(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本実施の一形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、実施形態にかかる電子レシートシステムの構成全体を示す構成図である。
図1に示すように、店舗1には、商品販売データ処理を実行する商品販売データ処理装置であるPOS(Point of Sales)端末2(
図1では1台のみ示すが複数台であっても良い)と、ルータ3とが設置されている。POS端末2とルータ3とは、店舗内LAN4(Local Area Network)によって接続されている。ルータ3は、店舗内LAN4とインターネットやVPN(Virtual Private Network)であるネットワーク5とを接続するための機器である。なお、特に図示しないが、店舗1には、POS端末2を統括するストアサーバを設けるようにしても良い。
【0017】
ネットワーク5には、電子レシートサーバ6が接続されている。電子レシートサーバ6は、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、食品販売店、ドラッグストア、アパレル販売店、家電販売店、百貨店、生活雑貨店、飲食店などの店舗またはチェーン店舗(以下、店舗という)を運営する商品またはサービスの販売者である企業単位で複数台設けられており、店舗を運営する企業を示す企業コード毎の電子レシート情報を記憶して管理する企業用のレシート管理サーバとして機能する。なお、電子レシートサーバ6は、店舗を運営する各企業の売上管理、売上分析、在庫管理などの機能を持つPOSシステムの本部サーバを適用するようにしても良い。
【0018】
また、ネットワーク5には、携帯端末8が、Wi−Fi(Wireless Fidelity)等の規格に従って無線通信を行う基地局7を介して接続されている。携帯端末8は、Webブラウザを実装する、例えばスマートフォン、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータなどの情報処理装置である。なお、携帯端末8に代えて、ノートPCなどのパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を適用しても良い。
【0019】
さらに、ネットワーク5には、店舗を運営する各種企業の電子レシート情報を一括に記憶して管理する顧客用レシート管理サーバとして機能する電子レシート管理サーバ9も接続されている。予め電子レシートのサービスを受けるために会員登録されている消費者は、ネットワーク5を通して携帯端末8を用いて電子レシート管理サーバ9から電子レシート情報を得ることができる。電子レシート管理サーバ9は、例えば、電子レシートサーバ6で電子レシート情報を管理する企業以外の第三者機関によって管理される。なお、電子レシートサーバ6についても第三者機関等が管理しても良い。また、電子レシートサーバ6の機能を電子レシート管理サーバ9に持たせて1つのサーバで管理しても良い。また、店舗を運営する企業を示す企業毎の電子レシート情報を複数の企業コードで一括に管理する機能を、例えばクラウドコンピューティングの一種であるSaaS(Software as a Service)の形態でサービス(アプリケーション)が提供されるようにしても良い。
【0020】
なお、電子レシートサービスを受けるための消費者の会員登録は、例えば次のようにして行われる。
図2は、消費者の会員登録における画面の遷移例を示す遷移図である。消費者は、携帯端末8からネットワーク5を通して会員管理サーバ(図示せず)に対して空メールを送信する。会員管理サーバは、受信したメールアドレスに会員登録のためのページを示すURL(Uniform Resource Locator)を送信する。消費者は、携帯端末8から会員登録のためのページを示すURLにアクセスして入力画面Hを表示させ(
図2(a)参照)、会員登録に必要な事項を入力する。消費者による必要事項の入力終了後の携帯端末8には、入力確認画面Iが表示される(
図2(b)参照)。そして、消費者による入力確認後には、会員マスタに対する会員登録が実行される。その後、会員管理サーバは、携帯端末8に対して会員コードおよびパスワードを含む会員登録完了メールを配信する。これにより、会員登録が終了する。なお、
図2(c)は、登録完了後において、携帯端末8に表示される登録完了画面Jである。登録完了画面Jには、「トップ画面表示」ボタンB10が設けられている。消費者がこの「トップ画面表示」ボタンB10を操作することにより、携帯端末8は、
図2(d)に示すトップ画面Kを表示する。
【0021】
かかる構成の電子レシートシステムにおいては、店舗1のPOS端末2で商品販売データ処理が行なわれて生成された決済の内容を示す電子レシート情報が、ネットワーク5を介して電子レシートサーバ6を介して電子レシート管理サーバ9に伝送され、この電子レシート管理サーバ9から、会員の携帯端末8に電子レシート情報が送信される。会員は、携帯端末8の表示部に電子レシート情報を表示させ、その内容を確認することができる。また、電子レシート管理サーバ9は、電子レシート情報をWeb上に公開する。Webブラウザを実装してなる携帯端末8は、URL(Uniform Resource Locator)を指定することにより、Web上に公開された電子レシート情報を携帯端末8にダウンロードしてWebブラウザで閲覧することができる。なお、携帯端末8に電子レシート情報を閲覧するためのアプリケーションソフトウェアをインストールして閲覧するようにしても良い。
【0022】
携帯端末8は、上述のようにして消費者が取得した会員コードおよびパスワードを記憶部13(
図3参照)などに記憶する。このようにして記憶した会員コードの出力方法としては、バーコードによる表示、二次元コードによる表示、近接場型の無線通信であるNFC(Near Field Communication)による情報通信による送信等がある。
【0023】
更に、消費者が電子レシートサービスを受けるために取得した会員コードと、チェーン店等の企業が運営するポイントサービス等の既存の企業会員カードとの関連付けを、各小売店舗のPOS端末2もしくは各個人の携帯端末8で実現するようにしても良い。
【0024】
ここで、上述したような消費者が取得した会員コードと既存の企業会員カードとの関連付けの運用例について説明する。
【0025】
1.店舗のPOS端末2における運用例
(1)まず、POS端末2を操作するチェッカーが、商品登録(決済)時に電子レシートサービスを実施するか否かと、ポイントカードの有無を確認する。電子レシートサービスを実施する場合、消費者は、携帯端末8とポイントカードを提示する。
(2)チェッカーは、携帯端末8に記憶されている会員コードとポイントカードの企業会員コードをそれぞれ読み取る。ここで、携帯端末8に記憶されている会員コードの読取は、POS端末2に設けられたI/Oに依存するが、上述のようなバーコード・二次元コード・NFC等が適用される。
(3)POS端末2は、電子レシート管理サーバ9へトランザクションと(2)で読み取った会員コード及びポイントカードの企業会員コードを送信する。
(4)電子レシート管理サーバ9は、(3)で送信された情報を受け取り、店舗1のPOS端末2で商品販売データ処理が行なわれて生成された決済の内容を示す電子レシート情報及び会員コードと、ポイントカードの企業会員コードが同時送信されたことが初回の場合、当該電子レシート管理サーバ9に登録する。
【0026】
