(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記トランジスタドライバは更に、前記決定された総出力電流及び分配に基づき、前記第1のインダクタを通る前記総出力電流の第1の部分と、前記第2のインダクタを通る前記総出力電流の第2の部分とを生成するように、前記第1の対のスイッチトランジスタ及び前記第2の対のスイッチトランジスタを制御するよう構成される、
請求項5に記載のオンパッケージの電圧レギュレーションシステム。
前記パッケージの半導体ダイの中央演算処理装置(CPU)を更に有し、前記半導体ダイは前記第1半導体ダイから分離しており、前記CPUは前記DRMOS制御ユニットによって給電される、
請求項1に記載のオンパッケージの電圧レギュレーションシステム。
【発明を実施するための形態】
【0004】
ここで開示される実施形態及び配置は、設計を簡単にし、効率を高め、接続(例えば、半田バンプ又は接合)を減らし、サイズを低減し、及び/又は電力段を制御する費用を削減するために、高周波オンパッケージ電圧レギュレータ内でロジックを分配する。
【0005】
プラットフォーム電圧レギュレータのサイズ及び費用を最小限とする又は低減する1つの方法は、システムオンチップ(system-on-a-chip)(SOC)ダイ又はパッケージのいずれかで高周波電圧レギュレータ(high-frequency voltage regulator)(HFVR)を使用することである。一例として、制限なしで、スイッチング周波数は数十MHzの範囲をとってよい。しかしながら、当業者ならば、より高い又はより低いスイッチング周波数が使用されてよいと認識するであろう。オンダイ又はオンパッケージのHFVRを使用することは、よりずっと少ないプラットフォーム電圧レギュレータ及びよりずっと小さいプラットフォーム電源供給システムをもたらす。しかしながら、オンダイ集積の解決策に伴う問題は、オンダイの電圧レギュレータの比較的低いスケーラビリティである。更に、オンパッケージの電圧レギュレータは、複数の並列な位相の間での電流共有を制御するのに使用されるバンプ面積の増大により、更に多くのシリコンダイを必要とすることがあり、これにより費用がかかる。
【0006】
例えば、
図1Aは、バックコンバータ112へ電気的に結合されるコントローラ110を含む従来の電圧レギュレータ100のブロック図である。バックコンバータ112は、第1のスイッチトランジスタ114、第2のスイッチトランジスタ116、インダクタ118、及びキャパシタ120を含む。第1のスイッチトランジスタ114及び第2のスイッチトランジスタ116の夫々は、電界効果トランジスタ(field effect transistor)(FET)であってよい。第1のスイッチトランジスタ114及び第2のスイッチトランジスタ116は、直流(direct current)(DC)入力電圧Vinと接地との間に直列に結合されている。第1のスイッチトランジスタ114と第2のスイッチトランジスタ116との間の中間ノード122は、インダクタ118の第1の端部へ結合されている。インダクタ118の第2の端部は、出力電圧Voutをプラットフォーム負荷(又は電子機器)へ供給する出力ノード124と見なされる。キャパシタ120は、出力ノード124と接地との間に結合されている。インダクタ118及びキャパシタ120は、電圧レギュレータ100の出力フィルタを形成する。
【0007】
バックコンバータ112は、電流フィードバック信号Isense及び電圧フィードバック信号Vsenseをコントローラ110へ供給する。電流フィードバック信号Isenseは、インダクタ118を通る出力電流Ioutを示す。電圧フィードバック信号Vsenseは、出力電圧Voutを示す。コントローラ110は、電流及び電圧フィードバック信号Isense及びVsenseを使用して、入力電圧Vin又は負荷条件の変化に関わらず所望の許容範囲内で一定のままである選択された大きさの固定された又は可変な出力電圧Voutを生成するようにバックコンバータ112を制御する。また、負荷の増大による出力電圧の垂下を伴う“負荷直線”を実装することが可能である。コントローラ110はまた、電圧レギュレータ100を過電流条件から保護するのを助けるために、電流フィードバック信号Isenseを使用してよい。
【0008】
図1Bは、
図1Aに示される電圧レギュレータ100によって使用されるコントローラ110の例のブロック図である。コントローラ110は、パルス幅変調(pulse width modulation)(PWM)制御デバイス126、トランジスタドライバ回路128、電圧検知デバイス130、及び電流検知デバイス132を含む。電圧検知デバイス130は、出力電圧Voutを示す電圧フィードバック信号Vsenseを受信する。電流検知デバイス132は、インダクタ118を通る出力電流Ioutを示す電流フィードバック信号Isenseを受信する。電圧検知デバイス130及び電流検知デバイス132は、出力信号をPWM制御デバイス126へ供給する。デバイス126、130及び132は、補償及びフィルタリングネットワークを更に含んでよい。
【0009】
フィードバック信号Isense及びVsenseに基づき、PWM制御デバイス126は、トランジスタドライバ回路128へ供給されるパルス幅変調信号を生成する。トランジスタドライバ回路128は、駆動信号134,136をバックコンバータ112の第1のスイッチトランジスタ114及び第2のスイッチトランジスタ116へ供給する(
図1A及び1Bに示される。)。より具体的に、トランジスタドライバ回路128は、PWM信号を第1のスイッチトランジスタ114及び第2のスイッチトランジスタ116へ供給する。PWM信号(又は駆動信号134,136)の幅は、入力電圧Vinを出力ノード124での出力電圧Voutの選択された大きさに変換するよう第1及び第2のスイッチトランジスタ114,116のタイミングを制御する。
【0010】
