(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6374511
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】磁気浮上システムの軸制御方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H02N 15/00 20060101AFI20180806BHJP
F16C 32/04 20060101ALI20180806BHJP
【FI】
H02N15/00
F16C32/04 B
【請求項の数】11
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-541781(P2016-541781)
(86)(22)【出願日】2014年8月1日
(65)【公表番号】特表2016-535580(P2016-535580A)
(43)【公表日】2016年11月10日
(86)【国際出願番号】CN2014083592
(87)【国際公開番号】WO2015035836
(87)【国際公開日】20150319
【審査請求日】2016年4月18日
(31)【優先権主張番号】201310416595.4
(32)【優先日】2013年9月12日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516076843
【氏名又は名称】グリー グリーン リフリジレーション テクノロジー センター カンパニー リミテッド オブ ジューハイ
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100105463
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100129861
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 滝治
(72)【発明者】
【氏名】ファン,フイ
(72)【発明者】
【氏名】フ,ユシェン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ドンスー
(72)【発明者】
【氏名】リー,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】グオ,ウェイリン
(72)【発明者】
【氏名】フー,ダオフー
【審査官】
服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開平07−229516(JP,A)
【文献】
特開平06−300041(JP,A)
【文献】
特開平02−097714(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02N 15/00
F16C 32/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
【請求項2】
前記回転変位に基づいて前記軸の回転運動を制御することは、
前記回転変位に基づいて前記軸の回転角を算出することと、
前記軸の回転角を所定の範囲内に制御することとを含むことを特徴とする請求項1に記載の磁気浮上システムの軸制御方法。
【請求項3】
【請求項4】
前記変位信号から回転変位を分離することは、前記変位信号を分離して並進変位と前記回転変位とを得ることを含み、前軸受における並進変位と後軸受における並進変位とを含む前記並進変位を得た後、前記方法は、さらに、前記並進変位に基づいて前記軸の並進運動を制御することを含むことを特徴とする請求項1に記載の磁気浮上システムの軸制御方法。
【請求項5】
前記回転変位に基づいて前記軸の回転運動を制御すること、及び前記並進変位に基づいて前記軸の並進運動を制御することは、
第1のPIDコントローラを用いて前記前軸受における並進変位を制御することと、
第2のPIDコントローラを用いて前記後軸受における並進変位を制御することと、
第3のPIDコントローラを用いて前記回転変位に対応する回転角を制御することとを含むことを特徴とする請求項4に記載の磁気浮上システムの軸制御方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のうち何れか一項に記載の軸制御方法を用いた磁気浮上システムの軸制御装置であって、
磁気浮上システムにおける軸の変位を検出して得た変位信号を取得するための取得ユニットと、
前記変位信号から回転変位を分離するための分離ユニットと、
前記回転変位に基づいて前記軸の回転運動を制御するための制御ユニットと、を備えることを特徴とする磁気浮上システムの軸制御装置。
【請求項7】
【請求項8】
前記制御ユニットは、
前記回転変位に基づいて前記軸の回転角を算出するための算出モジュールと、
前記軸の回転角を所定の範囲内に制御するための制御モジュールとを含むことを特徴とする請求項6に記載の磁気浮上システムの軸制御装置。
【請求項9】
【請求項10】