以後、消費者は、携帯端末8もしくはポイントカードのみの提示で、電子レシートシステムにおけるサービスとポイント付与のサービスを受けることができる。
【0027】
2.携帯端末8における運用例
(1)まず、消費者は所有の携帯端末8から特定URLにアクセスもしくは携帯端末8にインストールされているアプリケーションよりポイントカード登録メニューにログインする。消費者は、登録の対象となるポイントカードを発行している企業を入力・選択する。次いで、消費者は、登録の対象となるポイントカードの企業会員コードを入力し、番号確認後、登録ボタンを押下し、電子レシート管理サーバ9に登録内容送信する。なお、企業会員コードの入力は、手入力やカメラ撮影、磁気読取などにより行うことができる。
(2)電子レシート管理サーバ9は、(1)での携帯端末8における登録内容を受信し、各企業の顧客情報と照合し、消費者の携帯端末8へ確認の表示画面を返信する。
(3)消費者は、電子レシート管理サーバ9から返された確認の表示画面を確認し、同意ボタンを押下することで電子レシートの会員コードと既存の企業会員カードとの関連付けが完了する。
【0028】
以上のようにして、一意の電子レシートの会員コードで電子レシートシステムにおけるサービスやポイント付与のサービスを管理することにより、従来のポイントカードを所有している店舗ではポイントカードを提示することで、ポイントカードを所有していない店舗では、携帯端末8を提示することで、電子レシートシステムにおけるサービスを受けることが可能になる。その結果、電子レシートの会員コードが各企業の各企業会員カードを関連付けるHUBの役割としての存在となることができる。
【0029】
以下、この点を含み、本実施形態の電子レシートシステムを構築する各部の構成について説明する。
【0030】
まず、情報処理装置である携帯端末8の要部構成を、
図3のブロック図を用いて説明する。
図3に示すように、携帯端末8は、制御部本体を構成するCPU(Central Processing Unit)11、データを一時的に記憶しておくためのメモリ12、CPU11からの命令で読み書きが可能であり、プログラムやデータ等が記憶される記憶部13、ネットワーク5を含む各種公衆網に接続されるネットワークインターフェース14、各種情報を表示可能な表示部17、携帯端末8を操作するための入力部18、時間を計時する時計部19等で構成されている。入力部18は、表示部17に積層されたタッチパネルや、筐体上に設けられたキーである。
【0031】
記憶部13には、Web上に公開されている各種情報(コンテンツ)を閲覧するためのWebブラウザの他、商品販売データ処理による決済後に生成される電子レシート情報を電子レシート管理サーバ9から受け取るための電子レシート対応プログラムP11と、受け取った電子レシート情報を閲覧するための電子レシート閲覧プログラムP12とが予めインストールされている。
【0032】
加えて、記憶部13には、後述する各企業の電子レシートサーバ6から受け取った電子レシート情報を、企業コードや業種・業態コードに基づいて統計した統計情報を生成するための統計情報生成プログラムP13が予めインストールされている。
【0033】
さらに、記憶部13には、電子レシート情報を分割して他人に委譲するためのレシート情報委譲プログラムP14が予めインストールされている。
【0034】
なお、携帯端末8で実行される電子レシート対応プログラムP11と電子レシート閲覧プログラムP12と統計情報生成プログラムP13とレシート情報委譲プログラムP14は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0035】
また、携帯端末8で実行される電子レシート対応プログラムP11と電子レシート閲覧プログラムP12と統計情報生成プログラムP13とレシート情報委譲プログラムP14を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、携帯端末8で実行される電子レシート対応プログラムP11と電子レシート閲覧プログラムP12と統計情報生成プログラムP13とレシート情報委譲プログラムP14をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0036】
次に、商品販売データ処理装置であるPOS端末2の要部構成を、
図4のブロック図を用いて説明する。
図4に示すように、POS端末2は、制御部本体を構成するCPU(Central Processing Unit)21、データを一時的に記憶しておくためのメモリ22、CPU21からの命令で読み書きが可能であり、プログラムやデータ等が記憶される記憶部23、店舗内LAN4に接続されるネットワークインターフェース24、プリンタが接続されるプリンタインターフェース25、オペレータに対して各種情報を表示するためのオペレータ用表示部28、時間を計時する時計部29、客に対して種々の情報を表示するための客用表示部30、顧客の要望に応じて領収書を発行する場合に操作する領収書キー32を含み、POS端末2を操作するための入力部31等で構成されている。
【0037】
記憶部23には、当該POS端末2のPOSナンバーに加えて、企業コード(店舗を運営する企業の識別コード)、業種・業態コード、当該POS端末2が設置される店舗1を示す店舗コード、などを予め記憶するための領域として識別コード管理領域23aが確保されている。ここで、業種・業態コードは、例えば、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、百貨店、薬局、レストラン、飲食店などとして、店舗の業種・業態を区別するコード(分類コード)である。なお、このような業種・業態は、ユーザの好みによって任意に変更可能である。なお、企業コード(店舗を運営する企業の識別コード)、業種・業態コードについては、電子レシートサーバ6に登録されていても良い。
【0038】
また、記憶部23には、商品販売データ処理を含む各種のPOS業務を実行するためのソフトウェアの他、商品販売データ処理の際に印字発行されるレシートに代えて電子的に処理した電子レシート情報を処理するための電子レシート処理プログラムP15が予めインストールされている。
【0039】
また、記憶部23には、領収書発行処理、領収書発行の可否の問合せ処理、および領収書発行の可否を判断するための領収書処理プログラムP16が予めインストールされている。
【0040】
なお、POS端末2で実行される電子レシート処理プログラムP15および領収書処理プログラムP16は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0041】
また、POS端末2で実行される電子レシート処理プログラムP15および領収書処理プログラムP16を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、POS端末2で実行される電子レシート処理プログラムP15および領収書処理プログラムP16をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0042】
次に、企業用のレシート管理サーバとして機能する電子レシートサーバ6の要部構成を、
図5のブロック図を用いて説明する。電子レシートサーバ6は、制御部本体を構成するCPU(Central Processing Unit)41、データを一時的に記憶しておくためのメモリ42、CPU41からの命令で読み書きが可能であり、プログラムやデータ等が記憶される記憶部43、ネットワーク5に接続されるネットワークインターフェース44等で構成されている。
【0043】