1よりも多い位相が使用される場合に、コントローラ110は、並列接続されている複数のバックコンバータ112(位相ごとに1つ)へ結合されてよい。このように、コントローラ110は、位相の数と同数の対の駆動信号134,136並びに電流モニタリング及び位相平衡入力を含む。
【0011】
図2Aは、集積ドライバ金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(driver metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)(DRMOS)212へ電気的に結合されるコントローラ210を含む他の電圧レギュレータ200のブロック図である。DRMOS212は、集積ドライバ214(又はFETドライバ214)からの駆動信号によって駆動されるスイッチトランジスタ114,116を含む。
図2Aに示される電圧レギュレータ200は、コントローラ210が、インダクタ118を通る出力電流Iout及び出力電圧Voutを夫々示すフィードバック信号Isense及びVsenseに基づき、いつ個々のトランジスタ114,116を切り替えるべきかを制御するよう、スイッチング周波数を設定し、PWM信号216を生成する点で、
図1Aに示された電圧レギュレータ100と同様である。しかしながら、
図2Aにおけるコントローラ210は、
図1Bに示されたトランジスタドライバ回路128を含まない。むしろ、
図2Aにおけるコントローラ210は、DRMOS212の集積ドライバ214へ直接にPWM信号216を供給する。
図2Aに示されている例では、コントローラ210はまた、不連続導通モード(discontinuous conduction mode)(DCM)においてスイッチトランジスタ114,116を駆動するようDCM信号218をDRMOS212へ供給してよい。
【0012】
図2Bは、並列接続されている複数のDRMOSユニット212(a)、212(b)、212(c)、212(d)及び対応するインダクタ118(a)、118(b)、118(c)、118(d)へ電気的に結合されているコントローラ210を含む多相電圧レギュレータ230のブロック図である。この例では、4つの相が使用されているが、当業者であれば、より多い又はより少ない位相がまた使用されてよいと認識するであろう。電流共有及び位相平衡を提供するよう、コントローラ210は、夫々のインダクタ118(a)、118(b)、118(c)、118(d)を通る出力電流ごとの電流フィードバック信号Isense1、Isense2、Isense3、Isense4を受信し、別個のPWM信号216(a)〜(d)を各DRMOSユニット212(a)、212(b)、212(c)、212(d)へ供給する。このように、接続又はバンプの数は、コントローラ210によって制御される位相ごとに増える。
【0013】
本願の発明者は、
図1A、1B、2A及び2Bに示されている電圧レギュレータの解決策が、特定のオンパッケージ電圧レギュレータ(on-package voltage regulator)(OPVR)用途にとってあまりに高価及び/又は非効率であることがあると気付いた。例えば、OPVRのインダクタンスは、マザーボード上で通常使用されるものよりも二桁近く著しく小さいことがあり、このことは直流抵抗(direct current resistance)(DCR)検知を極めて困難なものとする。正確な電流情報によらないと、位相間の電流共有は困難であり、あるいは、ほぼ不可能である。このことは、高い電流を消費し且つ同時に複数の位相を必要とする今日のSOCにとって問題となり得る。更に、
図2Bに示されているDRMOSユニット212(a)、212(b)、212(c)、212(d)はインダクタ電流を測定してよいが、この情報をコントローラ210へ送信するために特別な高周波チャネルが必要となり得る。加えて、上述されたように、コントローラ210が全ての位相を駆動している場合は、使用される接続又はバンプが増大する。このことは、あらゆるバンプがお金及び効率損失の点から高価であるために、費用を増大させるとともにOPVR効率を低下させる。また、最大位相カウントをサポートするコントローラを使用することは、特定の設計にとって有用である。このことは、複数のコントローラ、又はより大きく且つより高価なコントローラのいずれかを意味する。
【0014】
このように、ここで開示される特定の実施形態は、PWM信号又は電流共有のためのコントローラ(例えば、
図2A及び2Bに示されているコントローラ210)に依存するのではなく、集積DRMOSコントローラがPWM信号及び電流共有を提供するように、高周波オンパッケージ電圧レギュレータ内でロジックを分配する。かかる実施形態は、高周波オンパッケージ電圧レギュレータのための、より安価で、より簡単で、且つより効率的な解決策を提供する。
【0015】
図3Aは、一実施形態に従う電圧レギュレータ300のブロック図である。電圧レギュレータ300は、例えば、高周波オンパッケージ電圧レギュレータとして使用されてよい。言い換えると、電圧レギュレータ300は、プラットフォームの中央演算処理装置(central processing unit)(CPU)又はSOCとともにパッケージ上に含まれてよい。電圧レギュレータ300は、DRMOS制御ユニット312へ電気的に結合されるプラットフォームコントローラハブ(platform controller hub)(PCH)310を含む。DRMOS制御ユニット312は、第1の対のスイッチトランジスタ114(a),116(a)及び第2の対のスイッチトランジスタ114(b),116(b)と集積されているDRMOSコントローラ314を含む。以下で論じられるように、
図3Aに示されているDRMOS制御ユニット312は、幾つかの点で
図2Aに示されているDRMOS212と相違する。例えば、
図2Aに示された集積FETドライバ214を含むことに加えて、
図3Aに示されているDRMOSコントローラ314は、PCH310によって命令される電流の全ての位相の出力電流を制御する制御ロジックを更に含む。