前記分離ユニットは、前記変位信号を分離して並進変位と前記回転変位とを得ることに用いられ、前記制御ユニットは、さらに、前軸受における並進変位と後軸受における並進変位とを含む前記並進変位を得た後、前記並進変位に基づいて前記軸の並進運動を制御することに用いられることを特徴とする請求項6に記載の磁気浮上システムの軸制御装置。
【請求項11】
前記制御ユニットは、
第1のPIDコントローラを用いて前記前軸受における並進変位を制御し、
第2のPIDコントローラを用いて前記後軸受における並進変位を制御し、
第3のPIDコントローラを用いて前記回転変位に対応する回転角を制御することを特徴とする請求項10に記載の磁気浮上システムの軸制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御分野に関し、具体的に、磁気浮上システムの軸制御方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
磁気浮上システムの場合、一般、各自由度間のカップリングを黙殺し、分散制御の方法により5自由度の制御を実現し、各自由度を独立して制御する。しかし、磁気浮上システムの軸は高速回転する物体として、回転運動することが不可避であり、この回転運動が円柱回転運動と円錐回転運動とを含み、高速回転時に円錐回転運動が比較的激しい。円柱回転運動が並進運動に類似したものであり、磁気浮上システムにおける細長い軸は円柱回転運動時に、前後両端の変位が等幅で同相であるが、円錐回転運動時に、前後両端の変位が通常、逆方向である。実際の作業中、センサで検出された変位信号とは、この二つの運動の合成による変位である。各自由度を独立して制御する場合、回転運動が制御不能であり、ひどい回転運動によって、磁気浮上システムの高速回転時に不安定が起こる可能性が高いため、回転運動を効果的に制御する必要が十分ある。
【0003】
現在、通常、分散制御に加え、例えばクロスフィードバック制御等のデカップリング制御アルゴリズムを用い、又は、集中制御方法を用いて回転運動を制御する。これらの方法は、アルゴリズムが複雑で、運算量が大きいという欠点があり、DSPで実現しがたい。
【0004】
従来技術において磁気浮上システムの高速回転時に軸の回転運動を抑制しづらい課題に対して、現在未だに有効な対策が提案されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術において磁気浮上システムの高速回転時に軸受の回転運動を抑制しづらい課題を解決できる磁気浮上システムの軸制御方法及び装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一形態によれば、磁気浮上システムの軸制御方法が提供される。本発明による磁気浮上システムの軸制御方法は、磁気浮上システムにおける軸の変位を検出して得た変位信号を取得することと、変位信号から回転変位を分離することと、回転変位に基づいて軸の回転運動を制御することとを含む。
【0007】
【0008】
さらに、回転変位に基づいて軸の回転運動を制御することは、回転変位に基づいて軸の回転角を算出することと、軸の回転角を所定の範囲内に制御することとを含む。
【0009】
【0010】
さらに、変位信号から回転変位を分離することは、変位信号を分離して並進変位と回転変位とを得ることを含み、前軸受における並進変位と後軸受における並進変位とを含む並進変位を得た後、該方法は、さらに、並進変位に基づいて軸の並進運動を制御することを含む。
【0011】
さらに、回転変位に基づいて軸の回転運動を制御すること、及び並進変位に基づいて軸の並進運動を制御することは、第1のPIDコントローラを用いて前軸受における並進変位を制御することと、第2のPIDコントローラを用いて後軸受における並進変位を制御することと、第3のPIDコントローラを用いて回転変位に対応する回転角を制御することとを含む。
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の他の一形態によれば、磁気浮上システムの軸制御装置が提供される。本発明による磁気浮上システムの軸制御装置は、磁気浮上システムにおける軸の変位を検出して得た変位信号を取得するための取得ユニットと、前記変位信号から回転変位を分離するための分離ユニットと、前記回転変位に基づいて前記軸の回転運動を制御するための制御ユニットとを備える。
【0013】
【0014】
さらに、前記制御ユニットは、前記回転変位に基づいて前記軸の回転角を算出するための算出モジュールと、前記軸の回転角を所定の範囲内に制御するための制御モジュールとを含む。
【0015】
【0016】
さらに、前記分離ユニットは、前記変位信号を分離して並進変位及び前記回転変位を得ることに用いられ、前記制御ユニットは、さらに、前軸受における並進変位と後軸受における並進変位とを含む並進変位を得た後、前記並進変位に基づいて前記軸の並進運動を制御することに用いられる。
【0017】
