、液体導管146から半径方向外向きに延在する1つ以上の唇状部188を伴う遠位端部分186と液体通路184とを含んでいてよい。
換言すると、唇状部188は、テーパーの付いた外部表面172から半径方向外向きに突出する。
アダプタ180は、図4に示されている通り、液体導管146を収容するように構成された内側通路190を含む。図示されている通り、通路190は、液体導管146のテーパーの付いた外部表面172と楔嵌合および/または摩擦嵌合を形成するテーパーの付いた内部表面174を有する。
アダプタ180は同様に、内側通路190に沿って一定の距離194にわたって配置された溝192(例えば環状溝または半径方向陥凹部)も含んでいる。
一部の実施形態において、唇状部188は、アダプタ180との関係における液体導管146の軸方向の運動を阻止するように、溝192の中に配置されていてよい。
【0022】
通気アライメントガイド182は、第1の通気導管156、第2の通気導管158またはそれらの組合せを、スプレー塗装ガン12との関係において整列させるように構成されている。
この目的で、一部の実施形態において、通気アライメントガイド182は、アダプタ180と外側カバー152の間で互いに整列するように構成された第1のアライメントガイド176と第2のアライメントガイド178を含んでいてよい。
図示された実施形態において、第1のアライメントガイド176は、アライメントタブ198および内側保持フィンガー197を伴うリング196を含む。
例えば、内部保持フィンガー197は、リング196がアダプタ180内に挿入された時点でわずかに屈曲して、アダプタ180上に半径方向内向きの保持力(例えばバネ力)を提供することによって、アダプタ180の周りにリング196を圧縮嵌合してよい。
さらに例示される通り、第2のアライメントガイド178は、外側カバー152内に配置されたアライメント陥凹部200を含む。
一部の実施形態において、アライメントタブ198は、図4に示されているように、アダプタ180が液体導管146に結合された場合、アライメント陥凹部200の内部に嵌合するように構成されていてよい。
すなわち、現在企図されている実施形態において、通気アライメントガイド182は、アライメントタブ198、アライメント陥凹部200またはその組合せを有するリング196であってよい。
通気アライメントガイド182のこのような実施形態は、明確な利点を提供する可能性がある。
例えば、通気アライメントガイド182は、スプレー塗装ガン12に取付けられた場合に容器142内の最も高い位置に第2の通気導管158を強制的に押し進めるかもしれない(図3参照)。
この特徴は、使用中バッファ容積150内に置かれる流体体積162を最小限に抑える効果を有するかもしれない。
【0023】
使用中、アダプタ180は、液体導管146をスプレー塗装ガン12に結合し、通気アライメントガイド182は重力補給式容器142を重力補給式スプレー塗装ガン12と整列させる。
すなわち通気アライメントガイド182は、スプレー塗装ガン12に結合されている間、容器142内部の上部位置に容器142内の第2の通気導管158を配向させる(図3参照)。
以上の特徴は、スプレーガンの使用中に空気流経路166が適切に確立され得ることを保証するための通気システム148の利用可能性を維持する効果を有するかもしれない。
さらに、動作中、アダプタ180内の溝192は、容器142がスプレー塗装ガン12から係合解除された状態になり始めた場合、その間液体導管146の唇状部188と接触するように構成されてよい。
すなわち、液体導管146が使用中のスプレー塗装ガン12から離れる方向202に移動し始めた場合、唇状部188が溝192の端部に達した時点でアダプタ180から液体導管146が外れるのを阻止することができる。
このような特徴は、動作中に重力補給式容器142と重力供給式スプレー塗装ガン12の間の連結を保護する効果を有するかもしれない。
【0024】
図5は、カバーアセンブリ144から分解されたスプレーガンアダプタアセンブリ170を示す、図3の独特の重力補給式容器アセンブリ140の一実施形態の部分分解組立斜視図である。図示された実施形態において、アダプタアセンブリ170は、アダプタ180(例えば第1の部品)と第1のアライメントガイド176(例えば第2の部品)を含む。