記憶部43には、店舗を運営する企業毎の電子レシート情報を記憶するための領域として電子レシート管理領域43aが確保されている。電子レシート情報は、企業コード(店舗を運営する企業の識別コード)、業種・業態コード、店舗コード、消費者の会員コード、POS端末2のPOSナンバー、レシートナンバー、商品販売データなどを含んでいる。
【0044】
また、記憶部43には、各店舗1のPOS端末2から受け取った電子レシート情報を電子レシート管理領域43aで管理するための電子レシート管理プログラムP1が予めインストールされている。
【0045】
また、記憶部43には、電子レシート管理領域43aで管理されている電子レシート情報を電子レシート管理サーバ9へ送信するための情報送信プログラムP2も予めインストールされている。
【0046】
さらに、記憶部43には、所望の商品、会員、企業、店舗に対応付けられる各種の付加情報を記憶する情報管理領域43bが設けられている。ここで、付加情報とは、企業のキャンペーンに関連付けられたホームページにリンクするURL、企業のCMに関連付けられたホームページにリンクするURL、企業のクーポンにリンクするURLなどのアクセス情報である。
【0047】
なお、電子レシートサーバ6で実行される電子レシート管理プログラムP1および情報送信プログラムP2は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0048】
また、電子レシートサーバ6で実行される電子レシート管理プログラムP1および情報送信プログラムP2を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、電子レシートサーバ6で実行される電子レシート管理プログラムP1および情報送信プログラムP2をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0049】
次に、顧客用レシート管理サーバとして機能する電子レシート管理サーバ9の要部構成を、
図6のブロック図を用いて説明する。電子レシート管理サーバ9は、制御部本体を構成するCPU(Central Processing Unit)51、データを一時的に記憶しておくためのメモリ52、CPU51からの命令で読み書きが可能であり、プログラムやデータ等が記憶される記憶部53、ネットワーク5に接続されるネットワークインターフェース54等で構成されている。
【0050】
記憶部53には、店舗を運営する各種企業の電子レシート情報を一括に記憶するための領域として電子レシート管理領域53aが確保されている。より詳細には、電子レシート管理領域53aは、店舗を運営する各種企業の電子レシート情報および付加情報を会員毎に管理する。電子レシート情報は、会員コード、企業コード(店舗を運営する企業の識別コード)、店舗コード、POS端末2のPOSナンバー、レシートナンバー、商品販売データ、付加情報などを含んでいる。
【0051】
また、記憶部53には、各企業の電子レシートサーバ6から受け取った付加情報および電子レシート情報を電子レシート管理領域53aで管理するための電子レシート管理プログラムP3が予めインストールされている。
【0052】
また、記憶部53には、電子レシート情報、領収書が発行済であることを示すステータス情報および所望の商品の付加情報を携帯端末8へ送信するための情報送信プログラムP4が予めインストールされている。
【0053】
また、記憶部53には、領収書発行の問合せがあった場合に領収書が発行されたか否かを調査して、調査結果をPOS端末2に送信する領収書処理プログラムP5が予めインストールされている。
【0054】
なお、電子レシート管理サーバ9で実行される電子レシート管理プログラムP3、情報送信プログラムP4および領収書処理プログラムP5は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0055】
また、電子レシート管理サーバ9で実行される電子レシート管理プログラムP3、情報送信プログラムP4および領収書処理プログラムP5を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、電子レシート管理サーバ9で実行される電子レシート管理プログラムP3、情報送信プログラムP4および領収書処理プログラムP5をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0056】
続いて、本実施の形態のシステムを構築する各部の動作について説明する。
【0057】
まず、POS端末2のCPU21が電子レシート処理プログラムP15に従って動作することにより実行される電子レシート処理について、
図7に示す機能ブロック図および
図8に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0058】
図7に示すように、POS端末2で実行される電子レシート処理プログラムP15および領収書処理プログラムP16は、電子レシート生成手段として機能する電子レシート生成部26、送信手段として機能する送信部27、領収書情報生成手段として機能する領収書情報生成部201、入力手段として機能する入力部202、問合せ手段として機能する問合せ部203、領収書発行判断手段として機能する領収書発行判断部204、領収書発行手段として機能する領収書発行部205を含むモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしてはCPU21が記憶部23から電子レシート処理プログラムP15および領収書処理プログラムP16を読み出して実行することにより上記各部がメモリ22上にロードされ、電子レシート生成部26、送信部27、領収書情報生成部201、入力部202、問合せ手段として機能する問合せ部203、領収書発行判断手段として機能する領収書発行判断部204、領収書発行手段として機能する領収書発行部205がメモリ22上に生成されるようになっている。
【0059】
電子レシート生成部26は、店舗を運営する企業を示す企業コードを含み、商品販売データ処理の際に印字発行されるレシートに代えて電子的に処理した電子レシート情報を、消費者の会員コードに対応付けて生成する。
【0060】
また、領収書キー32が操作されて領収書が発行されたことに応じて、電子レシート生成部26は領収書を発行したことを示すステータス(例えばフラグ)を生成し、電子レシート情報と関連付ける。
【0061】
送信部27は、電子レシート生成部26で生成した電子レシート情報を、企業コードに応じた企業単位で管理する電子レシートサーバ6に送信する。領収書を発行したことを示すステータスが生成されている場合は、このステータスとを関連付けて送信する。
【0062】
領収書情報生成部201は、領収書キー32の操作によって領収書の発行が指示された場合に、商品販売データに関連する領収書を発行したことを示すステータスを生成する。
【0063】
入力部202は、例えば、携帯端末8の表示部17にバーコードとして表示された電子レシート情報を特定する情報を、入力部18で読み取って入力する。
【0064】
問合せ部203は、電子レシート情報を特定する情報の入力および領収書キー32の操作によって領収書発行が指示された場合に、入力された電子レシート情報を特定する情報に基づいて、電子レシート管理サーバ9に対して領収書の発行の可否を問合せる。
【0065】
領収書発行判断部204は、問合せ部203による領収書の発行の可否の問合せに対する電子レシート管理サーバ9からの回答に基づいて、領収書の発行が可能であるか否かを判断する。
【0066】