【0016】
この例となる実施形態において、DRMOS制御ユニット312は、電流の2つの相Iout(a)及びIout(b)を供給するよう構成される。然るに、電圧レギュレータ300は、第1の対のスイッチトランジスタ114(a),116(a)へ結合されている第1のインダクタ118(a)と、第2の対のスイッチトランジスタ114(b),116(b)へ結合されている第2のインダクタ118(b)とを含む。しかしながら、当業者ならば、他の実施形態は、単一の電流を供給するための単一のトランジスタ対及び単一のインダクタ、又は多くの位相を供給するための2よりも多いトランジスタ対及び2よりも多いインダクタを含んでよいと認識するであろう。
【0017】
第1の対のスイッチトランジスタ114(a),116(a)及び第2の対のスイッチトランジスタ114(b),116(b)の夫々は、FETであってよい。第1の対のスイッチトランジスタ114(a),116(a)は、DC入力電圧Vinと接地との間に直列に結合されている。同様に、第2の対のスイッチトランジスタ114(b),116(b)は、DC入力電圧Vinと接地との間に直列に結合されている。第1の対のスイッチトランジスタ114(a),116(a)の間の第1の中間ノード122(a)は、第1のインダクタ118(a)の第1の端部へ結合され、第2の対のスイッチトランジスタ114(b),116(b)の間の第2の中間ノード122(b)は、第2のインダクタ118(b)の第1の端部へ結合されている。第1のインダクタ118(a)の第2の端部及び第2のインダクタ118(b)の第2の端部は、出力電圧Voutをプラットフォーム負荷(又は電子機器)へ供給する出力ノード124(例えば、出力レール)へ電気的に結合されている。キャパシタ120は、出力ノード124と接地との間に結合されている。インダクタ118(a),118(b)及びキャパシタ120は、電圧レギュレータ300の出力フィルタを形成する。
【0018】
特定の実施形態において、例えば
図1A、1B、2A及び2Bに示されたコントローラ110,210等の別個の電力コントローラを使用することよりむしろ、プラットフォームのPCH310は、OPVR電源供給のためのメインコントローラとして使用される。一般に、特定のプラットフォームのために構成されるPCHは、CPUとともに使用される特定のデータ経路及びサポート機能を含む。PCHは、例えば、システムクロック、CPUとの直接メディアインターフェース、及び/又はフレキシブル表示インターフェース(例えば、集積グラフィクスによりプロセッサをサポートする場合)を提供してよい。特定の実施形態において、PCH310は、CPUと同じパッケージ上にある。他の実施形態では、PCH310は、SOCの部分としてCPUと同じダイ上に集積される。
図3Aに示されている実施形態においては、しかしながら、PCH310及びDRMOS制御ユニット312は、互いと同じパッケージ上にあるが、同じダイ上にはない。そのような実施形態において、PCH310及びDRMOS制御ユニット312は、異なるエンティティ又はソース(例えば、製造者)によって提供されてよい。
【0019】
図3Aに示されているように、PCH310は、OPVR電源供給のためのメインコントローラとして使用される。PCH310は、そのデジタル及びアナログ回路を使用して、出力ノード124での出力電圧Voutを示す電圧フィードバック信号Vsenseに基づき電流コマンド316を生成する。例えば、
図3Bは、一実施形態に従う
図3Aで示されたPCH310のブロック図である。
図3Bに示されている例において、PCHは、電圧コンパレータモジュール318、増幅器モジュール320、及びデジタル補償モジュール322を含む。
【0020】
電圧コンパレータモジュール318は、電圧フィードバック信号Vsenseをリファレンス電圧Vrefと比較し、電圧差を増幅器モジュール320へ出力する。増幅器モジュール320は、電圧コンパレータモジュール318からの電圧差(又は電圧誤差)を増幅し、増幅された信号をデジタル補償モジュール322へ供給する。デジタル補償モジュール322は、電圧誤差に基づき電流コマンド316を生成する。PCH310は、電流コマンド316をDRMOS制御ユニット312のDRMOSコントローラ314へ送る。一実施形態において、電流コマンド316は、出力ノード124で供給すべき総電流(例えば、Iout(a)+Iout(b))をDRMOSコントローラ314に示す。しかしながら、PCH310は、如何にして電流が異なるインダクタ118(a),118(b)の間で共有及び/又は位相補償されるべきかに関与しない。よって、特定の実施形態において、個々のインダクタ118(a),118(b)を通る出力電流を示す電流フィードバック信号(例えば、
図2Bに示された電流フィードバック信号Isense1、Isense2、Isense3及びIsense4)は、PCH310へ供給されない。
【0021】
加えて、又は他の実施形態においては、PCH310は、適切な電圧レギュレータ出力電圧値、スリューレート、及びSOCの動作モードを選択的に制御するよう、例えば、シリアル電圧識別(serial voltage identification)(SVID又はI2C)バスを通じて、SOC(図示せず。)と通信する。例えば、スリープモードにおいて、PCH310は、DCM又は低電力信号218をDRMOSコントローラ314へ送信することができ、これは、DRMOS制御ユニット312がDCMモードに入ること及び/又は位相の幾つかをカットすることを可能にする。
【0022】