アダプタ180は、第1のネジ付き部分214(例えば、雄ネジ付き環状部分)、溝192、六角形突出部216(例えば工具ヘッド)、固定部分218(例えば雄ネジ付き環状部分)およびアダプタ180を通って長さ方向に延在する中央通路220を含む。
第1のネジ付き部分214は、容器142が使用のために位置付けされた場合に、スプレー塗装ガン12内の噛合いネジ山に結合するように構成されている。
さらに、固定部分218は、第1のアライメントガイド176と係合するように構成されている。
第1のアライメントガイド176は、アライメントタブ198および内側保持フィンガ197を伴うアライメントリング196を含む。内側保持フィンガ197は、第1のアライメントガイド176をアダプタ180上の所定の位置に保つように固定部分218を中心として圧縮嵌合するように構成されている。
【0025】
使用中、アダプタアセンブリ170は、スプレー塗装12および容器アセンブリ140の両方に結合される。
前述の通り、アライメントタブ198は、液体導管146、第1の通気導管156、第2の通気導管158またはそれらの組合せがスプレー塗装ガン12との関係において整列されるような形で、アライメント陥凹部200内に位置付けされてよい。
換言すると、アライメントタブ198は、スプレーガンアダプタ180が液体導管146に結合されている間、アライメント陥凹部200の内部に嵌合するように構成されてよい。
図示されている通り、アライメント陥凹部200は、液体導管146と第2の通気導管158の中間に配置され、ここで液体導管146は、第1および第2の通気導管156および158の中間に配置されている。
例えば、一定の実施形態において、液体導管146、第1および第2の通気導管156および158そして通気アライメントガイド182(例えば第1および第2のアライメントガイド)は、互いに一直線上に、例えば共通の平面内に配置されてよい。
【0026】
図6図7は、通気システム148の動作を描写することを目的として容器アセンブリ140とは反対の配向を示しているが、通気システム148の実施形態は、容器アセンブリ140の考えられる任意の配向で動作可能である。
図6は、カバー側が上になった位置で配向された容器142とカバーアセンブリ144を伴う独特の重力補給式容器アセンブリ140を示す、図1の液体供給部16の別の実施形態の断面側面図である。
詳細には、カバーアセンブリ144は、容器142に液体体積160が充填された後、容器142の上に配置される。
カバーアセンブリ144には、内側および外側カバー152および154に結合されそれらの中に延在する通気システム148および液体導管146が含まれる。
通気システム148は、外側カバー152と内側カバー154の間に配置されたバッファ室150を含む。
通気システム148は同様に、外側カバー152に結合されたテーパーの付いた外側通気導管232と、内側カバー154に結合されたテーパーの付いた内側通気導管234をも含んでいる。
通気システム148は同様に、両方の通気導管232および234の遠位端上(通気システム148の内部の全てとは言わないまでも一部の考えられる代替的な場所も含める)に配置される逆止弁168をも含んでいる。
詳細には、通気システム148は、各通気導管232および234に沿ったいずれかの端部および/または中間位置に配置された1つ以上の逆止弁168を含んでいてよい。
ここでもまた、逆止弁168は、(例えばスプレー塗装ガン12の重力式供給中に液体流を促す目的で)通気を行なうためにアセンブリ内に空気が流入できるようにもする一方で、重力補給式容器アセンブリ140から周囲環境への液体(例えばペンキ)の漏出を阻止するように構成されている。
通気システム148はさらに、内側カバー154上に配置された突出部分236(例えば液体阻止スクリーン)を含み、ここで突出部分236は、テーパーの付いた外側通気導管232と極めて近接して面している。
容器142が図6に示されている通りに配向されている場合、通気システム148を通って空気経路238が確立される。
同様にして、液体供給部16の図示された配向で容器142内への液体経路240が確立される。
【0027】
