(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のブレンド成分が、潤滑剤基本材、粘度調整剤、分散剤、洗浄剤、流動点降下剤、オイル増粘剤、ポリイソブチレン、高分子量ポリアルファオレフィン、耐摩耗/極圧剤、酸化防止剤、抗乳化剤、シール膨潤剤、摩擦調整剤、腐食抑制剤、消泡添加剤およびそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の方法。
前記少なくとも2つの次元のそれぞれに沿った範囲値は、1.0の範囲値が潤滑剤製品において対応する追加的な調製成分の1.0重量%に相当するように正規化される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
前記少なくとも1つの第1の特性および/または前記少なくとも1つの第2の特性が、粘度特性、揮発性特性、酸化安定性特性、分子量分布特性、燃費特性、分散剤関連特性、洗浄剤関連特性、またはそれらの組み合わせに対応し得る、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(詳細な説明)
本明細書の詳細な説明および特許請求の範囲内の全ての数値は、「約」または「およそ」示された値によって修飾される。これは、当業者によって予想される実験的誤差および変動を考慮したものである。
【0009】
概要
様々な実施形態において、設計されたブレンド成分を含有する複数の潤滑剤製品を製造するためのブレンド成分を設計するための方法が提供される。所望の潤滑剤製品を製造するためのブレンド成分の所定の群を使用するのではなく、本明細書に記載される方法は、複数および/またはスレートの潤滑剤製品を製造するために適切であるブレンド成分を設計するために使用することができる。そのような設計されたブレンド成分は、潤滑剤基本材の系統群からの基本材、添加剤の系統群からの添加剤、または潤滑剤製品を調製するための他のいずれかの都合のよいブレンド成分に相当することができる。いくつかの態様において、これは、提案されたブレンド成分の系統群に関する、それぞれの所望の潤滑剤製品に関する複数の製造性指標値を最初に決定することによって達成される。製造指標値は、次いで、それぞれの潤滑剤製品に関する製造性ウィンドウを構成するために使用することができる。それぞれの潤滑剤製品に関する製造性ウィンドウは、次いで、重複部分の領域を決定するために分析することができ、もしあれば、その場合、提案されたブレンド成分は、それぞれの所望の製品を調製するための可能性の増加を伴って使用することができる。
【0010】
いくつかの他の態様において、製造指標値は、複数の異なる添加剤などの複数のブレンド成分に関して算出することができる。複数のブレンド成分は、商業的に入手可能な添加剤または基本材のスレートなどの既存の成分に相当することができる。それぞれの潤滑剤製品のためのそれぞれのブレンド成分に関する製造指標値は、次いで、最大製造指標値、または閾値より下の最小値、またはブレンド成分を選択するための別の基準に適合する値を有するブレンド成分を識別するために比較することができる。
【0011】
上記の通り、可能なブレンド成分の集合からの潤滑剤製品の製造は、従来は試行錯誤プロセスであった。ブレンド成分の提案された混合物に基づき、潤滑剤製品の特性を予測するためのモデル技術が利用可能であるが、新しいブレンド成分を識別するためには、試行錯誤試験が今もなお使用される。耐久性ディーゼルエンジンのための潤滑剤ベースオイルの調製に関する最近の論文には、調製された製品に及ぼすブレンド成分の影響の試行錯誤研究の例が記載されている(The impact of lubricant viscosity and additive chemistry on fuel economy in heavy duty diesel engines,van Dam et al.,SAE International Journal of Fuels and Lubricants,v.5,n.1,p 459−469(2012)を参照のこと)。そのような継続中の研究にもかかわらず、当該技術分野において、ブレンド成分を設計するために必要とされる試行錯誤試験の量を減少または最小化しながら、新しいブレンド成分の設計を可能にするシステムまたは方法が長い間要求されている。例えば、ブレンド成分に基づく潤滑剤製品の特性を予測する方法の研究は、1980年代から継続されている(例えば、Developing Prediction Equations for Fuels and Lubricants,Robert L.Mason,SAE Technical Papers,1981を参照のこと)。
【0012】