電流コマンド316に応答して、DRMOS制御ユニット312のDRMOSコントローラ314(特定の実施形態において、1よりも多い位相を有する。)は、PCH310によって命令された電流へと位相の総出力電流(例えば、Iout(a)+Iout(b))を制御するよう構成される。特定の実施形態において、DRMOS制御ユニット312は、高い精度を有する必要がなく、総出力電流は、PCHの命令された電流の実際の値から外れてよい。これは、PCH310が、適切な出力電圧Voutを維持するよう総電流の値を補正するためにフィードバックループを使用するためである。電流コマンド316は、出力電圧Voutのためのプロキシとしてのみ見なされてよい。他の実施形態においては、電流コマンド316は、単に、電圧フィードバック信号Vsenseとリファレンス電圧Vrefとの間の電圧誤差のインジケーションを提供し、DRMOSコントローラ314は、位相の総出力電流を決定する。
【0023】
特定の実施形態において、DRMOS制御ユニット312はまた、異なる位相電流Iout(a)及びIout(b)の間の電流共有及び位相平衡を提供し且つ維持するよう構成される。例えば、
図3Cは、一実施形態に従う
図3Aに示されたDRMOSコントローラ314に含まれる制御ロジックのブロック図である。この例において、DRMOSコントローラ314に含まれる制御ロジックは、電流調整モジュール324、電流共有モジュール326、及びPWM制御モジュール328を含む。当業者には、あらゆるモジュール324,326,328があらゆる実施形態において必要とされるわけではないと認識されるであろう。例えば、電流共有モジュール326は、単相を使用する実施形態においては使用されなくてよい。
【0024】
図3Cに示されている例において、電流調整モジュール324は、PCH310から電流コマンド316を受け取り、DRMOSコントローラ314の設定を調整して、出力ノード124で生成される総電流を変化させる。電流調整モジュール324は、調整された設定及び/又は変化した総電流のインジケーションを電流共有モジュール326へ与える。電流共有モジュール326は、如何にして電流を異なる位相の間で分配すべきかを決定する。例えば、特定の用途に依存して、出力電流Iout(a)の振幅は出力電流Iout(b)の振幅と同じであってよく、あるいは、出力電流Iout(a)の振幅は出力電流Iout(b)の振幅と異なってよい。他の例として、電流共有モジュール326はまた、出力電流Iout(a)の位相を、出力電流Iout(b)の位相と同じか又は異なるように制御してよい。また、Iout(a)及びIout(b)は、より良い軽負荷効率を達成するために、位相の1つのための“ベイビー・バック(baby-back)”コンバータをサポートするように、特定の割合で保たれてよい。
【0025】
特定の実施形態において、
図3Cに示されていないが、電流調整モジュール324及び/又は電流共有モジュール326は、各々のインダクタ118(a),118(b)を通る出力電流Iout(a)及びIout(b)を示す電流フィードバック信号(例えば、Isense信号)を受信してよい。電流フィードバック信号を電流調整モジュール324及び/又は電流共有モジュール326へ供給することは、例えば、第1のインダクタ118(a)を通る出力電流Iout(a)における誤差が、第2のインダクタ118(b)を通る出力電流Iout(b)における誤差と異なる場合に、有用であり得る。他の例においては、DRMOSコントローラ314は、FET電流を直接に測定し、電力段の間のより良い電流共有のために測定を使用してよい。しかしながら、出力電流Iout(a),Iout(b)における誤差がおおよそ同じである実施形態においては、電流フィードバック信号を電流調整モジュール324及び/又は電流共有モジュール326へ正確に供給する必要性は、低減又は削除されてよい。更に、DRMOS制御ユニット312は、電流調整モジュール324及び/又は電流共有モジュール326によって使用される出力電流Iout(a),Iout(b)を測定し、電圧フィードバック信号VsenseのみがPCH310へ送られるので、電流フィードバック信号(Isense)をPCH310又は他のオンパッケージ部品へ送信するために特別の高周波チャネルを使用することは不要である。
【0026】
電流共有モジュール326(又は、電流共有モジュール326が使用されない場合は電流調整モジュール324)の出力に基づき、PWM制御モジュール328は、DRMOSコントローラ314のトランジスタドライバ(図示せず。)へ供給されるパルス幅変調信号を生成する。
図1Bに示されたトランジスタドライバ回路128又は
図2Aに示された集積ドライバ214と同じように、
図3Aに示されているDRMOSコントローラ314のトランジスタドライバは、PWM信号を第1の対のスイッチトランジスタ114(a),116(a)及び第2の対のスイッチトランジスタ114(b),116(b)へ供給する。PWM信号の幅は、第1の対のスイッチトランジスタ114(a),116(a)及び第2の対のスイッチトランジスタ114(b),116(b)のタイミングを制御する。
【0027】
DRMOSコントローラ314に含まれる制御ロジックは、PWMクロック又は一定のオンタイムを設定する。特定の実施形態において、フィードバック補償は、DRMOS制御ユニット312のスイッチング周波数に基づきPCH310においてセットアップされる。よって、PWMクロック又は一定のオンタイムは、所与のスイッチング周波数について微調整されてよい。加えて、又は他の実施形態において、DRMOSコントローラ314に含まれる制御ロジックは、作動して、不連続導通モードを認め、過電流保護を提供する。
【0028】
特定の実施形態において、複数のDRMOS制御ユニット312は、あらゆる数の位相をサポートするよう並行して使用されてよい。加えて、又は他の実施形態において、PCH310は、PWMクロックを含んでよく、PWM信号(必要ならば、更に、DCM)をDRMOS制御ユニット312へ送信してよい。
【0029】
例えば、
図4は、一実施形態に従って、PWMコマンド信号410をDRMOS制御ユニット312へ供給するよう構成されるPCH310を含む電圧レギュレータ400のブロック図である。電圧レギュレータ400は、例えば、高周波オンパッケージ電圧レギュレータとして使用されてよい。言い換えると、電圧レギュレータ400は、プラットフォームの中央演算処理装置(CPU)又はSOCとともにパッケージにおいて含まれてよい。