さらに、前記制御ユニットは、第1のPIDコントローラを用いて前記前軸受における並進変位を制御することと、第2のPIDコントローラを用いて前記後軸受における並進変位を制御することと、第3のPIDコントローラを用いて前記回転変位に対応する回転角を制御することとに用いられる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、磁気浮上システムにおける軸の変位を検出して得た変位信号を取得することと、変位信号から回転変位を分離することと、回転変位に基づいて軸の回転運動を制御することとを含む磁気浮上システムの軸制御方法を用い、回転変位を変位信号から分離し、また、回転変位を制御することで軸の回転運動を抑制することにより、磁気浮上システムの高速回転時に軸の回転運動を抑制しづらい課題を解決し、そのうえ、磁気浮上システムの高速回転時における軸の回転運動を抑制する効果を達成する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の一部を構成する図面は本発明をさらに理解させるためのもので、本発明における実施例及びその説明と共に本発明を解釈するためのものであり、本発明を不当に限定するものではない。図面において、
【
図1】本発明の実施例による磁気浮上のラジアル軸受の構造を示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施例による磁気浮上システムの軸制御装置を示す図である。
【
図3】本発明の実施例による軸の回転中のある時点での位置を示す図である。
【
図4】本発明の第2の実施例による磁気浮上システムの軸制御装置を示す図である。
【
図5】本発明の実施例による軸の並進運動と回転運動との分離制御のブロック図である。
【
図6】本発明の第1の実施例による磁気浮上システムの軸制御方法のフローチャートである。
【
図7】本発明の第2の実施例による磁気浮上システムの軸制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
なお、衝突しない限り、本願の実施例及び実施例中の構成要件を互いに組み合わせることができる。以下、図面を参照しつつ実施例を結合して本発明を詳しく説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施例による磁気浮上システムの断面を示す図である。
図1に示すように、磁気浮上システムには、軸と、補助軸受と、軸受コイルと、センサとが備えられる。補助軸受は、軸と他の部材との相対位置を決めるためのものであり、支持し案内するように機能する。軸受の周りにある軸受コイルに電流を流すと、電磁力が発生することにより、軸が磁気浮上システムにて浮上しながら作動し、高速回転運動する。x1,y1,x2,y2がそれぞれセンサであり、本実施例において、軸の変位信号を測定するための変位センサである。
【0022】
図2は、本発明の第1の実施例による磁気浮上システムの軸制御装置を示す図である。
図2に示すように、該磁気浮上システムの軸制御装置は、取得ユニット10と、分離ユニット20と、制御ユニット30とを備える。取得ユニット10は、磁気浮上システムにおける軸の変位を検出して得た変位信号を取得するためのものであり、軸の変位が並進変位と回転変位とを含むため、検出された変位信号には並進変位と回転変位とが含まれる。該変位信号は、変位センサによって検出されることができる。分離ユニット20は、変位信号から回転変位を分離するためのものであり、変位センサで検出された変位信号が並進変位と回転変位とを含むため、分離ユニット20は、分離された並進変位と回転変位との個別制御のために、回転変位を変位信号から分離し、変位信号から回転変位を分離する過程として、分離アルゴリズムによって回転変位を分離することができる。制御ユニット30は、回転変位に基づいて軸の回転運動を制御するためのものであり、軸の回転変位が大きいほど、激しく振り回るようになるため、制御ユニット30は、分離ユニット20で分離された回転変位を調整し低減することで、軸の回転運動を制御する目標を達成する。
【0023】
本発明の実施例によると、磁気浮上システムの軸制御装置を用いて、回転変位を変位信号から分離して制御ユニット30により制御し、回転変位を減少させたうえで、軸の回転運動を抑制することにより、磁気浮上システムの高速回転時に軸の回転運動を抑制しづらい課題を解決し、そのうえ、磁気浮上システムの高速回転時における軸の回転運動を抑制する効果を達成する。
【0030】
図4は、本発明の第2の実施例による磁気浮上システムの軸制御装置を示す図である。この実施例に係わる磁気浮上システムの軸制御装置は、
図2に示す磁気浮上システムの軸制御装置の好適な実施形態とされることができる。
図4に示すように、この磁気浮上システムの軸制御装置は、取得ユニット10と、分離ユニット20と、算出モジュール301及び制御モジュール302を含む制御ユニット30とを備える。
【0031】