実際的な観点から、潤滑剤製品設計のための試行錯誤方法の使用は、部分的に、潤滑剤製品の商業的製造の性質によるものであった。潤滑剤製品の典型的な生産者は、生産者がその生産者によって提供される複数の潤滑剤製品を製造するために使用するであろうブレンド成分の最初の選択を実行するであろう。ブレンド成分の1種以上は、潤滑剤基本材のスレートからの基本材に相当することができる。特に、ブレンド成分として使用される基本材に関して、生産者は、生産者によって提供される製品の系統群の製品のいくつか、または全てなどの複数の最終製品を調製するために使用することができる基本材を有することを望むであろう。ブレンド成分は、様々な潤滑剤製品を製造するために使用されるため、ブレンド成分に対するいずれの変更も、現在、生産者が、変更されたブレンド成分を使用して、所望の潤滑剤製品の全群をなお製造することができるかどうか決定するために、広範な試行錯誤試験を必要とする。
【0013】
従来の試行錯誤プロセスの代わりに、様々な態様において、ブレンド成分に関して提案された設計が、潤滑剤基本材のスレートからの基本材に相当するブレンド成分などの複数の潤滑剤製品を調製するために適切であるかどうかを決定するための方法が提供される。最初に、提案されたブレンド成分の提案された特性の組を決定することができる。例えば、ブレンド成分としての使用のための新しい基本材を開発するという要望は、異なる揮発性、異なる粘度、または潤滑剤製品のいくつかの他の所望の特性のための異なる値を有するブレンド成分を有するという要望に基づき得る。任意に、提案されたブレンド成分に関する1つ以上の特性を選択することによって、ブレンド成分の追加的な特性に関する他の必要とされる値を決定することができる。1つ以上の特性の提案された組合せを決定した後、提案されたブレンド成分を使用して、複数の所望の潤滑剤製品においてそれぞれの潤滑剤製品を製造するために、製造性ウィンドウが決定される。
【0014】
製造性ウィンドウは、提案されたブレンド成分に関する一連の製造性指標値を算出することによって決定される。一連の製造性指標値は、提案された成分の1つ以上の選択された特性を変動させることに基づいて算出される。一例として、一連の製造性指標値は、−25℃のノアク揮発性およびコールドクランクシミュレーター粘度などの2つの特性の変動に基づいて算出することができる。他の態様において、一連の製造性指標値は、単一の特性、または複数の特性の変動に基づくことができる。
【0015】
それぞれの潤滑剤製品に関する製造性ウィンドウを決定した後、製造性ウィンドウは、複数の潤滑剤製品に関する製造性ウィンドウの間に重複部分が存在する場所を決定するために分析することができる。製造性ウィンドウ間の重複部分の領域は、複数の潤滑剤製品の製造を可能にすることができる選択された1つ以上の特性に関する範囲を表す。これに基づき、広範な試行錯誤試験を実行することなく適切なブレンド成分が製造されるように、提案されたブレンド成分の1つ以上の特性に関して値を選択することができる。
【0016】
この記載において、「ブレンド成分」は、潤滑剤製品を調製するために使用される潤滑剤基本材(又はルブリカント ベース ストック)または潤滑剤添加剤、例えば粘度調整剤として定義される。ブレンド成分として使用される潤滑剤基本材は、初期の粗製原材料の精製から直接形成される基本材、複数の精製プロセスから形成される基本材のあらかじめ定義された混合物、または潤滑剤製品を調製するために適切である基本材の他のいずれかの種類を表すことができることは理解される。任意に、ブレンド成分として使用される潤滑剤基本材は、潤滑剤基本材のスレートからの基本材であることができる。同様に、潤滑剤添加剤は、潤滑剤製品の製造において使用するために適切ないずれかの種類の添加剤または添加剤のあらかじめ定義された混合物であることができる。
【0017】
この記載において、「調製成分」は、潤滑剤製品のための製造性指標値の決定の一部として濃度の変更を可能にするブレンド成分に相当する。例えば、2種の基本材ブレンド成分および2種の添加剤を使用して調製される潤滑剤製品を考察してみる。この例では、添加剤の1つは、常に、0.1重量%などの固定された濃度で添加される。第2の添加剤は、2〜5重量%で変動が可能である。2つの基本材ブレンド成分は逆数的に変動し、一方の基本材の増加によって、他の相当する減少が導かれる。第2の添加剤の量が変動する場合、2種の基本材ブレンド成分の比率は維持される。この例において、潤滑剤製品に関する製造性ウィンドウを決定する際に2種の基本材および第2の添加剤の量が変動可能であるため、2種の基本材および第2の添加剤は「調製成分」に相当する。この例において、2種の基本材ブレンド成分の1つは、設計されているブレンド成分に相当することができる。他の基本材および第2の添加剤は、追加的な調製成分に相当する。
【0018】
この記載において、「製造性指標」は、多次元空間における領域の固有値である。多次元空間の次元の数は、ブレンド成分において独立して変動可能である次元の数に相当する。上記の「調製成分」の定義に基づき、製造性指標と関連する多次元空間または領域に関する次元の数は、通常、調製成分から1を引いた数である。例えば、3種の調製成分が関与する上記の実施例において、独立して変動可能な2つの自由度のみが存在する。したがって、製造性指標と関連する多次元空間は、二次元の空間である。そのような二次元の空間に関して、製造性指標は、二次元空間の面積に相当する、または二次元の空間の特徴である長さ、例えば、次元または別の規定された軸に沿った最小値に相当する固有値であることができる。同様に、4種の調製成分が関与する実施例に関する多次元空間は、三次元空間または体積に相当する。関連する製造性指標は、次いで、三次元空間の体積、面積、長さまたは別の特徴に相当する固有値であることができる。当業者は、さらに多数の調製成分(個々に変動可能)が、製造性ウィンドウに関するより大きな数の次元を導くであろうことを理解するであろう。