【0030】
DRMOS制御ユニット312は、第1の対のスイッチトランジスタ114(a),116(a)及び第2の対のスイッチトランジスタ114(b),116(b)と集積されているDRMOSコントローラ314を含む。
図3Aに関して先に論じられたように、第1の対のスイッチトランジスタ114(a),116(a)及び第2の対のスイッチトランジスタ114(b),116(b)は夫々、インダクタ118(a),118(b)へ結合されている。当業者には、他の実施形態が、単一の位相を提供するための単一のトランジスタ対及び単一のインダクタ、又は多数の位相を提供するための2よりも多いトランジスタ対及び2よりも多いインダクタを含んでよいと認識するであろう。
【0031】
図4において、PCH310は、オンパッケージ電圧レギュレータに使用されるクロックを伴うPWMモジュール412を含む。PCH310は、DRMOS制御ユニット312へ供給するPWMコマンド信号410を生成するために、PWMモジュール412を含む自身のデジタル及びアナログ回路を使用する。例えば、
図4に示されているPCH310の特定の実施形態は、PWMコマンド信号410を生成するよう、PWMモジュール412とともに、
図3Bに示された電圧コンパレータモジュール318、増幅器モジュール320、及びデジタル補償モジュール322を使用する。先に論じられたように、電圧コンパレータモジュール318は、電圧フィードバック信号Vsenseをリファレンス電圧Vrefと比較し、電圧差を増幅器モジュール320へ出力する。増幅器モジュール320は、電圧コンパレータモジュール318からの電圧差(又は電圧誤差)を増幅し、増幅された信号をデジタル補償モジュール322へ供給する。デジタル補償モジュール322は、電圧誤差に基づきデジタル補償を提供する。しかしながら、電流コマンド316をDRMOS制御ユニット312へ出力することよりむしろ、PWMモジュール412は、PWMコマンド信号410を生成するためにデジタル補償モジュール322の出力を使用する。
【0032】
加えて、又は他の実施形態において、PCH310は、適切な電圧レギュレータ出力電圧値、スリューレート、及びSOCの動作モードを選択的に制御するよう、例えば、SVIDバスを通じて、SOC(図示せず。)と通信する。例えば、スリープモードにおいて、PCH310は、DCM信号218をDRMOSコントローラへ送信することができる。このことは、DRMOS制御ユニット312がDCMモードに入ること及び/又は位相の幾つかをカットすることを可能にする。
【0033】
図4におけるPCH310は、DRMOS制御ユニット312を、あたかもそれが単相電力段にあるかのように制御するために、PWMコマンド信号410を使用する。DRMOSコントローラ314は、PWMコマンド信号410を分周すること及び位相間で電流を共有することに関与する。例えば、DRMOSコントローラ314は、PCH310から受信されるPWMコマンド信号410を受信して異なる位相に分割する分周器414を含む。
図3Cに関して先に論じられたように、DRMOS制御ユニット312はまた、異なる位相電流Iout(a)及びIout(b)の間の電流共有を提供し且つ維持するよう構成される。
【0034】
加えて、又は他の実施形態において、DRMOSコントローラ314に含まれる制御ロジックは、作動して、不連続導通モードを認め、過電流保護を提供する。
【0035】
ここで開示される特定の実施形態は、設計ごとの位相の数の比較的容易な変更を可能にする。
図3Aに示された実施形態において、例えば、PCH310における幾つかの一定の係数は、位相の数に基づき変更されてよい。他の例として、
図4に示されたPCH310におけるPWMモジュールのクロック周波数は、位相の数に基づき変更されてよい。加えて、又はここで開示される他の実施形態において、より少ないバンプ又は接続は、DRMOS制御ユニットを使用するオンパッケージ電圧レギュレータに使用されてよく、このことは、より安価な費用及びより高い効率を意味する。
【実施例】
【0036】
以下の例は、更なる実施形態に関する。
【0037】
例1において、オンパッケージの電圧レギュレーションシステムは、PCH、複数のインダクタ、及びDRMOS制御ユニットを含む。PCHは、オンパッケージの電圧レギュレーションシステムの出力ノードでの出力電圧に対応する電圧フィードバック信号を受信し、電圧フィードバック信号とリファレンス電圧との間の差に基づき制御信号を出力するよう構成される。複数のインダクタは、オンパッケージの電圧レギュレーションシステムの出力ノードへ結合される。DRMOS制御ユニットは、複数のスイッチトランジスタ及びDRMOSコントローラを含む。複数のスイッチトランジスタは、複数のインダクタを通じて出力ノードへ結合される。複数のインダクタは、DRMOS制御ユニットと出力ノードとの間に並列に接続される。DRMOSコントローラは、ロジック及びトランジスタドライバを含む。DRMOSコントローラのロジックは、PCHからの制御信号に基づき出力電流を決定し、複数のインダクタを通じた出力電流の分配を決定すべきである。トランジスタドライバは、決定された出力電流及び分配に基づき、複数のインダクタを通じて出力電流を共有するようスイッチトランジスタを制御すべきである。
【0038】
例2は、例1のオンパッケージの電圧レギュレーションシステムを含み、DRMOSコントローラのロジックは更に、複数のインダクタを通る個々の電流の相対位相を決定するよう構成され、トランジスタドライバは更に、相対位相に基づき複数のインダクタを通じて出力電流を共有するよう構成される。
【0039】
例3は、例1のオンパッケージの電圧レギュレーションシステムを含み、PCHからの制御信号は電流コマンドを含む。
【0040】