領収書発行部205は、領収書発行判断部204が、領収書の発行が可能であると判断した場合、当該領収書の発行を指示する。
【0067】
図8に示すように、POS端末2のCPU21(電子レシート生成部26)は、商品取引の締め処理を開始する締め操作キー等の入力があると、会員コードの入力、電子レシート発行有無の確認、締め操作に応じた決済処理に対応した電子レシート発行指示があったか否かを判断する(ステップS1)。
【0068】
会員が、電子レシート発行指示を示すためには、例えば下記に示すような方法が考えられる。
1.店員がPOS端末2の入力部31(例えば、キーボード)に設けられた「電子レシート発行」ボタンを操作する。
2.会員である消費者が携帯端末8の表示部17にトリガーとなるコードを含むバーコードを表示し、店員がPOS端末2の入力部31(例えば、バーコードスキャナ)で読み取る。
3.会員である消費者が客用表示部30に押下可能に表示された「電子レシート発行」ボタンを操作する。
4.会員である消費者が携帯端末8の表示部17にトリガーとなるコードを含むバーコードを表示し、会員である消費者自らがPOS端末2の入力部31(例えば、バーコードスキャナ(商品登録で使用するスキャナとは別のスキャナが好ましい))で読み取る。
5.会員である消費者がポイントサービスを受けるための企業会員カードを提示し、POS端末2の入力部31(例えば、バーコードスキャナ、磁気カードリーダ、またはNFCなど)で企業会員カードの企業会員コードを読み取り、その読み取った企業会員コードに電子レシートの会員コードが関係付けられている場合は、電子レシート発行指示があったと判断する。
6.消費者が領収書の発行を要求した場合、店員は領収書キー32を操作する。
【0069】
POS端末2のCPU21(電子レシート生成部26)は、電子レシート発行指示があったと判断した場合(ステップS1のYes)、商品取引データを本部サーバに送信し、商品取引データとは別に、商品販売データ処理による決済時に登録された商品の情報および決済の情報に基づいて、企業コード(店舗を運営する企業の識別コード)、業種・業態コード、店舗コード、消費者の会員コード、POS端末2のPOSナンバー、レシートナンバー、商品販売データなどを記憶部23に設けられた識別コード管理領域23aから抽出し、電子レシート情報を生成する(ステップS2)。
【0070】
次いで、POS端末2のCPU21(送信部27)は、ネットワークインターフェース24を介して店舗内LAN4およびネットワーク5に接続する。そしてCPU21は、生成された電子レシート情報を電子レシートサーバ6に送信し(ステップS3)、処理を終了する。
【0071】
なお、POS端末2のCPU21は、本部サーバへ商品取引データ(トランザクションデータ)を送信する時にオフライン状態に陥った場合、以下の対応を実施して障害を回避する。
1.リトライ送信の自動実施
2.1.で対応不可の場合には、オンライン復旧するまで商品取引データ(トランザクションデータ)を記憶し、オンライン復旧後に本部サーバへ発信する。この場合、POS端末2のCPU21は、オペレータ用表示部28に「商品取引データ(トランザクションデータ)は後ほど送信します。」などの表示を行う。
【0072】
ステップS1において、電子レシート発行指示ではないと判断した場合は(ステップS1のNo)、CPU21は、領収書キー32が操作されたか否かを判断する(ステップS4)。操作されていないと判断した場合は(ステップS4のNo)、CPU21はそのまま処理を終了する。
【0073】
操作されたと判断した場合は(ステップS4のYes)、CPU21は、ステップS2において直前に電子レシート情報が生成されたか否かを判断する(ステップS5)。生成されたと判断した場合は(ステップS5のYes)、CPU21は、生成した電子レシート情報に基づいて領収書の印字データを生成し、プリンタインターフェース25から図示しないプリンタに対して印字データを送信して印字を指示する(ステップS6)。プリンタは、印字データに基づいて領収書を印字して発行する。
【0074】
次にCPU21は、領収書が発行されたことを示すステータスを生成する(ステップS7)。このステータスは、例えばフラグ等の領収書を発行したことを意味する情報であれば何でもよい。そして、CPU21は、生成したステータスを上記電子レシート情報と関連付けて電子レシートサーバ6に送信する(ステップS8)。
【0075】
一方ステップS5において、直前に電子レシート情報が生成されていないと判断した場合は(ステップS5のNo)、CPU21は、領収書発行処理を実行する(ステップS9)。ステップS9の領収書発行処理については、
図12で詳細に説明する。
【0076】
次に、電子レシートサーバ6のCPU41が、電子レシート管理プログラムP1に従って動作することにより実行される電子レシート管理処理および情報送信プログラムP2に従って動作することにより実行される情報送信処理の流れを、
図9に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0077】
電子レシートサーバ6のCPU41は、POS端末2から送信された電子レシート情報と領収書発行を示すステータスとをネットワークインターフェース44を介して受信すると(ステップS11のYes)、記憶部43の電子レシート管理領域43aに企業毎の電子レシート情報として記憶する(ステップS12)。すなわち、電子レシートサーバ6のCPU41は、電子レシート情報と領収書発行を示すステータスとを企業コードに応じた企業単位で記憶部43に管理する電子レシート管理手段として機能する。
【0078】
また、電子レシートサーバ6のCPU41は、受信した電子レシート情報と付加情報と領収書発行を示すステータスとを記憶した後、予め設定された送信タイミングになると(ステップS11のNo、ステップS13のYes)、情報管理領域43bに管理されている付加情報および電子レシート管理領域43aで管理されている電子レシート情報と領収書発行を示すステータスとを関連付けて電子レシート管理サーバ9に送信し(ステップS14)、ステップS11に戻る。
【0079】
なお、送信タイミングではないと判断した場合は(ステップS13のNo)、CPU41は、ステップS11に戻る。
【0080】
なお、POS端末2のCPU21(電子レシート生成部26)が電子レシート情報を生成して電子レシートサーバ6に送信するようにしたが、これに限るものではない。例えば、POS端末2のCPU21が、商品販売データ処理による決済時に登録された商品の情報および決済の情報に基づいて、店舗コード、消費者の会員コード、POS端末2のPOSナンバー、レシートナンバー、商品販売データなどを電子レシートサーバ6に送信し、電子レシートサーバ6のCPU41が、企業コード、業種・業態コードなどを付加して、電子レシート情報を生成しても良い。
【0081】
また、電子レシート情報の生成後に、電子レシート情報の生成時点にさかのぼって領収書発行に伴うステータスを生成することも可能である。例えば、すでに生成した電子レシート情報の生成日付や取引ナンバーを基に領収書を発行して、その時点でステータスを生成して電子レシート情報に関連付けても良い。この場合、新たな電子レシート情報にステータスを関連付けて改めて送信する。
【0082】
なお、すでに領収書が発行され、ステータスが関連付けられている電子レシート情報については、領収書キー32による領収書発行操作が再度実行されても、領収書の再発行は行わない。
【0083】