【0019】
なお、固定された濃度を有する任意の数のブレンド成分が提案された製品に含まれることができるため、ブレンド成分の数は、製造指標と関連する多次元空間に関する次元に必ずしも関連があるというわけではない。固定された濃度を有するそのようなブレンド成分は、潤滑剤製品の組成を決定する際に自由度に寄付せず、したがって、多次元空間の次元の数を増加しない。
【0020】
この記載において、「製造ウィンドウ」は、一連の製造指標値に基づき規定される潤滑剤製品に関するウィンドウを表す。ここで、製造指標値は、提案されたブレンド成分に関する1つ以上の特性の変動に基づいて算出される。なお、製造ウィンドウに関する次元の数は、製造指標と関連する多次元空間の次元の数と関連がある必要はない。例えば、ノアク揮発性および粘度、例えば、−25℃のコールドックランクシミュレーター粘度に関して改善された値を提供する、提案されたブレンド成分が所望されてもよい。この例では、製造ウィンドウは2次元のウィンドウである。一連の製造指標値を決定するために使用される調製成分の数は、製造ウィンドウの次元の数を決定することに関連しない。この例において、提案されたブレンド成分が5種の調製成分を含む場合、それぞれの製造指標値と関連する多次元空間は、4次元空間である。
【0021】
ブレンド成分
基本材または添加剤のいずれの都合のよい種類を、ブレンド成分として、そして任意に調製成分としても使用することができる。基本材に関して、適切な基本材は、いずれの都合のよい方法でも特徴づけることができる。例えば、いくつかの基本材は、I群、II群またはIII群基本材として特徴づけることができる。I群基本材またはベースオイルは、90重量%未満の飽和分子および/または少なくとも0.03重量%の硫黄含有量を有するベースオイルとして定義される。I群基本材は、少なくとも80であるが、120未満の粘度指数(VI)も有する。II群基本材またはベースオイルは、少なくとも90重量%の飽和分子および0.03重量%未満の硫黄を含有する。II群基本材は、少なくとも80であるが、120未満の粘度指数も有する。III群基本材またはベースオイルは、少なくとも90重量%の飽和分子および0.03重量%未満の硫黄を含有し、少なくとも120の粘度指数を有する。上記の形式的定義に加えて、いくつかのI群基本材は、I+群基本材と呼ばれてもよく、これは、103〜108のVI値を有するI群基本材に相当する。いくつかのII群基本材は、II+群基本材と呼ばれてもよく、これは、少なくとも113のVIを有するII群基本材に相当する。いくつかのIII群基本材は、III+群基本材と呼ばれてもよく、これは、少なくとも140のVI値を有するIII群基本材に相当する。
【0022】
適切な添加剤には、粘度調整添加剤、洗浄剤または分散剤、溶解性変性剤、揮発性変性剤、または潤滑剤製品のための他のいずれかの従来の種類の添加剤などのいずれの都合のよい種類の添加剤も含むことができる。潤滑剤添加剤または成分としては、限定されないが、粘度調整剤、分散剤、洗浄剤、流動点降下剤、オイル増粘剤、ポリイソブチレン、高分子量ポリアルファオレフィン、耐摩耗/極圧剤、酸化防止剤、抗乳化剤、シール膨潤剤、摩擦調整剤、腐食抑制剤および消泡添加剤、ならびにこれらの潤滑剤添加剤の混合物を含有するパフォーマンスパッケージ、例えば、分散剤、洗浄剤、耐摩耗/極圧剤、酸化防止剤、抗乳化剤、シール膨潤剤、摩擦調整剤、腐食抑制剤、消泡添加剤および流動点降下剤の混合物が含まれることが可能である。高粘度潤滑剤には、限定されないが、粘度調整剤、流動点降下剤、分散剤、ポリイソブチレンおよび高分子量ポリアルファオレフィン、ならびにこれらの高粘度潤滑剤の1種以上を含有する添加剤パッケージが含まれることが可能である。いくつかの態様において、潤滑剤添加剤のブレンドは、潤滑剤ブレンド内の高粘度潤滑剤成分の最小限の化学的、熱的または物理的分解をともなってブレンドすることが可能となる容積式液体取扱装置法を使用して実行することができる。
【0023】
提案されたブレンド成分に関して、提案されたブレンド成分は、製造指標値を決定するために、いずれかの都合のよい方法で変更または選択されることが可能である。例えば、提案された基本材ブレンド成分は、提案された基本材の1つ以上の特性を変更することによって変更することができる。この変動は、例えば、添加剤を基本材に組み込むことによって達成することができる範囲などの、提案された基本材に関する変動の既知の、または試験された範囲に適合する範囲内での基本材特性の変動に相当することができる。変更または選択されることができる提案された基本材の特性の例としては、限定されないが、粘度に関連する特性、例えば、定義された温度における動粘性率、定義された温度におけるコールドクランクシミュレーター粘度、または高温高剪断粘度;揮発性に関連する特性、例えば、ノアク揮発性または所望の沸点プロフィール;組成特性、例えば、基本材における飽和、ナフテン、硫黄もしくは窒素の量、または基本材の平均分子量;あるいはブレンド成分としての使用のために潤滑剤基本材を製造する場合に特徴づけることができ、かつ制御することができる他のいずれかの都合のよい特性が含まれる。