図示された実施形態において、テーパーの付いた外側通気導管232は、外側カバー152と内側カバー154の間でバッファ室150内へ遠位端242まで延在する。
外側通気導管232の遠位端242は、内側カバー154の突出部分236(例えば液体阻止スクリーン)に極く近接していてよい。
換言すると、外側通気導管232の遠位端242は、外側通気導管232の第1の軸246に沿って外側カバー152から第1の距離244(すなわち導管232の長さ)のところに配置される。
さらに、内側カバー154は、外側通気導管232の第1の軸246に沿って外側カバー152から一定のオフセット距離248(すなわち合計カバー離隔距離)のところに配置される。
換言すると、オフセット距離248は、内側および外側カバー152および154の間の合計距離であり、一方第1の距離は、外側カバー152から内側カバー154に向かって突出する外側通気導管232の合計長さを表わす。
一部の実施形態において、第1の距離244(すなわち導管232の長さ)は、オフセット距離248(すなわち合計カバー離隔距離)の少なくともおよそ50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%超であってよい。
例えば、一実施形態において、第1の距離244は、少なくともオフセット距離248のおよそ50%超である。
さらなる例として、一部の実施形態において、第1の距離244は、オフセット距離248の少なくとも75%超であってよい。
さらには、他の実施形態において、第1の距離244は、オフセット距離248の少なくともおよそ95%超であってよい。
内側カバー154に極く近接した外側通気導管232の遠位端242は、通気システム148を通した通気をなおも可能にしながら、バッファ室150の液体保持能力を増大させるかもしれない。
その上、外側通気導管232の遠位端242が突出部分(例えば液体阻止スクリーン)に極く近接していることは、例えば重力補給式容器アセンブリ140の運動(例えば振動)中、バッファ室150から外側通気導管232内への液体の進入に抵抗する可能性がある。
例えば、遠位端242が突出部分に対し極く近接していることにより、追加の表面張力が提供され、これが実質的に液体を保持する。
【0028】
図6に示されているように、一部の実施形態において、外側通気導管232、内側通気導管234、液体導管146またはそれらの組合せには、テーパーが付いていてよい。
例えば、外側通気導管232には、導管232の直径が外側カバー152から遠位端242に向かって減少するような形で、テーパーが付いていてよい。
さらなる例として、一部の実施形態において、液体導管146には、導管146の直径が、内側カバー154から、図示された唇状部188を伴う遠位端部分186に向かって減少するような形で、テーパーが付いていてよい。
このような実施形態においては、テーパーの付いた液体導管146は、重力供給式スプレー塗装ガン12のテーパーの付いた内側通路(例えば、アダプタ180を通る通路190のテーパーの付いた内部表面174)内に楔嵌合(例えば締まり嵌合または摩擦嵌合)するように構成されていてよく、唇状部188は、テーパーの付いた内側通路内の溝(例えば通路190内の溝192)の内部に嵌合するように構成されていてよい。
さらなる実施形態によると、内側通気導管234には、導管234の直径が内側カバー154から、オフセット距離250にある遠位端249に向かって減少するような形でテーパーが付いていてよい。
ある実施形態においては、外側通気導管232、内側通気導管234、液体導管146、またはそれらの組合せのテーパー付けには、0度超でおよそ10度未満の片側あたりテーパー角(dps)が含まれ得る。
さらなる例によると、テーパー角は、片側あたり少なくともおよそ、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10度以上であってよい。
通気導管232および234のテーパーの付いた実施形態において、導管の小さい方の端部部分は、液体の流入を阻止または削減して、通気経路をより効果的に維持するように構成されている。
換言すると、通気導管232および234の遠位端242および249における直径の減少は、流量面積を減少させ表面張力を増大させ、こうして通気導管232および234に進入できる液体の量を削減する。