次に、電子レシート管理サーバ9のCPU51が、電子レシート管理プログラムP3に従って動作することにより実行される電子レシート管理処理および情報送信プログラムP4に従って動作することにより実行される商品情報送信処理の流れを、
図10に示す機能ブロック図および
図11に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0084】
図10に示すように、電子レシート管理サーバ9で実行される電子レシート管理プログラムP3および情報送信プログラムP4は、受信手段として機能する受信部55、電子レシート一括管理手段として機能する電子レシート一括管理部56、電子レシート送信手段として機能する電子レシート送信部57を含むモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしてはCPU51が記憶部53から電子レシート管理プログラムP3および情報送信プログラムP4を読み出して実行することにより上記各部がメモリ52上にロードされ、受信部55、電子レシート一括管理部56、電子レシート送信部57、領収書情報送信部901がメモリ52上に生成されるようになっている。
【0085】
受信部55は、店舗を運営する企業を示す企業コードを含み、商品販売データ処理の際に印字発行されるレシートに代えて電子的に処理した企業単位の電子レシート情報を受信する。領収書を発行した場合は、ステータスを電子レシート情報に関連付けて受信する。
【0086】
電子レシート一括管理部56は、受信部55により受信した企業単位の電子レシート情報およびステータスを記憶部53の電子レシート管理領域53aに記憶して一括管理する。
【0087】
電子レシート送信部57は、所定の消費者の会員コードに対応付けられた携帯端末8に対し、当該会員コードに対応付けられていて少なくとも1以上の企業コードを含む電子レシート情報と、すでに領収書を発行していることを示す情報を電子レシート管理領域53aから取得して送信する。
【0088】
領収書情報送信部901は、POS端末2からの領収書の発行の可否の問合せに対して、電子レシート一括管理部56が管理しているステータスに基づいた可否情報をPOS端末2に送信する。
【0089】
図11に示すように、電子レシート管理サーバ9のCPU51(受信部55)は、各企業の電子レシートサーバ6から送信された電子レシート情報や付加情報や領収書を発行したことを示すステータスをネットワークインターフェース54を介して受信したか否かを判断する(ステップS21)。
【0090】
電子レシート情報や付加情報や領収書を発行したことを示すステータスを受信したと判断した場合(ステップS21のYes)、電子レシート管理サーバ9のCPU51(電子レシート一括管理部56)は、記憶部53の電子レシート管理領域53aに各種企業の電子レシート情報および付加情報を一括に記憶する(ステップS22)。領収書発行を示すステータスを受信した場合は、当該電子レシート情報および付加情報とともに、ステータスを電子レシート情報に関連付けて電子レシート管理領域53aに記憶する(ステップS22)。
【0091】
次にCPU51は、POS端末2が領収書発行を指示したことを示すステータスが電子レシート管理領域53aに記憶されているか否かを判断する(ステップS23)。ステータスが記憶されていると判断した場合(ステップS23のYes)、CPU51(電子レシート送信部57)は、携帯端末8に対し、例えば「領収書発行済」の文字情報のような、領収書発行済みであることを示す情報を電子レシート情報に付加して送信する(ステップS24)。
【0092】
また、ステップS23において、ステータスが記憶されていないと判断した場合(ステップS23のNo)、CPU51(電子レシート送信部57)は、携帯端末8に対し、領収書発行済みであることを示す情報を付さない電子レシート情報を送信する(ステップS25)。
【0093】
また、ステップS21において、電子レシート情報および付加情報を受信していないと判断した場合(ステップS21のNo)、CPU51は、携帯端末8から電子レシート情報の照会があったか否かを判断する(ステップS26)。携帯端末8から電子レシート情報の照会があったと判断した場合(ステップS26のYes)、CPU51は、電子レシート管理領域53aに管理されている付加情報および電子レシート情報を、電子レシート情報の照会の内容に従って抽出する(ステップS27)。そして、CPU51は、上述のステップS23〜25を実行する。
【0094】
また、CPU51が、ステップS26で、携帯端末8から電子レシート情報の照会がなかったと判断した場合(ステップS26のNo)、CPU51は、POS端末2から、後述するステップS907の処理による領収書を発行したことを示すステータスを受信したか否かを判断する(ステップS91)。領収書を発行したことを示すステータスを受信したと判断した場合は(ステップS91のYes)、CPU51は、当該電子レシート情報に当該ステータスを関連付けて電子レシート管理領域53aに記憶する(ステップS92)。
【0095】
また、ステップS91において、領収書を発行したことを示すステータスを受信していないと判断した場合は(ステップS91のNo)、CPU51は、領収書発行処理を実行する(ステップS93)。ステップS93の領収書発行処理については、
図12で詳細に説明する。
【0096】
次に、CPU21が実行するステップS9の処理と、CPU51が実行するステップS93の処理について、
図12を用いて説明する。
図12は、携帯端末8の表示部17に表示されたバーコード61を読み取って領収書発行の処理を実行する場合の、領収書の発行に係るPOS端末2および電子レシート管理サーバ9の領収書発行における制御処理を対比させたフローチャートである。
【0097】
POS端末2のCPU21は、コードリーダ等でバーコード61を読取り、バーコード情報が入力されたか否かを判断する(ステップS901)。入力されるまで待機し(ステップS901のNo)、入力されたと判断した場合(ステップS901のYes)、CPU21は、入力されたバーコード情報から当該電子レシートを生成した取引の取引ナンバーを取得する(ステップS902)。そしてCPU21は、取得した取引ナンバーに基づいて、当該取引の領収書の発行の可否を電子レシート管理サーバ9に問合せる(ステップS903)。
【0098】
電子レシート管理サーバ9のCPU51は、領収書の発行の可否の問合わせがあったか否かを判断していて(ステップS931)、ステップS903の問合せを受信した場合、CPU51は、領収書の発行の可否の問合わせがあったと判断する(ステップS931のYes)。するとCPU51は、問合せに含まれている取引ナンバーで電子レシート管理領域53aを検索し、当該取引に対する領収書発行のステータスが記憶されているか否かで領収書が発行されているか否かを調査する(ステップS932)。すでに領収書が発行されている場合、電子レシート管理領域53aには、該当取引に対応して領収書が発行されたことを示すステータスが記憶されている。CPU51は、このステータスの有無を調査する。そしてCPU51は、調査結果をPOS端末2に送信する(ステップS933)。一方、領収書の発行の可否の問い合わせがないと判断した場合は(ステップS931のNo)、そのまま処理を終了する。
【0099】
POS端末2のCPU21は、電子レシート管理サーバ9から問合わせに対する回答を受信したか否かを判断する(ステップS904)。回答を受信するまで待機し(ステップS904のNo)、回答を受信したと判断すると(ステップS904のYes)、CPU21は、電子レシート管理サーバ9からの回答内容に基づいて領収書の発行が可能か否かを判断する(ステップS905)。