【0024】
他の例として、添加剤である提案されたブレンド成分に関して、一連の製造指標値は、最大製造指標値を有する添加剤を決定するために同様の機能を実行する複数の添加剤に関して生じることが可能である。例えば、一連の粘度調整剤は、それぞれの潤滑剤製品におけるそれぞれの粘度調整剤に関する製造指標値を生じるために試験することができる。この種類の態様において、それぞれの粘度調整剤(または他の添加剤)に関する製造指標値の群は、製品の最大数に関する閾値より高い製造指標値を提供する粘度調整剤を決定するため;または第2の閾値未満の製造指標値の最小数を有する粘度調整剤を決定するために比較することができるか;あるいは他のいずれの都合のよい方法も、添加剤の間で製造指標値を比較するために使用することができる。
【0025】
製品特性のモデリング
様々な態様において、潤滑剤製品の特性は、潤滑剤製品を調製するために使用されるブレンド成分の特性に基づいて決定することができる。ブレンド成分に基づき潤滑剤製品の特性を決定するために、様々なモデルを使用することができる。例えば、製品のいくつかの特性は、製品中のそれぞれのブレンド成分に関する特性の加重平均に基づき決定することができる。他の特性は、製品特性の値の関数形式がそれぞれのブレンド成分に関する特性値の対数の加重平均であるように、非線形の関係を有してもよい。さらに他の特性は、組成物中のブレンド成分の量を説明する方法でブレンド成分の特性を組み合わせるためのいずれかの都合のよい関数形式に基づき算出することができる。
【0026】
より一般に、潤滑剤製品の特性の値P
pは、量X
i(重量%)で存在するそれぞれの成分iに関する特性の値P
iと比較して表すことができる:
(1) T(P
p)=Σ(i)[X
i×T(P
i)]
式中、Tは、多項式関数、対数関数、指数関数またはそれらの組み合わせなどのいずれかの都合のよい関数形式である。当然のことながら、方程式(1)の単純な形式は、(2):
(2) P
p=Σ(i)[X
i×P
i]
で示すような加重平均に相当する形式である。
【0027】
製造性指標
様々な態様において、複数の提案されたブレンド成分に関する複数の製造性指標値を決定することによって、適切なブレンド成分または複数のブレンド成分の設計または選択のための基準が提供される。製造性指標値は、特性の選択された組み合わせを有する1種以上の提案されたブレンド成分を含む調製に基づき、所与の潤滑剤製品を製造することが可能であることの可能性または信頼性の尺度を提供する。
【0028】
製造性指標値を決定するため、提案されたブレンド成分の組成および/または特性が選択される。これは、提案されたブレンド成分に関する1つ以上の特性または組成値を、値の潜在的範囲から選択することに相当することができる。あるいは、これは、特定の添加剤を、同様の機能性を有する添加剤の群から選択することに相当することができる。
【0029】
いくつかの態様において、製造性指標値は、複数のブレンド成分に関する組成および/または特性の選択に基づき決定することができる。任意に、組成および/または特性が複数のブレンド成分に関して選択される場合、1種以上のブレンド成分は、潤滑剤基本材のスレートからの潤滑剤基本材に相当することができる。基本材スレートは、異なる粘度を有するが、同一基本材群にあり、かつ典型的に同一製造業者からのものである基本材の製品ラインである。例えば、基本材スレートにおいて基本材間で所望のブレンド関係を維持するため、基本材スレートからの第1の基本材に関する選択された特性の変化は、スレートの1つ以上の他の基本材における選択された特性を変化させる必要性をもたらし得る。あるいは、同時の2種以上のブレンド成分の組成および/または特性の選択は、その他の無関係なブレンド成分の組成および/または特性の選択に相当することができる。
【0030】
提案されたブレンド成分の特性を選択することに加えて、潤滑剤製品の他のブレンド成分も定義される。これには、他のブレンド成分は潤滑剤製品内で変動する量を有することができる調製成分として処理されるが、いくつかのブレンド成分の量を固定することが含まれる。ブレンド成分の特性を選択すること、潤滑剤製品中で固定された量で存在するブレンド成分の量を定義すること、および量が変動可能な調製成分に相当するブレンド成分を定義することによって、製造指標値の決定が可能となる。
【0031】
製造指標値を決定するために、潤滑剤製品に関する複数の所望の仕様を満たす製品を提供するためのブレンド成分の組み合わせが算出される、多次元空間の領域が識別される。上記の通り、多次元空間は、潤滑剤製品における調製成分の数によって定義される。潤滑剤製品の特性仕様には、特徴づけることができる製品のいずれかの特性、例えば、揮発性、粘度または組成特性が含まれることができる。