例4は、例3のオンパッケージの電圧レギュレーションシステムを含み、PCHは、電圧フィードバック信号をリファレンス電圧と比較し、電圧フィードバック信号とリファレンス電圧との間の差に対応する電圧誤差信号を出力する電圧コンパレータモジュールを含む。PCHは、電圧誤差に基づき電流コマンドを生成するデジタル補償モジュールを更に含む。
【0041】
例5は、例4のオンパッケージの電圧レギュレーションシステムを含み、PCHは、電圧誤差をデジタル補償モジュールへ供給するより前に電圧誤差信号を増幅する増幅器モジュールを更に含む。
【0042】
例6は、例3のオンパッケージの電圧レギュレーションシステムを含み、DRMOSコントローラのロジックは、電流コマンドに応答して出力ノードでの出力電流を変化させるようDRMOSコントローラの1又はそれ以上の設定を調整する電流調整モジュールと、調整された1又はそれ以上の設定に基づき複数のインダクタを通じた出力電流の分配を決定する電流共有モジュールと、トランジスタドライバへ供給されるPWM信号を生成するPWM制御モジュールとを含む。トランジスタドライバは、PWM信号に基づきスイッチトランジスタを切り替える。
【0043】
例7は、例1のオンパッケージの電圧レギュレーションシステムを含み、PCHからの制御信号はPWMコマンド信号を含む。
【0044】
例8は、例7のオンパッケージの電圧レギュレーションシステムを含み、PCHは、電圧フィードバック信号とリファレンス電圧との間の差に基づきPWMコマンドを生成するPWMモジュールを含む。
【0045】
例9は、例7のオンパッケージの電圧レギュレーションシステムを含み、DRMOSコントローラは、出力電流の決定された分配に基づき、PWMコマンド信号を、複数のインダクタを通る個々の電流に対応する異なる位相に分割する分周器を含む。
【0046】
例10は、例1のオンパッケージの電圧レギュレーションシステムを含み、PCHは、複数のインダクタを通じて共有される出力電流に対応する電流フィードバック信号を使用することなしに、制御信号を生成する。
【0047】
例11は、例1のオンパッケージの電圧レギュレーションシステムを含み、複数のスイッチトランジスタは、第1の対のスイッチトランジスタ及び第2の対のスイッチトランジスタを含む。第1の対のスイッチトランジスタは、入力電圧と接地との間に直列に電気的に結合される。第1の対のスイッチトランジスタの間の第1の中間ノードは、複数のインダクタのうちの第1のインダクタを通じてオンパッケージの電圧レギュレーションシステムの出力ノードへ電気的に結合される。第2の対のスイッチトランジスタは、入力電圧と接地との間に直列に電気的に結合される。第2の対のスイッチトランジスタの間の第2の中間ノードは、複数のインダクタのうちの第2のインダクタを通じてオンパッケージの電圧レギュレーションシステムの出力ノードへ電気的に結合される。
【0048】
例12は、例11のオンパッケージの電圧レギュレーションシステムを含み、トランジスタドライバは更に、決定された出力電流及び分配に基づき、第1のインダクタを通る出力電流のうちの第1の部分及び第2のインダクタを通る出力電流のうちの第2の部分を生成するように、第1の対のスイッチトランジスタ及び第2の対のスイッチトランジスタを制御するよう構成される。
【0049】
例13において、DRMOS制御ユニットは、第1の対のスイッチトランジスタ、第2の対のスイッチトランジスタ、及びDRMOSコントローラを含む。第1の対のスイッチトランジスタは、入力電圧と接地との間に直列に電気的に結合される。第1の対のスイッチトランジスタの間の第1の中間ノードは、第1の電流出力を供給する。第2の対のスイッチトランジスタは、入力電圧と接地との間に直列に電気的に結合される。第2の対のスイッチトランジスタの間の第2の中間ノードは、第2の電流出力を供給する。DRMOSコントローラは、受信された制御信号に基づき総出力電流を決定し、第1の電流出力及び第2の電流出力を通じた総出力電流の分配を決定するよう構成される。DRMOSコントローラは、決定された出力電流及び分配に基づき、第1の電流出力を通じた総出力電流のうちの第1の部分及び第2の電流出力を通じた総出力電流のうちの第2の部分を生成するように、第1の対のスイッチトランジスタ及び第2の対のスイッチトランジスタを制御するトランジスタドライバを含む。
【0050】
例14は、例13のDRMOS制御ユニットを含み、DRMOSコントローラは更に、第1の電流出力及び第2の電流出力を通じた個々の電流の相対位相を決定するよう構成され、トランジスタドライバは更に、個々の電流の相対位相を制御するよう構成される。
【0051】
例15は、例13のDRMOS制御ユニットを含み、制御信号は電流コマンドを含む。
【0052】
例16は、例15のDRMOS制御ユニットを含み、DRMOSコントローラは、電流コマンドに応答して総出力電流を変化させるようDRMOSコントローラの1又はそれ以上の設定を調整する電流調整モジュールと、第1の電流出力及び第2の電流出力を通じた総出力電流の分配を決定する電流共有モジュールと、トランジスタドライバへ供給されるPWM信号を生成するPWM制御モジュールとを含む。トランジスタドライバは、PWM信号に基づきスイッチトランジスタを切り替える。
【0053】
例17は、例13のDRMOS制御ユニットを含み、制御信号はPWMコマンド信号を含む。
【0054】
例18は、例17のDRMOS制御ユニットを含み、DRMOSコントローラは、第1の電流出力及び第2の電流出力による個々の電流に対応する異なる位相にPWMコマンド信号を分割する分周器を含む。
【0055】
例19において、ICパッケージは、ICダイ、PCH,及び電圧レギュレータを含む。ICダイはCPU又はSOCを含む。PCHは、CPU又はSOCの少なくとも1つのデータ経路及びサポート機能を制御し、ICダイへ電気的に結合されるノードでの電圧フィードバックに基づき制御信号を出力すべきである。電圧レギュレータは、ICダイへ電気的に結合されるノードで、レギュレートされた電圧を供給すべきである。電圧レギュレータは、ノードへ結合される複数の位相出力の間で電流を共有する手段と、PCHからの制御信号に応答して複数の位相出力を駆動する手段とを含む。