【0100】
CPU21が領収書が発行不可であると判断した場合は(ステップS905のNo)、CPU21は、領収書を発行不可である理由、例えば、「すでに領収書は発行済です」等のコメントを、オペレータ用表示部28に表示する。
【0101】
これに対してCPU21が、領収書が発行可能であると判断した場合(ステップS905のYes)、CPU21は、入力された取引ナンバーに基づいて領収書情報を取得し、プリンタインターフェース25に領収書の印字データを出力して領収書の発行を指示する(ステップS906)。そしてCPU21は、領収書を発行したことを示すステータスを生成して電子レシート管理サーバ9に送信する(ステップS907)。
【0102】
ステータスを受信した電子レシート管理サーバ9のCPU51は、ステップS91でYesと判断して、ステップS92を実行する。
【0103】
次に、携帯端末8のCPU11が、電子レシート対応プログラムP11に従って動作することにより実行される電子レシート受け取り処理および電子レシート閲覧プログラムP12に従って動作することにより実行される電子レシート閲覧処理の流れを、
図13に示す機能ブロック図および
図14に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0104】
図13に示すように、携帯端末8で実行される電子レシート対応プログラムP11および電子レシート閲覧プログラムP12は、会員対応付け手段として機能する会員対応付け部81、電子レシート受信手段として機能する電子レシート受信部82、電子レシート表示手段として機能する電子レシート表示部83を含むモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしてはCPU11が記憶部13から電子レシート対応プログラムP11および電子レシート閲覧プログラムP12を読み出して実行することにより上記各部がメモリ12上にロードされ、会員対応付け部81、電子レシート受信部82、電子レシート表示部83がメモリ12上に生成されるようになっている。
【0105】
会員対応付け部81は、所定の消費者の会員コードを対応付ける。
【0106】
電子レシート受信部82は、会員コードに対応付けられていて少なくとも1以上の企業コードを含む電子レシート情報を、当該電子レシート情報を一括管理する電子レシート管理サーバ9から受信する。領収書を発行した場合は、領収書発行済であることを示す情報を受信する。
【0107】
電子レシート表示部83は、電子レシート受信部82により受信した電子レシート情報を、企業コード単位で整列させて表示部17に表示する。領収書発行済である情報を受信した場合は、電子レシート情報に付加して、領収書発行済であることを示す情報を表示部17に表示する。
【0108】
図14に示すように、まず、携帯端末8のCPU11(会員対応付け部81)は、電子レシート管理サーバ9にアクセスして会員コードおよびパスワードの入力によって認証処理を実行する(ステップS31)。これにより、携帯端末8と所定の消費者の会員コードとが対応付けられる。
【0109】
認証後、携帯端末8のCPU11(電子レシート受信部82)は、入力された当該会員コードに対応して電子レシート管理領域53aに管理されている付加情報および電子レシート情報を受信する(ステップS32)。領収書発行済である場合は、領収書発行済である情報を受信する。なお、付加情報および電子レシート情報および領収書発行済である情報の受信については、電子メールによって受信するものであっても良い。
【0110】
次に、携帯端末8のCPU11(電子レシート表示部83)は、電子レシート情報に含まれる購入日を表示部17に一覧表示する(ステップS33)。このように購入日を表示部17に一覧表示することにより、携帯端末8は、消費者であるユーザに対して情報の選択を促す。
【0111】
図15は、携帯端末8の表示部17における表示例Xを示す正面図である。
図15に示すように、表示例Xは、電子レシート管理サーバ9にアクセスした携帯端末8を所有するユーザが各種企業の店舗で買物をした日について色を変えてカレンダー形式で一覧表示したものである。また、携帯端末8のCPU11(電子レシート表示部83)は、色を変えて一覧表示された日の中から入力部18の入力に追従するカーソルで所望の日を選択できるように表示を行う。
【0112】
なお、
図15に示すように、表示例Xには、検索キーとなる言語やキーワードを指定するための検索窓Aが設けられている。携帯端末8のCPU11は、検索窓Aにおいて指定された言語やキーワードを含む電子レシート情報に絞り込むようにしても良い。
【0113】
また、表示例Xは、
図15に示すように、カーソルで所望の日を選択した後に確定するための「レシート照会」ボタンB1を有している。携帯端末8のCPU11は、ユーザが所望の日をタップしただけで選択したと判断するようにしても良いし、ユーザが所望の日をタップした後に「レシート照会」ボタンB1を操作した場合に選択したと判断するようにしても良い。
【0114】
さらに、表示例Xは、
図15に示すように、応募型キャンペーンページに遷移するための「キャンペーン」ボタンB2を有している。
【0115】
なお、
図16は表示例Xの変形例である。
図16に示す表示例Xにおいては、電子レシート管理サーバ9にアクセスした携帯端末8を所有するユーザが各種企業の店舗で買物をした日に対して、当該企業の店舗のマークM等を付すことにより、買い物をした店舗を直感的に把握することができる。すなわち、
図16に示す表示例Xによれば、どの企業の店舗で買い物を頻繁に行っているかという情報を容易に知ることができる。なお、店舗のマークMを表示するために、電子レシート情報に含まれる企業コードに対してマークを予め対応付けておくテーブルを用意する。
【0116】
携帯端末8のCPU11(電子レシート表示部83)は、ユーザが所望の日をタップして選択したと判断すると(ステップS34のYes)、その選択された日に対応した電子レシート情報を表示部17に表示する(ステップS35)。
【0117】
図17は、携帯端末における表示例Yを示す正面図である。
図17に示すように、表示例Yは、電子レシート管理サーバ9にアクセスした携帯端末8を所有するユーザが買物をした各種企業の店舗を日別に一覧表示したものである。より詳細には、表示例Yは、電子レシート情報を受信した順に時系列に表示したものであって、企業マーク、取引時間、企業名、店舗名が表示される。また、携帯端末8のCPU11(電子レシート表示部83)は、一覧表示された日別の店舗情報の中から入力部18の入力に追従するカーソルで所望の日別の店舗を選択できるように表示を行う。
【0118】
なお、
図18は表示例Yの変形例である。
図18の表示例Yには、一定時間間隔で時刻が表示されている「時刻バー」が配置されている。
図18に示す例では、1時間間隔である。このように一定の時間間隔で電子レシート情報が表示されるため、電子レシート情報が表示されない空白の時間の状況を把握し、電子レシート情報が無い、つまり店舗で買物をしていない時間をイメージしやすくなっている。
【0119】
また、
図19も表示例Yの変形例である。
図19の表示例Yは、表示例Yの企業マークをタッチすることによって、特定の企業の店舗での利用履歴のみを時系列でソートして一覧表示したものである。このように利用頻度の高い企業の店舗のみを一覧表示することで、利用状況を把握することが容易になる。
【0120】
携帯端末8のCPU11(電子レシート表示部83)は、ユーザが所望の日別の店舗を選択したと判断すると(ステップS36のYes)、その選択された日別の店舗に対応した電子レシート情報を表示部17に表示する(ステップS37)。