【0032】
全ての製品仕様が満たされる多次元空間における領域を識別した後、製造性指標値を決定することができる。いくつかの態様において、製造指標値は、領域の最小次元または別の特徴的距離に相当することができる。例えば、製造性指標値は、許容される変動の最小量を有する成分に関して、(重量%などの)許容される変動に相当することができる。他の態様において、製造性指標値は、領域によって取り囲まれた多次元空間の量、または領域に関する次元の部分集合によって定義されるより低次元空間の量などの複次元の積に相当することができる。例えば、5種の調製成分を含有する潤滑剤製品は、全ての製品仕様が満たされる領域に相当する4次元空間において領域を有する。領域内の取り囲まれた4次元「体積」は、製造性指標に相当することができる。あるいは、製造性指標は、領域に関する2つの最短次元の積に基づいて定義することができるか、または領域を規定するそれぞれの4つの次元の平均次元値に基づいて、もしくは取り囲まれた領域を規定する値を使用するいずれかの他の都合のよい方法に基づいて定義することができるであろう。
【0033】
製造性指標値は、調製成分の相対量の変動に関して潤滑剤製品が有する耐性の量を表す。理論的方法が正確ではないため、潤滑剤製品に関して算出された特性は、所与の組成で調製された潤滑剤製品の相当する実際の特性から変動し得る。製造性指標値は、理論値と実際の値との間のそのような差異に関する耐性を表す。したがって、製造性指標値が閾値より大きい場合、例えば、調製成分に相当する次元に沿って約1.0重量%より大きい場合、特性計算モデルにおける誤差によって、製品を仕様の範囲内に実際に導く調製成分の組み合わせがない場合、予測された潤滑剤製品が仕様の範囲内となる可能性は低下する。より一般に、調製成分に相当する次元は、いずれかの都合のよい種類の値に相当することができる。したがって、次元は、重量パーセント、体積パーセント、組成物中の1つ以上の成分と比較した別の相対的な分数量、絶対重量、絶対体積、または調製成分の量に基づいて誘導される特性に相当することができる。例えば、2つの基本材の組み合わせに関する粘度は、組み合わせたそれぞれの基本材の相対量に基づいて変動してもよい。1つの基本材の分数量を次元として使用する代わりに、粘度を次元として使用することができるであろう。
【0034】
他の例として、
図1は潤滑剤製品を製造するために提案されたブレンド成分に関する製造性指標を決定するために使用されるプロットを示す。
図1の実施例に関して、潤滑剤製品のための調製成分は、粘度調整剤および2つの基本材である。基本材の1つは、提案されたブレンド成分に相当する。
図1中、水平軸は2つの基本材の相対的な比率を示すが、垂直軸は潤滑剤製品における粘度調整剤の重量%を示す。3種の調製成分が存在するため、この製造性指標と関連する多次元空間に関しては、2の自由度がある。したがって、潤滑剤製品仕様がこの実施例において満たされる領域は、2次元領域に相当する。
【0035】
この実施例において、潤滑剤製品のための仕様には、10W−40モーターオイルのSAE J300粘度グレードに関する仕様が含まれる。これらの仕様には、100℃における動粘性率(13.5cSt<kV100<16.3cSt)、150℃における高温高剪断粘度(HTHS>3.5cP)、および−25℃におけるコールドクランクシミュレーター粘度(3500<CCS@−25℃<7000)の限界が含まれる。
【0036】
図1で示すように、様々な動粘性率限界、高温高剪断粘度限界、およびコールドクランクシミュレーター粘度限界は、粘度調整剤および2つの基本材の様々な量によって潤滑剤製品仕様が満たされる領域120(2次元領域)を規定する。領域120は、上界131が4.0cPのHTHSに相当する左端縁を除いて主に16.3cStのkV100値に相当する上界131;3.5cPのHTHSに相当する下界139;ならびにそれぞれ6700および3500の25℃におけるコールドクランクシミュレーター粘度に相当する側面境界134および136によって規定される。
【0037】
この領域に基づいて、製造性指標を規定するために、いくつかの選択肢が利用可能である。1つの選択肢は、領域の最短次元に基づく製造性指標を定義することである。
図1中、これは粘度調整剤に関する次元に相当する。側面境界136に相当する領域の右端縁において、粘度調整剤の量は約1.8重量%変動することができる。したがって、製造性指標は1.8であることができる。そのような製造性指標は、次いで、粘度調整剤の追加のための閾値と比較することができるであろう。例えば、モデル挙動と実際の挙動との間の変動を許容する閾値は、いずれかの次元に沿って1.0重量%の値であることができるであろう。
図1に示される1.8の製造性指標は、そのような閾値を満たす。
【0038】
別の選択肢は、領域120の面積に基づく製造性指標値を定義することである。これは、単一成分に関する変動の耐性とは対照的に、全体的な耐性が重要である状態に相当することができる。
【0039】
製造性指標値を決定するために、次元を、いずれかの都合のよい方法で測定することができる。