【0029】
重力補給式容器アセンブリ140が、図6に示されているカバー側を上にした位置に位置付けされた場合、液体体積160は完全に容器142内にとどまる。
図7は、カバー側を下にした位置に配向された容器142とカバーアセンブリ144を伴う、独特の重力補給式容器アセンブリ140を示す、図1の液体供給部16の一実施形態の断面側面図である。
図7に示されているように、逆止弁168が遠位端249に配置されていないかまたは全液体の内側通気導管234内への進入を防止できない場合に、内側通気導管234を通って脱出する可能性のあるあらゆる液体体積252を液体体積160から差し引いたものが容器142に満たされる。
こうして、バッファ室150は、(例えば、逆止弁168の不在または逆止弁168を通る漏出に起因して導管234中を何らかの液体が通過できる場合に)内側通気導管234からの液体体積252で部分的に満たされる場合がある。
すなわち、容器142がカバー側を上にした位置からカバー側を下にした位置まで回転させられると、一部の液体容積252は、少なくとも部分的に内側通気導管234から退出してバッファ室150内に入る可能性があり、それは作動中そこにとどまると考えられる。
一部の実施形態においては、液体体積252の少なくとも一部は、容器142内部の真空圧力、内側通気導管234内部の表面張力、導管234の遠位端249における表面張力および/または導管234に沿った逆止弁168の中間位置に起因して、内側通気導管234内にとどまる。
一部の実施形態において、液体体積252は、バッファ室150の全容積の一部分のみを満たす。例えば、内側通気導管234の容積は、バッファ室150の容積の一部分であるかもしれず、このことは、それ自体一部分の液体がバッファ室150を満たすことにつながる。
一部の実施形態では、内側通気導管234の容積は、バッファ室150の容積のおよそ5、10、15、20、25、30、40、50、60または70パーセント未満である場合がある。
換言すると、バッファ室150の体積は、内側通気導管234の容積の少なくともおよそ2、3、4、または5倍であってよい。
結果として、外側通気導管232と内側通気導管234の間でバッファ室150の実質的部分は空のままにとどまり、こうして、大気と容器142との間にカバーアセンブリ144を通る開放した通気経路が維持される。
しかしながら、導管234内の逆止弁168(存在する場合)は、容器142からバッファ室150内への液体の漏出を全て阻止し得る。
空のまたは部分的に満たされたバッファ室150では、いずれの場合でも通気システム148は、通気導管232および234の間にバッファ室150を通る自由空気通路を有している。
【0030】
換言すると、通気システム148は、液体体積252がバッファ室150内に置かれていても、容器142内に空気を通気するように動作してよい。
具体的には、空気経路166(すなわち通気経路)は最初にバッファ室150の外部にある通気導管232の第1の外側開口部260に進入し、次に通気導管232の逆止弁168を介してバッファ室150内に進入してよい。
ひとたびバッファ室150の内部に入ると、空気経路166は、バッファ室150の内部にある通気導管234の第2の内側開口部264内へと続行する。
空気経路166は通気導管234を通って続行し、バッファ室150の外部にあるものの容器142の内側である第2の逆止弁168から退出する。
このようにして、第1の内側開口部262と第2の内側開口部264は、液体体積252(存在する場合)がバッファ室150内に置かれても、バッファ室150を通して互いに空気連通状態にある。
図示されている通りバッファ室150内の液体体積252のレベルは、内側通気導管234の第2の内側開口部264および外側通気導管232の逆止弁168の下にとどまる。
一部の実施形態において、液体体積252のレベルは、重力補給式容器アセンブリ140のあらゆる位置において開口部264の下にとどまってよく、こうして空気経路166はつねに開放状態にとどまる。
それでも、通気導管232に沿った逆止弁168は、液体レベル252が増大するかまたは運動により液体が導管232の遠位端242において開口部に対し跳ね上がることになった場合に、あらゆる液体漏出を阻止するように構成されている。