算出モジュール301は、回転変位に基づいて軸の回転角を算出するためのものであり、軸の回転変位が大きいほど、対応する回転角が大きくなり、算出モジュール301が回転変位に対応する回転角を算出して制御パラメータとすることにより、軸の回転運動を制御する。制御モジュール302は、軸の回転角を所定の範囲内に制御するためのものである。該所定の範囲は、0付近という小範囲内に保たれ、軸の回転変位が大きいほど、軸の回転運動が激しくなり、対応する回転角が大きいため、回転角を、できるだけ0に近づけていくように0付近に効果的に制御することにより、軸の回転運動を効果的に抑制することができる。
【0032】
軸の回転角を制御する前に、軸の回転角を拡大することがさらに好ましい。算出された軸の回転角の値が小さいため、軸の回転角を制御する前に、回転角を拡大する必要があり、その拡大倍率が実際の状況に応じて設定されることができる。回転角ループは、回転角を制御するためのものであり、回転角が拡大されていなければ、回転角ループの制御パラメータが大きくなり、回転角が拡大されていれば、回転角ループの制御パラメータの調整のために、回転角ループの制御パラメータがあまり大きくないようにされることが可能であることにより、回転角を正確に制御することができ、さらに、軸の回転運動を抑制する効果を達成し、磁気浮上システムにおける高頻度の回転運動による不安定の発生を回避する。
【0034】
分離ユニット20は、変位信号を分離して並進変位と回転変位とを得ることに用いられ、制御ユニット30は、さらに、前軸受における並進変位と後軸受における並進変位とを含む並進変位を得た後、並進変位に基づいて軸の並進運動を制御することに用いられることが好ましい。センサで検出された変位信号が回転変位と並進変位とを含むため、前軸受センサで検出された変位信号は、前軸受における回転変位と前軸受における並進変位とを含み、また、後軸受センサで検出された変位信号は、後軸受における回転変位と後軸受における並進変位とを含む。このように、分離ユニット20が変位信号を分離して並進変位と回転変位とを取得し、制御ユニット30が、さらに、変位信号を分離して得た並進変位を制御することに用いられ、並進変位と回転変位とを分離した後、軸の並進運動と回転運動とを個別に制御することで、磁気浮上システムにおける軸の回転変位とともに磁気浮上システムにおける軸の並進変位を抑制し、磁気浮上システムの安定性をさらに向上させる。
【0035】
制御ユニット30は、第1のPID(比例・積分・微分:Proportion Integration Differentiation、PIDと略称)コントローラを用いて前軸受における並進変位を制御し、第2のPIDコントローラを用いて後軸受における並進変位を制御し、さらに、第3のPIDコントローラを用いて回転変位に対応する回転角を制御することが好ましい。3つのPIDコントローラにより前軸受における並進変位、後軸受における並進変位、及び回転角を制御することで、コントローラ間の干渉を低減し、軸の回転運動と並進運動との分離制御を実現することができる。
【0036】
なお、本実施例における「第1」、「第2」及び「第3」は前後関係を表すものではなく、本発明の実施例を説明するためのものに過ぎず、本発明を不当に限定するものではない。
【0038】
本発明の実施例によれば、磁気浮上システムの軸制御方法がさらに提供される。当該磁気浮上システムの軸制御方法は、計算機処理装置で運行されることができる。なお、本発明の実施例に係わる磁気浮上システムの軸制御方法は、本発明の実施例に提供される磁気浮上システムの軸制御装置により実行されることができる一方、本発明の実施例に係わる磁気浮上システムの軸制御装置は、本発明の実施例に提供される磁気浮上システムの軸制御方法を実行することもできる。
【0039】
図6は、本発明の第1の実施例による磁気浮上システムの軸制御方法のフローチャートである。
図6に示すように、この磁気浮上システムの軸制御方法は以下のステップを含む。
磁気浮上システムにおける軸の変位を検出して得た変位信号を取得する(ステップS101)。軸の変位が並進変位と回転変位とを含むため、検出された変位信号が並進変位と回転変位とを含む。該変位信号は、変位センサによって検出されることができる。
【0040】
変位信号から回転変位を分離する(ステップS102)。変位センサで検出された変位信号が並進変位と回転変位とを含むため、分離ユニット20は、分離された並進変位と回転変位との個別制御のために、回転変位を変位信号から分離し、変位信号から回転変位を分離する過程として、分離アルゴリズムによって回転変位を分離することができる。
【0041】
回転変位に基づいて軸の回転運動を制御する(ステップS103)。軸の回転変位が大きいほど、激しく振り回るようになるため、制御ユニット30は、分離ユニット20で分離された回転変位を調整し低減することで軸の回転運動を制御する目標を達成する。
【0042】
本発明の実施例によると、磁気浮上システムの軸制御装置を用いて、回転変位を変位信号から分離して制御ユニット30により制御し、回転変位を減少させたうえで、軸の回転運動を抑制することにより、磁気浮上システムの高速回転時に軸の回転運動を抑制しづらい課題を解決し、そのうえ、磁気浮上システムの高速回転時における軸の回転運動を抑制する効果を達成する。
【0048】
図7は、本発明の第2の実施例による磁気浮上システムの軸制御方法のフローチャートである。当該実施例を、