図1の実施例において、次元は、潤滑剤製品中のそれぞれの独立して変動した成分の重量パーセントに基づいて測定される。あるいは次元間の所望の関係を達成するために、測定因子を1つ以上の次元に使用することができる。
【0040】
図2は、選択された調製成分に基づき潤滑剤製品の製造性指標を決定するための別の潜在的利点の実施例を示す。
図2中、全ての潤滑剤製品仕様を満たす領域240は、2つの商業的に入手可能な基本材の組み合わせに関して示される。2つの商業的に入手可能な基本材は、III群基本材およびII群基本材である。
図2のプロットは、潤滑剤製品を形成するための調製成分の2つの異なる組み合わせの使用に関する製造指標値の直接的な比較を可能にする。最初に、提案されたブレンド成分を含む調製成分は、商業的に入手可能な基本材に関する領域240と比較して、製品仕様を満たすより大きい領域120を提供する。追加的に、商業的に入手可能な基本材に関する領域240は、提案されたブレンド成分を含む調製と比較して、粘度調整剤添加剤のより大きい量の使用に一般に相当する。
【0041】
製造性ウィンドウ
上記に基づき、製造性指標値は、提案されたブレンド成分に関する特性の選択された基に基づき、潤滑剤製品に関して決定することができる。提案されたブレンド成分の1つ以上の特性は、関連する提案されたブレンド成分の系統群に関する製造性指標値を決定するために変動可能である。これは、潤滑剤製品と比較して、提案されたブレンド成分のために製造性ウィンドウを識別するために使用されることができる。
【0042】
製造性ウィンドウは、特定の値の範囲内の1つ以上の特性を有する提案されたブレンド成分の系統群に相当し、提案されたブレンド成分の系統群は全て、所望の閾値より大きい製造性指標値を有する。上記の通り、製造性指標値は、特性計算モデルにおける誤差が、選択された調製成分を使用して製品仕様を満たす実際の能力に関して誤った予測を導くであろう可能性を低下させるための耐性値を表す。したがって、製造性ウィンドウは、所望の製品仕様を有する潤滑剤製品を製造することが可能であることの可能性の増加を有する提案されたブレンド成分の系統群を表す。
【0043】
複数の潤滑剤製品の調製への適用
上記に基づいて、製造性ウィンドウを潤滑剤製品に関して決定することができる。そのような製造性ウィンドウは、製造性ウィンドウ間の重複部分を識別するために、複数の潤滑剤製品に関して決定することもできる。重複部分の領域は、製品の所望の群の全ての製品が製造されることを可能にする、提案されたブレンド成分に関する特性値に相当する。複数のブレンド成分が変性される態様において、重複部分の領域は、所望の製品の群が製造されることを可能にする複数のブレンド成分(例えば、潤滑剤基本材のスレートからの複数の基本材)に関する特性値に相当する。
【0044】
図3は、提案されたブレンド成分から形成されることが可能な複数の潤滑剤製品に関する製造性ウィンドウ間の重複部分を決定する実施例を示す。
図3中、提案されたブレンド成分は、54の異なる潤滑剤製品における使用のために意図される基本材である。
図3は、提案されたブレンド成分の系統群に関して、−25℃におけるノアク揮発性およびコールドクランクシミュレーション粘度の変動に基づく製造性ウィンドウにおける重複部分を示す。
図3の左側部分の領域310は、54の潤滑剤製品の全てが閾値より高い製造指標を有する領域に相当する。
図3の製造性ウィンドウプロット内で、線が上または右に移動して交差する場合、連続的により少ない所望の複数の製品の潤滑剤製品が、所望の閾値より大きい製造性指標を有する。なお、提案されたブレンド成分および潤滑剤製品の所与の組み合わせに関する所望の閾値より低い製造性指標値を有することは、潤滑剤製品が製造不可能であることを意味しない。その代わりに、製造性ウィンドウは、所望の製品の全範囲を調製することが可能であることの確率が増加した領域、あるいは所望の製品の部分的範囲を形成することが可能であることの確率が増加した領域を示す。
【0045】
ブレンド成分の設計の実施例
潤滑剤基本材に加えて、製造性ウィンドウを使用して、いずれの機能系統群の添加剤成分も設計することができる。例えば、耐摩耗、酸化防止剤、消泡、粘度調整剤、分散剤、増粘剤、洗浄剤などの機能性を有する成分は、最終潤滑剤性能に影響を与えるため、それらの基本的パラメーターを修正することができる。そのような変性に基づいて、性能制限の適切な組み合わせの下の製造性ウィンドウを、1つ以上の添加剤成分に関して決定することができる。これらのパラメーターは、最終潤滑剤性能に及ぼす独立した影響を有し得るのみでなく、それらは、適切なモデルにおいて考慮される必要があり得る他のブレンド成分との線形または非線形の交互作用効果を有し得る。
【0046】