【0031】
図6図7は、重力補給式容器アセンブリ140のわずか2つの配向のみを示しているが、逆止弁168を伴う通気システム148は、任意の配向において外側通気導管232、バッファ室150および内側通気導管234を通した空気経路を維持するように構成されている。
例えば、重力補給式容器アセンブリ140は、空気経路166を連続的に維持しかつ液体体積252を容器アセンブリ140の内部に保持しながら、垂直平面内をおよそ0〜360度、水平平面内をおよそ0〜360度そして別の平面内をおよそ0〜360度移動させられてよい。
【0032】
容器アセンブリ140の上述の特徴により、使用中にオペレータは、流体体積160および252の構成成分を混合するために所望される通りに、容器142を液体損失無く振動させることができるようになる。
例えば、現在企図されている実施形態の1つの有利な特徴としては、通気システム148内への空気の通気をなおも可能にしながら液体の漏出を阻止するための逆止弁168の存在が含まれる。
逆止弁168は、その通常の状態において閉鎖位置にとどまり、いずれの方向への流体の流れもことごとく阻止する。
しかしながら、液体体積160が流体流経路164を通って一掃されるにつれて、空気体積262内の空気圧は減少し、空気体積262中に真空を作り上げる。
以下でさらに詳述する通り、容器142内で真空が及ぼす力に起因して、空気は、1つ以上の逆止弁168を開放することにより通気システム148を通って流れる。空気が逆止弁168を通って移行している時、空気流が逆止弁168を開放することによって逆方向に流体が移行するのを阻止する。
しかしながら、容器142の内部の真空がひとたび充分に低下した時点で、逆止弁168は自動的にその通常状態に復帰し、全ての流体流を中断させる。
したがって、逆止弁168は、通気システム148を通る逆方向への液体流を阻止しながら、空気流経路166を通って容器142内に空気が流入することのみを可能にする。
【0033】
現在企図されている実施形態の別の有利な特徴としては、テーパーの付いた外側通気導管232の遠位端242が突出部分236(例えば液体阻止スクリーン)に極く近接していることが含まれる。
すなわち、一部の実施形態において、遠位端242と突出部分236の間の距離は、外側通気導管232内への流体流を実質的に制限または阻止するのに充分なほど小さいものであってよい。
例えば、表面張力は、外側通気導管232内への流体流を可能にするのではなくむしろ、突出部分236に沿ってあらゆる液体を保持し得る。
したがって、一部の実施形態において、遠位端242と突出部分236の間の間隙距離は、およそ1、2、3、4または5ミリメートル以下であってよい。
例えば一実施形態において、遠位端242と突出部分236の間の間隙距離は、約3ミリメートル未満であってよい。
【0034】
同様にして、遠位端242における外側通気導管232のテーパーの付いた幾何形状(および開口部262の削減された直径)は、外側通気導管232内への液体流を実質的に阻止し得る。
例えば、一部の実施形態において、第1の内側開口部262の直径は、およそ1、2、3、4、または5ミリメートル以下であってよい。
さらなる例として、一実施形態において、第1の内側開口部262の直径は、およそ3ミリメートル未満であってよい。
したがって、ユーザーが容器アセンブリ140を振動させるかまたは他の形で動かして液体を跳ね上げるかまたは位置242の近辺に流入させた場合には、突出部分236との関係における小さい間隙および導管232の小さい直径によって、任意の液体流が、外側通気導管232を通って外へでるのが実質的に制限されるであろう。
このようにして、容器アセンブリ140は、外側通気導管232を通るバッファゾーン150から外への液体漏出を実質的に阻止することができるであろう。
ここでもまた、上述の特徴は、振動が行なわれる場合でさえ、使用中にバッファ室150内部に液体体積252を格納する効果を有するであろう。
【0035】
遠位端249における内側通気導管234のテーパーの付いた幾何形状も同様に、遠位端249上に逆止弁168が無い場合でも、内側通気導管234内への液体流を実質的に阻止するであろう。