【0056】
例20は、例19のICパッケージを含み、制御信号は、電圧フィードバックに基づく電流コマンドを含み、電流を共有する手段は、電流コマンドに応答し1又はそれ以上のPWM信号を生成する手段を更に含む。
【0057】
例21は、例19のICパッケージを含み、制御信号は、単一のPWM信号を含み、電流を共有する手段は、複数の位相出力の夫々についてPWM信号を分周する手段を更に含む。
【0058】
例22において、装置は、第1の出力電流を供給する第1のスイッチング手段と、第2の出力電流を供給する第2のスイッチング手段と、制御手段とを含む。制御手段は、受信された制御信号に基づき総出力電流を決定し、第1の出力電流及び第2の出力電流を通じた総出力電流の分配を決定し、決定された出力電流及び分配に基づき、第1のスイッチング手段及び第2のスイッチング手段を駆動して、第1の出力電流による総出力電流のうちの第1の部分と、第2の出力電流による総出力電流のうちの第2の部分とを生成する。
【0059】
例23は、例22の装置を含み、制御手段は更に、第1の出力電流及び第2の出力電流による個々の電流の相対位相を決定し、個々の電流の相対位相を制御する。
【0060】
例24は、例22又は23の装置を含み、制御信号は電流コマンドを含む。
【0061】
例25は、例24の装置を含み、制御手段は更に、電流コマンドに応答して総出力電流を変化させるよう1又はそれ以上の設定を調整し、第1の出力電流及び第2の出力電流による総出力電流の分配を決定し、第1のスイッチング手段及び第2のスイッチ手段を駆動するためのPWM信号を生成する。
【0062】
例26は、例22又は23の装置を含み、制御信号はPWMコマンド信号を含む。
【0063】
例27は、例26の装置を含み、制御手段は更に、第1の出力電流及び第2の出力電流による個々の電流に対応する異なる位相にPWMコマンド信号を分割する。
【0064】
例28において、方法は、CPU又はSOCを含むICパッケージの上又はその中での電圧レギュレーションのために提供される。方法は、ICパッケージの上又はその中において、ICパッケージの上又はその中にあるPCHから受信された制御信号に基づき総出力電流を決定するステップと、ICパッケージの上又はその中において、第1の出力電流及び第2の出力電流による総出力電流の分配を決定するステップと、ICパッケージの上又はその中において、決定された出力電流及び分配に基づき、総出力電流のうちの第1の部分を生成するよう第1の対のスイッチトランジスタを、そして、総出力電流のうちの第2の部分を生成するよう第2の対のスイッチトランジスタを駆動するステップとを含む。
【0065】
例29は、例28の方法を含み、第1の出力電流及び第2の出力電流による個々の電流の相対位相を決定するステップと、個々の電流の相対位相を制御するステップとを更に含む。
【0066】
例30は、例28又は29の方法を含み、制御信号は電流コマンドを含む。
【0067】
例31は、例30の方法を含み、電流コマンドに応答して総出力電流を変化させるよう1又はそれ以上の設定を調整するステップと、第1の出力電流及び第2の出力電流による総出力電流の分配を決定するステップと、第1の対のスイッチトランジスタ及び第2の対のスイッチトランジスタを駆動するためのPWM信号を生成するステップとを更に含む。
【0068】
例32は、例28又は29の方法を含み、制御信号はPWMコマンド信号を含む。
【0069】
例33は、例32の方法を含み、第1の出力電流及び第2の出力電流による個々の電流に対応する異なる位相にPWMコマンド信号を分割するステップを更に含む。
【0070】
例34において、PCHは、オンパッケージの電圧レギュレーションのために構成される。PCHは、オンパッケージの電圧レギュレーションシステムの出力ノードでの出力電圧に対応する電圧フィードバック信号を受信する入力部と、電圧コンパレータモジュールと、増幅器モジュールと、デジタル補償モジュールとを含む。電圧コンパレータモジュールは、電圧フィードバック信号をリファレンス電圧と比較し、電圧フィードバック信号とリファレンス電圧との間の差に対応する電圧誤差信号を出力すべきである。増幅器モジュールは、電圧誤差信号を増幅すべきである。デジタル補償モジュールは、増幅された電圧誤差信号に基づき制御信号を生成すべきである。
【0071】
例35は、例34のPCHを含み、PCHからの制御信号は、電流コマンドを含む。
【0072】
例36は、例34のPCHを含み、PCHからの制御信号は、PWMコマンド信号を含む。
【0073】
例37は、例36のPCHを含み、電圧フィードバック信号とリファレンス電圧との間の差に基づきPWMコマンドを生成するPWMモジュールを更に含む。
【0074】
例38は、例34乃至37のうちのいずれかのPCHを含み、PCHは、オンパッケージの電圧レギュレーションシステムの出力ノードでの出力電圧に対応する電流フィードバック信号を使用することなしに、制御信号を生成する。
【0075】
例39において、機械可読記憶装置は、実行される場合に、例28乃至38のうちのいずれかに挙げられている方法を実施するか又はPCHを実現する機械可読命令を含む。
例40において、