本開示の可能な実施形態において、粘度調整剤添加剤に関して、平均分子量および多分散度を含む分子量分布は独立して変動可能である。この粘度調整剤に関するこれらの変動の関数として潤滑剤性能の適切なモデルを使用して、製造性ウィンドウの系統群を、単一製品、製品の系統群、またはエンジンおよび産業的な潤滑剤製品の全サプライチェーンの製造のために決定することができる。性能は、粘度(例えば、動粘性率、コールドクランクシミュレーター粘度、高温高剪断)、揮発性(例えば、ノアク)、酸化安定性(例えば、RPVOT ASTM D2272、TOST D943またはSeq IIIg酸化安定性試験)、燃費などであることができる。粘度調整剤のパラメーターは、分子量のみに限定される必要はなく、種類(オレフィンコポリマー、スチレン−ジエンコポリマー、ポリメタクリレート、ポリイソブチレンなど)、希釈剤油種、または剪断安定性、増粘効率などのポリマー特性などの他のいずれかの適切な設計パラメーターが含まれる。
【0047】
本開示の別の実施形態において、分散剤に関して、分子量分布、分散剤の種類、極性対非極性末端の相対的なサイズ、相対的な分散能、および他の重要な分散剤特性は独立して変動可能である。分散剤に関するこれらの変動の関数として潤滑剤性能の適切なモデルを使用して、製造性ウィンドウの系統群を、単一製品、製品の系統群、またはエンジンおよび産業的な潤滑剤製品の全サプライチェーンの製造のために決定することができる。粘度調整剤の場合と同様に、性能は、粘度、揮発性、酸化安定性、燃費などであることができるか、またはそれは、堆積形成制御、相対的ヘドロ形成制御分散性、すす制御、増加した添加剤溶解性、および他の分散剤関連性能に関連することができる。
【0048】
本開示の別の実施形態において、洗浄剤に関して、分子量分布、化学種(例えば、サリチレート、フェネート、スルホネートなど、カルシウムの塩またはマグネシウムなど)、相対全塩基数(TBN)、全中性石鹸含有量、および他の重要な洗浄力変数は、独立して変動可能である。洗浄剤に関するこれらの変動の関数として潤滑剤性能の適切なモデルを使用して、製造性ウィンドウの系統群を、単一製品、製品の系統群、またはエンジンおよび産業的な潤滑剤製品の全サプライチェーンの製造のために決定することができる。上記の場合と同様に、最終潤滑剤性能は、粘度、揮発性、酸化安定性、燃費などであることができるか、またはそれは、堆積形成制御、既存の体積除去、エンジン燃焼酸生成物中和、溶解性、および他の洗浄剤関連性能に関連することができる。
【0049】
本開示の別の実施形態において、異なる添加剤性能特性の特性の組み合わせは、同時に変動可能である。潤滑剤性能の適切なモデルを使用して、変動する組み合わせに関して全体的な製造性メートルを確立するために、2つ以上の添加剤の性能変動を同時に捕捉する製造性ウィンドウを決定することができる。例えば、粘度調整剤の分子量、その処理速度、ならびに軽質中性および重質中性基本材の設計粘度は全て、最終エンジンオイルの系統群の粘度、揮発性および燃費特性を予測するモデルにおいて同時に変動可能である。エンジンオイルグレード、所望の最大ノアク揮発性および最小燃料効率を確立する製造性ウィンドウをそれぞれの調製に関して決定することができ、粘度調整剤およびスレートの2つの基本材の同時設計を可能にする。
【0050】
本開示のさらに別の実施形態において、製品の系統群に関する製造性ウィンドウは、複数のすでに利用可能な成分に関して決定することができる。次いで、製品のその系統群の製造のために成分の正しい系統群が選択されることができるように、相対的な製造性指標を比較することができる。例えば、それらの潤滑剤の所望の性能特性を予測する適切なモデルを使用して、市場で入手可能な基本材スレートの多数の組み合わせに対して、エンジンオイル製品の系統群に関する製造性指標を決定することができる。変動する所望の変数として、それぞれのスレート内でブレンドを製造するために使用される軽質および重質基本材の処理速度が含まれる。N調製による系統群、およびM基本材スレートの比較に関して、N×M製造性ウィンドウの合計は、それぞれのスレートにおけるN−組み合わせの共通部分まで、M製造性ウィンドウおよび指標の最終組み合わせまで確立および崩壊することが可能である。スレートは、次いで、決定された製造性ウィンドウに基づき、それらの好ましさに従って区別することができる。
【0051】
追加的な実施形態
実施形態1
潤滑剤ブレンド成分を設計するための方法であり、
複数の調製成分を使用する調製のための複数の潤滑剤製品を識別することであって、それぞれの潤滑剤製品のための前記複数の調製成分が、第1のブレンド成分を含むことと;
前記第1のブレンド成分の少なくとも1つの第1の特性を選択することと;
複数の第1の選択された値を有するために、前記第1のブレンド成分の前記少なくとも1つの第1の特性を変更することと;
前記第1の複数の選択された値のそれぞれにおいて、前記複数の潤滑剤製品のそれぞれについて、製造性指標値を算出することであって、前記潤滑剤製品のそれぞれについての算出された製造性指標値が、製造性ウィンドウに対応することと;
前記潤滑剤製品のぞれぞれについての製造性ウィンドウにおける重複部分を決定することと;
前記第1のブレンド成分を使用して前記複数の潤滑剤製品を調製することであって、前記第1のブレンド成分が、前記製造性ウィンドウの前記決定された重複部分において、前記少なくとも1つの選択された第1の特性についての値を有することと
を含む、方法。
【0052】
実施形態2