例えば、一部の実施形態において、遠位端249の開口部における直径は、およそ1、2、3、4、または5ミリメートル以下であってよい。
さらなる例としては、一実施形態において、遠位端249における開口部の直径は、およそ3ミリメートル未満であってよい。
例えば、ユーザーが容器アセンブリ140を振動させるかまたは他の形で動かして液体を跳ね上げるかまたは位置249の近辺に流入させた場合には、導管234の小さい直径によって、任意の液体流が内側通気導管234を通ってバッファ室150内へ入るのが実質的に制限されるであろう。
このようにして、容器アセンブリ140は、内側通気導管234を通るバッファゾーン150内への液体漏出を実質的に阻止するであろう。
上述の特徴は、回転(例えば逆転)中にバッファゾーン150内に漏出した液体体積252を除いて、容器142の内部に液体体積252を格納する効果を有するであろう。
【0036】
図8は、内側カバー154の突出部分236(例えば液体阻止スクリーン)に隣接してテーパーの付いた外側通気導管232を有するバッファ室150を示す、図6および7のカバーアセンブリ144の一実施形態の断面側面図である。
図示されている通り、突出部分236は、テーパーの付いた外側通気導管232の遠位端242(例えば開口部262)に極く近接して配置されている。
ここでもまた、通気導管232の遠位端242(例えば開口部262)が突出部分236に極く近接していることにより、動作中に通気導管232を通して液体が外に漏出することが防止されると同時に、通気導管232が液体を阻止する可能性も削減されるかもしれない。
さらに、図8は、液体導管146および内側通気導管234と外側通気導管232の相対的な位置付けも示している。
詳細には、図示された実施形態において、外側通気導管232および内側通気導管234は、液体導管146の相対する側に配置されている。
一部の実施形態において、外側通気導管232、内側通気導管234および液体導管146は、共通平面内に配置されていてよく、かつ/または平行な軸を有していてよい。
【0037】
図9は、カバーアセンブリ144と容器142を伴うもののバッファ室は全く伴わず、単一の通気導管266しか伴わない、独特の重力補給式容器アセンブリ140を示す、図1の液体供給部の一変形実施形態の断面側面図である。
容器142には、液体体積160が充填されており、この液体体積は流体流経路164を通って容器から退出する。
図9に例示された実施形態に示されている通り、逆止弁168は、単一の通気導管266の遠位端249に配置されてよい。
しかしながら、逆止弁168は単一の通気導管266の遠位端249に限定されず、通気システム148内の任意の場所に設置されてよい。
以下でさらに詳述するように、逆止弁168を包含させることにより、単一の通気導管266を通る逆方向への液体の流れを阻止しながら、空気流経路166に沿った空気流が可能になる。
その上、通気システム148内への逆止弁168の包含は、容器アセンブリ140が水平平面、垂直平面または他の任意の平面内でおよそ0〜360度回転させられた場合に、空気流経路166を維持し液体の漏出を阻止するように構成されている。
【0038】
図10は、ダックビル弁270を示す、図3、6、7および9の逆止弁168の一実施形態の断面側面図である。
説明のために、弁168、270の長手方向軸289との関係における軸方向286および半径方向288を基準とすることができる。
さらに、逆止弁168、270は、取付け用部分290と弁部分292とを有する。
取付け用部分290は、図3〜9の通気システム148内の任意の場所に取付けられるように構成されている。
例えば、逆止弁168を通気導管(例えば図3〜8の通気導管232および234および/または図9の通気導管266)上に取付ける場合、取付け用部分290は、導管の外側に取付けられるか、導管と一体の連続した部品として製造されて導管の内側に取付けられるかあるいは他のあらゆる適切な形態で取付けられるように構成されてよい。
図10で図示されているように、弁部分292は、上部弾力性フラップ294および下部弾力性フラップ296を含み、これらのフラップは、実線により表わされている通り、閉鎖位置で示されている。