図6に示す実施例に係わる磁気浮上システムの軸制御方法の好適な実施形態とすることができる。
【0049】
図7に示すように、当該磁気浮上システムの軸制御方法は以下のステップを含む。
磁気浮上システムにおける軸の変位を検出して得た変位信号を取得する(ステップS201)。軸の変位が並進変位と回転変位とを含むため、検出された変位信号が並進変位と回転変位とを含む。該変位信号は、変位センサによって検出されることができる。
【0050】
変位信号から回転変位を分離する(ステップS202)。変位センサで検出された変位信号が並進変位と回転変位とを含むため、分離ユニット20は、分離された並進変位と回転変位との個別制御のために、回転変位を変位信号から分離し、変位信号から回転変位を分離する過程として、分離アルゴリズムによって回転変位を分離することができる。
【0051】
回転変位に基づいて軸の回転角を算出する(ステップS203)。軸の回転変位が大きいほど、対応する回転角が大きいため、算出モジュール301は、軸の回転運動の制御のために、回転変位に対応する回転角を算出して制御パラメータとする。
【0052】
軸の回転角を所定の範囲内に制御する(ステップS204)。該所定の範囲は、0付近という小範囲内に保たれ、軸の回転変位が大きいほど、軸の回転運動が激しくなり、対応する回転角が大きいため、回転角を、できるだけ0に近づけていくように0付近に効果的に制御することにより、軸の回転運動を効果的に抑制することができる。
【0053】
軸の回転角を制御する前に、軸の回転角を拡大することがさらに好ましい。算出された軸の回転角の値が小さいため、軸の回転角を制御する前に、回転角を拡大する必要があり、その拡大倍率が実際の状況に応じて設定されることができる。回転角ループは、回転角を制御するためのものであり、回転角が拡大されていなければ、回転角ループの制御パラメータが大きくなり、回転角が拡大されていれば、回転角ループの制御パラメータの調整のために、回転角ループの制御パラメータがあまり大きくないようにされることが可能であることにより、回転角を正確に制御することができ、さらに、軸の回転運動を抑制する効果を達成し、磁気浮上システムにおける高頻度の回転運動による不安定の発生を回避する。
【0055】
変位信号から回転変位を分離することは、変位信号を分離して並進変位と回転変位とを得ることを含み、前軸受における並進変位と後軸受における並進変位とを含む並進変位を得た後、該方法は、さらに、並進変位に基づいて軸受の並進運動を制御することを含むことが好ましい。センサで検出された変位信号が回転変位と並進変位とを含むため、前軸受センサで検出された変位信号は、前軸受における回転変位と前軸受における並進変位とを含み、また、後軸受センサで検出された変位信号は、後軸受における回転変位と後軸受における並進変位とを含む。このように、分離ユニット20が変位信号を分離して並進変位と回転変位とを取得し、制御ユニット30が、さらに、変位信号を分離して得た並進変位を制御することに用いられ、並進変位と回転変位とを分離した後、軸の並進運動と回転運動とを個別に制御することで、磁気浮上システムにおける軸の回転変位とともに磁気浮上システムにおける軸の並進変位を抑制し、磁気浮上システムの安定性をさらに向上させる。
【0056】
回転変位に基づいて軸受の回転運動を制御すること、及び並進変位に基づいて軸受の並進運動を制御することは、第1のPIDコントローラを用いて前軸受における並進変位を制御することと、第2のPIDコントローラを用いて後軸受における並進変位を制御することと、第3のPIDコントローラを用いて回転変位に対応する回転角を制御することとを含むことが好ましい。3つのPIDコントローラにより前軸受における並進変位、後軸受における並進変位、及び回転角をそれぞれ制御することで、コントローラ間の干渉を低減し、軸の回転運動と並進運動との分離制御を実現することができる。
【0057】
なお、本実施例における「第1」、「第2」及び「第3」は前後関係を表すものではなく、本発明の実施例を説明するためのものに過ぎず、本発明を不当に限定するものではない。
【0058】
当業者にとって、上述した本発明の各ブロック又は各ステップは汎用の計算装置によって実現することができ、単独の計算装置に集成させることができれば、複数の計算装置から構成されるネットワークに分布させることもでき、さらに計算装置で実行可能なプログラムのコードによって実現してもよいので、それらを記憶装置に格納して計算装置によって実行することができ、それらをそれぞれ集積回路ブロックに製作したり、これらのうち複数のブロック又はステップを単独の集積回路ブロックに製作したりして実現することができることは、明らかなことである。このように、本発明は、如何なる特定のハードウェアとソフトウェアの結合に限定されない。
【0059】
以上は、本発明の好適な実施例を説明したに過ぎず、本発明を限定することは意図していない。当業者であれば、本発明に様々な変更や変形が可能である。本発明の思想や原則内の如何なる修正、均等の置き換え、改良なども、本発明の保護範囲内に含まれるべきである。