前記第1のブレンド成分が、潤滑剤基本材、粘度調整剤、分散剤、洗浄剤、流動点降下剤、オイル増粘剤、ポリイソブチレン、高分子量ポリアルファオレフィン、耐摩耗/極圧剤、酸化防止剤、抗乳化剤、シール膨潤剤、摩擦調整剤、腐食抑制剤、消泡添加剤およびそれらの組み合わせから選択される、実施形態1の方法。
【0053】
実施形態3
第2のブレンド成分の少なくとも1つの第2の特性を選択することと;
複数の第2の選択された値を有するために、前記第2のブレンド成分の前記少なくとも1つの第2の特性を変更することと
をさらに含み、前記第1の複数の選択された値のそれぞれについて、1つ以上の前記第2の複数の値で前記製造性指標値が算出される、実施形態1または実施形態2の方法。
【0054】
実施形態4
前記第1のブレンド成分および前記第2のブレンド成分の少なくとも1つが、基本材(又はベース ストック)のスレート(slate)からの潤滑剤基本材(又はルブリカント ベース ストック)を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
【0055】
実施形態5
前記第1のブレンド成分および前記第2のブレンド成分の少なくとも1つが添加剤を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
【0056】
実施形態6
潤滑剤ブレンド成分を選択するための方法であって、
ブレンド成分の系統群からブレンド成分を使用して、調製のための複数の潤滑剤製品を識別することと;
前記ブレンド成分の系統群からそれぞれのブレンド成分を使用して、前記複数の潤滑剤製品のそれぞれについて製造性指標値を算出することと;
前記算出された製造性指標値に基づいて、前記ブレンド成分の系統群からブレンド成分を選択することと;
前記選択されたブレンド成分を使用して、前記複数の潤滑剤製品を調製することと
を含む、方法。
【0057】
実施形態7
前記ブレンド成分の系統群が複数の添加剤を含む、実施形態6の方法。
【0058】
実施形態8
前記複数の添加剤が、粘度調整剤、分散剤、洗浄剤またはそれらの組み合わせである、実施形態7の方法。
【0059】
実施形態9
前記ブレンド成分の系統群が、潤滑剤基本材のスレートからの少なくとも1つの潤滑剤基本材を含む、実施形態6の方法。
【0060】
実施形態10
前記ブレンド成分の系統群が潤滑剤基本材のスレートを含む、実施形態6の方法。
【0061】
実施形態11
前記製造性指標値が、製造性指標に関連する領域よりも小さい次元数に基づく、上記実施形態のいずれかの方法。
【0062】
実施形態12
少なくとも1つの潤滑剤製品についての前記製造性指標値が、少なくとも2つの次元のそれぞれに沿って、少なくとも0.5の値を有する、上記実施形態のいずれかの方法。
【0063】
実施形態13
それぞれの潤滑剤製品についての前記製造性指標値が、少なくとも2つの次元のそれぞれに沿って、少なくとも0.5の範囲値を有する、上記実施形態のいずれかの方法。
【0064】
実施形態14
前記少なくとも2つの次元のそれぞれに沿った範囲値は、1.0の範囲値が潤滑剤製品において対応する追加的な調製成分の1.0重量%に相当するように正規化される、上記実施形態のいずれかの方法。
【0065】
実施形態15
前記少なくとも1つの第1の特性が、複数の特性を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
【0066】
実施形態16
前記複数の調製成分が、少なくとも1つの潤滑剤製品について、少なくとも4つの調製成分を含む、上記実施形態のいずれかの方法。
【0067】
実施形態17
前記製造性指標値は、複数の製品仕様を満たす潤滑剤製品を製造する前記調製成分の量に基づいて規定される領域に相当する固有値である、上記実施形態のいずれかの方法。
【0068】
実施形態18
前記少なくとも1つの第1の特性および/または前記少なくとも1つの第2の特性が、粘度特性、揮発性特性、酸化安定性特性、分子量分布特性、燃費特性、分散剤関連特性、洗浄剤関連特性、またはそれらの組み合わせに対応し得る、上記実施形態のいずれかの方法。
【0069】
数値的な下限および数値的な上限が本明細書に記載される場合、いずれかの下限からいずれかの上限までの範囲が考察される。本開示の実例となる実施形態が詳細に記載されるが、様々な他の変更形態が明白であり、当業者は、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、そのような変更形態を容易に実施することができることが理解されるであろう。したがって、本明細書に添付される特許請求の範囲は、本明細書に明示された実施例および記載に限定されることは意図されず、むしろ、本開示が関連する技術分野における当業者によってそれらの均等物として処理されるであろう全ての特徴を含む、本開示に存在する特許性のある新規性の全て特徴を特許請求の範囲が包含するものとして解釈されることが意図される。
【0070】
本開示は、数多くの実施形態および特定の実施例に関して記載されている。多くの変形形態は、上記の詳細な説明を考慮して当業者に示唆される。全てのそのような明らかな変形形態は、添付された請求項の全ての意図された範囲内にある。