弁部分292の開放位置は、開放したフラップ294および296(例えば298および300)が示す通り、破線で表されている。さらに、弁部分292は、上部弾力性フラップ294と下部弾力性フラップ296の両方に対し力を及ぼす逆方向圧力302と順方向圧力304とを有する。
一部の実施形態においては、これらの圧力は、なかでも大気圧、圧縮空気、真空、重力および液体流を含めたさまざまな力および流体圧力形態を含むことができると考えられる。
【0039】
図10にさらに示されている通り、上部弾力性フラップ294および下部弾力性フラップは、休止状態にある場合に流れを阻止するような形で構成されている。
しかしながら、ひとたび順方向圧力304が、フラップ294および296内の弾力性を超えるのに充分な程度に逆方向圧力302を上回った場合、上部および下部弾力性フラップ294および296は、空気流経路166に沿って軸方向286に流れる空気によって、(例えば開放位置298および300まで)互いから離れるように相対する半径方向288に強制される。
上部および下部弾力性フラップ294および296が開放フラップ位置298および300に強制された時点で、弁部分292は、空気流経路166に沿って軸方向286に空気を流入させることができる。
しかしながら、ひとたび順方向圧力304と順方向圧力302の間の圧力差が、上部および下部弾力性フラップ294および296を開放フラップ位置298および300に保持するには不充分なものとなった時点で、フラップは、内向き半径方向288に戻り、その原初の閉鎖位置に復帰する。
その原初の閉鎖位置に復帰したフラップ294および296は、再び弁部分292を通る流れを阻止する。
したがって、弁部分292は、順方向圧力304が圧力302を上回った場合にのみ流れを可能にするため、弁部分292を通る流れは、空気流経路166に沿って一方向にのみ発生する。
この一方向流構成は、弁部分292を通る逆方向流を阻止し、空気流経路166を通る通気を可能にするが、図3〜9の通気システム148を通って戻る液体の脱出(例えば漏出)は阻止する。
【0040】
図11は、アンブレラ弁320を示す図3、6、7および9の逆止弁168の一実施形態の断面側面図である。論述を目的として、弁168、320の長手方向軸327との関係における軸方向324および半径方向326を基準としてよい。
さらに、逆止弁168、320は、取付け用部分328と弁部分330とを有する。
取付け用部分328は、図3〜9の通気システム148内の任意の場所に取付けられるように構成されている。
例えば、逆止弁168、320を通気導管(例えば図3〜8の通気導管232および234および/または図9の導管266)上に取付ける場合、取付け用部分328は、導管の外側に取付けられるか、導管と一体の連続した部品として製造されて導管の内側に取付けられるかあるいは他のあらゆる適切な形態で取付けられるように構成されてよい。
図11に戻ると、弁部分330は、弾力性フラップ334が中央本体331から半径方向326外向きに延在している弁キャップ332を有する。
例えば、フラップ334はアンブレラ状のフラップであってよく、これは弁168、320の軸327を中心にして対称的に延在する。
さらに、本体336は、中空の円筒形構造であってよく、これは中央キャビティ337を中心にして延在する環状壁335を含む。
図示されている通り、フラップ334は選択的に通気孔を被覆する。
さらに、弁キャップ332は、弾力性フラップ334が軸方向324に通常閉鎖した位置(実線)から開放位置340(破線)まで移動できるようにする形で構成されている。
その上、逆止弁168、320の現実施形態は、弾力性フラップ334上に圧力を及ぼす逆方向圧力344および順方向圧力346を受ける場合がある。
一部の実施形態においては、これらの圧力は、なかでも大気圧、圧縮空気、真空、重力および液体流を含めたさまざまな力および流体圧力形態を含むことができると考えられる。
【0041】
図11に、さらに、示されているように、弾力性フラップ334は、休止状態にある場合通気孔338を通る流れを阻止するような形で構成されている。
順方向圧力346が、フラップ334内の弾力性を超えるのに充分なほどに逆方向圧力344を上回った場合、弾力性フラップ334は、空気流経路166に沿って軸方向324に流れる空気により開放フラップ位置340まで軸方向324に強制される。