【0121】
図20は、携帯端末8の表示部17における表示例Zを示す正面図である。
図20に示すように、表示例Zは、電子レシート管理サーバ9にアクセスした携帯端末8を所有するユーザが買物をした所望の日における所望の店舗の電子レシート情報を表示したものである。表示例Zは、電子レシート情報を解析して紙のレシートと同様のレイアウトであるとともに、その中で入力部18の入力に追従するカーソルで商品a、または、商品に対応付けられる各種の付加情報を表すアイコンb(
図20では「応募」というボタン形状のアイコン)に対して、フォーカスを当てることができる。
【0122】
また、すでに領収書を発行していることを示す情報を受信している場合は、
図21に示すように表示される。電子レシート情報に付加して「領収書発行済」の文字情報80を表示する。「領収書発行済」の文字情報80は、当該電子レシート情報に係る取引において、POS端末2から領収書が発行済であることが明確に分かるように強調して表示される。例えば、通常文字より大きなフォントで表示される。例えば、赤字のような目立つ色で表示される。例えば、太字で表示される。
【0123】
なお、画面表示イメージは、必ずしもレシートイメージにする必要はない。しかしながら、電子レシート情報は、紙のレシート情報に代わるものであり、商品を購入したことを証明する電子的な商品購入証明情報である。表示例Zにおいては、返品がある場合には店舗に商品購入証明情報として提示する場合に使用するため、以下の情報が表示される。
・店舗名
・購入日時
・購入商品明細
・売上合計額
・お預り金額
・お釣り金額
・レジナンバー
・取引ナンバー
・「領収書発行済」の情報(領収書が発行された場合)
・レジナンバー、取引ナンバー、取引日時をコード化したバーコード61
【0124】
上述のように、携帯端末8の表示部17には、当該電子レシートの取引を示すレジナンバーや取引ナンバーとともに、レジナンバーと取引ナンバーと取引日時をコード化したバーコード61が表示される。表示されたバーコード61は、コードリーダ等によって光学的に読み取られる。
【0125】
次に、返品処理の概略について説明する。上述のように、消費者は自身の会員コードをキーとして過去の電子レシート情報を参照することができる。
【0126】
本実施形態における返品処理は、紙レシートによる返品処理の場合と同様、返品する際に、携帯端末8の表示部17に電子レシート情報を表示させて確認するか、あらかじめ印字したレシート情報を確認して返品を行う。
【0127】
1.消費者は、返品する商品と一緒に対象の電子レシート情報を携帯端末8の表示部17に表示させ、店舗に提示する。
2.店員は、提示された電子レシート情報から売上日時、レジナンバー、取引ナンバーをもとにジャーナル検索を行い、取引内容を確認する。
3.店員は、POS端末2を操作して返品処理を行う。
4.POS端末2のCPU21は、返品処理実行後、元の電子レシート情報を無効にする必要があるため、電子レシートサーバ6の電子レシート管理領域43aで管理されている電子レシート情報を更新する。
5.POS端末2のCPU21は、返品時の電子レシート情報を発行する。
6.合わせて、電子レシートサーバ6は、顧客用レシート管理サーバとして機能する電子レシート管理サーバ9の電子レシート管理領域53aで管理されている電子レシート情報を更新し、元の電子レシート情報を無効にする。その後、電子レシートサーバ6は、電子レシート管理サーバ9の電子レシート管理領域53aを返品時の電子レシート情報で更新して、保存する。
【0128】
ここでユーザが適当な商品、または、商品に対応付けられるアイコンを選択すると(ステップS38のYes)、携帯端末8のCPU11(電子レシート表示部83)は、ネットワークインターフェース14を介してネットワーク5に接続し、選択された商品またはアイコンに関連付けられたアクセス情報を元に基づく各種の情報をネットワーク5上から取得して表示部17に表示する(ステップS39)。
【0129】
例えば、商品aに対するアクセス情報として商品に関連付けられたホームページが商品情報リンクとして設定されている場合には、所望の商品が選択された場合、当該商品に関連付けられたホームページが表示部17に表示される。
【0130】
また、「応募」というボタン形状のアイコンbに対してアクセス情報として応募キャンペーンに関連付けられたホームページが設定されている場合には、「応募」ボタンが選択された場合、当該「応募」ボタンに関連付けられた応募キャンペーンページが表示部17に表示される。
【0131】
また、アイコンの一種であるバナーcに対してアクセス情報としてCMに関連付けられたホームページが設定されている場合には、バナーcが選択された場合、当該バナーcに関連付けられたCMが表示部17に表示される。
【0132】
携帯端末8のCPU11は、入力部18から電子レシート閲覧処理の終了が宣言されると(ステップS40のYes)、処理を終了する。
【0133】
携帯端末8のCPU11は、入力部18から電子レシート閲覧処理の終了が宣言されない場合には(ステップS40のNo)、ステップS38に戻り、商品、または、商品に対応付けられるアイコンの選択に待機する。
【0134】
また、上述した
図11のステップS23で説明したように、携帯端末8から電子レシート管理サーバ9にアクセスするのではなく、電子レシート管理サーバ9から携帯端末8が電子レシート情報および付加情報を受信した場合についても
図22のフローチャートを参照して説明する。
【0135】
携帯端末8のCPU11(電子レシート受信部82)は、電子レシート管理サーバ9から電子レシート情報および付加情報を受信する(ステップS61)。
【0136】
その後、電子レシート閲覧プログラムP12が起動されると(ステップS62のYes)、携帯端末8のCPU11(電子レシート表示部83)は、受信した電子レシート情報および付加情報を、企業コードに関連付けて表示する(ステップS63)。領収書発行を示すステータスを電子レシート情報に関連付けて記憶している場合は、電子レシート情報および付加情報に、すでに領収書を発行していることを示す「領収書発行済」の文字情報80を付加して表示する(ステップS63)。
【0137】
図23は、携帯端末8の表示部17における表示遷移例を示す正面図である。
図23に示す表示例Oは、電子レシート管理サーバ9から受信した順に企業コード単位で電子レシート情報を整列して表示したものである。
図23に示す表示例Oにおいては、入力部18(表示部17に積層されたタッチパネル)に対するフリック操作(指の左右のスライド)及びタッチによって、一の電子レシート情報を選択することが可能である。また、クーポン情報が付加された電子レシートには、
図23に示す表示例Oに示すように、「クーポンあるよ」というメッセージが付加情報として表示される。
【0138】
一の電子レシート情報を選択した場合、
図23に示す表示例Pに示すように、携帯端末8の表示部17には、選択された電子レシート情報が表示される。表示例Pは、電子レシート情報を解析して紙のレシートと同様のレイアウトであるとともに、その中で入力部18(表示部17に積層されたタッチパネル)に対するスクロールが可能である。また、商品に対応付けられる各種の付加情報を表すアイコンb(
図23では「クーポン情報」というボタン形状のアイコン)に対する入力部18(表示部17に積層されたタッチパネル)を介した操作が可能である。
【0139】
次に、携帯端末8のCPU11が、統計情報生成プログラムP13に従って動作することにより実行される統計情報生成処理の流れを