ドライバ金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(DRMOS)制御ユニットであって、入力電圧と接地との間に直列に電気的に結合される、第1半導体ダイの第1の対のスイッチトランジスタであり、第1の対のスイッチトランジスタの間の第1の中間ノードが第1の電流出力を供給する、第1の対のスイッチトランジスタと、入力電圧と接地との間に直列に電気的に結合される、第1半導体ダイの第2の対のスイッチトランジスタであり、第2の対のスイッチトランジスタの間の第2の中間ノードが第2の電流出力を供給する、第2の対のスイッチトランジスタと、受信された単一の制御信号に基づき総出力電流を決定し、第1の電流出力及び第2の電流出力を通じた総出力電流の分配を決定するよう構成される、第1半導体ダイのDRMOSコントローラとを有し、DRMOSコントローラは、決定された総出力電流及び分配に基づき、第1の電流出力を通じた総出力電流の第1の部分と、第2の電流出力を通じた総出力電流の第2の部分とを生成するよう、第1の対のスイッチトランジスタ及び第2の対のスイッチトランジスタを制御するトランジスタドライバを有し、DRMOSコントローラは、第1半導体ダイから分離した第2半導体ダイのプラットフォームコントローラハブ(PCH)から受信された単一の制御信号を受信するよう構成される、DRMOS制御ユニットである。
例41において、DRMOSコントローラは更に、第1の電流出力及び第2の電流出力を通じた個々の電流の相対位相を決定するよう構成され、トランジスタドライバは更に、個々の電流の相対位相を制御するよう構成される、例40に記載のDRMOS制御ユニットである。
例42において、単一の制御信号は、電流コマンドを有する、例40に記載のDRMOS制御ユニットである。
例43において、DRMOSコントローラは、電流コマンドに応答して総出力電流を変化させるようDRMOSコントローラの1又はそれ以上の設定を調整する電流調整モジュールと、第1の電流出力及び第2の電流出力を通じた総出力電流の分配を決定する電流共有モジュールと、トランジスタドライバへ供給されるPWM信号を生成して、トランジスタドライバがPWM信号に基づきスイッチトランジスタを切り替えるようにするパルス幅変調(PWM)制御モジュールとを有する、例42に記載のDRMOS制御ユニットである。
例44において、DRMOSコントローラは、PWMコマンド信号を、第1の電流出力及び第2の電流出力による個々の電流に対応する異なる位相に分割する分周器を含む、例40に記載のDRMOS制御ユニットである。
【0076】
様々な実施形態は、ハードウェア要素、ソフトウェア要素、及び/又は両者の組み合わせを用いて実施されてよい。ハードウェア要素の例は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、回路、回路素子(例えば、トランジスタ、抵抗、キャパシタ、インダクタ、など)、集積回路、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit)(ASIC)、プログラム可能ロジックデバイス(programmable logic device)(PLD)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor)(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array)(FPGA)、ロジックゲート、レジスタ、半導体デバイス、チップ、マイクロチップ、チップセット、などを含んでよい。ソフトウェアの例は、ソフトウェアコンポーネント、プログラム、アプリケーション、コンピュータプログラム、アプリケーションプログラム、システムプログラム、マシンプログラム、オペレーティングシステムソフトウェア、ミドルウェア、ファームウェア、ソフトウェアモジュール、ルーチン、サブルーチン、関数、メソッド、プロシージャ、ソフトウェアインターフェース、アプリケーションプログラムインターフェース(application program interface)(API)、命令セット、コンピューティングコード、コンピュータコード、コードセグメント、コンピュータコードセグメント、ワード、値、シンボル、又はそれらのあらゆる組み合わせを含んでよい。
【0077】
少なくとも1つの実施形態の1又はそれ以上の態様は、機械によって読み出される場合に、その機械に、ここで記載される技術を実行するためのロジックを組み立てさせるプロセッサ内の様々なロジックを表す、機械可読媒体において記憶された表象命令によって実施されてよい。“IPコア”として知られているそのような表現は、有形な機械可読媒体において記憶され、ロジック及びプロセッサを実際に構成する製造機械にロードするよう様々な顧客又は製造工場へ供給されてよい。
【0078】
語“結合される(coupled)”は、問題となっている構成要素の間の直接的又は間接的なあらゆるタイプの関係に言及するためにここで使用されてよく、電気、機械、流体、光、電磁気、電気機械又は他の接続に適用してよい。加えて、語“第1(first)”、“第2(second)”、等は、議論を容易にするためにのみここで使用され、別なふうに示されない限りは特定の時間的又は時間順序的意味を持たない。
【0079】
“一実施形態(one embodiment)”、“実施形態(an embodiment)”、“実施例(example embodiment)”、等への本明細書における如何なる言及も、実施形態に関連して記載される特定の機能、構造、又は特徴が本発明の少なくとも1つの実施形態において含まれることを意味する。明細書中の様々な箇所におけるそのような言い回しの出現は、必ずしも全てが同じ実施形態に言及しているわけではない。更に、特定の機能、構造、又は特徴がいずれかの実施形態に関連して記載される場合に、他の実施形態に関連してそのような機能、構造、又は特徴に作用することは、当該技術の通常の知識の範囲内にあると考えられる。
【0080】
実施形態は、その多数の実例となる実施形態を参照して記載されてきたが、多数の他の変形例及び実施形態は、本開示の原理の主旨及び適用範囲内で当業者に想到可能であることが理解されるべきである。特に、様々な変更及び改良は、本開示、図面及び添付の特許請求の範囲の適用範囲内で対象の組み合わせの構成部分及び/又は配置において可能である。構成部分及び/又は配置における変形及び改良に加えて、代替の使用も当業者に明らかであろう。本発明の適用範囲は、従って、特許請求の範囲によってのみ決定づけられるべきである。