弾力性フラップ334が開放フラップ位置340(破線)に強制された時点で、弁部分330は、空気が空気流経路166に沿って軸方向324に流入することができるようにする。
しかしながら、順方向圧力346と逆方向圧力344の間の圧力差がひとたび、開放フラップ位置340に弾力性フラップ334を保持するのに不充分なものとなった時点で、フラップ334は、逆軸方向324に原初の閉鎖位置(実線)まで戻る。
その原初の閉鎖位置に復帰したフラップ334は、再び弁部分330を通る流れを阻止する。
したがって、弁部分330は、順方向圧力346が圧力344を上回った場合にのみ流れを可能にするため、弁部分330を通る流れは、空気流経路166に沿って一方向にのみ発生する。
この一方向流構成は、弁部分330を通る逆方向流を阻止し、空気流経路166を通る通気を可能にするが、図3〜9の通気システム148を通って戻る液体の脱出(例えば漏出)は阻止する。
【0042】
図12は、ボール弁360を示す、図3、6、7および9の逆止弁168の一実施形態の断面側面図である。
説明のために、弁168、360の長手方向軸369との関係における軸方向366および半径方向368を基準としてよい。
さらに、逆止弁168、360は、取付け用部分370と弁部分372とを有する。
取付け用部分370は、図3〜9の通気システム148内の任意の場所に取付けられるように構成されている。
例えば、逆止弁168を通気導管(例えば図3〜8の通気導管232および234および/または図9の単一の通気導管266)上に取付ける場合、取付け用部分370は、導管の外側に取付けられるか、導管と一体の連続した部品として製造されて導管の内側に取付けられるかあるいは他のあらゆる適切な形態で取付けられるように構成されてよい。図12に戻ると、弁部分372は、ボール374、バネ376およびハウジングケージ378を含む。
ハウジングケージ378は、システムを通る流れを可能にするための通気孔379を有する。
逆止弁168、360の図示された実施形態は同様に吸気口380と排気口382を有している。
さらに、逆止弁168、360の現実施形態は、ボール374上に圧力を及ぼす逆方向圧力384と順方向圧力386を受ける場合がある。
一部の実施形態においては、これらの圧力は、なかでも大気圧、圧縮空気、真空、重力および液体流を含めたさまざまな力および流体圧力形態を含むことができると考えられる。
【0043】
図12にさらに図示されているように、ボール374、バネ376およびハウジングケージ378は、休止状態にある場合に吸気口380を通る流れを阻止するような形で配置されている。
換言すると、バネ376は、通気口380に対してボール374を付勢して、通常の条件下で通気口380を通る流れを阻止する。
順方向圧力386がバネ376により及ぼされる圧力を上回った場合、ボール374は、バネ376を圧縮することによってさらにハウジングケージ378内へと軸方向366に移動する。
この状態で、吸気口380はもはや閉鎖されず、流体は空気流経路166に沿って吸気口380を通って進入し、次に排気口382を通って退出してよい。
しかしながら、順方向圧力386により及ぼされる力がひとたび、バネ376により及ぼされる力に圧力384を加えたものよりも低く降下した時点で、ボール374は、逆軸方向でその原初の位置まで戻り、吸気口380を閉鎖する。
換言すると、弁部分372は、順方向圧力386がバネ376により及ぼされる力と任意の逆方向圧力384とを上回った場合にのみ流れを可能にすることから、弁部分372を通る流れは、空気流経路166に沿って一方向にのみ発生する。
この一方向流構成は、弁部分372を通る逆方向流を阻止し、空気流経路166を通る通気を可能にするが、図3〜9の通気システム148を通って戻る液体の脱出(例えば漏出)は阻止する。
【0044】
本明細書中では、本発明の一部の特徴のみが図示され説明されてきたが、当業者には、多くの修正および変更が明らかになるものである。
したがって、添付のクレームは、本発明の真の精神の範囲内に入る全ての修正および変更を網羅するよう意図されているものと理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12