図24に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0140】
携帯端末8のCPU11は、電子レシート管理サーバ9にアクセスして会員コードおよびパスワードの入力によって認証処理を実行する(ステップS51)。
【0141】
認証後、携帯端末8のCPU11は、統計情報を生成するための期間や統計情報の種別等の統計情報の生成に必要な情報の入力があったと判断すると(ステップS52のYes)、入力された当該会員コードおよび統計情報の生成に必要な情報に対応して電子レシート管理領域53aに管理されている電子レシート情報を受信する(ステップS53)。
【0142】
次いで、携帯端末8のCPU11は、取得した電子レシート情報から統計情報の生成に必要な情報(例えば、企業コードや業種・業態コード)に基づいて統計した統計情報を生成し(ステップS54)、生成した統計情報を表示部17に表示する(ステップS55)。
【0143】
図25は、携帯端末8の表示部17における表示例C1を示す正面図である。
図25に示すように、表示例C1は、所定期間における電子レシート情報に含まれる商品販売データ中の売上合計額について、業種・業態別に統計した結果を円グラフで表示したものである。表示例C1によれば、業種・業態別の消費額や、どの業種・業態の店舗で買い物を頻繁に行っているかという情報を容易に知ることができる。
【0144】
なお、
図25に示す円グラフは、電子レシート情報に含まれる業種・業態コード別に統計したものであるが、業種・業態コードを会員が任意に設定できるようにし、任意に企業を分類する分類コードとしてとして使用しても良い。
【0145】
図26は、携帯端末8の表示部17における別の表示例C2を示す正面図である。
図26に示すように、表示例C2は、月別の電子レシート情報に含まれる商品販売データ中の売上合計額について、カテゴリ別に統計した結果を棒グラフで表示したものである。表示例C2によれば、カテゴリ別の消費額や割合を容易に知ることができる。
【0146】
次に、携帯端末8のCPU11が、レシート情報委譲プログラムP14に従って動作することにより実行されるレシート情報委譲の流れを
図27に示す画面遷移図を参照しつつ説明する。
【0147】
従来、消費者は、食品スーパー等で家族・友人の代行で商品を購入した際には、チェックアウト時にその証明として複数枚のレシートを印字発行するようにキャッシャに依頼して代行相手に渡すか、または1枚だけ発行したレシートの内容を代行相手に提示することで、代行相手から代金を受け取るようにしている。
【0148】
この点、本実施形態においては、電子レシートシステムに会員登録している家族や友人に対しては、代行購入品についての購入データである電子レシート情報を分割して委譲することができるようにし、正確な買物証明を行うことができるようにしている。
【0149】
図27は、レシート情報委譲の流れを示す画面遷移図である。
図27(a)に示す表示例Zは、
図20で説明したように、電子レシート管理サーバ9にアクセスした携帯端末8を所有するユーザが買物をした所望の日における所望の店舗の電子レシート情報を表示したものである。また、
図27(a)に示す表示例Zには、電子レシート情報を分割して委譲することを宣言する「レシート分割」ボタンdが表示されている。
【0150】
図27(a)に示すように「レシート分割」ボタンdが操作されると、携帯端末8のCPU11は、電子レシートシステムに会員登録している家族や友人の中から電子レシート情報を委譲する相手を選択させるための表示例D(
図27(b)参照)を表示する。
【0151】
図27(b)に示すように、電子レシートシステムに会員登録している家族や友人の中から何れか一の家族や友人が選択操作されると、携帯端末8のCPU11は、電子レシート情報の表示例Zに戻し(
図27(c))、委譲対象となる購入商品を選択させる。また、
図27(c)に示す表示例Zには、電子レシート情報の分割配信を確定したことを宣言する「友人へ配信」ボタンeが表示されている。
【0152】
図27(c)に示すように、電子レシート情報から委譲対象となる購入商品が選択され、「友人へ配信」ボタンeが操作されると、表示例Dで選択した委譲相手に対して分割された電子レシート情報が配信される。
【0153】
図28は、委譲先の携帯端末8の表示部17における表示例を示す正面図である。
図28に示す表示例Fには、委譲された電子レシート情報が表示される。また、
図28に示す表示例Fには、電子レシート情報を受け取ったことを宣言する「レシート受取」ボタンfが表示されている。
【0154】
図28に示す「レシート受取」ボタンfが操作されると、委譲元の相手に対して電子レシート情報を受け取ったことを示す情報が送信される。
【0155】
そして、
図27(d)に示すように、委譲先の携帯端末8から電子レシート情報を受け取ったことを示す情報を受信すると、携帯端末8のCPU11は、表示例Zにおいて委譲した購入商品に対して委譲した旨(例えば、「Xさんへレシートを送付致しました」)gを追加する。
【0156】
なお、このようなシステムを応用することにより、飲食店やアミューズメントパーク等で電子レシートを用いた割前勘定が可能になる。また、割前勘定時は、均等金額による分割や特定の重みを乗じた分割や端数金額分を切り上げた分割も可能になる。
【0157】
なお、電子レシートの会員間で電子レシート情報を共有することも可能である。複数の会員コードを関連付けることで、例えば、家族やグループ、企業の部署等で、各個人が購入した商品の販売データを共有することが可能になる。
【0158】
このように、本実施形態の電子レシートシステムによれば、領収書を発行したことを示すステータスを発生させてこれを管理し、このステータスに基づいて、携帯端末8に領収書発行済であることを示す情報を表示させる。そのため、領収書と電子レシートとによる2重の経理処理を防止することができる。
【0159】
また、本実施形態の商品販売データ処理装置によれば、領収書を発行したことを示すステータスを電子レシート情報に関連付けて電子レシート管理サーバ9に送信するため、携帯端末8において領収書の発行を示す表示をすることが可能となる。したがって、領収書と電子レシートとによる2重の経理処理を防止することができる。
【0160】
また、本実施形態の商品販売データ処理装置によれば、例えば携帯端末8に表示されたバーコードを読み取って取引ナンバーを入力することで、後日消費者からの領収書の発行の要求があった場合に、その時点で領収書の発行が可能かの判断をする。そして可能の場合、領収書を発行することができる。また、すでに領収書を発行している場合は、再度領収書を発行しない。このようにすることで、店員は、消費者の要求に対して、適切に対応することができる。
【0161】
また、本実施形態の電子レシート管理サーバによれば、領収書を発行したことを示すステータスを管理し、携帯端末8に領収書発行済であることを示す情報を送信する。したがって、携帯端末8に領収書発行済であることを示す情報を表示させることが可能となる。そのため、領収書と電子レシートとによる2重の経理処理を防止することができる。
【0162】
また、本実施形態の電子レシート管理サーバ9によれば、領収書発行の可否の問合せに対して管理しているステータスに基づいた可否情報を送信することができる。そのため、POS端末2において領収書発行が可能となるため、店員は、消費者の領収書発行の要求に対して、適切に対応することができる。
【0163】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。